JP2006052438A - 蒸着用マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】 蒸着用マスクと被蒸着対象物の接触による被蒸着対象物への損傷の発生を抑制する。
【解決手段】 被蒸着対象物への蒸着パターンに対応する開口部10が形成された薄板状の蒸着用マスク100であって、被蒸着対象物の蒸着対象面と向かい合う対向面に突起14を形成することによって上記課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子等の製造に用いられる蒸着用マスクに関する。
半導体素子、特に有機発光ダイオード(有機LED)のように微細化がそれほど必要とされない素子を製造する際に、金属配線、金属電極、有機発光物質等を蒸着するために蒸着用マスクが用いられる。蒸着用マスクは、非常に薄く平坦な金属平板等に配線パターン等に対応した開口部を設けたものである。蒸着用マスクを被蒸着対象物(例えば、ガラス基板や半導体基板)等の表面に形成された素子パターン等と整合近接させて、開口部を通じて蒸着物質を蒸着する。
特開2002−371349号公報 特開2002−220656号公報
蒸着を行う際には、蒸着用マスクと被蒸着対象物とは近接させてアライメントされる。このとき、蒸着用マスクと被蒸着対象物との一部が接触し、被蒸着対象物の表面に傷を発生させたり、被蒸着対象物から極微細粒子が剥がれ落ちたりという損傷を発生させる問題がある。また、アライメントが終了した後も、蒸着用マスクと被蒸着対象物との相対的な位置がずれ、蒸着用マスクと被蒸着対象物の表面とが接触し、損傷を発生させることもある。例えば、有機LEDを形成する際に、剥がれ落ちた極微細粒子が発光領域に付着し、画素欠陥等を発生させる原因となる。
特に、蒸着用マスクの開口部のエッジが被蒸着対象物の表面に接触すると、被蒸着対象物の表面が削り取られ、剥がれ落ちた極微細粒子が素子の欠陥を発生させる原因となってしまう。
本発明は、上記従来技術の問題を鑑み、接触部面圧を下げることにより被蒸着対象物に発生する損傷を抑制できる蒸着用マスクを提供することを目的とする。
本発明は、被蒸着対象物への蒸着パターンに対応して開口部が形成された薄板状の蒸着用マスクであって、被蒸着対象物の蒸着対象面と向かい合う対向面に突起が形成されていることを特徴とする。
ここで、前記突起は、蒸着用マスクが被蒸着対象物とアライメントされた場合に、被蒸着対象物の表面に形成された素子の有効領域外に対応する位置に形成されていることが好適である。これにより、前記突起自体が素子の有効領域(例えば、有機LEDの発光領域)に直接接触することがなくなり、素子の有効領域を損傷させることが少なくなる。
このとき、前記突起は、前記対向面に沿って平面部を有する形状(円形、長方形、楕円形、枠状)であることが好適である。このように前記突起が平面部を有することによって、蒸着用マスクのたわみ等による蒸着用マスクの開口部のエッジと被蒸着対象物との接触を防ぐと共に、接触部の面圧を下げることにより被蒸着対象物の損傷を防ぐことができる。
また、前記突起は、その高さが1μm以上10μm以下であることが好適である。例えば、隣り合う前記有効領域の間隔が20μm〜200μm程度となるLEDの素子パターンでは、その最小幅を5μm以上50μm以下とすることが好適である。
本発明によれば、蒸着用マスクと被蒸着対象物の接触による損傷の発生を低減することができる。
図1に、本発明の実施の形態における蒸着用マスク100の平面図を示す。また、図2に、図1のA−A線に沿った蒸着用マスク100の断面図を示す。
蒸着用マスク100は、厚さが10μm〜100μm程度の金属平板を基体としている。金属平板としては、例えば、Ni−Co等の合金材を用いることかできる。蒸着用マスク100には、開口部10が形成されている。開口部10は、被蒸着対象物に形成された素子パターンに対応した蒸着パターンとなるように設けられる。
蒸着を行う際に、蒸着用マスク100は、図3に示すように、被蒸着対象物200の蒸着対象となる面20(以下、蒸着対象面20という)を被うように、被蒸着対象物200の蒸着対象面20に形成されている素子パターンと蒸着用マスク100の開口パターンとを整合(アライメント)させて配置される。そして、蒸着用マスク100と被蒸着対象物200とをアライメントされた状態で真空槽に導入し、蒸着対象面20に開口パターンに対応した蒸着パターンで蒸着を行う。
例えば、図1に示した蒸着用マスク100の開口パターンは、被蒸着対象物200が図4に示すようなカラー有機LEDの発光部である場合に、蒸着対象面20に設けられたR(赤)の発光領域22R(ハッチングで示した領域)のみに蒸着を行うためのものである。発光部のG(緑)の発光領域22G又はB(青)の発光領域22Bに蒸着を行う場合には、同様にG(緑)の発光領域22G又はB(青)の発光領域22Bに対応する位置に開口部10が設けられた蒸着用マスクを準備すれば良い。
図1及び図3に示すように、蒸着対象面20と対向する蒸着用マスク100の面12(以下、対向面12という)には、開口部10の周辺に突起14が設けられる。突起14は、蒸着用マスク100をエッチング又はめっき等で形成する際にパターンニングすることによって同時に形成することができる。
突起14の形状は、図1に示したような円形状の他、図5に示すような長方形又は楕円形状、又は、図6に示すような枠状のように、対向面12に沿っていずれかの方向に延伸されたビーム形状や図7の櫛形状とすることも好適である。このとき、延伸方向に沿った長軸と延伸方向と直交する短軸との比が1.5倍以上であることが好適である。このように、平面的に延伸されたビーム形状とすることによって、被蒸着対象物200の蒸着対象面20上において蒸着用マスク100の対向面12をより確実に被蒸着対象物200の表面を損傷させることなく支持することができ、蒸着用マスク100のたわみ等に影響されずに蒸着対象面20と対向面12との間隙を少なくとも突起14の高さ以上に維持することができる。その結果、対向面12と蒸着対象面20との擦れや、蒸着対象面20と開口部10のエッジとの接触による損傷をより確実に防止することができる。
また、突起14は、図3に示すように、被蒸着対象物200と蒸着用マスク100とがアライメントされた状態において、被蒸着対象物200に形成された素子の有効領域22、例えば、カラー有機LEDの発光領域等、に重ならない位置に形成されることが好適である。このような位置に突起14を形成することによって、アライメントを行う際やアライメントを行った後に突起14が素子の有効領域22に直接接触することがなくなり、素子の有効領域22に損傷を発生させることが少なくなる。
さらに、突起14は、図3に示すように、被蒸着対象物200に形成された素子の有効領域22間の中央近傍に形成されることが好適である。また、突起14の幅は、被蒸着対象物に形成された素子サイズや蒸着用マスク100の開口パターンのサイズ等によって決定される。突起14の短軸方向の最大幅Bmaxは、被蒸着対象物200に形成された素子の有効領域22の間隔よりも十分に狭いことが好適である。このような配置及び幅とすることによって、アライメントを行う際に被蒸着対象物200と蒸着用マスク100との相対位置をずらしたり、アライメントを行った後に被蒸着対象物200と蒸着用マスク100との相対位置がずれてしまったりした場合に、突起14が素子の有効領域22に直接接触することを防ぐことができる。従って、素子の有効領域22に損傷が発生することを防ぐことができる。
さらに、突起14の短軸方向の最小幅Bminは、隣り合う有効領域22の間隔の1/5以上とすることが好適である。例えば、図4に示したカラー有機LEDでは隣り合うR(赤)、G(緑)、B(青)の発光領域の間隔が20μm〜200μm程度であるので、突起14の最小幅Bminを4μm〜40μm程度とすることが好適である。これによって、被蒸着対象物の蒸着対象面20上において蒸着用マスク100の対向面12をより確実に支持し、蒸着対象面20と対向面12とを所定の間隔を保って保持することができる。
また、突起14の高さHは、1μm〜10μmとすることが好適である。高さHを1μmより低くすると被蒸着対象物200と蒸着用マスク100との接触による有効領域22の損傷を防ぐことができなくなり、高さHを10μmより高くすると被蒸着対象物200と蒸着用マスク100との間隙が広くなり蒸着パターンが崩れる等の問題を生ずる。
また、図2に示すように、突起14の端部はある曲率をもって丸められていることが好適である。このとき、高さHと突起幅Bの関係はB/H≧2とし、この時の曲率RはHと同程度とすることが好適である。これによって、突起14が被蒸着対象物200の蒸着対象面20に接触した際に蒸着対象面20を傷付けることが少なくなる。
また、蒸着用マスク100の開口部10は、図3に示すように、蒸着時に蒸着物質が飛散する広がりを考慮して蒸着対象となる素子の有効領域22よりも若干小さく形成される。従って、突起14は、蒸着源から有効領域22とを結ぶラインを遮断しないように、開口部10から僅かに離れた位置に設けられることが好適である。
以上のように、本実施の形態の蒸着用マスクによれば、蒸着用マスクと被蒸着対象物の接触による損傷の発生を低減することができる。
本発明の実施の形態における蒸着用マスクの平面図である。 本発明の実施の形態における蒸着用マスクの断面図である。 本発明の実施の形態における蒸着用マスクの使用時の態様を示す図である。 カラーLEDの構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態における蒸着用マスクの変形例の平面図である。 本発明の実施の形態における蒸着用マスクの変形例の平面図である。 本発明の実施の形態における蒸着用マスクの変形例の平面図である。
符号の説明
10 開口部、12 対向面、14 突起、20 蒸着対象面、100 蒸着用マスク、200 被蒸着対象物。

Claims (7)

  1. 被蒸着対象物への蒸着パターンに対応する開口部が形成された薄板状の蒸着用マスクであって、
    被蒸着対象物の蒸着対象面と向かい合う対向面に突起が形成されていることを特徴とする蒸着用マスク。
  2. 請求項1に記載の蒸着用マスクにおいて、
    前記突起は、蒸着用マスクが被蒸着対象物とアライメントされた場合に、被蒸着対象物の表面に形成された素子の有効領域外に対応する位置に形成されていることを特徴とする蒸着用マスク。
  3. 請求項1又は2に記載の蒸着用マスクにおいて、
    前記突起は、前記対向面に沿って延伸されたビーム形状であることを特徴とする蒸着用マスク。
  4. 請求項3に記載の蒸着用マスクにおいて、
    前記突起の平面形状は、円形状又は楕円形状又は小判形状であることを特徴とする蒸着用マスク。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の蒸着用マスクにおいて、
    前記突起は、その高さが1μm以上10μm以下であることを特徴とする蒸着用マスク。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の蒸着用マスクにおいて、
    前記突起は、その最小幅が隣り合う前記有効領域の間隔の1/5以上であることを特徴とする蒸着用マスク。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の蒸着用マスクにおいて、
    前記突起は、その最小幅が4μm以上40μm以下であることを特徴とする蒸着用マスク。

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