JP2011013414A - 電気泳動表示装置の駆動方法及び電気泳動表示装置 - Google Patents

電気泳動表示装置の駆動方法及び電気泳動表示装置 Download PDF

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禎久 内城
Masahiro Masuzawa
正弘 升澤
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Abstract

【課題】電気泳動表示装置における第1の表示状態から第2の表示状態へ切り替えの応答速度が速く表示にムラがない電気泳動表示装置の駆動方法、及び該電気泳動表示装置の駆動方法により制御される電気泳動表示装置を提供する。
【解決手段】透明な第1電極と、第2電極及び第3電極との間に、光学特性及び帯電特性の異なる3種類の粒子が溶媒中に分散されてなる電気泳動表示媒体を備えた電気泳動表示装置について、ある色を表示する第1の表示状態から、該第1の表示状態とは異なる色を表示する第2の表示状態へ切り替えるとき、前記第2の表示状態とする前に、前記第2電極に所定の矩形波からなる電圧印加パターンを1または複数回繰り返す第1の電圧印加過程と、前記第3電極に所定の矩形波からなる電圧印加パターンを1または複数回繰り返す第2の電圧印加過程と、を含む初期化駆動を行う。
【選択図】図10

Description

本発明は、電気泳動液を用いた電気泳動表示装置の駆動方法、及び該電気泳動表示装置の駆動方法により制御される電気泳動表示装置に関する。
文字や静止画、動画等のいわゆる画像の表示用端末としては、CRTや液晶ディスプレイが広く用いられている。これらはデジタルデータを瞬時に表示し、書き換えることができるが、装置を常に持ち歩くことは容易ではない。また、自発光デバイスであるため長時間の作業では眼が疲労することや、電源をオフにすると表示が維持されないなどの難点がある。一方、文字や静止画を書類などとして配布や保存するときは、プリンタにて紙媒体に記録される。この紙媒体は、いわゆるハードコピーとして、広く使用されている。ハードコピーは多重散乱による反射を見ることになるので、自発光デバイスより視認性がよく、疲れにくい。また、軽量でハンドリングに優れていることから、自由な姿勢で読むことができる。しかし、ハードコピーは使用された後は廃棄される。一部はリサイクルされるが、そのリサイクルには、多くの労力と費用を要するなど省資源の点からは課題がある。近年、情報機器の発達に伴い、書類作成などの情報の処理をコンピュータ上で行うようになり、表示用端末上で文章を読む機会が大幅に増えている。
このような状況において、ディスプレイとハードコピーの両方の長所を持った書き換えが可能で、かつ読むという行為に適した、ペーパーライクな表示媒体へのニーズが高まっている。最近は、高分子分散型液晶、双安定性コレステリック液晶、エレクトロクロミック素子、電気泳動素子等を用いた表示媒体が、反射型で明るい表示ができ、かつメモリー性のある表示媒体として注目されている。中でも電気泳動素子を用いた表示媒体は、表示品質、表示動作時の消費電力の点で優れており、例えば、特許文献1などにその原理的な発明が開示されている。
電気泳動方式の表示媒体では、一組の透明電極の間に、着色した分散媒中に、分散媒の色とは異なる色を有する複数の電気泳動粒子を分散させた分散液を封入してある。この場合、その電気泳動粒子(単に泳動粒子とも言う。)は、分散媒中で粒子表面に電荷を帯びており、一方の透明電極側に泳動粒子の電荷を吸引する電圧を与えた場合には、泳動粒子がその透明電極側に吸引され集積して泳動粒子の色が観測され、泳動粒子の電荷と反発する電圧を与えた場合には、泳動粒子は反対側の透明電極側に移動するため分散媒の色が観測される。この変化を利用することにより表示を行うことができる。
反射型のディスプレイでは高い白反射率を有する満足なカラー表示が可能なものはない一方でその訴求は強く、カラー化の研究が多くなされている。カラー表示を意識した3種類の粒子が分散した電気泳動表示液を用いたディスプレイに関しては、特許文献2,3に開示されている。また、特許文献4には、着色した分散媒に電気泳動性を持つ粒子と電気泳動性を持たない粒子とを分散した電気泳動表示液を用いたディスプレイを開示している。
また、特許文献2および4においては、3種の粒子を媒体中に分散させ、又は着色媒体中に2種の粒子を分散させてカラー表示を試みている。記載内容だけでは表示の動作方法について十分に開示されていないが、電気泳動粒子を表示面の隅に寄せたり、電気泳動素子に対する透過光を利用したりして、十分な表示明度が得られない場合があると考えられる。
また発明者らは、特許文献5および非特許文献1および非特許文献2で、ひとつの画素領域で3種の色を表示でき、反射率やコントラストの優れた電気泳動表示素子を発明し開示している。しかしながら、3種の分散性粒子のうちの2種の電気泳動粒子を観察不可能な状態にする際の駆動方法について検討の余地があった。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、一つの電気泳動表示媒体で3種の色を表示でき、反射率やコントラストの優れる電気泳動表示素子を用いた電気泳動表示装置における第1の表示状態から第2の表示状態へ切り替えの応答速度が速く表示にムラがない電気泳動表示装置の駆動方法、及び該電気泳動表示装置の駆動方法により制御される電気泳動表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 支持体上または支持体中に配置され、お互いに光学特性及び帯電特性の異なる3種類の分散性粒子(第1の分散性粒子6,第2の分散性粒子7,第3の分散性粒子8)が溶媒中に分散した電気泳動液を内包する複数の電気泳動表示媒体(電気泳動表示媒体11,12,13)と、前記電気泳動表示媒体に隣接して配置される透明電極(第1の電極14)と、前記電気泳動表示媒体ごとに前記透明電極に対して該電気泳動表示媒体を挟んで対向配置される複数の電極(第2の電極15,17,19、第3の電極16,18,20)と、を備える電気泳動表示装置(電気泳動表示装置10)の駆動方法であって、前記複数の電気泳動表示媒体のうち少なくともいずれか一の電気泳動表示媒体について、前記3種類の分散性粒子のうち正に帯電した分散性粒子、負に帯電した分散性粒子それぞれを前記透明電極及び複数の電極のうちいずれか異なる電極の近くに別々に偏在させて第1の表示状態とする電圧印加制御を行い(S11)、ついで、前記透明電極に対して、複数の電極のいずれか一の電極との間に所定のパルスパターンの電圧を印加し、前記複数の電極の残りのいずれか一の電極との間に所定のパルスパターンの電圧を印加する初期化駆動を行い(S12)、その後に前記正に帯電した分散性粒子、負に帯電した分散性粒子それぞれを前記透明電極及び複数の電極のうちいずれかの異なる電極の近くに別々に前記第1の表示状態とは異なる配置で偏在させて第2の表示状態とする電圧印加制御を行う(S13)ことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法(図2、図9、図10、図12〜図15)。
〔2〕 支持体上または支持体中に配置され、電荷がない第1粒子(第1の分散性粒子6)、正の電荷をもつ第2粒子(第2の分散性粒子7)、負の電荷をもつ第3粒子(第3の分散性粒子8)からなりお互いに光学特性の異なる3種類の分散性粒子が溶媒中に分散した電気泳動液を内包する複数の電気泳動表示媒体(電気泳動表示媒体11,12,13)と、前記電気泳動表示媒体に隣接して配置される透明な第1電極(第1の電極14)と、前記電気泳動表示媒体ごとに前記第1電極に対して該電気泳動表示媒体を挟んで対向配置される第2電極及び第3電極(第2の電極15,17,19、第3の電極16,18,20)と、を備え、前記第1電極と第2電極及び/又は第3電極との間に電圧を印加して前記第2粒子及び/又は第3粒子を前記電気泳動表示媒体内を移動させて所定の表示状態とする電気泳動表示装置(電気泳動表示装置10)の駆動方法であって、前記複数の電気泳動表示媒体のうち少なくともいずれか一の電気泳動表示媒体について、前記第2粒子、第3粒子それぞれを電気泳動表示媒体内の所定位置に配置する第1の表示状態(S11)から、該電気泳動表示媒体内における前記第2粒子及び/又は第3粒子の配置を該第1の表示状態の場合とは異なるものとする第2の表示状態(S13)へ切り替えるとき、前記第2の表示状態とする前に、前記第2電極に第1の電圧を所定時間印加し、ついで該第1の電圧とは異なる第2の電圧を所定時間印加する電圧印加パターンを1または複数回繰り返す第1の電圧印加過程と、前記第3電極に第3の電圧を所定時間印加し、ついで該第3の電圧とは異なる第4の電圧を所定時間印加する電圧印加パターンを1または複数回繰り返す第2の電圧印加過程と、を含む初期化駆動を行う(S12)ことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法(図2、図9、図10、図12〜図15)。
〔3〕 前記第1の表示状態または第2の表示状態は、前記第2粒子、第3粒子のうち一方が第2電極に近い位置に存在し、他方が第3電極に近い位置に存在することである前記〔2〕に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
〔4〕 前記第1の電圧の極性と前記第2の電圧の極性が逆の関係であり、前記第3の電圧の極性と前記第4の電圧の極性が逆の関係であることを特徴とする前記〔2〕または〔3〕に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
〔5〕 前記第1の電圧の極性と前記第3の電圧の極性の関係と、前記第2の電圧の極性と前記第4の電圧の極性の関係のいずれかまたは両方が逆の関係であることを特徴とする前記〔2〕〜〔4〕のいずれかに記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
〔6〕 前記初期化駆動は、前記第2電極、第3電極のうち一方の電極に前記第2粒子または第3粒子の電荷とは逆の極性の電圧を、他方の電極には0Vを所定時間印加する第3の電圧印加過程を含むことを特徴とする前記〔2〕〜〔5〕のいずれかに記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
〔7〕 支持体上または支持体中に配置され、電荷がない第1粒子、正の電荷をもつ第2粒子、負の電荷をもつ第3粒子からなりお互いに光学特性の異なる3種類の分散性粒子が溶媒中に分散した電気泳動液を内包する複数の電気泳動表示媒体と、前記電気泳動表示媒体に隣接して配置される透明な第1電極と、前記電気泳動表示媒体ごとに前記第1電極に対して該電気泳動表示媒体を挟んで対向配置される第2電極及び第3電極と、を備え、前記第1電極と第2電極及び/又は第3電極との間に電圧を印加して前記第2粒子及び/又は第3粒子を前記電気泳動表示媒体内を移動させて所定の表示状態とする電気泳動表示装置であって、前記複数の電気泳動表示媒体のうち少なくともいずれか一の電気泳動表示媒体について、前記第2粒子、第3粒子それぞれを電気泳動表示媒体内の所定位置に配置する第1の表示状態から、該電気泳動表示媒体内における前記第2粒子及び/又は第3粒子の配置を該第1の表示状態の場合とは異なるものとする第2の表示状態へ切り替えるとき、前記〔2〕〜〔6〕のいずれかに記載の電気泳動表示装置の駆動方法により駆動制御が行われることを特徴とする電気泳動表示装置。
本発明によれば、一つの電気泳動表示媒体あるいは画素領域で実質的に彩度の高い表示と彩度のない表示が可能で、反射率やコントラストの優れた電気泳動表示装置の駆動方法を提供でき、第1の表示状態から第2の表示状態へ切り替えの際の応答速度が速く、表示にムラがない電気泳動表示装置の駆動方法を提供することができる。特に3種の分散性粒子のうちの2種の電気泳動粒子を実質的に観察不可能な状態にするときなどの表示状態の切り替えに有効である。
本発明で用いる電気泳動表示素子の作動説明図(1)である。 本発明で用いる電気泳動表示装置の作動説明図である。 電気泳動表示装置における各色の電気泳動表示素子の配置例(1)を示す図である。 電気泳動表示装置における各色の電気泳動表示素子の配置例(2)を示す図である。 本発明で用いる電気泳動表示装置の組立方法(1)を示す図である。 本発明で用いる電気泳動表示装置の組立方法(2)を示す図である。 本発明で用いる電気泳動表示素子の作動説明図(2)である。 本発明で用いる電気泳動表示素子の作動説明図(3)である。 本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法における制御工程を示す図である。 図1の電気泳動表示素子における初期化駆動の基本的な電圧印加パターンを示す図である。 本発明で用いる電気泳動表示素子の作動説明図(4)である。 図1の電気泳動表示素子における初期化駆動の別の電圧印加パターン(1)を示す図である。 図1の電気泳動表示素子における初期化駆動の別の電圧印加パターン(2)を示す図である。 図1の電気泳動表示素子における初期化駆動の別の電圧印加パターン(3)を示す図である。 図1の電気泳動表示素子における初期化駆動の別の電圧印加パターン(4)を示す図である。 実施例で作製した電気泳動表示素子のサンプル構成を示す図である。 実施例1の電圧印加パターンと第2の表示状態における反射率測定結果を示す図である。 実施例2の電圧印加パターンと第2の表示状態における反射率測定結果を示す図である。
以下に、本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法について説明する。
まず、本発明で用いる電気泳動液、電気泳動素子、電気泳動装置の構成について説明する。
[電気泳動液]
本発明で用いる電気泳動液は、電気泳動媒体である溶媒中に光学特性及び帯電特性が異なる3種類の分散性粒子が分散している。そして、第1の分散性粒子は電荷がなく、第2の分散性粒子は電荷が正の電気泳動粒子であり、第3の分散性粒子は電荷が負の電気泳動粒子である。光学特性としては、白色、黒色などの明度の違いを含めた色が重要な要素である。
前記電気泳動液において用いることのできる分散性粒子(以下、単に粒子と略称することがある。)としては、有色又は無色の無機及び有機の顔料粒子が挙げられる。顔料粒子とは、電気泳動媒体として用いる溶媒との組合せにおいて、溶媒に対する溶解性が低いものであり、溶媒中において分散状態で存在できる粒子である。
具体的例を示すと、無機顔料粒子としては、鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、チタンブラック、カーボンブラック、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等が挙げられる。
有機顔料粒子としては、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等が挙げられる。
また、有機顔料粒子としては、ポリマー粒子、特に中空ポリマー粒子が好ましい。ポリマーからなる中空粒子としては、従来公知の方法で製造することが可能であり、「微粒子ポリマーの新展開(東レリサーチセンター)」、「微孔性ポリマーとその応用展開(東レリサーチセンター)」や「高分子微粒子の最新技術と用途展開(シーエムシー)」等をはじめとする各種文献に掲載されている各種方法によって作製することが可能である。例えば、乳化重合を利用した方法、シード乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、懸濁重合法+発泡を利用した方法、シード重合法+発泡を利用した方法、シード重合+重合収縮を利用した方法、W/O/Wエマルジョンの懸濁重合による方法、スプレードライの液滴の表面乾燥を利用した方法、ポリマーエマルジョンを電解質固体粒子の添加により凝集させるシード凝集法等が挙げられるが、これらの方法によって作製されたものに限定されるものではない。
有機ポリマーからなる中空粒子を構成する有機ポリマーの材質としても、従来公知のポリマー材料から選ばれるものを使用する透明な分散媒に溶解しない組合せにおいて用いることができる。これらの例としては、スチレン系、スチレン−アクリル系、スチレン−イソプレン系、ジビニルベンゼン系、メチルメタクリレート系、メタクリレート系、エチルメタクリレート系、エチルアクリレート系、n−ブチルアクリレート系、アクリル酸系、アクリロニトリル系、アクリルゴム−メタクリレート系、エチレン系、エチレン−アクリル酸系、ナイロン系、シリコーン系、ウレタン系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、フェノール系、フッソ(テトラクロロエチレン)系、塩化ビニリデン系、ビニルナフタレン系、ビニルカルバゾール系、4級ピリジニウム塩系、合成ゴム、セルロース、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシウム等のポリマー材料及びこれらのポリマー材料に対して架橋を行うことにより耐溶剤性を向上させたポリマー材料が挙げることができるが、これらのポリマー材料に限定されるものではない。また、本発明で用いる上記の有機ポリマーからなる中空粒子に対しては、必要に応じて染色により着色して用いることも可能である。
これらの顔料成分は、顔料単独の微粒子としてだけでなく、各種表面改質を施した状態でも用いることが可能である。この場合の表面改質の方法としては、顔料粒子に対して通常行われる各種の方法を適用することができ、例えば、ポリマーをはじめとする各種化合物を顔料表面にコーティングしたもの、チタネート系・シラン系等の各種カップリング剤によるカップリング処理したもの、グラフト重合処理したもの等が挙げられる。また、これらの顔料粒子は、メカノケミカル的な処理を施した状態でも用いることが可能であり、顔料粒子相互、又はポリマー粒子・中空ポリマー粒子との間で形成された複合粒子、さらに、各種樹脂との間で形成された複合粒子等の形態としても用いることが可能である。
これらの粒子としては、分散媒として用いる溶媒との関係により各種粒子径のものを用いることが可能であるが、分散性、泳動性等の観点から、粒子径は、0.01〜100μmが好ましく用いられるが、これらの粒径に限定されるものではない。
前記の粒子の中で、電荷のない、すなわち帯電量がゼロの第1の粒子として、好ましい粒子は、ポリビニルナフタレンが挙げられる。このポリビニルナフタレンは、非極性溶媒であるシリコンオイル中で、シリコンマクロモノマーを分散剤に用いてビニルナフタレンの分散重合を行なうことで、所望の微粒子が得られる。また、酸化チタンにポリビニルナフタレンをコーティングした粒子やポリビニルカルバゾールも帯電量がゼロの第1の粒子として用いることができる。以上の粒子が好ましいが、本発明における第1の粒子はこれらの粒子に限定されるものではない。
前記の粒子の中で、正の電荷の第2の分散性粒子、すなわち帯電量が正の好ましい粒子としては、表面改質されたカーボンブラック、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、モノアゾ顔料が挙げられる。これらの顔料は、2エチルヘキシル基がグラフト重合され、表面が改質されていることが好ましい。以上の粒子が好ましいが、本発明における第2の粒子はこれらの粒子に限定されるものではない。
前記の粒子の中で、負の電荷の第3の分散性粒子、すなわち帯電量が負の粒子としては、表面改質されたカーボンブラック、チタンブラック、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、モノアゾ顔料が挙げられる。これらの顔料は、カルボキシル基を有するポリマーが表面にヘテロ凝集して、表面が改質されていることが好ましい。あるいは、これらの顔料はラウリル基がグラフト重合され、表面が改質されていることが好ましい。以上の粒子が好ましいが、本発明における第3の粒子はこれらの粒子に限定されるものではない。
本発明で用いる電気泳動液において、分散媒として用いることのできる溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェニルキシリルエタン、ジイソプロピルナフタレン、ナフテン系炭化水素等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ドデシルベンゼン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル等のハロゲン化炭化水素類、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル等のリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、2,4−ジターシャリアミノフェノール、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。前記の分散媒の中で、電気泳動液の溶媒として、特に好ましい物として、パラフィン系炭化水素が挙げられる。
また、前記電気泳動液においては、帯電機能を有する分散性粒子、帯電機能を有さない分散性粒子以外に、分散性粒子の表面電荷量の制御や分散性の向上のため、慣用的に用いられる各種の補助成分を添加して用いることができる。これらの補助成分としては、界面活性剤、保護コロイド剤等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
界面活性剤としては、電気泳動液の溶媒に対して溶解又は分散状態で混ざり合うことのできるノニオン(非イオン)系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤のイオン系界面活性剤を単独又は、2種以上混合して用いることができる。これらの界面活性剤の具体例としては、以下のものが挙げられるが、本発明にて用いる界面活性剤は、これらに限定されるものではない。
ノニオン系界面活性剤: ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、ポリオキシポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ノニルフェノールエトキシレート等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類。ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル類。モノオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、ジオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、トリオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、モノオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ジオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ランダムタイプのポリアルキレングリコール等のグリコール類。オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート等の第1級直鎖アルコールエトキシレート及び、第2級直鎖アルコールエトキシレート、多核フェノールエトキシレート等のアルキルアルコールエーテル類。ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエステル等のポリオキシアルキレンアルキルエステル類。ソルビタンモノラウレイト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジラウレイト、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンセスキラウレイト、ソルビタンセスキパルミテート、ソルビタンセスキステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類。ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンジパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンセスキパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類。飽和脂肪酸メチルエステル、不飽和脂肪酸メチルエステル、飽和脂肪酸ブチルエステル、不飽和脂肪酸ブチルエステル、飽和脂肪酸ステアリルエステル、不飽和脂肪酸ステアリルエステル、飽和脂肪酸オクチルエステル、不飽和脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸ポリエチレングリコールエステル、オレイン酸ポリエチレングリコールエステル、ロジンポリエチレングリコールエステル等の脂肪酸エステル類。ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類及び、これら脂肪酸のアミド化化合物類。ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアミン類。ラウリル酸モノエタノールアミド、椰子脂肪酸ジエタノールアミド等の高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ヤシジエタノールアミド(1−2型/1−1型)、アルキルアルキロールアミド等のアミド化合物類及び、アルカノールアミド類。R−(CH2 CH2 O)mH(CH2 CH2 O)nH、R−NH−C36 −NH2 〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表されるアルカノールアミン類。R−NH2 〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される1級アミン類。R1R2−NH〔R1・R2=R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される2級アミン類。R1R2R3N〔R1・R2・R3=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される3級アミン類。各種合成系高級アルコール類及び、各種天然系高級アルコール類。アクリル酸系化合物、ポリカルボン酸系化合物、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー変成物等の高分子類及び、オリゴマー類。
アニオン系界面活性剤: ポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリカルボン酸型陰イオン活性剤、特殊脂肪酸石鹸、ロジン石鹸等のカルボン酸塩類。ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルNa塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルアミン塩、天然アルコール硫酸エステルNa塩、高級アルコール硫酸エステルNa塩等のアルコール系硫酸エステル塩類及び、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルアミン塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルNa塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルNa塩等の硫酸エステル塩類。各種アルキルアリルスルホン酸アミン塩、各種アルキルアリルスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸アミン塩、ナフタレンスルホン酸Na塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等のスルホン酸塩類。ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸Na塩等のポリオキシアルキレン系スルホン酸塩類。ジアルキルスルホサクシネートアミン塩、ジアルキルスルホサクシネートNa塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートアミン塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートNa塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルNa塩等のスルホ琥珀酸エステル塩類。アルキルリン酸エステル、アルコキシアルキルリン酸エステル、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールリン酸塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類及び、リン酸塩類。
カチオン系界面活性剤: R−N(CH3 )3X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるアルキルトリメチルアミン系4級アンモニウム塩類。テトラメチルアミン系塩、テトラブチルアミン塩等の4級アンモニウム塩類。(RNH3 )(CH3 COO)〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等〕で表される酢酸塩類。ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)等のベンジルアミン系4級アンモニウム塩類。R(CH3 )N(C24 O)mH(C24 O)n・X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるポリオキシアルキレン系4級アンモニウム塩類。
両性系界面活性剤: 各種ベタイン型界面活性剤、各種イミダゾリン系界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等。また、保護コロイド剤としては、分散媒に対して溶解又は分散状態で混ざり合うことのできる各種保護コロイド剤を用いることができる。
[電気泳動表示媒体]
本発明で用いる電気泳動表示媒体は、少なくとも一方が透明の中空構造体中に上述の電気泳動液を内包している。通常は、この電気泳動表示媒体は微小構造をしており、これに荷電した分散粒子を泳動させるための電極を設置して、電気泳動表示素子として用いられる。
本発明で用いる電気泳動表示媒体の好ましい態様として、中空構造体としてマイクロカプセルを用いた、前記電気泳動液(電気泳動表示用液ともいう)を内包したマイクロカプセルがある。マイクロカプセルは、周知のin−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等により調製することが出来る。その際、マイクロカプセルの材質としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシリ、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等が挙げられる。また、マイクロカプセルの大きさは、30〜200μmの範囲内で形成することが好ましい。この範囲であれば、電気泳動表示素子として利用した際に、個々の表示素子の形状とのバランスが取り易い。
本発明で用いる電気泳動表示媒体の好ましい別の態様として、中空構造体としてハニカム構造体を利用することが出来る。このハニカム構造は、多数の電気泳動表示媒体を利用した電気泳動表示装置を念頭に置いた構造であり、ハニカム構造のセル一つずつが電気泳動表示媒体一つずつに相当する。この態様の電気泳動表示媒体は、基板上にフォトリソグラフィー等により樹脂製のハニカム構造を形成し、ハニカム構造中のセルに本発明の電気泳動液を注入し、電気泳動液に溶解しない樹脂でセルの表面を封止すれば得られる。通常は、ハニカム構造の各セルに電気泳動液を充填して電気泳動表示媒体の集合体とする。その際、ハニカム構造を形成する樹脂としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシリ、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等の樹脂やポリメチルメタクリレート、ノボラック樹脂、ポリスチレン等をベースとしたフォトレジスト等が挙げられる。封止用の樹脂としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシリ、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等を用いることが出来る。封止は、スリットコーター等の塗布装置により、電気泳動表示用液上に塗布し、乾燥させて膜を形成する。場合によっては封止用の樹脂中に界面活性剤を添加し、電気泳動表示液上に膜を形成させやすくする。セルの壁厚は0.5〜20μm、セルの深さは30〜200μm、セル間のピッチは30〜200μmの範囲内で形成することが好ましい。
[電気泳動表示素子]
上述の電気泳動表示媒体に電極を配置すれば、本発明で用いる電気泳動表示素子となる。電極は、通常の電気泳動素子とは異なって3極になっており、図1に示すように、透明な第1の電極3と第2及び第3の電極4,5とが電気泳動表示媒体を介して対向して配置されている。第1の電極3を配置した面が、電気泳動表示素子1の表示面となり第2及び第3の電極4,5は表示面とほぼ反対側に配置する。前記電気泳動表示素子1において用いることのできる第1の電極3としては、ITO、SnO、ZnO/Al等の透明な導電性薄膜が挙げられる。第2及び第3の電極4,5としては、電界を印加できるスイッチング機能を有する薄膜トランジスタが好ましく用いられる。
[電気泳動表示装置]
本発明で用いる電気泳動表示装置は、上述の電気泳動表示素子を複数個並べたものである。この際、隣接する電気泳動表示素子同士は、第1の電極面が同一方向に面するように配置されている。図2は3個の電気泳動表示素子を配置した電気泳動表示装置の概念図である。この場合、第1の電極14は、3個の電気泳動表示媒体11,12,13で共通とし、第2及び第3の電極はそれぞれの電気泳動表示媒体ごとに独立して電圧を印加される。例えば、電気泳動表示媒体11における第2及び第3の電極15,16、電気泳動表示媒体12における第2及び第3の電極17,18、電気泳動表示媒体13における第2及び第3の電極19,20は、それぞれ別個に電圧が印加される。この電気泳動表示装置10は、第1の電極面が全て同じ面上にあり、図の上方からそれぞれの電気泳動表示素子中の分散性粒子21〜25が観察できる。なお、この電気泳動表示装置は、図示していないが、ガラスや樹脂製などの基板によって支持されている。
この電気泳動表示装置において、複数の電気泳動表示素子の配置の仕方はどのようなものでもよいが、それぞれのセルが隣接するハニカム構造が好ましい。特に、図3,図4に示すような正方格子状又は六方細密状のハニカム構造が好ましい。そして、この電気泳動表示装置をカラー表示用として用いる場合は、例えば、図3,図4に示すようにそれぞれのセルをイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の3色を表示する電気泳動表示媒体として、それぞれ同じ色を表示する電気泳動表示媒体が隣接しないように配置することが好ましい。すなわち、電気泳動表示装置中の隣り合うそれぞれの電気泳動表示素子は、少なくとも一つの分散性粒子の光学特性が異なっていることが好ましい。さらに具体的には、それぞれの電気泳動表示素子における電気泳動表示媒体は、それぞれ白色、黒色及びイエローの分散性粒子を含む電気泳動液、白色、黒色及びマゼンタの分散性粒子を含む電気泳動液、並びに白色、黒色及びシアンの分散性粒子を含む電気泳動液を内包する3種類であり、同じ種類の電気泳動表示素子は隣接していないことが好ましい。さらに、第1の分散性粒子が白色であり、第2の分散性粒子がイエロー、マゼンタ又はシアンであり、第3の分散性粒子が黒色であることが好ましい。あるいは第1の分散性粒子が白色であり、第2の分散性粒子が黒色であり、第3の分散性粒子がイエロー、マゼンタ又はシアンであることが好ましい。白色の分散性粒子はポリマー粒子、特に中空ポリマー粒子であり、黒色の分散性粒子はカーボン粒子であることが好ましい。
[電気泳動表示装置の製造方法]
前記電気泳動表示装置の製造方法を説明する。
まず本発明で用いる電気泳動表示素子において用いることのできる第1の電極としては、上述のようにITO、SnO、ZnO/Al等の透明な導電性薄膜が挙げられる。これらの薄膜を、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等により、透明なガラス基板あるいはPET等のフィルム基板上に形成する。第1の電極が形成されたガラス基板あるいはPET等のフィルム側が、電気泳動表示素子の表示面となる。
また、電気泳動表示素子において用いることのできる第2及び第3の電極は、対にして電界を印加できるスイッチング機能を有する薄膜トランジスタが好ましく挙げられる。これらの第2及び第3の電極の対である薄膜トランジスタを、ガラス基板あるいはPET等のフィルム基板上に正方格子状あるいは六方最密状に配置して形成することが好ましい。また、薄膜トランジスタの間の間隔を30〜200μmの範囲内で形成することが好ましい。
次に、フォトリソグラフィー等により前記電気泳動液を充填するセルを、第2、第3の電極上にあわせて形成する。セルの形成には、電極を配置した基板表面にフォトレジスト樹脂を塗布してから対になる電極部分の樹脂を除去して開口を形成してやればよい。セルの壁厚となる開口間のフォトレジスト樹脂の幅は0.5〜20μm、セルの深さとなるフォトレジスト樹脂の厚さは30〜200μm、セル間のピッチは30〜200μmの範囲内で形成する。セル中に前記電気泳動液を注入し、電気泳動液と相溶しない樹脂で封止を行う。その際、電気泳動液と相溶しない樹脂としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシリ、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等が挙げられる。前記の樹脂は、スリットコーター等の塗布装置により、電気泳動液上に塗布し、乾燥させて膜を形成する。場合によっては前記樹脂中に界面活性剤を添加し、電気泳動表示液上に膜を形成させやすくする。封止した樹脂膜と第1の電極が形成されたガラス基板あるいはPET等のフィルムとを接着し、電気泳動表示素子が完成する。
このとき、隣接するセルに異なる電気泳動液を注入する方法として、インクジェットのノズルを用いて、隣接セルに異なる液を注入する方法がある。隣接するセルに異なる電気泳動表示用液を配置することにより、多色表示の電気泳動表示装置となる。
別の電気泳動表示装置の製造方法について図5を参照にしながら説明する。
第1の電極及び第2、第3の電極を設置した基板を上述の方法で作成しておく。図5(a)に第2、第3の電極32,33を設置した基板31を示す。図5(b)は、前記電気泳動液を内包したマイクロカプセル35を、第2、第3の電極32,33にあわせて配置させたところである。マイクロカプセル35は、すでに説明した方法で作成すればよい。マイクロカプセル35の大きさは、30〜200μmの範囲内で形成する。マイクロカプセル35を第2、第3の電極32,33に合わせるため、電極32,33の配置と同じ配置の開口を持つシート34を用いる。電極32,33とシート34の開口の位置を合わせ、電極上に接着剤を塗布し、更にマイクロカプセル35を充填する。シート34の開口と電極32,33が一致しているので、シート34を取り除いても電極32,33上にマイクロカプセル35が接着される(図5(c)参照)。第2、第3の電極32,33上に配置されたマイクロカプセル35の上から、すでに製作しておいた第1の電極36が形成されたガラス基板あるいはPET等のフィルム(透明基板)37を電極面を内側にして接着し、電気泳動表示装置30が完成する(図5(d))。
このとき、多色表示の電気泳動表示装置を製造する方法として、隣接するセルに異なる電気泳動液を有するマイクロカプセルを配置する方法を図6を参照にしながら説明する。隣接するセルに異なる電気泳動液を有するマイクロカプセルを配置する方法は、異なる開口を持つ複数のシート44,46,48を用いることにより行うことができる。詳しく説明すると、第1〜第3の電気泳動表示用液のマイクロカプセル45,47,49それぞれに対応した第1〜第3の異なる開口パターンを持つシート44,46,48を準備する。これらの開口は、それぞれ異なる色を表示する電気泳動表示素子の位置に対応している。第1の開口パターンを持つシート44で第1の色を持つマイクロカプセル45を電極42,43に合わせて接着し(図6(b))、第1のシート44を取り除いた後、第2の開口パターンを持つシート46で第2の色を持つマイクロカプセル47を第1のマイクロカプセル45の隣接する部分に電極42,43に合わせて接着し(図6(c))、更に第2のシート46を取り除いた後、第3の開口パターンを持つシート48で第3のマイクロカプセル49を第1と第2のマイクロカプセル45,47の隣接する部分に電極42,43に合わせて接着する(図6(d))。隣接するセルに異なる電気泳動液のマイクロカプセルを配置することにより、多色表示の電気泳動表示装置40となる。
[電気泳動表示装置の表示方法]
上述の電気泳動表示素子においては、第1の電極と第2及び/又は第3の電極との間に電圧を印加して、第2又は第3の電気泳動粒子を電気泳動表示媒体中の第1の電極側に集積させることにより、第1の電極側に集積した電気泳動粒子を透明電極(第1の電極)を介して観察可能とすることができる。また、第1の電極には電圧を印加しないで、第2の電極と第3の電極との間に電圧を印加して、第2及び第3の電気泳動粒子を電気泳動表示媒体中の第2及び第3の電極側に集積させることにより、電気泳動表示媒体中に分散している第1の分散性粒子を透明電極を介して観察可能とすることができる。
図1,図7,図8を用いて電気泳動表示素子の表示方法について具体的に説明する。
(表示状態A)
図1は、第1の粒子6の帯電がゼロ、第2の粒子7の帯電が正、第3の粒子8の帯電が負の場合である。接地電位の第1の電極3に対して第2の電極4と第3の電極5に正の電圧をかけると、セル2内では第1の電極3に近い位置に正に帯電した第2の粒子7、第2の電極4と第3の電極5に近い位置に負に帯電した第3の粒子8が付着し、観察点である第1の電極3の外側(図においては、上部)からは、第2の粒子7の色が観察される。
(表示状態B)
第1の電極3に対して第2の電極4と第3の電極5に負の電圧をかけると、セル2内では第1の電極3に近い位置に第3の粒子8、第2と第3の電極4,5に近い位置に第2の粒子7が付着し、観察点からは、第3の粒子8の色が観察される(図7参照)。
(表示状態C)
第2の電極4に正の電圧、第3の電極5に負の電圧をかけると、セル2内では第2の電極4に近い位置に第3の粒子8が付着し、第3の電極5に近い位置に第2の粒子7が付着し、観察点からは、第2の粒子7及び第3の粒子8は観察されず、電気泳動液中に分散浮遊している第1の粒子6が観察される(図8参照)。
このように本発明で用いる電気泳動表示素子1においては、1種類の電気泳動表示素子で3色の表示が可能となる。具体的には、第1の粒子が白、第2の粒子が黒、第3の粒子がマゼンタの場合、白黒およびマゼンタの表示が可能となる。マゼンタの替わりにイエロー、シアンを使用すれば、それぞれ3つの基本色のうちの一色と白黒の3色(本願においては、白及び黒も色とみなして説明している。)が一つの電気泳動表示素子で表示できる。
この原理を利用して3つの電気泳動表示素子を用いた電気泳動表示装置により、フルカラーの表示が可能となる。図2に示すように、3つの電気泳動表示媒体11,12,13は白の粒子21、黒の粒子22を有し、それぞれ第3の分散粒子としてイエロー粒子23、マゼンタ粒子24、シアン粒子25を有している。そして、それぞれの電気泳動表示媒体11,12,13は、第1の電極14を共有し、第1の電極14に対して第2の電極15,17,19、第3の電極16,18,20をそれぞれに制御されている。それぞれの電気泳動表示素子における印加電圧の制御は、すでに説明したようにすればよく、それぞれ独立して白、黒、カラー(イエロー、マゼンタ、シアンのうちの一色)を表示できる。
この表示方法の特徴は、それぞれの表示素子で3色の表示が可能であるので、従来のカラー表示装置とちがって、イエロー、マゼンタ、シアンの3色の他に黒を加えて4色の表示素子を必要とすることはない。そして、白及び黒については、全ての電気泳動表示素子が表示可能なので、全くむらのない、鮮明な色表示が出来る。
[電気泳動表示装置の駆動方法]
以上のように、前記電気泳動表示装置10では、ひとつの電気泳動表示素子で3種の色を表示でき、反射率やコントラストの優れた表示が可能である。しかしながら、その駆動方法において、ある色表示の状態(第1の表示状態)から別の色表示の状態(第2の表示状態)へ切り替えるとき、特に3種の分散性粒子のうちの2種の電気泳動粒子を第2の電極及び第3の電極に近い位置に配置して、観察点から観察不可能な状態にする際の駆動方法については検討の余地があった。すなわち、2種の電気泳動粒子は電気泳動表示装置の駆動履歴によっては、電気泳動表示素子の電気泳動表示媒体内において、例えば一方の電気泳動粒子は第1の電極側にあり、他方の電気泳動粒子は第2の電極及び第3の電極側にある場合があるが、このとき前記第2の電極及び第3の電極に同極性の電圧を印加する駆動を行った場合、2種の電気泳動粒子がそれぞれ第1の電極と第2電極及び第3の電極が対向する方向(縦方向)のいずれかの側(すなわち、第1の電極、第2電極及び第3の電極のいずれかの側)に偏在した状態であるため、前記複数の電極のうち少なくともふたつの電極に単純に逆極性の電圧を印加しても、縦方向(第1の電極と第2の電極及び第3の電極が対向する方向)および横方向(第2の電極と第3の電極の並び方向)への電気泳動粒子の移動がスムーズに行われず、表示状態の切り替え指示にたいする応答速度が遅かったり表示状態にムラができたりといった不具合が生じていた。
発明者らは、これらの不具合は2種の電気泳動粒子が電気泳動表示媒体内で偏在している状態から移動することに起因していることを把握し、この知見に基づいて鋭意検討を行い、本発明を成すに至った。以下、本発明の根幹部分について説明する。
本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法は、支持体上または支持体中に配置され、お互いに光学特性及び帯電特性の異なる3種類の分散性粒子が溶媒中に分散した電気泳動液を内包する複数の電気泳動表示媒体と、前記電気泳動表示媒体に隣接して配置される透明電極と、前記電気泳動表示媒体ごとに前記透明電極に対して該電気泳動表示媒体を挟んで対向配置される複数の電極と、を備える電気泳動表示装置の駆動方法であって、前記複数の電気泳動表示媒体のうち少なくともいずれか一の電気泳動表示媒体について、前記3種類の分散性粒子のうち正に帯電した分散性粒子、負に帯電した分散性粒子それぞれを前記透明電極及び複数の電極のうちいずれか異なる電極の近くに別々に偏在させて第1の表示状態とする電圧印加制御を行い、ついで、前記透明電極に対して、複数の電極のいずれか一の電極との間に所定のパルスパターンの電圧を印加し、前記複数の電極の残りのいずれか一の電極との間に所定のパルスパターンの電圧を印加する初期化駆動を行い、その後に前記正に帯電した分散性粒子、負に帯電した分散性粒子それぞれを前記透明電極及び複数の電極のうちいずれかの異なる電極の近くに別々に前記第1の表示状態とは異なる配置で偏在させて第2の表示状態とする電圧印加制御を行うことを特徴とするものである。
また本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法は、前記電気泳動表示装置10において、前記複数の電気泳動表示媒体のうち少なくともいずれか一の電気泳動表示媒体について、前記第2粒子(第2の分散性粒子7)、第3粒子(第3の分散性粒子8)それぞれを電気泳動表示媒体内の所定位置に配置する第1の表示状態から、該電気泳動表示媒体内における前記第2粒子及び/又は第3粒子の配置を該第1の表示状態の場合とは異なるものとする第2の表示状態へ切り替えるとき、前記第2の表示状態とする前に、前記第2電極に第1の電圧を所定時間印加し、ついで該第1の電圧とは異なる第2の電圧を所定時間印加する電圧印加パターンを1または複数回繰り返す第1の電圧印加過程と、前記第3電極に第3の電圧を所定時間印加し、ついで該第3の電圧とは異なる第4の電圧を所定時間印加する電圧印加パターンを1または複数回繰り返す第2の電圧印加過程と、を含む初期化駆動を行うことを特徴とするものである。
ここで、「前記第2粒子(第2の分散性粒子7)、第3粒子(第3の分散性粒子8)それぞれを電気泳動表示媒体内の所定位置に配置する第1の表示状態から、該電気泳動表示媒体内における前記第2粒子及び/又は第3粒子の配置を該第1の表示状態の場合とは異なるものとする第2の表示状態へ切り替えるとき」とは、例えば、前記表示状態A(図1)から前記表示状態B(図7)または表示状態C(図8)に切り替えるとき、あるいは前記表示状態B(図7)から前記表示状態A(図1)または表示状態C(図8)に切り替えるとき、あるいは前記表示状態C(図8)から前記表示状態A(図1)または表示状態B(図7)に切り替えるとき、である。
図9に、本発明に係る電気泳動表示装置の駆動方法における電気泳動表示素子の制御手順を示す。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法においては、対象の電気泳動表示素子を制御してある色表示の状態である第1の表示状態としている状態(S11)から別の色表示の状態である第2の表示状態へ切り替えるときに、まず電気泳動表示素子の電気泳動表示媒体内で第1の分散性粒子6、第2の分散性粒子7、第3の分散性粒子8ができるだけ均一に分散している状態となるように電圧印加の制御を行う初期化駆動の工程(S12)と、ついで第2の表示状態となるように電圧印加の制御を行う工程(S13)と、を有する。
以下、初期化駆動における電圧印加の詳細について図を用いて説明する。ここでは、図1の電気泳動表示素子を電気泳動表示装置10を構成する1つの電気泳動表示媒体及び電極の組み合わせたものとして例示する。
図10は、図1の電気泳動表示素子における初期化駆動の基本的な電圧印加パターンを示す図である。ここでは、第1の電極3は接地電位にあり、図10(a)は第2の電極4への電圧印加パターン、図10(b)は第3の電極5への電圧印加パターンを示している。また、図中横軸が時間、縦軸が電極への印加電圧である。
初期化駆動が開始されると、第2の電極4に対しては、第1の電圧(+V1)を所定時間(t11)印加し、ついで該第1の電圧とは異なる第2の電圧(−V1)を所定時間(t12)印加する電圧印加パターンが1または複数回繰り返される(第1の電圧印加過程)。図10(a)では、その電圧印加パターンが3回繰り返されている。一方、第3の電極5に対しては、第3の電圧(+V2)を所定時間(t21)印加し、ついで該第3の電圧とは異なる第4の電圧(−V2)を所定時間(t22)印加する電圧印加パターンが1または複数回繰り返されている(第2の電圧印加過程)。図10(b)では、その電圧印加パターンが3回繰り返されている。
図10では、前記第1の電圧の極性と前記第2の電圧の極性が逆の関係であり、前記第3の電圧の極性と前記第4の電圧の極性が逆の関係である。また、第1の電圧と第3の電圧が同じ極性であり、第2の電圧と第4の電圧が同じ極性となっている。
本発明における初期化駆動の電圧印加パターンの好ましい条件は次のとおりである。また、カッコ内により好適な条件を示す。
(1)第2の電極4側
・第1の電圧(+V1):0〜30(V)(0〜15V)
・第2の電圧(−V1):−30〜0(V)(−15〜0V)
(ただし、第1の電圧、第2の電圧がともに0Vの場合を除く)
・時間(t11):1〜1000(ms)(10〜500ms)
・時間(t12):1〜1000(ms)(10〜500ms)
・電圧印加パターン繰り返し回数:1〜500(回)(1〜50回)
(2)第3の電極5側
・第3の電圧(+V1):0〜30(V)(0〜15V)
・第4の電圧(−V1):−30〜0(V)(−15〜0V)
(ただし、第3の電圧、第4の電圧がともに0Vの場合を除く)
・時間(t21):1〜1000(ms)(10〜500ms)
・時間(t22):1〜1000(ms)(10〜500ms)
・電圧印加パターン繰り返し回数:1〜500(回)(1〜50回)
第1の表示状態として、例えば図1に示すような分散性粒子の配置状態にあった電気泳動表示素子において、このような初期化駆動を行うことにより、図11に示すようにセル2内で第1の分散性粒子6、第2の分散性粒子7、第3の分散性粒子8が均一に分散した状態となる。この状態(図11)から、次の表示状態として、例えば図8に示すような第2の表示状態となるような電圧印加制御を行うと、応答速度が速く表示にムラのない駆動が可能となる。
なお、ここでは電圧印加パターンは矩形波となっているが、印加される第1〜第4の電圧が一定時間保持されるのであれば、台形波であってもよい。また、第2の電極4側の電圧印加パターンと第3の電極5側の電圧印加パターンの位相が同じ例を示したが、必ずしも同じである必要はない。さらに、第2の電極4側と第3の電極5側で同時に電圧印加を開始し、同時に終了している例を示したが、必ずしも開始終了を同時にする必要はない。すなわち、いずれか一方の電極(例えば、第2の電極4)側に所定パターンの電圧印加を先に開始し、その後、他方の電極(例えば、第3の電極5)側に所定パターンの電圧印加を開始してもよい。また、電圧印加の終了もいずれか一方を先に終了させてもよい。あるいは、いずれか一方の電極(例えば、第2の電極4)側に所定パターンの電圧印加を先に開始して終了した後、つぎに他方の電極(例えば、第3の電極5)側に所定パターンの電圧印加を行なってもよい。
以下、本発明でとりうる初期化駆動の別の電圧印加パターン例を示す。
図12は、図1の電気泳動表示素子における初期化駆動の別の電圧印加パターン(1)を示す図である。なお、第1の電極3は接地電位にあり、図12(a)は第2の電極4への電圧印加パターン、図12(b)は第3の電極5への電圧印加パターンを示している。
図12では、前記第1の電圧の極性と前記第2の電圧の極性が逆の関係であり、前記第3の電圧の極性と前記第4の電圧の極性が逆の関係である。また、前記第1の電圧の極性と前記第3の電圧の極性の関係と、前記第2の電圧の極性と前記第4の電圧の極性の関係の両方が逆の関係となっている。
図13は、図1の電気泳動表示素子における初期化駆動の別の電圧印加パターン(2)を示す図である。なお、第1の電極3は接地電位にあり、図13(a)は第2の電極4への電圧印加パターン、図13(b)は第3の電極5への電圧印加パターンを示している。
図13では、前記第1の電圧が+V1(V)、前記第2の電圧が0(V)であり、前記第3の電圧が−V2(V)、前記第4の電圧が0(V)である。また、前記第1の電圧の極性と前記第3の電圧の極性の関係が逆の関係となっている。
図14は、図1の電気泳動表示素子における初期化駆動の別の電圧印加パターン(3)を示す図である。なお、第1の電極3は接地電位にあり、図14(a)は第2の電極4への電圧印加パターン、図14(b)は第3の電極5への電圧印加パターンを示している。
図14では、初期化駆動は、図10と同じ電圧印加パターンからなる期間P1と、前記第2の電極4、第3の電極5のうち一方の電極(図14では第2の電極4)に前記第2粒子または第3粒子の電荷とは逆の極性の電圧(図14では+V1(V))を、他方の電極(図14では第3の電極5)には0Vを所定時間印加する第3の電圧印加過程からなる期間P2と、を有する。
ここでは、まず期間P1において、セル2内で第1の分散性粒子6、第2の分散性粒子7、第3の分散性粒子8が均一に分散した状態(図11)とした後、期間P2においてセル2の溶媒中を比較的移動しにくい粒子(例えば、第2の分散性粒子7)について第2の表示状態で配置される電極側に第3の分散性粒子8より先に移動を開始させ、ついで次の表示状態として、例えば図8に示すような第2の表示状態となるような電圧印加制御(図14の場合では少なくとも第2の電極4に印加される電圧は正)を行うものである。これにより、他の粒子と比べてセル2の溶媒中を移動しにくい粒子(例えば、第2の分散性粒子7)を他の粒子(例えば、第3の分散性粒子8)よりも先にある程度移動させておいた上で、第2の表示状態の電圧印加制御を行うので、より応答速度が速く表示にムラのない駆動が可能となる。
なお、他の粒子と比べてセル2の溶媒中を移動しにくい粒子は、粒子や溶媒の種類、及びそれらの組み合わせなどによって異なり、また移動のしにくさも変わるため、その条件ごとに対象の粒子を特定して期間P2の条件を設定するとよい。
図15は、図1の電気泳動表示素子における初期化駆動の別の電圧印加パターン(4)を示す図である。なお、第1の電極3は接地電位にあり、図15(a)は第2の電極4への電圧印加パターン、図15(b)は第3の電極5への電圧印加パターンを示している。
図15では、初期化駆動は、前記第2の電極4、第3の電極5のうち一方の電極(図15では第2の電極4)に前記第2粒子または第3粒子の電荷とは逆の極性の電圧(図15では+V1よりも大きい+V1’(V))を、他方の電極(図15では第3の電極5)には0Vを所定時間印加する第3の電圧印加過程からなる期間P3と、図10と同様の電圧印加パターンからなる期間P4と、を有する。
ここでは、まず期間P3において、セル2の溶媒中を比較的移動しにくい粒子(例えば、第2の分散性粒子7)について第1の表示状態のときに近くに配置される電極(例えば、第1の電極3)側から対向する電極(例えば、第2の電極4)側に他の粒子(例えば、第3の分散性粒子8)より先に移動を開始させ、ついで期間P4において、セル2内で第1の分散性粒子6、第2の分散性粒子7、第3の分散性粒子8が均一に分散した状態(図11)とし、ついで次の表示状態として、例えば図8に示すような第2の表示状態となるような電圧印加制御(図15の場合では少なくとも第2の電極4に印加される電圧は正)を行うものである。これにより、他の粒子と比べてセル2の溶媒中を移動しにくい粒子(例えば、第2の分散性粒子7)を他の粒子(例えば、第3の分散性粒子8)よりも先にある程度移動させておいた上で、第2の表示状態の電圧印加制御を行うので、より応答速度が速く表示にムラのない駆動が可能となる。
以下、本発明の実施例を説明する。
ここでは、電気泳動表示装置10を構成する電気泳動表示素子1を試作し、駆動制御を行った。
[電気泳動液の作製]
白粒子としてポリビニルナフタレン、黒粒子としてカーボンブラック、マゼンタ粒子としてキナクリドン粒子を用いる。ポリビニルナフタレンは、2−ビニルナフタレンをIsoparG(商品名:エクソンモービル製、イソパラフィン系炭化水素)中、シリコンマクロモノマーを分散剤に用いて分散重合を行い、微粒子を生成した。
ポリビニルナフタレンは、IsoparG中で良好な分散安定性を示す。また、粒子の帯電を示すζ電位がゼロ付近であり、電界によって粒子が移動しないことを確認した。
また、カーボンブラックの帯電を負にするため表面改質を行った。カーボンブラック表面にシランカップリングによってアミノ基を表面に修飾させ、更にカルボキシル基を有する顔料分散剤、メタクリル酸メチル、メタクリル酸が重合したポリマー微粒子とヘテロ凝集し、カーボンブラック表面に吸着して表面改質を行った。カルボキシル基含有のポリマー微粒子でカーボンブラックがコーティングされているため、帯電特性はカルボキシル基のマイナスの性質となる。ζ電位がマイナスを示し、電界により移動することを確認した。
また、キナクリドン粒子の帯電を正にするため表面改質を行った。キナクリドン粒子は、大日精化製のPR-122を用いた。キナクリドン粒子表面に2-ビニルアニリンをジアゾカップリングさせ、更に2-エチルヘキシルメタクリレートをキナクリドン粒子表面にグラフト重合させる。このグラフト鎖に対し、界面活性剤で電荷制御を行う。IsoparG中にグラフト重合したキナクリドン粒子を分散させ、界面活性剤としてSolsperse17000(商品名:アビシア社製)を添加する。この溶媒中において、キナクリドン粒子のζ電位はプラスを示し、電界により移動することを確認した。
以上の粒子を以下の配合比で配合して電気泳動液を作製した。
・IsoparG :57.5wt%
・ポリビニルナフタレン:40 wt%
・カーボンブラック : 1 wt%
・キナクリドン粒子 : 1 wt%
・Solsperse17000 : 0.5wt%
[電気泳動表示素子(サンプルセル)の作製]
図16に、電気泳動表示素子であるサンプルセルの構成を示す。
図16に示すように、基板上にフォトリソエッチングにて幅15〜100μmの複数のラインが並んだ2つの櫛歯電極を互いの櫛歯のラインが所定スペースをはさんで接することなく交互に配置された電極(112)を形成し、ついで電極112の一方の櫛歯電極に第2の電極である電極A(115)を接続し、他方の櫛歯電極に第3の電極である電極B(116)を接続する。これに、対向基板として第1の電極であるITO透明電極(114)つきガラスを用いて50〜100μmのギャップを設けて貼り合せて、ガラスセルとし、そのギャップ空間に前記電気泳動分散液を注液してサンプルセルとした。
[電気泳動表示素子(サンプルセル)の表示状態の評価]
ここで、上部透明電極であるITO透明電極(114)を接地電位(GND)とし、本発明の電気泳動表示装置の駆動方法に従って、下部電極A(115)及び下部電極B(116)に任意の電圧を印加することでITO透明電極(114)を通して見える表示状態の切り替えを行い、表示状態の評価として反射率を測定した。なお、ITO透明電極(114)を通して見える色度測定を行い、表示状態の切り替えの際に色度座標上をマゼンタ色側に寄ることなく白色側に移動することを確認した上で、反射率測定を行った。また、反射率測定は、リファレンスとして標準白色板を使用し、サンプルの650nmの反射率を測定することで行った。また、反射率40%以上で白表示と判定した。
(実施例1)
図17に、実施例1の電圧印加制御を示す。
まず、サンプルセルの電極A(115)及び電極B(116)に−15Vを印加して観察側(ITO透明電極(114))を黒表示にした(第1の表示状態)。
その後、初期化駆動として、電極A(115)及び電極B(116)に±10Vの矩形波を同位相で10秒間印加した(期間P1)。このときの詳しい駆動条件は次のとおりである。
(1)電極A(115)側
・第1の電圧(+V1):10V
・第2の電圧(−V1):−10V
・時間(t11):50(ms)
・時間(t12):50(ms)
・電圧印加パターン繰り返し回数:100(回)
(2)電極B(116)側
・第3の電圧(+V1):10V
・第4の電圧(−V1):−10V
・時間(t21):50(ms)
・時間(t22):50(ms)
・電圧印加パターン繰り返し回数:100(回)
ついで、期間P2として、8秒間、電極A(115)に+10V,電極B(116)に0Vを印加した。
その後、第2の表示状態の電圧印加制御として、電極A(115)に+10V,電極B(116)に−10Vを印加した。
その結果、第2の表示状態の電圧印加制御を開始した時から2〜3秒で白表示となった(図17)。
(比較例1)
実施例1において、初期化駆動を行わなかった以外は実施例1と同様の電圧印加制御の駆動を行った。その結果、第2の表示状態の電圧印加制御を開始した時から白表示になるまでに30秒の時間を要した(図17)。
(実施例2)
図18に、実施例2の電圧印加制御を示す。
まず、サンプルセルの電極A(115)及び電極B(116)に−15Vを印加して観察側(ITO透明電極(114))を黒表示にした(第1の表示状態)。
その後、初期化駆動として、8秒間、電極A(115)に+10V,電極B(116)に0Vを印加した(期間P3)。
ついで、期間P4として、電極A(115)には+10V/0Vの矩形波を,電極B(116)には−10V/0Vの矩形波を同位相で10秒間印加した。このときの詳しい駆動条件は次のとおりである。
(1)電極A(115)側
・第1の電圧(+V1):10V
・第2の電圧(−V1): 0V
・時間(t11):500(ms)
・時間(t12):500(ms)
・電圧印加パターン繰り返し回数:10(回)
(2)電極B(116)側
・第3の電圧(+V1):0V
・第4の電圧(−V1):−10V
・時間(t21):500(ms)
・時間(t22):500(ms)
・電圧印加パターン繰り返し回数:10(回)
その後、第2の表示状態の電圧印加制御として、電極A(115)に+10V,電極B(116)に−10Vを印加した。
その結果、第2の表示状態の電圧印加制御を開始した時から4〜5秒で白表示となった(図18)。
(比較例2)
実施例2において、初期化駆動を行わなかった以外は実施例2と同様の電圧印加制御の駆動を行った。その結果、第2の表示状態の電圧印加制御を開始した時から白表示になるまでに20秒の時間を要した(図18)。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1 電気泳動表示素子
2 セル
3,14,36,50 第1の電極
4,15,17,19,32,42 第2の電極
5,16,18,20,33,43 第3の電極
6,21 第1の分散性粒子
7,22 第2の分散性粒子
8,23,24,25 第3の分散性粒子
10,30,40 電気泳動表示装置
11,12,13 電気泳動表示媒体
31 基板
34,44,46,48 シート
35,45,47,49 マイクロカプセル
37,51 透明基板(フィルム)
112 電極
114 ITO透明電極
115 電極A
116 電極B
特開2004−189487号公報 特表2002−511607号公報 特表2002−520655号公報 特開2001−188269号公報 特開2009−9092号公報 Pan−Pacific Imaging Conference‘08 Proceeding,p.444 NIP24/Digital Fabrication 2008 Proceeding,p.146

Claims (7)

  1. 支持体上または支持体中に配置され、お互いに光学特性及び帯電特性の異なる3種類の分散性粒子が溶媒中に分散した電気泳動液を内包する複数の電気泳動表示媒体と、前記電気泳動表示媒体に隣接して配置される透明電極と、前記電気泳動表示媒体ごとに前記透明電極に対して該電気泳動表示媒体を挟んで対向配置される複数の電極と、を備える電気泳動表示装置の駆動方法であって、
    前記複数の電気泳動表示媒体のうち少なくともいずれか一の電気泳動表示媒体について、
    前記3種類の分散性粒子のうち正に帯電した分散性粒子、負に帯電した分散性粒子それぞれを前記透明電極及び複数の電極のうちいずれか異なる電極の近くに別々に偏在させて第1の表示状態とする電圧印加制御を行い、
    ついで、前記透明電極に対して、複数の電極のいずれか一の電極との間に所定のパルスパターンの電圧を印加し、前記複数の電極の残りのいずれか一の電極との間に所定のパルスパターンの電圧を印加する初期化駆動を行い、
    その後に前記正に帯電した分散性粒子、負に帯電した分散性粒子それぞれを前記透明電極及び複数の電極のうちいずれかの異なる電極の近くに別々に前記第1の表示状態とは異なる配置で偏在させて第2の表示状態とする電圧印加制御を行うことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。
  2. 支持体上または支持体中に配置され、電荷がない第1粒子、正の電荷をもつ第2粒子、負の電荷をもつ第3粒子からなりお互いに光学特性の異なる3種類の分散性粒子が溶媒中に分散した電気泳動液を内包する複数の電気泳動表示媒体と、前記電気泳動表示媒体に隣接して配置される透明な第1電極と、前記電気泳動表示媒体ごとに前記第1電極に対して該電気泳動表示媒体を挟んで対向配置される第2電極及び第3電極と、を備え、前記第1電極と第2電極及び/又は第3電極との間に電圧を印加して前記第2粒子及び/又は第3粒子を前記電気泳動表示媒体内を移動させて所定の表示状態とする電気泳動表示装置の駆動方法であって、
    前記複数の電気泳動表示媒体のうち少なくともいずれか一の電気泳動表示媒体について、前記第2粒子、第3粒子それぞれを電気泳動表示媒体内の所定位置に配置する第1の表示状態から、該電気泳動表示媒体内における前記第2粒子及び/又は第3粒子の配置を該第1の表示状態の場合とは異なるものとする第2の表示状態へ切り替えるとき、
    前記第2の表示状態とする前に、前記第2電極に第1の電圧を所定時間印加し、ついで該第1の電圧とは異なる第2の電圧を所定時間印加する電圧印加パターンを1または複数回繰り返す第1の電圧印加過程と、前記第3電極に第3の電圧を所定時間印加し、ついで該第3の電圧とは異なる第4の電圧を所定時間印加する電圧印加パターンを1または複数回繰り返す第2の電圧印加過程と、を含む初期化駆動を行うことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。
  3. 前記第1の表示状態または第2の表示状態は、前記第2粒子、第3粒子のうち一方が第2電極に近い位置に存在し、他方が第3電極に近い位置に存在することである請求項2に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  4. 前記第1の電圧の極性と前記第2の電圧の極性が逆の関係であり、前記第3の電圧の極性と前記第4の電圧の極性が逆の関係であることを特徴とする請求項2または3に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  5. 前記第1の電圧の極性と前記第3の電圧の極性の関係と、前記第2の電圧の極性と前記第4の電圧の極性の関係のいずれかまたは両方が逆の関係であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  6. 前記初期化駆動は、前記第2電極、第3電極のうち一方の電極に前記第2粒子または第3粒子の電荷とは逆の極性の電圧を、他方の電極には0Vを所定時間印加する第3の電圧印加過程を含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  7. 支持体上または支持体中に配置され、電荷がない第1粒子、正の電荷をもつ第2粒子、負の電荷をもつ第3粒子からなりお互いに光学特性の異なる3種類の分散性粒子が溶媒中に分散した電気泳動液を内包する複数の電気泳動表示媒体と、前記電気泳動表示媒体に隣接して配置される透明な第1電極と、前記電気泳動表示媒体ごとに前記第1電極に対して該電気泳動表示媒体を挟んで対向配置される第2電極及び第3電極と、を備え、前記第1電極と第2電極及び/又は第3電極との間に電圧を印加して前記第2粒子及び/又は第3粒子を前記電気泳動表示媒体内を移動させて所定の表示状態とする電気泳動表示装置であって、
    前記複数の電気泳動表示媒体のうち少なくともいずれか一の電気泳動表示媒体について、前記第2粒子、第3粒子それぞれを電気泳動表示媒体内の所定位置に配置する第1の表示状態から、該電気泳動表示媒体内における前記第2粒子及び/又は第3粒子の配置を該第1の表示状態の場合とは異なるものとする第2の表示状態へ切り替えるとき、
    請求項2〜6のいずれかに記載の電気泳動表示装置の駆動方法により駆動制御が行われることを特徴とする電気泳動表示装置。
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