JPS6051002B2 - 排ガス循環式窒素酸化物低減用燃焼バ−ナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、大気汚染防止の観点から、ボイラーや空調
機等の燃焼室において発生する燃焼排ガス中に含有され
る窒素酸化物（ＮＯｘ）を低減させるために、窒素酸化
物発生量の温度傾向（火災温度が低い程発生量が少なく
なる）等に基いて、燃焼排ガスの一部を燃焼部に循環さ
せることによつて低温燃焼させるべく、燃焼用空気を噴
出することにより燃料ガスを吸引予混合して燃焼部に供
給するベンチユリー機構をバーナ軸線上に設け、そのベ
ンチユリー機構の外周部に位置する第１および第２空気
チャンバーを、バーナ軸線方向において第２空気チャン
バーが第１空気チャンバーと燃焼部との間に介在するよ
うに、かつ、両空気チャンバー間に環状空間を形成する
ように配設するとともに、前記第１空気チャンバーの環
状空間側の面をバーナ軸線に直交させ、かつ、その面に
燃焼用空気を噴出する複数のエアノズルを前記ベンチユ
リー機構の外周部周方向に同芯状に突設し、か”つ、前
記第２空気チャンバーの前記エアノズルに対向する位置
に排ガス帰還用流路を貫通形成し、前記エアノズルから
の燃焼用空気の噴出圧力を利用して前記燃焼部から排出
される燃焼排ガスを前記燃焼部内に帰還させる排ガス循
環機構を設けてある排ガス循環式窒素酸化物低減用燃焼
バーナに関する。

この種のバーナは、多段燃焼による窒素酸化物低減効果
に加えて、ベンチユリー機構により、燃焼用空気の噴出
圧力を利用して燃料ガスを強制吸引するため、供給ガス
圧が低い場合でも燃焼部へ充分多量の燃料ガスを供給で
き、また、ベンチユリー機構により、噴射燃焼用空気と
吸引燃料ガスとを、燃焼部に至るまでの間に予め混合す
るため、燃焼部でのガスと空気との混合性を良好なもの
にできるので、比較的低圧の燃料ガスを使用する場合で
も、定格燃焼量を充分に確保できるとともに、燃焼性を
良好にできる、という基本的利点を有している。

しかしながら、従来のこの種のバーナでは、第２空気チ
ャンバーの環状空間側の面をもバーナ軸線に直交するよ
うに構成していたので、すなわち環状空間が両空気チャ
ンバーの平行面て規制される形状としていたので、燃焼
部において発生する燃焼排ガスをバーナ軸線に直交する
方向から環状空間に吸引せねばならず、また、排ガス帰
還用流路の排ガス導入開口部もバーナ軸線に対して直交
する面に沿う形状となることから、燃焼排ガスの前記開
口部に対する流入角度が大きくならざるを得ず、従つて
、その排ガス吸引導入効率は悪く、即ち、エアノズルか
らの燃焼用空気量に比較して燃焼排ガスの吸引量が少な
く、燃焼排ガス循環による窒素酸化物の低減を十分にな
し得ないという欠点を有していた。

本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであつて、
その目的は、燃料ガスとして都市ガス等．のように比較
的低圧の供給形態が採られているガスを使用しても定格
燃焼量を充分確保できるとともに燃焼性を良好にできる
冒記した構成のバーナを、よソー層優れた燃焼排ガス循
環による窒素酸化物低減効果を発揮できるものにせんと
すること！にある。

本発明の特徴構成は、第１空気チャンバーのエアノズル
に対向する排ガス帰還用流路を貫通形成すると共に、ベ
ンチユリー機構から空燃混合ガスが供給される燃焼部に
臨設した第２空気チャンバく一において、第１及び第２
空気チャンバー間の環状空間側の面を、バーナ軸線に近
づくに伴い第１空気チャンバー側に突出する円錐状傾斜
面に形成したことにあり、その作用効果は次の通りであ
る。

つまり、上述のように第２空気チャンバーを形成すると
、排ガス帰還用流路の入口、及び、その入口に連なる面
のいずれもが環状空間の外周側に向かう姿勢となり、し
たがつて、燃焼部から第２空気チャンバーを迂回して排
ガス帰還用流路に向かう燃焼排ガス流動が、上記入口に
連なる面によつて阻害されること無く円滑に行われ、か
つ、エアノズルからの燃焼用空気流の吸引作用による排
）ガス帰還用流路への燃焼排ガス流入が円滑に行われる
のである。

ちなみに、エアノズルからの燃焼用空気供給量が多い状
態で、上述のように入口に連なる面を傾斜させると、そ
の燃焼用空気の一部が、排ガス帰．還用流路に流入しな
いで、傾斜した面に沿つて流れ、その流れによつて燃焼
排ガスの排ガス帰還用流路への流動が阻害される危険性
が大きい。

しかし、本発明においては、ベンチユリー機構により十
分多量の燃焼用空気を燃料ガスに予混合゛できるが故に
、エアノズルからの燃焼用空気量を適度に少なくできる
という本来構成を有効利用して、上述のような燃焼用空
気による燃焼排ガス循環への悪影響を抑制てきるのてあ
る。その結果、排ガス帰還用流路による燃焼排ガスの循
環量を十分に多くできるようになり、燃焼排ガス循環に
よる窒素酸化物低減を極めて効果的に行えるようになり
、大気汚染防止に有効なバーナを提供できるようになつ
た。

以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。２は、
圧送する燃焼用空気供給管１の末端に取付けられ、ベン
チユリー機構８の基端側外周部に同芯状に設けられた第
１空気チャンバーであるところの円筒状チャンバーであ
る。

前記ベンチユリー機構８は、バーナ軸線上に設けられて
いて、比較的小径のベンチユリー管６と、円筒状チャン
バー２に内嵌支持される基端側であつて、かつ、基端側
絞り部６ａに連なるところの基端大径部６ｂ内に円筒状
チャンバー２と連通状態で設けられた空気を噴出させる
空気噴出ノズル３と、前記大径部６ｂｉこ円筒状チャン
バー２を貫通して連通接続された比較的小径の燃料ガス
（都市ガスー１００７ｎ１ｎＨｇ標準）供給管７との結
合構成をもつて構成されており、空気噴出ノズル３から
の燃焼用空気の噴出により負圧を生じさせ供給管７より
の燃料ガスを吸引し、かつ、予混合し、その予混合気を
燃焼部Ａに供給するものである。

４は、第２空気チャンバーであるところの中空独楽状チ
ャンバーであつて、前記ベンチユリー機構８の外周部に
同芯状に外嵌されており、バーナ軸線方向において円筒
状チャンバー２と燃焼部Ａとの間に介在し、かつ、円筒
状チャンバー２との間に環状空間Ｂを形成するように配
設されているとともに、バーナ軸線に近づくに伴なつて
先端凹入する燃焼部Ａ側の円錐状傾斜面と、先端突出す
る環状空間Ｂ側の円錐状傾斜面４ｄとを有している。

そして、円筒状チャンバー２とは、ベンチユリー管６の
外周部に形成された環状流路４ａを介して連通されてお
り、一方先端凹入円錐状傾斜面には、二次空気を燃焼部
Ａに供給すべく周方向ならびに半径方向多数の開口４ｂ
・・ ・・・・を穿設してある。９は排ガス循環機構で
あつて、円筒状チャンバー２の環状空間Ｂ側のバーナ軸
線に直交させて設けてある面２ａにベンチユリー機構８
の外周方向に同芯状に突設された燃焼用空気を噴出させ
る複数のエアノズル５・・・・・・・と、独楽状チャン
バー４の各エアノズル５・・・・・・・に対向する位置
に突出円錐状傾斜面４ｄから凹入円錐状傾斜面に貫通形
成された複数個の排ガス帰還用流路（一つの環状流路で
もよい）４ｃ・・ ・・・・との結合構成でもつて構成
されており、各エアノズル５・・・・・・・・から噴出
された燃焼用空気の噴出圧力により周囲の燃焼排ガスに
運動量を与えて燃焼排ガスを吸引混合し、燃焼部Ａに三
次空気を供給するものである。

前記ベンチユリー管６の先端に穿設した周方向複数個の
開口６ｃ・・ ・・・・から噴出された一次空気と燃料
ガスとの混合気は、独楽状チャンバー４の径内方側開口
４ｂ・・・・・・・・からの二次空気とも混合されて第
１次燃焼を行なうが、前記混合気はガスリッチ状態であ
つて空燃比１以下であるため不完全燃焼状態となつてい
るが、それでも予め一次空気を混合しているので半分乃
至はそれ以上の燃焼成分が燃焼されており、かつ引続い
て独楽状チャンバー４の先端傾斜面に案内されて未燃成
分含有のまま径外方に移行し、チャンバー４内流路４ｃ
・・・・を通つて噴出される三次空気と燃焼排ガスとの
混合気ならびに径外方側の開口４ｂ・・ ・・・・から
の二次空気との混合状態において、その未燃成分全体が
燃焼する第二次燃焼が行なわれる。

前記第一次燃焼および第二次燃焼は、ともに、燃焼ガス
全体を一挙に燃焼する場合に比して、夫々燃焼量が少な
く、かつ第一次燃焼においてはガスリッチであり、又、
第二次燃焼においては燃焼排ガスが十分に含まれている
ため、何れも燃焼温度が低くなつており、従つてＮＯｘ
の発生が少ないにもかかわらず、第一次および第二次の
連続燃焼により供給された燃料ガス全体を完全に燃焼し
切るので、局部的には燃焼性が不良でも、全体としてみ
れば、充分良好な燃焼性が確保されており、しかも、こ
の燃料ガス供給量は、前述のベンチユリー機構による強
制吸引により多量であるので、定格燃焼量は充分に確保
されている。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る排ガス循環式窒素酸化物低減用燃焼
バーナの実施の態様を例示する断面図である。 ２・・・・・・第１空気チャンバー、２ａ・・・・・・
面、４・・・・・・第２空気チャンバー、４ｃ・・・・
・・排ガス帰還用流路、４ｄ・・・・・・面、５・・・
・・・エアノズル、８・・・・・ベンチユリー機構、９
・・・・・・排ガス循環機構、Ａ・・・・・・燃焼部、
Ｂ・・・・・・環状空間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃焼用空気を噴出することにより燃料ガスを吸引予
   混合して、燃焼部Ａに供給するベンチユリー機構８をバ
   ーナ軸線上に設け、そのベンチユリー機構８の外周部に
   位置する第１および第２空気チャンバー２、４を、バー
   ナ軸線方向において第２空気チャンバー４が第１空気チ
   ャンバー２と燃焼部Ａとの間に介在するように、かつ、
   両空気チャンバー２、４間に環状空間Ｂを形成するよう
   に配設するとともに、前記第１空気チャンバー２の環状
   空間Ｂ側の面２ａをバーナ軸線に直交させ、かつ、その
   面２ａに燃焼用空気を噴出する複数のエアノズル５・・
   ・・・・・・・を前記ベンチユリー機構８の外周部周方
   向に同芯状に突設し、かつ、前記第２空気チャンバー４
   の前記エアノズル５・・・・・・・・・に対向する位置
   に排ガス帰還用流路４ｃを貫通形成し、前記エアノズル
   ５・・・・・・・・・からの燃焼用空気の噴出圧力を利
   用して前記燃焼部Ａから排出される燃焼排ガスを前記燃
   焼部Ａ内に帰還させる排ガス循環機構９を設けてある排
   ガス循環式窒素酸化物低減用燃焼バーナにおいて、前記
   第２空気チャンバー４の環状空間Ｂ側の面４ｄを、バー
   ナ軸線に近づくに伴ない前記第１空気チャンバー２側に
   突出する円錐状傾斜面に形成してあることを特徴とする
   排ガス循環式窒素酸化物低減用燃焼バーナ。