JP2006057527A - 電子スロットル制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電子スロットル制御に起因する車両のショックや車両振動を低減する。
【解決手段】 アイドル信号(アイドル判定フラグ)と燃料カット信号(燃料カット判定フラグ)とに基づいてエンジン運転中にエンジントルクの作用方向が逆転したか否かを判定し、その結果、エンジントルクの作用方向が逆転したと判定したときには、所定の徐変制御期間が経過するまで目標スロットル開度の変化速度(制御周期当たりの変化量)を制限してスロットル開度を緩やかに変化させる徐変制御を実施する。このようにすれば、エンジントルクの作用方向が逆転するときに、エンジン本体がエンジンマウントの中立位置の剛性の低い部分を通過して剛性の高い部分に衝突する衝撃(衝突速度)を徐変制御により十分に緩和・低減することができ、電子スロットル制御に起因する車両のショックや車両振動を十分に低減することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 アイドル信号(アイドル判定フラグ)と燃料カット信号(燃料カット判定フラグ)とに基づいてエンジン運転中にエンジントルクの作用方向が逆転したか否かを判定し、その結果、エンジントルクの作用方向が逆転したと判定したときには、所定の徐変制御期間が経過するまで目標スロットル開度の変化速度(制御周期当たりの変化量)を制限してスロットル開度を緩やかに変化させる徐変制御を実施する。このようにすれば、エンジントルクの作用方向が逆転するときに、エンジン本体がエンジンマウントの中立位置の剛性の低い部分を通過して剛性の高い部分に衝突する衝撃(衝突速度)を徐変制御により十分に緩和・低減することができ、電子スロットル制御に起因する車両のショックや車両振動を十分に低減することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電子スロットル制御に起因する車両振動を低減する機能を備えた電子スロットル制御装置に関する発明である。
車両を加減速する際に、スロットル開度が急激に大きく変化すると、エンジントルクが急激に大きく変化し、それが車両ショックを発生させて運転者に不快感を与える。このような加減速時の車両ショックを低減するために、電子スロットルシステムを搭載した車両では、特許文献1(特開平5−55698号公報)に示すように、アクセル開度検出手段の出力信号から車両の固有振動数に相当する周波数成分を排除する、バンド・リジェクト・フィルタなどのフィルタ処理を施し、これを目標スロットル開度とすることで、車両のショックを低減することが考えられている。
また、特許文献2(特開平3−78542号公報)に示すように、アクセル開度とエンジン回転速度に基づいて要求エンジントルクを推定し、この推定トルクを車両に適合したモデルでフィルタリングして、車両ショックの発生しやすい特定周波数成分(車両の固有振動数に相当する周波数成分)を所定の減衰率で減衰させることで、該推定トルクを車両ショック低減方向に補正し、この補正トルクに基づいて算出した目標スロットル開度に応じてスロットル開度を制御することで、急加減速時の車両ショックを低減することが考えられている。
特開平5−55698号公報(第1頁〜第2頁等)
特開平3−78542号公報(第1頁〜第2頁等)
しかし、上述の特許文献1,2の技術で実施されている、車両の固有振動数に相当する周波数成分を除去するように目標スロットル開度を操作しても、十分に車両のショックあるいは振動を低減できない場合があった。この原因は、エンジンを支える支持部材の非線形性が非常に強いためである。すなわち、一般的なエンジン支持部材であるエンジンマウントは、中立位置付近において車室内にエンジン振動あるいはエンジン音を伝達させないように剛性が低く設計されており、さらにエンジントルクが発生した場合、エンジン本体の回転を止めるためのストッパの様に機能する剛性の高い部分があり、エンジンマウントの剛性は単にゴム部材の非線形特性ではなく、強い非線形特性を有する。
例えば、エンジントルクの作用方向が負から正に逆転した際には、負側のストッパに当たっていたエンジンが、内部で発生するトルクによって正側へ倒れ、正側のストッパに当たった後に車両を加速するトルクとして車両に有効に働く。エンジンマウントの中立位置の剛性の低い部分を通過する際にエンジン本体は大きな回転方向の速度を持ち、ストッパに当たる際に衝撃が発生し、これが車両の固有振動を励起していた。
すなわち、目標スロットル開度に車両の固有振動数を除去するフィルタ処理を行ったとしても、実際の加速あるいは減速時には、上記のエンジンマウントの剛性の低い領域を通過する際にエンジン本体が加速され、このエンジン本体がエンジンマウントの剛性の高い部分(ストッパ)に衝突する衝撃を緩和することはできない。このため、上述の特許文献1,2の技術では、電子スロットル制御に起因する車両振動を十分に低減することはできない。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、電子スロットル制御に起因する車両のショックや車両振動を十分に低減することができる電子スロットル制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、エンジントルクの作用方向(正・負)が逆転するときに、エンジン本体がエンジンマウントの中立位置の剛性の低い部分を通過して剛性の高い部分(ストッパ)に衝突する衝撃で車両のショックや車両振動が発生することを考慮して、エンジン運転中にエンジントルクの作用方向が逆転したか否かをトルク方向判定手段により判定し、その結果、エンジントルクの作用方向が逆転したと判定したときには、所定の徐変制御期間が経過するまで目標スロットル開度の変化速度又は前記スロットルバルブの駆動速度を制限してスロットル開度を緩やかに変化させる徐変制御を実施するようにしたものである。
このようにすれば、エンジントルクの作用方向が逆転するときに、エンジン本体がエンジンマウントの中立位置の剛性の低い部分を通過して剛性の高い部分に衝突する衝撃(衝突速度)を徐変制御により十分に緩和・低減することができ、電子スロットル制御に起因する車両のショックや車両振動を十分に低減することができる。この場合、徐変制御期間中に、エンジン本体がエンジンマウントの剛性の高い部分に突き当たった状態になるか又は接近した状態になるので、この徐変制御期間の経過後に通常のスロットル制御に戻しても、エンジン本体がエンジンマウントの剛性の高い部分に衝突する衝撃が発生しないか又は衝撃が非常に小さくなり、車両のショックや車両振動をほとんど発生させずに、エンジントルクを車両駆動系に十分に伝達して加減速することができる。
この場合、請求項2のように、徐変制御期間以外の期間に目標スロットル開度又はアクセル開度検出手段の出力信号から車両の振動を増幅させる周波数成分をフィルタ手段によって除去することが好ましい。このようにすれば、徐変制御期間以外の期間に、アクセル開度の急変によるエンジントルクの急変に起因する車両のショックや車両振動をフィルタ手段によって低減することができる。
ところで、エンジントルクの作用方向が逆転するときには、徐変制御開始直前のスロットル開度と、その後の最終的な目標スロットル開度との差が大きい場合が多いため、徐変制御開始直前のスロットル開度から最終的な目標スロットル開度に向かって徐変制御を開始すると、実スロットル開度が最終的な目標スロットル開度に到達するまでに要する時間が長くなり過ぎる懸念がある。
そこで、請求項3のように、徐変制御の開始時に目標スロットル開度を所定の初期値に設定するようにしても良い。ここで、初期値は、エンジン本体がエンジンマウントの剛性の高い部分に衝突しない範囲で最終的な目標スロットル開度に近付けたスロットル開度に設定されている。このようにすれば、徐変制御の開始時に、エンジン本体がエンジンマウントの剛性の高い部分に衝突に衝突しない範囲で実スロットル開度を最終的な目標スロットル開度に近付けた上で、徐変制御を開始することができて、実スロットル開度が最終的な目標スロットル開度に到達するまでに要する時間を短くすることができ、スロットル制御の応答性を確保できる。
尚、トルク方向判定手段は、エンジン運転状態からエンジントルクを推定してエンジントルクの作用方向を判定したり、あるいは、アクセル開度の挙動からエンジントルクの作用方向を判定するようにしても良いが、請求項4のように、アイドル信号と燃料カット信号とに基づいてエンジントルクの作用方向が逆転したか否かを判定するようにしても良い。エンジントルクの作用方向が逆転する時期は、例えば、(1) エンジンブレーキが発生する減速時燃料カットの開始時、(2) 減速時燃料カット中に運転者がアクセルペダルを踏み込んで加速する時、(3) アクセル開度が全閉されてアイドル運転に移行する時、(4) アイドル運転中に運転者がアクセルペダルを踏み込んで加速する時などがある。従って、アイドル信号と燃料カット信号とを用いれば、エンジントルクの作用方向が逆転したか否かを簡単且つ精度良く判定することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、DCモータ等のスロットルモータ28(スロットル駆動手段)によって開度調節されるスロットルバルブ15と、このスロットルバルブ15の開度(以下「スロットル開度」という)を検出するスロットル開度センサ16と、スロットルバルブ15が全閉したときにON作動するアイドルスイッチ31が設けられている。このアイドルスイッチ31のONとOFFに応じて後述するアイドル判定フラグ(アイドル信号)が“1”と“0”との間で切り換えられる。
更に、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管22には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒23が設けられ、この触媒23の上流側に、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ25や、エンジン11のクランク軸が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ26が取り付けられている。このクランク角センサ26の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。更に、アクセルセンサ29(アクセル開度検出手段)によってアクセル開度が検出され、車速センサ30によって車速が検出される。
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)27に入力される。このECU27は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御ルーチンを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁20の燃料噴射量や点火プラグ21の点火時期を制御する。
また、ECU27、スロットルバルブ15、スロットルモータ28、スロットル開度センサ16、アクセルセンサ29等からスロットル制御システムが構成されている。そして、ECU27は、アクセルセンサ29で検出したアクセル開度に基づいて目標スロットル開度を演算すると共に、スロットル開度センサ16で実スロットル開度を検出し、この実スロットル開度を目標スロットル開度に一致させるようにスロットルモータ28をフィードバック制御してスロットルバルブ15を目標スロットル開度まで駆動する。この機能が特許請求の範囲でいうスロットル制御手段としての役割を果たす。
更に、エンジントルクの作用方向(正・負)が逆転するときに、エンジン11の本体(シリンダブロック)がエンジンマウントの中立位置の剛性の低い部分を通過して剛性の高い部分(ストッパ)に衝突する衝撃で車両のショックや車両振動が発生することを考慮して、ECU27は、エンジン運転中にエンジントルクの作用方向が逆転したか否かを判定し、その結果、エンジントルクの作用方向が逆転したと判定したときには、所定の徐変制御期間が経過するまで目標スロットル開度の変化速度(制御周期当たりの変化量)を制限してスロットル開度を緩やかに変化させる徐変制御を実施するようにしている(図2参照)。
この場合、エンジントルクの作用方向が逆転するときには、徐変制御開始直前のスロットル開度と、その後の最終的な目標スロットル開度との差が大きい場合が多いため、徐変制御開始直前のスロットル開度から最終的な目標スロットル開度に向かって徐変制御を開始すると、実スロットル開度が最終的な目標スロットル開度に到達するまでに要する時間が長くなり過ぎる懸念がある。
そこで、本実施例では、図2に示すように、徐変制御開始時に目標スロットル開度を所定の初期値に設定するようにしている。ここで、初期値は、エンジン11の本体がエンジンマウントの剛性の高い部分に衝突しない範囲で最終的な目標スロットル開度に近付いたスロットル開度に設定されている。このようにすれば、徐変制御開始時に、エンジン11の本体がエンジンマウントの剛性の高い部分に衝突しない範囲で実スロットル開度を最終的な目標スロットル開度に近付けた上で、徐変制御を開始することができて、実スロットル開度が最終的な目標スロットル開度に到達するまでに要する時間を短くすることができる。
また、本実施例では、アイドル信号(アイドル判定フラグ)と燃料カット信号(燃料カットフラグ)とに基づいてエンジントルクの作用方向が逆転したか否かを判定するようにしている。エンジントルクの作用方向が逆転する時期は、例えば、(1) エンジンブレーキが発生する減速時燃料カットの開始時、(2) 減速時燃料カット中に運転者がアクセルペダルを踏み込んで加速する時、(3) アクセル開度が全閉されてアイドル運転に移行する時、(4) アイドル運転中に運転者がアクセルペダルを踏み込んで加速する時などがある。従って、アイドル信号(アイドル判定フラグ)と燃料カット信号(燃料カットフラグ)とを用いれば、エンジントルクの作用方向が逆転したか否かを簡単且つ精度良く判定することができる。
以上説明したスロットル制御は、図3及び図4のルーチンによって実行される。以下、これら各ルーチンの処理内容を説明する。
図3の加速側目標スロットル開度設定ルーチンは、ECU27によってエンジン運転中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、アクセルセンサ29の出力信号からアクセル開度を検出し、次のステップ102で、アクセル開度に基づいて目標スロットル開度を演算する。
図3の加速側目標スロットル開度設定ルーチンは、ECU27によってエンジン運転中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、アクセルセンサ29の出力信号からアクセル開度を検出し、次のステップ102で、アクセル開度に基づいて目標スロットル開度を演算する。
この後、ステップ103に進み、アイドル判定フラグが1→0に切り換わった後(アイドル運転が解除された後)、所定の徐変制御時間TON以内であるか否かを判定し、アイドル運転解除後の徐変制御時間TON以内と判定されれば、ステップ104に進み、燃料カット判定フラグが1→0に切り換わった後(燃料カット復帰後)、所定の徐変制御時間TON以内であるか否かを判定する。
このステップ104で、燃料カット復帰後の徐変制御時間内TON以内と判定された場合は、エンジントルクが発生するまでに時間がかかると予想されるため、ステップ105に進み、徐変制御時間TONのタイマ設定値を長めの時間T1に再設定する(TON=T1)。この後、ステップ106に進み、目標スロットル開度の変化量に対して、燃料カット復帰時に車両の加速ショックを少なくなるように適合された所定の変化量ガード処理1を実施した後、ステップ107に進み、エンストあるいはオーバラン等を防止するために上記目標スロットル開度に対して所定の上下限ガード処理1を施すことで最終的な目標スロットル開度を設定する。
一方、ステップ103で「Yes」かつステップ104で「No」と判定された場合、つまり、アイドル運転解除後の徐変制御時間TON以内で、かつ燃料カットからの復帰でない場合は、エンジントルクの発生までの時間が短いと予想されるため、所定時間TONのタイマ設定値を短めの時間T2に再設定する(TON=T2)。この後、ステップ109に進み、目標スロットル開度の変化量に対して、車両の加速ショックを少なくなるように適合された所定の変化量ガード処理2を実施した後、ステップ110に進み、エンストあるいはオーバラン等を防止するために上記目標スロットル開度に対して所定の上下限ガード処理1を施すことで最終的な目標スロットル開度を設定する。
また、ステップ103で「No」と判定された場合(アイドル運転解除から徐変制御時間TONを越えている場合)は、エンジン11の本体がエンジンマウントの加速側の剛性の高い部分(ストッパ)に突き当たっていると推定できるため、車両の振動を発生させないように、なるべく速やかに加速する必要がある。この場合は、ステップ111に進み、目標スロットル開度から車両の固有振動数に相当する周波数成分のみを排除するバンドエリミネートフィルタ処理を実施した後、ステップ112に進み、エンストあるいはオーバラン等を防止するために上記目標スロットル開度に対して所定の上下限ガード処理3を施すことで最終的な目標スロットル開度を設定する。
図4の減速側目標スロットル開度設定ルーチンは、ECU27によってエンジン運転中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ201で、アクセルセンサ29の出力信号からアクセル開度を検出し、次のステップ202で、アクセル開度に基づいて目標スロットル開度を演算する。
この後、ステップ203に進み、アイドル判定フラグが0→1に切り換わった後(アイドル運転が開始された後)、所定の徐変制御時間TOFF以内であるか否かを判定し、アイドル運転開始後の徐変制御時間TOFF以内と判定されれば、ステップ204に進み、燃料カット判定フラグが0→1に切り換わった後(燃料カット開始後)、所定の徐変制御時間TOFF以内であるか否かを判定する。燃料カット開始後の徐変制御時間TOFF以内であれば、ステップ205に進み、アイドル判定フラグが0→1に切り換わるタイミングであるか否かでアイドル運転開始タイミング(徐変制御開始タイミング)であるか否かを判定し、アイドル運転開始タイミングであれば、ステップ206に進み、目標スロットル開度を徐変制御開始時の初期値θ1に設定して、ステップ207に進む。
この徐変制御開始時の初期値θ1は、エンジン11の本体がエンジンマウントの剛性の高い部分に衝突しない範囲で最終的な目標スロットル開度に近付けたスロットル開度に設定されている。この初期値θ1は、演算処理の簡略化のために予め設定した固定値としても良いが、エンジントルクやエンジン回転速度等に応じてマップ又は数式等により初期値θ1を算出するようにしても良い。
上記ステップ205で、アイドル判定フラグが0→1に切り換わるタイミングでないと判定されれば、ステップ206を飛び越して、ステップ207に進む。初期値θ1を設定済みであるためである。
このステップ207では、徐変制御時間TOFFのタイマ設定値を長めの時間T4に再設定する(TON=T4)。燃料カット開始後の徐変制御時間TOFF以内の場合は、エンジントルクが減少するまでに時間がかかると予想されるためである。
この後、ステップ208に進み、目標スロットル開度の変化量に対して、燃料カット開始時に車両の減速ショックを少なくなるように適合された所定の変化量ガード処理4を実施した後、ステップ209に進み、エンストあるいはオーバラン等を防止するために上記目標スロットル開度に対して所定の上下限ガード処理4を施すことで最終的な目標スロットル開度を設定する。
一方、ステップ203で「Yes」かつステップ204で「No」と判定された場合、つまり、アイドル運転開始後の徐変制御時間TOFF以内で、かつ燃料カットが行われていない場合は、ステップ210に進み、アイドル判定フラグが0→1に切り換わるタイミングであるか否かでアイドル運転開始タイミング(徐変制御開始タイミング)であるか否かを判定し、アイドル運転開始タイミングであれば、ステップ211に進み、目標スロットル開度を徐変制御開始時の初期値θ2に設定して、ステップ212に進む。
この徐変制御開始時の初期値θ2は、エンジン11の本体がエンジンマウントの剛性の高い部分に衝突しない範囲で最終的な目標スロットル開度に近付けたスロットル開度に設定されている。この初期値θ2は、演算処理の簡略化のために予め設定した固定値としても良いが、エンジントルクやエンジン回転速度等に応じてマップ又は数式等により初期値θ2を算出するようにしても良い。
上記ステップ210で、アイドル判定フラグが0→1に切り換わるタイミングでないと判定されれば、ステップ211を飛び越して、ステップ212に進む。初期値θ2を設定済みであるためである。
このステップ212では、徐変制御時間TOFFのタイマ設定値を短めの時間T5に再設定する(TON=T5)。燃料カットが行われていない場合は、エンジントルクが発生するまでの時間が短いと予想されるためである。
この後、ステップ213に進み、目標スロットル開度の変化量に対して、燃料カット開始時に車両の減速ショックを少なくなるように適合された所定の変化量ガード処理5を実施した後、ステップ214に進み、エンストあるいはオーバラン等を防止するために上記目標スロットル開度に対して所定の上下限ガード処理5を施すことで最終的な目標スロットル開度を設定する。
また、ステップ203で「No」と判定された場合(アイドル運転開始から徐変制御時間TOFFを越えている場合)は、エンジン11の本体がエンジンマウントの減速側の剛性の高い部分(ストッパ)に突き当たっていると推定できるため、車両の振動を発生させないように、なるべく速やかに減速する必要がある。この場合は、ステップ215に進み、目標スロットル開度から車両の固有振動数に相当する周波数成分のみを排除するバンドエリミネートフィルタ処理を実施した後、ステップ216に進み、エンストあるいはオーバラン等を防止するために上記目標スロットル開度に対して所定の上下限ガード処理3を施すことで最終的な目標スロットル開度を設定する。
尚、図3及び図4の各ルーチンにおいて、ステップ103〜104とステップ203〜204の処理が特許請求の範囲でいうトルク方向判定手段としての役割を果たし、ステップ111とステップ215の処理が特許請求の範囲でいうフィルタ手段としての役割を果たす。
以上説明した本実施例のスロットル制御の一例を図2のタイムチャートを用いて説明する。図2の例では、減速走行中に、時刻t1 で、アクセル開度が全閉となってアイドル判定フラグが“0”から“1”に切り換わることで、燃料カット実行条件が成立して、燃料カット判定フラグが“0”から“1”に切り換わり、燃料カットが開始される。その後、時刻t3 で、運転者がアクセルペダルを踏み込んで、アイドル判定フラグが“1”から“0”に切り換わることで、燃料カット実行条件が不成立となって、燃料カット判定フラグが“1”から“0”に切り換わり、燃料カットから復帰し、燃料噴射が再開される。
減速走行中に、時刻t1 で、アイドル判定フラグが“0”から“1”に切り換わり、かつ燃料カット判定フラグが“0”から“1”に切り換わることで、燃料カットが開始されると同時に、徐変制御が開始される。この徐変制御では、まず、目標スロットル開度を初期値に設定して、この初期値から最終的な目標スロットル開度(全閉位置)に向けて目標スロットル開度を緩やかに変化させる徐変制御を実施する。
この徐変制御を所定時間TOFFだけ実行した時点t2 で、徐変制御を終了し、通常のスロットル制御に復帰する。この通常のスロットル制御では、アクセルセンサ29で検出したアクセル開度に基づいて演算された目標スロットル開度から車両の固有振動数に相当する周波数成分のみを排除するバンドエリミネートフィルタ処理を実施する。
この後、時刻t3 で、アイドル判定フラグが“1”から“0”に切り換わり、かつ燃料カット判定フラグが“1”から“0”に切り換わることで、燃料カットから復帰すると同時に、徐変制御が開始される。この徐変制御では、燃料カット復帰時t3 から所定時間TONが経過するまで、目標スロットル開度の変化量(変化速度)を制限して目標スロットル開度を緩やかに変化させる徐変制御を実施する。
そして、燃料カット復帰時t3 から所定時間TONが経過した時点t4 で、徐変制御を終了し、通常のスロットル制御に復帰する。この通常のスロットル制御では、アクセルセンサ29で検出したアクセル開度に基づいて演算された目標スロットル開度から車両の固有振動数に相当する周波数成分のみを排除するバンドエリミネートフィルタ処理を実施する。
以上説明した本実施例によれば、エンジン運転中にエンジントルクの作用方向が逆転したか否かを判定し、その結果、エンジントルクの作用方向が逆転したと判定したときには、所定の徐変制御期間が経過するまで目標スロットル開度の変化速度(制御周期当たりの変化量)を制限してスロットル開度を緩やかに変化させる徐変制御を実施するようにしたので、エンジントルクの作用方向が逆転するときに、エンジン11の本体がエンジンマウントの中立位置の剛性の低い部分を通過して剛性の高い部分に衝突する衝撃(衝突速度)を徐変制御により十分に緩和・低減することができ、電子スロットル制御に起因する車両のショックや車両振動を十分に低減することができる。
この場合、徐変制御期間中に、エンジン11の本体がエンジンマウントの剛性の高い部分に突き当たった状態になるか又は接近した状態になるので、この徐変制御期間の経過後に通常のスロットル制御に戻しても、エンジン11の本体がエンジンマウントの剛性の高い部分に衝突する衝撃が発生しないか又は衝撃が非常に小さくなり、車両のショックや車両振動をほとんど発生させずに、エンジントルクを車両駆動系に十分に伝達して加減速することができる。
しかも、本実施例では、燃料カット開始時に目標スロットル開度を所定の初期値に設定してから徐変制御を開始するようにしたので、エンジン11の本体がエンジンマウントの剛性の高い部分に衝突に衝突しない範囲で実スロットル開度を最終的な目標スロットル開度に近付けた上で、徐変制御を開始することができて、実スロットル開度が最終的な目標スロットル開度に到達するまでに要する時間を短くすることができ、スロットル制御の応答性を確保できる。
また、本実施例では、徐変制御から通常のスロットル制御に復帰した後は、アクセルセンサ29で検出したアクセル開度に基づいて演算された目標スロットル開度から車両の固有振動数に相当する周波数成分を排除するバンドエリミネートフィルタ処理を実施するようにしたので、通常のスロットル制御においても、アクセル開度の急変によるエンジントルクの急変に起因する車両のショックや車両振動を低減することができる。
尚、通常のスロットル制御中に、アクセルセンサ29の出力信号から車両の固有振動数に相当する周波数成分を排除するバンドエリミネートフィルタ処理を実施して、その出力信号に基づいて目標スロットル開度を演算するようにしても良く、この場合は、目標スロットル開度をバンドエリミネートフィルタ処理しなくても、本実施例と同様の効果を得ることができる。
また、本実施例では、アイドル信号(アイドル判定フラグ)と燃料カット信号(燃料カット判定フラグ)とに基づいてエンジントルクの作用方向が逆転したか否かを判定するようにしたので、エンジントルクの作用方向が逆転したか否かを簡単且つ精度良く判定することができる。
但し、本発明は、エンジン運転状態からエンジントルクを推定してエンジントルクの作用方向を判定したり、あるいは、アクセル開度の挙動からエンジントルクの作用方向を判定するようにしても良い。エンジントルクの推定方法は、例えば、スロットル開度とエンジン回転速度からエンジントルクを推定したり、吸気管圧力とエンジン回転速度からエンジントルクを推定したり、あるいは、吸入空気量とエンジン回転速度からエンジントルクを推定するようにしても良い。
尚、本実施例では、徐変制御期間中に目標スロットル開度の変化速度(制御周期当たりの変化量)を制限するようにしたが、徐変制御期間中に目標スロットル開度の変化速度の代わりに、スロットルモータ28の制御量の変化速度(制御周期当たりの変化量)を制限するようにしても良い。
また、本実施例では、減速時の燃料カット開始時と燃料カット復帰時の両方で徐変制御を実施するようにしたが、いずれか一方についてのみ徐変制御を実施するようにしても良い。
11…エンジン、12…吸気管、14…エアフローメータ、15…スロットルバルブ、16…スロットル開度センサ、18…吸気管圧力センサ、20…燃料噴射弁、21…点火プラグ、22…排気管、27…ECU(スロットル制御手段,トルク方向判定手段,フィルタ手段)、28…スロットルモータ(スロットル駆動手段)、29…アクセルセンサ(アクセル開度検出手段)、31…アイドルスイッチ
Claims (4)
- スロットルバルブを駆動するスロットル駆動手段と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、前記スロットルバルブの開度(以下「スロットル開度」という)を前記アクセル開度検出手段の出力信号に応じて設定した目標スロットル開度に一致させるように前記スロットル駆動手段を制御するスロットル制御手段とを備えた電子スロットル制御装置において、
エンジン運転中にエンジントルクの作用方向が逆転したか否かを判定するトルク方向判定手段を備え、
前記スロットル制御手段は、前記トルク方向判定手段でエンジントルクの作用方向が逆転したと判定されたときに、所定の徐変制御期間が経過するまで前記目標スロットル開度の変化速度又は前記スロットルバルブの駆動速度を制限してスロットル開度を緩やかに変化させる徐変制御を実施することを特徴とする電子スロットル制御装置。 - 前記徐変制御期間以外の期間に前記目標スロットル開度又は前記アクセル開度検出手段の出力信号から車両の振動を増幅させる周波数成分を除去するフィルタ手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電子スロットル制御装置。
- 前記スロットル制御手段は、前記徐変制御の開始時に前記目標スロットル開度を所定の初期値に設定することをことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子スロットル制御装置。
- 前記トルク方向判定手段は、アイドル信号と燃料カット信号とに基づいてエンジントルクの作用方向が逆転したか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子スロットル制御装置。
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