JP2006053888A - 侵入検知装置及び侵入検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 極めてシンプル、且つ、低コストで侵入を検知することができる侵入検知装置及び侵入検知システムを提供する。
【解決手段】 侵入が制限された区域に配索される、支持ワイヤ部1aと光心線部1bとを有する光ケーブル1と、この光ケーブル1に外力が加わって変位した場合に、光心線部1bに当接してこれを強制的に屈曲させる可動体を有し、光ケーブル1の配索経路の終端部に設けられ、光心線部1bに光伝送損失を発生させる光損失発生部5と、その光伝送損失を検知する光損失検知部4とを備え、この光損失検知部4は上記光伝送損失が一定値以上減衰したときに動作し、侵入検知のための装置を起動させるための信号を出力するように構成されていることを要旨とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、警戒区域或いは侵入禁止区域等の侵入が制限された区域に、侵入者、動物、車両等が侵入したことを検知する侵入検知装置及びそれを用いた侵入検知システムに関するものである。
従来、侵入が制限された区域に立設された複数のポール、支柱等の支持物に光ファイバをセンサとして線状若しくは面状に配索し、その光ファイバにおける伝送状態を検出することにより侵入者を検知する検知システムが知られている。
上記検知システムは、図18に示すように、コントローラを搭載した検知制御機81と、この検知制御機81に接続された光ファイバ82を有しており、上記検知制御機81は、光ファイバ82の一端82aにレーザー光を入射させ、光ファイバ82内を伝播してきたレーザー光を光ファイバ82の他端82bから受光するようになっている。
この検知システムでは光ファイバ82に荷重が加えられたことによって生じた外乱を、レーザー光の状態変化で監視するようになっている。
図19はその状態変化の検出原理を示すものである。この検知制御機81は光ファイバ82の入力及び出力間のレーザー光の分布を常時監視しており、平常時には光ファイバ82の断面におけるレーザー光の分布は同図(a)に示す通りになる。一方、光ファイバ82に振動が加わると、同図(b)に示すように、また、圧力が加わると、同図(c)に示すように、それぞれレーザー光の出力分布が乱れ、また、光ファイバ82が切断された場合も分布が変化する。この出力分布の乱れは検知制御機81によって分布され、予め設定した値(周波数、強度、回数等)以上になった時点で検出信号を発生する。
この種の検知システムはセンサとして光ファイバ82を使用しているため、電気的、電磁的環境を受けることがなく、また、強風等の天候の影響を受けることも少ないため、誤動作が少ないという利点がある。また、例えば支持物間にフェンスが張られている場合には、そのフェンスに沿って配索する等設置環境に対して柔軟に対応することもできるため施工性に優れている。
しかしながら、上記検知システムにおける光ファイバセンサの検出原理は、光ファイバに82に振動や圧力が加わった場合に、受信側で生じるスペックル(斑点)の状態変化を監視するというものであるから、状態変化の分析に専用の検知制御機が必要になる。
この検知制御機81は、光エネルギを電気信号に変換し、電気信号をデジタル化し、更に、周波数情報、回数情報等に変換し、この情報をもとに予め与えられた設定条件と比較し、すべての条件を満たす場合に侵入ありと判断するように構成されている。このように、従来の検知システムの構成は複雑、且つ、高価であり、汎用的に利用することができないという不都合がある。
更に、上記検知システムで侵入位置を特定するために、侵入が制限された区域を細分化しようとすると、侵入が制限された区域毎に高価な上記検知制御機81を追加しなければならず、施工コストが高くなるという問題もある。
本発明は上記検知システムにおける課題を考慮してなされたものであり、極めてシンプル、且つ、低コストで侵入を検知することができる侵入検知装置及び侵入検知システムを提供するものである。
本発明の請求項1記載の侵入検知装置は、侵入が制限された区域に配索される光ケーブルと、この光ケーブルに外力が加わったときに生じる光伝送損失を検知する光損失検知部とを有し、この光損失検知部は上記光伝送損失が一定値以上減衰したときに動作し、侵入検知のための装置を起動させるための信号を出力するように構成されるものである。
上記侵入検知のための装置の具体例としては、防犯カメラ、防犯ビデオ、視覚で侵入を報知する、例えば、警告灯、音声で侵入を報知する、例えば、ブザー等がある。
本発明の請求項2記載の侵入検知装置は、上記光ケーブルの配索経路の終端部に、上記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられるものである。
本発明の請求項3記載の侵入検知装置は、上記光ケーブルの配索経路の中間部に、上記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられるものである。
本発明の請求項4記載の侵入検知装置は、上記光ケーブルが支持ワイヤ部と光心線部とを有し、上記光損失発生部は、上記光ケーブルが変位した場合に、光心線部に当接してこれを強制的に屈曲させる可動体と、屈曲された光心線部を保持する保持部とから構成されるものである。
本発明の請求項5記載の侵入検知装置は、上記光ケーブルが、侵入が制限された区域に所定間隔で配設された支持物に架設され、上記支持ワイヤ部を上記支持物に固定する固定治具が、上記支持物から突設された支持軸と、この支持軸に軸支され、一方の上記支持ワイヤ部については逆転を防止しつつ回転して巻き取る巻取ドラムと、上記支持軸に軸支され、他方の上記支持ワイヤ部については上記光ケーブルの変位に追随して支持ワイヤ部の移動を許容する遊動ローラとを備えるものである。
本発明の請求項6記載の侵入検知装置は、上記光ケーブルが支持ワイヤ部と光心線部とを有し、侵入が制限された区域に略等間隔で立設された3個以上の支持物にあって、光ケーブルの配索経路の各中間部の支持物に上記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられ、上記光損失発生部は、上記光ケーブルが変位した場合に、光心線部に当接してこれを強制的に屈曲させる可動体を備えるものである。
本発明の請求項7記載の侵入検知システムは、侵入が制限された区域が複数の監視区域に分割され、各監視区域毎に上記請求項1乃至6のいずれか1項に記載の侵入検知装置が設けられるものである。
本発明の請求項8記載の侵入検知システムは、侵入が制限された区域の境界に沿って所定間隔を開けた状態で、且つ、撮影方向を同じ向きにして配列される複数の監視カメラと、上記監視カメラで撮影された画像を監視カメラ毎にメモリに録画し又は再生する録画再生装置と、上記監視カメラで撮影された画像を表示するモニタと、上記監視カメラによって撮影された範囲毎に上記境界に配索される光ケーブルと、この光ケーブルに外力が加わったときに生じる光伝送損失を検知する光損失検知部を有し、この光損失検知部は上記光伝送損失が一定値以上減衰したとき動作して起動信号を出力し、この起動信号を受けた上記録画再生装置は、光伝送損失が発生した光ケーブルを撮影範囲としている次段側の監視カメラによって撮影された画像を一定時間溯って再生するように構成されるものである。
本発明の請求項9記載の侵入検知システムは、上記光ケーブルの光心線部が複数の光ファイバ心線を備え、一部の光ファイバ心線は監視カメラの撮影画像を伝送する伝送路として、残りの光ファイバ心線は上記光損失検知部に接続されて侵入検知用センサとして構成されるものである。
本発明の請求項1記載の侵入検知装置によると、光分布を監視することなく、光ケーブルに生じた光伝送損失を検知して、外部出力を動作させることが可能になるため、極めてシンプル、且つ、低コストで汎用性に富み、侵入を容易、確実に検知することができる。
本発明の請求項3記載の侵入検知装置によると、光ケーブルの配索経路の中間部に光損失発生部が設けられているので、侵入が制限された区域内のどの部位で侵入が発生しても侵入をむらなく検知することができる。また、侵入が制限される区域が広くなっても、光ケーブルに生じた光伝送損失を検知することが可能になり、侵入を容易に検知することができる。
本発明の請求項5記載の侵入検知装置によると、光ケーブルに変位が生じたときは、支持ワイヤ部1aの一方端1iを緊張状態に保持しているため、他方の支持ワイヤ部側のみが移動し、他方の支持ワイヤ部側に設けられた光損失発生部で、光ケーブルに発生した光伝送損失を、確実、且つ、迅速に検知することができる。
本発明の請求項6記載の侵入検知装置によると、中間部の支持物の左右いずれ側の個所において、侵入が発生しても、略同一検知レベルの光伝送損失信号を光損失検知部に入力して、光損失検知部から外部出力を出すことが可能になる。従って、侵入が制限された区域のどの区域で侵入が発生しても、より精度よく確実に検知することができ、侵入検知システムの信頼性をより向上させることができる。
本発明の請求項7記載の侵入検知システムによると、侵入場所の特定が容易で、検知の信頼性を高めることができる。また、ハードウエアとしては、検知制御機に比べてコストが格段に安い光損失検知部を追加するだけで対応することが可能になるため、システムが高価にならず、経済的である。
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る侵入検知システムの基本構成を示すものである。
本システムは侵入が制限された区域の外周が複数の監視区域に分割され、各監視区域毎に本発明の侵入検知装置が設けられている。
図1において、光ケーブル1は侵入が制限された区域における所定の監視区域の外周に所定間隔を開けて立設された左右のポール、支柱等の支持物2、3間に、例えば、縦方向(支持物の長手方向)に蛇行状に配索されており、一端は光損失検知部4のIN端子に、他端はOUT端子に接続されている。また、光ケーブル1の配索経路の終端部には後述する第1の実施形態の光損失発生部5が設けられ、この光損失発生部5には例えば支持物2を利用して取り付けられている。
なお、図中6は左右の支持物2、3の間にこれらより略等間隔に立設された補助のポール、支柱等の支持物であり、これら補助の支持物6には光ケーブル1を支持するための、例えば、リング状の通過金具7が設けられている。
以下、各部の構成について詳細に説明する。光ケーブル1は、例えば、図2に示すように、支持ワイヤ部1aとそれに支持されるテープ状の光心線部1bとから構成されている。支持ワイヤ部1aは、支持ワイヤ1cと、これを被覆しているプラスチック樹脂でできた被覆層1dからなり、光心線部1bはテープ状の光ファイバ心線1eと、その光ファイバ心線1eの上下両側に配置されたテンションメンバ1fと、これら光ファイバ心線1e及びテンションメンバ1fを帯状に被覆しているプラスチック樹脂でできた被覆層1gからなる。
なお、この光ケーブル1は支持ワイヤ部1aの被覆層1dと光心線部1bの被覆層1gとを押出被覆手段により一体に被覆して、支持ワイヤ部1aと光心線部1bが一体に形成されるものであるが、この他に、例えば、支持ワイヤ部1aと光心線部1bとを別体に形成し、両者の外周にラッシングワイヤ等の結束部材を巻き付けて形成されるものでもよい。また、本実施形態の光ファイバ心線1eは4心の多心タイプのものを示しているが単心又は2心、3心若しくは5心以上の多心タイプのものでもよい。更に、上記4心タイプの光ファイバ心線1eのうち、いずれか1心を侵入検知に使用してもよいし、2心、3心又は4心全部を侵入検知に使用してもよい。2心以上の光ファイバ心線1eを使用すると、動作不良等のものが生じても、他のものでカバーすることが可能になり、侵入検知不良が減少し、検知感度を向上させることができるので好ましい。
左右の支持物2、3間に光ケーブル1を縦方向に蛇行状に配索するにあたり、光ケーブル1の支持ワイヤ部1aを光心線部1bから分離させ、更に、その支持ワイヤ部1a(被覆層1dを有しない支持ワイヤ1cだけの場合を含む。以下同様)を左右の支持物2、3間に水平に架設する。従って、支持物3に沿って縦方向に配索されるのは光心線部(光ファイバ心線1eだけの場合を含む。以下同様)1bのみとなっている。
支持ワイヤ部1aの右側端部は支持物3に設けられた固定治具8に接続され、左側端部はローラ9を介して立ち下げられ、延長用の支持ワイヤ部1a′と接続されて支持物2に設けられた引張コイルばね10に接続されている。
なお、延長用の支持ワイヤ部1a′は引張コイルばね10に接続される手前で光損失発生部5の可動体(後述する)と固定されている。
第1の実施形態の光損失発生部5は、図3に示すように、平常時には直線状に架設されている光心線部1bの一部を、侵入時には強制的に屈曲させて光伝送損失を発生させるようになっている。
図3(a)において、光損失発生部5の構成は、光心線部1bを通すための通路Sを備えたプレート状の本体5aを有し、その通路Sを境にして下側本体5bには垂直方向にU字溝5cが形成され、このU字溝5c内に、U字溝5cと係合するように形成されたプレート状の可動体5dが挿入されている。また、U字溝5cの奥側摺動面にはスリット5eが垂直方向に形成されており、このスリット5eを、可動体5dから奥側に向けて突出するピン5fが貫通している。
スリット5eを貫通したピン5fの先端は上記延長用の支持ワイヤ部1a′に固定されており、ピン5fはスリット5eをガイドとして移動することができ、ピン5fの移動に伴って可動体5dが昇降するようになっている。その可動体5dの上部には左右一対の突起部5gが立設されている。
また、可動体5dの側縁の一部には切欠部5hがくさび状に形成されており、この切欠部5hにはロックピン5iが係脱するようになっている。
ロックピン5iは平常時には可動体5dの側縁と当接することにより矢印B方向に退避しており、切欠部5hと対向した場合には圧縮コイルばね5jの付勢力により矢印B方向と反対方向に突出して切欠部5hと係合し、可動体5dの移動を禁止するようになっている。上記切欠部5h、ロックピン5i及び圧縮コイルばね5jは、可動体5dによって屈曲された光心線部1bを解除可能に保持する保持部として機能する。
一方、通路Sを境にして上側本体5kには3個のローラ5lが水平方向に配列されており、可動体5dが上昇した場合には、その突起部5gがローラ5lの間を通過し、ロックピン5iが切欠部5hに係合した状態で、光心線部1bは、3個のローラ5lと上昇してきた突起部5gとの間に挟まれてM字状に屈曲されることになる(図3(b)参照)。
なお、5mは光損失発生部5を支持物2に固定するための取付孔である。また、下側本体5bにおいて、通路Sの左右両端は丸み5nが形成されている。
図4は光損失検知部4及びその周辺機器の構成を示すものである。同図において、光損失検知部4はメディアコンバータ等の信号変換器で構成され、OUT端子4aから光を光ケーブル1内に入射伝播させ、IN端子4bへの入射が一定値以上減衰した場合に、所定の信号を外部に出力する手段として構成されている。
この種の装置は、通常、動作状態を報知するための、例えば、LED点灯回路が備えており、スイッチの設定により通信が確立されなくなったときにLEDを点灯させることができる。
本実施形態では、このLEDを点灯させるための出力電圧2Vをリレーからなる電圧変換部に与えて12Vに変換し、出力できるように構成されている。
次に、この信号変換器を用いた光損失検知部4で検知動作を行うにあたり、IN端子4bへの入射が30dB以下(正常)の場合には、非動作、40dB(異常)の場合には動作するようにしている。
なお、平常時においては光ケーブル1内を伝播する光は通過中に僅かながら減衰するが、その量は微々たるものである。従って、異常時においては、IN端子4bに40dB以上減衰した光が入射するように設定する必要がある。そこで、光損失発生部5の線路中に抵抗器11を介設することにより、IN端子4bには既に30dB減衰した光が入射するようにする。それにより、光損失発生部5での損失量が例えば10dB程度と少なくても、光損失検知部4の動作が確実に行われるようにしている。
また、光損失検知部4からの外部出力は出力端子4cから、例えば、自己保持回路12に入力した後、外部出力として取り出される。自己保持回路12を介設する理由は、減衰量が30dB〜40dBの範囲では、光損失検知部4が正常/異常と判断することによる動作を繰り返す、いわゆるチャタリングを起こしてしまうため、自己保持回路12により、一旦、光損失検知部4から出力された外部出力をリセットされるまで動作状態に維持するためである。
光ファイバを利用した従来の侵入検知システムは、光ファイバにおける入力と出力間のレーザー光の光分布を常時監視し、光ファイバに振動や圧力を加わった場合に発生する光分布の乱れが、予め設定した値(周波数、強度、回数等)以上になった時点で、検出信号を出力するようになっている。従って、光分布の監視、乱れを分析するには、マイコンを備えた検知制御機の導入が欠かせなかった。また、侵入が制限された区域の細分化を行う場合には、細分化された区域毎に検知制御機を追加しなければならず、システムが複雑、且つ、高価にならざるを得なかった。
また、検知制御機で検知できる光ファイバの最大長さは通常2kmであり、それ以上の長さについて侵入の検知を可能にするには、検知制御機を屋外に配置しなければならず、電源の供給も必要となる。更に、雷や電磁波対策も必要となる。
これに対して、本発明の侵入検知装置によれば、光分布を監視することなく、光ケーブル1に生じた光伝送損失を検知して、外部出力を動作させることが可能になるため、極めてシンプルな構成で侵入検知システムを構築することができるようになる。しかも、侵入が制限された区域を複数の監視区域に分割して細分化する場合には、侵入場所の特定が容易で、検知の信頼性を高めることができる。また、ハードウエアとしては、検知制御機に比べてコストが格段に安い光損失検知部4を追加するだけで対応することが可能になるため、システムが高価にならず、経済的である。
また、信号変換器の光伝送能力は比較的長距離なので、電子部品からなる信号変換器を屋外にさらすことなく、屋内に配置して侵入検知システムを構築することができ、電源を供給する手段も必要なくなる。また、雷や電磁波の影響を受けないため、誤作動の発生を防止することができ、電磁波対策も不要となる。
次に、上記構成を有する侵入検知システムの動作について説明する。侵入者、動物等が光ケーブル1に手をかける等して外力を加えることにより、配索された光ケーブル1が撓んで変位すると(図1中、矢印Y方向参照)、引張コイルばね10の引張力に抗して支持ワイヤ部1a′が矢印A方向に引き上げられる。
このとき、図3(a)に示すように、ピン5fを介して可動体5dが上昇し、可動体5d上部の突起部5gは光ケーブル1を持ち上げつつ、ローラ5lの間に進入する。その結果、光心線部1bはM字状に屈曲される。
可動体5dが図3(b)に示す位置まで上昇すると、切欠部5hにロックピン5iが係合し、可動体5dは上昇位置で保持される。
この状態で、光ケーブル1は屈曲状態が保持され、光伝送損失が10dB以上に大きくなり、光損失検知部4のIN端子4bに光伝送損失が40dB以上の光が入射し、光損失検知部4は異常発生と判定し、出力端子4cから外部出力として、例えば、12Vを出力し、この外部出力は、自己保持回路12によって自己保持され、侵入検知のための各装置のトリガとして、具体的には、防犯カメラの起動、防犯ビデオの録画開始、警告灯の点灯、ブザーの吹鳴、侵入場所の表示、外部への通報、音声による威嚇等に使用することができる。光ケーブル1に侵入による外力が加わり、光心線部1bが、図3(b)に示すように、3個のローラ5lと一対の突起部5gにより、M字状に屈曲されると、光心線部1bに3個のU形屈曲部が形成されることになる。そうすると、光伝送損失の減衰特性(感度)が良好になり、侵入検知の精度を向上させることができるので好ましい。
なお、警備員が侵入検知システムの監視区域に行き、光ケーブル1に生じた光伝送損失が侵入者、動物等の侵入によるものでないことが判明した場合、ロックピン5iを圧縮コイルばね5jの付勢力に抗して矢印B方向に後退させる。
それにより、支持ワイヤ部1a′は引張コイルばね10の復元力によって、例えば、下方に引っ張られ、ピン5fを介して支持ワイヤ部1a′に固定されている可動体5dも連動して下降する。
その結果、可動体5dは図3(a)に示すように、U字溝5cに嵌まった状態で停止する。即ち、平常時の位置にリセットされる。
また、仮に光ケーブル1が切断された場合には、光損失検知部4のIN端子4bに戻ってくる光がゼロになるため、光損失発生部5が働かなくても、光伝送損失が40dBを超えるため、この場合も異常が発生したと判定され、外部出力が出力される。従って、本侵入検知システム及び装置を用いることにより、同一回路で光ケーブル1の切断も検知することができ、切断検知手段を新たに設ける必要がなく、構造が簡単になり、経済的である。
なお、外部出力は上記12Vに限らず、例えば、リレーに接続したり、増幅回路を介して増幅すれば、それ以下の外部出力であっても、外部出力として利用することができる。
図5は図1における支持ワイヤ部1aの固定治具8の好ましい形態である固定治具44を示すものである。この固定治具44は、侵入が制限された区域における所定の監視区域に立設された支持物2、3に架設され、支持物2、3から突設された支持軸44aの軸方向奥側に爪車44bを軸支させ、中間部にその爪車44bに固定した状態で、巻取ドラム(図示しない)を、手前側には支持軸44aを中心にして支持物2、3に対し自由に回転する遊動ローラ44dをそれぞれ配置した歯車装置を備えている。
また、上記爪車44bの外周面には歯溝が形成され、各歯溝に係止し得る係止爪44cが支持物2、3に設けられており、爪車44b及び巻取ドラムを支持軸44aを中心にして矢印F方向にのみ回転させ、逆転を防止するようになっている。
この固定治具44によれば、支持物(右側)3の左側に配索される光ケーブル1の支持ワイヤ部1aの一方端(右側)1iについては、これを巻取ドラムに固定して該ドラムで巻き取り、爪車44bの歯溝に係止爪44cを係合させることにより、支持ワイヤ部1aの一方端1iを緊張状態に保持することができる。
一方、支持ワイヤ部1aの他方端(左側)1jについては、支持軸44aを中心にして支持物(左側)2に対し自由に回転する遊動ローラ44dを介して立ち下げられ、引張コイルばね44e(固定治具8の引張コイルばね10に相当)に接続されているため、光ケーブル1が侵入者、動物等によって押し下げられると、上記支持ワイヤ部1aの他方端1jが矢印G方向に引き上げられ、光損失発生部5によって光伝送損失が発生することになる。
この固定治具44を使用すれば、支持ワイヤ部1aの一方端1iを緊張状態に保持しているため、光ケーブル1に発生した光伝送損失を確実に支持ワイヤ部1aの他方端1j側、即ち、光損失発生部5で検知できるようになる。
図6〜図8は上記光損失発生部の第2の実施形態を示すものである。図6は光ケーブル1の配索状態を示すものである。侵入が制限された区域における所定の監視区域には、左右の支持物13、14と光ケーブル1の配索経路の中間部の支持物15が略等間隔をおいて立設される。光ケーブル1は、これに支持物13と支持物15との間、支持物14と支持物15との間に所定深さの弛度(弛み量)が生じるように所定の張力(テンション)を付与されながら、支持物13、14、15間に、縦方向に蛇行状に配索されている。
支持物13、14には固定治具16が縦に配列されており、光ケーブル1の支持ワイヤ部1aを固定している。光ケーブル1の光心線部1bは支持物15に設けられた光損失発生部17をS字状に通過するようになっている。
図7は上記光損失発生部17を拡大して示すものであり、同図(a)は平常時、同図(b)は侵入発生時の動作状態を示している。これらの図において、支持物13から支持物14に架設される光ケーブル1の支持ワイヤ部1aは、一旦、支持物15の位置で切断され、左側に延びる支持ワイヤ部1aは、可動体17a上に横方向に配列されたピン18a〜18dのうち、最も左側のピン18aに固定され、右側に延びる支持ワイヤ部1aは、最も右側のピン18dに固定されている。なお、支持ワイヤ部1aは引張コイルばね等により所定の張力が付与された状態で固定することが好ましい。
一方、光ケーブル1の支持ワイヤ部1aから分離した光心線部1bは、固定台座18上に縦方向に対向した状態で配列されたピン19a、19b、20a、20bの隙間を通るように配索される。
上記構成を有する光損失発生部17によれば、例えば、支持物13と支持物15の間に侵入者、動物等が接近し、光ケーブル1が、例えば、下向きに引っ張られて変位すると、可動体17aが矢印C方向に移動し、その結果、光心線部1bはピン18cに押され、くの字状に屈曲される。
この場合も、光ケーブル1の光伝送損失が大きくなり、光損失検知部4のIN端子4bに入射する光の光伝送損失が40dB以上になると、光損失検知部4が動作し、出力端子4cから外部出力を出力する。
図8は図7に示す光損失発生部17を平面から見たものである。図8(a)において、可動体17aの前面左側には、板ばねで構成された左側ストッパ21が設けられ、右側には右側ストッパ22が設けられている。従って、可動体17aが矢印C方向に移動すると、左側ストッパ21が図8(b)に示すように、V字状に突出して前板23の左側縁部に係止される。
それにより、可動体17aは左側ストッパ21を解除しない限り、左側に移動した状態で保持される。
なお、支持物15と支持物14との間で、光ケーブル1が変位すると、可動体17aは右側に移動し、右側ストッパ22が前板23の右側縁部に係止される。
図9は上記光損失発生部の第3の実施形態を示すものである。光ケーブル1の支持ワイヤ部1aは、光ケーブル1の配索経路の中間部の支持物15に設けられた光損失発生部30を介して左右の支持物13、14に固定治具16で固定されて架設されており、光心線部1bは光損失発生部30をループして通過するようになっている。
図10は上記光損失発生部30を拡大して示すものであり、同図(a)は平常時、同図(b)は侵入発生時の動作状態を示している。
これらの図において、光損失発生部30はL形のベース30aと、そのベース30aに設けられた支持軸30bを中心として回転するT字状の可動体30cとを有し、ベース30a上には、光心線部1bをループ状に保持しておくためのガイドピン31a〜31dが設けられている。
光心線部1bは、支持軸30b→ガイドピン31c→ガイドピン31b→ガイドピン31a→支持軸30bの順に掛け渡されることによりループが形成されている。
一方、可動体30cには、ガイドピン31cとガイドピン31dとの間の光心線部1bを屈曲させるための押圧ピン32a、32bが設けられ、侵入者、動物等の侵入により光ケーブル1が変位して可動体30cが矢印D方向(又は矢印E方向)に回転すると、押圧ピン32a(又は押圧ピン32b)で光心線部1bを屈曲させるようになっている。
図11は上記光損失発生部の第4の実施形態を示すものである。光ケーブル1の支持ワイヤ部1aは、光ケーブル1の配索経路の中間部の支持物15に設けられた光損失発生部40を介して左右の支持物13、14に固定治具16で固定されて架設されており、光ケーブル1の支持ワイヤ部1aは、一旦、支持物15の位置で切断され、左側に延びる支持ワイヤ部1aは、図12(a)に示す可動体41上の下側固定部41aに固定され、更に、引張コイルばね42を介してベース43に固定されている。一方、右側に延びる支持ワイヤ部1aは、可動体41上の上側固定部41bに固定され、更に、引張コイルばね42を介してベース43に固定されている。
可動体41は、ベース43に設けられた支持軸43aを中心として回動するようになっており、支持軸43aの近傍に一対の押圧ピン41cが配設されている。
また、ベース43に配設されるガイドピン43b、43cは、垂直方向に配索される光心線部1bの右側及び左側をガイドするようになっている。
なお、43dは紙面厚さ方向に進退自在に構成されたロックピンであり、圧縮コイルばねによってベース43の表面から若干突出した状態で保持されている。このロックピン43dは軸体からなり、その右側が傾斜面に形成されている。従って、可動体41が図12(b)に示す位置まで回転する際に、ロックピン43dが後退し、ロックピン43dを乗り越えると、そのロックピン43dが圧縮コイルばねの復元力によって突出し、可動体41を図12(b)に示す姿勢に解除可能にロックするようになっている。
上記構成を有する光損失発生部40によれば、支持物13と支持物15の間に侵入者、動物等が接近し、光ケーブル1が、例えば、下向きに引っ張られて変位すると、可動体41が図12(b)に示すように、矢印H方向に回転し、その結果、光心線部1bが一対の押圧ピン41cによって押され、階段状に屈曲される。
この場合も、光ケーブル1の光伝送損失が大きくなり、光損失検知部4のIN端子4bに入射する光の光伝送損失が40dB以上になると、光損失検知部4が動作し、出力端子4cから外部出力を出力する。
図13〜図14は上記光損失発生部の第5の実施形態を示すものである。図13は1本の光ケーブル1の配索状態を示すものである。侵入が制限された区域における所定の監視区域には、左右の支持物13、14と光ケーブル1の配索経路の中間部の支持物15が略等間隔をおいて立設される。1本の光ケーブル1は、これに支持物13と支持物15との間、支持物14と支持物15との間に所定深さの弛度(弛み量)が生じるように所定の張力(テンション)を付与されながら、支持物13、14、15間に、縦方向に蛇行状に、且つ、支持物15において縦横方向に交差するようにして一筆書き状に配索されている。
支持物13、14には固定治具16が縦に配列されており、光ケーブル1の支持ワイヤ部1aを固定している。光ケーブル1の光心線部1bは、中間部の支持物15にその長手方向に沿って逆U形状に配索されると共に、支持物15に設けられた光損失発生部76を十文字状に通過するようになっている。
図14は上記光損失発生部76を拡大して示すものであり、同図(a)は平常時の動作状態の平面図、同図(b)は侵入発生時の動作状態の平面図、同図(c)は(a)のP−P矢視断面図である。
光損失発生部76は、図14(a)(c)に示すように、角板状のベース77と、ベース77に間隔をおいて平行に、且つ、支持物15の長手方向(縦方向)に延出するように形成され、1本の光心線部1bを、中間部の支持物15の長手方向に沿って案内する一対の光心線部案内通路78と、ベース77に光心線部案内通路78と交差する方向(横方向)に往復移動可能に配設される可動体79と、ベース77の一対の光心線部案内通路78を境にして可動体79と対向する位置に、それぞれ光心線部案内通路78に沿って間隔をおいて配設される3個のローラ80とを備えている。
また、可動体79の移動方向の両端部には、間隔をおいて移動方向に突出する一対の突起部79aが設けられている。更に、可動体79の頭部(紙面厚さ方向)には、蛇行状に配索されて水平に架設状態の光ケーブル1の支持ワイヤ部1aを、例えば、円形押え板からなる固定部79bで締め付け固定して保持すると共に、支持ワイヤ部1aから分離させた光心線部1bを可動体79の外周に迂回させて案内するようになっている。なお、77aはローラ80及び可動体79を支持する、例えば、透明樹脂を成形加工して形成された4分割型の覆板で、ベース77の上にボルト、ねじ等の固定部材で分離可能に固定されている。なお、この光損失発生部76を構成するハウジングは、ベース77と覆板77aの分割構造ではなく、一体構造(非分割構造)にしてもよい。
このような状態で、例えば、支持物13と支持物15の間に侵入者、動物等が接近し、光ケーブル1が引っ張られて変位すると、図14(b)に示すように、可動体79が矢印X方向に移動する。その結果、支持物15の長手方向に配索されている光心線部1bの内、左側に位置する光心線部1bが3個のローラ80と可動体79の突起部79aとの間に挟まれてM字状に屈曲される。そして、光ケーブル1の光伝送損失が大きくなり、光損失検知部4のIN端子4bに入射する光の光伝送損失が40dB以上になると、光損失検知部4が動作し、出力端子4cから外部出力を出力し、侵入が検知される。
一方、支持物14と支持物15の間に侵入者、動物等が接近し、光ケーブル1が、例えば、下向きに引っ張られて変位すると、可動体79が矢印X方向と反対方向に移動し、右側に位置する光心線部1bが同様にM字状に屈曲され、光伝送損失が大きくなって、同様に侵入が検知される。光ケーブル1に侵入による引っ張り等の外力が加わり、光心線部1bが、図14(b)に示すように、3個のローラ80と一対の突起部79gにより、M字状に屈曲されると、光心線部1bに3個のU形屈曲部が形成されることになる。そうすると、光伝送損失の減衰特性(感度)が良好になり、侵入検知の精度を向上させることができるので好ましい。
なお、上記光損失発生部76(図13、14参照)では、1本の光ケーブル1が支持物15に設けられた光損失発生部76を十文字状に通過するように一筆書き状に配索されているが、このような構成のものだけに限定されるものではない。例えば、光損失発生部76の光心線部案内通路78に沿って縦方向に配索される光ケーブル1と、光心線部案内通路78と交差するように横方向に配索される光ケーブル1とは、それぞれ独立した別の光ケーブル1であってもよい。また横方向に配索される光ケーブル1は、例えば、光損失発生部76毎に異なる別の光ケーブル1であってもよい。このように、縦横方向に配索される光ケーブル1が別の光ケーブル1の場合、横方向に配索される光ケーブル1は、上記したように、支持ワイヤ部1aだけを可動体79に保持させ、支持ワイヤ部1aから分離させた光心線部1bを可動体79の外周に迂回させて案内するようにしてもよいが、支持ワイヤ部1aと光心線部1bを分離させず、支持ワイヤ部1aと光心線部1b、即ち、光ケーブル1全体を可動体79に保持させるようにしてもよい。更に横方向に配索される光ケーブル1は光ケーブル以外のテンションメンバーに代替させるようにしてもよい。
上記第2実施形態乃至第5実施形態の光損失発生部17、30、40、76においては、侵入が制限された区域に配索される区域に3個の支持物13、14、15が略等間隔で立設され、光ケーブル1の配索経路の中間部の支持物15に光損失発生部17、30、40、76が設けられているが、侵入が制限された区域に配索される区域に4本以上の支持物13、14、15が略等間隔で立設され、光ケーブルの配索経路の各中間部の複数個(2個以上)の支持物15に光損失発生部17、30、40、76が設けられるようにしてもよい。
また、3個の支持物13、14、15又は4個以上の支持物13、14、15は必ずしも略等間隔で立設されている必要がない。即ち、1対以上の隣り合う支持物間の間隔が他の1対以上の隣り合う支持物間の間隔と異なるように立設されていてもよい。
更に、中間部の複数個(2個以上)の支持物全部に光損失発生部17、30、40、76が設けられる必要はなく、複数本の支持物15のうちから任意に選択された1本の支持物15又は2本以上の支持物15に設けられるようにしてもよい。この場合、光損失発生部17、30、40、76が設けられない中間部の支持物15には、光ケーブル1を支持するための、例えば、リング状の通過金具7を設けることが好ましい。更に、光損失発生部17、30、40、76において、光ケーブル1の支持ワイヤ部1aを支持物13、14に固定する固定治具16として、図5に示すような構成の固定治具44を使用するようにしてもよい。
上記光ケーブル1の配索経路の中間部に光損失発生部17、30、40、76が設けられていると、侵入が制限された区域内のどの部位で侵入が発生しても侵入をむらなく検知することができる。また、侵入が制限される区域が広くなっても、光ケーブルに生じた光伝送損失を検知することが可能になり、侵入を容易に検知することができるので好ましい。
更に、侵入が制限された区域に略等間隔で立設された3個以上の支持物13、14、15にあって、光ケーブル1の配索経路の各中間部の支持物15に上記光ケーブル1に光伝送損失を発生させる光損失発生部17、30、40、76がが設けられていると、中間部の支持物の左右いずれ側の個所において、侵入が発生しても、略同一検知レベルの光伝送損失信号を光損失検知部に入力して、光損失検知部から外部出力を出すことが可能になる。従って、侵入が制限された区域のどの区域で侵入が発生しても、より精度よく確実に検知することができ、侵入検知システムの信頼性をより向上させることができるので好ましい。
図15は光ケーブル1の配索パターンを示すものである。同図において、例えば、防護用のフェンス50は主支持物51及び主支持物51間に、例えば、2m間隔で立設された補助支持物52に張設されており、各主支持物51は見通し可能な距離、例えば、横方向長さ50〜100mを1監視区域として立設されている。
フェンス50の上部から下部まで、蛇行状、且つ、面状に光ケーブル1が配索され、例えば、縦方向に10〜15cmの間隔で光ケーブル1を配索すれば、光ケーブル1を切断しない限りは、フェンス50を通り抜けることができないため、侵入者、動物等の侵入を確実に検知することができる。なお、光ケーブル1を配索する間隔を同図に示すようにフェンス下部側で密になるようにすれば、フェンス下部側から侵入者、動物等が侵入しようとするのをより確実に検知できるようになる。
また、光ケーブル1は、フェンス50の忍び返し部分53にも配索することができる。それにより、フェンス50を乗り越えて侵入する侵入者、動物等を確実に検知することができる。
なお、図中、5は上記した構成の光損失発生部である。7は補助支持物52に設けられ、光損失発生部を通過させた状態で支持するリング状の通過金具である。54は光ケーブル1をフェンス50に固定するための把持金具である。
図16は、上記補助支持物52の忍び返し部分53の構成を拡大して示すものである。同図において、補助支持物52は、垂直に固定された固定支持物52aと、この固定支持物52aの上端部に連結された可動支持物52bとから構成されている。
固定支持物52aと可動支持物52bは、ばね機構55を介して接続されており、可動支持物52bに侵入者等が手を掛けてよじ登ろうとすると、可動支持物52bが外側(矢印I方向)に容易に倒れるようになっている。そして、可動支持物52bが外側に倒れると、その可動支持物52bに張設された光ケーブル1が引っ張られ、その結果、光損失発生部5が動作するようになっている。上記構成によれば、補助支持物52を伝ってフェンス50を乗り越えようとする侵入者、動物等も検知することができる。
次に、監視カメラを用いた侵入検知システムについて、図17を参照しながら説明する。同図に示す侵入検知システム70では、監視区域WAの外周に張り巡らされたフェンス71に沿って、第1〜第10のIPカメラ等の監視カメラTC#1〜TC#10が、撮影方向を同じ向きにして配列されている。
各監視カメラTC#1〜TC#10は、4心の光ケーブル72を介してE/Oコンバータ73と接続され、このE/Oコンバータ73は、タイムシフト録画動画遅延メモリ機構を備えたコントローラ(録画再生装置)74に接続され、このコントローラ74の出力側にはモニタ75が接続されている。
このモニタ75の画面上には、監視カメラTC#1〜TC#10によって撮影された画像が10分割表示されている。
コントローラ74には、監視カメラTC#1〜TC#10に対応した数のメモリM1〜M10が備えられ、各監視カメラTC#1〜TC#10から光ケーブル72の2心を、監視カメラの撮影画像を伝送する伝送路として使って、送信される動画データを記憶し、一定時間経過すると、順次消去する処理を繰り返している。
光ケーブル72の残りの2心は、上記光損失検知部4に接続され、侵入検知用センサS#1〜S#10として使用される。
例えば、図中Jの光ケーブル72が切断されると、監視カメラTC#8からの画像がモニタ75の画面上に映らなくなると共に、侵入検知用センサS#8に接続された光損失検知部4(図示せず)によって光伝送損失が検知され、信号が出力される。
この信号はコントローラ74に入力され、コントローラ74は信号が出力された光ケーブル72の隣りの監視カメラTC#7、即ち、監視区域WA#8を撮影している後段側の監視カメラTC#7によって撮影された画像を消去せず、例えば、10秒溯って、メモリM7に録画されている画像をモニタ75の画面上に表示する。
従来の監視カメラを使用した侵入検知システムでは、多数の監視カメラによって映し出される画像を常時監視し続ければならず、警備員の負担が大きかった。
これに対して、本実施形態の監視カメラTC#1〜TC#10を使用した侵入検知システムによれば、侵入位置を特定することができると共に、侵入検知用センサS#1〜S#10働いて、侵入位置を撮影している監視カメラTC#1〜TC#10に自動的に切り替えられるため、警備員の負担が軽減又は解消されると同時に、侵入者、動物等の侵入検知を確実に報知することができる。
本発明に係る侵入検知システムの基本構成を示す正面図である。 図1における光ケーブルの構成を示す断面図である。 (a)は光損失発生部の構成を示す拡大図、(b)はその動作状態を示す説明図である。 光損失検知部及びそれに接続される周辺機器の構成を示すブロック図である。 図1における支持ワイヤ部の固定治具の好ましい形態を示す正面図である。 光損失発生部の第2の実施形態を示す図1相当図である。 図6の光損失発生部を拡大して示すもので、(a)はその平常時の動作状態の平面図、(b)は侵入発生時の動作状態の平面図である。 (a)は図7(a)の平面図、(b)は図7(b)の平面図である。 光損失発生部の第3の実施形態を示す図1相当図である。 (a)は図9における光損失発生部の拡大図、(b)はその動作状態を示す説明図である。 光損失発生部の第4の実施形態を示す図1相当図である。 (a)は図11における光損失発生部の拡大図、(b)はその動作状態を示す説明図である。 光損失発生部の第5の実施形態を示す図1相当図である。 図13の光損失発生部を拡大して示すもので、(a)は平常時の動作状態の平面図、(b)は侵入発生時の動作状態の平面図、(c)は(a)のP−P矢視断面図である。 光ケーブルの配索パターンを示す正面図である。 (a)は補助支持物の忍び返し部分の構成を示す側面図、(b)はその動作状態を示す側面図である。 カメラを使用した侵入検知システムの構成を示すブロック図である。 従来の侵入検知システムの構成を示すブロック図である。 従来の侵入検知システムの検出原理を示す説明図である。
符号の説明
1 光ケーブル
1a 支持ワイヤ部
1a′ 支持ワイヤ部
1b 光心線部
1c 支持ワイヤ
1d 被覆層
1e 光ファイバ心線
1f テンションメンバ
1g 被覆層
2、3 支持物
4 光損失検知部
5 光損失発生部
5a 本体
5b 下側本体
5d 可動体
5g 突起部
5h 切欠部
5i ロックピン
5j 圧縮コイルばね
5k 上側本体
5l ローラ
5m 取付孔
5n 丸み
7 通過金具
8 固定治具
9 ローラ
10 引張コイルばね

Claims (9)

  1. 侵入が制限された区域に配索される光ケーブルと、この光ケーブルに外力が加わったときに生じる光伝送損失を検知する光損失検知部とを有し、この光損失検知部は上記光伝送損失が一定値以上減衰したときに動作し、侵入検知のための装置を起動させるための信号を出力するように構成されていることを特徴とする侵入検知装置。
  2. 上記光ケーブルの配索経路の終端部に、上記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の侵入検知装置。
  3. 上記光ケーブルの配索経路の中間部に、上記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の侵入検知装置。
  4. 上記光ケーブルが支持ワイヤ部と光心線部とを有し、上記光損失発生部は、上記光ケーブルが変位した場合に、光心線部に当接してこれを強制的に屈曲させる可動体と、屈曲された光心線部を保持する保持部とから構成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の侵入検知装置。
  5. 上記光ケーブルが、侵入が制限された区域に所定間隔で配設された支持物に架設され、上記支持ワイヤ部を上記支持物に固定する固定治具が、上記支持物から突設された支持軸と、この支持軸に軸支され、一方の上記支持ワイヤ部については逆転を防止しつつ回転して巻き取る巻取ドラムと、上記支持軸に軸支され、他方の上記支持ワイヤ部については上記光ケーブルの変位に追随して支持ワイヤ部の移動を許容する遊動ローラとを備えていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の侵入検知装置。
  6. 上記光ケーブルが支持ワイヤ部と光心線部とを有し、侵入が制限された区域に略等間隔で立設された3個以上の支持物にあって、光ケーブルの配索経路の各中間部の支持物に上記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられ、上記光損失発生部は、上記光ケーブルが変位した場合に、光心線部に当接してこれを強制的に屈曲させる可動体を備えていることを特徴とする請求項3記載の侵入検知装置。
  7. 侵入が制限された区域が複数の監視区域に分割され、各監視区域毎に上記請求項1乃至6のいずれか1項に記載の侵入検知装置が設けられていることを特徴とする侵入検知システム。
  8. 侵入が制限された区域の境界に沿って所定間隔を開けた状態で、且つ、撮影方向を同じ向きにして配列される複数の監視カメラと、上記監視カメラで撮影された画像を監視カメラ毎にメモリに録画し又は再生する録画再生装置と、上記監視カメラで撮影された画像を表示するモニタと、上記監視カメラによって撮影された範囲毎に上記境界に配索される光ケーブルと、この光ケーブルに外力が加わったときに生じる光伝送損失を検知する光損失検知部を有し、この光損失検知部は上記光伝送損失が一定値以上減衰したとき動作して起動信号を出力し、この起動信号を受けた上記録画再生装置は、光伝送損失が発生した光ケーブルを撮影範囲としている次段側の監視カメラによって撮影された画像を一定時間溯って再生するように構成されていることを特徴とする侵入検知システム。
  9. 上記光ケーブルの光心線部が複数の光ファイバ心線を備え、一部の光ファイバ心線は監視カメラの撮影画像を伝送する伝送路として、残りの光ファイバ心線は上記光損失検知部に接続されて侵入検知用センサとして構成されることを特徴とする請求項8記載の侵入検知システム。
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