JP2006055740A - 蒸留系における高沸点物の付着防止方法 - Google Patents

蒸留系における高沸点物の付着防止方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006055740A
JP2006055740A JP2004239835A JP2004239835A JP2006055740A JP 2006055740 A JP2006055740 A JP 2006055740A JP 2004239835 A JP2004239835 A JP 2004239835A JP 2004239835 A JP2004239835 A JP 2004239835A JP 2006055740 A JP2006055740 A JP 2006055740A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
titanium tetrachloride
crude
distillation
adhesion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004239835A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4011571B2 (ja
Inventor
Tadao Araike
忠男 荒池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Titanium Technologies Co Ltd
Original Assignee
Osaka Titanium Technologies Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Titanium Technologies Co Ltd filed Critical Osaka Titanium Technologies Co Ltd
Priority to JP2004239835A priority Critical patent/JP4011571B2/ja
Publication of JP2006055740A publication Critical patent/JP2006055740A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4011571B2 publication Critical patent/JP4011571B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

【課題】 高沸点物を含むクルード液を蒸留する蒸留系において、蒸留前のクルード液が侵入してクルード液中の高沸点物が付着することによる機器の動作不良を経済的に防止する。
【解決手段】 付着が生じる部分に対して、蒸留塔11で高沸点物が除去された液体、例えば塔頂循環液又は製品の精製四塩化チタン液を供給する。付着が生じる部分は、製造されたクルード四塩化チタン液を一時的に貯蔵する貯蔵タンク5に装備される差圧式の液面計5、或いはクルード四塩化チタン液を移送する移送ポンプ8,12の軸シール部である。クルード四塩化チタン液に代えて、高沸点物が除去された四塩化チタン液を供給することにより、高沸点物の付着による動作不良が防止される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高沸点物を含むクルード液を蒸留する蒸留系において、蒸留前のクルード液が侵入してクルード液中の高沸点物が付着することによる動作不良を防止する蒸留系における高沸点物の付着防止方法に関する。
金属チタンは通常、塩化法によるクルード四塩化チタンの製造、製造されたクルード四塩化チタンの蒸留精製、精製四塩化チタンを使用したスポンジチタンの製造等の工程を経て製造される。
塩化法によるクルード四塩化チタンの製造工程では、チタン、酸素及び鉄を含有するチタン鉱石を、炭素の存在下で塩素ガスと接触させることにより、クルード四塩化チタンがガス状で生成される。反応炉で生成されたガス状のクルード四塩化チタンは、凝縮器により液化され、一旦タンクに貯蔵される。
製造されたクルード四塩化チタン液は、塩化ジルコニウム、塩化ニオブといった塩化物系の各種不純物を含んでおり、これを除去するために蒸留塔などに送られて精製処理を受ける。これがクルード四塩化チタンの蒸留精製工程である。
このようなクルード四塩化チタンの蒸留精製系を含む四塩化チタン製造工程では、クルード四塩化チタン液の移送経路の各所で粘着物の付着による動作不良が生じる。動作不良発生箇所の一つは、クルード四塩化チタンの製造工程で製造されたクルード四塩化チタン液を一時的に貯蔵する貯蔵タンクの液面計である。この液面計としては、液面下と液面上の圧力差から液面レベルを検出する差圧式のものが構造簡易な点から多用されているが、この液面計には粘着物の付着による動作不良が頻繁に発生する。
別の動作不良発生箇所としては、クルード四塩化チタン液を蒸留精製工程へ移送する移送ラインにおける移送ポンプの軸シール部がある。この移送ポンプの軸シール部に粘着物が付着堆積することにより、移送ポンプの動作不良が頻繁に発生する。
これらの動作不良を防止するために、これまでは液面計や移送ポンプを高い頻度で分解し洗浄していた。しかし、このような動作不良防止策では、分解整備に手数・時間がかかるだけでなく、整備期間中、設備の運転停止を余儀なくされる。このため、経済的損失が大きい。
粘着物の付着による液面計の動作不良を防止するために、液面計を接続する配管に高温低粘度の溶融物を導入して付着物を溶融するとか、高温の不活性ガスを導入して付着物を機械的に除去するといった対策は特許文献1に記載されているが、いずれの対策も付着そのものを防止するものではなく、付着がある程度進行した段階で付着物を除去する対策のため、動作不良を完全に防止することは困難である。また、実施するには設備の運転を停止する必要があり、実施効果の点でも実施コストの点でも問題がないとは言えない。
特開平7−268353号公報
一方、クルード四塩化チタン液の移送ポンプにおける軸シール部への粘着物の付着堆積は次のような経緯を経て発生するようになった。元来、クルード四塩化チタン液の移送ポンプにおける軸シールは、加圧循環オイルにより行っていた。しかし、加圧循環オイルによる軸シールでは、移送媒体であるクルード四塩化チタン液へオイルが混入して品質低下を生じるとか、オイルへクルード四塩化チタン液が混入して装置を腐食させるといったことが問題になる。このような混入の問題を解決するために、オイルの自然循環と加圧ガスとを組み合わせた複合的な軸シール構造は特許文献2に記載されている。
実公平6−14152号公報
特許文献2に記載されたような複合的な軸シール構造により、混入の問題は一旦は解決された。しかし、高純度チタンに特に高い純度が要求される昨今においては、極微量のオイル混入も許容されなくなり、複合的な軸シール構造を通してクルード四塩化チタン液に混入する極微量のオイルも無視できない汚染源となることが分かってきた。
このような事情から、本出願人はクルード四塩化チタン液の移送ポンプにおける軸シールにクルード四塩化チタン液を使用することを企画し、フィルタにより濾過処理したクルード四塩化チタン液を軸シール部にシール液として供給し始めた。これによりクルード四塩化チタン液の汚染の問題は完全に解消された。クルード四塩化チタン液を濾過処理するのは、液中に存在する微粒子状の固体成分を事前に除去し、これが軸シール部に付着するのを防止するためである。しかしながら、そのような工夫にもかかわらず、軸シール部への粘着物の付着堆積により、移送ポンプが頻繁に動作不良を起こすのを避け得ないことが判明した。
本発明の目的は、クルード四塩化チタンの蒸留精製系のようなクルード液の蒸留系における粘着物の付着堆積による動作不良を効果的に且つ経済的に防止できる蒸留系における高沸点物の付着防止方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者は先ず動作不良の原因となる付着物の組成を詳細に調査した。その結果、付着物はクルード液に含まれ、蒸留系で除去されるべき高沸点物であることが判明した。具体的には、クルード四塩化チタンの蒸留精製系の場合、その蒸留で除去される塩化ジルコニウム、塩化ニオブ、塩化アルミニウム、塩化鉄等である。
そして次に、本発明者はこれらの高沸点物につき、付着物を除去するのではなく付着そのものを防止することを企画し、具体的対策について鋭意検討した。付着物を除去する場合は設備の運転停止を余儀なくされるが、付着を防止すれば運転停止は不要となる。検討の結果は、付着が発生する箇所に対して、蒸留後の高沸点物が減少した液体を供給するというものであり、そうするならば、動作不良の原因となる付着を、系内で自己完結的に経済性よく防止できることが判明した。
本発明の蒸留系における高沸点物の付着防止方法は、かかる知見に基づき完成されたものであり、高沸点物を含むクルード液を蒸留する蒸留系において、蒸留前のクルード液が侵入して付着が生じる部分に、蒸留によって高沸点物が減少した液体を連続的又は断続的に供給して、その部分における付着を防止するものである。
付着を防止する部分としては、具体的には、高沸点物を含む蒸留前のクルード液の貯蔵タンクに装備される差圧液面計や、高沸点物を含む蒸留前のクルード液の移送ポンプにおける軸シール部などを挙げることができる。
本発明の付着防止方法は、クルード四塩化チタン液の蒸留系、とりわけ、塩化法を用いた四塩化チタン製造工程におけるクルード四塩化チタン液の蒸留精製系に有効である。
本発明の付着防止方法においては、クルード液の侵入による付着が発生する部分に、蒸留によって高沸点物が減少した液体を連続的又は断続的に少量供給する。そうすると、付着が発生する部分が、高沸点物が減少した液体によりシールされ、この液封により付着の原因である高沸点物の供給が実質的に絶たれるので、付着が防止される。また、付着しかけた高沸点物もこの高沸点物が減少したシール液により逐次溶解除去される。これらにより、高沸点物の付着そのものが防止される。したがって、付着による運転不良は生じず、運転不良を防止するための設備停止も整備作業も不必要となる。
付着防止に使用される高沸点物が減少した液体は、蒸留系内で生成されるため、系外からシール液や洗浄液、除去用の加圧流体などを導入する場合と比べて非常に経済的であり、またクルード液より精製度の高い液体を精製度の低いクルード液の侵入部分に用いるために精製品の品質上の問題も生じない。
付着防止に使用される高沸点物が減少した液体は、クルード液より高沸点物が減少したものであればよいが、付着防止の点からは高沸点物が少ないほど好ましく、具体的には蒸留塔から取り出した製品(精製液)でもよいが、蒸留塔の塔頂部で循環する循環液の一部を抜き出して使用する方が経済的で好ましい。塔頂部で循環する循環液は、製品である精製液より低純度であるが、付着の原因となる高沸点物は製品と同様に除去されており、付着防止用のシール液としての能力は変わらない。液体供給量は所望のシール機能、付着防止効果が得られるように対象物に応じて適宜決定される。
本発明の蒸留系における高沸点物の付着防止方法は、高沸点物を含むクルード液を蒸留する蒸留系内において、蒸留によって高沸点物が減少した液体を付着が発生する部分に供給し、この液体による液封を行うことにより、その付着の発生を防止する。付着自体を防止するので、付着物の発生を防止でき、付着物を除去するための運転停止も整備作業も必要とせず、非常に経済的である。付着防止に系内で生じる液体をシール液に使用するので、付着防止に要するコストも低く抑制できる。使用するシール液がクルード液より精製度が高い液体であるために、その使用による品質上の問題も回避できる。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す四塩化チタン製造設備の構成図、図2は移送ポンプの主要部である軸シール部の構成図である。
本実施形態の蒸留系における高沸点物の付着防止方法は、四塩化チタンの製造に使用されている。四塩化チタンの製造工程は、塩化法によるクルード四塩化チタンの製造系と、製造されたクルード四塩化チタンを蒸留により精製する蒸留精製系とを含んでいる。
塩化法によるクルード四塩化チタンの製造系では、流動反応炉1が使用される。流動反応炉1では、粒状のチタン鉱石及び粒状のコークスを炉内に装入した状態で、炉下方から炉内に塩素ガスを吹き込み、800〜1200℃の温度範囲内で流動層を形成することにより、ガス状のクルード四塩化チタンを生成する。
生成されたクルード四塩化チタンガスは逐次、炉頂部から炉外へ抜き出され、サイクロン2に送られ、固形物を除去された後、コンデンサ3に送られ、液化される。コンデンサ3で生成されたクルード四塩化チタン液は、一旦、貯蔵タンク4に導入される。貯蔵タンク4では、差圧式の液面計5により液面レベルが測定される。差圧式の液面計5は、液体側の導管6と空間側の導管7を用いてタンク内の液面下と液面上の圧力差を検出し、その検出値から液面レベルを検出する。
貯蔵タンク4内のクルード四塩化チタン液は、前述したとおり塩化ジルコニウム、塩化ニオブ、塩化アルミニウムなどの高沸点物を含んでいる。このクルード液は移送ポンプ8により、予備蒸留器である蒸発器9に送られる。蒸発器9では、導入されたクルード四塩化チタン液が加熱され、ガス化される。そのガスは蒸発器9から抜き出され、コンデンサ10で液化された後、蒸留塔11へ送られる。蒸発器9内で高沸点物が濃縮されたクルード四塩化チタン液は、移送ポンプ12によりサイクロン2の上流側へ戻される。
蒸留塔11では、蒸発器9で予備蒸留されて導入されたクルード四塩化チタン液を塔底部でボイラ13に循環させることにより加熱し、蒸発させる。そのクルード四塩化チタンガスは塔内を温度を下げながら上昇し、最終的に塔頂部から抜き出される。これにより、クルード四塩化チタン中の高沸点物が除去される。
蒸留塔11の塔頂部から抜き出された四塩化チタンガスは、コンデンサ14により液体に戻して塔頂部に循環される。一方、製品であるピュア四塩化チタンは塔底部と塔頂部との間からいわゆるサイドカットによりガス状で塔外へ逐次取り出される。塔外へ取り出されたピュア四塩化チタンガスは、コンデンサ22により液化され、図示されない製品タンクに貯蔵される。かくして蒸留塔11での蒸留精製が継続され、ピュア四塩化チタンが生成され続ける。
製品を塔底部と塔頂部との間からサイドカットで取り出すのは、四塩化チタンより沸点が低い低沸点系の一部の塩化不純物を排除するためである。すなわち、四塩化チタンより沸点が低い低沸点系の一部の塩化不純物は塔頂循環液中に濃縮する。サイドカットによればこの低沸点系の一部の塩化不純物も除去できるのである。
このような四塩化チタンの製造工程、特にクルード四塩化チタンの蒸留系では、クルード四塩化チタン中の高沸点物が付着物となって動作不良が頻発する。具体的には、生成されたクルード四塩化チタン液を一時的に貯蔵する貯蔵タンク4に装備された差圧式の液面計5や、クルード四塩化チタン液を移送する移送ポンプ8及び12で、この動作不良が多発する。前述したとおりである。
そこで本実施形態の蒸留系における高沸点物の付着防止方法では、蒸留塔11の塔頂部を循環する塔頂循環液を、分流器15及び移送ポンプ16を介して適宜微量取り出し、液面計5の液体側の導管6や移送ポンプ8及び12の各軸シール部に加圧して供給する。なお移送ポンプ16は、蒸留後の高沸点物を含まない四塩化チタン液を移送するので、高沸点物の付着による動作不良は生じない。
蒸留器8における塔頂循環液は、前述したとおり製品ではないものの、付着を生じる高沸点物を殆ど含まず、付着した高沸点物に対しては有効な洗浄液にもなる。これを液面計5の液体側の導管6に連続的又は間欠的に微量供給し、導管6内を常に高沸点物を含まない塔頂循環液で満たしておく。そうすることにより、液面計5の液体侵入部が高沸点物を含まない塔頂循環液でシールされ、液面計5での付着物の発生による動作不良が防止される。導管6内で塔頂循環液の余剰が生じた場合は、貯蔵タンク4に逆流するが、それが品質上の問題を生じないことは前述したとおりである。
また、移送ポンプ8及び12では、図2に示すように、水平な回転羽根17の回転によりクルード四塩化チタン液が中央部下方の導入管18から吸引され、排出管19により側方へ排出される。回転羽根17を駆動するための垂直な回転軸20は、図示されないモータにより駆動され、回転羽根17の直上でメタルシール21により軸封されている。そして、この軸封部のシール液として、従来はフィルタにより濾過処理したクルード四塩化チタン液がメタルシール21の上方に加圧供給されていた。シール液としてクルード四塩化チタン液を使用するのは、そのシール液が移送媒体であるクルード四塩化チタン液に混入しても問題を生じないからである。また、そのクルード四塩化チタン液を濾過処理するのは、液中の固形物を除去して動作不良の防止を図るためである。しかし、その結果は、前述したとおり、軸封部にクルード四塩化チタン液が侵入し、液中の高沸点物が付着堆積することにより、動作不良が頻発するのを避け得ないというものである。
そこで本実施形態では、この動作不良を防止するために、メタルシール21の上方に、高沸点物を含まない塔頂循環液が常時満たされるように、該循環液をシール液として連続的又は間欠的に微量供給する。供給圧は、移送媒体であるクルード四塩化チタン液がシール部へ流入しない圧力とする。これにより、供給された塔頂循環液は回転軸20とメタルシール21の間の僅かの隙間に侵入する。その結果、シール部における高沸点物の付着堆積が防止され、高沸点物の付着堆積に起因する動作不良が防止される。供給された塔頂循環液の一部は、回転軸20とメタルシール21の間を通過して、回転羽根17による移送媒体であるクルード四塩化チタン液中に混入するが、その混入が品質上問題のないことは前述のとおりである。
かくして、本実施形態では、生成されたクルード四塩化チタン液を一時的に貯蔵する貯蔵タンク4に装備された差圧式の液面計5や、クルード四塩化チタン液を移送する移送ポンプ8及び12での粘着物付着による動作不良が、系内で生成される塔頂循環液を使用して経済的に防止される。また、これにより分解整備が不要になり、分解整備に伴う作業及び運転停止がなくなることからも経済性が向上する。
本発明の経済的効果を比較例との対比により明らかにする。
最初の対比では、生成されたクルード四塩化チタン液を一時的に貯蔵する貯蔵タンクに装備された差圧式の液面計において、クルード四塩化チタン液中の高沸点物の付着が原因で発生する動作不良を防止する。この防止のために、本発明例1として、液体側の導管に塔頂循環液を供給し、その導管内を常時循環液で満たした。また本発明例2として、製品であるピュア四塩化チタン液を供給した。供給量は1リットル/分とした。動作不良は発生せず、液面計の分解整備は不要であった。
一方、比較例1として、液体側の導管内にシール液は供給せず、タンク内のクルード四塩化チタン液が流入するままとした。そして動作不良防止のために、1時間に1回の頻度でクルード液の流入を一時的に遮断して液体側の導管から液面計へガスブローを行った。付着を完全に防止することができず、30日ごとに液面計の分解整備を行う必要があった。比較例2として、フィルタで濾過処理したクルード四塩化チタン液を液体側の導管に供給し、この液で液面計をシールした。動作不良防止のために、30日ごとに液面計の分解整備を行う必要があった。
従来は、タンク内のクルード四塩化チタン液が液体側の導管内に流入するままとしていた(従来例)。動作不良防止のために7日毎に液面計の分解整備を行う必要があった。
いずれの場合も液面計の動作不良は防止でき、測定誤差を2%以内に抑制できた。しかし、その動作不良の防止に要するコストは、比較例では本発明例に比べて相当に嵩むものになった。各例でのコストを、ガスブローによる比較例1の場合を100として表1に示す。
Figure 2006055740
動作不良の防止策を特に講じない従来例の場合、動作不良を防止するためには7日に1回の割合で分解整備が必要であり、防止コストが嵩む。防止策を講じてもガスブローや濾過液使用の場合は30日に1回の割合で分解整備が必要であり、防止コストは依然として高い。これらに対し、蒸留で高沸点物を低減した液体によって液面計をシールすると、分解整備なしで動作不良を防止でき、防止コストが大幅に下がる。液コストの点から塔頂循環液が製品液より有利である。
次の対比試験として、移送ポンプの軸シール部の粘着物付着による動作不良を防止する。この防止のために、本発明例3として、軸シール液に塔頂循環液を用いた。また、本発明例4として製品液を用いた。軸シール液の供給量は1リットル/分とした。動作不良は発生せず、液面計の分解整備は不要であった。
一方、比較例3として、軸シール液に濾過処理したクルード四塩化チタン液を用いた。汚染防止及び動作不良防止を目的として本出願人が当初考えた方法である。軸シール液の供給量は本発明例3,4と同じ1リットル/分とした。汚染防止は達成されたが、動作不良防止のために、30日ごとに軸シール部の分解整備を行う必要があった。各例でのコストを比較例3の場合を100として表2に示す。
Figure 2006055740
いずれの場合も移送ポンプの動作不良は防止できた。しかし、その防止のために、比較例3では30日に1回の割合で分解整備が必要であり、整備により防止コストが嵩む。これに対し、本発明例3及び4では分解整備なしで動作不良を防止でき、防止コストが大幅に下がる。液コストの点から塔頂循環液が製品液より有利である。ちなみに、濾過処理しないクルード四塩化チタン液を軸シールに使用した場合は、15日に1回の割合で分解整備が必要となり、コストは200に跳ね上がる。
本発明の一実施形態を示す四塩化チタン製造設備の構成図である。 移送ポンプの主要部である軸シール部の構成図である。
符号の説明
1 流動反応炉
2 サイクロン
3,10,14,22 コンデンサ
4 貯蔵タンク
5 液面計
6 液体側の導管
7 空間側の導管
8,12,16 移送ポンプ
9 蒸発器
11 蒸留塔
13 ボイラ
15 分流器
16 移送ポンプ
17 回転羽根
18 導入管
19 排出管
20 回転軸
21 メタルシール

Claims (5)

  1. 高沸点物を含むクルード液を蒸留する蒸留系において、蒸留前のクルード液が侵入して付着が生じる部分に、蒸留によって高沸点物が減少した液体を連続的又は断続的に供給して、その部分における付着を防止することを特徴とする蒸留系における高沸点物の付着防止方法。
  2. 付着を防止する部分が、高沸点物を含む蒸留前のクルード液の貯蔵タンクに装備される差圧液面計である請求項1に記載の蒸留系における高沸点物の付着防止方法。
  3. 付着を防止する部分が、高沸点物を含む蒸留前のクルード液の移送ポンプにおける軸シール部である請求項1に記載の蒸留系における高沸点物の付着防止方法。
  4. 前記クルード液が四塩化チタン液である請求項1に記載の蒸留系における高沸点物の付着防止方法。
  5. 前記蒸留系が、酸化チタンを塩化処理して生成されたクルード四塩化チタン液の蒸留精製系統である請求項4に記載の蒸留系における高沸点物の付着防止方法。
JP2004239835A 2004-08-19 2004-08-19 蒸留系における高沸点物の付着防止方法 Expired - Lifetime JP4011571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004239835A JP4011571B2 (ja) 2004-08-19 2004-08-19 蒸留系における高沸点物の付着防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004239835A JP4011571B2 (ja) 2004-08-19 2004-08-19 蒸留系における高沸点物の付着防止方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006055740A true JP2006055740A (ja) 2006-03-02
JP4011571B2 JP4011571B2 (ja) 2007-11-21

Family

ID=36103661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004239835A Expired - Lifetime JP4011571B2 (ja) 2004-08-19 2004-08-19 蒸留系における高沸点物の付着防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4011571B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302522A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Toho Titanium Co Ltd 四塩化チタンの精製方法およびこれに用いる精製装置
JP2010030857A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Toho Titanium Co Ltd 四塩化チタンの蒸留精製装置、同装置の整備方法および同装置による四塩化チタンの精製方法
CN101810936A (zh) * 2010-04-20 2010-08-25 上海通凌新能源科技发展有限公司 常压蒸馏系统与减压蒸馏系统安全联用的设备及使用方法
JP2013063893A (ja) * 2011-08-29 2013-04-11 Osaka Titanium Technologies Co Ltd 四塩化チタン製造設備の整備方法および四塩化チタン製造設備
KR101860842B1 (ko) 2018-02-07 2018-05-24 인천화학 주식회사 사염화 타이타늄 정제 장치 및 이를 이용한 정제 방법
CN110282655A (zh) * 2019-08-08 2019-09-27 中国恩菲工程技术有限公司 四氯化钛精馏方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302522A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Toho Titanium Co Ltd 四塩化チタンの精製方法およびこれに用いる精製装置
JP4740033B2 (ja) * 2006-05-12 2011-08-03 東邦チタニウム株式会社 四塩化チタンの精製方法およびこれに用いる精製装置
JP2010030857A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Toho Titanium Co Ltd 四塩化チタンの蒸留精製装置、同装置の整備方法および同装置による四塩化チタンの精製方法
CN101810936A (zh) * 2010-04-20 2010-08-25 上海通凌新能源科技发展有限公司 常压蒸馏系统与减压蒸馏系统安全联用的设备及使用方法
CN101810936B (zh) * 2010-04-20 2011-08-10 上海通凌新能源科技发展有限公司 常压蒸馏系统与减压蒸馏系统安全联用的设备及使用方法
JP2013063893A (ja) * 2011-08-29 2013-04-11 Osaka Titanium Technologies Co Ltd 四塩化チタン製造設備の整備方法および四塩化チタン製造設備
KR101860842B1 (ko) 2018-02-07 2018-05-24 인천화학 주식회사 사염화 타이타늄 정제 장치 및 이를 이용한 정제 방법
CN110282655A (zh) * 2019-08-08 2019-09-27 中国恩菲工程技术有限公司 四氯化钛精馏方法
CN110282655B (zh) * 2019-08-08 2021-12-03 中国恩菲工程技术有限公司 四氯化钛精馏方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4011571B2 (ja) 2007-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2493142C1 (ru) Получение уксусной кислоты посредством карбонилирования с повышенной реакционной способностью и мгновенным испарением
US7037481B2 (en) Production of ultra pure salt
JP3106411B2 (ja) 1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法
JP4011571B2 (ja) 蒸留系における高沸点物の付着防止方法
EP1756030A4 (en) IMPROVEMENTS IN A PROCESS FOR PREPARING A FILTRAT FOR TREATING A TEREPHTHALIC ACID FILTRATE
JP2009024222A (ja) フッ素系ガス及び水素ガス発生装置
US20180078976A1 (en) Chamber cleaning method using f2 and a process for manufacture of f2 for this method
JP2017525666A (ja) ニトロベンゼンの製造方法
US20050242036A1 (en) Chemical and sludge free water treatment process
JP5038251B2 (ja) 四塩化チタンの蒸留精製装置、同装置の整備方法および同装置による四塩化チタンの精製方法
JP4828180B2 (ja) 三フッ化窒素の製造方法
Pulles et al. Development of the slurry precipitation and recycle reverse osmosis (SPARRO) technology for desalinating scaling mine waters
CN1130246C (zh) 工业副产氯化氢气体精制回收工艺
RU2305720C2 (ru) Способ удаления оксида железа с поверхности титановых компонентов
JP2013071051A (ja) 淡水精製装置
JP3268890B2 (ja) 1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の製造方法
JP4735500B2 (ja) アントラキノン法による過酸化水素の製造方法
JP2006069845A (ja) リン酸およびリン酸以外の少なくとも1種の酸とを含む金属含有混酸水溶液からリン酸を回収する方法および装置
JP2006198547A (ja) 水系の電解処理方法及び装置
JP2011156465A (ja) 銅電解精製の電解液浄液システム
JP2004035302A (ja) ヨウ素の回収方法及び回収装置
JP4628653B2 (ja) 無水マレイン酸の蒸留残渣の処理方法
KR20220028073A (ko) 불소 가스의 제조 방법
JP3632580B2 (ja) 高純度過酸化水素水溶液の製造装置
EP2533874A1 (en) Processes utilizing switch condensers

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4011571

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130914

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250