JP2006052994A - 荷重センサ付き車輪用軸受 - Google Patents

荷重センサ付き車輪用軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両にコンパクトに荷重センサを設置できて、車輪にかかる荷重を安定して検出できる荷重センサ付き車輪用軸受を提供する。
【解決手段】 複列の転走面4が内周面に形成された外方部材1と、この外方部材1の転走面4と対向する転走面5を形成した内方部材2とを設け、両転走面4,5間に複列の転動体3を介在させて、車体に対して車輪を回転自在に支持する。外方部材1の外径面における転動体列と対応する軸方向位置に、磁歪材からなる被検出部15を設ける。この被検出部15の磁歪変化を検出することで軸受に作用する荷重を検出する荷重センサ16を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵した荷重センサ付き車輪用軸受に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。このような車輪用軸受において、温度センサ、振動センサ等のセンサを設置し、回転速度の他に、自動車の運行に役立つ他の状態を検出できるようにしたものも提案されている(例えば特許文献1)。
特開2003−336652号公報
従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面での制御を可能とすることが求められている。そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が偏るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも、各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
特許文献1に示した荷重センサを内蔵した車輪用軸受では、車体取付フランジに固定支持された変位センサで外方部材の表面との隙間を測定して荷重を得ているが、検出部が外部に露出しており耐久性に課題を残している。また、外方部材の変形量はわずかであり、検出精度にも限界がある。
この発明の目的は、このような課題を解消し、車両にコンパクトに荷重センサを設置できて、車輪にかかる荷重を安定して検出できる荷重センサ付き車輪用軸受を提供することである。
この発明の荷重センサ付き車輪用軸受は、複列の転走面が内周面に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材の外径面における転動体列と対応する軸方向位置に被検出部を設け、この被検出部の磁歪変化を検出することで軸受に作用する荷重を検出する荷重センサを設けたことを特徴とする。
外方部材において、軸受に作用する荷重変化が一番顕著に現れる箇所は、転動体列と対応する軸方向位置である。この位置は、特に車両の旋回走行時に、軸受に作用する荷重変化が顕著に現れる。固定側部材である外方部材に、上記のように荷重変化が顕著に現れる箇所を被検出部として、その磁歪変化を検出することで軸受に作用する荷重を検出する荷重センサを設けたため、車両にコンパクトに荷重センサを設置できて、車輪にかかる荷重を安定して検出できる。
前記被検出部は、磁歪材とすることが好ましい。外方部材の歪みが大きい場合、特に磁歪材を用いなくても磁歪変化の検出が可能であり、これにより低コスト化が図れるが、磁歪材を設けた場合は、歪みの感度が向上し、荷重検出が良く行える。すなわち、外方部材における荷重変化が一番顕著に現れる箇所に磁歪材からなる被検出部を設けて歪みの感度を上げ、この被検出部の磁歪変化を検出することで軸受に作用する荷重を検出することにより、感度の良い荷重検出が可能になる。
この発明において、前記外方部材に被検出部を対応して設ける転動体列は、インボード側の転動体列であっても良い。
インボード側の転動体列に対応する外方部材の外径面では、旋回条件下で荷重変化が顕著に現れる。そのため、荷重センサの出力により、車両の旋回状況の変化による荷重変化が分かる。なお、インボード側列の場合、旋回状況下で、転動体列は、全周における上部に位置する転動体に荷重が集中するので、荷重センサを上部位置に設けることで、荷重の検出感度をより向上させることができる。
この発明において、前記荷重センサは、磁性体のヨークにコイルを巻回したリラクタンス型であっても良い。リラクタンス型の荷重センサによると、分解能の高い荷重検出が行える。
この発明において、前記被検出部が、外方部材の表層に形成されたFe−Al合金の層であっても良い。Fe−Al合金は、優れた磁歪特性を示す磁歪材であるため、荷重検出の感度を向上させることができる。また、表面の層として磁歪材を設けるため、別体の被検出部を外方部材に設ける場合に比べてコストを低減できる。
この発明において、前記被検出部が、表面がFe−Al合金であるクラッド鋼をリング状にした磁歪部材からなり、このリング状の磁歪部材を外方部材の外周に固着したものであっても良い。Fe−Al合金の単独の部材を外方部材に取付けることは、材質上で困難であるが、クラッド鋼を用いると、外方部材への取付作業が容易に行える。また、そのFe−Al合金の優れた磁歪特性を荷重検出に利用し、感度を向上させることができる。
この発明において、前記荷重センサと対をなす温度補償用荷重センサを設けても良い。この構成の場合、荷重センサの検出信号と温度補償用荷重センサの検出信号の差動出力から、温度変化の影響をキャンセルした精度の高い荷重検出信号を得ることができる。
この発明において、前記内方部材の端部に設けられたエンコーダと、この内方部材と一体的に結合される軸継手の継手部材に設けられたエンコーダと、これら一対のエンコーダに対向してそれぞれ前記外方部材の端部に取付けられる2つの回転センサを含む回転センサ部とを備え、この回転センサ部は、前記2つの回転センサにより検出される回転信号の位相差から、前記内方部材に作用するトルクを検出する荷重センサとして用いるものとしても良い。
この構成の場合、内方部材と継手部材とは、トルクが作用すると、捩じりにより上記2つのエンコーダの位相差が生じる。この位相差を上記2つの回転センサの検出信号の比較により検出することで、上記トルクが検出できる。このトルクから車輪に作用する前後方向の荷重が検出できる。したがって、前記外方部材の外径面の磁歪変化を検出する荷重センサから得られる旋回走行時の荷重変化と、車輪前後方向の荷重との2種類の荷重の変化が検出できる。
この発明において、内方部材のインボード側の端面の変位を検出して車輪用軸受に作用する軸方向荷重を検出する荷重センサを設けても良い。
この構成の場合、車輪用軸受に作用する軸方向荷重が検出できる。したがって、前記外方部材の外径面の磁歪変化を検出する荷重センサで得られる旋回走行時の荷重変化と、軸方向荷重の変化との2種類の荷重の変化が検出できる。前記2つの回転センサの回転センサ部を設けた場合は、旋回走行時の荷重変化、車輪前後方向の荷重変化、および車輪用軸受の軸方向の荷重変化の3種類の荷重変化が検出できる。
この発明の荷重センサ付き車輪用軸受は、複列の転走面が内周面に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備える車輪用軸受において、上記外方部材の外径面における転動体列と対応する軸方向位置に被検出部を設け、この被検出部の磁歪変化を検出することで軸受に作用する荷重を検出する荷重センサを設けたため、車両にコンパクトに荷重センサを設置できて、車輪にかかる荷重を安定して検出できる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図5と共に説明する。この実施形態の荷重センサ付き車輪用軸受は第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用の車輪用軸受に適用した例である。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向外側寄りとなる側をアウトボード側と言い、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。図1では、左側がアウトボード側、右側がインボード側となる。
図1において、この車輪用軸受の軸受部11は、内周に複列の転走面4を有する外方部材1と、これら転走面4にそれぞれ対向する転走面5を外周に有する内方部材2と、これら複列の転走面4,5間に介在させた複列の転動体3とを備える。この軸受部11は、複列のアンギュラ玉軸受とされていて、上記各転走面4,5は断面円弧状であり、各転走面4,5は接触角が背面合わせとなるように形成されている。転動体3はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。
外方部材1は固定側の部材となるものであって、図2のようにナックル18に固定するための車体取付フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部材とされている。前記車体取付フランジ1aは、車体(図示せず)に設置されたナックル18に周方向複数箇所のボルト(図示せず)で締結される。
内方部材2は回転側の部材となるものであって、車輪取付フランジ2aを外周に有するハブ輪2Aと、このハブ輪2Aのインボード側の端部外径面に嵌合した別体の内輪2Bとからなり、ハブ輪2Aおよび内輪2Bに、各列の転走面5がそれぞれ形成される。ハブ輪2Aには軸継手の継手部材である等速ジョイント13の外輪13aが連結されている。ハブ輪2Aは中央穴9を有し、この中央穴9に等速ジョイント外輪13aに一体に形成されたステム部14が挿通される。ステム部14は先端に雄ねじ部14bを有し、この雄ねじ部14bに螺合させたナット12が、ハブ輪2Aの中央穴9におけるアウトボード側に形成された段面2cに押し当てられることで、等速ジョイント外輪13aがハブ輪2Aに対してアウトボード側に押し付けられて連結される。
ハブ輪2Aの中央穴9にはスプライン溝2bが形成されており、このスプライン溝2bにステム部14の外周面に形成されたスプライン溝14aが嵌合する。内輪2Bは、等速ジョイント外輪13aにおけるステム部14の基端の段面13aaが、前記ナット12の締め付けで内輪2Bのインボード側幅面に押し当てられることにより、ハブ輪2Aに対して軸方向に締め付け固定される。内外の部材2,1間に形成される環状空間のアウトボード側およびインボード側の各開口端部は、密封装置である接触式のシール7,8で密封されている。
前記軸受部11のインボード側端部には、荷重センサ部10の被検出部15が設けられている。すなわち、外方部材1の外径面におけるインボード側の転動体列と対応する軸方向位置に、リング状の被検出部15が設けられている。この被検出部15は、表面がFe−Al合金であるクラッド鋼をリング状にした磁歪部材からなり、この被検出部15が外方部材1の外径面に固着されている。また、前記ナックル18の前記被検出部15に対して外径側から対向する位置には、被検出部15の磁歪変化を検出することで軸受部11に作用する荷重を検出する荷重センサ16が設けられている。この荷重センサ16は、インボード側の転動体列における円周上の上部位置側に設けられている。具体的には、インボード側の転動体列の各転動体3の配置を模式的に示す図4において、転動体番号(8)で示す転動体3に対応する上位置に前記荷重センサ16が設けられる。荷重センサ16は、図3に一部を破断して示すように、磁性体のヨーク16aにコイル16bを巻回してなるリラクタンス型とされている。
図5は、車両の各走行条件のもとでの、各転動体列に加わる荷重分布を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は各転動体3の番号(図4の番号に対応)を示し、縦軸は荷重を示す。また、ドット◆のグラフはアウトボード側の転動体列における直進条件での荷重分布、ドット■のグラフはインボード側の転動体列における直進条件での荷重分布、ドット▲のグラフはアウトボード側の転動体列における旋回条件での荷重分布、ドット●のグラフはインボード側の転動体列における旋回条件での荷重分布をそれぞれ示す。
このグラフから、旋回条件下では、インボード側の転動体列の荷重変化が顕著で、また上側に配置される転動体3に荷重が集中することが分かる。このことから、上記したように、インボード側の転動体列の上側に荷重センサ部10を配置することで、旋回走行時に軸受部11に加わる荷重を感度良く検出できる。具体的には、例えば車両の旋回走行時に軸受部11に上下方向のモーメント荷重が加わると、内方部材2の軸心が傾斜し、前記被検出部15と荷重センサ16との間の軸方向隙間が変化し、その隙間変化を荷重センサ16がモーメント荷重の変化として検出する。
また、図2に示すように、前記ナックル18における荷重センサ16の設置位置には、荷重センサ16と対を成す温度補償用荷重センサ17が、荷重センサ16に隣接して周方向に分離配置されている。温度補償用荷重センサ17は、図3の荷重センサ16の構成において、ヨーク16aを非磁性材料で製作した空芯コイルである。このように、荷重センサ16に隣接して温度補償用荷重センサ17を配置することにより、荷重センサ16の検出信号と、これと対を成す温度補償用荷重センサ17の検出信号の差動出力から、温度変化の影響をキャンセルした精度の高い荷重検出信号を得ることができる。
このように、この荷重センサ付き車輪用軸受では、軸受部11に作用する荷重変化が一番顕著に現れる外方部材1の外径面における転動体列(インボード側の転動体列)と対応する軸方向位置に磁歪材からなる被検出部15を設け、この被検出部15の磁歪変化を検出することで軸受部11で作用する荷重を検出する荷重センサ16を設けているので、車両にコンパクトに荷重センサを設置できて、車輪にかかる荷重を安定して検出できる。
また、この実施形態では、前記被検出部15が、表面がFe−Al合金であるクラッド鋼をリング状にした磁歪部材からなり、このリング状の磁歪部材を外方部材1の外周に固着しているので、Fe−Al合金の優れた磁歪特性により、荷重センサ16による被検出部15の磁歪変化の検出感度を上げることができる。また、クラッド鋼を用いるため、磁歪部材からなる別体の被検出部15を外方部材1に固定する作業が容易に行える。
なお、クラッド鋼を用いる代わりに、外方部材1の表層にFe−Al合金の層を形成して、この層を被検出部15としても良い。
また、荷重に伴う歪みが十分大きい場合には、上記の各例のような磁歪材を設けずに、鋼材からなる外方部材1の一部を被検出部15として用い、その磁歪特性を検出するようにしても良い。これにより、磁歪材に必要な材料コストが不要となり、また組付作業が要らずコストを低減できる。
図6ないし図9は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態の荷重センサ付き車輪用軸受では、第1の実施形態において、荷重センサ部10の他に、回転センサ部20が設けられている。回転センサ部20は、図7に示すように、一対のエンコーダ21,22と、これらエンコーダ21,22に対して軸方向に対向して配置される一対のセンサ23,24とでなる2つの回転センサ25,26を有する。すなわち、内方部材2の端部外周に取付けられるエンコーダ21と、このエンコーダ21に対向して外方部材1の端部に取付けられるセンサ23とで第1の回転センサ25が構成され、等速ジョイント外輪13aの外周に取付けられるエンコーダ22と、このエンコーダ22に対向して外方部材1の端部に取付けられるセンサ24とで第2の回転センサ26が構成される。
第1の回転センサ25の構成部品であるエンコーダ21は磁気エンコーダからなり、断面L字状の環状の芯金21aの側板部に多極磁石21bを設けたものとされている。このエンコーダ21は、芯金21aの円筒部を内輪2Bの外周に圧入することにより、内方部材2に取付けられている。多極磁石21bは、図8に示すように円周方向に交互に磁極N,Sを形成した部材であり、ゴム磁石、プラスチック磁石、または焼結磁石等からなる。このエンコーダ21は、この実施形態では、インボード側のシール8を兼ねており、芯金21aの外周端に設けたゴム等からなる弾性体リップ部21cが、外方部材1の内径面に摺接することで、内外の部材2,1間に形成される環状空間のインボード側の開口端部が密封される。
また、第1の回転センサ25の他の構成部品であるセンサ23は、エンコーダ21の磁界を検出する磁気センサであり、センサ取付部材27を介して外方部材1に取付けられる。センサ23は、磁気ヨーク23aにコイル23bを内蔵してなるアニューラ型とされ、樹脂製等のセンサホルダ28内に埋め込まれている。前記磁気ヨーク23aのエンコーダ21に対面して開口する側面には、図9に示すように、互いに径方向に対向して延びる櫛歯状の歯23aa,23abが形成され、この各歯23aa,23abは円周方向に上記エンコーダ21の多極磁石21bの磁極と同じ間隔で交互に配列されている。このように構成された回転センサ25では、内方部材2と共にエンコーダ21が回転すると、エンコーダ21とセンサ23の相対回転により、センサ23のコイル23bに回転数に比例した周波数の電圧が誘導され、これが回転信号としてセンサ23から出力される。
第2の回転センサ26の構成部品であるエンコーダ22も磁気エンコーダからなり、断面L字状の環状の芯金22aの側板部に多極磁石22bを設けたものとされている。このエンコーダ22は、芯金22aの円筒部を等速ジョイント外輪13aの外周に圧入することにより、等速ジョイント外輪13aに取付けられている。多極磁石22bは、第1の回転センサ25のエンコーダ21における多極磁石21bと同じ構造のものである。このエンコーダ22は、前記センサ取付部材27と等速ジョイント外輪13aとの間に形成される環状空間の端部開口を密閉するシールを兼ねており、芯金22aの外周端に設けたゴム等からなる弾性体リップ部22cが、センサ取付部材27の側面に摺接する。このように、エンコーダ22と一体の弾性体リップ部22cで、エンコーダ22とセンサ取付部材27との間を密封することにより、泥水の浸入や路面からの石跳ね等によりエンコーダ22とセンサ24の間に砂粒等の異物が噛み込むのを防止できる。
また、第2の回転センサ26の他の構成部品であるセンサ24は、エンコーダ22の磁界を検出する磁気センサであり、センサ取付部材27を介して外方部材1に取付けられる。このセンサ24も、磁気ヨーク24aにコイル24bを内蔵してなるアニューラ型とされ、前記センサホルダ28内に他のセンサ23と軸方向に略背面合わせとなるように重ねた状態で埋め込まれている。
センサ取付部材27は、外方部材1の外径面に嵌合する嵌合筒部27a、および外方部材1の端面に接して軸方向に位置決めされる側板部27bを有する。この側板部27bに、互いに対面する内側および外側の対向板部29,30が設けられ、これら内外の対向板部29,30間に上記センサホルダ28が挟み込み状態に取付けられる。センサホルダ28は、本体部28aから後方に延びるコードカバー部28bを有し、このコードカバー部28bの先端からコード31が延びている。センサホルダ28は、センサ取付部材27とは別体に製作されて、センサ取付部材27に取付けられる。センサ取付部材27は、互いに内外に重なった2枚の金属板製の内板および外板からなり、前記側板部27bの内外の対向板部29,30は内板および外板の一部によって構成される。内板および外板は、いずれも板金のプレス加工品からなる。センサ取付部材27の外方部材1への取付けは、嵌合筒部27aを外方部材1の外径面に圧入することで行われる。外側の対向板部30の内周縁部外面には、等速ジョイント外輪13aの段面13abに摺接するゴム材等からなる弾性体リップ部32が設けられている。段面13abは、ハブ輪2Aに押し当てられる段面13aaに隣接するインボード側の部分である。
また、この実施形態では、内方部材2の内輪2Bが、ハブ輪2Aのインボード側端部に設けられた加締部2Aaにより、ハブ輪2Aに対して軸方向に締め付け固定される。なお、等速ジョイント外輪13aのステム部14の雄ねじ部14bにナット12を螺合させ、等速ジョイント外輪13aをアウトボード側に押し付けてハブ輪2Aに連結する際に、前記加締部2Aaへの等速ジョイント外輪13aの押し付け力を調整し、ステム部14に回り止めの加締めを施すことにより、軸受部11に荷重が加わったときに、内方部材2と等速ジョイント外輪13aの間の相対回転が可能となるようにしている。その他の構成は第1の実施形態の場合と同じである。
この実施形態の荷重センサ付き車輪用軸受では、回転センサ部20の2つの回転センサ25,26によっても、軸受部11に作用する荷重を検出できる。すなわち、車輪にトルクが作用したときに、内方部材2と等速ジョイント外輪13aとに相対回転が生じ、第1の回転センサ25の検出信号と、第2の回転センサ26の検出信号との間に位相差が生じる。この位相差をトルクに換算することにより、車輪に作用する前後方向の荷重を検出することができる。また、2つの回転センサ25,26の検出信号は車輪の回転信号であるため、そのうちの1つをABS(アンチロックブレーキシステム)用の信号として利用することができる。
このように、この実施形態の荷重センサ付き車輪用軸受では、2つの回転センサ25,26の検出信号により、車輪に作用する前後方向の荷重を検出することができ、また第1の実施形態と同様に設けた荷重センサ部10により、旋回走行により変化する荷重を検出することができる。このように検出される2種類の荷重検出信号により、車両の走行姿勢等の高度な制御が行える。また、さらにABS用の回転信号も得ることができる。
また、この構成によると、センサ取付部材27に設けられた内外の対向板部29,30の間に回転センサ部20のセンサ23,24が挟み込み状態に取付けられるため、センサ23,24が外れる恐れがなく、取付けが確実で、信頼性の高いものとできる。センサ取付部材27は、嵌合筒部27aで外方部材1の外径面に嵌合し、側板部27bで外方部材1の端面に接して軸方向に位置決めされるため、位置決めが簡単に精度良く行え、センサ23,24の位置決め精度を優れたものとできる。
なお、センサ取付部材27の対向板部29,30とセンサ23,24との間に弾性体(図示せず)を介在させても良い。弾性体を介在させることて、センサ23,24をがたつきなく、また無理な挟み付け力を生じさせることなく、安定して取付けることができる。前記弾性体は、前記弾性体リップ部32を兼ねるものとしても良い。
図10および図11は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の荷重センサ付き車輪用軸受では、図6ないし図9に示した実施形態において、さらに他の荷重センサ部10Aが加えられている。この荷重センサ部10Aは、被検出部15Aとなる内輪2Bの端面の変位を検出する変位センサを、荷重センサ16として設けたものである。荷重センサ16は、外方部材1にセンサ取付部材27を介して取付けられた前記センサホルダ28に設置されている。
この荷重センサ16は、軸受部11に軸方向荷重が加わったときに生じる外方部材1と内方部材2間の軸方向変位を、内輪2Bの端面で検出するものであり、この変位量を軸方向荷重に換算することで、軸方向荷重が検出される。
この実施形態の場合、図6〜図9に示す実施形態と同様に、外方部材1の外径部の被検出部15の検出により得られる旋回走行による荷重変化と、2つの回転センサ25,26による車輪前後方向の荷重変化とが検出でき、さらに軸受部11の軸方向荷重とが検出される。このように、軸受部11に作用する3種類の荷重が検出できるため、より高度な制御に貢献することができる。
また、この実施形態では、内方部材2と等速ジョイント外輪13aとの結合について、トルク作用時に回転センサ部20によるトルク検出が精度良く行えるように工夫を図っている。すなわち、ワッシャ33およびスペーサ34を介して、ボルト35をステム部14の中央に設けられたねじ孔14cに螺合させることで、等速ジョイント外輪13aをハブ輪2Aに連結している。詳しくは、ワッシャ33がハブ輪2Aの端面2cに当接して他のボルト41により固定され、中央穴9には前記ワッシャ33とステム部14で挟まれるようにスペーサ34が配置される。これらワッシャ33およびスペーサ34に挿通されるボルト35をステム部14のねじ孔14cにねじ込む。これにより、図11に拡大して示すように、ハブ輪2Aの加締部2Aaと等速ジョイント外輪13aの段面13aaとの間に軸方向隙間δを確保し、軸受部11に荷重が加わったときに、内方部材2と等速ジョイント外輪13aの間の相対回転が確実に行えるようにしている。
また、この実施形態では、センサ取付部材27における嵌合筒部27aの内径面に、ゴム等からなるシート状の弾性体36が固着され、この弾性体36の内径面の係止部が、外方部材1の外径面の係合溝に係合することで、センサ取付部材27の抜け止めが図られている。センサ取付部材27の内板と外板との間にはゴム材等からなる弾性体37が挟み込まれている。この弾性体37はシート状とされ、側板部27bにおいては、センサホルダ28と外側の対向板部30との間に介在する。これにより、センサ23,24、および荷重センサ16Aをガタツキなく、また無理な挟み付け力を生じさせることなく、安定してセンサ取付部材27に取付けることができる。
この発明の第1の実施形態にかかる荷重センサ付き車輪用軸受の断面図である。 図1における矢印A方向から見たナックルの正面図である。 同ナックルに取付けられる荷重センサの部分破断正面図である。 車輪用軸受におけるインボード側の転動体列での転動体の配置を示す模式図である。 各転動体列に加わる荷重分布を示すグラフである。 この発明の他の実施形態にかかる荷重センサ付き車輪用軸受の断面図である。 同軸受の部分拡大断面図である。 同軸受に取付けられるエンコーダの部分正面図である。 同軸受に取付けられるセンサの部分正面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる荷重センサ付き車輪用軸受の断面図である。 同軸受の部分拡大断面図である。
符号の説明
1…外方部材
2…内方部材
3…転動体
4,5…転走面
7,8…シール
10,10A…荷重センサ部
13…等速ジョイント
13a…等速ジョイント外輪
15,15A…被検出部
16,16A…荷重センサ
16a…ヨーク
16b…コイル
17…温度補償用荷重センサ
20…回転センサ部
21,22…エンコーダ
23,24…センサ

Claims (9)

  1. 複列の転走面が内周面に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
    上記外方部材の外径面における転動体列と対応する軸方向位置に被検出部を設け、この被検出部の磁歪変化を検出することで軸受に作用する荷重を検出する荷重センサを設けたことを特徴とする荷重センサ付き車輪用軸受。
  2. 請求項1において、前記被検出部が磁歪材である荷重センサ付き車輪用軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記外方部材に被検出部を対応して設ける転動体列が、インボード側の転動体列である荷重センサ付き車輪用軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3いずれか1項において、前記荷重センサは、磁性体のヨークにコイルを巻回したリラクタンス型である荷重センサ付き車輪用軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記被検出部が、外方部材の表層に形成されたFe−Al合金の層である荷重センサ付き車輪用軸受。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記被検出部が、表面がFe−Al合金であるクラッド鋼をリング状にした磁歪部材からなり、このリング状の磁歪部材を外方部材の外周に固着したものである荷重センサ付き車輪用軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記荷重センサと対をなす温度補償用荷重センサを設けた荷重センサ付き車輪用軸受。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記内方部材の端部に設けられたエンコーダと、この内方部材と一体的に固定される軸継手の継手部材に設けられたエンコーダと、これら一対のエンコーダに対向してそれぞれ前記外方部材の端部に取付けられる2つの回転センサを含む回転センサ部とを備え、この回転センサ部は、前記2つの回転センサにより検出される回転信号の位相差から、前記内方部材に作用するトルクを検出する荷重センサとして用いるものとした荷重センサ付き車輪用軸受。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、内方部材のインボード側の端面の変位を検出して車輪用軸受に作用する軸方向荷重を検出する荷重センサを設けた荷重センサ付き車輪用軸受。
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JP2016161306A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 日立金属株式会社 トルク検出装置、及びトルク検出方法
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