JP2006056230A - 包装用ラミネートフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】包装用ラミネートフィルムにおいて、構成しているプラスチックフィルムを厚くすることや、構成する枚数を増やす等して突刺強度等を増強することなく、突刺によるピンホールの低減を図る。
【解決手段】包装用ラミネートフィルム6にシーラント層7側から異物が押し付けられてシーラント層7、第一のプラスチックフィルム9が破断すると、第一のプラスチックフィルム9は圧縮方向と異なる方向に広がり、第二のプラスチックフィルム11にせん断力を加えようとする。しかし、第二の接着剤層10が破壊されるため、第二のプラスチックフィルム11にはせん断力が伝わらず破断しない。従って、第二の接着剤層10(低せん断強度の貼り合わせ部)を挟んで異物の反対側には破断が生じないため、貫通ピンホールの発生を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、落花生等の硬質で突起を有する食品や、砂利等の硬質の工業製品を包装するに際して、突刺によるピンホールが発生しにくい包装用ラミネートフィルムに関するものである。
近年、地球環境問題の一つである資源枯渇問題の対策として、省資源化の動きが活発化している。
従来、包装用材料は、その耐ピンホール性を、包装材料を構成しているプラスチックフィルムを厚くすることや、構成する枚数を増やす等して、突刺強度等を増強することにより確保されてきた。しかし、この方法では、包装材料が厚くなってしまい資源を大量に使用するばかりか、コストがかさむという問題があった。
そこで、プラスチックフィルムを増強することなく、耐ピンホール性を確保する試みがなされてきた。例えば、ラミネート層に剥離強度が小さい層を設け、ラミネート部分を剥離させる試みがなされてきた。これにより、フィルムの破断が剥離部分で止まり貫通ピンホールの発生が抑制されてきた。(例えば特許文献1参照)
図5は、特許文献1に記載の従来のラミネートフィルムの断面を示すものである。
図5に示すように、従来のラミネートフィルムは、基材1と、耐衝撃性樹脂層2と、接着剤層3と、シーラント層4と、印刷インキ層5とから構成されている。従来のラミネートフィルムは、印刷インキ層5を設けることにより、基材1とシーラント層4の剥離強度が小さくなっている。
上記従来のラミネートフィルムを用いて作製した袋は、氷等を内包し落下等により外部から衝撃が加わり基材1が破断しても、印刷インキ層5が破壊され破断が止まることでシーラント層5が破断しないことにより貫通ピンホールの発生を防ぐものである。
特開2003−340972号公報
しかしながら、上記従来の構成では、剥離強度が小さいというフィルムのラミネート方向に垂直な特性を利用している。従って以下に示す理由により十分な耐ピンホール性が得られない。
ラミネートフィルムに貫通ピンホールが生じる要因は、破断が生じたフィルムが貼り合わせ部を介して隣接するフィルムに引き伸ばす力、つまりせん断力を加えることにより破断が伝播することによる。また、フィルムを引き伸ばす力はラミネート方向と平行に加えられる。
従って、フィルムの剥離強度が小さくても破断が生じたフィルムが隣接するフィルムに加える力は必ずしも減少せず、被包装物によっては十分な耐ピンホール性が得られるというものではない。特に、被包装物が砂等の様に微細である場合や落花生等の硬質・鋭利な物を真空包装する場合には容易にピンホールが生じるという課題を有していた。
本発明では、被包装物が鋭利な場合や真空包装の様に過酷な包装条件においても、十分な耐ピンホール性を有する包装用ラミネートフィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成ずるために、本発明の包装用ラミネートフィルムは、プラスチックフィルム同士の貼り合わせ部またはプラスチックフィルム内部を低せん断強度として、プラスチックフィルムのいずれかに破断が生じても、貼り合わせ部またはプラスチックフィルム内部で破断の伝播が止まるようにしたものである。
これによって、鋭い異物が押し付けられフィルムが圧縮され、圧縮と異なる方向に伸びて隣接するフィルムに及ぼすせん断力が軽減される。
つまり、圧縮され、圧縮と異なる方向に伸びたフィルムは貼り合わせ部にせん断力を加え、貼り合わせ部は、加えられたせん断力と同じ大きさのせん断力を隣接しているフィルムに加える。ところが、貼り合わせ部が破断した時点でせん断力は緩和され働かなくなる。従って、隣接フィルムが破断するせん断力より小さいせん断力で貼り合わせ部が破壊された場合は隣接するフィルムが破断しないため破断の伝播が止まる。
従って、低せん断強度部分で破断の伝播が止まり耐ピンホール性を確保することができる。低せん断強度部分は、貼り合わせ部であってもフィルム内部であっても同様の効果が得られる。
本発明の包装用ラミネートフィルムは、低せん断強度部分が破壊されることにより破断の伝播が止まるため、被包装物が鋭い場合や真空包装の様に厳しい包装条件であっても耐ピンホール性を得ることができる。
請求項1に記載の包装用ラミネートフィルムの発明は、少なくとも2枚以上のプラスチックフィルムと前記プラスチックフィルム同士の貼り合わせ部からなり、前記プラスチックフィルムのいずれかに破断が生じても、前記貼り合わせ部またはプラスチックフィルム内部で破断の伝播が止まるものであり、破断が生じても、破断が伝播しないため少なくとも1枚以上のプラスチックフィルムには破断が生じない。従って、ラミネートフィルムに貫通孔は生じず優れた耐ピンホール性を得ることができる。
請求項2に記載の包装用ラミネートフィルムの発明は、請求項1に記載の発明におけるラミネート構成中で、貼り合わせ部を挟む2枚のプラスチックフィルムのせん断強度の最も小さい値が500N/cm2以下であるものである。
ラミネートフィルムに突刺力が加えられると、ラミネートフィルムを構成するプラスチックフィルムのうち、突刺力の作用点に最も近いプラスチックは大きく圧縮される。圧縮されたプラスチックフィルムは、ラミネートの方向に押し広げられて破断する。
押し広げられて破断したフィルムは、低せん断強度層または低せん断強度界面を通して隣接しているフィルムに引きずる力、つまりせん断力を加えようとするが、低せん断強度層または低せん断強度界面は、このせん断力で破壊されるため、低せん断強度層または低せん断強度界面を介してラミネートされているプラスチックフィルムにせん断力は伝わらない。従って、ラミネートフィルムに貫通孔は生じず優れた耐ピンホール性を得ることができる。
請求項3に記載の包装用ラミネートフィルムの発明は、請求項1または2に記載の発明におけるラミネート構成中で、最もせん断強度が小さい2枚のフィルムの貼り合わせ部が、接着剤であるものであり、適切な接着剤を選定することにより、せん断強度を制御でき優れた耐ピンホール性を得ることができる。また、プラスチックフィルムの特性と独立に制御できるため、プラスチックフィルムによって必要な性質を得ることが妨げられず、多くの用途に適用することができる。
請求項4に記載の包装用ラミネートフィルムの発明は、請求項1または2に記載の発明におけるラミネート構成中で、最もせん断強度が小さい2枚のフィルムの貼り合わせ部が、接着剤とプラスチックフィルムを基材とした蒸着層であるものであり、特殊な接着剤を用いなくても小さいせん断強度を得ることができ、優れた耐ピンホール性を得ることができる。また、蒸着層を有しているため、ガスバリア性が要求される用途に適用することが可能である。
請求項5に記載の包装用ラミネートフィルムの発明は、請求項1または2に記載の発明におけるラミネート構成中で、最もせん断強度が小さい2枚のフィルムの貼り合わせ部が、共押し出しによるラミネート部であるものであり、接着剤を使用していないため、低コストで優れた耐ピンホール性を有するラミネートフィルムを得ることができる。
請求項6に記載の包装用ラミネートフィルムの発明は、請求項1に記載の発明において、せん断強度が500N/cm2以下であるフィルムを有するものであり、フィルムが低せん断強度の性質を有するため、特殊なラミネート工程が不要であり低コストで優れた耐ピンホール性を得ることができる。
本発明において、層とはラミネートフィルム、接着剤の様に厚みを有するもの。界面とは、フィルムとフィルムの境界の様に厚みを有さないものである。
また、共押し出しでラミネートされた場合の様に、プラスチックフィルム間に物質が存在しない場合、接着剤のみ存在する場合、接着剤と蒸着層が存在する場合、その他複数の物質が存在する場合であっても、2枚のプラスチックフィルムの相対位置関係が固定されている場合はその部分を貼り合わせ部と総称する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により、本発明が限定されるものではない。特に、被包装物については適用可能な品目が非常に多岐にわたるが突刺ピンホールを生じさせやすい製品に対して特に有効である。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における包装用ラミネートフィルム6の断面図である。
図1に示すように、包装用ラミネートフィルム6は、シーラント層7、第一の接着剤層8、第一のプラスチックフィルム9、第二の接着剤層10、第二のプラスチックフィルム11を順に積層したものである。
シーラント層7には直鎖型低密度ポリエチレン(以下LLと記載)、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(以下HDと記載)、未延伸ポリプロピレン(以下CPPと記載)等を用いることができるが特に指定するものではない。
第一の接着剤層8は、公知の接着剤により形成されている。例えば主剤にはポリエステル系接着剤、硬化剤にはポリイソシアネート系接着剤を用いることができるが特に指定するものではない。
第一のプラスチックフィルム9は、2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(2軸延伸PET)、2軸延伸ポリプロピレン(以下OPPと記載)等を用いることができるが特に指定するものではない。
第二の接着剤層10は、主剤にポリエステルウレタンポリオール、接着剤層の弾性率を小さくするために硬化剤には脂肪族ポリイソシアネートを用いること望ましいが、接着剤層が低弾性率となるものであれば特に指定するものではない。また、硬化剤に芳香族イソシアネート系接着剤を使用する際は、硬化剤に対する主剤の割合を高めた配合比にする。このようにすることにより、接着剤層の弾性率を小さくすることができる。なお、一般に接着剤層の弾性率が小さくなるとせん断強度が小さくなるため、このような構成にすることにより低せん断強度を実現できる。
第二のプラスチックフィルム11には2軸延伸ナイロン、2軸延伸PET、OPP等を用いることができるが特に指定するものではない。
本実施の形態において優れた耐ピンホール性が得られるメカニズムは以下のとおりである。
シーラント層側から異物が押し付けられてシーラント層7、第一のプラスチックフィルム9が破断すると、第一のプラスチックフィルム9は圧縮方向と異なる方向に広がり、第二のプラスチックフィルム11にせん断力を加えようとする。しかし、第二の接着剤層10が破壊されるため、第二のプラスチックフィルム11にはせん断力が伝わらず破断しない。
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における包装用ラミネートフィルム6の断面図である。
図2に示すように、包装用ラミネートフィルム6は、シーラント層7、第一の接着剤層8、蒸着層12、第一のプラスチックフィルム9、第二の接着剤層10、第二のプラスチックフィルム11を順に積層したものである。
シーラント層7にはLL、低密度ポリエチレン、HD、CPP等を用いることができるが特に指定するものではない。
第一の接着剤層8は、公知の接着剤により形成されている。例えば主剤にはポリエステル系接着剤、硬化剤にはポリイソシアネート系接着剤等を用いることができるが特に指定するものではない。
第一のプラスチックフィルム9は、2軸延伸ナイロン、2軸延伸PET、OPP等を用いることができるが特に指定するものではない。
第二の接着剤層10は、公知の接着剤により形成されている。例えば主剤にはポリエステル系接着剤、硬化剤にはポリイソシアネート系接着剤等を用いることができるが特に指定するものではない。
第二のプラスチックフィルム11には、2軸延伸ナイロン、2軸延伸PET、OPP等を用いることができるが特に指定するものではない。
蒸着層12は、金属、無機物を用いることができる。金属の蒸着物としては、アルミニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、銅等を用いることができるが特に指定するものではない。無機物の蒸着物としては、シリカ、アルミナ、カーボンなどを用いることができるが特に指定するものではない。本実施の形態では、蒸着層12は第一のプラスチックフィルム9のシーラント層7側であるが、ラミネートフィルムの内部であれば設置場所は特に指定するものではない。
また、蒸着層12と基材フィルムのせん断強度を小さくする方法として、蒸着層との親和性が高い樹脂を蒸着層にコートし、基材フィルムとの結合を弱めることができる。この手法で特に有効なのは、アルミニウム蒸着層にポリアクリル酸系樹脂をコーティングすることである。このような構成にすることにより約100N/cm2の非常に小さいせん断強度を得ることができる。
本実施の形態では、第一のプラスチックフィルム8と蒸着層12または、第一の接着剤層8と蒸着層12が低せん断強度界面となる。
以上の様に、本実施の形態2では構成に蒸着層があるため、優れたガスバリア性を要求される用途に用いることができる。なお、実施の形態においてはラミネートに箔を使用した構成は挙げてないが、蒸着層では対応できないガスバリア性が要求される用途には箔を用いてもよい。箔としては、金、銀、銅、アルミニウム等の金属を用いることができるが特に指定するものではない。
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態2における包装用ラミネートフィルム6の断面図である。
図3に示すように、包装用ラミネートフィルム6は、シーラント層7、第一の接着剤層8、第一のプラスチックフィルム9、第二のプラスチックフィルム11を順に積層したものである。
シーラント層7にはLL、低密度ポリエチレン、HD、CPP等を用いることができるが特に指定するものではない。
第一の接着剤層8は、公知の接着剤により形成されている。例えば主剤にはポリエステル系接着剤、硬化剤にはポリイソシアネート系接着剤等を用いることができるが特に指定するものではない。
本実施の形態では第一のプラスチックフィルムと第二のプラスチックフィルムが擬似接着によりラミネートされており低せん断強度になっている。
擬似接着にすると非常に小さいせん断強度が得られ、約100N/cm2〜200N/cm2となる。
本実施の形態では3方シール袋を作製したが、ガゼット袋、ピロー袋、センターテープシール袋等があるが、特に指定するものではない。
なお、各実施の形態では、せん断強度が100N/cm2を下回ることは無かったが、100N/cm2を下回るとせん断によるデラミが生じるため、耐ピンホール性には優れているが、製品としての取り扱い性が劣るため好ましくない。
また、せん断強度が500N/cm2以下であれば良好な耐ピンホール性が得られるが、鋭利で硬質なものを真空包装する場合等の様に、条件が非常に厳しい場合は400N/cm2以下が望ましい。従って、100N/cm2から400N/cm2の範囲でせん断強度を調整するのが望ましい。
本発明における、低せん断強度層または低せん断界面とは、JIS K6850において、小さい引張せん断力で破壊する層または界面である。但し、一般にフィルムの引張強度は小さいため、たとえ低せん断強度層または界面であっても、それらが破壊されるより先にフィルムが切れるため測定は困難である。
従って、せん断強度を測定する場合は、図4に示すように金属板13などをラミネートフィルムに貼り付けたものの対を作製し、金属板13と同時に引っ張ることにより試験を行う。
(実施例1)
シーラント層7に厚さが50μmのLL、第一の接着剤層には主剤としてポリエステル系接着剤、硬化剤としてポリイソシアネート系接着剤、いずれも溶剤として酢酸エチルを用い固形分割合はいずれも50%であり、主剤:硬化剤=12:1の重量比で混合した。接着剤の塗布量は硬化後の厚さが3μmとなるように調整した。第一のプラスチックフィルム9には厚さが25μmの2軸延伸ナイロンフィルム、第二の接着剤層10には主剤としてポリエステルウレタンポリオール、硬化剤として脂肪族ポリイソシアネートを、いずれも溶剤としては酢酸エチルを用い固形分割合はいずれも50%であり、主剤:硬化剤=15:1の割合で混合した。接着剤の塗布量は硬化後の厚さが3μmとなるように調整した。第二のプラスチックフィルム11に厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルムを用いた。
以上のように構成した包装用ラミネートフィルムの各ラミネート部分のせん断強度を測定した。
第一の接着剤層のせん断強度は800N/cm2であった。第二の接着剤層のせん断強度は300N/cm2であった。
このラミネートフィルムを用いて3方シール袋を製袋し各種食品、工業用品を入れた後シールを行ったものの振動試験を行いピンホールの発生の有無を評価した。評価を行った品目は、米、とうもろこし、落花性、コーヒー豆、魚介類(甲殻類)、鰹節、魚肉練り製品(さつま揚げ、はんぺん、竹輪)、ポテトチップス、ハム、ソーセージ、りんご、冷凍みかん、飴、セメント、砂利、砂である。
振動試験の条件は振幅が5mm、5回/秒、1分間である。
試験後に、ピンホールの有無を評価したところいずれの場合もピンホールが発生しておらず、優れた耐ピンホール性が確認された。
(実施例2)
実施例1の第二の接着剤層を、硬化剤をポリイソシアネート系接着剤、溶剤を酢酸エチル、固形分割合を50%とし、主剤:硬化剤=18:1の配合比で作製した。
このようにして作製したラミネートフィルムの第一の接着剤層のせん断強度は800N/cm2であった。第二の接着剤層のせん断強度は350N/cm2であった。
このラミネートフィルムに対して実施の形態1と同様の試験を行いピンホールの有無を評価したところ、いずれの場合もピンホールが発生しておらず、優れた耐ピンホール性が確認された。
(実施例3)
シーラント層7、第一の接着剤層8、第一のプラスチックフィルム9、第二の接着剤層10、第二のプラスチックフィルム11は比較例1と同じ構成とした。蒸着層12はシリカ蒸着であり厚さは450Åである。
以上のように構成した包装用ラミネートフィルムの各ラミネート部分のせん断強度を測定した。
第一の接着剤層7と蒸着層12の界面のせん断強度は350N/cm2であった。第二の接着剤層のせん断強度は800N/cm2であった。
このラミネートフィルムを用いて3方シール袋を製袋し、ゆでとうもろこしを入れ真空包装し、ピンホール発生の有無を評価したところピンホールの発生は認められなかった。
なお、大気圧により大きな突刺力が生じているため振動試験は行わなかった。
(実施例4)
第一のプラスチックフィルムには厚さ12μmのPETフィルム、蒸着層12はアルミニウム蒸着層で厚さ500Åとしポリアクリル酸系樹脂でコーティングを行った。その他の構成は実施例3と同等である。
このようにして作製したラミネートフィルムの第一のプラスチックフィルム9と蒸着層12の界面のせん断強度は110N/cm2であった。第二の接着剤層10のせん断強度は800N/cm2であった。
このラミネートフィルムを用いて3方シール袋を作製し、ガラス繊維からなる芯剤を用いて真空断熱材を作製した。芯材はガラス繊維に限定するものはなく、多孔質体、薄膜積層体、グラスファイバー、アルミナ繊維、ロックウール、シリカ、パーライト、カーボンブラック、発泡樹脂等を用いることができる。
以上の様に作製した真空断熱材のピンホール発生の有無を評価するために初期熱伝導率を評価したところ0.0025W/mKであった。さらに、微小ピンホールによるスローリークの有無を評価するため、1週間大気中にて保存後の熱伝導率を評価したところ、0.0025W/mKであり劣化は認められなかった。従って、微小ピンホールも存在しないことが確認された。
(実施例5)
シーラント層7、第一の接着剤層8、第一のプラスチックフィルム9、第二のプラスチックフィルム11は、比較例1と同じ構成とした。第一のプラスチックフィルム9と第二のプラスチックフィルム11は共押し出しによりラミネートされている。
このようにして作製したラミネートフィルムの第一の接着剤層のせん断強度は800N/cm2であった。第一のプラスチックフィルム9と第二のプラスチックフィルム11のせん断強度は200N/cm2であった。
このラミネートフィルムを用いて3方シール袋を作製し、一辺が約3cmのロックアイスをいれ、実施の形態1と同様の試験を行ったところ、ピンホールの発生は認められなかった。
(実施例6)
シーラント層7、第一の接着剤層8、第一のプラスチックフィルム9、第二のプラスチックフィルム11は比較例1と同じ構成とした。第一のプラスチックフィルム9と第二のプラスチックフィルム11は圧力を加えながら熱を加え軟化させてラミネートされている。
本実施例で用いたナイロンフィルムの融点は215℃であったため、熱を加えた際の温度は200℃とした。
このようにして作製したラミネートフィルムの第一の接着剤層8のせん断強度は800N/cm2であった。第一のプラスチックフィルム9と第二のプラスチックフィルム11のせん断強度は150N/cm2であった。
このラミネートフィルムを用いて3方シール袋を作製し、アーモンドを入れ実施例1と同様の試験を行ったところピンホールの発生は認められなかった。
(実施例7)
シーラント層7に厚さ50μmのCPPフィルム、第一のプラスチックフィルムに厚さ25μmのLLフィルム、第二のプラスチックフィルムに厚さ25μmのPETフィルムを用い、第一の接着剤層8は実施例1と同一構成とした。第一のプラスチックフィルム9と第二のプラスチックフィルム11は圧力を加えながら第一のプラスチックフィルム9を融解させてラミネートされている。
本実施例で用いたPETフィルムの融点は260℃、CPPフィルムの融点は155℃、LLフィルムの融点は140℃であったため、熱を加えた際の温度は150℃とした。
このようにして作製したラミネートフィルムの第一の接着剤層のせん断強度は800N/cm2であった。第一のプラスチックフィルム9と第二のプラスチックフィルム11のせん断強度は180N/cm2であった。
このラミネートフィルムを用いて3方シール袋を作製し、即席用の乾燥麺を入れ実施例1と同様の試験を行ったところピンホールの発生は認められなかった。
また、ゆでとうもろこしを真空パックしたものを10段重ねにして実施例1と同様の振動試験を行った。試験後にピンホール発生の有無を評価したところ、大きな荷重が加わる最下層の製品にもピンホールが発生しなかった。また、重ねたことにより摩擦力が働くが、摩擦によるピンホールも発生しなかった。これは、PETフィルムの耐摩擦性が優れているためである。
(実施例8)
第二のプラスチックフィルム11を厚さが50μmのHDフィルムとした。その他は、比較例1と同一構成とした。HDは脆くせん断強度が小さいという特徴がある。
このようにして作製したラミネートフィルムの第一の接着剤層のせん断強度は800N/cm2であった。第二のプラスチックフィルム11のせん断強度は250N/cm2であった。
このラミネートフィルムを用いて3方シール袋を作製し、コーヒー豆を入れ実施例1と同様の試験を行ったところピンホールの発生は認められなかった。
(比較例1)
実施例2において第二の接着剤層を主剤:硬化剤=12:1の割合で混合した構成でラミネートフィルムを作製した。
このようにして作製したラミネートフィルムの第一の接着剤層のせん断強度は800N/cm2であった。第二の接着剤層のせん断強度は800N/cm2であった。従って、主剤に対する硬化剤の割合を大きくすると接着剤層のせん断強度が大きくなる。
このラミネートフィルムに対して実施の形態1と同様の試験を行ったところ、落花生、砂利、砂を包装した場合においてピンホールの発生が認められた。従って、せん断強度が小さくなると耐ピンホール性が低下することがわかる。
(比較例2)
実施例7において第二のプラスチックフィルムに厚さが25μmのナイロンフィルム用いた構成でラミネートフィルムを作製した。
実施例7と同様の振動試験を行いピンホールの発生の有無を評価した。即席用の乾燥麺を入れて振動試験を行った結果ピンホールの発生は認められなかった。ゆでとうもろこしを真空包装し振動試験を行いピンホールの発生の有無を評価したろころ、突刺しによるピンホールの発生は認められなかったが、摩擦によるピンホールの発生が認められた。摩擦によるピンホールは、最も下の段の製品は10個に対して3個、下から2段目は10個に対して1個発生していた。これは、ナイロンフィルムの耐摩擦性がPETフィルムの対摩擦性に対して劣るためである。
以上の様に、本発明にかかる包装用ラミネートフィルムは、低せん断の面状部分が存在するため、ラミネートフィルムの突刺強度を向上することなく優れた耐ピンホール性を得ることができた。従って、軟包装材料を用いて硬質であり、フィルムに突刺ピンホールを生じさせやすい物を包装することができる。このため、真空断熱材等の工業製品、氷、落花生、飴などの硬質の食品等、耐ピンホール性が要求される分野に適用することができる。
本発明の実施の形態1における包装用ラミネートフィルムの断面図 本発明の実施の形態2における包装用ラミネートフィルムの断面図 本発明の実施の形態3における包装用ラミネートフィルムの断面図 本発明におけるせん断強度測定サンプルの断面図 従来のラミネートフィルムの断面図
符号の説明
6 包装用ラミネートフィルム
8 第一の接着剤層
9 第一のプラスチックフィルム
10 第二の接着剤層
11 第二のプラスチックフィルム
12 蒸着層

Claims (6)

  1. 少なくとも2枚以上のプラスチックフィルムと前記プラスチックフィルム同士の貼り合わせ部からなり、前記プラスチックフィルムのいずれかに破断が生じても、前記貼り合わせ部またはプラスチックフィルム内部で破断の伝播が止まる包装用ラミネートフィルム。
  2. ラミネート構成中で、貼り合わせ部を挟む2枚のプラスチックフィルムのせん断強度の最も小さい値が500N/cm2以下である請求項1に記載の包装用ラミネートフィルム。
  3. ラミネート構成中で、最もせん断強度が小さい2枚のフィルムの貼り合わせ部が、接着剤である請求項1または2に記載の包装用ラミネートフィルム。
  4. ラミネート構成中で、最もせん断強度が小さい2枚のフィルムの貼り合わせ部が、接着剤とプラスチックフィルムを基材とした蒸着層である請求項1または2に記載の包装用ラミネートフィルム。
  5. ラミネート構成中で、最もせん断強度が小さい2枚のフィルムの貼り合わせ部が、共押し出しによるラミネート部である請求項1または2に記載の包装用ラミネートフィルム。
  6. せん断強度が500N/cm2以下であるフィルムを有する請求項1に記載の包装用ラミネートフィルム。
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