JP2005098592A - バーナ - Google Patents

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Takashi Murakawa
喬 村川
Sueyuki Miyamura
季亨 宮村
Haruaki Takeshita
陽朗 竹下
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SEKIYU SANGYO GIJUTSU KENKYUSH
SEKIYU SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO KK
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SEKIYU SANGYO GIJUTSU KENKYUSH
SEKIYU SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

【課題】 良好な燃焼性を確保して、NOxの発生を効果的に抑制することができるバーナを提供すること。
【解決手段】 内筒部材11と外筒部材12との間に筒状部材16を設けて内筒部材11外周と筒状部材16との間に所定間隔tの間隙16Aを形成する。燃料噴霧ノズル10A近傍において、筒状部材16周面と外筒部材12周面とを筒状の循環通路17で連結して外筒部材12の外周側と間隙16Aとを連通させる。排ガスが循環通路17を通って燃料噴霧ノズル10A近傍に再循環するので、再循環燃焼効果が得られ、NOxの発生を効果的に抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バーナに関する。
燃焼によって生じるNOxに対する排出規制は年々厳しくなっており、NOx低減の技術開発が盛んである。燃焼時に生じるNOxとしては、フューエルNOx、プロンプトNOx、およびサーマルNOxがある。中でもサーマルNOxは、燃焼空気中のN2成分が高温雰囲気中で酸化して生成され、温度依存が高く、燃焼温度が高くなるほど、生成量は急激に増大する。
従って、サーマルNOxは、燃焼に空気を使用する限り必ず生成され、燃料が特に灯油や窒素分の少ないA重油である場合には、排出されるNOxの大半がサーマルNOxといわれ、数多くの低減方法が提案されている。
これらの多くの低減方法の中で、主なNOx抑制燃焼技術としては、(A)分割火炎燃焼方式、(B)排ガス再循環燃焼方式、(C)多段燃焼方式、(D)水混合燃焼方式などが知られている。
しかしながら、(A)分割火炎燃焼方式のバーナでは、火炎の分割が不十分となり易く、NOxの低減には限界があり、昨今の厳しいNOx規制に対応するには更なる技術開発が必要になっている。
また、分割火炎燃焼方式には、複数の主空気噴流口を設けるタイプと、油ノズルを複数個設けるタイプとがあるが、特に後者のタイプのバーナは、大型の油バーナやガスバーナでは比較的容易に分割火炎を形成できるが、バーナ火炎口(外筒部材の径寸法)の小さいバーナでは、分割火炎の形成に難点があるうえ、複数個の油ノズルが必要であり、コストが高くなる。
(B)排ガス再循環燃焼方式のバーナは、排ガス(燃焼ガス)の一部を燃焼空気に再循環させ、酸素分圧を下げることで低NOx化を図るものであり、強制排ガス再循環法と自己排ガス再循環法とに大別される。
しかし、強制排ガス再循環法は、排ガスの一部を再循環するのに、再循環用ダクトとブロアーとが必要であり、小型ボイラへの適用はコスト面で問題となる。
これに対して自己排ガス再循環法は、バーナの構造等に工夫を加え、燃焼空気の噴流に周囲の気体が吸引される現象を用いて、燃焼空気流および燃料流に排ガスを混合させて排ガス再循環の効果を持たせることを特徴としており、排ガスを強制的に再循環させることがないため、コスト面でのメリットがあるが、排ガスの再循環量が十分ではなく、NOx低減にはやはり限界がある。
(C)多段燃焼方式のバーナは、燃料あるいは燃焼空気を空気比の異なる2段もしくはそれよりも多くの段数に分割して濃淡燃焼させることを特徴とし、火炎温度の低下あるいは酸素濃度の低下によって低NOx化を図るものである。
しかし、この燃焼方式においても、多段で燃焼させるために、バーナの構造が複雑になるという問題がある。
(D)水混合燃焼方式は、予め燃料中に水を混合させるか、あるいは燃焼室に水を吹き込んで火炎温度を下げることにより、低NOx化を図るものである。
しかし、この方式では、水の吹き込みによりバーナを構成する筒部材等に腐食が生じるおそれがあるとともに、ボイラ効率も低下する。さらに、ポンプ等の水供給装置が別途必要となるので、コストアップにつながる。
以上に述べたように、各方式には一長一短があり、NOxが確実に減少するバーナを安価に製作することは難しかった。これに対して、本出願人が先に開発したバーナ(特許文献1参照)によれば、安価な構造で、かつNOxを確実に低減できる低NOxバーナが実現されている。
特開2001−254913号公報
しかしながら、低NOxバーナを燃焼形式が異なるボイラに適用した際には、火炎形状、燃焼排ガスの流れ等により燃焼性が変わるため、そのままでは十分な性能が示されない場合がある。すなわち、ボイラの燃焼形式によっては、燃焼性が悪化し、COや煤塵の発生を効果的に抑制できない可能性がある。このため、燃焼形式が異なるボイラであっても、良好な燃焼性が確保でき、NOx、CO、煤塵の発生を確実に抑制できるバーナの開発が望まれている。
本発明の目的は、良好な燃焼性を確保して、NOx、CO、煤塵の発生を効果的に抑制することができるバーナを提供することにある。
請求項1のバーナは、燃料供給下流側に開口部を有して油ノズルが収容される内筒部材と、この内筒部材の外周側に配置された外筒部材とを備え、外筒部材の下流側の端面に主空気噴流口が設けられ、内筒部材の内部は供給される燃焼空気から遮断されるか、または小孔を介して燃焼空気の一部が流入可能に設けられ、小孔が設けられた場合において、小孔の総開口面積をS1、主空気噴流口の総開口面積をS2とした時、S1/(S1+S2)は0.3以下であるバーナにおいて、内筒部材の先端部より上流側に配置された燃焼排ガスの循環通路を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、外筒部材に主空気噴流口が設けられているので、外筒部材の中央側の空気比が外側の空気比より小さくなり、二段燃焼(濃淡燃焼)効果が得られる。このため、一次燃焼空気の出口である内筒部材の開口部近傍では、着火が抑制され、開口部からより離れた位置で保炎するようになる。これにより、NOxの発生が抑制される。また、主空気噴流口からの排ガスが外筒部材の中央側に流入することにより、排ガスの再循環が行われ、燃焼温度が低減する排ガス再循環燃焼効果が得られ、これによってもNOxが減少する。ここで、内筒部材に小孔が形成されている場合には、主空気噴流口と小孔との総開口面積が適切に設定されているので、外筒部材の中央側と外側との空気比の差を適切に設定することが可能となり、より確実な二段燃焼効果および排ガス再循環燃焼が得られる。
このとき、内筒部材の先端部より上流側に循環通路が設けられているので、主空気噴流口からの排ガスが内筒部材の先端部より上流側に戻り、排ガス再循環燃焼効果が得られ、より一層確実かつ高効率にNOxが低減される。
また、循環通路が内筒部材の先端部よりも上流側に配置されているので、油ノズルの先端部近傍に効率よく排ガスが循環し、油ノズル先端部近傍での着火を抑制するとともに燃料の噴霧粒子の蒸発が促進され、主空気噴流口からの燃焼空気による排ガスと良好に混合することにより緩慢燃焼する。これにより、COおよび煤塵の発生が効果的に抑制される。
請求項2のバーナは、燃料供給下流側に開口部を有するとともに、外筒部材と内筒部材との間に設けられ、内筒部材外周との間に所定寸法の間隙を有して配置される筒状部材を備え、循環通路は、外筒部材外周と間隙とを連通するように形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、循環通路が外筒部材外周と間隙とを連通するように形成されているので、再循環された排ガスが内筒部材の外周付近から吹き出すことにより外筒部材の中央側に確実に供給される。したがって排ガスの再循環がより確実となり、NOx、CO、煤塵の低減がより一層確実となる。
請求項3のバーナは、外筒部材の下流側端面の周方向に間隔を空けて複数設けられるとともに、外筒部材の下流側の端面よりもさらに下流側に突出する空気ノズルを備え、主空気噴流口は、空気ノズルの下流端側に形成され、循環通路は、外筒部材の周方向に対して隣接する空気ノズルの間に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、主空気噴流口が周方向に間隔を空けて複数設けられているので、火炎分割が行える。また、主空気噴流口が外筒部材の下流側の端面よりさらに下流側に突出するので、隣接する空気ノズル間の隙間を利用して排ガスが効率よく循環する。したがって、分割火炎燃焼および高効率な排ガス再循環燃焼により、NOxがより一層確実に減少する。
また、循環通路が外筒部材の周方向に対して隣接する空気ノズルの間に設けられているので、循環通路によって空気ノズルへの燃焼空気の流れが阻害されることがなく、外筒部材から空気ノズルへの空気のスムーズな流れが実現する。
請求項4のバーナは、外筒部材の下流側端面の周方向の一箇所に偏って設けられるとともに、外筒部材の下流側の端面よりもさらに下流側に突出する空気ノズルを備え、主空気噴流口は、空気ノズルの下流端側に形成され、循環通路は、外筒部材の周方向に対して空気ノズルが設けられていない部分に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、主空気噴流口を外筒部材の端面の偏った位置に設けるので、この主空気噴流口が設けられていない側の大きな空間を利用して排ガスが効率よく再循環する。これにより、排ガス再循環が効率よく行われ、NOxが確実に減少する。
また、循環通路が外筒部材の周方向に対して空気ノズルが設けられていない部分に形成されているので、循環通路によって空気ノズルへの燃焼空気の流れが阻害されることがなく、外筒部材から空気ノズルへの空気のスムーズな流れが実現する。
請求項5のバーナは、内筒部材の開口部には保炎板が設けられ、この保炎板には、内筒部材の略軸線方向に沿って貫通した複数の副空気噴流口が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、保炎板の副空気噴流口を内筒部材の略軸線方向に沿った貫通形状に形成するから、主空気噴流口からの空気が旋回せずに速やかに噴流し、燃料との混合が遅れる。したがって、燃料の蒸発を十分に進ませてから燃焼させることが可能となり、保炎板への火炎の貼り付きが抑制されてNOxの生成量がより確実に減少する。
請求項6のバーナは、主空気噴流口の下流側には、内筒部材の軸線を中心として主空気噴流口を外筒部材の周方向に沿って覆う環状部材が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、外側から入り込む排ガスの流路が環状部材周りに形成され、排ガスがよりスムーズに循環し、排ガス再循環の効果が一層向上する。
ここで、環状部材は、噴霧燃料の外周縁が環状部材の内周面から外れない範囲に設けられていることが望ましい。この場合には、火炎形状や燃焼排ガスの流れ等が安定化されるため、例えばボイラの燃焼形式の違いなどの外部条件の影響を受けず、燃焼性を良好にすることができ、COや煤塵の発生をより一層抑制することができる。
したがって、低NOx化とともに、良好な燃焼性による低CO化、および低煤塵化を達成することができる。
特に、例えば本発明のバーナをωフロー形式や反転燃焼形式のボイラなどに適用する場合には、噴霧燃料が環状部材によって案内されるので、未燃焼燃料の排出が防止され、良好な燃焼性の確保とともに低CO化、低防煤塵化が促進される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第一実施形態〕
図1は、本発明の第一実施形態に係るバーナ1を示す側断面図であり、図2はバーナ1の正面図である。すなわち、図1は、図2中のI-I線で示す矢視図である。
これらの図1および図2において、バーナ1は、燃焼空気供給用の図示しないファンにウインドボックスAを介して取り付けられるものであって、当該ウインドボックスA側からボイラ等の燃焼室側(図1中の右側)に延びる油供給ライン10と、この油供給ライン10の先端部に設けられた燃料噴射ノズル(油ノズル)10Aと、油供給ライン10の先端側を収容した内筒部材11と、内筒部材11の外周側に配置された外筒部材12と、外筒部材12の端面12Aよりも燃焼室側に設置された環状部材としての燃焼コーン20とを備えている。
燃料噴霧ノズル10Aは、複数個(本実施形態では二個)設けられ、内筒部材11および外筒部材12の略中央に、軸線(図1中の一点鎖線)に沿って互いに近接して配置されている。
外筒部材12の端面12Aには、内筒部材11の外周側に沿って複数(本実施形態では八本)の筒状の空気ノズル13が互いに等間隔に設けられている。この空気ノズル13は、内外筒部材11,12の軸線に平行に燃焼室側に延出しており、その中空部分で外筒部材12内と燃焼室内とを連通させている。そして、空気ノズル13の先端部分(燃焼室側)には、開口が設けられており、この開口部分が主空気噴流口14とされている。この主空気噴流口14は、外筒部材12の端面12Aよりもボイラの燃焼室側に位置しており、外筒部材12の内部を介して供給される燃焼空気が主空気噴流口14から燃焼室に向かって吹き出されるようになっている。
このような外筒部材12を用いたバーナ1は、主空気噴流口14が空気ノズル13の数に応じて周方向の八箇所に設けられているため、分割火炎燃焼方式の構造を有する。
また、主空気噴流口14の下流近傍で燃焼が生じるが、燃焼時の排ガスは、隣接する空気ノズル13の間を通り、燃焼によって最も負圧になる中央側へと入り込んで戻る(排ガス再循環)。このため、バーナ1は、排ガス再循環燃焼方式(自己排ガス再循環法)の構造も有する。
内筒部材11外周と外筒部材12内周との間には、内筒部材11よりも大径の筒状部材16が設けられている。この筒状部材16は、内筒部材11と同心に配置され、軸線方向の寸法が内筒部材11の軸線方向の寸法とほぼ等しくなっている。筒状部材16は、ウインドボックスA側の端部が内筒部材11端部に固定されて閉口され、燃焼室側の端部は外筒部材12の端面12Aを貫通して開口している。このような構造により、内筒部材11の外周面と、筒状部材16の内周面との間には、所定間隔tの間隙16Aが形成される。
また、外筒部材12および筒状部材16には、外筒部材12の周面と筒状部材16の周面とを連結する円筒状の循環通路17が設けられている。循環通路17はそれぞれ内筒部材11の軸線にほぼ直角に配置され、外筒部材12の外周と間隙16Aとを連通している。これらの循環通路17は、外筒部材12の外周に沿って等間隔に複数本(本実施形態では八本)形成され、図2に示されるように、外筒部材12の周方向に対して隣接する空気ノズル13の間に配置されている。循環通路17は、内筒部材11の先端部である開口端部より上流側で当該開口端部近傍に設けられており、また燃料噴霧ノズル10Aより上流側で、燃料噴霧ノズル10A近傍に配置されている。
ここで、所定間隔tは、内筒部材11、外筒部材12、筒状部材16の径寸法、空気ノズル13から噴流する空気流量、燃料噴霧ノズル10Aから噴流する燃料流量などのバーナ1の使用条件を勘案して適宜設定され、例えば約5〜10mmなどに設定される。
また、循環通路17の径寸法も、内筒部材11、外筒部材12、筒状部材16の径寸法、空気ノズル13から噴流する空気流量、燃料噴霧ノズル10Aから噴流する燃料流量などのバーナ1の使用条件を勘案して適宜設定され、例えば約10〜20mmに設定される。
内筒部材11の軸線に沿った循環通路17の配置は、内筒部材11の先端部近傍または、燃料噴霧ノズル10A近傍であることが望ましく、例えば内筒部材11の先端部から循環通路17の筒軸中心までの距離Lは、外筒部材12の直径Dの1/2以下、より好ましくは直径Dの1/4以下に設定されており、より具体的には例えばD=216mmの場合にL=53mmに設定されている。または、循環通路17は、燃料噴霧ノズル10Aより所定距離だけ上流側に配置されるように設定されてもよい。
内筒部材11の燃焼室側端面における燃料噴霧ノズル10Aの前方には、内筒部材11の開口を塞ぐ保炎板15が設けられている。図3に示されるように、保炎板15には、内筒部材11の軸線に沿って貫通する多数(複数)の副空気噴流口15Aが穿設されており、また中心部には、燃料噴霧ノズル10Aの取付位置に対応した位置に燃料噴出口15Bが形成されている。
また、内筒部材11において、保炎板15が設けられた側とは反対側の端面、つまりウインドボックスA側の端面には複数の小孔11Aが穿設されており、これら複数の小孔11Aの総開口面積をS1、外筒部材12の主空気噴流口14の総開口面積をS2とした時、S1/(S1+S2)は、0.3以下、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下に設定されている。
すなわち、総開口面積S1,S2による比を0.3以下に設定することで、副空気噴流口15Aから噴流する燃焼空気の量を抑え、これによってバーナ1では、外筒部材12の中央側の空気比を外周側の空気比よりも小さくし、いわゆる二段燃焼の効果が得られるようになっている。
この場合、本実施形態での主空気噴流口14での燃焼空気の流速が20〜40m/secであるのに対し、副空気噴流口15Aからの燃焼空気の流速は10〜20m/sec以下となる。
なお、総開口面積S1,S2による比を0.3を越えて設定すると、二段燃焼の効果が得られず、火炎が保炎板15に張り付いた状態で燃焼し易くなり、NOxの生成量が多くなる。
燃焼コーン20は、外筒部材12の外径寸法と略同一の外径寸法を有しており、外筒部材12に図示しない係合部材により一体に取り付けられている。また、燃焼コーン20は、内外筒部材11,12の軸線を中心とした円筒状の部材であり、燃料噴霧ノズル10Aよりも燃焼室側で、かつ外筒部材12の端面12Aとの間に所定寸法の隙間を有して設置されている。
ここで、本実施形態において、燃焼コーン20の燃料噴霧ノズル10Aに対する位置は、噴霧された燃料の外周縁が燃焼コーン20の内周面から外れない範囲に設けられている。つまり、噴霧された燃料の外周縁が燃焼コーン20の内周面に交差する位置に配置されている。ここで、本実施形態において、燃焼コーン20の燃料噴霧ノズル10A側端縁は、噴霧された燃料の外周縁と燃焼コーン20の内周面との交差位置に対して、内筒部材11の軸線に沿った燃焼コーン20の長さ寸法L2の1/4だけ燃料噴霧ノズル10A側に設置されることが望ましい。
このようなバーナ1では、燃料噴霧ノズル10Aから燃料が噴霧されると、空気ノズル13および保炎板15の副空気噴流口15Aから燃焼空気が供給されて燃焼する。このとき外筒部材12内の燃焼空気は、それぞれ複数の空気ノズル13で分岐して噴流され、分割されて燃焼する。一方、副空気噴流口15Aからの燃焼空気は、内筒部材11の軸線に沿って旋回することなく噴流し、燃料噴霧ノズル10Aからの燃料と混合される。
主空気噴流口14からの空気噴流量は、小孔11Aからの空気噴流量より多くなっているので、外筒部材12の外周側(空気ノズル13近傍)では、外筒部材12の中央側より空気比が高くなる。このため、外筒部材12の中央側が負圧となり、空気ノズル13から噴流された空気による燃焼後の排ガスは、隣接する空気ノズル13の間を通って外筒部材12の中央側、つまり燃料噴霧ノズル10A前方に再循環する。
燃焼後の排ガスは、さらに循環通路17を通って筒状部材16内部に流入し、内筒部材11との間隙16Aを通って再び燃料噴霧ノズル10A近傍に再循環する。
燃焼コーン20は、燃料噴霧ノズル10Aから所定の角度(噴霧角)で噴霧された燃料を所定範囲内(燃焼コーン20の内径範囲内)に案内し、噴霧された燃料のさらなる拡散を防止する。
したがって、第一実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 主空気噴流口14を有する空気ノズル13を燃料噴霧ノズル10Aおよび外筒部材12の下流側端面より下流側に突出させて複数設けているので、分割火炎燃焼および自己排ガス再循環燃焼の効果が得られ、燃焼温度を低減できる。したがって、NOxの生成量を減少できる。また、循環通路17が設けられているので、内筒部材11の外周付近、つまり燃料噴霧ノズル10A近傍に再循環した排ガスを確実に供給でき、より確実にNOx生成量を低減できる。
このとき、循環通路17が内筒部材11の先端部よりも上流側で油供給ライン10の先端部近傍に配置されているので、燃料噴霧ノズル10A近傍に効率よく排ガスが循環し、燃料噴霧ノズル10A近傍での着火を抑制できる。また、これにより燃料の噴霧粒子の蒸発が促進され、主空気噴流口14からの燃焼空気による排ガスと良好に混合することにより緩慢燃焼するので、COおよび煤塵の発生を効果的に、大幅に抑制でき、近年の低NOx燃焼の要請を十分に満足させることができる。
また、従来のバーナでは困難であった領域の低O2燃焼により、省エネルギ化を促進できる。そして、例えばこのバーナ1をボイラに使用する場合などでは、高能力送風機や、水、蒸気の吹き込み装置等が不要となるから、ボイラのコンパクト化、低コスト化を促進できる。
(2) 主空気噴流口14と小孔11Aとの総開口面積S1+S2に対する小孔11Aの総開口面積S1の比S1/(S1+S2)が0.3以下になっているので、主空気噴流口14から噴流する燃焼空気量に対して副空気噴流口15Aから噴流する燃焼空気量を確実に抑えることができ、外筒部材12の中央側の空気比が外側の空気比よりも小さくなって二段燃焼効果が得られ、保炎板15からより離れた位置で保炎することができる。したがって、これによってもNOxをさらに低減することができる。
(3) 副空気噴流口15Aが内筒部材11の軸線に沿って保炎板15を貫通しているので、副空気噴流口15Aからの燃焼空気が燃料噴霧ノズル10A近傍で旋回することなく噴流される。したがって、燃料との混合が遅くなり、その間に燃料の蒸発をより促すことができ、蒸発が十分に進んでから燃焼させることができる。これにより、保炎板15からより離れた位置で保炎することができ、保炎板15への火炎の貼り付きを防止できるので、NOxの生成量をさらに低減することができる。
(4) 燃焼コーン20が設けられているので、燃料噴霧ノズル10Aから噴霧された燃料を燃焼コーン20内周面で案内でき、排ガスの再循環をより高効率にするとともに、未燃焼燃料の排出を防止できる。したがって、火炎形状や燃焼排ガスの流れ等を安定化できる。したがって、例えばこのバーナ1をボイラに適用する場合などでは、ボイラの燃焼形式の違いによる影響を受けず、燃焼性を良好にできる。したがって、低NOx化とともに、良好な燃焼性による低CO化、および低煤塵化を達成することができる。
この際、ボイラの燃焼形式としては、燃焼室の他方側(バーナの反対側)に燃焼後の排ガスを排気する排気口が設けられた順流燃焼形式でもよく、また燃焼室の側方や一方側(バーナ側)に排気口が設けられた燃焼形式(例えば、ωフロー形式や反転燃焼形式等)でもよい。特に、ωフロー形式や反転燃焼形式のボイラの場合には、噴霧燃料のうちの外周縁の燃料が未燃焼のまま排気口から排出されて燃焼性が悪化する傾向にあるが、バーナ1を適用することで、燃焼コーン20によって未燃焼燃料の排出を防止することができ、良好な燃焼性を確保して低CO化、低煤塵化を図ることができる。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、第一実施形態における空気ノズル13の構造および循環通路17の配置が異なる。
図4には、第二実施形態にかかるバーナ1の側断面図が、また図5には、その平面図が示されている。
これらの図4および図5において、空気ノズル13は、外筒部材12の端面12Aの外周側に沿って筒状に一箇所設けられている。この空気ノズル13は、内外筒部材11,12の軸線に平行に燃焼室側に延出しており、その中空部分で外筒部材12内と燃焼室内とを連通させている。従って、外筒部材12では、空気ノズル13の先端部分の開口部分が主空気噴流口14とされ、保炎板15の下流側(燃料の供給方向における下流側)に主空気噴流口14が位置している。
また、空気ノズル13は、外筒部材12の端面12Aの径寸法Dが216mmである本実施形態では、径方向の幅寸法W1が約22mm程度で、かつ端面12Aの周方向に沿った部分のうち、開口角度θ1が約96°となる範囲に片寄って開口している。空気ノズル13のノズル長さL3は、30〜80mm程度である。
このような外筒部材12を用いたバーナ1では、主空気噴流口14の下流近傍で燃焼が生じるが、燃焼時の排ガスは、図4に二点鎖線で示すように、燃焼コーン20を通ってその外側から主空気噴流口14の下方側の空間、すなわち燃焼によって最も負圧になる中央側(つまりは端面12Aの中央側)へと入り込んで戻る。このため、バーナ1は、排ガス再循環燃焼方式(自己排ガス再循環法)の構造を有する。
なお、本実施形態においても、第一実施形態と同様に、主空気噴流口14の総開口面積をS1とし、小孔11Aの総開口面積をS2とするとS1/(S1+S2)は0.3以下に設定されており、好ましくは、0.2以下、より好ましくは0.1以下に設定されている。
循環通路17は、外筒部材12において空気ノズル13が設けられていない位置に配置されている。つまり、循環通路17は、外筒部材12の周方向に三本互いに約90°の間隔で配置されており、これらの循環通路17のうち二本は空気ノズル13の周方向の中心位置に対して約90°の角度を有して配置されている。
このような第二実施形態によれば、第一実施形態の(2)〜(4)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(5)主空気噴流口14が、外筒部材12の端面12Aの周方向に沿った部分のうち、開口角度θ1内に片寄って設けられているので、この主空気噴流口14が設けられていない側(つまりは端面12Aの中央側)の大きな空間を利用して排ガスを効率よく再循環させることができる。
これらのことにより、第一実施形態とは構造が異なるものの、第一実施形態の(1)の効果と同様に、二段燃焼(濃淡燃焼)および自己排ガス再循環燃焼の各効果を得ることができ、NOxを確実に減少させることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
空気ノズルの本数は、第一実施形態では八本であり、第二実施形態では一本であったが、これらに限らず任意に設定してよい。例えば第一実施形態の円筒状の空気ノズルを外筒部材12の端面12Aに七本以下、あるいは九本以上設けてもよい。または、第二実施形態のように端面12Aの周方向に偏って配置する場合には、例えば対向して二箇所配置したり、等間隔に三箇所以上配置してもよい。
また空気ノズルの形状も、円筒状や略扇形に限らず、例えば三角筒状、四角筒状など、燃焼空気の噴流動作やバーナの使用条件、空気ノズルの製造性などを考慮して任意に設定してよい。
空気ノズルの配置は、周方向に等間隔に配置されているものに限らず、不等間隔に配置されているものや、周方向に沿って配置されていないものであってもよい。
また、空気ノズルは内筒部材の軸線に沿って配置されているものに限らず、例えば排ガスがより外筒部材の中央側に循環しやすいように、先端側が内筒部材の中央に向かって傾倒して配置されていてもよい。
さらに、空気ノズルは、外筒部材の端面から延出して、主空気噴流口が油ノズル先端部より下流側に配置されているものに限らず、例えば主空気噴流口が油ノズル先端部と略面一に配置されていてもよい。
空気ノズルは、必ずしも設けられていなくてもよく、例えば外筒部材の端面を貫通する孔を設けて主空気噴流口を形成してもよい。
循環通路の形成数は、第一実施形態の八本や、第二実施形態の三本に限らず、例えば第一実施形態の循環通路17では隣接する空気ノズル13の間の一つおきに四本配置するなど、任意の本数を形成してよい。
また、循環通路の内筒部材または外筒部材の周方向に対する配置は、外筒部材の周方向に等間隔に配置されているものに限らず、例えば第一実施形態の循環通路17では、隣接する空気ノズル13の間に不等間隔に配置されていてもよく、第二実施形態の循環通路17においても不等間隔に配置してもよい。
また、循環通路は外筒部材および内筒部材の径方向に沿って設けられているものに限らず、例えば外筒部材および内筒部材の径方向に対して所定角度を有して配置してもよい。この場合には、循環通路が渦巻き状に配置されるので、再循環した排ガスが筒状部材内で螺旋を描きながら旋回して流通する。
さらに、循環通路は、外筒部材および内筒部材の軸線方向に沿って設けられているものに限らず、例えば外筒部材および内筒部材の中心に向かうに従って下流側に傾倒していてもよい。また循環通路は、湾曲していてもよい。
循環通路の内筒部材の軸線方向についての配置は、油ノズル先端部より上流側に限らず、例えば油ノズル先端部と内筒部材の開口端(燃焼室側端面)との間に配置されていてもよく、要するに油ノズル先端部の近傍に配置されていればよい。
循環通路の形状は、円筒状に限らず、例えば三角筒状、四角筒状など、筒状に形成されていれば断面構造は任意である。
筒状部材の軸線方向の寸法は、内筒部材の軸線方向の寸法と等しいものに限らず、例えば内筒部材の軸線方向の寸法より短く形成され、燃焼室から遠い側の端部が内筒部材の周面に固定されていてもよい。また、筒状部材の燃焼室から遠い側の端部は、内筒部材に固定されて閉口しているものに限らず、開口していてもよい。この場合には、筒状部材の燃焼室側の外周面を外筒部材の端面内周に固定するなどすればよい。
また、筒状部材は必ずしも設けられていなくてもよく、例えば筒状の循環通路を外筒部材の周面と内筒部材の周面とを連結するように形成し、循環通路の内部が外筒部材の外周側と内筒部材の内周側とを連通するように構成してもよい。
油噴霧ノズル(油ノズル)の設置個数は、二個に限らず一個でもよいし、三個以上であってもよい。また、油噴霧ノズルの配置は、その先端部が内筒部材内に収納されているものに限らず、燃焼室側に突出していてもよい。
環状部材の設置位置は、空気ノズルの先端部から所定距離離間しているものに限らず、例えば空気ノズルの周方向を一部覆うように配置されていてもよい。
また、環状部材は、必ずしも設けられていなくても本発明の目的を達成できる。
保炎板15は、内筒部材の軸線に沿って貫通する副空気噴流口15Aが形成されているものに限らず、例えば図6に示されるように、副空気噴流口が軸線に沿って形成されていなくてもよい。この図6において、円盤状の保炎板15は、中心部に油ノズルの取付位置に対応して形成された燃料噴出口15Bと、この燃料噴出口15Bの周囲に切り起こし加工等による副空気噴流口15Aとを備えている。この場合には、副空気噴流口15Aから噴流した燃焼空気は、旋回しながら燃料と混合する。したがって燃料との混合が速やかに行われ、良好に混合する。
また、保炎板15は、必ずしも設けられていなくてもよい。
内筒部材の小孔は、内筒部材の燃焼室から遠い側の端面に形成されていたが、これに限らず、例えば内筒部材の端部近傍の周面に形成されていてもよい。この場合には、例えば筒状部材を内筒部材より短く形成して燃焼室側に寄せて配置すると、内筒部材の燃焼室から遠い側の端部周面が筒状部材の覆われずに露出するので、この端部周面に小孔を形成すればよい。
また、内筒部材の小孔は、必ずしも設けられていなくてもよく、例えば内筒部材11のウインドボックスA側の端面が封止されて、内筒部材の内部が燃焼空気から遮断されていてもよい。この場合には、主空気噴流口14のみから燃焼空気が噴流するが、間隙16Aからは循環通路17を通って排ガスが供給されるので、良好な排ガス再循環燃焼の効果が得られる。
本発明の効果を確認するために以下の実験を行った。
〔実施例1〕
第一実施形態のバーナ1を用いて燃焼試験を行った。空気ノズル13の主空気噴流口14の総開口面積S2は、約72cm2とし、小孔11Aの総開口面積S1との比S1/(S1+S2)を0.05とした。燃焼室の炉負荷を1.2MW/m3とし、燃焼空気の流速を10.5〜14.8m/sの間で変化させた。燃料噴霧ノズル10Aから噴霧される燃料は灯油であり、その燃焼量は30l/hとした。
このようなバーナ1の燃焼試験において、各空気比に対する煙濃度、NOx生成量およびCO生成量を測定した。
〔比較例1〕
図7に示されるバーナ1Aを用いて燃焼試験を行った。この図7に示されるバーナ1Aは、第一実施形態のバーナ1とは、循環通路17が設けられていない点が異なるものである。
その他のバーナ1Aの条件および燃焼試験条件、試験方法等は実施例1と同様である。
〔実施例1および比較例1の結果および評価〕
図8には、実施例1および比較例1の結果が示されている。この図8に示されるように、煙濃度については、空気比1.1〜1.25の範囲において実施例1の方が比較例1よりも煙濃度が少ないことがわかる。
また、NOx生成量については、空気比の全ての範囲において実施例1の方が比較例1よりもNOx生成量が少ないことがわかる。
さらに、CO生成量については、空気比1.1〜1.25の範囲および1.3〜1.4の範囲で実施例1の方が比較例1よりもCO生成量が少ないことがわかる。
これらの結果は、循環通路17を油供給ライン10先端部近傍に設けることによって、燃料噴霧ノズル10A近傍に排ガスが効率よく循環し、燃料噴霧ノズル10A前方近傍での着火が抑制されるとともに、灯油の噴霧粒子の蒸発が促進されたためと考えられる。
これより、実施例1の方が比較例1よりもより効果的にNOxの生成量を低減でき、燃焼性も良好であることが確認された。
〔実施例2〕
第一実施形態のバーナ1を用いて燃焼試験を行った。空気ノズル13の主空気噴流口14の総開口面積S2は、約50cm2とし、燃焼空気の流速を15.2〜21.3m/sの間で変化させた。燃料噴霧ノズル10Aから噴霧される燃料は灯油であり、その燃焼量は30L/hとした。
このようなバーナ1の燃焼試験において、各空気比に対する煙濃度、NOx生成量およびCO生成量を測定した。
〔比較例2〕
比較例1と同様のバーナ1Aを用いて燃焼試験を行った。
その他のバーナ1Aの条件および燃焼試験条件は実施例2と同様である。
〔実施例2および比較例2の結果および評価〕
図9には、実施例2および比較例2の結果が示されている。この図9に示されるように、煙濃度については、空気比1.1〜1.15の範囲において実施例2の方が比較例2よりも煙濃度が少ないことがわかる。
また、NOx生成量については、空気比の全ての範囲において実施例2の方が比較例2よりもNOx生成量が少ないことがわかる。
さらに、CO生成量については、空気比1.1〜1.15の範囲で実施例2の方が比較例2よりもCO生成量が少ないことがわかる。
これらの結果は、循環通路17を油供給ライン10先端部近傍に設けることによって、燃料噴霧ノズル10A近傍に排ガスが効率よく循環し、燃料噴霧ノズル10A前方近傍での着火が抑制されるとともに、灯油の噴霧粒子の蒸発が促進されたためと考えられる。
これより、実施例2の方が比較例2よりもより効果的にNOxの生成量を低減でき、燃焼性も良好であることが確認された。
〔実施例3〕
第一実施形態のバーナ1を用いて燃焼試験を行った。空気ノズル13の主空気噴流口14の総開口面積S2は、約35cm2とし、燃焼空気の流速を21.7〜30.4m/sの間で変化させた。燃料噴霧ノズル10Aから噴霧される燃料は灯油であり、その燃焼量は30L/hとした。
このようなバーナ1の燃焼試験において、各空気比に対する煙濃度、NOx生成量およびCO生成量を測定した。
〔比較例3〕
比較例1と同様のバーナ1Aを用いて燃焼試験を行った。
その他のバーナ1Aの条件および燃焼試験条件は実施例3と同様である。
〔実施例3および比較例3の結果および評価〕
図10には、実施例3および比較例3の結果が示されている。この図10に示されるように、煙濃度については、空気比の全ての範囲において実施例3と比較例3とは煙濃度の値はほぼ同じ程度であった。
また、NOx生成量については、空気比の全ての範囲において実施例3の方が比較例3よりもNOx生成量が少ないことがわかる。
さらに、CO生成量については、空気比の全ての範囲において実施例3と比較例1とはCO生成量がほぼ同じ程度であった。
これらの結果は、循環通路17を油供給ライン10先端部近傍に設けることによって、燃料噴霧ノズル10A近傍に排ガスが効率よく循環し、燃料噴霧ノズル10A前方近傍での着火が抑制されるとともに、灯油の噴霧粒子の蒸発が促進されたためと考えられる。
これより、実施例3の方が比較例3よりもより効果的にNOxの生成量を低減できることが確認された。
本発明のバーナは、ωフロー形式、反転燃焼形式などのボイラに利用でき、特に比較的小型のボイラに適用する場合に有用である他、その他の燃焼装置にも利用することができる。
本発明の第一実施形態にかかるバーナを示す側断面図。 第一実施形態にかかるバーナの正面図。 第一実施形態にかかる保炎板の斜視図。 本発明の第二実施形態にかかるバーナを示す側断面図。 第二実施形態にかかるバーナの正面図。 本発明の保炎板の変形例を示す図。 本発明の比較例のバーナを示す側断面図。 本発明の実施例1および比較例1の結果を示す図。 本発明の実施例2および比較例2の結果を示す図。 本発明の実施例3および比較例3の結果を示す図。
符号の説明
1,1A…バーナ
10…油供給ライン
10A…燃料噴霧ノズル(油ノズル)
11…内筒部材
11A…小孔
12…外筒部材
13…空気ノズル
14…主空気噴流口
15…保炎板
15A…副空気噴流口
17…循環通路
20…燃焼コーン(環状部材)

Claims (6)

  1. 燃料供給下流側に開口部を有して油ノズルが収容される内筒部材と、この内筒部材の外周側に配置された外筒部材とを備え、
    前記外筒部材の下流側の端面に主空気噴流口が設けられ、
    前記内筒部材の内部は供給される燃焼空気から遮断されるか、または小孔を介して前記燃焼空気の一部が流入可能に設けられ、
    前記小孔が設けられた場合において、前記小孔の総開口面積をS1、前記主空気噴流口の総開口面積をS2とした時、S1/(S1+S2)は0.3以下であるバーナにおいて、
    前記内筒部材の先端部より上流側に配置された燃焼排ガスの循環通路を備えた
    ことを特徴とするバーナ。
  2. 請求項1に記載のバーナにおいて、
    燃料供給下流側に開口部を有するとともに、前記外筒部材と前記内筒部材との間に設けられ、前記内筒部材外周との間に所定寸法の間隙を有して配置される筒状部材を備え、
    前記循環通路は、前記外筒部材外周と前記間隙とを連通するように形成されている
    ことを特徴とするバーナ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のバーナにおいて、
    前記外筒部材の下流側端面の周方向に間隔を空けて複数設けられるとともに、前記外筒部材の下流側の端面よりもさらに下流側に突出する空気ノズルを備え、
    前記主空気噴流口は、前記空気ノズルの下流端側に形成され、
    前記循環通路は、前記外筒部材の周方向に対して隣接する前記空気ノズルの間に形成されている
    ことを特徴とするバーナ。
  4. 請求項1または請求項2に記載のバーナにおいて、
    前記外筒部材の下流側端面の周方向の一箇所に偏って設けられるとともに、前記外筒部材の下流側の端面よりもさらに下流側に突出する空気ノズルを備え、
    前記主空気噴流口は、前記空気ノズルの下流端側に形成され、
    前記循環通路は、前記外筒部材の周方向に対して前記空気ノズルが設けられていない部分に形成されている
    ことを特徴とするバーナ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のバーナにおいて、
    前記内筒部材の開口部には保炎板が設けられ、
    この保炎板には、前記内筒部材の略軸線方向に沿って貫通した複数の副空気噴流口が設けられている
    ことを特徴とするバーナ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のバーナにおいて、
    前記主空気噴流口の下流側には、前記内筒部材の軸線を中心として前記主空気噴流口を前記外筒部材の周方向に沿って覆う環状部材が設けられている
    ことを特徴とするバーナ。
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