JP2006055764A - 吸着材およびこれを用いた脱臭性布帛 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着特性に優れた吸着材を提供することをその目的とするものである。
【解決手段】シラスを主成分として含む吸着材、およびこれを用いた脱臭性布帛を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シラスを主成分として含む吸着材およびこれを用いた脱臭性布帛に関する。
近年、火山噴出物の一種であり、南九州に広く分布するシラスを豊富な資源として有効に活用しようとする様々な試みが為されている。このシラスは、高温マグマの冷却により結晶分化作用が起こり、マグマの主成分であるSiO、Ai、Fe、FeO、MgO、CaO、NaO、KO等が互いに集まり鉱物として晶出し、その後ほどなく爆発的に噴出して形成されたものであり、約3割の結晶鉱物と約7割の非晶質の火山ガラスから成っている。
上記シラスは、それ単独では、産業上特に有用な原料であるとはいえないが、加熱加工したり、他の原料と混合したりすることにより、シラスが本来有する様々な特性を引き出すことが可能となり、その結果、シラスを主成分とした様々な製品を製造することが可能となる。
シラスを加工したものとしては、シラスバルーンが有名であり、その多孔質性はシラスそのものよりも大変優れるものであるため、消臭用途として広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−354533号公報
しかしながら、シラスバルーンを製造するためには900℃以上の高温で急速に焼成することが必要であり、コストや手間がかかるという問題がある。
そこで、本発明は、シラスそのものを主成分として用い、吸着特性、特に脱臭効果に優れた吸着材を提供することをその目的とするものである。
上記課題を解決するために、発明者は鋭意検討の結果、シラスを主成分とする組成物がシラス単独よりも優れた脱臭効果を有することを見出し、さらには、当該組成物がマイナスイオンを発生させることも見出し、本発明を為すに至った。
すなわち、本発明は、以下(1)〜(6)に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)シラスを主成分として含むことを特徴とする吸着材。
(2)シラス、軽石、石膏ブラスター、およびつのまたを含む混合物を適宜量の水と混練し、乾燥してなることを特徴とする吸着材。
(3)シラス40〜65重量%、軽石10〜30重量%、石膏ブラスター20〜35重量%、およびつのまた0.1〜2重量%、を含む混合物を適宜量の水と混練し、乾燥してなることを特徴とする吸着材。
(4)シラス微粒子を15〜45重量%含むシラス40〜65重量%、軽石10〜30重量%、石膏ブラスター20〜35重量%、つのまた0.1〜2重量%、綿花粉末0.01〜0.1重量%、含む混合物を適宜量の水と混練し、乾燥してなることを特徴とする吸着材。
(5)さらに、顔料を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の吸着材。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の吸着材を適宜量の水に分散させたものを布帛表面にコーティングし、乾燥してなることを特徴とする脱臭性布帛。
本発明によれば、空気中の異臭・悪臭を除去する脱臭効果を有し、かつ空間をマイナスイオンで満たすことができるマイナスイオン発生機能を有する吸着材およびこれを用いた脱臭性布帛を手間やコストを最小限にして提供することができる。
本発明の吸着材は、シラスを主成分として含むものであり、好ましくは、シラス、軽石、石膏ブラスター、およびつのまた、を含む混合物を適宜量の水と混練し、乾燥してなるものである。より好ましくは、シラス40〜65重量%、軽石10〜30重量%、石膏ブラスター20〜35重量%、およびつのまた0.1〜2重量%、を含む混合物を適宜量の水と混練し、乾燥してなるものである。また、必要に応じて、顔料、木節粘土などの粘土類、綿花粉末、石灰などを添加しても良い。なお、綿花粉末を添加する場合には、食用の綿花粉末であることが好ましい。
原料混合物は、所望の用途に応じて種々の形状に容易に成形することができる。成形の方法としては、特に限定されず、例えば、鋳込み成形、プレス成形、押し出し成形などの公知の成形技術により行うことができる。
また、上記乾燥は、室温で行うことができ、特に熱を加える必要はない。
上記シラスの粒径としては、特に限定されないが、60目アンダーのものが好ましい。また、シラス中には、粒径が5μm以下のシラス微粒子が含まれていることが好ましく、シラス全体に対して15〜45重量%含まれていることがより好ましい。このシラス微粒子は、例えば、乾燥シラスを整粒する際に粉塵として分別されたものを集塵機で捕集することができる。また、上記軽石は、粒径0.2〜0.6mmのものであることが好ましい。
本発明の吸着材は、特に限定されないが、例えば、冷蔵庫、収納庫、下駄箱、洋服タンス、ごみ箱、トイレ、車内など特に臭いが蔓延しやすい箇所に設置することができ、その他にも、その吸着機能を活かすことのできる箇所に好適である。
本発明の脱臭性布帛は、本発明の吸着材を適宜量の水に分散したものを布帛表面にコーティングし、乾燥してなるものである。また、水に対する分散性を向上させるために分散材を添加しても良く、その他にも公知のバインダーや溶剤を添加しても良い。
本発明の吸着材を水に分散させる量としては、取り扱い性や分散性を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、水100重量部に対して、0.1〜30重量部分散させることが好ましい。本発明の吸着材の分散量が0.1重量部未満であると、布帛に十分な脱臭効果を付与できない恐れがあり、30重量部を超えると分散性や作業性が悪化する傾向にある。
コーティングする方法としては、浸漬やスプレー等の公知の方法により行えばよく、特に限定されない。また、コーティング量も特に限定されず、消臭機能やコストを考慮して適宜決定すればよい。好ましくは、布帛表面に吸着材が0.1g/m以上付着していることが好ましい。
本発明の脱臭性布帛は、特に限定されないが、例えば、衣服、シーツ、靴等の衣料品や臭いが付着しやすい生活用品、自動車関連製品、ペット用品、空調フィルターなどとして利用することが可能である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(脱臭特性評価)
シラス54重量%(内シラス微粒子26重量%)、軽石20重量%、石膏ブラスター25重量%、およびつのまた1重量%、を適宜量の水と混練し、10cm×10cm×厚み1cmの平板状に成形し、常温にて乾燥させ、吸着材サンプルを作製した。このサンプルについて、ホルムアルデヒドの吸着特性を以下の手順で評価した。なお、ブランクとして、吸着材サンプルを使用しない場合についても同様に測定を行った。
1)吸着材サンプルを5Lテトラバックに入れ、ヒートシールした。
2)真空ポンプにてバック内を真空にした後、評価対象ガス(空気3L+ホルムアルデヒド試薬瓶気相0.1L)をバック内に導入した。
3)ガス導入時点を時間0として、一定時間後のバック内のホルムアルデヒド濃度を検知管(GASTEC製No.91L、測定範囲0.1〜40ppm)を用いて測定した。
4)ホルムアルデヒド濃度が0になった後、さらに上記と同様の評価対象ガスをバック内に導入し、上記3)と同様にホルムアルデヒド濃度を測定した。
5)上記4)の測定終了後、ホルムアルデヒドを吸着したサンプルをバック内に入れたまま一昼夜(18時間)室温で放置し、再度ホルムアルデヒド濃度を測定した。
6)さらにバックを40℃に保持して、バック内のホルムアルデヒド濃度の経時変化を測定した。
以上のようにして測定した吸着特性(1)〜4))の結果をそれぞれ表1および図1に、保持特性(5)〜6))の結果を表2に示す。
Figure 2006055764
Figure 2006055764
以上より、実施例における脱臭材サンプルは、優れたホルムアルデヒド吸着特性および保持特性を有することがわかる。
本実施例における吸着材サンプルの脱臭特性を示すグラフ。

Claims (6)

  1. シラスを主成分として含むことを特徴とする吸着材。
  2. シラス、軽石、石膏ブラスター、およびつのまたを含む混合物を適宜量の水と混練し、乾燥してなることを特徴とする吸着材。
  3. シラス40〜65重量%、軽石10〜30重量%、石膏ブラスター20〜35重量%、およびつのまた0.1〜2重量%、を含む混合物を適宜量の水と混練し、乾燥してなることを特徴とする吸着材。
  4. シラス微粒子を15〜45重量%含むシラス40〜65重量%、軽石10〜30重量%、石膏ブラスター20〜35重量%、つのまた0.1〜2重量%、綿花粉末0.01〜0.1重量%、含む混合物を適宜量の水と混練し、乾燥してなることを特徴とする吸着材。
  5. さらに、顔料を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸着材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の吸着材を適宜量の水に分散させたものを布帛表面にコーティングし、乾燥してなることを特徴とする脱臭性布帛。
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