JP2006055287A - クリップおよびクリップ装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、組織をしっかりと把持するクリップおよびクリップ装置を提供することにある。
【解決手段】
中央部で曲げられ、拡開習性を有する一対の腕部と、前記腕部の先端部には爪部が設けられている内視鏡用のクリップであって、前記腕部に補強部材を設け、また前記補強部材は、突起を形成しており、また、前記クリップの基端側には、前記腕部を閉じる手段である締結リングを有するクリップであり、さらに、長尺の筒状体と、前記筒状体の先端側に設けられ、上記に記載のクリップを着脱自在に支持すると共に該クリップを閉じる機能を有する機能部と、前記筒状体の基端側に設けられ、前記機能部を作動させる操作を行う操作部とを有するクリップ装置である。
【選択図】 図3
Description
また、クリップとしては、図14に示すような内視鏡用のクリップ10が開示されている(例えば、特許文献2参照)。このクリップ10は、ステンレス製の薄い帯板を真中部分で曲げ、その曲げ部分を基端部としてなり、この基端部から延びた両方の腕部101を互いに交差させる。更に各腕部101の先端縁部に向き合うように折り曲げてこれを挟持部102とした形状になっている。またクリップの挟持部102を閉じるためにクリップの基端部側から締付リング11が嵌め込まれる。
前記クリップは薄い帯板を曲げただけの形状のため、硬い組織を把持する際には、組織を把持した両腕部101がたわんでしまい、しっかりと組織が把持できなく、止血部位の結紮効果が十分でなく、直ぐに組織から外れてしまう問題があった。
(1)中央部で曲げられ、拡開習性を有する一対の腕部と、前記腕部の先端部には爪部が設けられている内視鏡用のクリップであって、前記腕部に補強部材を設けたことを特徴とするクリップ。
(2)上記(1)に記載のクリップであって、前記補強部材は、突起を形成しているクリップ。
(3)上記(1)または(2)に記載のクリップであって、前記クリップの基端側には、さらに前記腕部を閉じる手段である締結リングを有するクリップ。
(4)上記(3)に記載のクリップであって、前記締結リングは、前記補強部材に突き当たることで位置決めできるクリップ。
(5)長尺の筒状体と、前記筒状体の先端側に設けられ、上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のクリップを着脱自在に支持すると共に該クリップを閉じる機能を有する機能部と、前記筒状体の基端側に設けられ、前記機能部を作動させる操作を行う操作部とを有するクリップ装置。
(6)上記(5)に記載のクリップ装置であって、前記機能部は、前記操作部による操作により開閉可能な前記クリップを把持するクリップ把持部を有するクリップ装置。
(7)上記(6)に記載のクリップ装置であって、前記クリップ把持部は、一対の腕部と、前記腕部の先端側に設けられた爪部とを有するクリップ装置。
(8)上記(5)ないし(7)のいずれかに記載のクリップ装置であって、前記操作部近傍に、さらに前記クリップを保持する保持部を有するクリップ装置。
(9)上記(8)に記載のクリップ装置であって、前記保持部は、クリップを収納する収納溝を有するクリップ装置。
(10)上記(8)または(9)に記載のクリップ装置であって、前記保持部は、前記クリップ把持部を案内するガイド溝を有するものであるクリップ装置。
筒状体2は、内部に操作部4の操作を伝達する伝達部材が収納し得る空間を有している中空状で可とう性を有する長尺部材である。
伝達部材としては、例えば機能部3と操作部4との間を接続する管状体32が挙げられる。
管状体32内には、ワイヤーが挿通されている。ワイヤー先端は、クリップ把持部31の基端部に固定されている。
伝達部材(管状体32)がワイヤーに対して、相対的に軸方向に移動できるようになっている。
前記ワイヤーは、その全部または一部が可とう性を有していることが好ましく、例えばステンレス鋼、炭素鋼等の金属線、ポリアミド、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン等の樹脂繊維等が挙げられる。
筒状体2の内径は、特に限定されないが、1.8〜2.8mmが好ましく、特に2.0〜2.4mmが好ましい。内径が前記範囲内であると、特に操作性に優れる。
筒状体2の長さは、特に限定されないが、1,500〜3,000mmが好ましく、特に1,600〜2,300mmが好ましい。長さが前記範囲内であると、特に内視鏡内での操作性に優れる。
筒状体2を構成する材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂(FEP)等のフッ素樹脂等が挙げられる。
図1および図2に示すように後述する開閉自在なクリップ8を着脱自在に支持すると共に該クリップを閉じる機能を有する機能部3は、筒状体2の先端側に設けられる。
機能部3は、基端側が伝達手段に連結されたクリップ把持部31と、クリップ把持部31が進退自在に挿通可能である管状体32の管状体先端部321とを有している。これにより、クリップ把持部31が管状体32に挿通された際にクリップ把持部31を閉じることができ、それによって後述するクリップ8を把持することができる。
管状体先端部321には、後述するクリップ8を締結する締結リング9を突出させるリング部322が設けられている。
リング部322の外径は、締結リング9の外径とほぼ同じになっている。これにより、締結リング9をクリップ8の腕部81に設けた補強部材82まで押し出すことができる。
なお、本実施の形態ではリング部322の外径は、締結リング9の外径とほぼ同じであったが、これに限定されず、リング部322により締結リング9が押し出せる径であれば良い。
クリップ把持部31は、一対の腕部311と、各腕部311の先端側に設けられた爪部312とを有している。これにより、後述するクリップ8の把持を容易、かつ確実に行なうことができる。
腕部311は、弾性を有する材料で構成されており、外力を付与しない状態では開いた状態を維持している(拡開習性)。腕部311を構成する材料としては、例えばステンレス、チタン等が挙げられる。
腕部311の長さは、特に限定されないが、2.0〜6.0mmが好ましく、特に3.0〜5.0mmが好ましい。長さが前記範囲内であると、特にクリップ9を把持する能力に優れる。
爪部312は、クリップ把持部31の内側に向かって突出している。例えば、腕部311の先端を折り曲げるように形成されていても良い。
クリップ把持部31の基端部は、操作部4からの操作を伝達する伝達部材に接合されている。
管状体32は、操作部4の先端側から機能部3の先端近傍まで、筒状体2の内部を通って設けられている。
前述したように管状体32に対しては、クリップ把持部31が進退自在に挿通可能となっている。一方、管状体32は、筒状体2に対して進退自在に挿通可能である。
管状体32の外径は、特に限定されないが、1.7〜2.7mmが好ましく、特に1.9〜2.3mmが好ましい。外径が前記範囲内であると、特に操作性に優れる。
図3に示すように本発明のクリップ8は板バネ材等の金属製帯板を中央部で曲げ、先端側には外力を付与しない状態では開いた状態を維持(拡開習性)する一対の腕部81と、基端側に機能部3によって把持される支点84とを有している。腕部81の先端部には、患部等を把持する爪部83が設けられている。爪部83は、クリップ8の内側に向かって突出している。例えば、腕部81の先端を折り曲げるように形成されていても良い。
腕部81には、剛性を上げるため長手方向に対してクリップ8の外側に向かって補強部材82が突起を形成するよう設けらており、またこの補強部材82は爪部83まで延びていてもよい。補強部材82の高さとしては締結リング9が補強部材82に突き当たった際に補強部材で止まる高さであれば、使用する締結リングに合わせて適宜決定すればよい。更に補強部材82の幅としては腕部81の幅の30〜70%が好ましく、特に35〜60%が好ましい。補強部材82の幅が腕部81の幅の前記範囲内であると、特に加工性に優れる。そして腕部81の剛性は帯板の断面形状によって変わるが、腕部81が通常の帯板の場合に比べて補強部材82を設けた場合には腕部81の断面2次モーメントが上がり、その結果、組織を把持した腕部81のたわみが小さくなることで硬い組織でもしっかりと把持することができる。また補強部材82の形状としては徐々に補強部材82が立ち上がる(テーパー形状)形状でもたわみが抑えられて効果があればこの形状も好ましい一例である。
また組織を把持する際には前記補強部材82に締結リング9が突き当たることでクリップ8が閉じた状態となり、締結リング9がこれ以上先端側に移動しないため位置決めすることができる。
クリップ8の材質としては、消化液等による劣化が少なく、外力を付与しない状態では開いた状態を維持していなければならないため、弾性に富む板バネ材等の金属製板が好ましく、例えばステンレスやチタン等が挙げられる。
また締結リング9の材質としてはクリップ8を閉じた状態を維持できる剛性があり、そして消化液等による劣化の少ない材質、例えば金属やプラスチックが好ましい。そして外径としては、筒状体2の内径よりも小さく、かつ管状体32のリング部322により先端側に突出される径であれば、特に限定されない。また内径はクリップの腕部81の幅に合わせて適宜決定すればよい。
図4に示すように操作部4は、本体6と、本体6の基端側(図4中上側)から本体6内に挿通可能なハンドル部41と、本体6の先端側に設けられた筒状体2を押し出すスライド部42とを有している。スライド部42の先端部には、筒状体2が接続されている。
リング状部421には、円筒部62の凹部621と係合を解除可能な係合解除手段が設けられている。
静止状態(図6(a))では、ハンドル部41は、何も作動していない状態であり、支持部412の突起部413の各頂点と、回転体65の各突起部653の各頂点とは、位置をずらして接触している。
次に、クリップ装置1を用いた使用方法の一つである止血方法について、図9〜図12に基づいて説明する。
(1)図9に示すように、収納部51にクリップ8を収納した保持部5を操作部4に固定した状態で、筒状体2の先端側を持ちながらクリップ把持部31の一対の腕部311を保持部5のガイド溝52に挿入する。したがって、操作の際にクリップ8が手などに直接触れることがないため汚染の心配がない。
(2)次に、ハンドル部41をロック手段が作用するまで一回押し込み、管状体32を先端側に突出させることでクリップ把持部31が閉じる(図10)。それにより、クリップ把持部31が、収納部51に収納されているクリップ8の支点84把持する。したがって、一方の手でハンドル部41、他方の手に筒状体2というようにそれぞれの手に1部品を持って操作するため、簡単に操作できる。さらにクリップ把持部31の先端部をガイド溝52に挿入して、ハンドル部41を押し込むだけの単純な操作でクリップ8が取付けられるため、簡単かつ確実に操作できる。
(3)クリップ把持部31がクリップ8を把持している状態で、筒状体61とスライド部42との係合を解除してハンドル部41を基端側に引き抜く。これにより、管状体32が基端側に引かれ、筒状体2がクリップ8の上にかぶさることでクリップ8を一旦閉じる(図11)。
(4)内視鏡(不図示)の挿入部を生体内の目的部位(出血している部位)の近傍に挿入し、鉗子チャンネルへ、前記クリップ8が筒状体2内に収納され、閉じた状態で挿入する。そして、目的部位を確認しながら、挿入部の先端から筒状体2を突出させ、ハンドル部41を先端側に押し込んで、スライド部42と、筒状体61とを係合する。この状態で、クリップ8は筒状体2から突出して開いている。
(5)次に、開いているクリップ8を目的部位に押し当てる。そして、ハンドル部41をさらに先端側に押し込む。これにより、管状体32が先端側に突出し、クリップ8の締結リング9を先端側に押し出す。それにより、クリップ8の両腕部81が閉じて生体の目的部位を挟み込む。ここで、管状体32により押し出された締結リング9が、クリップ8の補強部材82に突き当たることで、締結リング9が止まり位置決めでき、また補強部材82により腕部81のたわみがなくなることで、組織をしっかりと把持できる。(図12)。
(6)そして、クリップ8を体内に留置した状態のまま、鉗子チャンネルから筒状体2を引き抜き、更に前記一連の操作を繰り返して処置を実施する。またクリップ8で把持された部位が、壊死するとクリップ8は自然に落ちて、体外に排出される。
2 筒状体
3 機能部
31 クリップ把持部
311 腕部
312 爪部
32 管状体
321 管状体先端部
322 リング部
4 操作部
41 ハンドル部
411 環状部
412 支持部
413 突起部
414 凹部
42 スライド部
421 リング状部
5 保持部
51 収納部
52 ガイド溝
53 着脱溝
6 本体
61 筒状体
612 フランジ部
613 固定部
62 円筒部
621 凹部
63 停止手段
631 リブ
64 位置決め手段
641 溝
642 切欠き
65 回転体
651 底部
652 支柱部
653 突起部
654 凹部
7 棒状部材
71 支持棒
72 リング部
73 スライド棒
74 バネ部
8 クリップ
81 腕部
82 補強部材
83 爪部
84 支点
9 締結リング
10 クリップ
101 腕部
102 挟持部
11 締付リング
500 クリップ装置
501 クリップ
502 締付用リング
503 操作ワイヤー
504 フック
505 ピン
506 連結板
507 孔
Claims (10)
- 中央部で曲げられ、拡開習性を有する一対の腕部と、前記腕部の先端部には爪部が設けられている内視鏡用のクリップであって、
前記腕部に補強部材を設けたことを特徴とするクリップ。 - 請求項1に記載のクリップであって、
前記補強部材は、突起を形成しているクリップ。 - 請求項1または2に記載のクリップであって、
前記クリップの基端側には、さらに前記腕部を閉じる手段である締結リングを有するクリップ。 - 請求項3に記載のクリップであって、
前記締結リングは、前記補強部材に突き当たることで位置決めできるクリップ。 - 長尺の筒状体と、
前記筒状体の先端側に設けられ、請求項1ないし4のいずれかに記載のクリップを着脱自在に支持すると共に該クリップを閉じる機能を有する機能部と、
前記筒状体の基端側に設けられ、前記機能部を作動させる操作を行う操作部とを有するクリップ装置。 - 請求項5に記載のクリップ装置であって、
前記機能部は、前記操作部による操作により開閉可能な前記クリップを把持するクリップ把持部を有するクリップ装置。 - 請求項6に記載のクリップ装置であって、
前記クリップ把持部は、一対の腕部と、前記腕部の先端側に設けられた爪部とを有するクリップ装置。 - 請求項5ないし7のいずれかに記載のクリップ装置であって、
前記操作部近傍に、さらに前記クリップを保持する保持部を有するクリップ装置。 - 請求項8に記載のクリップ装置であって、
前記保持部は、クリップを収納する収納溝を有するクリップ装置。 - 請求項8または9に記載のクリップ装置であって、
前記保持部は、前記クリップ把持部を案内するガイド溝を有するものであるクリップ装置。
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