JP2006055287A - クリップおよびクリップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、組織をしっかりと把持するクリップおよびクリップ装置を提供することにある。
【解決手段】
中央部で曲げられ、拡開習性を有する一対の腕部と、前記腕部の先端部には爪部が設けられている内視鏡用のクリップであって、前記腕部に補強部材を設け、また前記補強部材は、突起を形成しており、また、前記クリップの基端側には、前記腕部を閉じる手段である締結リングを有するクリップであり、さらに、長尺の筒状体と、前記筒状体の先端側に設けられ、上記に記載のクリップを着脱自在に支持すると共に該クリップを閉じる機能を有する機能部と、前記筒状体の基端側に設けられ、前記機能部を作動させる操作を行う操作部とを有するクリップ装置である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、クリップおよびクリップ装置に関する。
内視鏡を用いた手技では、出血部位の結紮、裂創の縫縮および粘膜切除の際にマーキング等を行なうために、内視鏡用のクリップ装置が使用されている。
このような内視鏡クリップ装置としては、図13に示すような内視鏡用のクリップ装置500が開示されている(例えば、特許文献1参照)。クリップ装置500は、開拡習性を有し、クリップ501の先端部を開閉する締付用リング502と、操作ワイヤー503の先端に設けられたフック504に着脱可能な連結板506より構成される。
このクリップ装置500では、フック504のピン505を連結板506に設けられた小さな孔507に係止して、図示していないハンドルにより操作ワイヤー503を引き込んでクリップ501を取付ける。そして内視鏡を介して病巣部にクリップ501の先端が開いた部分を押し当てた状態でハンドルを操作することで締付用リング502内にクリップ501の末端が引き込まれ、クリップ501の先端の開口部が閉じて病巣を把持する。
また、クリップとしては、図14に示すような内視鏡用のクリップ10が開示されている(例えば、特許文献2参照)。このクリップ10は、ステンレス製の薄い帯板を真中部分で曲げ、その曲げ部分を基端部としてなり、この基端部から延びた両方の腕部101を互いに交差させる。更に各腕部101の先端縁部に向き合うように折り曲げてこれを挟持部102とした形状になっている。またクリップの挟持部102を閉じるためにクリップの基端部側から締付リング11が嵌め込まれる。
前記クリップは薄い帯板を曲げただけの形状のため、硬い組織を把持する際には、組織を把持した両腕部101がたわんでしまい、しっかりと組織が把持できなく、止血部位の結紮効果が十分でなく、直ぐに組織から外れてしまう問題があった。
実開平02−6011号公報 実開昭50―75797号公報
本発明の目的は、組織をしっかりと把持するクリップおよびクリップ装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)に記載の本発明により達成される。
(1)中央部で曲げられ、拡開習性を有する一対の腕部と、前記腕部の先端部には爪部が設けられている内視鏡用のクリップであって、前記腕部に補強部材を設けたことを特徴とするクリップ。
(2)上記(1)に記載のクリップであって、前記補強部材は、突起を形成しているクリップ。
(3)上記(1)または(2)に記載のクリップであって、前記クリップの基端側には、さらに前記腕部を閉じる手段である締結リングを有するクリップ。
(4)上記(3)に記載のクリップであって、前記締結リングは、前記補強部材に突き当たることで位置決めできるクリップ。
(5)長尺の筒状体と、前記筒状体の先端側に設けられ、上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のクリップを着脱自在に支持すると共に該クリップを閉じる機能を有する機能部と、前記筒状体の基端側に設けられ、前記機能部を作動させる操作を行う操作部とを有するクリップ装置。
(6)上記(5)に記載のクリップ装置であって、前記機能部は、前記操作部による操作により開閉可能な前記クリップを把持するクリップ把持部を有するクリップ装置。
(7)上記(6)に記載のクリップ装置であって、前記クリップ把持部は、一対の腕部と、前記腕部の先端側に設けられた爪部とを有するクリップ装置。
(8)上記(5)ないし(7)のいずれかに記載のクリップ装置であって、前記操作部近傍に、さらに前記クリップを保持する保持部を有するクリップ装置。
(9)上記(8)に記載のクリップ装置であって、前記保持部は、クリップを収納する収納溝を有するクリップ装置。
(10)上記(8)または(9)に記載のクリップ装置であって、前記保持部は、前記クリップ把持部を案内するガイド溝を有するものであるクリップ装置。
本発明によれば、組織をしっかりと把持できるクリップおよびクリップ装置を提供することができる。具体的には、本発明のクリップは組織を把持する両腕部に補強部を設けたことで腕部の剛性が上がり、硬い組織を把持した際でも、腕部のたわみがなくしっかりと硬い組織を把持でき、また止血の効果が高くなる。
以下、本発明のクリップをクリップ装置と共に添付図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のクリップ装置の一例を示す斜視図である。図2は、機能部の斜視図である。図3は、クリップの一例を示す斜視図である。図4は、操作部の斜視図である。図5は、操作部の分解斜視図である。図6は、操作部の部分断面図である。図7は、保持部の斜視図である。図8は、保持部の断面図である。図9〜図12は、本発明のクリップ装置の使用方法を示すものである。図1,6,9,10,11,12中で右側を基端側、左側を先端側とし、図2,3,4,5中では下側を先端側、上側を基端側とする。
図1に示すように、クリップ装置1は、長尺状の筒状体2と、筒状体2の先端側に設けられ、開閉自在なクリップ(不図示)を着脱自在に支持すると共に該クリップを閉じる機能を有する機能部3と、筒状体2の基端側に設けられ、機能部3を作動させる操作を行なう操作部4とを有し、操作部4近傍に前記クリップを保持する保持部5を有する。以下、各構成要素について説明する。
筒状体2は、内部に操作部4の操作を伝達する伝達部材が収納し得る空間を有している中空状で可とう性を有する長尺部材である。
伝達部材としては、例えば機能部3と操作部4との間を接続する管状体32が挙げられる。
管状体32内には、ワイヤーが挿通されている。ワイヤー先端は、クリップ把持部31の基端部に固定されている。
伝達部材(管状体32)がワイヤーに対して、相対的に軸方向に移動できるようになっている。
前記ワイヤーは、その全部または一部が可とう性を有していることが好ましく、例えばステンレス鋼、炭素鋼等の金属線、ポリアミド、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン等の樹脂繊維等が挙げられる。
筒状体2の内径は、特に限定されないが、1.8〜2.8mmが好ましく、特に2.0〜2.4mmが好ましい。内径が前記範囲内であると、特に操作性に優れる。
筒状体2の長さは、特に限定されないが、1,500〜3,000mmが好ましく、特に1,600〜2,300mmが好ましい。長さが前記範囲内であると、特に内視鏡内での操作性に優れる。
筒状体2を構成する材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂(FEP)等のフッ素樹脂等が挙げられる。
図1および図2に示すように後述する開閉自在なクリップ8を着脱自在に支持すると共に該クリップを閉じる機能を有する機能部3は、筒状体2の先端側に設けられる。
機能部3は、基端側が伝達手段に連結されたクリップ把持部31と、クリップ把持部31が進退自在に挿通可能である管状体32の管状体先端部321とを有している。これにより、クリップ把持部31が管状体32に挿通された際にクリップ把持部31を閉じることができ、それによって後述するクリップ8を把持することができる。
管状体先端部321には、後述するクリップ8を締結する締結リング9を突出させるリング部322が設けられている。
リング部322の外径は、締結リング9の外径とほぼ同じになっている。これにより、締結リング9をクリップ8の腕部81に設けた補強部材82まで押し出すことができる。
なお、本実施の形態ではリング部322の外径は、締結リング9の外径とほぼ同じであったが、これに限定されず、リング部322により締結リング9が押し出せる径であれば良い。
クリップ把持部31は、一対の腕部311と、各腕部311の先端側に設けられた爪部312とを有している。これにより、後述するクリップ8の把持を容易、かつ確実に行なうことができる。
腕部311は、弾性を有する材料で構成されており、外力を付与しない状態では開いた状態を維持している(拡開習性)。腕部311を構成する材料としては、例えばステンレス、チタン等が挙げられる。
腕部311の長さは、特に限定されないが、2.0〜6.0mmが好ましく、特に3.0〜5.0mmが好ましい。長さが前記範囲内であると、特にクリップ9を把持する能力に優れる。
爪部312は、クリップ把持部31の内側に向かって突出している。例えば、腕部311の先端を折り曲げるように形成されていても良い。
クリップ把持部31の基端部は、操作部4からの操作を伝達する伝達部材に接合されている。
管状体32は、操作部4の先端側から機能部3の先端近傍まで、筒状体2の内部を通って設けられている。
前述したように管状体32に対しては、クリップ把持部31が進退自在に挿通可能となっている。一方、管状体32は、筒状体2に対して進退自在に挿通可能である。
管状体32の外径は、特に限定されないが、1.7〜2.7mmが好ましく、特に1.9〜2.3mmが好ましい。外径が前記範囲内であると、特に操作性に優れる。
図3に示すように本発明のクリップ8は板バネ材等の金属製帯板を中央部で曲げ、先端側には外力を付与しない状態では開いた状態を維持(拡開習性)する一対の腕部81と、基端側に機能部3によって把持される支点84とを有している。腕部81の先端部には、患部等を把持する爪部83が設けられている。爪部83は、クリップ8の内側に向かって突出している。例えば、腕部81の先端を折り曲げるように形成されていても良い。
腕部81には、剛性を上げるため長手方向に対してクリップ8の外側に向かって補強部材82が突起を形成するよう設けらており、またこの補強部材82は爪部83まで延びていてもよい。補強部材82の高さとしては締結リング9が補強部材82に突き当たった際に補強部材で止まる高さであれば、使用する締結リングに合わせて適宜決定すればよい。更に補強部材82の幅としては腕部81の幅の30〜70%が好ましく、特に35〜60%が好ましい。補強部材82の幅が腕部81の幅の前記範囲内であると、特に加工性に優れる。そして腕部81の剛性は帯板の断面形状によって変わるが、腕部81が通常の帯板の場合に比べて補強部材82を設けた場合には腕部81の断面2次モーメントが上がり、その結果、組織を把持した腕部81のたわみが小さくなることで硬い組織でもしっかりと把持することができる。また補強部材82の形状としては徐々に補強部材82が立ち上がる(テーパー形状)形状でもたわみが抑えられて効果があればこの形状も好ましい一例である。
また組織を把持する際には前記補強部材82に締結リング9が突き当たることでクリップ8が閉じた状態となり、締結リング9がこれ以上先端側に移動しないため位置決めすることができる。
クリップ8の材質としては、消化液等による劣化が少なく、外力を付与しない状態では開いた状態を維持していなければならないため、弾性に富む板バネ材等の金属製板が好ましく、例えばステンレスやチタン等が挙げられる。
また締結リング9の材質としてはクリップ8を閉じた状態を維持できる剛性があり、そして消化液等による劣化の少ない材質、例えば金属やプラスチックが好ましい。そして外径としては、筒状体2の内径よりも小さく、かつ管状体32のリング部322により先端側に突出される径であれば、特に限定されない。また内径はクリップの腕部81の幅に合わせて適宜決定すればよい。
図4に示すように操作部4は、本体6と、本体6の基端側(図4中上側)から本体6内に挿通可能なハンドル部41と、本体6の先端側に設けられた筒状体2を押し出すスライド部42とを有している。スライド部42の先端部には、筒状体2が接続されている。
ハンドル部41を本体6に一回押し込むと、操作部4の先端側の管状体32が押し出される。それによって、管状体32の先端開口部の縁部が一対の腕部311を押圧し(管状体32がクリップ把持部31の各腕部311の上に被さって)、クリップ把持部31の一対の腕部311が閉じ、クリップ8を把持することができる。さらに、ハンドル部41を押し込んだ状態を維持すると、管状体32がさらに突出して管状体32でクリップ8を最終的に閉じることができる。
また、スライド部42と本体6との係合を解除して、ハンドル部41を基端側にスライドさせると、筒状体2が押し出される。それによって、クリップ8の腕部81が閉じ、クリップ8を一時的に閉じ、筒状体2の中に収納することができる。これにより、内視鏡の中にクリップを容易に挿入することができる。そして内視鏡先端から筒状体2を出し、クリップ8を筒状体2から押し出すと、クリップ8は外力を付与しない状態では開いた状態を維持(拡開習性)するため、先端側が開き把持が可能となる。
図4および図5に示すようにハンドル部41は、支持部412と、支持部412の基端側の端部に設けられた環状部411とを有している。
支持部412は、先端側(図5下側)に向かって棒状の形状をなしている。支持部412の先端部には、突起を有する突起部413が形成されている。突起部413の中央部(円心近傍)は、後述する回転体65の支柱部652の先端と嵌合する凹部414が設けられている。
環状部411は、術者が操作部4を操作するため、術者の指が挿入可能な程度の空間を有している。
支持部412は、本体6内に挿通可能となっている。
図5に示すように本体6は、支持部412が挿通可能な筒状体61と、筒状体61の先端側にスライド部42に挿通可能な円筒部62とを有している。
筒状体61の外周には、基端側から第1のフランジ611と、第2のフランジ612とが設けられている。
第2のフランジ612と、円筒部62との間の筒状体61の外周面には、クリップ8の保持部5を固定するための固定部613が設けられている。固定部613は、後述する保持部5の着脱溝53と嵌合するレール状の形状となっている。
筒状体61の先端部には、後述する棒状部材7が挿通可能な孔(不図示)が形成されている。
筒状体61の内部には、先端側に配置されて使用される円筒状の停止手段63と、円筒状の停止手段63より基端側に配置される円筒状の位置決め手段64と、停止手段63と位置決め手段64の内周に対して挿通可能な回転体65とが配置されている。この停止手段63と、位置決め手段64に対する回転体65の位置により、操作部4の動作が伝達部材である管状体32を経て機能部3に伝達されることになる。
停止手段63の外周面は、筒状体61の内周面に嵌合するようになっている。
一方、停止手段63の内周には、回転体65が挿通可能となっている。さらに停止手段63の内周面には、先端側に内周面の長手方向に沿った3本のリブ631が設けられている。
リブ631は、後述する回転体65の凹部654と嵌合可能となっている。これによって、ハンドル部41を押し込んだ際に回転体65を筒状体61内の先端側に深く押し込むことができる。
位置決め手段64の外周面は、停止手段63と同様に筒状体61の内周面に嵌合するようになっている。
位置決め手段64の内周には、回転体65が挿通可能となっている。停止手段63の基端側の端部と、位置決め手段64の先端側の端部とは、連接している。
位置決め手段64の内周面には、回転体65の回転位置を固定する3本の溝641が長手方向に沿って設けられている。溝641には、回転体65の突起部653の側部が嵌合するようになっている。これにより、回転体65の位置が決められる。
さらに位置決め手段64の先端側の端部には、ロック手段として機能する切欠き642が設けられている。切欠き642は、位置決め手段64の長手方向に向かって形成されている。これにより、一回ハンドル部41を押し込むと回転体65が回転しながら押し込まれ、回転体65の突起部653の先端を切欠き642により掛止することができる。これにより、回転体65の位置が固定される。
回転体65には、底部651から基端側に向かって、支柱部652と、3つの突起部653とが形成されている。各突起部653は、支柱部652の外周面に等間隔で設けられている。
底部651には、停止手段63のリブ631と嵌合可能な3個の凹部654が、底部651の外周面に等間隔で形成されている。各凹部654は、各突起部653の間に形成されている。
回転体65の支柱部652の先端面側には、後述する棒状部材7が挿入可能な凹部が形成されている。
ハンドル部41の各突起部413の頂点と、回転体65の各突起部653の頂点とは、少しずれるように配置されている。これにより、さらにハンドル部41を押し込むと、回転体65は回転しながら筒状体61の先端側に押し込まれる。
円筒部62は、後述するスライド部42の内腔に挿通可能となっている。円筒部62の基端側には、円周面上に沿った凹部621が形成されている。円筒部62の内腔には、棒状部材7が挿通可能な内腔が形成されている。
棒状部材7は、支持棒71と、支持棒71の基端側に設けられるリング部72と、リング部72内を通って支持棒71に対してスライド可能に設けられるスライド棒73と、支持棒71の先端側に配置されるバネ部74とを有している。
支持棒71の先端部には、ワイヤーが接続されている。リング部72は、支持棒71の基端部に固定されている。すなわち、リング部72は、ハンドル部41の操作に対しても連動しないようになっている。これにより、ワイヤーはハンドル部41の操作に対しても動くことが無いようになっている。
一方、スライド棒73は、ハンドル部41の操作により支持棒71に対して相対的に移動可能となっている。
スライド棒73の基端部には、管状体32を突出させるためのリング部72が配置されている。これにより、ハンドル部41の操作により、管状体32を突出させることができる。
スライド棒73の基端部は、回転体65の支柱部652の裏面(先端側面)に形成された凹部に挿入される。
一方、支持棒71の先端部には管状体32が接続されている。
スライド部42は、ほぼ円筒状であり、先端側には、筒状体2が接続されている。スライド部42の基端側には、本体6の円筒部62の凹部621に嵌合可能な凸部を有するリング状部421を有している。
リング状部421には、円筒部62の凹部621と係合を解除可能な係合解除手段が設けられている。
図6は、本体6の動作を説明するための断面図である。
静止状態(図6(a))では、ハンドル部41は、何も作動していない状態であり、支持部412の突起部413の各頂点と、回転体65の各突起部653の各頂点とは、位置をずらして接触している。
次に、ハンドル部41を本体6内に徐々に押し込む。ハンドル部41を半押しした状態(図6(b))では、回転体65が支持部412によって、回転しながら先端側に押し込まれる。これにより、図5に示す棒状部材7が先端側に押し込まれ、それに伴い管状体32が押し出されクリップ把持部31の上にかぶさり、クリップ把持部31が徐々に閉じていくことになる(クリップ9を把持するようになる)。
そして、ハンドル部41を停止手段63に当接するまで押すと、一度ロックされ、ハンドル部41がそれ以上押し込めない状態となる。この際、回転体65は、位置決め手段64から停止手段63まで押し込まれ、120度回転して、位置決め手段64の切欠き642で固定される。この状態では、図1に示す管状体32がクリップ把持部31の上にかぶさって、クリップ把持部31が閉じている。そのため、クリップ把持部31でクリップ8を把持することができる。
次に、さらにハンドル部41を押し込むと、回転体65は停止手段63内に回転しながら押し込まれ、停止手段63のリブ631と回転体65の凹部654とが嵌合する位置で、さらに押し込まれる。それにより、図1に示す管状体32が、さらに先端側に押し込まれる。そうすると、クリップ8の支点84近傍に配置された締結リング9が管状体先端部321により押し出され、腕部81に設けられた補強部材82に締結リング9が突き当たり、クリップ8が閉じられる。
図1に示すようにクリップ装置1は、操作部4近傍にクリップ8を保持する保持部5を有している。
図7に示すように保持部5は、ほぼブロック状をなす部材であり、上面側(図7中上側)にはクリップ8を挿入可能な収納部51が、所定の間隔で3つ形成されている。
保持部5は、特に限定されないが、透明な材料で構成されていることが好ましい。これにより、クリップ8が収納されているか否かを外部から容易に認識できる。
このような透明な材料としては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
各収納部51の両側部には、それぞれクリップ把持部31を挿入できるガイド溝(逃げ溝)52が形成されている。
ガイド溝52は、収納部51に連通している。ガイド溝52を発光塗料で着色していることが好ましい。これにより、暗い内視鏡室においてもガイド溝52の認識を容易にできる。
一方、下面側(図7中下側)には操作部4に対して着脱手段としての着脱溝53を有している。
なお、本実施形態では、クリップを3つ保持できる実施例を示したがこれに限定されず、2個、4個、5個等の複数個または1個であっても良い。
図8に示すように、収納部51には、クリップ8の先端側を収納するために保持部5の底部側(図8中下側)に向かって孔が形成されている。
収納部51は、図8中上側の横幅が、図8中下側の横幅よりも少し広くなっている。図8中上側の横幅には、クリップ8の締結リング9が嵌合するようになっている。これにより、クリップ8を収納部51内に固定するのが容易となる。
また、保持部5の底部(図8中下側)には、本体6に設けられた保持部5を固定する固定部613と着脱可能な着脱溝53が設けられている。
着脱溝53の一端は、閉じている。それによって、レールの端部が溝に当接して、固定部613に装着した際に本体6のほぼ中心部に保持部5を位置決めすることができる。
収納部51の幅は、クリップ8が自然状態で開く幅よりも少し小さくなっている。すなわち、クリップ8は、その幅が自然状態よりも若干小さく、閉じるように付勢されている。これにより、クリップ8が保持部5の中に安定して収納できる。
このような保持部5は、クリップ8を収納した状態で滅菌袋に入って滅菌されていることが好ましい。これにより、操作毎に滅菌処理する必要がなく、操作性に優れる。
次に、クリップ装置1を用いた使用方法の一つである止血方法について、図9〜図12に基づいて説明する。
(1)図9に示すように、収納部51にクリップ8を収納した保持部5を操作部4に固定した状態で、筒状体2の先端側を持ちながらクリップ把持部31の一対の腕部311を保持部5のガイド溝52に挿入する。したがって、操作の際にクリップ8が手などに直接触れることがないため汚染の心配がない。
なお、予め滅菌処理されたクリップ8が収納された保持部5は、図示はしていないが滅菌袋内に入っており、使用時には滅菌袋から開いて、取り出して、操作部4に固定する。
(2)次に、ハンドル部41をロック手段が作用するまで一回押し込み、管状体32を先端側に突出させることでクリップ把持部31が閉じる(図10)。それにより、クリップ把持部31が、収納部51に収納されているクリップ8の支点84把持する。したがって、一方の手でハンドル部41、他方の手に筒状体2というようにそれぞれの手に1部品を持って操作するため、簡単に操作できる。さらにクリップ把持部31の先端部をガイド溝52に挿入して、ハンドル部41を押し込むだけの単純な操作でクリップ8が取付けられるため、簡単かつ確実に操作できる。
(3)クリップ把持部31がクリップ8を把持している状態で、筒状体61とスライド部42との係合を解除してハンドル部41を基端側に引き抜く。これにより、管状体32が基端側に引かれ、筒状体2がクリップ8の上にかぶさることでクリップ8を一旦閉じる(図11)。
(4)内視鏡(不図示)の挿入部を生体内の目的部位(出血している部位)の近傍に挿入し、鉗子チャンネルへ、前記クリップ8が筒状体2内に収納され、閉じた状態で挿入する。そして、目的部位を確認しながら、挿入部の先端から筒状体2を突出させ、ハンドル部41を先端側に押し込んで、スライド部42と、筒状体61とを係合する。この状態で、クリップ8は筒状体2から突出して開いている。
(5)次に、開いているクリップ8を目的部位に押し当てる。そして、ハンドル部41をさらに先端側に押し込む。これにより、管状体32が先端側に突出し、クリップ8の締結リング9を先端側に押し出す。それにより、クリップ8の両腕部81が閉じて生体の目的部位を挟み込む。ここで、管状体32により押し出された締結リング9が、クリップ8の補強部材82に突き当たることで、締結リング9が止まり位置決めでき、また補強部材82により腕部81のたわみがなくなることで、組織をしっかりと把持できる。(図12)。
クリップ8を閉じた後でハンドル部41は基端側に戻るようになる。この際にクリップ把持部31に被さっていた管状体32が基端側に後退するのでクリップ把持部31の両腕部311も開き、クリップ8からクリップ把持部31が外れることになる。
(6)そして、クリップ8を体内に留置した状態のまま、鉗子チャンネルから筒状体2を引き抜き、更に前記一連の操作を繰り返して処置を実施する。またクリップ8で把持された部位が、壊死するとクリップ8は自然に落ちて、体外に排出される。
以上、本発明のクリップおよびクリップ装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば機能部、操作部等の構成については同様の機能を生じ得る任意の構成のものと置換することができる。
本発明のクリップおよびクリップ装置は、主として内視鏡を介して生体組織の出血部位の結紮、裂創の縫縮及び粘膜組織切除の際のマーキングなどに用いられる。
本発明のクリップ装置の一例を示す斜視図である。 機能部の斜視図である。 クリップの一例を示す斜視図である。 操作部の斜視図である。 操作部の分解斜視図である。 操作部の部分断面図である。 保持部の斜視図である。 保持部の断面図である。 機能部でクリップを把持しようとする状態を示す斜視図である。 機能部でクリップを把持している状態を示す部分断面図である。 クリップが一旦閉じている状態を示す部分断面図である。 クリップが閉じている状態を示す斜視図である。 従来のクリップ装置を示す斜視図である。 従来のクリップを示す斜視図である。
符号の説明
1 クリップ装置
2 筒状体
3 機能部
31 クリップ把持部
311 腕部
312 爪部
32 管状体
321 管状体先端部
322 リング部
4 操作部
41 ハンドル部
411 環状部
412 支持部
413 突起部
414 凹部
42 スライド部
421 リング状部
5 保持部
51 収納部
52 ガイド溝
53 着脱溝
6 本体
61 筒状体
612 フランジ部
613 固定部
62 円筒部
621 凹部
63 停止手段
631 リブ
64 位置決め手段
641 溝
642 切欠き
65 回転体
651 底部
652 支柱部
653 突起部
654 凹部
7 棒状部材
71 支持棒
72 リング部
73 スライド棒
74 バネ部
8 クリップ
81 腕部
82 補強部材
83 爪部
84 支点
9 締結リング
10 クリップ
101 腕部
102 挟持部
11 締付リング
500 クリップ装置
501 クリップ
502 締付用リング
503 操作ワイヤー
504 フック
505 ピン
506 連結板
507 孔






Claims (10)

  1. 中央部で曲げられ、拡開習性を有する一対の腕部と、前記腕部の先端部には爪部が設けられている内視鏡用のクリップであって、
    前記腕部に補強部材を設けたことを特徴とするクリップ。
  2. 請求項1に記載のクリップであって、
    前記補強部材は、突起を形成しているクリップ。
  3. 請求項1または2に記載のクリップであって、
    前記クリップの基端側には、さらに前記腕部を閉じる手段である締結リングを有するクリップ。
  4. 請求項3に記載のクリップであって、
    前記締結リングは、前記補強部材に突き当たることで位置決めできるクリップ。
  5. 長尺の筒状体と、
    前記筒状体の先端側に設けられ、請求項1ないし4のいずれかに記載のクリップを着脱自在に支持すると共に該クリップを閉じる機能を有する機能部と、
    前記筒状体の基端側に設けられ、前記機能部を作動させる操作を行う操作部とを有するクリップ装置。
  6. 請求項5に記載のクリップ装置であって、
    前記機能部は、前記操作部による操作により開閉可能な前記クリップを把持するクリップ把持部を有するクリップ装置。
  7. 請求項6に記載のクリップ装置であって、
    前記クリップ把持部は、一対の腕部と、前記腕部の先端側に設けられた爪部とを有するクリップ装置。
  8. 請求項5ないし7のいずれかに記載のクリップ装置であって、
    前記操作部近傍に、さらに前記クリップを保持する保持部を有するクリップ装置。
  9. 請求項8に記載のクリップ装置であって、
    前記保持部は、クリップを収納する収納溝を有するクリップ装置。
  10. 請求項8または9に記載のクリップ装置であって、
    前記保持部は、前記クリップ把持部を案内するガイド溝を有するものであるクリップ装置。
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