JP6731585B2 - 有害気相物質の除去のための吸着体及びその製造方法、有害気相物質除去材、並びに有害気相物質の除去方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、アミン化合物をビニルポリマー粒子に担持した吸着剤が開示されている。特許文献2や3には、無機系多孔質材料としてゼオライトを用いた技術が開示されている。また、特許文献4には、ハイドロタルサイト、ハロゲン酸塩及び透気性材料からなる吸着剤が記載されている。
<1> ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物を複合化した組成物を含有する有害気相物質の除去のための吸着体。
<2> 当該吸着体に含まれるゼオライトの割合が、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、10〜90重量%である前記<1>記載の吸着体。
<3> 前記<1>または<2>記載の吸着体の製造方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする製造方法。
工程(1):
ゼオライト及びアルカリ溶液を含有する原料(A)を調製する工程
工程(2):
2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含む可溶性塩を、水を主体とする溶媒に溶解し、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体を含有する原料(B)を調製する工程
工程(3):
前記原料(A)と前記原料(B)とを接触させて、ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物が複合化した組成物を含むスラリーを得る工程
<4> 前記<1>または<2>記載の吸着体を、支持体の表面又は内部に、固定化してなることを特徴とする有害気相物質除去材。
<5> 前記支持体が、通気性を有するものである前記<4>記載の有害気相物質除去材。
<6> 前記支持体が、繊維材料を主たる構成材料とする繊維複合体である前記<4>記載の有害気相物質除去材。
<7> 前記<1>若しくは<2>に記載の吸着体または<4>から<6>のいずれかに記載の有害気相物質除去材と、除去対象となる有害気相物質とを接触させて、当該有害気相物質を吸着除去することを特徴とする有害気相物質の除去方法。
<8> 除去対象の有害気相物質が、悪臭物質である前記<7>に記載の除去方法。
本発明は、ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物を複合化した組成物を含有する有害気相物質の除去のための吸着体(以下、「本発明の吸着体」と記載する場合がある。)に関する。
ゼオライトは、結晶中に0.4nm〜2nm程度の微細孔を持つ結晶性アルミノケイ酸塩の総称であり、Si−O四面体とAl−O四面体とが頂点のO原子を共有した三次元ネットワーク構造をもつ複合酸化物である。
本発明において、ハイドロタルサイト様化合物は、下記一般式(I)で表される化合物を意味する。
[M2+ 1-xM3+ x(OH)2][An- x/n・mH2O]・・・・・・・(I)
また、[An- x/n・mH2O]におけるmは0以上の数値であり、脱水状態によって大きく変化する。
ハイドロタルサイト様化合物はシートの積み重なり方によって、菱面体晶系と六方晶系のポリタイプがあり、本発明の複合組成物ではいずれでもよい。
本発明の複合組成物のゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の割合は、それぞれが均質な組成物を形成できる範囲であればよく、使用目的に応じて選択すればよい。
本発明の複合組成物に含まれるゼオライトの重量割合は、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、通常、0.01〜99.9重量%であり、好適には10〜90重量%であり、より好適には30〜70重量%である。
本発明の吸着体が含有する複合組成物は、以下に説明する製造方法(以下、「本発明の複合組成物の製造方法」又は単に「本発明の製造方法」と称す。)で製造されることが好適である。
本発明の複合組成物の製造方法は、下記工程を有することを特徴とする。
工程(1):
ゼオライト及びアルカリ溶液を含有する原料(A)を調製する工程
工程(2):
2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含む可溶性塩を、水を主体とする溶媒に溶解し、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体を含有する原料(B)を調製する工程
工程(3):
前記原料(A)と前記原料(B)とを接触させて、ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物が複合化した組成物を含むスラリーを得る工程
工程(1)は、ゼオライトとアルカリ溶液を含有する原料(A)を調製する工程である。
ゼオライトの物性等は、上述の通りであるため、説明を省略する。
原料(A)におけるゼオライトとアルカリ溶液の割合は、本発明の複合組成物におけるゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の比率を考慮し、かつ、工程(3)において原料(A)と原料(B)とが、短時間に均等にできる範囲で決定される。
具体的には、ゼオライト合成に好ましく用いられるシリカ源として、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム等のケイ酸塩等が挙げられる。また、シリカガラスをシリカ源として使用してもよい。また、アルミナ源として、例えば、アルミン酸ナトリウム等が挙げられる。塩基性塩として、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
混合順序も反応や沈殿物が発生するなど特段の問題がない限り任意であり、原料(A)の構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め配合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
工程(2)は、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体として、2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含
む可溶性塩を、水を主体とする溶媒に溶解した原料(B)を調製する工程である。
原料(B)を調整するときの温度は、通常は室温であるが、性能を損なわない範囲で、室温以下に冷却したり、30〜70℃程度に加温してもよい。
混合順序も反応や沈殿物が発生するなど特段の問題がない限り任意であり、原料(B)の構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め配合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
工程(3)は、工程(1)及び工程(2)で調製した、原料(A)と原料(B)とを接触させて、ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物が複合化した組成物を含むスラリーを得る工程である。
工程(3)では、原料(B)に含まれるハイドロタルサイト様化合物の前駆体は、pH6.0以上となることによって、ハイドロタルサイト様化合物を形成する。
本発明の製造方法の特徴は、そのアルカリ源として原料(A)を用いることにあり、ゼオライトを含む原料(A)と原料(B)との接触により、ゼオライト存在下でハイドロタルサイト様化合物が合成されるので、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物とが均一に複合化した組成物を得ることができる。
工程(3)で得られるスラリーには、本発明の複合組成物が含まれる。スラリーをこのまま用いることもできるが、
本発明の製造方法では、さらに、工程(4)として、工程(3)で得られた複合組成物を含むスラリーへ炭酸塩、硝酸塩及び硫酸塩から選ばれる1種の化合物を溶解させた溶液(C)を添加する、又は当該スラリーを固液分離して得られた複合組成物を溶液(C)に添加することにより、複合組成物に含まれる交換性陰イオンを置換させる工程を有していてもよい。
例えば、原料に塩化物を使用した場合、層間陰イオンとしてCl-が入った、Cl型ハイドロタルサイト様化合物が合成されるが、用途に応じて、炭酸イオン(CO3 2-)、硫酸イオン(SO4 2-)、硝酸イオン(NO3 -)等に置換してもよい。
工程(3)で得られるスラリーには、本発明の複合組成物が含まれる。スラリーをこのまま用いることもできるが、通常、脱水工程により、溶媒を除去して用いられる。脱水方法は公知の方法を用いて行えばよく、例えば、濾過、遠心分離、加圧脱水、減圧脱水等による固液分離方法が挙げられる。
また、脱水工程の前段に、洗浄工程により不純物を除去してもよい。また、より不純物を除去するために、洗浄と脱水を2回以上繰り返し行ってもよい。洗浄に用いる溶媒は水であることが好ましく、より好ましくは純水および/またはイオン交換水である。
乾燥方法については、特に限定されず、公知の熱風乾燥、真空乾燥等を使用することができる。また、乾燥時の雰囲気は特に限定されるものではないが、通常、大気雰囲気である。減圧雰囲気中で行うこともできる。乾燥温度は、複合組成物の物性が変化して、吸着性が低下しない範囲で選択され、通常、100℃以下である。
また、本発明の吸着体は、本発明の目的を損なわない範囲で、任意の添加剤を添加したり、他の吸着体を併用してもよい。
以下、本発明の吸着体を支持体に固定化して使用する態様について説明する。
本発明の有害気相物質除去材とは、支持体の表面又は内部に、本発明の吸着体を固定化してなることを特徴とする。
使用される支持体は、本発明の吸着体が固定化でき、吸着体の吸着性能を損なわないものであれば任意である。また、本発明の吸着体を、支持体に固定化する方法は任意である。
本発明の吸着体を、支持体の表面に固定化する方法としては、支持体の表面に直接本発明の吸着体を固着させる方法、バインダーを介して本発明の吸着体を支持体の表面に固着させる方法等が挙げられる。例えば、公知のバインダー成分と複合してもよい。例えば、アルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーが挙げられる。
本発明の吸着体を、支持体の内部に固定化する方法としては、例えば、支持体の製造時に支持体に練り込む方法などが挙げられる。
本発明の有害気相物質除去材の好ましい態様の一つとして、使用される支持体が通気性を有する支持体である有害気相物質除去材が挙げられる。支持体自体が通気性を有すれば、固定化された本発明の吸着体が有する有害気相物質に対する吸着性能をより有効に利用することができる。このような態様の有害気相物質除去材の応用用途として、例えば、送風機のカバーや空気清浄器のフィルター、マスク等の応用用途が挙げられる。
また、本発明の有害気相物質除去材の好ましい態様として、支持体が繊維材料を主たる構成材料とする繊維複合体である有害気相物質除去材が挙げられる。このような態様では、繊維を主たる構成材料とし、該繊維表面又は内部に、本発明の吸着体を固定化してなる、有害気相物質の除去のための繊維複合体である。当該繊維複合体は、紐状や織物状等の任意の形状に成形して使用することができる。また、成形時に他の任意の成分を組み入れてもよい。
本発明の吸着体、または、本発明の有害気相物質除去材は、除去対象となる有害気相物質と接触させて、当該有害気相物質を吸着除去する方法に用いることができる。
なお、本発明の吸着方法において、除去対象となる気相物質の種類や濃度に応じて、本発明の吸着体(有害気相物質除去材に固定化されている場合も含む)が含有する、複合組成物におけるゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の種類や配合割合を規定すればよい。
具体的な除去対象となる有害気相物質としては、悪臭物質や揮発性有機化合物(VOC)等が挙げられ、例えば、アンモニアやトリメチルアミンなどの含窒素系ガス、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二流化ジメチルなどの硫黄系ガス、酢酸、イソ吉草酸、酪酸などの脂肪酸系ガス、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、ノネナール等のアルデヒド系ガス、ピリジン、スチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ダイオキシンなどの有機ガス等が挙げられるが、これらに限定されない。
特に、アンモニア、トリエチルアミン、メチルメルカプタン、硫化水素、酢酸、イソ吉草酸、アセトアルデヒド、ノネナール等の悪臭物質はその好適な除去対象である。
使用した原料は次の通りである。
「原料」
・塩化マグネシウム六水和物(WAKO)
・塩化アルミニウム六水和物(WAKO)
・水酸化ナトリウム(WAKO)
・炭酸ナトリウム(WAKO)
・蒸留水(WAKO)
・発泡ガラス(粒径30〜100μm)
・アルミン酸ナトリウム(朝日化学工業株式会社)
<吸着体1(複合組成物)の合成>
工程(1):原料(A)の調整
原料(A)としてのゼオライト含有アルカリ溶液は、以下の手順で調整した。
まず、シリカ源として粒径30〜100μmの発泡ガラス1000gを使用し、該発泡ガラスに対し、アルカリ源の水酸化ナトリウム2300gを混合し、常圧85〜95℃で、8時間加熱して発泡ガラスの溶解液(ガラス溶解液)を得た。次いで、ガラス溶解液に対してアルミナ源のアルミン酸ナトリウム3100gを混合し、攪拌しながら常圧85〜95℃で、8時間加熱してゼオライトを合成し、ゼオライトとアルカリ溶液を含有する溶液である原料(A)を得た。
原料(A)中のゼオライト濃度は、10〜12重量%、pHは14であった。
2価金属(M2+)を含む可溶性塩である塩化マグネシウム六水和物17.31g、3価金属(M3+)を含む可溶性塩である塩化アルミニウム六水和物10.30gを蒸留水27.61gに添加して溶解させることで、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体を含有する原料(B)を得た。
原料(B)55.22gに対し、原料(A)110.44gを添加し、撹拌して十分に混合した後、3倍希釈用に蒸留水496.98gを添加し、混合してスラリーを得た。得られたスラリーをろ過により固液分離して得た固形分を100℃、10時間乾燥することによって得られた複合組成物を、吸着体1とした。
なお、原料(A)110.44gにはゼオライト成分13.3mg、原料(B)55.22gにはハイドロタルサイト様化合物成分が10mg含まれる。そのため、得られた吸着体(複合組成物)中のゼオライトの割合は、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、57重量%である。
まず、実施例1と同様の原料(A)55.22gを、遠心分離機(4000rpm、8分)で固液分離し、固形分(ゼオライト)を分離した。分離した固形分に対し、蒸留水200gを加え、遠心分離機で固液分離を行った。この操作を3回繰り返した後に、固形分を100℃、10時間乾燥することで、参考用試料1のゼオライト(Ze)を得た。
まず、実施例1と同様の原料(B)を使用し、原料(B)55.22gに対し、18.5重量%水酸化ナトリウム溶液55.22gを添加し、撹拌して十分に混合した後、3倍希釈用に蒸留水331.32gを添加し、混合してスラリーを得た。得られたスラリーをろ過により固液分離して得た固形分を100℃、10時間乾燥することで、参考用試料2のハイドロタルサイト様化合物(HT)を得た。
吸着体1(複合組成物)を含むスラリー及び参考用試料2のハイドロタルサイト様化合物を含むスラリーのpHをpHメーター(東亜DKK株式会社、型番:HM−30P)で測定したところ、吸着体1のpH8.8であり、参考用試料2のpH8.24であった。すなわち、吸着体1と参考用試料2とほぼ同程度のアルカリ量ということを意味している。
吸着体1(複合組成物)、参考用試料1(ゼオライト)及び参考用試料2(ハイドロタルサイト様化合物)について、X線回折法による評価を行った。X線回折装置には、株式会社リガク製、型番:MiniFlexを使用した。
図1に参考用試料1(ゼオライト)、図2に参考用試料2(ハイドロタルサイト様化合物)、図3に吸着体1(複合組成物)のXRD分析の結果を示す。
図3に示すように、吸着体1では、ゼオライト由来のシグナルとハイドロタルサイト様化合物由来のシグナルが混在していた。この結果は、ゼオライト合成時に発生するアルカリ溶液である原料(A)を適量、原料(B)に添加することにより、ハイドロタルサイト様化合物とゼオライトが複合化した複合組成物が合成できていることを示している。
代表的な悪臭物質とされるアンモニア、酢酸、イソ吉草酸および加齢臭の原因とされるノネナールについて、吸着体1の吸着能力の評価を行った。
「アンモニアの吸着能力の評価」
0.9 gの吸着体1をにおい袋に入れ、ヒートシールを施した後に、空気9Lを封入し、初期ガス濃度が100ppmとなるように設定し、アンモニアを添加した。これを室温で静置し、10分後、30分後、60分後、180分後に袋内のガス濃度をガス検知管法により測定した。また、吸着体を入れずに同様な操作をしたものを比較例2とした。結果を表1に示す。
「酢酸の吸着能力の評価」
初期ガス濃度が15ppmとなるように設定し、酢酸を添加した以外は、アンモニアの吸着能力の評価と同様にして、評価を行った。また、吸着体を入れずに同様な操作をしたものを比較例3とした。結果を表1に示す。
「イソ吉草酸の吸着能力の評価」
初期ガス濃度が50ppmとなるように設定し、イソ吉草酸を添加した以外は、アンモニアの吸着能力の評価と同様にして、評価を行った。また、吸着体を入れずに同様な操作をしたものを比較例4とした。結果を表1に示す。
「ノネナールの吸着能力の評価」
0.9 gの吸着体1をにおい袋に入れ、ヒートシールを施した後に、初期濃度が19ppmとなるようにノネナールを添加して9Lとした。これを室温で静置し、30分後、60分後、180分後に袋内のガスをDNPHカートに捕集した。ガスを捕集したDNPHカートリッジにアセトニトリルを通してDNPH誘導体を溶出させこの溶液を高速液体クロマトグラフ法により測定し、袋内のガス濃度を算出した。また、吸着体を入れずに同様な操作をしたものを比較例5とした。結果を表1に示す。
使用した原料は次の通りである。
「原料」
・塩化マグネシウム六水和物(WAKO)
・塩化アルミニウム六水和物(WAKO)
・水酸化ナトリウム(WAKO)
・蒸留水(WAKO)
・合成ゼオライトA−4(平均粒径2〜5μm, 品番268−01522)(WAKO)
<吸着体2(複合組成物)の合成>
工程(1):原料(A)の調整
原料(A)としてのゼオライト含有アルカリ溶液は、以下の手順で調整した。
所定量の合成ゼオライト(Wako)と、アルカリ源の水酸化ナトリウムと蒸留水を混合して、室温で十分に撹拌することにより、ゼオライトとアルカリ溶液を含有する溶液である原料(A)を得た。
原料(A)中のゼオライト濃度は、3重量%、pHは12以上であった。
2価金属(M2+)を含む可溶性塩である塩化マグネシウム六水和物17.31g、3価金属(M3+)を含む可溶性塩である塩化アルミニウム六水和物10.30gを蒸留水27.61gに添加して溶解させることで、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体を含有する原料(B)を得た。
原料(B)55.22gに対し、原料(A)110.44gを添加し、撹拌して十分に混合してスラリーを得た。得られたスラリーをろ過により固液分離して得た固形分を100℃、10時間乾燥することによって得られた複合組成物を、吸着体2とした。
なお、原料(A)110.44gにはゼオライト成分10mg、原料(B)55.22gにはハイドロタルサイト様化合物成分が10mg含まれる。そのため、得られた吸着体(複合組成物)中のゼオライトの割合は、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、50重量%である。
代表的な悪臭物質とされるアンモニアについて、吸着体2の吸着能力の評価を行った。
1.2gの吸着体2を封入した容量10L(実測容量12L)のポリエステル製バッグに、初期ガス濃度が45ppmとなるようにアンモニアを投入し、経時的にアンモニア濃度をガス検知管法により測定した。また、吸着体を入れずに同様な操作をしたものを比較例7とした。結果を表2に示す。
アンモニアの初期ガス濃度を10ppmとした以外は実施例7と同様の操作を行った。また、吸着体を入れずに同様な操作をしたものを比較例8とした。結果を表2に示す。
このため、本発明の吸着体は、更に、空気清浄器用のフィルターなどの衛生関連商品、マスクなどの生活雑貨等へ様々な応用が可能である。
Claims (2)
- ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物を複合化した組成物を含有する、有害気相物質の除去のための吸着体の製造方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする製造方法。
工程(1):
ゼオライト及びアルカリ溶液を含有する原料(A)を調製する工程
工程(2):
2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含む可溶性塩を、水を主体とする溶媒に溶解し、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体を含有する原料(B)を調製する工程
工程(3):
前記原料(B)に前記原料(A)を滴下することによって、前記原料(A)と前記原料(B)とを接触させて、ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物が複合化した組成物を含むスラリーを得る工程 - 請求項1の製造方法で得られた吸着体と、除去対象となる有害気相物質とを接触させて、当該有害気相物質を吸着除去する有害気相物質の除去方法であり、
除去対象の有害気相物質が、悪臭物質であることを特徴とする有害気相物質の除去方法。
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