JP3527456B2 - バーナ - Google Patents

バーナ

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JP3527456B2
JP3527456B2 JP2000068834A JP2000068834A JP3527456B2 JP 3527456 B2 JP3527456 B2 JP 3527456B2 JP 2000068834 A JP2000068834 A JP 2000068834A JP 2000068834 A JP2000068834 A JP 2000068834A JP 3527456 B2 JP3527456 B2 JP 3527456B2
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combustion
burner
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喬 村川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バーナに係り、主
として小型のボイラ等に使用される油焚き式のバーナ
(油バーナ)に関する。
【0002】
【背景技術】燃焼によって生じるNOxに対する排出規
制は年々厳しくなっており、NOx低減の技術開発が盛
んである。燃焼時に生じるNOxとしては、フューエル
NOx、プロンプトNOx、およびサーマルNOxがあ
る。中でもサーマルNOxは、燃焼空気中のN2成分が高
温雰囲気中で酸化して生成され、温度依存が高く、燃焼
温度が高くなるほど、生成量は急激に増大する。従っ
て、サーマルNOxは、燃焼に空気を使用する限り必ず
生成され、燃料が特に灯油や窒素分の少ないA重油であ
る場合には、排出されるNOxの大半がサーマルNOx
いわれ、数多くの低減方法が提案されている。これらの
多くの低減方法の中で、主なNOx抑制燃焼技術として
は、(A)分割火炎燃焼方式、(B)排ガス再循環燃焼方
式、(C)多段燃焼方式、(D)水混合燃焼方式などが知ら
れている。
【0003】このうち、図10には、(A)分割火炎燃焼
方式の油バーナ90が示されている。 バーナ90は、
燃焼空気供給用の図示しないファンにウインドボックス
Aを介して取り付けられるものであって、当該ウインド
ボックスA側からボイラの燃焼室側に延びた油ノズル9
1と、油ノズル91の外側に配置された内筒部材92
と、さらにその外周側に配置された外筒部材93とを備
え、この外筒部材93がウインドボックスAに固定され
ている。
【0004】内筒部材92の燃焼室側の開口部には保炎
板94が設けられている。保炎板94は、図11にも示
すように、油ノズル91に対応して穿設された燃料噴出
口95と、この燃料噴出口95の周囲に等配された複数
の副空気噴流口96とを備え、各副空気噴流口96を切
り起こし加工等で形成することにより、小穴97(図1
0)を通って内筒部材92内に流入した燃焼空気を副空
気噴流口96から旋回させながら流出させ、燃料と混合
させている。一方、外筒部材93の燃焼室側の端面に
は、周方向に沿って複数の主空気噴流口98が穿設され
ており、各主空気噴流口98から燃焼空気を噴流させて
燃焼させている。
【0005】このようなバーナ90では、主空気噴流口
98の数だけ火炎が分割して形成され、各火炎温度の低
下によって低NOx化を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
に示すような(A)分割火炎燃焼方式のバーナでは、火炎
の分割が不十分となり易く、NOxの低減には限界があ
り、昨今の厳しいNOx規制に対応するには更なる技術
開発が必要になっている。また、分割火炎燃焼方式に
は、複数の主空気噴流口を設けた上述のタイプのほか、
油ノズルを複数個設けるタイプもあるが、このようなタ
イプのバーナは、大型の油バーナやガスバーナでは比較
的容易に分割火炎を形成できるが、バーナ火炎口(外筒
部材の径寸法)の小さいバーナでは、分割火炎の形成に
難点があるうえ、複数個の油ノズルが必要であり、コス
トが高くなる。
【0007】(B)排ガス再循環燃焼方式のバーナは、排
ガス(燃焼ガス)の一部を燃焼空気に再循環させ、酸素
分圧を下げることで低NOx化を図るものであり、強制
排ガス循環法と自己排ガス再循環法とに大別される。し
かし、強制排ガス循環法は、排ガスの一部を再循環する
のに、再循環用ダクトとブロアーとが必要であり、小型
ボイラへの適用はコスト面で問題となる。これに対して
自己排ガス再循環法は、バーナの構造等に工夫を加え、
燃焼空気の噴流に周囲の気体が吸引される現象を用い
て、燃焼空気流および燃料流に排ガスを混合させて排ガ
ス再循環の効果を持たせることを特徴としており、排ガ
スを強制的に再循環させることがないため、コスト面で
のメリットがあるが、排ガス循環量が十分ではなく、N
x低減にはやはり限界がある。
【0008】(C)多段燃焼方式のバーナは、燃料あるい
は燃焼空気を空気比の異なる2段もしくはそれよりも多
くの段数に分割して燃焼させることを特徴とするもの
で、火炎温度の低下あるいは酸素濃度の低下によって低
NOx化を図るものである。しかし、この燃焼方式にお
いても、多段で燃焼させるために、バーナの構造が複雑
になるという問題がある。
【0009】(D)水混合燃焼方式は、予め燃料中に水を
混合させるか、あるいは燃焼室に水を吹き込んで火炎温
度を下げることにより、低NOx化を図るものである。
しかし、この方式では、水の吹き込みによりバーナを構
成する筒部材等に腐食が生じるおそれがあるとともに、
ボイラ効率も低下する。さらに、ポンプ等の水供給装置
が別途必要となるので、コストアップにつながる。
【0010】以上に述べたように、各方式には一長一短
があり、NOxが確実に減少するバーナ、具体的には、
現在最も厳しい東京都の規制値である80ppmを下回る
NOx排出値のバーナを安価に製作することは難しく、
その開発が望まれている。
【0011】本発明の目的は、安価な構造で、かつNO
xを確実に低減できるバーナを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1のバーナは、燃
料供給下流側に開口部を有して油ノズルの先端側が収容
される内筒部材と、この内筒部材の外周側に配置された
外筒部材とを備え、この外筒部材の前記下流側の端面に
は、さらに下流側に延出した空気ノズルが前記端面の周
方向に間隔を空けて複数設けられているとともに、この
空気ノズルの下流端側に設けられた主空気噴流口は、前
記内筒部材の開口部内に設けられた保炎板よりも下流側
に位置し、前記空気ノズルは、燃焼で生じた排ガスが当
該空気ノズルの外側から隣接する空気ノズルの間を通っ
て中央側へと入り込んで戻る長さに設定され、前記内筒
部材の内部は、供給される燃焼空気から遮断されるか、
または、小穴を介して前記燃焼空気の一部が流入可能に
設けられ、小穴が設けられた場合において、小穴の総開
口面積をS1、前記外筒部材の主空気噴流口の総開口面
積をS2とした時、S1/(S1+S2)は、0.3以下で
り、前記油ノズルから噴出する燃料は、前記保炎板を
通して供給される燃焼空気と、前記中央側へと入り込ん
で戻る前記排ガスと混合しながら主空気噴流口からの燃
焼空気に混ざり合うことで、当該主空気噴流口の下流側
近傍で燃焼を生じさせるか、または、内筒部材の内部が
燃焼空気から遮断された場合において、前記油ノズルか
ら噴出する燃料は、前記中央側へと入り込んで戻る排ガ
スと混合しながら主空気噴流口からの燃焼空気に混ざり
合うことで、当該空気噴流口の下流側近傍で燃焼を生じ
させることを特徴とする。
【0013】このような構成では、主空気噴流口を複数
設けることで火炎分割が行える。また、主空気噴流口を
保炎板から延出した空気ノズルに設けるので、この隣接
する空気ノズル間の隙間を利用して排ガスが効率よく循
環する。加えて、総開口面積S1,S2による比を所定数
以下にし、保炎板から噴流する燃焼空気の量を確実に抑
えることにより、外筒部材の中央側の空気比が外側の空
気比よりも小さくなって2段燃焼効果が得られ、保炎板
からより離れた位置で保炎するようになる。これらのこ
とにより、分割火炎燃焼、排ガス再循環燃焼、2段燃焼
の各効果が得られ、NOxが確実に減少する。この際、
空気ノズルは任意の断面形状を有する筒状に設けるだけ
でよく、複雑な構造が不要であり、製作コストも安価で
ある。以上により、前記目的が達成される。
【0014】ここで、内筒部材には小穴を設けなくとも
よいが、設けた場合において、総開口面積S1,S2によ
る比が0.3を越えると、火炎が保炎板に張り付いた状
態で燃焼し易くなってNOxの生成量が多くなり、特に
A重油では、バーナで用いられる一般的な空気比の範囲
において、例えば80ppmのNOx排出値を下回ることが
できない可能性がある。
【0015】請求項2のバーナは、請求項1のバーナに
おいて、前記保炎板に前記内筒部材の略軸線方向に沿っ
て貫通した複数の副空気噴流口を設ることを特徴とす
る。従来、保炎板の副空気噴流口には、燃焼空気に旋回
流を生じさせるために、切り起こし部分が設けられてい
たが、本発明のように、主空気噴流口を空気ノズルに設
けた場合では、燃焼空気に旋回流が生じると、副空気噴
流口からの燃焼空気を絞った場合でも、燃料と燃焼空気
とが構造上良好に混合され過ぎてしまい、着火し易くな
って保炎板に張り付いた状態で燃焼する可能性が生じ
る。このため、早くから火炎温度が高くなって燃料が十
分に蒸発しないうちに燃焼してしまい、NOxの生成量
が多くなる。これに対して本発明では、副空気噴流口を
貫通形状に形成し、切り起こし部分を設けないから、燃
焼空気の旋回が生じず、燃料との混合が遅れる。従っ
て、燃料の蒸発を十分に進ませてから燃焼させることが
可能となり、保炎板への火炎の張り付きが抑制されてN
xの生成量がより確実に減少する。
【0016】請求項3のバーナは、請求項1または請求
項2に記載のバーナにおいて、前記外筒部材の主空気噴
流口が設けられた空気ノズルの外周側に、これらの空気
ノズルを当該外筒材の周方向に沿って覆う環状部材を設
けることを特徴とする。このような構成では、外側から
入り込む排ガスの流路が環状部材回りに形成され、排ガ
スがよりスムーズに循環し、排ガス再循環の効果が一層
向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
に基づいて説明する。なお、各実施形態において、既説
した同一部材には同一符号を付すことにし、それらの重
複する説明を避けるために、その説明を省略または簡略
化する。
【0018】〔第1実施形態〕図1は、本発明の第1実
施形態に係るバーナ1を示す断面図、図2は、図1のII
−II線矢視図である。図1,2において、バーナ1は、
油ノズル91の先端側を収容した内筒部材11と、この
外周側の外筒部材12とを備えている。内筒部材11の
開口部11A内に配置される保炎板94の形状等は、従
来と同じである(図11)。
【0019】このうち、外筒部材12の端面12Aに
は、内筒部材11との接続部分の外周側に複数(本実施
形態では8本で、図1には2本のみを図示)の円筒状の
空気ノズル13が等間隔で設けられている。空気ノズル
13は、外筒部材12の図示しない軸線に平行に燃焼室
側に延出しており、その中空部分で外筒部材12内と燃
焼室内とを連通させている。従って、外筒部材12で
は、空気ノズル13の先端部分が主空気噴流口14とさ
れ、保炎板94の下流側(燃料の供給方向における下流
側)に主空気噴流口14が位置している。
【0020】このような外筒部材12を用いたバーナ1
は、主空気噴流口14が空気ノズル13の数に応じて周
方向の8箇所に設けられているため、分割火炎燃焼方式
の構造を有する。また、主空気噴流口14の下流近傍で
燃焼が生じるが、燃焼時の排ガスは、各図に2点鎖線で
示すように、隣接する空気ノズル13の間を通り、燃焼
によって最も負圧になる中央側へと入り込んで戻る(排
ガス再循環)。このため、バーナ1は、排ガス再循環燃
焼方式(自己排ガス再循環法)の構造も有する。
【0021】ここで、空気ノズル13の延出長さL
1は、外筒部材12の径寸法D1によっても異なるが、径
寸法D1が例えば22cm程度の場合、3〜8cm程度であ
る。極端に短いと、排ガス再循環の効果が薄れ、長すぎ
ると、燃焼しない可能性がある。
【0022】空気ノズル13の本数は、本実施形態では
8本とされているが、外筒部材12が前述した径寸法D
1を有する場合、好ましくは3〜10本、より好ましく
は6〜8本である。1本では、火炎分割が生じないこと
は勿論である。2本では、排ガスが十分に戻らず、十分
な排ガス再循環の効果が得られない。あまりにも多すぎ
ると、空気ノズル13間の隙間が狭くなり、排ガスが入
り難くなってやはり十分な排ガス再循環とはならない。
【0023】また、内筒部材11の周面において、ウイ
ンドボックスA寄りに穿設された複数の小穴15の総開
口面積をS1、外筒部材12の主空気噴流口14の総開
口面積をS2とした時、S1/(S1+S2)は、0.3以
下、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下
に設定されている。すなわち、総開口面積S1,S2によ
る比を0.3以下に設定することで、保炎板94の副空
気噴流口96(図11)から噴流する燃焼空気の量を抑
え、これによってバーナ1では、外筒部材12の中央側
の空気比を外周側の空気比よりも小さくし、いわゆる2
段燃焼の効果が得られるようになっている。この場合、
本実施形態での主空気噴流口14での燃焼空気の流速が
20〜40m/secであるのに対し、副空気噴流口96か
らの燃焼空気の流速は10〜20m/sec以下となる。総
開口面積S1,S2による比を0.3を越えて設定する
と、2段燃焼の効果が得られず、火炎が保炎板に張り付
いた状態で燃焼し易くなり、NOxの生成量が多くな
る。
【0024】このような本実施形態によれば、以下のよ
うな効果がある。 (1)バーナ1の外筒部材12には、8個の主空気噴流
口14が周方向に等間隔で設けられているので、火炎分
割を確実に行える。主空気噴流口14は、保炎板94よ
りも下流側に延出した空気ノズル13に設けられている
ので、主空気噴流口14からの燃焼空気を燃焼させた
後、排ガスの一部を隣接する空気ノズル13間の隙間を
利用して効率よく循環させることができる。主空気噴流
口14および小穴15の総開口面積S1,S2による比が
0.3以下に設定され、保炎板94から噴流する空気量
が確実に抑えられているため、外筒部材12の中央側の
空気比を外側の空気比よりも小さくして2段燃焼効果を
得ることができる。従って、これらのことにより、一つ
のバーナ1で分割火炎燃焼、排ガス再循環燃焼、2段燃
焼の各効果を得ることができ、NOxを確実に減少させ
ることができる。
【0025】(2)空気ノズル13は円筒状の簡易な構
造であるため、複雑な構造を不要にでき、製作コストも
安価にできる。
【0026】〔第2実施形態〕図3には、本発明の第2
実施形態として、保炎板の変形例が示されている。図3
に示す保炎板20の副空気噴流口21は、中央の燃料噴
出口22周囲に複数穿設された貫通孔である。その貫通
方向を示す軸線B1は、図示しない外筒部材の軸線B2
平行であり、噴流した燃焼空気に旋回流が生じないよう
になっている。
【0027】このような保炎板20をバーナに用いた場
合、以下の効果がある。 (3)保炎板20の副空気噴流口21には、図11に示
す従来および第1実施形態の保炎板94とは異なって切
り起こし部分が存在しないから、燃焼空気の旋回が生じ
ず、燃料との混合を遅らすことができる。従って、燃料
の蒸発を十分に進ませてから燃焼させることができ、保
炎板20への火炎の張り付きを抑制してNOxの生成量
をより確実に低減できる。
【0028】〔第3実施形態〕図4には、本発明の第3
実施形態に係るバーナ3が示されている。バーナ3で
は、第2実施形態の保炎板20が用いられている点、お
よび燃焼コーン30が用いられている点で、前述の第1
実施形態とは異なる。
【0029】燃焼コーン30は、外筒部材12と略同じ
径寸法の環状部材であり、図示しない支持部材を介して
外筒部材12の端面12A等に固定されている。また、
本実施形態では、燃焼コーン30の燃焼室側の開口部3
1は、外筒部材12の主空気噴流口14よりも下流側に
位置している。外筒部材12側の開口部32は、当該外
筒部材12の端面12Aから所定間隔離間しており、排
ガスの再循環を妨げないようになっている。ただし、燃
焼コーン30の径寸法や軸線方向の寸法(開口部31,
32の設定位置)は、火炎の形成状況等を勘案して任意
に設定してよく、図4に示すものに限定されない。
【0030】このようなバーナ3では、前述した(1)
〜(3)の効果に加え、以下の効果がある。 (4)バーナ3に設けられた燃焼コーン30により、外
筒部材12の端面12Aと燃焼コーン30との間や、外
筒部材12における空気ノズル13の外周側とこれに対
向する燃焼コーン30の内周面との間を、外側から入り
込む排ガスの流路にでき、排ガスをよりスムーズに循環
させて排ガス再循環の効果を一層向上させることができ
る。
【0031】なお、本発明は、前記各実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成
等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれ
る。例えば、外筒部材12の空気ノズル13は円筒状で
あったが、これに限らず、中空の三角柱状、四角柱状、
あるいは、断面楕円形などの柱状であってもよく、その
形状は任意である。また、内筒部材11や外筒部材12
の形状も任意であり、前記実施形態に限定されるもので
はない。
【0032】第1実施形態のように、従来の保炎板94
を用いたバーナ1に第3実施形態で示した燃焼コーン3
0を用いてもよい。
【0033】前述した内筒部材11には小穴15が穿設
されていたが、小穴15の穿設位置等は任意であり、そ
の実施にあたって適宜に決められてよい。さらに、その
ような小穴15を設けず、内筒部材11内に燃焼空気が
流入しないように構成した場合でも、本発明に含まれ
る。
【0034】
【実施例】〔第1〜第3実施例〕第1実施例として、前
記第1実施形態に基づいたバーナ1を製作した。第2実
施例として、前記第1実施形態の保炎板94を第2実施
形態の保炎板20に換えたバーナ2を製作した。第3実
施例として、前記第3実施形態に基づいたバーナ3を製
作した。 〔比較例〕比較例として、図10,11の従来例に基づ
いたバーナ90を製作した。
【0035】以上のバーナ1〜3,90のそれぞれにお
いて、S1/(S1+S2)を0.2に統一して設定する
とともに、空気比を数段階に変えた時の燃焼試験を行
い、NOx排出値を測定し、比較した。また、NOx排出
値の他、CO排出値の測定、および煙濃度の判定も併せ
て行った。図5〜7に試験結果をグラフで示す。なお、
使用燃料は灯油である。表1に使用灯油の性状を記し
た。NOx排出値およびCO排出値の測定には、通常一
般に用いられているNOxメータおよびCOメータを使
用した。煙濃度の判定には、白色ろ紙に排ガスを通した
ときの着色度を見るバッカラッカ指数を用いた。燃焼量
および燃焼室熱負荷率の条件は各図に示す通りである。
【0036】図5には、バーナ1および従来のバーナ9
0の測定結果が示されている。バーナ1,90の大きな
相違点は、前述したように、バーナ1の主空気噴流口1
4が空気ノズル13に設けられ、保炎板94の下流側に
位置している点である。保炎板94自体の形状は同じで
ある。図5により、空気ノズル13を有したバーナ1の
方がNOx排出値が低く、かつ低空気比(低O2)でもC
O排出値および煙濃度は低いことがわかる。これは、単
なる分割火炎燃焼方式のバーナ90と比較し、バーナ1
ではさらに、排ガス再循環の効果および2段燃焼の効果
が得られるからである。特に排ガス再循環の効果が大き
いと考えられる。従って、請求項1の発明に相当するバ
ーナ1で、NOx排出が確実に低減することを確認でき
たことにより、本発明の優位性が認められた。加えて、
請求項1の発明では、低い空気比(低O2)で低CO排
出値を実現できることも認められた。
【0037】図6には、バーナ1およびバーナ2の測定
結果が示されている。バーナ1,2の大きな相違点は、
バーナ2で図3に示す保炎板20を用いている点であ
る。図6により、保炎板20を用いたバーナ2の方がN
x排出値が低く、より低空気比(低O2)でもCO排出
値および煙濃度は低いことがわかる。保炎板94は、副
空気噴流口96からの燃焼空気に旋回流を生じさせる構
造であるため、燃焼空気と燃料との混合が促進され、そ
の結果、保炎板94の近傍で着火するからである。一
方、保炎板20は、燃焼空気に旋回量を生じさせない構
造であるため、燃焼空気と燃料との混合が進まずに燃料
への着火が遅れ、燃料の気化が十分に進むからである。
従って、請求項2の発明に相当するバーナ2で、NOx
排出がより低減することを確認できたことにより、本発
明の優位性も認められた。加えて、請求項2の発明で
は、さらに低い空気比(低O2)で低CO排出値を実現
できることも認められた。
【0038】図7には、バーナ2およびバーナ3の測定
結果が示されている。バーナ2,3の大きな相違点は、
バーナ3で図4に示す燃焼コーン30を用いている点で
ある。図7により、燃焼コーン30を用いたバーナ3の
方がNOx排出値が低く、また、より低空気比(低O2
でもCO排出値および煙濃度は低いことがわかる。これ
は、燃焼コーン30を用いることにより、排ガスの流路
が確保され、排ガス再循環の効果がさらに高められるか
らである。従って、請求項3の発明に相当するバーナ3
で、NOx排出がさらに低減することを確認できたこと
により、本発明の優位性も認められた。加えて、請求項
3の発明では、一層低い空気比(低O2)で低CO排出
値を実現できることも認められた。
【0039】
【表1】
【0040】続いて、最もNOxの生成量が低いバーナ
3を用い、主空気噴流口14および小穴15の総開口面
積S1,S2の比を変えた時の燃焼試験を灯油およびA重
油(表1)のそれぞれについて行った。図8,9に試験
結果をグラフで示す。なお、図8,9において、煙濃度
を示していないが、いずれの場合も煙濃度は「0」であ
った。また、S1/(S1+S2)=0とは、小穴15が
設けられていない場合である。
【0041】図8により、燃料が灯油の場合、S1
(S1+S2)≦0.45のバーナ3は、1,4以下の空
気比において、NOx排出値が全て80ppmを下回り、良
好な低NOx性を実現できる。特に、本発明の特徴であ
るS1/(S1+S2)≦0.3では、比較的高空気比で
ある1.3のレベルからNOx排出値50ppmを実現で
き、次世代のより厳しい規制値にも確実に適応できると
認められる。同時に、S1/(S1+S2)≦0.3で
は、CO排出値も格段に小さくなり、燃焼性に優れてい
るといえる。
【0042】図9により、燃料がA重油の場合、NOx
排出値が灯油に比して全体的に高めであるが、本発明の
特徴であるS1/(S1+S2)≦0.3においては、N
x排出値が全て80ppmを下回り、良好な低NOx性を
十分に実現できる。また、空気比を1.1程度まで低く
しても、燃焼性に何ら問題が生じないこのバーナ3で
は、S1/(S1+S2)≦0.05であれば、NOx排出
値50ppmをクリアでき、さらに、小穴15を設けなけ
れば、ほとんどの空気比でNOx排出値50ppmをクリア
でき、次世代の厳しい規制値にも対応できると考えられ
る。このため、S1/(S1+S2)を0/3以下、好ま
しくは0.2以下、より好ましくは0.1以下に設定す
ることは、燃料としてA重油を用いた場合でも、一層厳
しい規制値をクリア可能にするといえ、有効である。燃
焼性は、灯油の場合と略同様であり、やはり良好といえ
る。
【0043】以上の図8,9から、本発明のバーナ3
は、S1/(S1+S2)が0.3以下であれば、灯油と
A重油との違いに関係なく、良好な低NOx性を実現で
きると認められ、より低いS1/(S1+S2)の値や空
気比によっては、一層厳しい規制値にも確実に対応可能
といえる。また、燃焼性も良好である。
【0044】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
安価な構造で、かつNOxを確実に低減できるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す全体図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施例および比較例の試験結果を
示すグラフである。
【図6】本発明の第1、第2実施例の試験結果を示すグ
ラフである。
【図7】本発明の第2、第3実施例の試験結果を示すグ
ラフである。
【図8】本発明の第3実施例の他の試験結果を示すグラ
フである。
【図9】本発明の第3実施例のさらに他の試験結果を示
すグラフである。
【図10】本発明の従来技術を示す断面図である。
【図11】前記従来技術の構成部材を示す全体図であ
る。
【符号の説明】
1 バーナ 2 バーナ 3 バーナ 11 内筒部材 11A 開口部 12 外筒部材 13 空気ノズル 14 主空気噴流口 15 小穴 20,94 保炎板 21,96 副空気噴流口 30 環状部材である燃焼コーン 91 油ノズル B1,B2 軸線 S1,S2 総開口面積
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−68505(JP,A) 特開 平7−139708(JP,A) 特開 平11−63423(JP,A) 特開 平9−53810(JP,A) 特開 平11−257608(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23D 11/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給下流側に開口部を有して油ノズ
    ルの先端側が収容される内筒部材と、この内筒部材の外
    周側に配置された外筒部材とを備え、 この外筒部材の前記下流側の端面には、さらに下流側に
    延出した空気ノズルが前記端面の周方向に間隔を空けて
    複数設けられているとともに、 この空気ノズルの下流端側に設けられた主空気噴流口
    は、前記内筒部材の開口部内に設けられた保炎板よりも
    下流側に位置し、前記空気ノズルは、燃焼で生じた排ガスが当該空気ノズ
    ルの外側から隣接する空気ノズルの間を通って中央側へ
    と入り込んで戻る長さに設定され、 前記内筒部材の内部は、供給される燃焼空気から遮断さ
    れるか、または、小穴を介して前記燃焼空気の一部が流
    入可能に設けられ、 小穴が設けられた場合において、小穴の総開口面積をS
    1、前記外筒部材の主空気噴流口の総開口面積をS2とし
    た時、S1/(S1+S2)は、0.3以下であり、前記
    油ノズルから噴出する燃料は、前記保炎板を通して供給
    される燃焼空気と、前記中央側へと入り込んで戻る前記
    排ガスと混合しながら主空気噴流口からの燃焼空気に混
    ざり合うことで、当該主空気噴流口の下流側近傍で燃焼
    を生じさせるか、 または、内筒部材の内部が燃焼空気から遮断された場合
    において、前記油ノズルから噴出する燃料は、前記中央
    側へと入り込んで戻る排ガスと混合しながら主空気噴流
    口からの燃焼空気に混ざり合うことで、当該空気噴流口
    の下流側近傍で燃焼を生じさせる ことを特徴とするバー
    ナ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のバーナにおいて、前記
    保炎板には、前記内筒部材の略軸線方向に沿って貫通し
    た複数の副空気噴流口が設けられていることを特徴とす
    るバーナ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のバーナ
    において、前記外筒部材の主空気噴流口が設けられた空
    気ノズルの外周側には、これらの空気ノズルを当該外筒
    材の周方向に沿って覆う環状部材が設けられていること
    を特徴とするバーナ。
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