JP4160246B2 - 電気泳動表示用表示液、表示粒子、表示媒体、表示装置及び表示体 - Google Patents

電気泳動表示用表示液、表示粒子、表示媒体、表示装置及び表示体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界の作用により可逆的な視認性に優れた表示を提供する電気泳動表示用表示液、表示粒子、表示媒体、表示装置及び表示体に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示媒体、特に可逆性の表示媒体として、電気泳動表示媒体が知られている。電気泳動表示媒体は、電界を印加・制御することにより所望の画像表示と消去が可能となる。この表示装置に形成される画像はメモリー性を有するため、画像表示を保持する電力を必要としない低消費電力装置として、また通常の印刷物に相当した広い画像視野角を有する点で注目されている。
【0003】
従来の電気泳動表示媒体は、少なくとも一方の電極板が透明な対向配置された一対の電極板とスペーサーにより形成された閉鎖空間に、染料を分散媒に溶解した着色分散媒中に電気泳動性着色粒子を分散した分散体からなる表示液を、封入して構成される。表示液は、一般に、二酸化チタンや酸化亜鉛などの顔料粒子、キシレン、パークロロエチレン及びイソパラフィンなどの分散媒、その分散媒に溶解する白色粒子と色差の大きい染料、及び界面活性剤などからなる。この白色粒子を分散した表示液に対向電極を通じて電界を印加すると、白色粒子はその電気泳動極性に応じて一方の電極に移動して、顔料粒子の色調を与え、同時に反対電極に相当する部分は着色分散媒の色調となる。電界の極性を反転すれば、表示面の色調も反転する。よって、電気泳動性表示装置は、顔料粒子の色調と着色分散媒の色調の差により認識可能な表示を提供する(特開昭48−71990号公報、特開昭48−71991号公報、特開昭48−71992号公報、特開昭59−165028号公報など)。
【0004】
このような従来の電気泳動表示装置では、着色分散媒に分散した顔料粒子は染料の吸着により染色されて、粒子本来の色が失われ、大きい色差又は高いコントラスト比が得られないという欠点があった。この問題を解決するために、「チタンカップリング剤を着色分散媒に含有させるか又は顔料粒子に被覆する方法(特開昭62−296127号公報)」、「高絶縁性低粘度の無着色分散媒中にある色調を有する蛍光染料で染色した分散性樹脂からなる少なくとも1種の蛍光粒子と、該色調とは異なる色調を有する少なくとも1種の顔料とを分散した表示液を用いる方法(特開昭62−299824号公報)」、また「オルガノジシラザインを高絶縁性着色分散媒中に含有させるか又は顔料粒子に被覆する方法(特開昭63−8637号公報)」が提案されている。しかし、これらの方法では効果が不充分であり、視認性に優れた実用的な水準に到っていない。
【0005】
上記の問題を解決する手段として、染料を分散媒に溶解した着色分散媒を使用しない方法が提案されている。例えば、「高絶縁性無着色分散媒中に色調及び電気泳動性が互いに異なる少なくとも2種類の電気泳動性微粒子を分散した表示液を使用する方法(特開昭62−269124号公報)」が提案されている。この方法では電気泳動性が互いに異なる微粒子、すなわち正と負に帯電する粒子を用いるため、色調の異なる粒子間で電気的な引力により凝集し、互いの色調が混ざり、コントラスト比が高い、視認性に優れた表示を安定的に実現することが困難になる。また、「高絶縁性無着色分散媒中に電気泳動性は同一で、且つ色調及び電気泳動速度が互いに異なる少なくとも2種の電気泳動性微粒子を分散した表示液を使用する方法(特開昭63−50886号公報)」が提案されている。この方法では同一の電気泳動性を有する微粒子、すなわち同一方向に移動する粒子を用い、それらの速度差を利用するため、場合によっては上記と同様に互いの色調が混ざり、視認性に優れた表示を安定的に実現することが困難になる。
【0006】
上記の色調の異なる粒子間の凝集を防止する手段として、「誘電体流体、選択された極性の表面電荷を有する第一色の複数の第一粒子、及び第一粒子とは反対の極性を有し、且つ第一粒子との凝集を妨げる立体的反発性を有する第二粒子からなる電気泳動分散物を用いる方法(特表平8−510790号公報)」が提案されている。この立体的反発効果を利用する方法においても、電気泳動特性の異なる微粒子間の電気的引力による凝集を完全に防ぐことは困難であり、良好なコントラスト比を実現するには至っていない。
【0007】
また、「樹脂中に白色顔料を分散してなる隠蔽用白色粒子、表示用着色粒子、及び溶媒からなる画像表示用インク組成物を用いる方法(特開平10−149117号公報)」が提案されている。特に、この方法においては、1.5μm以上のメディアン径を有する隠蔽用白色粒子、その隠蔽用白色粒子に対して15〜35体積%の0.4μm以上のメディアン径を有する白色顔料を用い、磁気により隠蔽用白色粒子及び表示用着色粒子のどちらか一方を移動させて画像の表示と消去を行うことを特徴としている。このような画像表示用インク組成物は、磁気を利用した画像表示媒体への利用には適しているが、電界を利用した電気泳動表示用組成物として用いた場合、隠蔽用白色粒子中に存在する白色顔料の帯電により、表示用着色粒子との凝集が発生し、視認性に優れた表示はされず、電気泳動表示媒体への利用には適していない。
さらに、特開平11−119264号において「分散媒中に帯電粒子を分散させた分散系を封入した多数のマイクロカプセルと、これらの多数のマイクロカプセルを挟むように配設された一組の対向電極とを備え、前記帯電粒子の分布状態を制御用電圧の作用下で変えることによって、光学的反射特性に変化を与えて所用の表示動作を行わせるようにした表示装置において、前記帯電粒子の粒径が、前記マイクロカプセルの粒子径に対して約1/1000以上、約1/50以下であり、前記帯電粒子が1以上約2以下の体積平均粒子径/個数平均粒子径で表される粒度分布で分散されていることを特徴とした表示装置」が提案されている。同公開公報の実施例に示されているように、この表示装置の帯電粒子として、各帯電粒子の泳動速度を一定とする目的のために、3μmの平均粒径と1.3の粒度分布を有する白色帯電粒子(プラス極性)と、3μmの平均粒径と1.3の粒度分布を有する黒色帯電粒子(マイナス極性)を用い、すなわち、1:1の白色帯電粒子:黒色帯電粒子の平均粒子径比を有する2種類の帯電粒子を用いて、100μmのマイクロカプセル(白色帯電粒子:黒色帯電粒子:液体分散媒の重量比は22:2:45)からなる表示装置が提供されている。しかし、この場合、電気泳動性の異なる白色帯電粒子(プラス極性)と黒色帯電粒子(マイナス極性)との電気的引力により、二種粒子間の凝集が発生してしまい、コントラスト比の高い視認性の優れた画像は得られない。
【0008】
一方、上記の電気泳動性顔料粒子を着色分散媒中に分散した分散体からなる表示液をマイクロカプセル化し、対向電極間にそのマイクロカプセルを配備した電気泳動表示装置が提案された(特開平1−86116号公報(特許第2551783号))。この表示装置では泳動粒子の偏在化による不均一表示が防止され、表示品質が向上した。しかし、この方法においても、マイクロカプセル内の顔料粒子に染料が吸着し、該と同様に視認性に優れた表示は得られない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、色調の異なる二粒子間の凝集による混色の発生とコントラスト比の低下を防止して、コントラスト比の高い、視認性に優れた、可逆的な表示が可能な電気泳動表示用表示液、表示粒子、及びそれらを利用した表示媒体と表示装置と表示体を提供することをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、以下に示す電気泳動表示用表示液、表示粒子、表示媒体、表示装置及び可逆表示体が提供される。
(1)少なくとも分散媒、白色粒子、及び該白色粒子と色調の異なる着色粒子からなる電気泳動表示用表示液において、該着色粒子の体積中位径が、該白色粒子の体積中位径に対して1/〜1/50であることを特徴とする電気泳動表示用表示液。
(2)該白色粒子が、内部に空隙を有する白色粒子であることを特徴とする上記(1)の電気泳動表示用表示液。
(3)該白色粒子が、0.2〜6μmの体積中位径を有することを特徴とする上記(1)の電気泳動表示用表示液。
(4)該白色粒子が、0.2〜6μmの体積中位径を有し且つ内部に空隙を有する白色粒子であることを特徴とする上記(1)の電気泳動表示用表示液。
(5)該白色粒子が、有機ポリマーからなる中空粒子であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1に記載の電気泳動表示用表示液。
(6)該着色粒子が、チタンブラックであることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1に記載の電気泳動表示用表示液。
(7)該白色粒子が、有機ポリマーからなる中空粒子であり、且つ該着色粒子が、チタンブラックであることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1に記載の電気泳動表示用表示液。
(8)少なくとも分散媒、白色粒子、及び該白色粒子と色調の異なる着色粒子からなる電気泳動表示用表示液をマイクロカプセルに内包した電気泳動表示用表示粒子であって、該電気泳動表示用表示液が、上記(1)〜(7)の何れか1に記載の電気泳動表示用表示液であり、該電気泳動表示粒子が該白色粒子の体積中位径に対して10〜500倍の体積中位径を有することを特徴とする電気泳動表示用表示粒子。
(9)一対の対向電極を有する支持体の相互の電極面とその周辺、又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、上記(1)〜(7)の何れか1に記載の電気泳動表示用表示液を充填させたことを特徴とする電気泳動表示媒体。
(10)全面電極を有する支持体の電極面、該支持体と対向した絶縁フィルムの表面、及びそれらの周辺又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、上記(1)〜(7)の何れか1に記載の電気泳動表示用表示液を充填させたことを特徴とする電気泳動表示媒体。
(11)一対の対向電極を有する支持体の相互の電極面とその周辺、又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、上記(8)に記載の電気泳動表示用表示粒子を充填させたことを特徴とする電気泳動表示媒体。
(12)全面電極を有する支持体の電極面、該支持体と対向した絶縁フィルムの表面、及びそれらの周辺又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、上記(8)に記載の電気泳動表示用表示粒子を充填させたことを特徴とする電気泳動表示媒体。
(13)一対の対向電極を有する支持体の相互の電極面間距離が該白色粒子の体積中位径に対して20〜500倍であり、かつ該電気泳動表示用表示粒子の体積中位径の1〜2倍であることを特徴とする上記(12)の電気泳動表示媒体。
(14)全面電極を有する支持体の電極面と該支持体と対向した絶縁フィルムの表面との面間距離が該白色粒子の体積中位径に対して20〜500倍であり、かつ該電気泳動表示用表示粒子の体積中位径の1〜2倍であることを特徴とする上記(13)の電気泳動表示媒体。
(15)全面電極を有する支持体の電極面上に、上記(8)に記載の電気泳動用表示粒子をバインダー材料と共に塗布したことを特徴とする電気泳動表示媒体。
(16)該電気泳動表示用表示粒子と該バインダー材料からなる塗布層の平均厚が、該電気泳動表示用表示粒子の体積中位径の1〜2倍であることを特徴とする上記(15)の電気泳動表示媒体。
(17)該電気泳動用表示粒子と該バインダー材料からなる塗布層上に、オーバーコート層を設けたことを特徴する上記(15)又は(16)の電気泳動表示媒体。
(18)該支持体の少なくとも一部分、該絶縁フィルムの少なくとも一部分、該オーバーコート層上の少なくとも一部分、及び/又は該支持体の少なくとも一部分に、印刷層を設けたことを特徴とする上記(9)〜(17)の何れか1に記載の電気泳動表示媒体。
(19)該印刷層上に、印刷保護層を設けたことを特徴とする上記(18)の電気泳動表示媒体。
20)上記(9)〜(19)の何れか1に記載の表示媒体と、該表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は画像信号に応じて前記表示媒体に電界を作用させることができ、かつ前記表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有する電極アレイを装備していることを特徴とする表示装置。
21)上記(9)〜(19)の何れか1に記載の表示媒体と、当該表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は画像信号に応じて前記表示媒体表面に電荷を付与させることができ、かつ前記表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有するイオン銃アレイを装備していることを特徴とする表示装置。
22)上記(9)〜(19)の何れか1に記載の表示媒体と、当該表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は複数の信号電極と走査電極を装備し、その交差部に画像信号に応じて表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子を有し、それによって前記表示媒体に画像を表示するように構成されたことを特徴とする表示装置。
23)該画像信号に応じて該表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子が、薄膜トランジスタであることを特徴とする上記(22)の表示装置。
24)上記(9)〜(19)の何れか1に記載の表示媒体が、その一部又は全てを占めることを特徴とした可逆表示体。
25)該可逆表示体が、可逆表示カード、可逆表示シート、可逆表示ディスプレイ又は可逆表示型看板であることを特徴とした上記(24)の可逆表示体。
26)可逆表示カード、可逆表示シート、可逆表示ディスプレイ又は可逆表示型看板が、可撓性を有することを特徴とした上記(25)の可逆表示体。なお、本明細書中において、「体積中位径」とは、粒度分布を体積基準で表したときの中位径である。すなわち、粒子群の個数をn、各粒子の粒子径をdpとした時に、exp(Σndp 3lndp/Σndp 3)で表される量を意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の電気泳動表示用表示液は、少なくとも分散媒、白色粒子、及び該白色粒子と色調の異なる着色粒子からなり、該着色粒子は、該白色粒子の体積中位径に対して1/1〜1/50、より好ましくは1/2〜1/35の体積中位径を有することを特徴とする。白色粒子に対して色調の異なる着色粒子は、ある波長領域の光を吸収して有色の色調を提供し、その色調は表示装置の使用目的に応じて適宜選択される。その白色粒子及び/又は着色粒子は電界の作用により表示液中を泳動し、それらの色調を反映した表示を提供する。
【0012】
白色粒子の体積中位径に対して1/1〜1/50の体積中位径を有する着色粒子を用いることにより、コントラストの高い表示が可能となる。着色粒子の体積中位径が、白色粒子の体積中位径に対して1/1より大きい場合、白色表示を行うことが困難となり、着色粒子の色調を中心とした表示となる傾向が強くなる。また、1/50より小さい場合、着色粒子の色調の表示が困難となり、白色色調を中心とした表示となる傾向が強くなる。
また、それらの二種粒子間の体積中位径差により、着色粒子と白色粒子との立体障害的な動的相互作用が緩和され、異種粒子間の凝集による混色が防止されると同時に、電気泳動的応答性が向上する。
着色粒子の体積中位径を白色粒子の体積中位径に対して1/1〜1/50とするために、着色粒子はその表面特性に応じた界面活性剤を用いて、分散媒中で超音波分散及びビーズ分散により、凝集物が残留しないように十分に分散させる必要がある。また、白色粒子は、その十分に分散された着色粒子の体積中位径に応じて、着色粒子の分散と同時に、又は別途超音波分散及び/又はビーズ分散する必要がある。好ましくは、着色粒子とその表面特性に応じた界面活性剤を分散媒に加え、15分間以上超音波分散した後、白色粒子を加え、20時間以上ビーズ分散する。
【0013】
本発明の電気泳動表示用表示液は、該白色粒子が内部に空隙を有する白色粒子であることが好ましい。内部に空隙を有する白色粒子は、粒子内部に充填されていない空間を有するものであり、その空間は隔壁によって形成された一つ又は多数の球状又は楕円状の空間、あるいは一つ又は多数の、分岐した又は分岐していない筒状の空間であって、使用する分散媒との組み合わせの関係において、分散媒中に存在する粒子の空隙内に分散媒が浸透せず、空隙に空気が保持されている粒子である。このような内部に空隙を有する白色粒子は、白色粒子を構成する材料(約1.4〜1.6)の屈折率と空隙内の空気の屈折率(=約1.0)との差により、光が効率よく反射され、白色の色調が提供される。
【0014】
本発明の電気泳動表示用表示液は、その白色粒子が約0.2〜6μm、好ましくは0.3〜3.0μmの体積中位径を有することが好ましい。0.2〜6μmの体積中位径を有する白色粒子は、光の反射効率の点で好ましく、コントラスト比の高い表示を提供する一因となる。特に、白色粒子として、0.2〜6μmの体積中位径と内部に空隙を有する粒子を用いる場合、より白色反射率の高い表示を得る上で好ましい条件である。
【0015】
本発明で用いる白色粒子としては、有機材料、無機材料、及び有機/無機複合材料によって構成され、具体的には有機ポリマーからなる中空粒子、有機ポリマーからなる多孔質粒子、無機物質からなる中空粒子、無機物質からなる多孔質粒子、及びそれらの空隙を有する白色粒子の表面を樹脂などで被覆された粒子等を挙げることができる。特に、光の反射効率の中で、有機ポリマーからなる中空粒子が好ましい。
【0016】
有機ポリマーからなる中空粒子及び、有機ポリマーからなる多孔質粒子は、従来公知の方法で製造することが可能であり、微粒子ポリマーの新展開(東レリサーチセンター)、微孔性ポリマーとその応用展開(東レリサーチセンター)や高分子微粒子の最新技術と用途展開(シーエムシー)などをはじめとする各種文献に掲載されている各種方法によって作製することが可能である。例えば、乳化重合を利用した方法、シード乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、懸濁重合法+発泡を利用した方法、シード重合法+発泡を利用した方法、シード重合+重合収縮を利用した方法、W/O/Wエマルジョンの懸濁重合による方法、スプレードライの液滴の表面乾燥を利用した方法、ポリマーエマルジョンを電解質固体粒子の添加により凝集させるシード凝集法などがあげられるがこれらの方法によって作製されたものに限定されるものではない。
【0017】
有機ポリマーからなる中空粒子、及び有機ポリマーからなる多孔質粒子を構成する材料としては、使用する透明な分散媒に応じてその分散媒に溶解しない材料を適宜選択して使用することができる。例えば、スチレン系(コ)ポリマー、スチレン−アクリル系(コ)ポリマー、スチレン−イソプレン系(コ)ポリマー、ジビニルベンゼン系(コ)ポリマー、メチルメタクリレート系(コ)ポリマー、メタクリレート系(コ)ポリマー、エチルメタクリレート系(コ)ポリマー、エチルアクリレート系(コ)ポリマー、n−ブチルアクリレート系(コ)ポリマー、アクリル酸系(コ)ポリマー、アクリロニトリル系(コ)ポリマー、アクリルゴム−メタクリレート系(コ)ポリマー、エチレン系(コ)ポリマー、エチレン−アクリル酸系(コ)ポリマー、ナイロン系(コ)ポリマー、シリコーン系(コ)ポリマー、ウレタン系(コ)ポリマー、メラミン系(コ)ポリマー、ベンゾグアナミン系(コ)ポリマー、フェノール系(コ)ポリマー、フッソ(テトラクロロエチレン)系(コ)ポリマー、塩化ビニリデン系(コ)ポリマー、4級ピリジニウム塩系(コ)ポリマー、合成ゴム(コ)ポリマー、セルロース、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシウム等のポリマー材料、及びこれらのポリマー材料に対して架橋をして耐溶剤性機能を向上させたポリマー材料などが挙げられるが、これらのポリマー材料に限定されるものではない。より具体的には、ローム・アンド・ハース社のローペイク、JSR製中空粒子、松本油脂の熱膨張マイクロカプセル、大日本インキのGrnngollなどが挙げられるが、これらのものに限定されるものではない。
【0018】
本発明では、無機材料からなる中空粒子、及び無機物質からなる多孔質粒子としては、従来公知の方法で作製される各種の無機材料からなる中空粒子及び、無機物質からなる多孔質粒子を用いることができる。これらの製法の一例としては、粉床法、トポケミカル法、メカノケミカル反応等の付着を利用した方法、表面沈積法、含浸法、界面反応法等の沈殿反応を利用する方法、界面ゲル化反応法、及び焼成発泡法等が挙げられる。これらの具体例として、界面反応法(新しい材料設計法への挑戦/1998年5月29日:セミナー資料)を用いる事によって作製されたシリカ、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ストロンチウム、ケイ酸バリウム、炭酸コバルト、酸化コバルト、コバルト、酸化鉄、コバルト−鉄炭酸塩、塩基性炭酸銅、金属銅、炭酸ニッケル等の無機球形中空粒子及び無機球形多孔質粒子、及び界面ゲル化反応法(色材,70(2)84−91,1997)によって作製された酸化アルミニウム、二酸化チタン等の無機球形中空粒子及び無機球形多孔質粒子、さらに焼成発泡法による発泡性シリカなどが挙げられる。
【0019】
本発明では、前記の有機ポリマーからなる中空粒子、及び有機ポリマーからなる多孔質粒子の表面に対して、各種の無機顔料の微粒子を付着させた複合粒子も使用可能であり、例えば、有機ポリマーからなる中空粒子と二酸化チタンとのオーダードミクスチャーによる複合粒子が挙げられる。
これらの無機材料からなる中空粒子、及び無機物質からなる多孔質粒子は、各種の有機ポリマー材料をその表面に被覆して使用することも可能である。その方法としては、コートマイザー法が好ましい。
【0020】
本発明で用いる白色粒子と色調の異なる着色粒子として、無機着色粒子及び有機着色粒子を用いることができる。無機着色粒子としては、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、チタンブラック、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等が挙げられる。有機着色粒子としては、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレットが挙げられる。優れた視認性と、白色粒子との電気泳動的な相互作用の点で、チタンブラック(黒色低次酸化チタン/一般式Tin2n-1)が好ましい(請求項9)。
【0021】
本発明では、これらの着色粒子は、各種表面改質した形態でも用いることが可能である。この場合の表面改質の方法としては、ポリマーをはじめとする各種化合物を粒子表面にコーティングする方法、チタネート系・シラン系などの各種カップリング剤によるカップリング処理する方法、グラフト重合処理する方法などが挙げられる。また、これらの着色粒子は、メカノケミカル的な処理した形態でも用いることが可能であり、異種又は同種の粒子同士、あるはポリマー粒子又は中空ポリマー粒子と複合された複合粒子として用いることも可能である。
【0022】
本発明で用いる分散媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェニルキシリルエタン、ジイソプロピルナフタレン、ナフテン系炭化水素などの芳香族炭化水素類、ヘキサン、ドデシルベンゼン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素などの脂肪族炭化水素類、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチルなどのハロゲン化炭化水素類、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシルなどのリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシルなどのフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、酢酸エチルなどのカルボン酸エステル類、イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、2,4−ジターシャリアミノフェノール、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−t−オクチルアニリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの分散媒はそれぞれ単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0023】
本発明の電気泳動表示用表示粒子は、少なくとも分散媒、白色粒子、及び該白色粒子と色調の異なる着色粒子からなる電気泳動表示用表示液を内包したマイクロカプセルからなり、該電気泳動表示用表示液が前述の表示液からなることを特徴とする。電気泳動表示用表示液をマイクロカプセルに封入することにより、マイクロカプセル壁内の微小領域に表示液が均等に分割されるため、その効果として視認安定性が付与されると共に、液体ではなく固体として取り扱うことが可能となるため、電気泳動表示用表示装置などの媒体への応用展開が容易になる。このようなマイクロカプセルに封入する、白色粒子の体積中位径に対して1/1〜1/50の体積中位径比を有する着色粒子は、そのカプセル壁を透過した光のある波長領域の光を効率よく吸収して、コントラスト比の高い表示を提供する一因となる。また、0.2〜6μmの体積中位径を有する白色粒子は、カプセル壁を透過した光を効率よく反射して、コントラスト比の高い表示を提供する一因となる。また、その二種粒子の体積中位径差により、着色粒子と白色粒子との立体障害的な動的相互作用が緩和され、異種粒子間の凝集による混色が防止されると同時に、電気泳動的応答性が向上する。
【0024】
また、本発明の電気泳動表示用表示粒子は、白色粒子の体積中位径に対して10〜500倍、好ましくは50〜400倍の体積中位径を有することを特徴とする。白色粒子に対して10〜500倍の体積中位径を有する表示粒子は白色粒子による色調を表示粒子としての色調として効率的に発現し、視認性に優れた表示を提供することが可能となる。その表示粒子の体積中位径が白色粒子の体積中位径の10倍より小さいと、白色粒子の反射率が低下し、コントラスト比の高い視認性に優れた表示が得られない。また、500倍を超える場合では、白色粒子と着色粒子の移動距離が長くなるため、二粒子間の相互作用が相対的に増加し、電気泳動的応答性が著しく低下する。
【0025】
本発明の電気泳動表示用表示粒子に用いるマイクロカプセルは、in−situ法、界面重合法又はコアセルベーション方などにより調製することが可能である。マイクロカプセルの壁材としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシリ、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等が挙げられる。
【0026】
本発明によれば、以上のように、無色の分散媒、0.2〜6μmの体積中位径と内部に空隙を有する白色粒子、及び該体積中位径に対して1/1〜1/50の体積中位径比を有し白色粒子と色調の異なる着色粒子からなる電気泳動表示用表示液、及び該電気泳動表示用表示液をマイクロカプセル内に内包した電気泳動表示用表示粒子が提供される。このような表示液又は表示粒子に電界を印加して電気泳動を行う場合、白色粒子と着色粒子の組み合わせとして、その電気泳動条件下で電気泳動性の異なる二粒子をそれぞれ選択することが好ましい。特に、白色粒子として非常に電気泳動しにくい又は全く泳動しない粒子と、着色粒子として白色粒子に対して非常に電気泳動しやすい粒子との組み合わせが好ましい。
【0027】
なぜならば、内部に空隙を有する白色粒子は、その空隙の体積に比例して比重が小さくなるため、その白色粒子と顔料を分散媒に分散した表示液内又は表示粒子内では、分散媒及び着色粒子との比重の関係から、白色粒子が均一に分散した状態から比較的上部方向(表示面方向)へ偏在した状態に変化する傾向が高くなる一方、逆に着色粒子は比較的下部方向(非表示面方向)に偏在する傾向が高くなる。また、前述したコントラスト比の向上に望ましい白色粒子と着色粒子の体積中位径の関係から、その体積中位径の大きい白色粒子が上部面(表示面)から下部面(非表示面)への移動、又はその逆への移動は非効率的である一方、逆に体積中位径の小さい着色粒子の面から面への移動は効率的である。さらに、電気泳動による移動度は粒子の粒径に反比例する関係から、粒径の大きい白色粒子が上部面(表示面)から下部面(非表示面)への移動、又はその逆への移動は非効率的である一方、逆に体積中位径の小さい着色粒子の面から面への移動は効率的である。よって、上部方向(表示方向)に偏在し、移動効率の低い白色粒子を泳動させることは、有効ではないからである。
【0028】
このような関係から、着色粒子として電気泳動性の高いチタンブラックが好ましく、白色粒子として電気泳動性の低い又は全く泳動性を有さない有機ポリマーの中空粒子が好ましい。
【0029】
また、本発明の電気泳動表示用表示液及び表示粒子において、その無色の分散媒、内部に空隙を有する白色粒子、該白色粒子と色調の異なる着色粒子以外にも電気泳動粒子の表面電荷量を制御したり、分散性を高める目的で種々の補助成分を適宜選択して使用することも可能である。これらの補助成分としては界面活性剤、保護コロイド剤等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
この場合の界面活性剤としては、分散剤に対して溶解又は、分散状態に混ざり合うことのできるノニオン(非イオン)系界面活性剤及び、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤のイオン系界面活性剤を単独で又は2種以上混合して用いることができる。これらの界面活性剤の具体例としては以下のものが挙げられるが、本発明において用いる界面活性剤はこれらに限定されるものではない。
【0031】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、ポリオキシポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、及びノニルフェノールエトキシレート等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、及びポリオキシプロピレンエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル類、モノオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、ジオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、トリオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、モノオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ジオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、及びランダムタイプのポリアルキレングリコール等のグリコール類、オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、及びラウリルアルコールエトキシレート等の第1級直鎖アルコールエトキシレートと第2級直鎖アルコールエトキシレート、及び多核フェノールエトキシレート等のアルキルアルコールエーテル類、ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、及びポリオキシエチレンステアリルエステル等のポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレイト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジラウレイト、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンセスキラウレイト、ソルビタンセスキパルミテート、及びソルビタンセスキステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンジパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンセスキパルミテート、及びポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類、飽和脂肪酸メチルエステル、不飽和脂肪酸メチルエステル、飽和脂肪酸ブチルエステル、不飽和脂肪酸ブチルエステル、飽和脂肪酸ステアリルエステル、不飽和脂肪酸ステアリルエステル、飽和脂肪酸オクチルエステル、不飽和脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸ポリエチレングリコールエステル、オレイン酸ポリエチレングリコールエステル、及びロジンポリエチレングリコールエステル等の脂肪酸エステル類、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類、及びこれら脂肪酸のアミド化合物類、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、及びポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアミン類、ラウリル酸モノエタノールアミド、椰子脂肪酸ジエタノールアミド等の高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ヤシジエタノールアミド(1−2型/1−1型)、及びアルキルアルキロールアミド等のアミド化合物類とアルカノールアミド類、一般式R−(CH2CH2O)m H(CH2CH2O)n HとR−NH−C36−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクタデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表されるアルカノールアミン類、一般式R−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクタデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される1級アミン類、一般式R1R2−NH〔R1・R2=R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクタデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される2級アミン類、一般式R1R2R3N〔R1・R2・R3=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される3級アミン類、各種合成系及び各種天然系高級アルコール類、及びアクリル酸系化合物、ポリカルボン酸系化合物、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー、及びヒドロキシ脂肪酸オリゴマー変成物等の高分子類とオリゴマー類などが挙げられる。
【0032】
アニオン系界面活性剤としては、ポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリカルボン酸型陰イオン活性剤、特殊脂肪酸石鹸、及びロジン石鹸等のカルボン酸塩類、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルNa塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルアミン塩、天然アルコール硫酸エステルNa塩、及び高級アルコール硫酸エステルNa塩等のアルコール系硫酸エステル塩類、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルアミン塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルNa塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、及びポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルNa塩等の硫酸エステル塩類、各種アルキルアリルスルホン酸アミン塩、各種アルキルアリルスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸アミン塩、ナフタレンスルホン酸Na塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、及びナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等のスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸アミン塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸Na塩等のポリオキシアルキレン系スルホン酸塩類、ジアルキルスルホサクシネートアミン塩、ジアルキルスルホサクシネートNa塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートアミン塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートNa塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルアミン塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルNa塩等のスルホ琥珀酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル、アルコキシアルキルリン酸エステル、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールリン酸塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、及びポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類とリン酸塩類などが挙げられる。
【0033】
カチオン系界面活性剤としては、一般式R−N(CH3)3 X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるアルキルトリメチルアミン系4級アンモニウム塩類、テトラメチルアミン系塩やテトラブチルアミン塩等の4級アンモニウム塩類、一般式(RNH3)(CH3COO)〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等〕で表される酢酸塩類、ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、及びドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)等のベンジルアミン系4級アンモニウム塩類、及び一般式R(CH3)N(C24O)m H(C24O)n・X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるポリオキシアルキレン系4級アンモニウム塩類などが挙げられる。
【0034】
両性系界面活性剤としては、各種ベタイン型界面活性剤、各種イミダゾリン系界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、及びポリオクチルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等が挙げられる。
【0035】
また、保護コロイド剤としては、分散媒に対して溶解又は、分散状態で混ざり合うことの出来る各種保護コロイド剤を用いることができる。
【0036】
本発明の電気泳動表示装置として、前記の電気泳動表示用表示液及び表示粒子を用いた以下の形態の装置が挙げられる。
(1)一対の対向電極を有する支持体の相互の電極面とその周辺、又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、本発明の電気泳動表示用表示液が充填されたことを特徴とする装置(図1)。
(2)全面電極を有する支持体の電極面、該支持体と対向した絶縁フィルムの表面、及びそれらの周辺又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、本発明の電気泳動表示用表示液が充填されたことを特徴とする装置(図2)。
(3)上記(1)又は(2)の装置において、一対の対向電極を有する支持体の相互の電極面間距離、あるいは全面電極を有する支持体の電極面と該支持体と対向した絶縁フィルムの表面との面間距離が、内部に空隙を有する白色粒子の体積中位径に対して20〜500倍であることを特徴とする装置(図1、図2)。
(4)一対の対向電極を有する支持体の相互の電極面とその周辺、又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、本発明の泳動表示用表示粒子を充填させたことを特徴とする装置(図3)。
(5)全面電極を有する支持体の電極面、該支持体と対向した絶縁フィルムの表面、及びそれらの周辺又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、本発明の泳動表示用表示粒子を充填させたことを特徴とする装置(図4)。
(6)上記(4)又は(5)の装置において、一対の対向電極を有する支持体の相互の電極面間距離、あるいは全面電極を有する支持体の電極面と該支持体と対向した絶縁フィルムの表面との面間距離が、無色の分散媒、内部に空隙を有する白色粒子、及び該白色粒子と色調の異なる着色粒子からなる電気泳動表示用表示液を内包したマイクロカプセルの体積中位径の1〜2倍であることを特徴とする装置(図3、図4)。
(7)全面電極を有する支持体の電極面上に、本発明の電気泳動用表示粒子をバインダー材料と共に塗布することを特徴とする装置(図5)。
(8)上記(7)の装置において、電気泳動表示用表示粒子とバインダーからなる塗布層の平均厚が、該表示粒子の体積中位径の1〜2倍であることを特徴とする装置(図5)。
(9)上記(7)の装置において、電気泳動用表示粒子とバインダー材料からなる塗布層上に、オーバーコート層を設けたことを特徴する装置(図6)。
(10)該支持体の少なくとも一部分、該絶縁フィルムの少なくとも一部分、該オーバーコート層上の少なくとも一部分、及び/又は支持体の少なくとも一部分に、印刷層を設けたことを特徴とする装置(図6)。
(11)該印刷層上に、印刷保護層を設けたことを特徴とする装置(図6)。
(12)該表示装置において、電気泳動により画像の形成と消去が可能な表示部以外に、情報記録部を設けたことを特徴とする装置(図7)。
(13)該情報記録部が、磁気の作用により情報記録の書き込みと読み出しが可能な記録部であることを特徴とする装置(図7)。
(14)該情報記録部が、集積回路メモリー又は光メモリーであることを特徴とする装置(図7)。
(15)該情報記録部が、光の作用により情報記録の読み出しが可能な透明な記録部であることを特徴とする装置(図7)。
(16)該情報記録部の情報が、表示媒体の表裏を示す情報及び/又は表示媒体の位置を示す情報であることを特徴とする装置(図7)。
【0037】
上記(3)の電気泳動表示装置において、白色粒子の体積中位径に対して20〜500倍の面間距離は、白色粒子による色調を効率的に発現し、視認性に優れた表示を提供することが可能となる。また、その面間距離と体積中位径との差により白色粒子の電気泳動的な移動性が向上する。面間距離が白色粒子の体積中位径の20倍より小さいと、白色粒子の反射率が低下し、コントラスト比の高い視認性に優れた表示が得られない。また、500倍を超える面間距離の場合では、白色粒子及び/又は着色粒子の移動距離が長くなるため、二粒子間の相互作用が相対的に増加し、電気泳動的応答性が著しく低下する。
【0038】
上記(6)の電気泳動表示装置において、マイクロカプセルの体積中位径に対して1〜2倍の面間距離は、表示粒子の色調を効率的に発現し、視認性に優れた表示を提供することが可能となる。2倍より大きい面間距離の場合、表示面の垂直方向に沿って表示粒子が並ぶ可能性が高くなり、表示面(上部)側に位置する表示粒子におけるその下部に存在する白色粒子又は着色粒子の色調と、非表示(下部)面に位置する表示粒子におけるその上部に存在する着色粒子又は白色粒子の色調とが、近接した領域内で共存することとなり、コントラスト比を低下させる原因となる。
【0039】
上記(8)の電気泳動表示装置において、電気泳動表示用表示粒子の体積中位径に対して1〜2倍の平均厚を有する表示粒子とバインダーからなる塗布層は、前記と同様に表示粒子の色調を効率的に発現し、視認性に優れた表示を提供することが可能となる。2倍より大きい平均厚の場合、表示面の垂直方向に沿って表示粒子が並ぶ可能性が高くなり、表示面(上部)側に位置する表示粒子におけるその下部に存在する白色粒子又は着色粒子の色調と、非表示(下部)面に位置する表示粒子におけるその上部に存在する着色粒子又は白色粒子の色調とが、近接した領域内で共存することとなり、コントラスト比を低下させる原因となる。
【0040】
本発明の1つの好ましい電気泳動表示装置は、バインダー材料でマイクロカプセルが共通電極面上に固定されていることを特徴とする(前記(7)〜(16)の装置)。バインダー材料は、各マイクロカプセル間の隙間及びマイクロカプセルと電極間の隙間を埋めて、相互の接着性を高めると同時に、視認性の向上に作用する。
【0041】
前記(9)の電気泳動表示装置に用いるオーバーコート層は、表示装置に外力が加わった場合に支持体及び/又はマイクロカプセルを保護し、電気泳動性表示以外の、視認性又は非視認性の印刷層や情報記録層を設ける場合、マイクロカプセルを保護すると共に、印刷層や情報記録層の設層を容易にする。
【0042】
本発明の電気泳動表示装置(10)に用いる印刷層は表示媒体の使用目的に応じて、オーバーコート層上の少なくとも一部分に公知のオフセット印刷、グラビア印刷及びスクリーン印刷により形成する。
【0043】
本発明の電気泳動表示装置(11)に用いる印刷保護層は印刷層と同様に公知の方法により形成する。また、印刷保護層は、オーバーコート層上に設けることも可能である。
【0044】
本発明の電気泳動表示装置(13)に用いる磁気の作用により情報記録の書き込みと読み出しが可能な記録部、集積回路メモリー、又は光メモリー情報記録部は、従来の記録技術を用いて作製することができる。
【0045】
本発明の電気泳動表示装置(14)に用いる光の作用により情報記録の読み出しが可能な透明な記録部は、該の記録部と異なり書き込みが不可能な読み取り専用の記録部であり、近赤外蛍光体や紫外蛍光体から形成する。また、この記録部は、電気泳動性の書き込み・消去時の電界に影響されないため、電気泳動により表示された画像の表示内容とその透明な記録部の情報とを組み合わせて、可逆非可逆情報記録媒体として利用することができる。
【0046】
本発明の他の好ましい表示装置は、前記の表示媒体と、該表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は画像信号に応じて前記表示媒体に電界を作用させることができ、かつ前記表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有する電極アレイを装備している表示装置である。
このような表示装置においては、表示媒体の共通電極をアース電位とし、表示層の表面に電極アレイを密着させて、表示媒体との平面的位置関係を相対的に変えながら、画像信号に応じた電位を表示媒体の所定部に与えることができ、可視性表示が可能となる。
【0047】
本発明のさらに他の好ましい装置は、前記の表示媒体と、当該表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は画像信号に応じて前記表示媒体表面に電荷を付与させることができ、かつ前記表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有するイオン銃アレイを装備している表示装置である。
このような表示装置においては、表示媒体の共通電極をアース電位とし、表示層の表面にイオン銃アレイを近接させて、表示媒体との平面的位置関係を相対的に変えながら、画像信号に応じた電位を表示媒体の所定部に与えることができ、可視性表示が可能となる。イオン銃により表示媒体の表面に与えられた電荷は表示媒体を構成する材料の時定数で放電するため、それが粒子の移動時間(応答時間)より長い場合にはイオン銃の作用時間を応答時間より短くすることが可能となり、その結果、書き込み速度が速くなる。
【0048】
本発明のさらに他の好ましい装置は、前記の表示媒体と、当該表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は複数の信号電極と走査電極を装備し、その交差部に画像信号に応じて表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子を有し、それによって前記表示媒体に画像を表示するように構成された表示装置である。
このような構成では、2次元配列された電界印加手段がスイッチング素子を有するため、その作用により選択時にある部位に与えられた電荷は非選択時には表示媒体を構成する材料の時定数で放電するため、それが粒子の移動時間(応答時間)より長い場合には選択時間を応答時間より短くすることが可能となり、その結果、書き込み速度を速くなる。
【0049】
本発明のさらに他の好ましい装置は、前記の画像信号に応じて表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子が、薄膜トランジスタである表示装置である。
スイッチング素子としては、大面積の薄膜デバイスの作製が容易な薄膜トランジスタが好ましい。薄膜トランジスタは3端子素子であるためスイッチング性能が高く、中間調を伴うような場合にも鮮明な表示を得ることができる。なお、より書き込み速度を速くするために、蓄積コンデンサを等価回路的に表示媒体と並列になるように設けることも可能である。
【0050】
本発明の上記の表示媒体は、その表示媒体が一部分又は全てを占める表示体として各種の形態で用いることができる。
その一例を挙げると、本発明の電気泳動表示媒体が名刺やクレジットカードのような小型のカードの一部、又は全ての部分を構成することで、情報を書き換えることが可能なカードが作製され、各種ポイントカードや会員カードとして使用できる。この様な携帯性に優れる小型のカードのサイズを大きくすることで、一般のオフィス等で使用されるディスプレイや記録紙(複写機、プリンター等の出力紙)の代用表示体として、可逆表示シートを作製することもできる。この様な可逆表示シートは、繰り返し使用することができるので、省資源、省エネルギーの観点からも優れた表示媒体である。また、家電製品をはじめとする各種物品に本発明の表示媒体を組み込むことにより、従来の液晶モニターの代わりに情報を提供することが可能となる。この場合には、視野角が広くコントラストも高く優れた表示を実現することができる。さらに、本発明の電気泳動表示媒体を各種の広告や看板などの用途で用いることも可能である。この場合にも全面を電気泳動表示媒体で構成することもできるが、ポスターなどの一部分に組み込むことで効果的な表示を実現することも可能である。
また、本発明の電気泳動表示媒体は、基板をはじめとする構成により媒体に可撓性を付与させるが可能であることから、前記のカード、シート、ディスプレイ、看板、広告をはじめとする各種用途において形状による制約を受けることがなく、非常に幅広い用途に対応することができる。
【0051】
次に、本発明の表示装置の1つの実施態様を図1により説明する。
図1において、支持体1はガラス板かプラスチックフィルムからなる。支持体の厚さは約10μm〜1mm、好ましくは25〜200μmである。表示側の支持体には透明な材料を使用し、非表示側の支持体は不透明であっても着色していてもよく、その着色色調を表示色の一部として利用することも可能である。また、非表示側の支持体に白色色調の材料を用いることにより、コントラスト比を高めることも可能となる。
電極2は金属、ITO、SnO2、ZnO:Alなどの導電体薄膜からなり、スッパタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法などにより形成する。表示側の電極はITO、SnO2、ZnO:Alなどの透明な材料を使用し、非表示側は着色していてもよく、その着色色調を表示色の一部として利用することも可能である。電極2の少なくともどちらか一方は、マトリックス状にパターン化する。
スペーサー3は、対向電極間の周辺と内部空間を区画する。好ましくは、対向電極の面間距離が、電気泳動表示用表示液4を構成する白色粒子の体積中位径の20〜500倍となるように区画する。この区画された空間に、本発明の電気泳動性表示用表示液4を充填する。
【0052】
本発明の表示装置の他の実施態様を図2により説明する。
図2において、電極2を支持体1の全面に設ける。絶縁フィルム5は5〜500μmの厚さを有し、そのフィルム面を表示面とする場合は、透明な絶縁フィルムを使用する。支持体面を表示面とする場合は、透明な支持体1と透明な電極2を使用し、絶縁フィルムは不透明であっても着色していてもよく、その着色色調を表示色の一部として利用することも可能である。スペーサー3は、絶縁フィルムと電極間の周辺と内部空間を区画する。好ましくは、絶縁フィルムと電極の面間距離が、電気泳動表示用表示液4を構成する白色粒子の体積中位径の20〜500倍となるように区画する。この区画された空間に、本発明の電気泳動性表示用表示液4を充填する。
【0053】
本発明の表示媒体のさらに他の実施態様を図3により説明する。
図3において、支持体1、電極2、スペーサー3及び電気泳動性表示用表示液4は図1と同様である。電気泳動表示用表示粒子6は、公知のin−situ法、界面重合方、又はコアセルベーション法により調製された、表示液4を内包したマイクロカプセルからなる。マイクロカプセルの壁材としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホフムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ゼラチンなどを使用する。電気泳動表示用表示粒子6は、紛体として対向電極間の空間に封入する。対向電極間の面間距離は、好ましくは、表示粒子6の体積中位径の1〜2倍となるようにスペーサー3を設定する。また、表示粒子に電界を有効に印加するために、誘電率調整剤としてアルコール、ケトン又はカルボン酸塩などからなる液体中に表示粒子6を分散して、分散体として注入することも可能である。さらに、図5で具体的に説明するバインダー材料を分散体に添加することも可能である。
【0054】
本発明の表示媒体のさらに他の実施態様を図4により説明する。
図4において、支持体1、電極2、スペーサー3、絶縁フィルム5及び電気泳動性表示用表示液4は図2と同様である。電気泳動表示用表示粒子6は図3と同様に調製する。スペーサー3は、好ましくは、絶縁フィルム5と電極2の面間距離が表示粒子6の体積中位径の1〜2倍となるように区画する。この区画された空間に、表示粒子6を図3と同様に充填する。
【0055】
本発明の表示媒体のさらに他の実施態様を図5により説明する。
図5において、支持体1、電気泳動性表示用表示液4及び電気泳動性表示用表示粒子6は図3又は図4と同様である。電極2はマトリックス状にパターン化された又はパターン化されていない共通電極である。表示層は表示粒子6とバインダー材料7からなる。表示層の形成は、バインダー材料を溶解、分散、懸濁又は乳化する溶液、分散液、懸濁液又はエマルジョンに表示粒子6を分散し、得られる分散塗工液をワイヤーバーコート、ロールコート、ブレードコート、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、又はグラビアコートなどの方法により共通電極2上に塗工・乾燥することからなる。バインダー材料7は、マイクロカプセルの壁材と同様な材料又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、メチルセルロース、エチルセルロース、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ジエン樹脂、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、アラミド、ポリイミド、ポリ−p−フェニレン、ポリ−p−キシレン、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリヒダントイン、ポリパラバン酸、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサジアゾール、ポリキノキサリン、又はそれらの混合物からなる。表示粒子6に電界を有効に印加するために、好ましくはバインダー材料7として、表示液4と同等以上の誘電率を有する材料を用いる。また、誘電率調整剤として、アルコール、ケトン又はカルボン酸塩などをバインダー材料6に添加することも可能である。
【0056】
本発明の表示媒体のさらに他の実施態様を図6により説明する。
図6において、支持体1、電気泳動性表示用表示液4及び電気泳動性表示用表示粒子6、電極2、表示層、バインダー材料7は図3又は図4と同様である。
【0057】
保護層8は、保護層材料と場合によってはその材料を溶解、分散、懸濁又は乳化する媒体、硬化剤、触媒及び/又は助触媒を加えた保護層材料組成物を、表示層上にワイヤーバーコート、ロールコート、ブレードコート、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、又はグラビアコートなどの塗布方法、又はスパッタリング及び化学的気相法などの気相方法により形成する。保護層材料として、バインダー材料と同様な材料、又はフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、熱効果性ポリイミド、スチリルピリジン系樹脂、シアナート系熱硬化性樹脂、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートらの単官能モノマー、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレートなどの二官能性モノマー、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールトリアクリレート又はトリメチロールプロパントリアクリレートなどの紫外線硬化又は電子線硬化性モノマーかポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコンアクリレート、アルキッドアクリレート又はメラミンアクリレートなどの紫外線硬化及び電子線硬化性オリゴマーからなる放射線硬化性樹脂を使用する。
【0058】
印刷層9は、表示粒子の塗工面を表示面11とする場合、保護層8上の表示部分を除く少なくとも一部分に公知の方法により設けることができる。また、図6以外に、支持体面を表示面にする場合は、印刷層9を保護層8の全面に設けることも可能である。保護層8の厚さは、マイクロカプセルを保護する機能を有する範囲内で可能な限り薄いほうが望ましく、約0.1〜100μm、より好ましくは0.3〜30μmである。
【0059】
印刷保護層10は保護層8と同様な材料からなり、印刷層9上及び保護層8上にオーバーコート層や印刷層と同様な材料と方法により設けることができる。
【0060】
本発明の表示媒体のさらに他の実施態様を図7により説明する。
図7において、支持体1、電極2、電気泳動表示用表示液4、電気泳動表示用表示粒子6、及びバインダー材料7は図6と同様である。図7(a)に示すように、第一保護層12は保護層7と同様な材料から設け、その層上に透明な記録部14を設ける。さらに、第一保護層11と透明な記録部14上に第二保護層12を設けて、表示面11とする。一方、非表示面15には、磁気記録部16と集積回路メモリー17を少なくとも一部分の支持体1上に設け、磁気記録部16と集積回路メモリー17上及び支持体1上に第三保護層18を設ける。また、図7(b)に示すように、透明な記録部は格子状に設けることができる。形成される行xnと列ymの交差点(xn,ym)を読み出し専用の情報として固有化して、デジタル情報として利用することができる。
【0061】
本発明の表示装置のさらに他の実施態様を図8により説明する。
図8において、表示装置は、電極アレイ51、書き込み基板52、電極棒53、スイッチング回路54、電源回路55、送り機構56からなる。電極アレイ51として、例えば125μmピッチで1600個の電極棒を配列したアレイを使用することができる。画像形成は、画像信号に応じた電圧パルスをスイッチング回路54を介して電極棒53に供給しながら、表示媒体50をローラー送り機構56により移動させることによって行う。
【0062】
本発明の表示装置のさらに他の実施態様を図9により説明する。
図9において、表示装置は、イオン銃アレイ61、コロナワイヤ62、放電フレーム63、制御電極64a,64b、アパーチャー65、コロナイオン発生用高圧電源66、イオン流制御用電源67、送り機構68からなる。イオン銃アレイ61として、例えば125μmピッチで1600個のイオン銃を配列したアレイを使用することができる。画像形成は、例えばコロナワイヤ62に負電圧又は正電圧を印加して、表示媒体の全表面を白表示又は黒表示とした後、コロナワイヤ62に正電圧又は負電圧を印加し、画像信号に応じて制御電極64aに正電圧(黒表示)又は負電圧(白表示)を印加しながら、表示媒体60をローラー送り機構68により移動させることによって行う。
【0063】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0064】
参考例1
(内部に空隙を有する白色粒子Aの調製)
コートマイザーMINI(フロイント産業(株)社製)のスクリューフィーダーに100gの中空多孔質シリカ(B−6C、鈴木油脂工業(株)社製)を導入し、コーティング液タンクに約100gのフルオロアルキル基を有する繰り返し単位から構成されるポリマーのエマルジョン(ユニダインTG−521、ダイキン工業(株)社製)を注入した。二次凝集した多孔質シリカをスクリューフィーダーのせん断力で粉砕し、一次粒子を調製した。得られた多孔質シリカの一次粒子をジェットフィーダーに移し、分散層に約1.8g/minの速度で粒子をジェット気流放出した。これと同時にタンク内のエマルジョンを定流量ポンプに通し、特殊ノズルから分散層に1.5g/minの速度でエマルジョンの液滴を噴霧した。分散層で衝突した粒子と液滴を、分散層と連続した約80℃の乾燥層に供給し、乾燥し、サイクロンに複合粒子を回収した。複合粒子を取出し、60℃で24時間減圧乾燥した後、160℃で3分間熱処理し、分級して内部に空隙を有する白色粒子(白色粒子A)を得た。
【0065】
実施例1
[電気泳動表示用表示液の調製]
100mLのドデシルベンゼンに5.0gのオレイン酸を溶解し、この溶液に1.0gのチタンブラック(TilackD超微粒子タイプ、赤穂化成社製、Ti表面処理品)を加え、約15分間超音波分散した後、ジルコニアビーズを用いて約30時間ビーズ分散した。得られた分散液に10.0gの架橋化スチレン−アクリル系共重合体の中空粒子(SX−866A、JSR社製)を加え、約30分間撹拌して、電気泳動表示用表示液(1)を得た。この表示液中の中空粒子の体積中位径は約8μmであった。この体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比は、約1/27であった。
[電気泳動表示媒体の作製]
厚さ3mmの透明ガラス板の片側表面に、スパッタリング法によりITOからなる透明電極を設けた透明基板を二枚用意し、相互の電極面を対向配置し、ナイロンスペーサーにより約140μmの電極面間距離を有する内部空間を形成した。この内部空間に上記の電気泳動表示用表示液を注射器により注入し、両基板周辺をエポキシ樹脂接着剤で封止して、中空粒子の体積中位径に対して約18倍の電極面間距離を有する電気泳動表示媒体(1)を作製した。
【0066】
実施例2
[電気泳動表示用表示液]
100mLのドデシルベンゼンに5.0gのオレイン酸を溶解し、この溶液に1.0gの三四酸化鉄(マグネタイト/和光純薬工業製)を加え、約15分間超音波分散した。得られた分散液に10.0gの白色粒子Aを加え、ジルコニアビーズを用いて約4時間ビーズ分散して、電気泳動表示用表示液(2)を得た。この表示液中の白色粒子Aの体積中位径は約2.2μmであった。この体積中位径に対する三四酸化鉄の体積中位径比は、約1/22であった。
[電気泳動表示媒体の作製]
電極面間距離を約210μmとする事、電気泳動表示用表示液として上記の電気泳動表示用表示液(2)を用いること以外は実施例1と同様にして内部空間の形成と、電気泳動表示媒体の作製を行い、白色粒子Aの体積中位径に対して約95倍の電極面間距離を有する電気泳動表示媒体(2)を作製した。
【0067】
実施例3
[電気泳動表示用表示液]
100mLのドデシルベンゼンに5.0gのオレイン酸を溶解し、この溶液に1.0gのチタンブラック(TilackD、赤穂化成社製、Ti表面処理品)を加え、約15分間超音波分散した。得られた分散液に10.0gの白色粒子Aを加え、ジルコニアビーズを用いて約20時間ビーズ分散して、電気泳動表示用表示液(3)を得た。この表示液中の白色粒子Aの体積中位径は約1.8μmであった。この体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比は、約1/6であった。
[電気泳動表示媒体の作製]
電極面間距離を約210μmとする事、電気泳動表示用表示液として上記の電気泳動表示用表示液(3)を用いること以外は実施例1と同様にして内部空間の形成と、電気泳動表示媒体の作製を行い、白色粒子Aの体積中位径に対して約117倍の電極面間距離を有する電気泳動表示媒体(3)を作製した。
【0068】
参考例1
[電気泳動表示用表示液]100mLの分散媒1,2−ジトルイルエチレン(SAS−296、日本石油化学社製)に5.0gのアデカコールWS−100(旭電化工業社製)を溶解し、この溶液に1.0gのチタンブラック(TilackD、赤穂化成社製、Ti表面処理品)を加え、約15分間超音波分散した。得られた分散液に10.0gの架橋化スチレン−アクリル系共重合体の中空粒子(SX−866A、JSR社製)を加え、ジルコニアビーズを用いて約30時間ビーズ分散して、電気泳動表示用表示液(4)を得た。この表示液中の中空粒子の体積中位径は約0.3μmであった。この体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比は、約1/1であった。
[電気泳動表示媒体の作製]上記の電気泳動表示用表示液(4)を用いて実施例1と同様に、約140μmの面間距離を有する内部空間を形成し、中空粒子の体積中位径に対して約467倍の電極面間距離を有する電気泳動表示媒体(4)を作製した。
【0069】
実施例
[電気泳動表示用表示液]100mLの分散媒SAS−296(日本石油化学社製)に5.0gのヒドロキシ脂肪酸オリゴマー(アデカコールWS−100、旭電化工業社製)を溶解し、この溶液に1.0gのチタンブラック(TilackD超微粒子タイプ、赤穂化成社製、Ti表面処理品)を加え、約15分間超音波分散した。得られた分散液に10.0gの架橋化スチレン−アクリル系共重合体の中空粒子(SX−866A:一次粒子径0.3μmのスプレードライ品,JSR社製)を加え、ジルコニアビーズを用いて約30時間ビーズ分散して、電気泳動表示用表示液(5)を得た。この表示液中の中空粒子の体積中位径は約0.3μmであった。この体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比は、約1/10であった。
[電気泳動表示媒体の作製]上記の電気泳動表示用表示液(5)を用いて実施例1と同様に、約140μmの面間距離を有する内部空間を形成し、中空粒子の体積中位径に対して約467倍の電極面間距離を有する電気泳動表示媒体(5)を作製した。
【0070】
実施例
[電気泳動表示媒体の作製]厚さ3mmの透明ガラス板の片側表面に、スッパタリング法によりITOからなる透明電極を設けた透明基板を1枚と、絶縁フィルムとしてポリアクリレートフィルム(エンプレート、ユニチカ社製)を用意し、電極面とフィルム面を対向配置し、ナイロンスペーサーにより約140μmの電極面間距離を有する内部空間を形成した。この内部空間に実施例と同様の電気泳動表示用表示液(6)(中空粒子の体積中位径0.3μm、チタンブラックの体積中位径比1/10)を注射器により注入し、基板と絶縁フィルムの周辺をエポキシ樹脂接着剤で封止して、中空粒子の体積中位径に対して約467倍の電極面間距離を有する電気泳動表示媒体(6)を作製した。
実施例
[電気泳動表示媒体の作製]電極面間距離を155μmとする事以外は実施例と同様にして内部空間を形成し、この内部空間に実施例と同様の電気泳動表示用表示液(7)(中空粒子の体積中位径0.3μm、チタンブラックの体積中位径比1/10)を用いて、中空粒子の体積中位径に対して約517倍の電極面間距離を有する電気泳動表示媒体(7)を作製した。
【0071】
比較例1
[電気泳動表示用表示液の調製]
100mLのドデシルベンゼンに5.0gのアデカコールWS−100(旭電化工業社製)を溶解し、この溶液に10.0gの架橋化スチレン−アクリル系共重合体の中空粒子(SX−866A、JSR社製)を加え、約15分間超音波分散した後、ジルコニアビーズを用いて約30時間ビーズ分散しした。得られた分散液に、1.0gのチタンブラック(TilackD超微粒子タイプ、赤穂化成社製、Ti表面処理品)を加え、約30分間撹拌して、電気泳動表示用表示液(イ)を得た。この表示液中の中空粒子の体積中位径は約0.3μmであった。この体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比は、約1/0.33であった。
[電気泳動表示媒体の作製]
上記の電気泳動表示用表示液(イ)を用いて実施例1と同様にして、約140μmの電極面間距離を有する内部空間を形成し、中空粒子の体積中位径に対して約467倍の電極面間距離を有する電気泳動表示媒体(イ)を作製した。
【0072】
比較例2
[電気泳動表示媒体の作製]電極面間距離を約280μmとするとともに、電気泳動表示用表示液として参考例1と同じ電気泳動表示用表示液(4)(中空粒子の体積中位径:0.3μm、中空粒子の体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比:1/1)を用いること以外は実施例1と同様にして内部空間の形成と、電気泳動表示媒体の作製を行い、中空粒子の体積中位径に対して約933倍の電極面間距離を有する電気泳動表示媒体(ロ)を作製した。
【0073】
実施例
[電気泳動表示用表示粒子]ゼラチン水溶液とアラビアゴム水溶液を混合し、50℃まで昇温した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整した。得られた水溶液に、実施例1で調製した電気泳動表示用表示液(1)(中空粒子の体積中位径:約8μm、中空粒子の体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比:約1/27)を加え、撹拌して乳化した。さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pHを4まで徐々に下げ、分散液界面にゼラチン/アラビアゴムの濃厚液を析出させた。温度を下げて皮膜をゲル化し、グルタールアルデヒド水溶液を加えて硬化して、ゼラチンを壁材とするマイクロカプセル(MC−8)のスラリーを得た。カプセルの体積中位径が約55μm(中空粒子の体積中位径に対する比:7)となるように乳化条件を調整した。
[電気泳動表示用表粒子を用いた電気泳動表示媒体]80gの10%ポリビニルアルコール水溶液に、上記で調製した20gの電気泳動用表示粒子(マイクロカプセル)(MC−8)を加えて分散液を調製した。この分散液(塗布液)を約1mmのギャップを有するアプリケーターを用いてITO膜付きポリカーボネート基板に塗布、乾燥して、カプセルの体積中位径に対する塗工層の厚さ比が1.8となるように電気泳動用表示粒子からなる塗工層を形成した。この一部を切り取り、塗布面とITO電極付きのガラス板の電極面とを密着させ、テープで固定して電気泳動表示媒体(8)(塗工層厚さ:約100μm)を作製した。
【0074】
実施例
[電気泳動表示用表示粒子の調製]実施例2で調製した電気泳動表示用表示液(2)(白色粒子Aの体積中位径:約2.2μm、白色粒子Aの体積中位径に対する三四酸化鉄の体積中位径比:約1/22)を用いて、実施例と同様にして電気泳動表示用表示粒子を調製し、白色粒子Aの体積中位径に対して約57の体積中位径比を有する電気泳動表示用表示粒子(MC−9)を得た。
[電気泳動表示用表粒子を用いた電気泳動表示媒体]上記の電気泳動表示用表示粒子(MC−9)を用いて、実施例と同様に、表示粒子の体積中位径に対して約1.6の塗工層の厚さ比を有する電気泳動表示媒体(9)(塗工層厚さ:約200μm)を作製した。
【0075】
実施例
[電気泳動表示用表示粒子の調製]実施例3で調製した電気泳動表示用表示液(3)(白色粒子Aの体積中位径:約1.8μm、白色粒子Aの体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比:約1/6)を用いて、実施例と同様にして電気泳動表示用表示粒子を調製し、白色粒子Aの体積中位径に対して約69の体積中位径比を有する電気泳動表示用表示粒子(MC−10)を得た。
[電気泳動表示用表粒子を用いた電気泳動表示媒体]上記の電気泳動表示用表示粒子(MC−10)を用いて、実施例と同様に、表示粒子の体積中位径に対して約1.6の塗工層の厚さ比を有する電気泳動表示媒体(10)(塗工層厚さ:約200μm)を作成した。
【0076】
参考例2
[電気泳動表示用表示粒子の調製]参考例1で調製した電気泳動表示用表示液(4)(中空粒子の体積中位径:約0.3μm、中空粒子の体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比:約1/1)を用いて、実施例と同様にして電気泳動表示用表示粒子を調製し、中空粒子の体積中位径に対して約417の体積中位径比を有する電気泳動表示用表示粒子(MC−11)を得た。
[電気泳動表示用表粒子を用いた電気泳動表示媒体]上記の電気泳動表示用表示粒子(MC−11)を用いて、実施例と同様に、表示粒子の体積中位径に対して約1.6の塗工層の厚さ比を有する電気泳動表示媒体(11)(塗工層厚さ:約200μm)を作成した。
【0077】
実施例10
[電気泳動表示用表示粒子の調製]実施例で調製した電気泳動表示用表示液(5)(中空粒子の体積中位径:約0.3μm、中空粒子の体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比:約1/10)を用いて、実施例と同様にして電気泳動表示用表示粒子を調製し、中空粒子の体積中位径に対して約183の体積中位径比を有する電気泳動表示用表示粒子(MC−12)(体積中位径:約55μm)を得た。
[電気泳動表示用表粒子を用いた電気泳動表示媒体]上記の電気泳動表示用表示粒子(MC−12)を用いて、実施例と同様に、表示粒子の体積中位径に対して約1.8の塗工層の厚さ比を有する電気泳動表示媒体(12)(塗工層厚さ:約100μm)を作製した。
【0078】
比較例3
[電気泳動表示用表示粒子の調製]比較例2で調製した電気泳動表示用表示液(イ)(中空粒子の体積中位径:約0.3μm、中空粒子の体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比:約1/0.33)を用いて、実施例と同様にして電気泳動表示用表示粒子を調製し、中空粒子の体積中位径に対して約183の体積中位径比を有する電気泳動表示用表示粒子(ハ)(体積中位径:約55μm)を得た。
[電気泳動表示用表粒子を用いた電気泳動表示媒体]上記の電気泳動表示用表示粒子(ハ)を用いて、実施例と同様に、表示粒子の体積中位径に対して約1.8の塗工層の厚さ比を有する電気泳動表示媒体(ハ)(塗工層厚さ:約100μm)を作製した。
【0079】
比較例4
[電気泳動表示用表示粒子の調製]参考例1で調製した電気泳動表示用表示液(4)(中空粒子の体積中位径:約0.3μm、中空粒子の体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比:約1/10)を用いて、実施例と同様にして電気泳動表示用表示粒子を調製し、中空粒子の体積中位径に対して約833の体積中位径比を有する電気泳動表示用表示粒子(ニ)(体積中位径:約250μm)を得た。
[電気泳動表示用表粒子を用いた電気泳動表示媒体]上記の電気泳動表示用表示粒子(ニ)を用いて、実施例と同様に、表示粒子の体積中位径に対して約1.6の塗工層の厚さ比を有する電気泳動表示媒体(ニ)(塗工層厚さ:約400μm)を作製した。
【0080】
比較例5
[電気泳動表示用表粒子を用いた電気泳動表示媒体]実施例で調製した電気泳動表示用表示粒子(10)(中空粒子の体積中位径:約0.3μm、中空粒子の体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比:約1/10、中空粒子の体積中位径に対する表示粒子の体積中位径比:約183)を用いて、実施例と同様にして電気泳動用表示粒子からなる途工層(塗工層厚さ:約100μm)を設けた後、その層上に、同じ塗工液を同じ条件下で塗工して、表示粒子の体積中位径に対して約3.6の塗工層厚さ比を有する電気泳動表示媒体(ホ)(塗工層厚さ:約200μm)を作製した。
【0081】
実施例11
実施例1〜6、参考例1及び比較例1、2において作製した電気泳動媒体に、装置の電極を介して+500V又は−500Vの電圧を10秒間印加して電気泳動させた後、大塚電子社製Photal MCPD−1000を用いて45度照射−垂直受光により、380〜800nmの波長領域で表示面の反射率を測定し、コントラスト比を求めた。その結果を表1に示す。
【0082】
実施例12
実施例10、参考例2及び比較例3〜5において作製した電気泳動媒体に、装置の電極を介して+500V又は−500Vの電圧を10秒間印加して電気泳動させた後、大塚電子社製Photal MCPD−1000を用いて45度照射−垂直受光により、380〜800nmの波長領域で表示面の反射率を測定し、コントラスト比を求めた。その結果を表2に示す。
【0083】
比較例6
100mLの分散媒SAS−296(日本石油化学社製)に界面活性剤WS−100(旭電化工業社製)10gを溶解し、10gの架橋化スチレン−アクリル系共重合体SX−866A(JSR社製)を加え、ジルコニアビーズを用いて約30時間ビーズ分散して、分散液を得た。この分散液に2gのチタンブラック(TilackD超微粒子タイプ、赤穂化成社製、Ti表面処理品)を加え、再び1時間ビーズ分散し、電気泳動表示用表示液(へ)を得た。この表示液中の中空粒子の体積中位径は約0.3μmであった。この体積中位径に対するチタンブラックの体積中位径比は約1/0.9であった。この表示液を用いて、実施例1と同様にして、約140μmの面間距離を有する内部空間を形成し、中空粒子の体積中位径に対して467倍の電極面間距離を有する電気泳動表示媒体を作製した。
【0084】
比較例7
面間距離を約155μmとする以外は実施例1と同様にして内部空間を形成し、比較例6と同様の表示液(ヘ)を用いて、中空粒子の体積中位径に対して517倍の電極面間距離を有する電気泳動表示媒体(ト)を作製した。
【0085】
実施例13
参考例1及び比較例6と7で作製した電気泳動表示媒体に媒体の電極を介して、実施例11と同様に、電圧を印加し、反射率を測定し、コントラスト比を求めた。次いで、同表示媒体に+300V又は−300Vの電圧を10秒間印加して電気泳動させた後、同様に、反射率を測定し、コントラスト比を求めた。その結果を表3に示す。比較例6は、±500Vの電圧の場合では、参考例1の表示媒体と同程度のコントラスト比を有していたが、±300Vの電圧では十分なコントラスト比が得られなかった。この結果からも、白色粒子と色調の異なる顔料粒子は、白色粒子に対して1/1以下の体積平均粒子径を有していることが重要であることが明らかとなった。また、比較例7は、±500Vの電圧の場合では、参考例1の表示媒体と同程度のコントラスト比を有していたが、±300Vの電圧では十分なコントラスト比が得られず、比較例6よりさらに低下した。この結果からも、白色粒子は、電極面間距離に対して500倍以下の体積平均粒子径を有していることが重要であることが明らかとなった。
【0086】
【表1】
Figure 0004160246
【0087】
【表2】
Figure 0004160246
【0088】
【表3】
Figure 0004160246
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、前記構成を採用したので、色調の異なる二粒子間の凝集による、混色の発生とコントラスト比の低下を防止して、コントラスト比の高い、視認性に優れた、可逆的な表示が可能な電気泳動表示用表示液、表示粒子、及びそれらを利用した表示媒体、表示装置及び表示体が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表示装置の一例を示す断面図である。
【図2】本発明による表示装置の他の一例を示す断面図である。
【図3】本発明による表示装置のさらに他の一例を示す断面図である。
【図4】本発明による表示装置のさらに他の一例を示す断面図である。
【図5】本発明による表示装置のさらに他の一例を示す断面図である。
【図6】本発明による表示装置のさらに他の一例を示す断面図である。
【図7】本発明による表示装置のさらに他の一例についての説明図である。
(a):断面図
(b):上面透視図
【図8】書き込み装置の一例を示す断面図である。
【図9】書き込み装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 電極
3 スペーサー
4 電気泳動表示用表示液
5 絶縁フィルム
6 電気泳動表示用表示粒子
7 バインダー材料
8 保護層
9 印刷層
10 印刷保護層
11 表示面
12 第一保護層
13 第二保護層
14 透明な記録部
15 非表示面
16 磁気記録部
17 集積回路メモリー
18 第三保護層
51 電極アレイ
52 書き込み基板
53 電極棒
54 スイッチング回路
55 電源回路
56 送り機構
60 表示媒体
61 イオン銃アレイ
62 コロナワイヤ
63 放電フレーム
64a 制御電極
64b 制御電極
65 アパーチャー
66 コロナイオン発生用高圧電源
67 イオン流制御用電源
68 送り機構

Claims (26)

  1. 少なくとも分散媒、白色粒子、及び該白色粒子と色調の異なる着色粒子からなる電気泳動表示用表示液において、該着色粒子の体積中位径が、該白色粒子の体積中位径に対して1/〜1/50であることを特徴とする電気泳動表示用表示液。
  2. 該白色粒子が、内部に空隙を有する白色粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示用表示液。
  3. 該白色粒子が、0.2〜6μmの体積中位径を有することを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示用表示液。
  4. 該白色粒子が、0.2〜6μmの体積中位径を有し且つ内部に空隙を有する白色粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示用表示液。
  5. 該白色粒子が、有機ポリマーからなる中空粒子であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電気泳動表示用表示液。
  6. 該着色粒子が、チタンブラックであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電気泳動表示用表示液。
  7. 該白色粒子が、有機ポリマーからなる中空粒子であり、且つ該着色粒子が、チタンブラックであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電気泳動表示用表示液。
  8. 少なくとも分散媒、白色粒子、及び該白色粒子と色調の異なる着色粒子からなる電気泳動表示用表示液をマイクロカプセルに内包した電気泳動表示用表示粒子であって、該電気泳動表示用表示液が、請求項1〜7の何れかに記載の電気泳動表示用表示液であり、該電気泳動表示用表示粒子が、該白色粒子の体積中位径に対して10〜500倍の体積中位径を有することを特徴とする電気泳動表示用表示粒子。
  9. 一対の対向電極を有する支持体の相互の電極面とその周辺、又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、請求項1〜7の何れかに記載の電気泳動表示用表示液を充填させたことを特徴とする電気泳動表示媒体。
  10. 全面電極を有する支持体の電極面、該支持体と対向した絶縁フィルムの表面、及びそれらの周辺又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、請求項1〜7の何れかに記載の電気泳動表示用表示液を充填させたことを特徴とする電気泳動表示媒体。
  11. 一対の対向電極を有する支持体の相互の電極面とその周辺、又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、請求項8に記載の電気泳動表示用表示粒子を充填させたことを特徴とする電気泳動表示媒体。
  12. 全面電極を有する支持体の電極面、該支持体と対向した絶縁フィルムの表面、及びそれらの周辺又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間に、請求項8に記載の電気泳動表示用表示粒子を充填させたことを特徴とする電気泳動表示媒体。
  13. 一対の対向電極を有する支持体の相互の電極面間距離が該白色粒子の体積中位径に対して20〜500倍であり、かつ該電気泳動表示用表示粒子の体積中位径の1〜2倍であることを特徴とする請求項12に記載の電気泳動表示媒体。
  14. 全面電極を有する支持体の電極面と該支持体と対向した絶縁フィルムの表面との面間距離が該白色粒子の体積中位径に対して20〜500倍であり、かつ該電気泳動表示用表示粒子の体積中位径の1〜2倍であることを特徴とする請求項13に記載の電気泳動表示媒体。
  15. 全面電極を有する支持体の電極面上に、請求項8に記載の電気泳動用表示粒子をバインダー材料と共に塗布したことを特徴とする電気泳動表示媒体。
  16. 該電気泳動表示用表示粒子と該バインダー材料からなる塗布層の平均厚が、該電気泳動表示用表示粒子の体積中位径の1〜2倍であることを特徴とする請求項15に記載の電気泳動表示媒体。
  17. 該電気泳動用表示粒子と該バインダー材料からなる塗布層上に、オーバーコート層を設けたことを特徴する請求項15又は16に記載の電気泳動表示媒体。
  18. 該支持体の少なくとも一部分、該絶縁フィルムの少なくとも一部分、該オーバーコート層上の少なくとも一部分、及び/又は該支持体の少なくとも一部分に、印刷層を設けたことを特徴とする請求項9〜17の何れかに記載の電気泳動表示媒体。
  19. 該印刷層上に、印刷保護層を設けたことを特徴とする請求項18に記載の電気泳動表示媒体。
  20. 請求項9〜19の何れかに記載の表示媒体と、該表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は画像信号に応じて前記表示媒体に電界を作用させることができ、かつ前記表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有する電極アレイを装備していることを特徴とする表示装置。
  21. 請求項9〜19の何れかに記載の表示媒体と、当該表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は画像信号に応じて前記表示媒体表面に電荷を付与させることができ、かつ前記表示媒体との平面位置関係を相対的に変えうる機構を有するイオン銃アレイを装備していることを特徴とする表示装置。
  22. 請求項9〜19の何れかに記載の表示媒体と、当該表示媒体に視認可能な情報を表示させることができる書き込み装置とからなり、前記表示媒体と前記書き込み装置は少なくとも書き込み時には近接させられるように着脱が可能である表示装置であって、前記書き込み装置は複数の信号電極と走査電極を装備し、その交差部に画像信号に応じて表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子を有し、それによって前記表示媒体に画像を表示するように構成されたことを特徴とする表示装置。
  23. 前記画像信号に応じて前記表示媒体に電界を印加することのできるスイッチング素子が、薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項22に記載の表示装置。
  24. 請求項9〜19の何れかに記載の表示媒体が、その一部又は全てを占めることを特徴とした可逆表示体。
  25. 該可逆表示体が、可逆表示カード、可逆表示シート、可逆表示ディスプレイ又は可逆表示型看板であることを特徴とした請求項24に記載の可逆表示体。
  26. 可逆表示カード、可逆表示シート、可逆表示ディスプレイ又は可逆表示型看板が、可撓性を有することを特徴とした請求項25に記載の可逆表示体。
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