JP2002349809A - バーナ - Google Patents

バーナ

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JP2002349809A
JP2002349809A JP2001158975A JP2001158975A JP2002349809A JP 2002349809 A JP2002349809 A JP 2002349809A JP 2001158975 A JP2001158975 A JP 2001158975A JP 2001158975 A JP2001158975 A JP 2001158975A JP 2002349809 A JP2002349809 A JP 2002349809A
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JP
Japan
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burner
combustion
air
air jet
cylinder member
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Withdrawn
Application number
JP2001158975A
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English (en)
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Takashi Murakawa
喬 村川
Hiroshi Kato
浩 加藤
Hiroshi Matsumoto
博 松元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SEKIYU SANGYO GIJUTSU KENKYUSH
SEKIYU SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO KK
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
SEKIYU SANGYO GIJUTSU KENKYUSH
SEKIYU SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO KK
Petroleum Energy Center PEC
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な構造で、かつNOxを確実に低減でき
るバーナの提供。 【解決手段】 バーナ1では、主空気噴流口14からの
二次燃焼空気を、副空気噴流口21からの一次燃焼空気
より高速で吹き付け、外筒部材12の中央側の空気比を
外側の空気比よりも小さくして2段燃焼させる。このた
め、一次燃焼空気の出口である保炎板20近傍での着火
を抑制し、より離れた位置で保炎させることができる。
また、主空気噴流口14を端面12Aの周方向に沿った
部分のうち、開口角度θ1内に片寄って設けた。このた
め、主空気噴流口14が設けられていない端面12Aの
中央側の大きな空間を利用して排ガスを効率よく再循環
できる。以上により、一つのバーナ1で2段燃焼および
自己排ガス再循環燃焼を簡素な構造で実現でき、NOx
を確実に減少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バーナに係り、主
として小型のボイラ等に使用される油焚き式のバーナ
(油バーナ)に関する。
【0002】
【背景技術】燃焼によって生じるNOxに対する排出規
制は年々厳しくなっており、NOx低減の技術開発が盛
んである。燃焼時に生じるNOxとしては、フューエル
NOx、プロンプトNOx、およびサーマルNOxがあ
る。中でもサーマルNOxは、燃焼空気中のN2成分が高
温雰囲気中で酸化して生成され、温度依存が高く、燃焼
温度が高くなるほど、生成量は急激に増大する。従っ
て、サーマルNOxは、燃焼に空気を使用する限り必ず
生成され、燃料が特に灯油や窒素分の少ないA重油であ
る場合には、排出されるNOxの大半がサーマルNOxと
いわれ、数多くの低減方法が提案されている。これらの
多くの低減方法の中で、主なNOx抑制燃焼技術として
は、(A)分割火炎燃焼方式、(B)排ガス再循環燃焼方
式、(C)多段燃焼方式、(D)水混合燃焼方式などが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(A)分
割火炎燃焼方式のバーナでは、火炎の分割が不十分とな
り易く、NOxの低減には限界があり、昨今の厳しいN
Ox規制に対応するには更なる技術開発が必要になって
いる。また、分割火炎燃焼方式には、複数の主空気噴流
口を設けるタイプと、油ノズルを複数個設けるタイプと
があるが、特に後者のタイプのバーナは、大型の油バー
ナやガスバーナでは比較的容易に分割火炎を形成できる
が、バーナ火炎口(外筒部材の径寸法)の小さいバーナ
では、分割火炎の形成に難点があるうえ、複数個の油ノ
ズルが必要であり、コストが高くなる。
【0004】(B)排ガス再循環燃焼方式のバーナは、排
ガス(燃焼ガス)の一部を燃焼空気に再循環させ、酸素
分圧を下げることで低NOx化を図るものであり、強制
排ガス再循環法と自己排ガス再循環法とに大別される。
しかし、強制排ガス再循環法は、排ガスの一部を再循環
するのに、再循環用ダクトとブロアーとが必要であり、
小型ボイラへの適用はコスト面で問題となる。これに対
して自己排ガス再循環法は、バーナの構造等に工夫を加
え、燃焼空気の噴流に周囲の気体が吸引される現象を用
いて、燃焼空気流および燃料流に排ガスを混合させて排
ガス再循環の効果を持たせることを特徴としており、排
ガスを強制的に再循環させることがないため、コスト面
でのメリットがあるが、排ガスの再循環量が十分ではな
く、NOx低減にはやはり限界がある。
【0005】(C)多段燃焼方式のバーナは、燃料あるい
は燃焼空気を空気比の異なる2段もしくはそれよりも多
くの段数に分割して濃淡燃焼させることを特徴とし、火
炎温度の低下あるいは酸素濃度の低下によって低NOx
化を図るものである。しかし、この燃焼方式において
も、多段で燃焼させるために、バーナの構造が複雑にな
るという問題がある。
【0006】(D)水混合燃焼方式は、予め燃料中に水を
混合させるか、あるいは燃焼室に水を吹き込んで火炎温
度を下げることにより、低NOx化を図るものである。
しかし、この方式では、水の吹き込みによりバーナを構
成する筒部材等に腐食が生じるおそれがあるとともに、
ボイラ効率も低下する。さらに、ポンプ等の水供給装置
が別途必要となるので、コストアップにつながる。
【0007】以上に述べたように、各方式には一長一短
があり、NOxが確実に減少するバーナを安価に製作す
ることは難しく、その開発が望まれている。
【0008】本発明の目的は、安価な構造で、かつNO
xを確実に低減できるバーナを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1のバーナは、燃
料供給下流側に開口部を有して油ノズルの先端側が収容
される内筒部材と、この内筒部材の外周側に配置された
外筒部材とを備え、この外筒部材の下流側の端面に主空
気噴流口が設けられているバーナであって、前記主空気
噴流口は、前記外筒部材の端面の周方向の一ヶ所または
径方向に対向した二ヶ所に片寄って設けられていること
を特徴とする。
【0010】このような本発明では、内筒部材における
油ノズル回りの前記開口部から一次燃焼空気が噴流し、
外筒部材に設けられた主空気噴流口から二次燃焼空気が
噴流する。この際、二次燃焼空気をより高速で吹き付け
る(噴流させる)ことにより、外筒部材の中央側の空気
比が外側の空気比よりも小さくなって2段燃焼(濃淡燃
焼)効果が得られる。このため、一次燃焼空気の出口で
ある内筒部材の開口部近傍では着火が抑制され、開口部
からより離れた位置で保炎するようになる。また、二次
燃焼空気が噴流する主空気噴流口を外筒部材の端面の片
寄った位置に設けるので、この主空気噴流口が設けられ
ていない側の大きな空間を利用して排ガスが効率よく再
循環する。これらのことにより、一つのバーナで、多段
燃焼(濃淡燃焼)および自己排ガス再循環燃焼の各効果
が得られ、NOxが確実に減少する。さらに、外筒部材
には、その端面に主空気噴流口が設けられるだけである
から、複雑な構造が不要であり、製作コストも安価であ
る。以上により、前記目的が達成される。
【0011】請求項2のバーナは、請求項1に記載のバ
ーナにおいて、前記主空気噴流口は、前記外筒部材の外
部または内部に設けられた二次空気ノズルの下流端側に
設けられていることを特徴とする。このような構成で
は、主空気噴流口からの二次燃焼空気が二次空気ノズル
から噴流することになるから、噴流する際の方向性が良
好となり、開口部から離れた位置での保炎、および排ガ
ス再循環のための大きなスペースの確保が確実に行わ
れ、2段燃焼と自己排ガス再循環燃焼とがより効果的に
行われてNOxが一層減少する。
【0012】請求項3のバーナは、請求項1または請求
項2に記載のバーナにおいて、前記内筒部材の開口部内
には保炎板が設けられ、この保炎板には、前記内筒部材
の略軸線方向に沿って貫通した複数の副空気噴流口が設
けられていることを特徴とする。このような構成では、
保炎板の副空気噴流口を貫通形状に形成するから、二次
燃焼空気が旋回等せずに速やかに噴流し、燃料との混合
が遅れる。従って、燃料の蒸発を十分に進ませてから燃
焼させることが可能となり、保炎板への火炎の張り付き
が抑制されてNOxの生成量がより確実に減少する。
【0013】請求項4のバーナは、請求項1ないし請求
項3のいずれかに記載のバーナにおいて、前記内筒部材
の内部は、小穴を介して燃焼空気の一部が流入可能に設
けられ、この小穴の総開口面積をS1、前記外筒部材の
主空気噴流口の総開口面積をS2とした時、S1/(S1
+S2)は、0.3以下であることを特徴とする。 こ
のような構成では、小穴の総開口面積S1,S2による比
を所定数以下にし、開口部から噴流する燃焼空気の量を
確実に抑えることにより、外筒部材の中央側の空気比が
外側の空気比よりも小さくなって2段燃焼効果がより確
実に得られる。ここで、小穴の総開口面積S1,S2によ
る比が0.3を越えると、火炎が保炎板に張り付いた状
態で燃焼し易くなってNOxの生成量が多くなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
に基づいて説明する。なお、各実施形態において、同一
部材には同一符号を付すことにし、それらの重複する説
明を避けるために、その説明を省略または簡略化する。
【0015】〔第1実施形態〕図1(A)、(B)は、
本発明の第1実施形態に係るバーナ1を示す断面図およ
び正面図、図2は、バーナ1を示す斜視図である。図
1,2において、バーナ1は、燃焼空気供給用の図示し
ないファンにウインドボックスAを介して取り付けられ
るものであって、当該ウインドボックスA側からボイラ
の燃焼室側(図1(A)中の右側)に延びる油ノズル1
0の先端側を収容した内筒部材11と、この外周側の外
筒部材12とを備えている。内筒部材11の開口部11
A内には、複数の副空気噴流口21が穿設された保炎板
20が取り付けられている。
【0016】先ず、外筒部材12の端面12Aには、当
該端面12Aの外周側に沿った筒状の二次空気ノズル1
3が設けられている。この二次空気ノズル13は、内外
筒部材11,12の軸線(図1(A)中の一点鎖線)に
平行に燃焼室側に延出しており、その中空部分で外筒部
材12内と燃焼室内とを連通させている。従って、外筒
部材12では、二次空気ノズル13の先端部分の開口部
分が主空気噴流口14とされ、保炎板20の下流側(燃
料の供給方向における下流側)に主空気噴流口14が位
置している。
【0017】また、二次空気ノズル13は、外筒部材1
2の端面12Aの径寸法D1が216mmである本実施形
態では、径方向の幅寸法W1が約22mm程度で、かつ端
面12Aの周方向に沿った部分のうち、開口角度θ1
約96°となる範囲に片寄って開口している。二次空気
ノズル13のノズル長さL1は、30〜80mm程度であ
る。
【0018】このような外筒部材12を用いたバーナ1
では、主空気噴流口14の下流近傍で燃焼が生じるが、
燃焼時の排ガスは、図1(A)に2点鎖線で示すよう
に、主空気噴流口14の下方側の空間、すなわち燃焼に
よって最も負圧になる中央側(つまりは端面12Aの中
央側)へと入り込んで戻る。このため、バーナ1は、排
ガス再循環燃焼方式(自己排ガス再循環法)の構造を有
する。
【0019】一方、内筒部材11の周面において、ウイ
ンドボックスA寄りには複数の小穴15が穿設されてい
る。小穴15の総開口面積をS1、外筒部材12の主空
気噴流口14の開口面積をS2とした時、S1/(S1
2)は、0.3以下、好ましくは0.2以下、より好
ましくは0.1以下に設定されている。
【0020】つまり、総開口面積S1,S2による比を
0.3以下に設定することで、保炎板20の副空気噴流
口21から噴流する燃焼空気の量を抑え、これによって
バーナ1では、外筒部材12の中央側の空気比を外周側
の空気比よりも小さくし、いわゆる2段燃焼(濃淡燃
焼)の効果が得られるようになっている。このため、バ
ーナ1は、多段燃焼方式の構造も有する。
【0021】この場合、本実施形態での主空気噴流口1
4での二次燃焼空気の流速が20〜40m/secであるの
に対し、副空気噴流口21からの一次燃焼空気の流速は
10〜20m/sec以下となる。総開口面積S1,S2によ
る比を0.3を越えて設定すると、2段燃焼の効果が得
られず、火炎が保炎板20に張り付いた状態で燃焼し易
くなり、NOxの生成量が多くなる。
【0022】また、内筒部材11に設けられた保炎板2
0の副空気噴流口21は、中央の燃料噴出口22周囲に
複数穿設された貫通孔である。その貫通方向は、内外筒
部材11,12の軸線と平行であり、噴流した一次燃焼
空気に旋回流が生じないようになっている。
【0023】このような本実施形態によれば、以下のよ
うな効果がある。 (1)バーナ1では、主空気噴流口14からの二次燃焼空
気を、副空気噴流口21からの一次燃焼空気より高速で
吹き付けることにより、外筒部材12の中央側の空気比
が外側の空気比よりも小さくなって2段燃焼(濃淡燃
焼)効果を得ることができる。このため、一次燃焼空気
の出口である保炎板20近傍では着火を抑制でき、保炎
板20からより離れた位置で保炎させることができる。
また、二次燃焼空気が噴流する主空気噴流口14は、外
筒部材12の端面12Aの周方向に沿った部分のうち、
開口角度θ1内に片寄って設けられているので、この主
空気噴流口14が設けられていない側(つまりは端面1
2Aの中央側)の大きな空間を利用して排ガスを効率よ
く再循環させることができる。これらのことにより、一
つのバーナ1で、2段燃焼(濃淡燃焼)および自己排ガ
ス再循環燃焼の各効果を得ることができ、NOxを確実
に減少させることができる。
【0024】(2)さらに、外筒部材12には、その端面
12Aに主空気噴流口14を有した二次空気ノズル13
を設けるだけでよく、複雑な構造が不要であり、製作コ
ストも安価にできる。
【0025】(3)また、この二次空気ノズル13を設け
ることにより、主空気噴流口14からの二次燃焼空気が
拡がらずに下流側に略真っ直ぐに噴流するから(図1
(A)中の実線矢印参照)、二次燃焼空気が噴流する際
の方向性を良好にでき、保炎板20から離れた位置で確
実に保炎させることができ、また、排ガス再循環のため
の大きなスペースを確実に確保でき、2段燃焼と自己排
ガス再循環燃焼とをより効果的に実現できてNOxを一
層減少させることができる。
【0026】(4)保炎板20の副空気噴流口21は、内
外筒部材11,12の軸線に沿うように下流側に向けて
真っ直ぐ穿設されているので、一次燃焼空気の旋回が生
じず、燃料との混合を遅らすことができる。従って、燃
料の蒸発を十分に進ませてから燃焼させることができ、
保炎板20への火炎の張り付きを抑制してNOxの生成
量をより確実に低減できる。
【0027】(5)主空気噴流口14および小穴15の総
開口面積S1,S2による比が0.3以下に設定され、保
炎板20から噴流する空気量が確実に抑えられているた
め、外筒部材12の中央側の空気比を外側の空気比より
も小さくして2段燃焼効果を確実に得ることができる。
【0028】〔第2実施形態〕図3(A)、(B)に
は、第2実施形態に係るバーナ2が示されている。バー
ナ2では、外筒部材12の端面12Aに一対の二次空気
ノズル13が設けられている点が、前記第1実施形態と
は大きく異なる。他の構成は第1実施形態と略同じであ
る。各二次空気ノズル13の主空気噴流口14は、それ
ぞれ開口角度θ2が約48°(第1実施形態での開口角
度θ1の約1/2)となる範囲であって、端面12Aの
径方向に対向して開口している。これら主空気噴流口1
4の総開口面積S2は第1実施形態と同じであり、従っ
て、主空気噴流口14および小穴15の総開口面積
1,S2による比も0.3以下に設定されている。
【0029】このようなバーナ2では、一対の二次空気
ノズル13間に存在する空間(端面12Aの中央側の空
間)が、それぞれの二次空気ノズル13での排ガス再循
環に共通に用いられ、再循環経路が多少複雑になるの
で、第1実施形態よりは幾分再循環効率が落ちるが、従
来に比べれば、自己排ガス再循環燃焼を効果的に実現で
きることに変わりはない。従って、第1実施形態で説明
した前述の(1)と同様な効果を得ることができる。ま
た、第1実施形態と同じ他の構成により、本実施形態で
も前述した(2)〜(5)の効果も同様に得ることができ
る。
【0030】〔第3実施形態〕図4(A),(B)に
は、第3実施形態に係るバーナ3が示されている。バー
ナ3では、二次空気ノズル13が外筒部材12の内部に
設けられており、主空気噴流口14と副空気噴流口21
とが略面一に設けられている点が、第1実施形態とは大
きく異なる。他の構成は第1実施形態と略同じである。
このようなバーナ3でも、第1実施形態と同様に、前述
した(1)〜(5)の効果を得ることができる。
【0031】〔第4実施形態〕図5(A),(B)に
は、第4実施形態に係るバーナ4が示されている。バー
ナ4は、第2実施形態のバーナ2での一対の二次空気ノ
ズル13を外筒部材12内に設けた構成であり、他の構
成は第2実施形態と同じである。このバーナ4でも、前
述の(1)〜(5)の効果を同様に得ることができる。
【0032】〔第5実施形態〕図6(A),(B)に示
す第5実施形態のバーナ5は、第1〜第4実施形態での
二次空気ノズル13に相当する部分が存在せず、主空気
噴流口14が外筒部材12の端面12Aに直に設けられ
ている。他の構成は第1実施形態または第3実施形態と
同じである。このようなバーナ5では、二次空気ノズル
13が設けられていないことで、主空気噴流口14から
の二次燃焼空気が若干拡がりながら噴流するため、その
分保炎位置が保炎板20に近づき、また、排ガスを再循
環させるための空間が狭まって再循環効率が低下し、よ
って他の実施形態よりもNOxの生成量が多少高まる
が、従来のバーナの比ではなく、前述の(1)〜(5)の効
果を十分に達成できる。
【0033】〔第6実施形態〕図7(A),(B)に
は、第6実施形態に係るバーナ6が示されている。バー
ナ6は、第2、第4実施形態のバーナ2,4での二次空
気ノズル13をなくした構成であり、主空気噴流口14
がやはり端面12Aに直に設けられている。他の構成は
第2実施形態または第4実施形態と同じである。このバ
ーナ6でも、前述の(1)〜(5)の効果を同様に得ること
ができる。
【0034】なお、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等
を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態の主空気噴流口14は、端面1
2Aの周方向に沿って連続していたが、そのような主空
気噴流口14をさらに周方向に区切った構成にしてもよ
く、このような場合でも、主空気噴流口14全体が端面
12Aの周方向の一ヶ所、または径方向に対向した二ヶ
所に片寄って設けられることになるため、本発明に含ま
れる。
【0035】前記各実施形態では、副空気噴流口21が
端面12Aの中心に位置していたが、例えば、第1、第
3、第5実施形態のように、主空気噴流口14が一ヶ所
に設けられる場合には、副空気噴流口21を主空気噴流
口14から離れた位置、すなわち端面12Aの中心に対
して偏心して設けられてもよい。こうすることで、排ガ
スを再循環させるための空間をより大きくできるという
メリットがある。
【0036】
【実施例】〔第1、第2実施例〕第1実施例として、前
記第1実施形態に基づいたバーナ1を製作した。第2実
施例として、前記第2実施形態に基づいたバーナ2を製
作した。〔比較例〕比較例として、図8に示す正面形状
を有したバーナ90を製作した。すなわち、このバーナ
90は、二次空気ノズル13が端面12Aの周方向に3
ヶ所、等間隔で設けられた構成であり、開口角度θ3
約32°である。主空気噴流口14および小穴(不図
示)の総開口面積S1,S2による比は、バーナ1,2と
同じく0.3以下(本実施例では共に0.2)に設定さ
れている。他の構成もバーナ1,2と同じである。
【0037】以上のバーナ1,2,90のそれぞれにお
いて、空気比を数段階に変えた時の燃焼試験を行い、N
Ox排出値を測定し、比較した。また、NOx排出値の
他、煙濃度の判定も併せて行った。図9に試験結果をグ
ラフで示す。なお、使用燃料は灯油である。表1に使用
灯油の性状を記した。NOx排出値の測定には通常一般
に用いられているNOxメータを使用した。煙濃度の判
定には、白色ろ紙に排ガスを通したときの着色度を見る
バッカラッカ指数を用いた。燃焼量および燃焼室熱負荷
率の条件は各図に示す通りである。
【0038】
【表1】
【0039】図9には、バーナ1,2およびバーナ90
の測定結果が示されている。バーナ1,2,90の大き
な相違点は、前述したように、主空気噴流口14が設け
られた二次空気ノズル13の数、およびその配置位置で
ある。図9により、二次空気ノズル13を1つ片寄せて
設けたバーナ1が最もNOx排出値が低く、次いで、二
次空気ノズル13を径方向に対向させて設けたバーナ2
である。三つの二次空気ノズル13を備えたバーナ90
は、NOx排出値が最も多かった。煙濃度はいずれのバ
ーナ1,2,90も「0(ゼロ)」である。
【0040】これは、バーナ90では、三つの二次空気
ノズル13を備えているため、排ガスの再循環経路が一
空間内で入り組んでより複雑になり、効率的な再循環が
行われないためである。また、バーナ1,2同士の比較
においても同様であり、排ガスの再循環経路がより単純
なバーナ1の方が、バーナ2に比較して再循環効率がよ
く、NOx排出値が低くなる。従って、本発明に係るバ
ーナ1,2で、NOx排出が確実に低減することを確認
できたことにより、本発明の優位性が認められた。
【0041】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
安価な構造で、かつNOxを確実に低減できるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るバーナを示す断面
図(A)および正面図(B)である。
【図2】前記第1実施形態のバーナを示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の第2実施形態に係るバーナを示す断面
図(A)および正面図(B)である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るバーナを示す断面
図(A)および正面図(B)である。
【図5】本発明の第4実施形態に係るバーナを示す断面
図(A)および正面図(B)である。
【図6】本発明の第5実施形態に係るバーナを示す断面
図(A)および正面図(B)である。
【図7】本発明の第6実施形態に係るバーナを示す断面
図(A)および正面図(B)である。
【図8】本発明の実施例で用いられる比較例のバーナを
示す正面図である。
【図9】本発明の実施例の試験結果を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1〜6 バーナ 10 油ノズル 11 内筒部材 11A 開口部 12 外筒部材 12A 端面 13 二次空気ノズル 14 主空気噴流口 15 小穴 20 保炎板 21 副空気噴流口 S1 小穴の総開口面積 S2 主空気噴流口の総開口面積
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 浩 千葉県千葉市緑区大野台1丁目4番10号 財団法人石油産業活性化センター内 (72)発明者 松元 博 千葉県千葉市緑区大野台1丁目4番10号 財団法人石油産業活性化センター内 Fターム(参考) 3K055 AA06 AB01 BB03 BB09 BC08 BD10 3K065 TA01 TA15 TB01 TC01 TC02 TD04 TE02 TE07 TF03 TH01 TH04 TL04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給下流側に開口部を有して油ノズ
    ルの先端側が収容される内筒部材と、この内筒部材の外
    周側に配置された外筒部材とを備え、この外筒部材の下
    流側の端面に主空気噴流口が設けられているバーナであ
    って、 前記主空気噴流口は、前記外筒部材の端面の周方向の一
    ヶ所または径方向に対向した二ヶ所に片寄って設けられ
    ていることを特徴とするバーナ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のバーナにおいて、前記
    主空気噴流口は、前記外筒部材の外部または内部に設け
    られた二次空気ノズルの下流端側に設けられていること
    を特徴とするバーナ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のバーナ
    において、前記内筒部材の開口部内には保炎板が設けら
    れ、この保炎板には、前記内筒部材の略軸線方向に沿っ
    て貫通した複数の副空気噴流口が設けられていることを
    特徴とするバーナ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のバーナにおいて、前記内筒部材の内部は、小穴を介
    して燃焼空気の一部が流入可能に設けられ、この小穴の
    総開口面積をS1、前記外筒部材の主空気噴流口の総開
    口面積をS2とした時、S1/(S1+S2)は、0.3以
    下であることを特徴とするバーナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010203680A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Osaka Gas Co Ltd 燃焼装置
JP7161639B1 (ja) * 2022-04-28 2022-10-26 三菱重工パワーインダストリー株式会社 ガスバーナ、及び燃焼設備

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