WO2006009078A1

WO2006009078A1 - 侵入検知装置及び侵入検知システム

Info

Publication number: WO2006009078A1
Application number: PCT/JP2005/013064
Authority: WO
Inventors: Shigeru Narumi; Susumu Yoshida; Ryusuke Miki
Original assignee: Furukawa Engineering & Construction Inc.; Tekunowattsu Inc.
Priority date: 2004-07-16
Filing date: 2005-07-14
Publication date: 2006-01-26
Also published as: JP2006053888A; JP4401315B2

Abstract

　侵入が制限された区域に配索される、支持ワイヤ部１ａと光心線部１ｂとを有する光ケーブル１と、この光ケーブル１に外力が加わって変位した場合に、光心線部１ｂに当接してこれを強制的に屈曲させる可動体を有し、光ケーブル１の配索経路の終端部に設けられ、光心線部１ｂに光伝送損失を発生させる光損失発生部５と、その光伝送損失を検知する光損失検知部４とを備え、この光損失検知部４は上記光伝送損失が一定値以上減衰したときに動作し、侵入検知のための装置を起動させるための信号を出力する。

Description

侵入検知装置及び侵入検知システム

技術分野

[0001] 本発明は、警戒区域或いは侵入禁止区域等の侵入が制限された区域に、侵入者

、動物、車両等が侵入したことを検知する侵入検知装置及びそれを用いた侵入検知システムに関するものである。

背景技術

[0002] 従来、侵入が制限された区域に立設された複数のポール、支柱等の支持物に光フアイバをセンサとして線状若しくは面状に配索し、その光ファイバにおける伝送状態を検出することにより侵入者を検知する検知システムが知られている。

[0003] 上述した検知システムは、図 18に示すように、コントローラを搭載した検知制御機 8 1と、検知制御機 81に接続された光ファイバ 82を有しており、上述した検知制御機 8 1は、光ファイバ 82の一端 82aにレーザー光を入射させ、光ファイバ 82内を伝播してきたレーザー光を光ファイバ 82の他端 82bカも受光するようになって、る。

[0004] この検知システムでは光ファイバ 82に荷重が加えられたことによって生じた外乱を、レーザー光の状態変化で監視するようになっている。

[0005] 図 19はその状態変化の検出原理を示すものである。この検知制御機 81は光フアイバ 82の入力及び出力間のレーザー光の分布を常時監視しており、平常時には光フアイバ 82の断面におけるレーザー光の分布は同図（a)に示す通りになる。一方、光ファイバ 82に振動が加わると、同図（b)に示すように、また、圧力が加わると、同図（c )に示すように、それぞれレーザー光の出力分布が乱れ、また、光ファイバ 82が切断された場合も分布が変化する。この出力分布の乱れは検知制御機 81によって分布され、予め設定した値 (周波数、強度、回数等)以上になった時点で検出信号を発生する。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] この種の検知システムはセンサとして光ファイバ 82を使用しているため、電気的、電磁的環境を受けることがなぐまた、強風等の天候の影響を受けることも少ないため、誤動作が少ないという利点がある。また、例えば支持物間にフェンスが張られている場合には、そのフェンスに沿って配索する等設置環境に対して柔軟に対応することもできるため施工性に優れて、る。

[0007] し力しながら、上述した検知システムにおける光ファイバセンサの検出原理は、光フアイバに 82に振動や圧力が加わった場合に、受信側で生じるスペックル (斑点）の状態変化を監視するというものであるから、状態変化の分析に専用の検知制御機が必要になる。

[0008] この検知制御機 81は、光エネルギを電気信号に変換し、電気信号をデジタル化し、更に、周波数情報、回数情報等に変換し、この情報をもとに予め与えられた設定条件と比較し、すべての条件を満たす場合に侵入ありと判断するように構成されている。このように、従来の検知システムの構成は複雑、且つ、高価であり、汎用的に利用することができな、と!/、う不都合がある。

[0009] 更に、上述した検知システムで侵入位置を特定するために、侵入が制限された区域を細分ィ匕しょうとすると、侵入が制限された区域毎に高価な上記検知制御機 81を追加しなければならず、施工コストが高くなるという問題もある。

[0010] 本発明は上記検知システムにおける課題を考慮してなされたものであり、極めてシンプル、且つ、低コストで侵入を検知することができる侵入検知装置及び侵入検知システムを提供するものである。

課題を解決するための手段

[0011] 本発明の侵入検知装置の第 1の態様は、侵入が制限された区域に配索される光ケ一ブルと、前記光ケーブルに外力が加わったときに生じる光伝送損失を検知する光損失検知部とを有し、

前記光損失検知部は前記光伝送損失が一定値以上減衰したときに動作して、侵入検知のための装置を起動させるための信号を出力することを特徴とする侵入検知装置である。

[0012] 上記侵入検知のための装置の具体例としては、防犯カメラ、防犯ビデオ、視覚で侵入を報知する、例えば、警告灯、音声で侵入を報知する、例えば、ブザー等がある。 [0013] 本発明の侵入検知装置の第 2の態様は、前記光ケーブルの配索経路の終端部に、前記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられて、ることを特徴とする侵入検知装置である。

[0014] 本発明の侵入検知装置の第 3の態様は、前記光ケーブルの配索経路の中間部に、前記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられて、ることを特徴とする侵入検知装置である。

[0015] 本発明の侵入検知装置の第 4の態様は、前記光ケーブルが支持ワイヤ部と光心線部とを有し、前記光損失発生部は、前記光ケーブルが変位した場合に、光心線部に当接してこれを強制的に屈曲させる可動体と、屈曲された光心線部を保持する保持部とからなつていることを特徴とする侵入検知装置である。

[0016] 本発明の侵入検知装置の第 5の態様は、前記光ケーブルが、侵入が制限された区域に所定間隔で配設された支持物に架設され、前記支持ワイヤ部を前記支持物に固定する固定治具が、前記支持物から突設された支持軸と、前記支持軸に軸支され、一方の前記支持ワイヤ部については逆転を防止しつつ回転して巻き取る卷取ドラムと、前記支持軸に軸支され、他方の前記支持ワイヤ部については前記光ケーブルの変位に追随して支持ワイヤ部の移動を許容する遊動ローラとを備えていることを特徴とする侵入検知装置である。

[0017] 本発明の侵入検知装置の第 6の態様は、前記光ケーブルが支持ワイヤ部と光心線部とを有し、侵入が制限された区域に略等間隔で立設された 3個以上の支持物にあつて、光ケーブルの配索経路の各中間部の支持物に前記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられ、前記光損失発生部は、前記光ケーブルが変位した場合に、光心線部に当接してこれを強制的に屈曲させる可動体を備えていることを特徴とする侵入検知装置である。

[0018] 本発明の侵入検知システムの第 1の態様は、侵入が制限された区域が複数の監視区域に分割され、各監視区域毎に上述した何れかの侵入検知装置が設けられた侵入検知システムである。

[0019] 本発明の侵入検知システムの第 2の態様は、侵入が制限された区域の境界に沿つて所定間隔を開けた状態で、且つ、撮影方向を同じ向きにして配列される複数の監視力メラと、前記監視カメラで撮影された画像を監視カメラ毎にメモリに録画し又は再生する録画再生装置と、前記監視カメラで撮影された画像を表示するモニタと、前記監視カメラによって撮影された範囲毎に前記境界に配索される光ケーブルと、前記光ケーブルに外力が加わったときに生じる光伝送損失を検知する光損失検知部を有し、

前記光損失検知部は前記光伝送損失が一定値以上減衰したとき動作して起動信号を出力し、前記起動信号を受けた前記録画再生装置は、光伝送損失が発生した光ケーブルを撮影範囲としている次段側の監視カメラによって撮影された画像を一定時間溯って再生することを特徴とする侵入検知システムである。

[0020] 本発明の侵入検知システムの第 3の態様は、前記光ケーブルの光心線部が複数の光ファイバ心線を備え、一部の光ファイバ心線は監視カメラの撮影画像を伝送する伝送路として、残りの光ファイバ心線は前記光損失検知部に接続されて侵入検知用センサとして構成されることを特徴とする侵入検知システムである。

発明の効果

[0021] 本発明の侵入検知装置によると、光分布を監視することなぐ光ケーブルに生じた光伝送損失を検知して、外部出力を動作させることが可能になるため、極めてシンプル、且つ、低コストで汎用性に富み、侵入を容易、確実に検知することができる。

[0022] 更に、本発明の侵入検知装置によると、光ケーブルの配索経路の中間部に光損失発生部が設けられているので、侵入が制限された区域内のどの部位で侵入が発生しても侵入をむらなく検知することができる。また、侵入が制限される区域が広くなつても、光ケーブルに生じた光伝送損失を検知することが可能になり、侵入を容易に検知することができる。

[0023] 更に、本発明の侵入検知装置によると、光ケーブルに変位が生じたときは、支持ヮィャ部 laの一方端 liを緊張状態に保持しているため、他方の支持ワイヤ部側のみが移動し、他方の支持ワイヤ部側に設けられた光損失発生部で、光ケーブルに発生した光伝送損失を、確実、且つ、迅速に検知することができる。

[0024] 更に、本発明の侵入検知装置によると、中間部の支持物の左右いずれ側の個所において、侵入が発生しても、略同一検知レベルの光伝送損失信号を光損失検知部に入力して、光損失検知部力も外部出力を出すことが可能になる。従って、侵入が制限された区域のどの区域で侵入が発生しても、より精度よく確実に検知することができ、侵入検知システムの信頼性をより向上させることができる。

[0025] 本発明の侵入検知システムによると、侵入場所の特定が容易で、検知の信頼性を高めることができる。また、ハードウェアとしては、検知制御機に比べてコストが格段に安い光損失検知部を追加するだけで対応することが可能になるため、システムが高価にならず、経済的である。

図面の簡単な説明

[0026] [図 1]図 1は、本発明に係る侵入検知システムの基本構成を示す正面図である。

[図 2]図 2は、図 1における光ケーブルの構成を示す断面図である。

[図 3]図 3 (a)は光損失発生部の構成を示す拡大図、図 3 (b)はその動作状態を示す説明図である。

[図 4]図 4は、光損失検知部及びそれに接続される周辺機器の構成を示すブロック図である。

[図 5]図 5は、図 1における支持ワイヤ部の固定治具の好ましい形態を示す正面図である。

[図 6]図 6は、光損失発生部の第 2の実施形態を示す図 1相当図である。

[図 7]図 7は、図 6の光損失発生部を拡大して示すもので、図 7 (a)はその平常時の動作状態の平面図、図 7 (b)は侵入発生時の動作状態の平面図である。

[図 8]図 8 (a)は、図 7 (a)の平面図、図 8 (b)は、図 7 (b)の平面図である。

[図 9]図 9は、光損失発生部の第 3の実施形態を示す図 1相当図である。

[図 10]図 10 (a)は、図 9における光損失発生部の拡大図、図 10 (b)はその動作状態を示す説明図である。

[図 11]図 11は、光損失発生部の第 4の実施形態を示す図 1相当図である。

[図 12]図 12 (a)は、図 11における光損失発生部の拡大図、図 12 (b)はその動作状態を示す説明図である。

[図 13]図 13は、光損失発生部の第 5の実施形態を示す図 1相当図である。

[図 14]図 14は、図 13の光損失発生部を拡大して示すもので、図 14 (a)は平常時の動作状態の平面図、図 14 (b)は侵入発生時の動作状態の平面図、図 14 (c)は (a) の P— P矢視断面図である。

[図 15]図 15は、光ケーブルの配索パターンを示す正面図である。

[図 16]図 16 (a)は補助支持物の忍び返し部分の構成を示す側面図、図 16 (b)はその動作状態を示す側面図である。

[図 17]図 17は、カメラを使用した侵入検知システムの構成を示すブロック図である。

[図 18]図 18は、従来の侵入検知システムの構成を示すブロック図である。

[図 19]図 19は、従来の侵入検知システムの検出原理を示す説明図である。

符号の説明

1 光ケーブル

la 支持ワイヤ部

W 支持ワイヤ部

lb 光心線部

lc 支持ワイヤ

Id 被覆層

le 光ファイバ心線

If テンションメンノ

lg 被覆層

2、 3 支持物

4 光損失検知部

5 光損失発生部

5a 本体

5b 下側本体

5d 可動体

5g 突起部

5h 切欠部

5i ロックピン

5j 圧縮コイルばね 5k 上側本体

51 ローラ

5m 取付孔

5n 丸み

7 通過金具

8 固定治具

9 ローラ

10 引張コイルばね

発明を実施するための最良の形態

[0028] 以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図 1は、本発明に係る侵入検知システムの基本構成を示すものである。

[0029] 本システムは侵入が制限された区域の外周が複数の監視区域に分割され、各監視区域毎に本発明の侵入検知装置が設けられている。

[0030] 図 1において、光ケーブル 1は侵入が制限された区域における所定の監視区域の外周に所定間隔を開けて立設された左右のポール、支柱等の支持物 2、 3間に、例えば、縦方向（支持物の長手方向）に蛇行状に配索されており、一端は光損失検知部 4の IN端子に、他端は OUT端子に接続されている。また、光ケーブル 1の配索経路の終端部には後述する第 1の実施形態の光損失発生部 5が設けられ、この光損失発生部 5には例えば支持物 2を利用して取り付けられている。

[0031] なお、図中 6は左右の支持物 2、 3の間にこれらより略等間隔に立設された補助のポール、支柱等の支持物であり、これら補助の支持物 6には光ケーブル 1を支持するための、例えば、リング状の通過金具 7が設けられている。

[0032] 以下、各部の構成について詳細に説明する。光ケーブル 1は、例えば、図 2に示すように、支持ワイヤ部 laとそれに支持されるテープ状の光心線部 lbとから構成されている。支持ワイヤ部 laは、支持ワイヤ lcと、これを被覆しているプラスチック榭脂でできた被覆層 Idからなり、光心線部 lbはテープ状の光ファイバ心線 leと、その光フアイバ心線 leの上下両側に配置されたテンションメンバ Ifと、これら光ファイバ心線 le及びテンションメンバ Ifを帯状に被覆してヽるプラスチック榭脂でできた被覆層 lgからなる。

[0033] なお、この光ケーブル 1は支持ワイヤ部 laの被覆層 Idと光心線部 lbの被覆層 lgとを押出被覆手段により一体に被覆して、支持ワイヤ部 laと光心線部 lbがー体に形成されるものであるが、この他に、例えば、支持ワイヤ部 laと光心線部 lbとを別体に形成し、両者の外周にラッシングワイヤ等の結束部材を巻き付けて形成されるものでもよい。また、本実施形態の光ファイバ心線 leは 4心の多心タイプのものを示しているが単心又は 2心、 3心若しくは 5心以上の多心タイプのものでもよい。更に、上記 4 心タイプの光ファイバ心線 leのうち、いずれか 1心を侵入検知に使用してもよいし、 2 心、 3心又

は 4心全部を侵入検知に使用してもよい。 2心以上の光ファイバ心線 leを使用すると、動作不良等のものが生じても、他のものでカバーすることが可能になり、侵入検知不良が減少し、検知感度を向上させることができるので好ましい。

[0034] 左右の支持物 2、 3間に光ケーブル 1を縦方向に蛇行状に配索するにあたり、光ケ一ブル 1の支持ワイヤ部 laを光心線部 lbから分離させ、更に、その支持ワイヤ部 la (被覆層 Idを有しない支持ワイヤ lcだけの場合を含む。以下同様)を左右の支持物 2、 3間に水平に架設する。従って、支持物 3に沿って縦方向に配索されるのは光心線部（光ファイバ心線 leだけの場合を含む。以下同様） lbのみとなっている。

[0035] 支持ワイヤ部 laの右側端部は支持物 3に設けられた固定治具 8に接続され、左側端部はローラ 9を介して立ち下げられ、延長用の支持ワイヤ部 la' と接続されて支持物 2に設けられた引張コイルばね 10に接続されている。

[0036] なお、延長用の支持ワイヤ部 la' は引張コイルばね 10に接続される手前で光損失発生部 5の可動体 (後述する）と固定されて、る。

[0037] 第 1の実施形態の光損失発生部 5は、図 3に示すように、平常時には直線状に架設されている光心線部 lbの一部を、侵入時には強制的に屈曲させて光伝送損失を発生させるようになつている。

[0038] 図 3 (a)において、光損失発生部 5の構成は、光心線部 lbを通すための通路 Sを備えたプレート状の本体 5aを有し、その通路 Sを境にして下側本体 5bには垂直方向に U字溝 5cが形成され、この U字溝 5c内に、 U字溝 5cと係合するように形成されたプレート状の可動体 5dが挿入されている。また、 U字溝 5cの奥側摺動面にはスリット 5eが垂直方向に形成されており、このスリット 5eを、可動体 5dから奥側に向けて突出するピン 5fが貫通している。

[0039] スリット 5eを貫通したピン 5fの先端は上記延長用の支持ワイヤ部 la' に固定されており、ピン 5fはスリット 5eをガイドとして移動することができ、ピン 5fの移動に伴って可動体 5dが昇降するようになっている。その可動体 5dの上部には左右一対の突起部 5 gが立設されている。

[0040] また、可動体 5dの側縁の一部には切欠部 5hがくさび状に形成されており、この切欠部 5hにはロックピン 5iが係脱するようになって、る。

[0041] ロックピン 5iは平常時には可動体 5dの側縁と当接することにより矢印 B方向に退避しており、切欠部 5hと対向した場合には圧縮コイルばね ¾の付勢力により矢印 B方向と反対方向に突出して切欠部 5hと係合し、可動体 5dの移動を禁止するようになつている。上記切欠部 5h、ロックピン 5i及び圧縮コイルばね 5jは、可動体 5dによって屈曲された光心線部 lbを解除可能に保持する保持部として機能する。

[0042] 一方、通路 Sを境にして上側本体 5kには 3個のローラ 51が水平方向に配列されており、可動体 5dが上昇した場合には、その突起部 5gがローラ 51の間を通過し、ロックピン 5iが切欠部 5hに係合した状態で、光心線部 lbは、 3個のローラ 51と上昇してきた突起部 5gとの間に挟まれて M字状に屈曲されることになる（図 3 (b)参照)。

[0043] なお、 5mは光損失発生部 5を支持物 2に固定するための取付孔である。また、下側本体 5bにおいて、通路 Sの左右両端は丸み 5nが形成されている。

[0044] 図 4は光損失検知部 4及びその周辺機器の構成を示すものである。同図において、光損失検知部 4はメディアコンバータ等の信号変換器で構成され、 OUT端子 4aから光を光ケーブル 1内に入射伝播させ、 IN端子 4bへの入射が一定値以上減衰した場合に、所定の信号を外部に出力する手段として構成されている。

[0045] この種の装置は、通常、動作状態を報知するための、例えば、 LED点灯回路が備えられており、スィッチの設定により通信が確立されなくなったときに LEDを点灯させることがでさる。

[0046] 本実施形態では、この LEDを点灯させるための出力電圧 2Vをリレー力もなる電圧変換部に与えて 12Vに変換し、出力できるように構成されている。

[0047] 次に、この信号変換器を用いた光損失検知部 4で検知動作を行うにあたり、 IN端子 4bへの入射が 30dB以下 (正常）の場合には、非動作、 40dB (異常）の場合には動作するようにしている。

[0048] なお、平常時においては光ケーブル 1内を伝播する光は通過中に僅かながら減衰するが、その量は微々たるものである。従って、異常時においては、 IN端子 4bに 40d B以上減衰した光が入射するように設定する必要がある。そこで、光損失発生部 5の線路中に抵抗器 11を介設することにより、 IN端子 4bには既に 30dB減衰した光が入射するようにする。それにより、光損失発生部 5での損失量が例えば 10dB程度と少なくても、光損失検知部 4の動作が確実に行われるようにしてヽる。

[0049] また、光損失検知部 4からの外部出力は出力端子 4cから、例えば、自己保持回路 12に入力した後、外部出力として取り出される。自己保持回路 12を介設する理由は、減衰量が 30dB〜40dBの範囲では、光損失検知部 4が正常 Z異常と判断することによる動作を繰り返す、いわゆるチャタリングを起こしてしまうため、自己保持回路 12 により、一旦、光損失検知部 4から出力された外部出力をリセットされるまで動作状態に維持するためである。

[0050] 光ファイバを利用した従来の侵入検知システムは、光ファイバにおける入力と出力間のレーザー光の光分布を常時監視し、光ファイバに振動や圧力を加わった場合に発生する光分布の乱れが、予め設定した値 (周波数、強度、回数等)以上になった時点で、検出信号を出力するようになっている。従って、光分布の監視、乱れを分析するには、マイコンを備えた検知制御機の導入が欠かせな力た。また、侵入が制限された区域の細分ィ匕を行う場合には、細分ィ匕された区域毎に検知制御機を追加しなければならず、システムが複雑、且つ、高価にならざるを得なかった。

[0051] また、検知制御機で検知できる光ファイバの最大長さは通常 2kmであり、それ以上の長さについて侵入の検知を可能にするには、検知制御機を屋外に配置しなければならず、電源の供給も必要となる。更に、雷や電磁波対策も必要となる。

[0052] これに対して、本発明の侵入検知装置によれば、光分布を監視することなぐ光ケ一ブル 1に生じた光伝送損失を検知して、外部出力を動作させることが可能になるため、極めてシンプルな構成で侵入検知システムを構築することができるようになる。しカゝも、侵入が制限された区域を複数の監視区域に分割して細分化する場合には、侵入場所の特定が容易で、検知の信頼性を高めることができる。また、ハードウェアとしては、検知制御機に比べてコストが格段に安い光損失検知部 4を追加するだけで対応することが可能になるため、システムが高価にならず、経済的である。

[0053] また、信号変換器の光伝送能力は比較的長距離なので、電子部品からなる信号変を屋外にさらすことなぐ屋内に配置して侵入検知システムを構築することができ、電源を供給する手段も必要なくなる。また、雷や電磁波の影響を受けないため、誤作動の発生を防止することができ、電磁波対策も不要となる。

[0054] 次に、上記構成を有する侵入検知システムの動作につ!、て説明する。侵入者、動物等が光ケーブル 1に手をかける等して外力を加えることにより、配索された光ケーブル 1が橈んで変位すると（図 1中、矢印 Y方向参照）、引張コイルばね 10の引張力に抗して支持ワイヤ部 la' が矢印 A方向に引き上げられる。

[0055] このとき、図 3 (a)に示すように、ピン 5fを介して可動体 5dが上昇し、可動体 5d上部の突起部 5gは光ケーブル 1を持ち上げつつ、ローラ 51の間に進入する。その結果、光心線部 lbは M字状に屈曲される。

[0056] 可動体 5dが図 3 (b)に示す位置まで上昇すると、切欠部 5hにロックピン 5iが係合し、可動体 5dは上昇位置で保持される。

[0057] この状態で、光ケーブル 1は屈曲状態が保持され、光伝送損失が 10dB以上に大きくなり、光損失検知部 4の IN端子 4bに光伝送損失力 OdB以上の光が入射し、光損失検知部 4は異常発生と判定し、出力端子 4cから外部出力として、例えば、 12Vを出力し、この外部出力は、自己保持回路 12によって自己保持され、侵入検知のための各装置のトリガとして、具体的には、防犯カメラの起動、防犯ビデオの録画開始、警告灯の点灯、ブザーの吹鳴、侵入場所の表示、外部への通報、音声による威嚇等に使用することができる。光ケーブル 1に侵入による外力が加わり、光心線部 lbが、図 3 (b)に示すよう

に、 3個のローラ 51と一対の突起部 5gにより、 M字状に屈曲されると、光心線部 lbに 3個の U形屈曲部が形成されることになる。そうすると、光伝送損失の減衰特性 (感度 )が良好になり、侵入検知の精度を向上させることができるので好ましい。

[0058] なお、警備員が侵入検知システムの監視区域に行き、光ケーブル 1に生じた光伝送損失が侵入者、動物等の侵入によるものでないことが判明した場合、ロックピン 5i を圧縮コイルばね ¾の付勢力に抗して矢印 B方向に後退させる。

[0059] それにより、支持ワイヤ部 la' は引張コイルばね 10の復元力によって、例えば、下方に引っ張られ、ピン 5fを介して支持ワイヤ部 la' に固定されている可動体 5dも連動して下降する。

[0060] その結果、可動体 5dは図 3 (a)に示すように、 U字溝 5cに嵌まった状態で停止する。即ち、平常時の位置にリセットされる。

[0061] また、仮に光ケーブル 1が切断された場合には、光損失検知部 4の IN端子 4bに戻つてくる光がゼロになるため、光損失発生部 5が働かなくても、光伝送損失が 40dBを超えるため、この場合も異常が発生したと判定され、外部出力が出力される。従って、本侵入検知システム及び装置を用いることにより、同一回路で光ケーブル 1の切断も検知することができ、切断検知手段を新たに設ける必要がなぐ構造が簡単になり、経済的である。

[0062] なお、外部出力は上記 12Vに限らず、例えば、リレーに接続したり、増幅回路を介して増幅すれば、それ以下の外部出力であっても、外部出力として利用することができる。

[0063] 図 5は図 1における支持ワイヤ部 laの固定治具 8の好ましい形態である固定治具 4 4を示すものである。この固定治具 44は、侵入が制限された区域における所定の監視区域に立設された支持物 2、 3に架設され、支持物 2、 3から突設された支持軸 44a の軸方向奥側に爪車 44bを軸支させ、中間部にその爪車 44bに固定した状態で、卷取ドラム（図示しない）を、手前側には支持軸 44aを中心にして支持物 2、 3に対し自由に回転する遊動ローラ 44dをそれぞれ配置した歯車装置を備えて、る。

[0064] また、上記爪車 44bの外周面には歯溝が形成され、各歯溝に係止し得る係止爪 44 cが支持物 2、 3に設けられており、爪車 44b及び卷取ドラムを支持軸 44aを中心にして矢印 F方向にのみ回転させ、逆転を防止するようになって!/、る。

[0065] この固定治具 44によれば、支持物 (右側） 3の左側に配索される光ケーブル 1の支持ワイヤ部 laの一方端 (右側） liについては、これを卷取ドラムに固定して該ドラムで巻き取り、爪車 44bの歯溝に係止爪 44cを係合させることにより、支持ワイヤ部 laの一方端 liを緊張状態に保持することができる。

[0066] 一方、支持ワイヤ部 laの他方端 (左側） ljについては、支持軸 44aを中心にして支持物 (左側） 2に対し自由に回転する遊動ローラ 44dを介して立ち下げられ、引張コィルばね 44e (固定治具 8の引張コイルばね 10に相当）に接続されているため、光ケーブル 1が侵入者、動物等によって押し下げられると、上記支持ワイヤ部 laの他方端 lj が矢印 G方向に引き上げられ、光損失発生部 5によって光伝送損失が発生することになる。

[0067] この固定治具 44を使用すれば、支持ワイヤ部 laの一方端 liを緊張状態に保持しているため、光ケーブル 1に発生した光伝送損失を確実に支持ワイヤ部 laの他方端 lj側、即ち、光損失発生部 5で検知できるようになる。

[0068] 図 6〜図 8は上記光損失発生部の第 2の実施形態を示すものである。図 6は光ケーブル 1の配索状態を示すものである。侵入が制限された区域における所定の監視区域には、左右の支持物 13、 14と光ケーブル 1の配索経路の中間部の支持物 15が略等間隔をおいて立設される。光ケーブル 1は、これに支持物 13と支持物 15との間、支持物 14と支持物 15との間に所定深さの弛度 (弛み量)が生じるように所定の張力（テンション)を付与されながら、支持物 13、 14、 15間に、縦方向に蛇行状に配索されている。

[0069] 支持物 13、 14には固定治具 16が縦に配列されており、光ケーブル 1の支持ワイヤ部 laを固定している。光ケーブル 1の光心線部 lbは支持物 15に設けられた光損失発生部 17を S字状に通過するようになっている。

[0070] 図 7は上記光損失発生部 17を拡大して示すものであり、同図（a)は平常時、同図（ b)は侵入発生時の動作状態を示している。これらの図において、支持物 13から支持物 14に架設される光ケーブル 1の支持ワイヤ部 laは、ー且、支持物 15の位置で切断され、左側に延びる支持ワイヤ部 laは、可動体 17a上に横方向に配列されたピン 18a〜18dのうち、最も左側のピン 18aに固定され、右側に延びる支持ワイヤ部 laは、最も右側のピン 18dに固定されている。なお、支持ワイヤ部 laは引張コイルばね等により所定の張力が付与された状態で固定することが好ましい。

[0071] 一方、光ケーブル 1の支持ワイヤ部 laから分離した光心線部 lbは、固定台座 18上に縦方向に対向した状態で配列されたピン 19a、 19b、 20a、 20bの隙間を通るように配索される。

[0072] 上記構成を有する光損失発生部 17によれば、例えば、支持物 13と支持物 15の間に侵入者、動物等が接近し、光ケーブル 1が、例えば、下向きに引っ張られて変位すると、可動体 17aが矢印 C方向に移動し、その結果、光心線部 lbはピン 18cに押され、くの字状に屈曲される。

[0073] この場合も、光ケーブル 1の光伝送損失が大きくなり、光損失検知部 4の IN端子 4b に入射する光の光伝送損失が 40dB以上になると、光損失検知部 4が動作し、出力端子 4cから外部出力を出力する。

[0074] 図 8は図 7に示す光損失発生部 17を平面から見たものである。図 8 (a)において、可動体 17aの前面左側には、板ばねで構成された左側ストツバ 21が設けられ、右側には右側ストツバ 22が設けられている。従って、可動体 17aが矢印 C方向に移動すると、左側ストツバ 21が図 8 (b)に示すように、 V字状に突出して前板 23の左側縁部に係止される。

[0075] それにより、可動体 17aは左側ストツバ 21を解除しない限り、左側に移動した状態で保持される。

[0076] なお、支持物 15と支持物 14との間で、光ケーブル 1が変位すると、可動体 17aは右側に移動し、右側ストツバ 22が前板 23の右側縁部に係止される。

[0077] 図 9は上記光損失発生部の第 3の実施形態を示すものである。光ケーブル 1の支持ワイヤ部 laは、光ケーブル 1の配索経路の中間部の支持物 15に設けられた光損失発生部 30を介して左右の支持物 13、 14に固定治具 16で固定されて架設されており、光心線部 lbは光損失発生部 30をループして通過するようになっている。

[0078] 図 10は上記光損失発生部 30を拡大して示すものであり、同図（a)は平常時、同図

(b)は侵入発生時の動作状態を示している。

[0079] これらの図において、光損失発生部 30は L形のベース 30aと、そのベース 30aに設けられた支持軸 30bを中心として回転する T字状の可動体 30cとを有し、ベース 30a 上には、光心線部 lbをループ状に保持しておくためのガイドピン 31a〜31dが設けられている。

[0080] 光心線部 lbは、支持軸 30b→ガイドピン 31c→ガイドピン 31b→ガイドピン 31a→ 支持軸 30bの順に掛け渡されることによりループが形成されている。

[0081] 一方、可動体 30cには、ガイドピン 31cとガイドピン 3 Idとの間の光心線部 lbを屈曲させるための押圧ピン 32a、 32bが設けられ、侵入者、動物等の侵入により光ケープル 1が変位して可動体 30cが矢印 D方向（又は矢印 E方向）に回転すると、押圧ピン 3 2a (又は押圧ピン 32b)で光心線部 lbを屈曲させるようになって、る。

[0082] 図 11は上記光損失発生部の第 4の実施形態を示すものである。光ケーブル 1の支持ワイヤ部 laは、光ケーブル 1の配索経路の中間部の支持物 15に設けられた光損失発生部 40を介して左右の支持物 13、 14に固定治具 16で固定されて架設されており、光ケーブル 1の支持ワイヤ部 laは、ー且、支持物 15の位置で切断され、左側に延びる支持ワイヤ部 laは、図 12 (a)に示す可動体 41上の下側固定部 41aに固定され、更に、引張コイルばね 42を介してベース 43に固定されている。一方、右側に延びる支持ワイヤ部 laは、可動体 41上の上側固定部 41bに固定され、更に、引張コィルばね 42

を介してベース 43に固定されて!、る。

[0083] 可動体 41は、ベース 43に設けられた支持軸 43aを中心として回動するようになっており、支持軸 43aの近傍に一対の押圧ピン 41cが配設されている。

[0084] また、ベース 43に配設されるガイドピン 43b、 43cは、垂直方向に配索される光心線部 lbの右側及び左側をガイドするようになって、る。

[0085] なお、 43dは紙面厚さ方向に進退自在に構成されたロックピンであり、圧縮コイルばねによってベース 43の表面力も若干突出した状態で保持されている。このロックピン 43dは軸体力もなり、その右側が傾斜面に形成されている。従って、可動体 41が図 1 2 (b)に示す位置まで回転する際に、ロックピン 43dが後退し、ロックピン 43dを乗り越えると、そのロックピン 43dが圧縮コイルばねの復元力によって突出し、可動体 41を図 12 (b)に示す姿勢に解除可能にロックするようになって!/、る。

[0086] 上記構成を有する光損失発生部 40によれば、支持物 13と支持物 15の間に侵入者、動物等が接近し、光ケーブル 1が、例えば、下向きに引っ張られて変位すると、可動体 41が図 12 (b)に示すように、矢印 H方向に回転し、その結果、光心線部 lbが一対の押圧ピン 41cによって押され、階段状に屈曲される。

[0087] この場合も、光ケーブル 1の光伝送損失が大きくなり、光損失検知部 4の IN端子 4b に入射する光の光伝送損失が 40dB以上になると、光損失検知部 4が動作し、出力端子 4cから外部出力を出力する。

[0088] 図 13〜図 14は上記光損失発生部の第 5の実施形態を示すものである。図 13は 1 本の光ケーブル 1の配索状態を示すものである。侵入が制限された区域における所定の監視区域には、左右の支持物 13、 14と光ケーブル 1の配索経路の中間部の支持物 15が略等間隔をおいて立設される。 1本の光ケーブル 1は、これに支持物 13と支持物 15との間、支持物 14と支持物 15との間に所定深さの弛度（弛み量）が生じるように所定の張力（テンション)を付与されながら、支持物 13、 14、 15間に、縦方向に蛇行状に、且つ、支持物 15において縦横方向に交差するようにして一筆書き状に配索されている。

[0089] 支持物 13、 14には固定治具 16が縦に配列されており、光ケーブル 1の支持ワイヤ部 laを固定している。光ケーブル 1の光心線部 lbは、中間部の支持物 15にその長手方向に沿って逆 U形状に配索されると共に、支持物 15に設けられた光損失発生部 76を十文字状に通過するようになって、る。

[0090] 図 14は上記光損失発生部 76を拡大して示すものであり、同図（a)は平常時の動作状態の平面図、同図 (b)は侵入発生時の動作状態の平面図、同図（c)は (a)の P— P矢視断面図である。

[0091] 光損失発生部 76は、図 14 (a) (c)に示すように、角板状のベース 77と、ベース 77 に間隔をおいて平行に、且つ、支持物 15の長手方向（縦方向）に延出するように形成され、 1本の光心線部 lbを、中間部の支持物 15の長手方向に沿って案内する一対の光心線部案内通路 78と、ベース 77に光心線部案内通路 78と交差する方向（横方向）に往復移動可能に配設される可動体 79と、ベース 77の一対の光心線部案内通路 78を境にして可動体 79と対向する位置に、それぞれ光心線部案内通路 78に沿って間隔をお、て配設される 3個のローラ 80とを備えて、る。 [0092] また、可動体 79の移動方向の両端部には、間隔をおいて移動方向に突出する一対の突起部 79aが設けられている。更に、可動体 79の頭部 (紙面厚さ方向）には、蛇行状に配索されて水平に架設状態の光ケーブル 1の支持ワイヤ部 laを、例えば、円形押え板力もなる固定部 79bで締め付け固定して保持すると共に、支持ワイヤ部 la 力も分離させた光心線部 lbを可動体 79の外周に迂回させて案内するようになっている。なお、 77aはローラ 80及び可動体 79を支持する、例えば、透明榭脂を成形カロェして形成された 4分割型の覆板で、ベース 77の上にボルト、ねじ等の固定部材で分離可能に固定されて

いる。なお、この光損失発生部 76を構成するハウジングは、ベース 77と覆板 77aの分割構造ではなぐ一体構造 (非分割構造)にしてもよい。

[0093] このような状態で、例えば、支持物 13と支持物 15の間に侵入者、動物等が接近し、光ケーブル 1が引っ張られて変位すると、図 14 (b)に示すように、可動体 79が矢印 X方向に移動する。その結果、支持物 15の長手方向に配索されている光心線部 lb の内、左側に位置する光心線部 lbが 3個のローラ 80と可動体 79の突起部 79aとの間に挟まれて M字状に屈曲される。そして、光ケーブル 1の光伝送損失が大きくなり、光損失検知部 4の IN端子 4bに入射する光の光伝送損失が 40dB以上になると、光損失検知部 4が動作し、出力端子 4cから外部出力を出力し、侵入が検知される。

[0094] 一方、支持物 14と支持物 15の間に侵入者、動物等が接近し、光ケーブル 1が、例えば、下向きに引っ張られて変位すると、可動体 79が矢印 X方向と反対方向に移動し、右側に位置する光心線部 lbが同様に M字状に屈曲され、光伝送損失が大きくなつて、同様に侵入が検知される。光ケーブル 1に侵入による引っ張り等の外力が加わり、光心線部 lbが、図 14 (b)に示すように、 3個のローラ 80と一対の突起部 79gにより、 M字状に屈曲されると、光心線部 lbに 3個の U形屈曲部が形成されることになる。そうすると、光伝送損失の減衰特性 (感度)が良好になり、侵入検知の精度を向上させることができるので好ま U、。

[0095] なお、上記光損失発生部 76 (図 13、 14参照）では、 1本の光ケーブル 1が支持物 1 5に設けられた光損失発生部 76を十文字状に通過するように一筆書き状に配索されているが、このような構成のものだけに限定されるものではない。例えば、光損失発生部 76の光心線部案内通路 78に沿って縦方向に配索される光ケーブル 1と、光心線部案内通路 78と交差するように横方向に配索される光ケーブル 1とは、それぞれ独立した別の光ケーブル 1であってもよい。また横方向に配索される光ケーブル 1は、例えば、光損失発生部 76毎に異なる別の光ケーブル 1であってもよい。このように、縦横方向に配索され

る光ケーブル 1が別の光ケーブル 1の場合、横方向に配索される光ケーブル 1は、上記したように、支持ワイヤ部 laだけを可動体 79に保持させ、支持ワイヤ部 laから分離させた光心線部 lbを可動体 79の外周に迂回させて案内するようにしてもよ!、が、支持ワイヤ部 laと光心線部 lbを分離させず、支持ワイヤ部 laと光心線部 lb、即ち、光ケーブル 1全体を可動体 79に保持させるようにしてもょ、。更に横方向に配索される光ケーブル 1は光ケーブル以外のテンションメンバーに代替させるようにしてもよい

[0096] 上記第 2実施形態乃至第 5実施形態の光損失発生部 17、 30、 40、 76においては、侵入が制限された区域に配索される区域に 3個の支持物 13、 14、 15が略等間隔で立設され、光ケーブル 1の配索経路の中間部の支持物 15に光損失発生部 17、 30 、 40、 76が設けられている力侵入が制限された区域に配索される区域に 4本以上の支持物 13、 14、 15が略等間隔で立設され、光ケーブルの配索経路の各中間部の複数個（2個以上)の支持物 15に光損失発生部 17、 30、 40、 76が設けられるようにしてちよい。

[0097] また、 3個の支持物 13、 14、 15又は 4個以上の支持物 13、 14、 15は必ずしも略等間隔で立設されている必要がない。即ち、 1対以上の隣り合う支持物間の間隔が他の 1対以上の隣り合う支持物間の間隔と異なるように立設されていてもよい。

[0098] 更に、中間部の複数個（2個以上）の支持物全部に光損失発生部 17、 30、 40、 76 が設けられる必要はなぐ複数本の支持物 15のうちから任意に選択された 1本の支持物 15又は 2本以上の支持物 15に設けられるようにしてもよい。この場合、光損失発生部 17、 30、 40、 76が設けられない中間部の支持物 15には、光ケーブル 1を支持するための、例えば、リング状の通過金具 7を設けることが好ましい。更に、光損失発生咅 17、 30、 40、 76【こお!ヽて、光ケープノレ 1の支持ワイヤ咅 laを支持物 13、 14 に固定する固定治具 16として、図 5に示すような構成の固定治具 44を使用するようにしてもよい。

[0099] 上記光ケーブル 1の配索経路の中間部に光損失発生部 17、 30、 40、 76が設けられて、ると、侵入が制限された区域内のどの部位で侵入が発生しても侵入をむらなく検知することができる。また、侵入が制限される区域が広くなつても、光ケーブルに生じた光伝送損失を検知することが可能になり、侵入を容易に検知することができるので好ましい。

[0100] 更に、侵入が制限された区域に略等間隔で立設された 3個以上の支持物 13、 14、 15にあって、光ケーブル 1の配索経路の各中間部の支持物 15に上記光ケーブル 1 に光伝送損失を発生させる光損失発生部 17、 30、 40、 76がが設けられていると、中間部の支持物の左右いずれ側の個所において、侵入が発生しても、略同一検知レベルの光伝送損失信号を光損失検知部に入力して、光損失検知部から外部出力を出すことが可能になる。従って、侵入が制限された区域のどの区域で侵入が発生しても、より精度よく確実に検知することができ、侵入検知システムの信頼性をより向上させることができるので好まし!/、。

[0101] 図 15は光ケーブル 1の配索パターンを示すものである。同図において、例えば、防護用のフェンス 50は主支持物 51及び主支持物 51間に、例えば、 2m間隔で立設された補助支持物 52に張設されており、各主支持物 51は見通し可能な距離、例えば、横方向長さ 50〜： LOOmを 1監視区域として立設されている。

[0102] フェンス 50の上部から下部まで、蛇行状、且つ、面状に光ケーブル 1が配索され、例えば、縦方向に 10〜 15cmの間隔で光ケーブル 1を配索すれば、光ケーブル 1を切断しない限りは、フェンス 50を通り抜けることができないため、侵入者、動物等の侵入を確実に検知することができる。なお、光ケーブル 1を配索する間隔を同図に示すようにフェンス下部側で密になるようにすれば、フェンス下部側から侵入者、動物等が侵入しょうとするのをより確実に検知できるようになる。

[0103] また、光ケーブル 1は、フェンス 50の忍び返し部分 53にも配索することができる。それにより、フェンス 50を乗り越えて侵入する侵入者、動物等を確実に検知することができる。 [0104] なお、図中、 5は上記した構成の光損失発生部である。 7は補助支持物 52に設けられ、光損失発生部を通過させた状態で支持するリング状の通過金具である。 54は光ケーブル 1をフェンス 50に固定するための把持金具である。

[0105] 図 16は、上記補助支持物 52の忍び返し部分 53の構成を拡大して示すものである。同図において、補助支持物 52は、垂直に固定された固定支持物 52aと、この固定支持物 52aの上端部に連結された可動支持物 52bとから構成されている。

[0106] 固定支持物 52aと可動支持物 52bは、ばね機構 55を介して接続されており、可動支持物 52bに侵入者等が手を掛けてよじ登ろうとすると、可動支持物 52bが外側 (矢印 I方向）に容易に倒れるようになつている。そして、可動支持物 52bが外側に倒れると、その可動支持物 52bに張設された光ケーブル 1が引っ張られ、その結果、光損失発生部 5が動作するようになっている。上記構成によれば、補助支持物 52を伝ってフエンス 50を乗り越えようとする侵入者、動物等も検知することができる。

[0107] 次に、監視カメラを用いた侵入検知システムについて、図 17を参照しながら説明する。同図に示す侵入検知システム 70では、監視区域 WAの外周に張り巡らされたフエンス 71に沿って、第 1〜第 10の IPカメラ等の監視カメラ TC # 1〜TC # 10が、撮影方向を同じ向きにして配列されている。

[0108] 各監視カメラ TC # 1〜TC # 10は、 4心の光ケーブル 72を介して E/Oコンバータ 73と接続され、この EZOコンバータ 73は、タイムシフト録画動画遅延メモリ機構を備えたコントローラ (録画再生装置） 74に接続され、このコントローラ 74の出力側にはモユタ 75が接続されている。

[0109] このモニタ 75の画面上には、監視カメラ TC # 1〜TC # 10によって撮影された画像が 10分割表示されている。

[0110] コントローラ 74には、監視カメラ TC # 1〜TC # 10に対応した数のメモリ M1〜M1 0が備えられ、各監視カメラ TC # 1〜TC # 10から光ケーブル 72の 2心を、監視カメラの撮影画像を伝送する伝送路として使って、送信される動画データを記憶し、一定時間経過すると、順次消去する処理を繰り返して！/ヽる。

[0111] 光ケーブル 72の残りの 2心は、上記光損失検知部 4に接続され、侵入検知用センサ S # 1〜S # 10として使用される。 [0112] 例えば、図中 Jの光ケーブル 72が切断されると、監視カメラ TC # 8からの画像がモユタ 75の画面上に映らなくなると共に、侵入検知用センサ S # 8に接続された光損失検知部 4 (図示せず）によって光伝送損失が検知され、信号が出力される。

[0113] この信号はコントローラ 74に入力され、コントローラ 74は信号が出力された光ケーブル 72の隣りの監視カメラ TC # 7、即ち、監視区域 WA# 8を撮影している後段側の監視カメラ TC # 7によって撮影された画像を消去せず、例えば、 10秒溯って、メモリ M7に録画されている画像をモニタ 75の画面上に表示する。

[0114] 従来の監視カメラを使用した侵入検知システムでは、多数の監視カメラによって映し出される画像を常時監視し続ければならず、警備員の負担が大きカゝつた。

[0115] これに対して、本実施形態の監視カメラ TC # 1〜TC # 10を使用した侵入検知システムによれば、侵入位置を特定することができると共に、侵入検知用センサ S # 1〜 S # 10働いて、侵入位置を撮影している監視カメラ TC # 1〜TC # 10に自動的に切り替えられるため、警備員の負担が軽減又は解消されると同時に、侵入者、動物等の侵入検知を確実に報知することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 侵入が制限された区域に配索される光ケーブルと、前記光ケーブルに外力が加わつたときに生じる光伝送損失を検知する光損失検知部とを有し、

前記光損失検知部は前記光伝送損失が一定値以上減衰したときに動作して、侵入検知のための装置を起動させるための信号を出力することを特徴とする侵入検知装置。

[2] 前記光ケーブルの配索経路の終端部に、前記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられて!/ヽることを特徴とする請求項 1に記載の侵入検知装置。

[3] 前記光ケーブルの配索経路の中間部に、前記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられて!/ヽることを特徴とする請求項 1に記載の侵入検知装置。

[4] 前記光ケーブルが支持ワイヤ部と光心線部とを有し、前記光損失発生部は、前記光ケーブルが変位した場合に、光心線部に当接してこれを強制的に屈曲させる可動体と、屈曲された光心線部を保持する保持部とからなつていることを特徴とする請求項 2又は 3に記載の侵入検知装置。

[5] 前記光ケーブルが、侵入が制限された区域に所定間隔で配設された支持物に架設され、前記支持ワイヤ部を前記支持物に固定する固定治具が、前記支持物から突設された支持軸と、前記支持軸に軸支され、一方の前記支持ワイヤ部については逆転を防止しつつ回転して巻き取る卷取ドラムと、前記支持軸に軸支され、他方の前記支持ワイヤ部については前記光ケーブルの変位に追随して支持ワイヤ部の移動を許容する遊動ローラとを備えていることを特徴とする請求項 1から 4の何れ力 1項に記載の侵入検知装置。

[6] 前記光ケーブルが支持ワイヤ部と光心線部とを有し、侵入が制限された区域に略等間隔で立設された 3個以上の支持物にあって、光ケーブルの配索経路の各中間部の支持物に前記光ケーブルに光伝送損失を発生させる光損失発生部が設けられ、前記光損失発生部は、前記光ケーブルが変位した場合に、光心線部に当接してこれを強制的に屈曲させる可動体を備えていることを特徴とする請求項 3に記載の侵入検知装置。

[7] 侵入が制限された区域が複数の監視区域に分割され、各監視区域毎に請求項 1 力 6の何れか 1項に記載の侵入検知装置が設けられていることを特徴とする侵入検知システム。

[8] 侵入が制限された区域の境界に沿って所定間隔を開けた状態で、且つ、撮影方向を同じ向きにして配列される複数の監視カメラと、前記監視カメラで撮影された画像を監視カメラ毎にメモリに録画し又は再生する録画再生装置と、前記監視カメラで撮影された画像を表示するモニタと、前記監視カメラによって撮影された範囲毎に前記境界に配索される光ケーブルと、前記光ケーブルに外力が加わったときに生じる光伝送損失を検知する光損失検知部を有し、

前記光損失検知部は前記光伝送損失が一定値以上減衰したとき動作して起動信号を出力し、前記起動信号を受けた前記録画再生装置は、光伝送損失が発生した光ケーブルを撮影範囲としている次段側の監視カメラによって撮影された画像を一定時間溯って再生することを特徴とする侵入検知システム。

[9] 前記光ケーブルの光心線部が複数の光ファイバ心線を備え、一部の光ファイバ心線は監視カメラの撮影画像を伝送する伝送路として、残りの光ファイバ心線は前記光損失検知部に接続されて侵入検知用センサとして構成されることを特徴とする請求項 8記載の侵入検知システム。