JP2006057996A - バーナおよびボイラ - Google Patents

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Abstract


【課題】
本発明の目的は、NOx、CO、および煤塵をより一層効果的に低減できるバーナおよびボイラを提供すること。
【解決手段】ωフロー形式のボイラのバーナ1では、空気ノズル13A,13Bに傾斜部131A,131Bを設け、燃焼空気を中心軸C1を基準として排気口に近い側で少なく、遠い側で多くなるように噴流させる。従って、中心軸C1から外れるように火炎が延びるため、排気口側からの吸引力の影響を受けにくくでき、火炎の一部が排気口近くの水管等に近づきすぎたり、接触したりすることがなく、火炎温度の低下を抑制してCOや煤塵の発生をより低減できる。また、火炎が排気口側に近づかないことで、高速な二次側の燃焼空気と未燃の油噴霧粒子との混合を促進できると同時に、燃焼空気と共に排ガスをも良好に循環させることができ、未燃の油噴霧粒子の蒸発も促進でき、NOxの一層の低減と、COおよび煤塵のさらなる低減とを実現できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、バーナおよびボイラに関する。
燃焼によって生じるNOxに対する排出規制は年々厳しくなっており、NOx低減の技術開発が盛んである。燃焼時に生じるNOxとしては、フューエルNOx、プロンプトNOx、およびサーマルNOxがある。中でもサーマルNOxは、燃焼空気中のN成分が高温雰囲気中で酸化して生成され、温度依存が高く、燃焼温度が高くなるほど、生成量は急激に増大する。
従って、サーマルNOxは、燃焼に空気を使用する限り必ず生成され、燃料が特に灯油や窒素分の少ないA重油である場合には、排出されるNOxの大半がサーマルNOxといわれ、数多くの低減方法が提案されている。
これらの多くの低減方法の中で、主なNOx抑制燃焼技術としては、(A)分割火炎燃焼方式、(B)排ガス再循環燃焼方式、(C)多段燃焼方式、(D)水混合燃焼方式などが知られている。
しかしながら、(A)分割火炎燃焼方式のバーナでは、火炎の分割が不十分となり易く、NOxの低減には限界があり、昨今の厳しいNOx規制に対応するには更なる技術開発が必要になっている。
また、分割火炎燃焼方式には、複数の主空気噴流口を設けるタイプと、燃料噴霧ノズルを複数個設けるタイプとがあるが、特に後者のタイプのバーナは、大型の油バーナやガスバーナでは比較的容易に分割火炎を形成できるが、バーナ火炎口(外筒部材の径寸法)の小さいバーナでは、分割火炎の形成に難点があるうえ、複数個の燃料噴霧ノズルが必要であり、コストが高くなる。
(B)排ガス再循環燃焼方式のバーナは、排ガス(燃焼ガス)の一部を燃焼空気に再循環させ、酸素分圧を下げることで低NOx化を図るものであり、強制排ガス再循環法と自己排ガス再循環法とに大別される。
しかし、強制排ガス再循環法は、排ガスの一部を再循環するのに、再循環用ダクトとブロアーとが必要であり、小型ボイラへの適用はコスト面で問題となる。
これに対して自己排ガス再循環法は、バーナの構造等に工夫を加え、燃焼空気の噴流に周囲の気体が吸引される現象を用いて、燃焼空気流および燃料流に排ガスを混合させて排ガス再循環の効果を持たせることを特徴としており、排ガスを強制的に再循環させることがないため、コスト面でのメリットがあるが、排ガスの再循環量が十分ではなく、NOx低減にはやはり限界がある。
(C)多段燃焼方式のバーナは、燃料あるいは燃焼空気を空気比の異なる2段もしくはそれよりも多くの段数に分割して濃淡燃焼させることを特徴とし、火炎温度の低下あるいは酸素濃度の低下によって低NOx化を図るものである。
しかし、この燃焼方式においても、多段で燃焼させるために、バーナの構造が複雑になるという問題がある。
(D)水混合燃焼方式は、予め燃料中に水を混合させるか、あるいは燃焼室に水を吹き込んで火炎温度を下げることにより、低NOx化を図るものである。
しかし、この方式では、水の吹き込みによりバーナを構成する筒部材等に腐食が生じるおそれがあるとともに、ボイラ効率も低下する。さらに、ポンプ等の水供給装置が別途必要となるので、コストアップにつながる。
以上に述べたように、各方式には一長一短があり、NOxが確実に減少するバーナを安価に製作することは難しかった。これに対して、本出願人が先に開発したバーナ(特許文献1参照)によれば、安価な構造で、かつNOxを確実に低減できる低NOxバーナが実現されている。このバーナでは、燃料噴霧ノズルの周囲に空気ノズルを配置し、燃料噴霧ノズルの燃料噴霧口よりも下流側において燃焼空気を噴流することにより、多段燃焼および排ガス再循環燃焼を実現し、NOxの発生を抑制する。
特開2001−254913号公報(第1図)
しかし、このような構造のバーナにおいて、バーナ単体の構造に着目して改良を加えるだけでは、NOx、CO、煤塵の発生をより確実に抑制するのに限界がある。このため、バーナが取り付けられる燃焼室側の構造をも勘案して、バーナあるいは燃焼室側の構造等をさらに工夫することが要求され、これによって、近年の厳しい規制にも対応させることが望まれている。
本発明の目的は、NOx、CO、および煤塵をより一層効果的に低減できるバーナおよびボイラを提供することにある。
本発明の請求項1のバーナは、燃焼室の中心軸に沿って開口した排気口を有するボイラに取り付けられるとともに、前記排気口が設けられた燃焼室に向かって燃料を噴霧する燃料噴霧ノズルと、この燃料噴霧ノズルの先端側が収容される内筒部材と、この内筒部材の外周側に配置された外筒部材とを備え、前記外筒部材の下流側端面には、さらに下流側に延出した空気ノズルが設けられ、これらの空気ノズルの下流端側には、前記燃焼室に燃焼空気を噴流する主空気噴流口が形成されているバーナであって、前記主空気噴流口からの燃焼空気は、前記燃焼室の中心軸を基準にして前記排気口に近い側で少なくなるように噴流することを特徴とする。
従来のバーナでは、空気ノズルの主空気噴流口からの燃焼空気は、燃焼室の中軸回りに略均等に分布するように噴流されており、これにより、燃焼室の中心軸と形成される火炎の中心軸とが略一致するものと考えられていた。しかしながら、例えば、燃焼室の中心軸に沿った排気口を有するωフロー形式の貫流ボイラによれば、排ガスが排気口へ流れることによる吸引作用により、実際の火炎は排気口側になびいてしまい、燃焼室の中心軸から外れて形成される場合が多い。
このため、火炎の一部が排気口に近い水管に近づきすぎたり、あるいは水管に接触してその火炎温度を下げることとなり、完全燃焼しにくくなって煤塵およびCOが生じやすくなる。
また、火炎が排気口側になびいて排気口側に近づくと、火炎と燃焼室内面との隙間が狭まるため、排気口側での排ガスの戻りが少なくなる。このような状態では、バーナ回りでの排ガスの再循環が均一に行われず、NOxの発生が増加するうえ、煤塵がさらに生じやすくなる。
これに対して本発明によれば、主空気噴流口からの燃焼空気は、排気口に近い側で少なく、遠い側で多くなるように噴流するので、燃焼室の中心軸から外れるように火炎が延び、排気口側からの吸引力の影響を受けにくい。また、影響を受けた場合でも、排気口側になびく分だけ火炎の方向や位置が中心軸側に戻るだけであり、結果として火炎が排気口側に近づくことがない。従って、火炎の一部が排気口近くの水管等に近づきすぎたり、接触したりすることがなく、NOx、CO、および煤塵の発生がより一層効果的に抑制される。すなわち、本発明では、火炎がなびくことを見込んで、噴流した燃焼空気の中心軸回りでの分布を予め偏らせるのである。
本発明の請求項2のバーナは、請求項1に記載のバーナにおいて、前記外筒部材の下流側端面には、前記空気ノズルが当該端面の周方向に間隔を空けて複数設けられ、前記複数の空気ノズルのうち、前記排気口に近い側に位置するようになる空気ノズルにのみ、前記燃焼室の中心軸に向かって傾斜する傾斜部が設けられていることを特徴とする。
このような本発明によれば、排気口に近い側の空気ノズルから出る燃焼空気は、排気口から遠ざかるように噴流するので、燃焼室の中心軸を基準として排気口側の燃焼空気が少なくなり、前記目的を達成できる。また、排気口側での燃焼空気を少なくするのには、空気ノズルに傾斜部を設けるだけでよいから、構造が簡単であり、製作が容易である。
本発明の請求項3のバーナは、請求項2に記載のバーナにおいて、前記排気口から遠い側に位置するようになる空気ノズルには、前記燃焼室の中心軸から離れる方向に傾斜する別の傾斜部が設けられていることを特徴とする。
このような本発明では、燃焼空気が全体的に排気開口から遠ざかるようにシフトして噴流するため、排気開口が大きく、火炎が大きくなびき易いボイラに特に有効である。
本発明の請求項4に記載のバーナは、請求項2または請求項3に記載のバーナにおいて、前記複数の空気ノズルは、前記燃焼室の中心軸に対して30度以下となる角度で傾斜することを特徴とする。
この発明によれば、空気ノズルの傾斜角度が適切に調整されているので、空気ノズルからの二次空気と未燃燃料の噴霧粒子との混合が促進されて噴霧粒子の蒸発が促進されるとともに、燃焼排ガスの循環が良好となる。
ここで、空気ノズルの軸線の傾斜角度が30度より大きい場合には、未燃燃料の噴霧粒子の混合、蒸発は促進されるが、火炎が燃料噴霧ノズル近傍に貼り付いた燃焼状態と燃料噴霧ノズルから離れた位置で火炎が形成される燃焼状態との間で変動して燃焼状態が不安定となる。このため、安定したNOx低減効果を得ることができない。
本発明の請求項5のバーナは、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のバーナにおいて、前記内筒部材には、燃焼空気の一部が流入可能な小孔が形成され、前記小孔の総開口面積をS1、前記外筒部材の主空気噴流口の総開口面積をS2とした時、S1/(S1+S2)は、0.3以下であることを特徴とする。
このような本発明では、主空気噴流口と小孔との総開口面積が適切に設定されているので、外筒部材の中央側と外側との空気比の差を適切に設定することが可能となり、より確実な二段燃焼効果および排ガス再循環燃焼が得られ、より一層確実かつ高効率にNOxが低減される。
本発明の請求項6に記載のバーナは、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のバーナにおいて、前記内筒部材の開口部内に設けられた保炎板を備え、この保炎板には、前記内筒部材の略軸線方向に沿って貫通した複数の副空気噴流口が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、保炎板の副空気噴流口を内筒部材の略軸線方向に沿った貫通形状に形成するから、主空気噴流口からの空気が旋回せずに速やかに噴流し、燃料との混合が遅れる。従って、燃料の蒸発を十分に進ませてから燃焼させることが可能となり、保炎板への火炎の貼り付きが抑制されてNOxの生成量がより確実に減少する。
本発明の請求項7に記載のバーナは、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のバーナにおいて、前記燃料噴霧ノズルの燃料を噴霧する噴霧口の下流側で、かつ前記外筒部材の下流側端面より下流側の前記内筒部材の軸線上には、前記空気ノズルから噴出される空気を循環させる循環補助部材が設けられたことを特徴とする。
この発明によれば、外側から入り込む排ガスの流路が循環補助部材周りに形成され、排ガスがよりスムーズに循環し、排ガス再循環の効果が一層向上する。ここで、循環補助部材は、噴霧燃料の外周縁が環状部材の内周面から外れない範囲に設けられていることが望ましい。この場合には、火炎形状や燃焼排ガスの流れ等が安定化されるため、例えばボイラの燃焼形式の違いなどの外部条件の影響を受けず、燃焼性を良好にすることができ、COや煤塵の発生をより一層抑制することができる。従って、低NOx化とともに、良好な燃焼性による低CO化、および低煤塵化を達成することができる。
本発明の請求項8に記載のバーナは、請求項7に記載のバーナにおいて、前記循環補助部材は、円筒状に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、循環補助部材は、略円筒状に形成されている。これにより、循環補助部材の外周面に沿って外側から排ガスの流路が形成されるため、排ガスがよりスムーズに循環し、排ガス再循環の効果がさらに向上する。
本発明の請求項9のボイラは、燃焼室の中心軸に沿って開口した排気口を有するボイラであるとともに、前記排気口が設けられた燃焼室に向かって燃料を噴霧する燃料噴霧ノズルと、この燃料噴霧ノズルの先端側が収容される内筒部材と、この内筒部材の外周側に配置された外筒部材とを備え、前記外筒部材の下流側端面には、さらに下流側に延出した空気ノズルが設けられ、これらの空気ノズルの下流端側には、前記燃焼室に燃焼空気を噴流する主空気噴流口が形成されているバーナが取り付けられるボイラであって、前記バーナの主空気噴流口からの燃焼空気は、前記燃焼室の中心軸を基準にして前記排気口に近い側で少なくなるように噴流することを特徴とする。
このような本発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のバーナを用いても実現可能であるが、従来のバーナ(特許文献1記載のバーナ等)を用いた場合でも、ボイラへの取付位置や取付方向を工夫することにより、噴流する燃焼空気を排気口側で少なくでき、本発明を実現可能である。そして、本発明においても、前述した作用により、前記目的を達成できる。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るバーナ1が取り付けられたボイラ100を縦断面して示す模式図。図2は、ボイラ100を横断面して示す模式図である。図3は、バーナ1単体を示す横断面図であり、図4はバーナ1単体での正面図である。ここで、図4は、図3中のIV-IV線で示す矢視図であり、図3は、図4中のIII-III線で示す矢視図である。
図1、図2において、ボイラ100は、ωフロー形式の貫流ボイラであり、ボイラ本体である円筒状の缶体101を備えている。この缶体101の下部は、水室102および下部キャスタ103で密閉され、缶体101の上部は、蒸気通路104および上部キャスタ105で密閉されている。水室102には、図示しない給水装置から薬液注入装置等を介して蒸気発生用の水が給水される。水室102と蒸気通路104とは、複数の水管106により連通されており、水室102の水が水管106上部で蒸気となり、この蒸気が蒸気通路104から気水分離機に送られ、気水分離機において蒸気と分離された水は、再び水室102に戻されるようになっている。
複数の水管106は、図2に示すように、略同心円状に二重に配列されており、内側の水管列106Aと外側の水管列106Bとが形成されている。内外の水管列106A,106Bは、それぞれ水管106同士が連結部材106Cで連結されている。そして、内側の水管列106Aと上下のキャスタ103,105に囲まれた空間が、中心軸C1を有した燃焼室107となっている。また、内外の水管列106A,106Bの間、および外側の水管列106Bと缶体101との間に、それぞれガス通路108,109が形成されている。
燃焼室107と水管列106A,106B間のガス通路108とは、内側の水管列106Aにおける周方向の一部の連結部材106Cを省略して形成した第1排気口110を介して連通されており、この第1排気口110が燃焼室107の軸線に沿って上下方向に連続して開口している。開口長さは、燃焼室107の上下長さと略同じである。水管列106A,106B間のガス通路108と、外側の水管列106Bと缶体101との間のガス通路109とは、外側の水管列106Bにおける周方向の一部の連結部材106Cを省略して形成した同様な第2排気口111を介して連通されている。この第2排気口111は、第1排気口110に対して、燃焼室107を挟んだ反対側に設けられている。そして、外側の水管列106Bと缶体101との間のガス通路109は、缶体101の側面に設けられた煙道112の内部と連通されている。
以上のようなボイラ100において、バーナ1は、燃焼室107の一方側(図1中の上側)の中心部に、燃料噴霧側を下方に向けて取り付けられている。すなわち、上部キャスタ105の中央に穿設されたバーナ装着孔105Aに外部側から挿入されている。このバーナ1の軸線C2は、燃焼室107の前述した中心軸C1と一致している。そして、バーナ1からの火炎は、燃焼室107の一方側から他方側に延びている。具体的には、その火炎の中心軸C3は、燃焼室の中心軸C1と略一致しているか、または第1排気口110から僅かに遠ざかる方向に傾斜して延びている。
燃焼後の排ガス(燃焼ガス)は、図中矢印で示すように、燃焼室107側方の第1排気口110からガス通路108に流入する。ガス通路108に流入した燃焼ガスは、ガス通路108内で水管106内の水と熱交換を行って冷却されながら、第2排気口111からガス通路109を通って煙道112に排気される。これにより水管106内の水が熱せられて、蒸気として蒸気通路104から気水分離機に送られるようになっている。
図3に示すように、バーナ1は、上部キャスタ105側から燃焼室107側(図1中の右側)に延びる油供給ライン10と、この油供給ライン10の先端部に設けられた燃料噴霧ノズル10Aと、油供給ライン10(および燃料噴霧ノズル10A)の先端側を収容した内筒部材11と、内筒部材11の外周側に配置された外筒部材12とを備えている。
燃料噴霧ノズル10Aは、複数個(本実施形態では2個)設けられ、内筒部材11および外筒部材12の略中央に、軸線C2に沿って互いに近接して配置されている。
外筒部材12の下流側(燃焼室107側)の端面12Aには、その外周側に沿って軸線C2を中心に直径D1の円周上に複数(本実施形態では8本)の空気ノズル13が互いに等周間隔で設けられている。空気ノズル13の矩形断面において、対向する二辺は外筒部材12の径方向に沿って配置されている。これらの空気ノズル13は、断面矩形の筒状に形成されて外筒部材12の端面12Aから燃焼室107の中心軸C1(バーナ1の中心軸C2)に沿って、当該燃焼室107側に延出している。
8本の空気ノズル13のうち、燃焼室107の第1排気口110に近い4本の空気ノズル13Aにおいては、外側に向いた面、つまり空気ノズル13矩形断面の四辺のうち、軸線C2から遠い外側の一辺を形成する面が傾斜部131Aとなっている。傾斜部131Aは、空気ノズル13の先端に向かって燃焼室107の中心軸C1(バーナ1の軸線C2)側に近づくように傾倒し、中心軸C1,C2に対して所定の傾斜角度θを有している。ここで、傾斜角度θは、特に限定されないが、0°<θ<30°の間で設定されている。
一方、第1排気口110から遠い側の残り4本の空気ノズル13Bにおいては、内側に向いた面、つまり空気ノズル13矩形断面の四辺のうち、軸線C2に近い内側の一辺を形成する面が傾斜部131Bとなっている。傾斜部131Bは、空気ノズル13の先端に向かって燃焼室107の中心軸C1(バーナ1の軸線C2)から離れるように傾倒し、中心軸C1,C2に対して所定の傾斜角度θを有している。ここで、傾斜角度θはやはり、特に限定されないが、0°<θ<30°の間で設定されている。
各空気ノズル13の先端部分(燃焼室107側)には、開口部が設けられており、この開口部が主空気噴流口14とされている。この主空気噴流口14は、外筒部材12の端面12Aよりも燃焼室107側に位置しており、外筒部材12の内部を介して供給される二次側の燃焼空気が主空気噴流口14から燃焼室107に向かって噴流するようになっている。
このような外筒部材12を用いたバーナ1は、主空気噴流口14が空気ノズル13の数に応じて周方向の複数箇所(8箇所)に設けられているため、分割火炎燃焼方式の構造を有する。
また、主空気噴流口14の下流近傍で燃焼が生じるが、燃焼時の排ガスは、隣接する空気ノズル13の間を通り、燃焼によって最も負圧になる中央側へと入り込んで戻る(排ガス再循環)。このため、バーナ1は、排ガス再循環燃焼方式(自己排ガス再循環法)の構造も有する。
内筒部材11の燃焼室107側端面における燃料噴霧ノズル10Aの前方には、内筒部材11の開口を塞ぐ保炎板15が設けられている。図5に示されるように、保炎板15には、燃料噴霧ノズル10A(図4)の取付位置に対応して形成された中心の燃料噴出口15Bと、この燃料噴出口15Bの周囲に切り起こし加工等による副空気噴流口15Aとを備えている。この構成では、副空気噴流口15Aから噴流した一次側の燃焼空気は、旋回しながら燃料と混合する。従って、燃料との混合が速やかに行われ、良好に混合する。ただし、保炎板15の構造はこれに限定されず、例えば、切り起こし加工による副空気噴流口15Aの代わりに、軸線C2に沿って貫通する多数(複数)の副空気噴流口が穿設されていてもよい。
また、内筒部材11において、保炎板15が設けられた側とは反対側の端部側面には、複数の小孔11Aが穿設されており、これら複数の小孔11Aの総開口面積をS1、外筒部材12の主空気噴流口14の総開口面積をS2とした時、S1/(S1+S2)は、0.3以下、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下に設定されている。すなわち、総開口面積S1,S2による比を0.3以下に設定することで、副空気噴流口15Aから噴流する燃焼空気の量を抑え、これによってバーナ1では、外筒部材12の中央側の空気比を外周側の空気比よりも小さくし、いわゆる二段燃焼の効果が得られるようになっている。この場合、本実施形態での主空気噴流口14からの燃焼空気の流速が20〜50m/secであるのに対し、副空気噴流口15Aからの燃焼空気の流速は10〜20m/sec以下となる。
なお、総開口面積S1,S2による比は、0.3を越えて設定されると、二段燃焼の効果が得られず、火炎が保炎板15に張り付いた状態で燃焼し易くなり、NOxの生成量が多くなる。また、主空気噴流口14からの燃焼空気の流速は、10m/sec以上であればよい。
以上のバーナ1では、燃料噴霧ノズル10Aから燃料が噴霧されると、燃料は副空気噴流口15Aから旋回しながら噴流する一次側の燃焼空気と混合されるとともに、空気ノズル13の主空気噴流口14および保炎板15の副空気噴流口15Aから二次側の燃焼空気が供給されることで、燃焼が生じる。このとき外筒部材12内の二次側の燃焼空気は、それぞれ複数の空気ノズル13で分岐して噴流し、分割されて燃焼する。
そして、空気ノズル13Aには傾斜部131Aが形成され、空気ノズル13Bには傾斜部131Bが形成されているので、主空気噴流口14からの燃焼空気は、燃焼室107の中心軸C1を基準として、ある程度の角度を有しながら第1排気口110から離れる方向に噴流し、第1排気口110に近い側で少なく、離れた側で多くなる。これにより、形成される火炎は、第1排気口110側からある角度を持って離れる方向に延びるか、または第1排気口110側への吸引作用によって当該第1排気口110側になびいた結果、火炎の中心軸C3が燃焼室107の中心軸C1(バーナ1の軸線C2)と略一致するように戻される。
なお、傾斜部131A,131Bの傾斜角度θが30°を大きく越えると、火炎が燃焼室107の第1排気口110とは反対側の水管106に接触してしまい、かえって燃焼性が悪化する。
また、主空気噴流口14からの空気噴流量は、小孔11Aからの空気噴流量より多くなっているので、外筒部材12の外周側(空気ノズル13近傍)では、外筒部材12の中央側より空気比が高くなる。このため、外筒部材12の中央側が負圧となり、空気ノズル13から噴流された空気による燃焼後の排ガスは、隣接する空気ノズル13の間を通って外筒部材12の中央側、つまり燃料噴霧ノズル10A前方に再循環する。
このような本発明によれば、以下の効果がある。
(1)すなわち、ωフロー形式のボイラ100に取り付けられたバーナ1においては、空気ノズル13A,13Bに傾斜部131A,131Bが設けられていることにより、主空気噴流口14からの燃焼空気は、第1排気口110に近い側で少なく、遠い側で多くなるように噴流するので、燃焼室107の中心軸C1から外れるように火炎が延び、第1排気口110側からの吸引力の影響を受けにくくできる。また、影響を受けた場合でも、第1排気口110側になびく分だけ火炎の方向や位置が中心軸C1側に戻るだけであり、結果として火炎の中心軸と燃焼室の中心軸とが近づくことになり、火炎が第1排気口110側に近づくことがない。従って、火炎の一部が第1排気口110近くの水管等に近づきすぎたり、接触したりすることがなく、火炎温度の低下を抑制してCOや煤塵の発生をより低減できる。
また、火炎が第1排気口110側に近づかないことで、火炎と燃焼室107に臨む水管106との隙間を十分に確保できるので、高速な二次側の燃焼空気と未燃の油噴霧粒子との混合を促進できると同時に、燃焼空気と共に排ガスをも良好に循環させることができ、未燃の油噴霧粒子の蒸発も促進できる。このため、NOxの一層の低減と、COおよび煤塵のさらなる低減とを実現できる。
(2)バーナ1では、空気ノズル13A,13Bに傾斜部131A,131Bを設けるだけで、燃焼空気の噴流方向を燃焼室107の中心軸C1からずらし、よって第1排気口110側の燃焼空気を少なくする構造であるから、構造が簡単で、製作も容易にできるというメリットがある。
(3)第1排気口110側の燃焼空気を少なくするのには、空気ノズル13Aにのみ傾斜部131Aを設けることでも可能であるが、本実施形態では、空気ノズル13Bにも傾斜部131Bが設けられており、第1排気口110側の燃焼空気を大幅に少なくしている。このため、第1排気口110が燃焼室の略上下寸法にわたって大きく開口したボイラ100においても、第1排気口110での大きな吸引力に見合った火炎を形成でき、火炎の中心軸C3と燃焼室107の中心軸C1とを確実に近づけて燃焼性を向上させることができる。
(4)内筒部材11の小孔11Aと主空気噴流口14との総開口面積S1,S2による比を0.3以下にし、内筒部材11の先端側に設けられる副空気噴流口15Aから噴流する燃焼空気の量を確実に抑えることにより、外筒部材12の中央側の空気比が外側の空気比よりも小さくなって2段燃焼効果が得られ、副空気噴流口15Aからより離れた位置で保炎するようになる。これにより、2段燃焼効果が得られ、NOxの発生をさらに減少させることができる。
(5)空気ノズル13の傾斜角度が30度以下に調整されているので、空気ノズル13からの二次空気と未燃燃料の噴霧粒子とが適切に混合される。従って、噴霧粒子の蒸発を促進でき、燃焼排ガスの循環が良好にできる。
(6)副空気噴流口15Aが内筒部材11の軸線に沿って保炎板15を貫通しているので、副空気噴流口15Aからの燃焼空気が燃料噴霧ノズル10A近傍で旋回することなく噴流される。従って、燃料との混合が遅くなり、その間に燃料の蒸発をより促すことができ、蒸発が十分に進んでから燃焼させることができる。これにより、保炎板15からより離れた位置で保炎することができ、保炎板15への火炎の貼り付きを防止できるので、NOxの生成量をさらに低減することができる。
[第二実施形態]
次に本発明の第二実施形態について図面に基づいて説明する。
図6は、第二実施形態に係るバーナ1A単体を示す側面図である。第二実施形態のバーナ1Aは第一実施形態のボイラ100において、バーナ1の先端に循環補助部材としての燃焼コーン20を取り付けたものであり、第一実施形態と同一の部材に対しては同一符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図6において、バーナ1Aの先端に設けられる燃焼コーン20は、外筒部材12の直径(外径)D2と略同一の外径寸法を有しており、外筒部材12に図示しない係合部材により一体に取り付けられている。また、燃焼コーン20は、内外筒部材11,12の軸線C2を中心とした円筒状の部材であり、燃料噴霧ノズル10Aよりも燃焼室107側で、かつ外筒部材12の端面12Aとの間に所定寸法の隙間Zを有して設置されている。
また、燃焼コーン20は、燃料噴霧ノズル10Aから所定の角度(噴霧角)で噴霧された燃料を所定範囲内(燃焼コーン20の内径範囲内)に案内し、噴霧された燃料の必要以上の拡散を防止する。
このような本発明によれば、第一実施形態の効果に加えて以下の効果がある。
(7)バーナ1Aは、内外筒部材11,12の軸線Cを中心とした燃焼コーン20を備えている。このため、燃料噴霧ノズル10Aから噴霧された燃料を燃焼コーン20内周面で案内でき、排ガスの再循環をより高効率にするとともに、未燃燃料の排出を防止できる。従って、火炎形状や燃焼排ガスの流れ等を安定化できる。これにより、低NOx化とともに、良好な燃焼性による低CO化、および低煤塵化を達成することができる。
(8)燃焼コーン20は、内外筒部材11,12の軸線Cを中心とした円筒状に形成されている。このため、噴霧された燃料の外周縁の拡散を防止でき、燃焼コーン20に沿って火炎を燃焼させることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
〔第1変形例〕
図7、図8には、本発明の第1変形例が示されている。この第1変形例では、8本の空気ノズル13A,13Bのうち、第1排気口110に近い側の空気ノズル13Aにのみ、その先端側に傾斜部131Aが設けられており、第1排気口110から離れた側の残り4本の空気ノズル13Bには傾斜部が一切設けられていない。つまり、空気ノズル13Bはストレート形状であり、ここからの燃焼空気は、燃焼室107(図1)の中心軸C1に沿った方向に噴流する。他の構成は、前記実施形態と略同様である。
このような構成でも、前記実施形態ほどではないが、中心軸C1を基準にして第1排気口110側での燃焼空気を少なくでき、本発明の目的を達成できる。そして、このような構成は、第1排気口110での吸引力が前記実施形態ほど大きくない場合に好適に用いられる。
〔第2変形例〕
図9に示す第2変形例では、第1排気口から離れた側にのみストレート形状の空気ノズル13が設けられている。
このような構成でも、第1排気口に近い側に空気ノズルが設けられていないことで、第1排気口側での燃焼空気を少なくでき、実施形態と同様な効果を得ることができる。
〔第3変形例〕
図10に示す第3変形例では、8本の空気ノズル13A,13Bが略円筒状に設けられている点で第1実施形態とは異なる。
このような構成でも、第1排気口110側での燃焼空気を少なくでき、本発明の目的を達成できる。
〔第4、第5変形例〕
図11、図12に示す第4、第5変形例では、外筒部材12の端面12Aに設けられる8本の空気ノズル13は、第1排気口110から遠ざかる方向に一様に傾斜するとともに、断面矩形状の主空気噴流口14がそれぞれ同じ向きに開口している。ここで、図11の空気ノズル13では、主空気噴流口14の矩形長辺が第1排気口110に向かう方向に対して略直交して形成され、図12の空気ノズル13では、主空気噴流口14の開口形状が略正方形に形成されている。なお、断面形状が四角形の空気ノズル13に限らず、例えば円筒状の空気ノズルが第1排気口110から遠ざかる方向に一様に傾斜する構成であってもよい。
このような構成でも、第1排気口110側での燃焼空気を少なくでき、本発明の目的を達成できる。
〔第6変形例〕
図13に示す第6変形例は、本発明の第2実施形態に対するバーナ1Aの変形例であり、このバーナ1Aの燃焼コーン20は、バーナ1A全体の軸線C2上に設けられるとともに、燃焼コーン20単体の軸線C4が軸線C2よりも第1排気口110から遠ざかる方向に傾斜して配置されている。この燃焼コーン20の傾斜角度は、空気ノズル13A,13Bの傾斜角度θと略同一角度だけ傾斜されていることが望ましい。
このような構成では、第1排気口110側での燃焼空気を少なくできるとともに、燃焼コーン20により排ガスをより確実に再循環させることができるので燃焼性を良好にできる。また、燃焼コーン20の傾斜により、噴霧される空気を確実に第1排気口110から遠ざける方向に噴流させることができ、燃焼効率を一層良好にできる。
〔第7変形例〕
図14に示す第7変形例では、外筒部材12の端面12Aにストレート状の従来の空気ノズル13が設けられ、この外筒部材12の燃焼室107側に中心軸C上に設けられるとともに、燃焼コーン20単体の軸線C4が軸線C2よりも第1排気口110から遠ざかる方向に傾斜した燃焼コーン20が設けられている。
このような構成では、空気噴流口14から出た空気は燃焼コーン20に沿って第1排気口110から遠ざかる方向に流される。従って、第1排気口110側の燃焼空気を少なくできる。さらには、既存の従来の空気ノズル13を有するバーナにこのような燃焼コーン20を取り付けるだけで容易に燃焼効率を良好にできる。
〔第8変形例〕
図15に示すバーナ1Aでは、図16に示すような半円筒状の燃焼コーン21が外筒部材12の燃焼室107側に設けられている。このような燃焼コーン21を取り付けることにより、燃焼後の排ガスは、燃焼コーン21の外周側から隣接する空気ノズル13の間を通って外筒部材12の中央側、つまり燃料噴霧ノズル10A前方に再循環する(図15中矢印にて示す)。従って、このような構成でも、第2実施形態と同様に、排ガスの再循環をより高効率にするとともに、未燃燃料の排出を防止できる。
〔第9変形例〕
図17、図18に示すボイラ100は、本発明のボイラに係る変形例であって、ボイラ100に用いられるバーナ2自身は前述した特許文献1に記載の従来型である。ただし、この変形例でのバーナ2は、その軸線C2が燃焼室の中心軸C1に対してずれた位置で取り付けられている。つまり、ボイラ200の上部キャスタ105に対するバーナ2の取付位置を、第1排気口110から所定寸法だけ遠ざかる方向にオフセットさせることにより、第1排気口110側での燃焼空気を少なくしているのである。
従って、バーナ2自身は、本発明のバーナには含まれないが、このようなバーナ2の取付構造が採用されたボイラ100は、本発明のボイラに含まれる。
〔第10変形例〕
図19に示すバーナ1は、外筒部材12や図示しない内筒部材自体が燃焼室107内で折曲し、傾斜した形状になっている。そして、バーナ1の軸線C2が燃焼室107の中心軸C1に対して傾斜角度θで傾斜している(0°<θ<30°)。
このような構成でも、本発明の目的を達成でき、図17に示したバーナ1およびボイラ100は、本発明のバーナおよびボイラに含まれる。
〔第11変形例〕
図20には、本発明の第11変形例に係る温水ボイラ200が示されている。この温水ボイラ200は、ωフロー形式ではなく、燃焼室107で生じた排ガスは、排気口110から複数の煙管201を通って上方に導かれ、煙室202から排気される構造である。しかし、排ガスの排気口110が燃焼室107の中心軸C1に沿って設けられており、前記実施形態のようなバーナ1を用いることで、この温水ボイラ200は本発明のボイラに含まれる。
その他、空気ノズル13の数は8本に限らず、任意の本数を形成してよい。さらに、主空気噴流口14の形状は、四角形や円形に限らず、楕円形や、三角形、その他の多角形状であってもよい。
また、空気ノズル13の間隔は等周間隔でなくともよく、例えば、排気口110側に複数の空気ノズル13を粗に設け、排気口110から離れた側に複数の空気ノズル13を密に設けることで、排気口110に近い側の燃焼空気を少なく噴流させてもよい。
そして、空気ノズル13のうち、空気ノズル13Aの主空気噴流口14の開口面積をより小さくし、空気ノズル13Bの主空気噴流口14の開口面積をより大きくすることで、排気口110に近い側の燃焼空気を少なく噴流させてもよい。
前記第1実施形態で説明した本発明のバーナ1およびボイラ100を用いて燃焼実験を行った。燃料は図21に示す性状の灯油を用い、S1/(S1+S2)=0.04とし、主空気噴流口14が配置される仮想円形の直径D1を約122mmとした。また、空気ノズル13の主空気噴流口14の総開口面積S2を一定(26mm×17mm×8本)に保持しながら、傾斜部131A,131Bの傾斜角度θを0°から30°まで変化させて、つまり傾斜角度θを0°、10°、20°、30°に設定した場合について、それぞれ燃焼実験を行った。
図22に実施例1の結果を示す。この図22に示されるように、傾斜角度θが0°の場合と比べて、傾斜部131が角度を有する場合(つまり傾斜角度θが10°、20°、30°の場合)の方が燃焼性(CO、煙濃度)が向上し、NOxの発生量が抑制されることが確認された。これは、傾斜部131A,131Bにより、二次側の燃焼空気が排気口110から遠ざかる方向に噴流し、その結果、排気口110側への火炎の吸引が抑制され、燃焼空気と未燃燃料の油噴霧粒子との混合が促進されると同時に、排ガスの再循環により未燃燃料の油噴霧粒子の蒸発も促進されたためと考えられる。このことより、傾斜部131を設けることにより、NOxの発生量を抑制できることが確認された。
なお、傾斜角度θが大きくなると、NOx発生量が増大するのは、燃焼室107において、火炎の偏り状態が大きくなり、伝熱効率が悪くなると考えられる。このことはまた、傾斜角度θには最適値が存在すること意味しており、10°近辺が最適値であると判断される。
第1実施形態のバーナ1およびボイラ100を用いて燃焼実験を行った。バーナ1は、空気ノズル13の主空気噴流口14の総開口面積S2を実施例1よりも小さく(25mm×13mm×8本)した以外は、実施例1と同じである。ただし、傾斜角度θは、0°、5°、10°、20°に設定した。
図23に実施例2の結果を示す。この図23に示されるように、実施例1と同様、空気ノズル13に傾斜角度θを設け、排気口110から遠ざかる方向に燃焼空気を噴流することにより、燃焼性(CO、煙濃度)が向上し、NOxの発生量が抑制されることが確認された。実施例1と異なる結果としては、傾斜角度θを大きくしても、実施例1程NOxの生成が増加しない点である。これは、主空気噴流口14の面積を小さくしたため、実施例1に比べて燃焼空気が高速で噴流し、未燃の油噴霧粒子との混合がより促進され、対流による伝熱効率が向上したものと考えられる。
第1実施形態のバーナ1およびボイラ100を用いて燃焼実験を行った。燃料が図22に示す性状のA重油を使用したこと以外、バーナ1の形状等は実施例2と同じである。ただし、傾斜角度θは、0°、10°に設定した。
図24に実施例3の結果を示す。この図24に示されるようにやはり、空気ノズル13に傾斜角度θを設け、排気口110から遠ざかる方向に燃焼空気を噴流することにより、燃焼性(CO、煙濃度)が向上し、NOxの発生量が抑制されることが確認された。
前記第2実施形態で説明した本発明のバーナ1Aおよびこのバーナ1Aが取り付けられるωフロー燃焼形式のボイラを用いて燃焼実験を実施した。燃料は、実施例3と同様に、図21に示す性状のA重油を用いた。この時のバーナ1Aとしては、燃料噴霧ノズル10Aが2個、外筒部材12の直径寸法を190.7mm、空気ノズル13の傾斜角度を10°、主空気噴流口14の出口サイズを23mm×15mmとして保持し、燃焼コーン20を付けない場合と燃焼コーン20をつけた場合とについて、それぞれ燃焼実験を実施した。また、燃焼コーン20を付けた場合に、直径寸法を191mm、軸方向の長さ寸法を85mmとして保持しながら、燃焼コーン20と外筒部材12の端面12Aとの距離Zを45mm、60mmに設定した場合について、それぞれ燃焼実験を実施した。
図25に実施例4の実験結果を示す。この図25に示されるように、特に空気比が小さい場合において、燃焼コーン20を付けたバーナ1Aは、燃焼コーン20を付けないバーナ1に比べてNOxの濃度が小さくなることが確認された。また、燃焼コーン20を付けたバーナ1Aの場合の煙濃度も低下し、排ガスの再循環が良好になっていることが確認された。
前記第6変形例で説明したバーナ1Aおよびこのバーナ1Aが取り付けられるωフロー燃焼形式のボイラを用いて燃焼実験を実施した。燃料は、実施例3および実施例4と同様に、図21に示す性状のA重油を用いた。この時のバーナ1Aとしては、燃料噴霧ノズル10Aが2個、外筒部材12の直径寸法を190.7mm、空気ノズル13の傾斜角度を10°、主空気噴流口14の出口サイズを23mm×15mm、燃焼コーン20から外筒部材12の端面12Aまでの距離Zを45mm、燃焼コーン20の直径を191mm、燃焼コーン20の軸方向の長さ寸法を120mmとして保持し、この燃焼コーン20の軸線C2に対する傾斜角度を0°、5°、10°に設定した場合について、それぞれ燃焼実験を実施した。
図26に実施例5の実験結果を示す。この図26に示されるように、特に空気比が小さい場合において、燃焼コーン20の傾斜角度を5°に設定したバーナ1Aは、COの濃度が小さくなることが確認された。また、燃焼コーン20を傾斜させたバーナ1Aの場合、煙濃度も低下し、排ガスの再循環が良好になっていることが確認された。
前記第7変形例で説明したバーナ1Aおよびこのバーナ1Aが取り付けられるωフロー燃焼形式のボイラを用いて燃焼実験を実施した。燃料は、実施例3ないし実施例5と同様に、図21に示す性状のA重油を用いた。この時のバーナ1Aとしては、燃料噴霧ノズル10Aが2個、外筒部材12の直径寸法を190.7mm、主空気噴流口14の出口サイズを23mm×15mm、燃焼コーン20から外筒部材12の端面12Aまでの距離Zを45mm、燃焼コーン20の直径を191mm、燃焼コーン20の軸方向の長さ寸法を120mmとして保持し、この燃焼コーン20の軸線C2に対する傾斜角度を実施例5と同様に0°、5°、10°に設定した場合について、それぞれ燃焼実験を実施した。
図27に実施例6の実験結果を示す。この図27に示されるように、燃焼コーン20の傾斜角度を傾斜させたバーナ1Aは、COおよびNOxの濃度が小さくなり、燃焼効率が良好になっていることが確認された。
本発明のボイラは、ωフロー形式のボイラのように、排ガスの排気口が燃焼室の中心軸に沿って設けられているボイラに適用でき、本発明のバーナは、そのようなボイラ全てに適用できる。
本発明の第1実施形態に係るバーナが取り付けられたボイラを縦断面して示す模式図。 前記ボイラを横断面して示す模式図。 前記バーナ単体を示す横断面図であり、図4中のIII-III線で示す矢視図。 前記バーナ単体の正面図であり、図3中のIV-IV線で示す矢視図。 前記バーナに使用される保炎板を示す斜視図。 本発明の第2実施形態に係るバーナ単体の側面図。 第1変形例を示す横断面図。 第1変形例を示す正面図。 第2変形例を示す正面図。 第3変形例を示す正面図。 第4変形例を示す正面図。 第5変形例を示す正面図。 第6変形例を示す側面図。 第7変形例を示す側面図。 第8変形例を示す側面図。 前記第8変形例の燃焼コーンを示す斜視図。 第9変形例を示す縦断面図。 第9変形例を示す正面図。 第10変形例を示す縦断面図。 第11変形例を示す模式図。 各実施例で用いられた燃料の性状を示す図。 実施例1の結果を示す図。 実施例2の結果を示す図。 実施例3の結果を示す図。 実施例4の結果を示す図。 実施例5の結果を示す図。 実施例6の結果を示す図。
符号の説明
1…バーナ、10A…燃料噴霧ノズル、11…内筒部材、12…外筒部材、12A…下流側端面、13,13A,13B…空気ノズル、14…主空気噴流口、20,21…循環補助部材としての燃焼コーン、100,200…ボイラ、107…燃焼室、110…排気口、131,131A,131B…傾斜部、C1…中心軸。

Claims (9)

  1. 燃焼室の中心軸に沿って開口した排気口を有するボイラに取り付けられるとともに、前記排気口が設けられた燃焼室に向かって燃料を噴霧する燃料噴霧ノズルと、
    この燃料噴霧ノズルの先端側が収容される内筒部材と、
    この内筒部材の外周側に配置された外筒部材と、を備え、
    前記外筒部材の下流側端面には、さらに下流側に延出した空気ノズルが設けられ、
    これらの空気ノズルの下流端側には、前記燃焼室に燃焼空気を噴流する主空気噴流口が形成されているバーナであって、
    前記主空気噴流口からの燃焼空気は、前記燃焼室の中心軸を基準にして前記排気口に近い側で少なくなるように噴流する
    ことを特徴とするバーナ。
  2. 請求項1に記載のバーナにおいて、
    前記外筒部材の下流側端面には、前記空気ノズルが当該端面の周方向に間隔を空けて複数設けられ、
    前記複数の空気ノズルのうち、前記排気口に近い側に位置するようになる空気ノズルにのみ、前記燃焼室の中心軸に向かって傾斜する傾斜部が設けられている
    ことを特徴とするバーナ。
  3. 請求項2に記載のバーナにおいて、
    前記排気口から遠い側に位置するようになる空気ノズルには、前記燃焼室の中心軸から離れる方向に傾斜する別の傾斜部が設けられている
    ことを特徴とするバーナ。
  4. 請求項2または請求項3に記載のバーナにおいて、
    前記複数の空気ノズルは、前記燃焼室の中心軸に対して30度以下となる角度で傾斜する
    ことを特徴とするバーナ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のバーナにおいて、
    前記内筒部材には、燃焼空気の一部が流入可能な小孔が形成され、
    前記小孔の総開口面積をS1、前記外筒部材の主空気噴流口の総開口面積をS2とした時、S1/(S1+S2)は、0.3以下である
    ことを特徴とするバーナ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のバーナにおいて、
    前記内筒部材の開口部内に設けられた保炎板を備え、
    この保炎板には、前記内筒部材の略軸線方向に沿って貫通した複数の副空気噴流口が設
    けられている
    ことを特徴とするバーナ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のバーナにおいて、
    前記燃料噴霧ノズルの燃料を噴霧する噴霧口の下流側で、かつ前記外筒部材の下流側端面より下流側の前記内筒部材の軸線上には、前記空気ノズルから噴出される空気を循環させる循環補助部材が設けられた
    ことを特徴とするバーナ。
  8. 請求項7に記載のバーナにおいて、
    前記循環補助部材は、円筒状に形成されている
    ことを特徴とするバーナ。
  9. 燃焼室の中心軸に沿って開口した排気口を有するとともに、
    前記排気口が設けられた燃焼室に向かって燃料を噴霧する燃料噴霧ノズルと、この燃料噴霧ノズルの先端側が収容される内筒部材と、この内筒部材の外周側に配置された外筒部材とを備え、前記外筒部材の下流側端面には、さらに下流側に延出した空気ノズルが設けられ、これらの空気ノズルの下流端側には、前記燃焼室に燃焼空気を噴流する主空気噴流口が形成されているバーナが取り付けられるボイラであって、
    前記バーナの主空気噴流口からの燃焼空気は、前記燃焼室の中心軸を基準にして前記排気口に近い側で少なくなるように噴流する
    ことを特徴とするボイラ。
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