JP2006056524A - 袋入り流動食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】スープやカレーなどの風味を決定づけている種々の調味料や香辛料の微妙な味や香気を失わせることなく、従って店で食べるのと同様な風味を味わうことができる袋入り食品を提供する。
【解決手段】周囲2を密閉された袋1内を互いに密閉された複数室4、5に区画するシール部3を備え、袋周囲2の密閉を開放することなく当該シール部3を開放可能にした当該袋の一室5に油とスパイスとの混合物12が封入され、他室4にスープその他の流動食主体11が封入されていることを特徴とする。油にスパイスを溶け込ませたものは、水や空気と化合して変質することが無く、また熱を加えても香気を失うことがない。この発明により、微妙な風味が決め手となるスープやカレーなどの袋入りレトルト食品に、店で食べるのと同様な風味を持たせることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】周囲2を密閉された袋1内を互いに密閉された複数室4、5に区画するシール部3を備え、袋周囲2の密閉を開放することなく当該シール部3を開放可能にした当該袋の一室5に油とスパイスとの混合物12が封入され、他室4にスープその他の流動食主体11が封入されていることを特徴とする。油にスパイスを溶け込ませたものは、水や空気と化合して変質することが無く、また熱を加えても香気を失うことがない。この発明により、微妙な風味が決め手となるスープやカレーなどの袋入りレトルト食品に、店で食べるのと同様な風味を持たせることができる。
【選択図】 図2
Description
この発明は、密閉袋入りのスープやカレーなどの液状ないし流動状の食品に関するもので、特に当該食品に添加する各種香辛料の風味の維持を可能にする技術に関するものである。
レトルト食品の一つとして、スープやカレーを密閉袋に収容したものが提供されている。これらのレトルト食品は、袋に入れたまま加熱したあと、袋を開放して内容物を皿などに移して食べる。
一方、複数種の食品などの収納袋として、合成樹脂フィルムや金属箔などの可撓性フィルムで製作された密閉袋をシール部によって複数の収容室に区画し、袋を開放することなくシール部のみを開放して各収容室の内容物を混合したあと、袋を開放して混合された内容物を取出すようにした密閉袋がある。
袋を複数の室に区画するためのシール部としては、幾種類かのものが提案されており、例えば特許文献1は、袋の中央部を外側から挟む仮止部材でシール部を形成しており、特許文献2では、袋の周縁部よりも弱い接着力のヒートシール部としている。また特許文献3のものは、袋の内面に一体化されて雄雌嵌合するチャックでシール部を形成している。
シール部で区画された2つの室に粉末香辛料と水とを収容し、使用する直前にシール部を開放して粉末香辛料を水に溶かすことにより、香辛料の香気を保つようにすることが、特許文献4及び5で提案されている。
特開昭55‐5372号公報
特開平4‐57766号公報
特開平9‐169366号公報
実公昭59‐2686号公報
実開昭61‐175161号公報
前述したスープやカレーなどの食品には、各種の調味料や香辛料が使用されており、この調味料や香辛料の種類や微妙な組合せが味や香味の決め手となっている。しかし調味料や香辛料のなかには、食品に混合された状態で長くおかれたり、水に溶けた状態で加熱されると味や香気を失うものがある。そのような種類の調味料や香辛料を用いた食品は、本来の味や香気を失ってしまうので、レトルト食品として販売することができなかった。
粉末香辛料と水とを別々に収納して使用する直前に混合するものは、香味を失うのをある程度防止できるが、加熱してから粉末香辛料を水に溶かす作業は実際上困難なので、加熱により香味を失う香辛料には利用できない問題があった。更に粉末にすると香味が落ちる香辛料も少なくなく、そのような香辛料には上記の従来方法では対応できない問題がある。
この発明は、スープやカレーなどの風味を決定づけている種々の調味料や香辛料の微妙な味や香気を失わせることなく、従って店で食べるのと同様な風味を味わうことができるレトルト食品を提供する技術手段を得ることを課題としている。
この発明は、周囲2を密閉された袋1内を互いに密閉された複数室4、5に区画するシール部3を備え、袋周囲2の密閉を開放することなく当該シール部3を開放可能にした当該袋の一室5に油とスパイスとの混合物12が封入され、他室4にスープその他の流動食主体11が封入されていることを特徴とする袋入り流動食品を提供することにより、上記課題を解決したものである。
本願の請求項2の発明は、上記手段を備えた袋入り流動食品における油とスパイスの混合物12に、流動食主体11に添加された調味料と異なる種類の調味料が添加されていることを特徴とするものである。
また本願の請求項3の発明は、上記袋入り流動食品における流動食主体11がスープカレーであることを特徴とするものである。
油にスパイスを溶け込ませたものは、水や空気と化合して変質することがなく、また熱を加えても香気を失うことがなく、かえって油に香り等がしみでて、食べるとき丁度よく香りがたつ。従ってこの発明により、微妙な風味が決め手となるスープやカレーなどの袋入りレトルト食品に、店で食べるのと同様な風味を持たせることができる。
この発明は、スープやカレーだけではなく、おかゆ、トムヤム、リゾット、ブイヤペース、スープパスタ等、スパイスが効いているのが重要な食品であって、食べるときに加熱される食品すべてに有効である。
図1ないし図3は、本発明の一実施形態を示す図で、図1は外観を示す斜視図、図2は模式的な断面図、図3はシール部の拡大断面図である。図中、1は2枚の可撓性フィルム6 の周囲2をヒートシールした密閉袋(パウチ)、3は密閉袋1の収納部を2室に区画しているシール部、4、5はシール部3で区画された大小の収納室である。可撓性フィルム6は、複数の合成樹脂フィルム又は金属箔と合成樹脂フィルムとの積層(ラミネート)フィルムで、最内層は熱シールできるシーラント層となっており、密閉袋の周囲2は、ヒートシールにより密封されている。
図の密閉袋のシール部3は、突条3aと凹溝3bとの嵌合によるチャック構造のものである。密閉袋1は、このシール部3によって大小2つの室4、5に区画され、突条3aを外側から圧迫して凹溝3bに嵌合することにより、シール部3が閉鎖されて室4と5とがそれぞれ密閉され、両側の可撓性フィルムを引き離すような力を加えることにより、突条3aが凹溝3bから離脱してシール部3が開放される。密閉袋1自体の開放は、その一辺を切除するか引き裂くことにより行われる。
大室4は、スープやカレー等の主となる食品11の収納部であり、小室5は、香辛料12の収納部である。香辛料12は、複数種を油で練りないし溶かした状態で収納される。スープやカレーには他種類の調味料や香辛料を使用するが、そのうち予め混ぜても風味に変化を来さないものは、スープやカレーに混ぜて大室4に収納し、水分が加わったり加熱したときに風味が変化するものは、油に混ぜて小室5に収納する。
大室4に封入するスープ11は、例えばとりがら、とんこつ等のスープ、更に香辛料であるカレーを加えたスープカレーに、スパイス(例えばしようが、ニンニク、ハープその他)と調味料(だし入りのづゆ、ナンプラー、塩、等)を混ぜて熱を加えたものである。
小室5に封入するスパイス12は、カルダモン、クミン、クローブ、シナモン、コリアンダー、ショウガ、ニンニク、フェンネル、ガラムマサラ、ターメリック、カイエンペパー、プラッ夕べパー、ハープ系全般バジル、タラゴン、フェンネグリーク、漢方系の高麗人参、甘草など、多種多様であり、適宜選択したものを組み合わせて用いる。
このスパイス12に混ぜる油は、ヘルシーな植物油、豚のラード、調味油など、スープやカレーの種類に適したものを、必要により複数種混ぜて使用する。
スパイスをこれらの油に混ぜ、更に適宜調味料も混ぜて十分撹拌したものを小室5に封入する。種類により、封入前に少し熱を加える場合もある。
次に、密閉袋1へのスープ11及びスパイス12の封入手順を説明する。大室4側の3辺をヒートシールした密閉袋1の小室5側の開放辺2aから、大室4にカレーやスープ等の内容物11を注入した後、シール部3を閉鎖し、更に上記開放辺2aから小室5に油と混合したスパイス12を注入し、最後に、開放辺2aをヒートシールする。
次に、スープとスパイスを封入したこの発明の密閉袋1の使用手順について説明する。 まず、内容物を密閉袋に入れたまま加熱し、適当に加熱したところでシール部3の近傍で両側の可撓性フィルム6を摘まんで引き離す方向の力を加える。するとシール部の突条3aが凹溝3bから離脱してシール部3が開放され、大室4と小室5とが一室になる。油で溶いたスパイス12とスープ11とは、共に液体ないし液状なので、袋を軽く揉むだけで容易に混ざり合う。そこで、両者を適当に混ぜ合わせたところで密閉袋1の一辺を切除するか引き裂いてい、内容物を皿に流し出す。
大室4のスープ11と小室5の油に溶いたスパイス12とが食べる直前に一緒になって温めることにより、風味が逃げないで(とばないで)より強い香りの状態で、美味しく食べることができる。また袋入り状態での保存や加熱による風味の変化が防止できるので、微妙な風味を維持できる。
1 密閉袋
2 密閉袋の周囲
3 シール部
4 大室
5 小室
11 スープ
12 油とスパイスとの混合物
2 密閉袋の周囲
3 シール部
4 大室
5 小室
11 スープ
12 油とスパイスとの混合物
Claims (3)
- 周囲(2)を密閉された袋(1)内を互いに密閉された複数室(4,5)に区画するシール部(3)を備え、袋周囲の密閉を開放することなく当該シール部を開放可能にした当該袋の一室(5)に油とスパイスとの混合物(12)が封入され、他室にスープその他の流動食主体(11)が封入されている、袋入り流動食品。
- 油とスパイスの混合物に、流動食主体に添加された調味料と異なる種類の調味料が添加されている、請求項1記載の袋入り流動食品。
- 流動食主体がスープカレーである、請求項1又は2記載の袋入り流動食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004237588A JP2006056524A (ja) | 2004-08-17 | 2004-08-17 | 袋入り流動食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004237588A JP2006056524A (ja) | 2004-08-17 | 2004-08-17 | 袋入り流動食品 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007006364U Continuation JP3137138U (ja) | 2007-08-17 | 2007-08-17 | 袋入り流動食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006056524A true JP2006056524A (ja) | 2006-03-02 |
Family
ID=36104329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004237588A Pending JP2006056524A (ja) | 2004-08-17 | 2004-08-17 | 袋入り流動食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006056524A (ja) |
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2004
- 2004-08-17 JP JP2004237588A patent/JP2006056524A/ja active Pending
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