JP2006050213A - チップアンテナ - Google Patents

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Koichi Nakamura
浩一 中村
Hiromi Sakida
広実 崎田
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Abstract

【課題】本発明は、アンテナの入力インピーダンスと高周波回路部の特性インピーダンスを一致させるための整合回路を必要としない、小型のチップアンテナを供給することを目的とする。
【解決手段】本発明は、基体2と、基体2に設けられた一対の端子部3、4と、基体2の一部に設けられたアンテナ部6と、基体2の一部に設けられたインピーダンス整合部7を有し、インピーダンス整合部7が、アンテナ部6と電気的に接続された導体により形成されており、アンテナ部6が、一対の端子部3、4の一方と接続され、インピーダンス整合部7が、一対の端子部3、4の他方と接続された構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体通信やパーソナルコンピュータなどの無線通信を行う電子機器等に好適に用いられるチップアンテナに関するものである。
近年、携帯端末において、通話を行うためのホイップアンテナや内蔵アンテナを設け、各アンテナに加えて他の電子機器との間でデータの無線通信を行うためにアンテナを搭載するものが増えてきている。
また、ノートブックパソコンなどの携帯型モバイル電子機器においても、無線LANなどを用いてデータ通信を無線で行うものが増えてきており、その電子機器内にアンテナを搭載するものも増えてきている。
更に、近年の携帯電話やノートブックパソコンなどは、小型化、低消費電力化が必須要件となっており、アンテナ装置の小型化が望まれる。
ここで、アンテナの小型化を実現するためにインピーダンス整合回路をなくし、アンテナチップと高周波回路との間に導体パターンを形成し、導体パターンの長さを調整することによりインピーダンス調整をおこなうアンテナが検討されている(例えば特許文献1参照)。図21は従来の技術におけるアンテナの斜視図であり、チップアンテナ101の給電部104側に導体パターン102が形成されており、この導体パターン102は高周波回路部105に接続されている。
101はチップアンテナであり、102は導体パターン、103は開放部、104は給電部、105は高周波回路部である。チップアンテナ101は基板パターンなどで形成される。チップアンテナ101の先端部は開放端103となっており、後方部は給電部104になっている。チップアンテナ101の給電部104と導体パターン102が接続されており、さらに導体パターン102は高周波回路部105に接続されている構成となっている。給電部104からは信号電流が供給され、供給された信号はチップアンテナ101の有する共振周波数にしたがって放射される。受信も同様である。このとき導体パターン102の長さを調整することによりチップアンテナ101の入力インピーダンスと高周波回路部105の特性インピーダンスを一致させている。
特開平11−27025号公報
しかしながら、上記の従来のアンテナでは、チップアンテナと導体パターンを別々に形成することからアンテナモジュールの占める面積が大きくなり、機器の小型化が困難となる問題があった。
また、チップアンテナの導体の長さを調整することにより、チップアンテナの入力インピーダンスと高周波回路部の特性インピーダンスを調整することから、実装基板にチップアンテナを搭載する際、導体パターンの長さを変えることから、アンテナの位置を調整する必要があるといった問題があった。
更に、携帯型モバイル電子機器に上記従来のアンテナを実装する際、実装基板に導体パターンを形成する必要があることから、作業工程数及び作業工程時間が増え、製造コスト
が上昇するといった問題があった。
本発明は、アンテナモジュールの小型化を実現しつつ、チップアンテナの入力インピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスを調整する導体パターン及び整合回路を必要とせず、実装基板への実装時の調整やアンテナモジュールの大型化の負担を低減することで、その使用を容易とするチップアンテナを供給することを目的とする。
本発明は、基体と、基体に設けられた一対の端子部と、基体の一部に設けられたアンテナ部と、基体の一部に設けられたインピーダンス整合部を有し、インピーダンス整合部が、アンテナ部と電気的に接続された導体により形成されており、アンテナ部が、一対の端子部の一方と接続され、インピーダンス整合部が、一対の端子部の他方と接続された構成とする。
本発明の構成により、チップアンテナを構成する素子基体そのものに、インピーダンス整合部を設けることで、チップアンテナを実装するユーザーにおいて、チップアンテナの入力インピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスを一致させるための導体パターン及び整合回路が不要となり、非常に小型のチップアンテナを実現することができ、他の実装部品の実装領域の確保に負担をかけることが無くなり、またチップアンテナの位置を調整する必要がなく、バランスの良い高密度実装が可能となる。また、当然ながらアンテナを実装するユーザーにおける手間などの負担が減少される。
特に、素子基体上のインピーダンス整合部の周囲に、インピーダンス整合部と電気的に非導通である調整用導体が形成されていて、この調整用導体を電気的に結合したりすることでインピーダンス調整をおこなうことができる。また、インピーダンス整合部が、アンテナ部と接続される第一導体と、一対の端子部の一方と接続される第二導体から形成され、第一導体と第二導体が所定の間隔をもって対向していることで結合容量が生じ、この結合容量によりインピーダンス調整をおこなうことができることから、チップアンテナを実装するユーザーにとって非常に使い勝手の良いチップアンテナを提供することができるようになる。
本発明の請求項1に記載の発明は、基体と、基体に設けられた一対の端子部と、基体の一部に設けられたアンテナ部と、基体の一部に設けられたインピーダンス整合部を有し、インピーダンス整合部が、アンテナ部と電気的に接続された導体により形成されており、アンテナ部が、一対の端子部の一方と接続され、インピーダンス整合部が、一対の端子部の他方と接続されていることを特徴とするチップアンテナであって、インピーダンス整合部のインピーダンスにより、アンテナ部の入力インピーダンスと高周波回路における特性インピーダンスを一致させることができ、チップアンテナの使用者は、あらかじめ素子体であるチップアンテナのみで、インピーダンス調整が可能となり、インピーダンス調整のための導体パターン及び整合回路を実装基板に形成する必要がないことから、実装基板におけるアンテナの占める面積を小さくすることができ、小型のアンテナを提供することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、インピーダンス整合部が接続される端子部が、信号電流の給電される給電端子であることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナであって、受信の場合、アンテナ部で生じる入力インピーダンスが、インピーダンス整合部によりインピーダンスの調整がおこなわれて給電端子を通じて高周波回路へと送られる。送信の場合は、高周波回路における信号の特性インピーダンスが給電端子を通じてインピー
ダンス整合部へ送られ、インピーダンス整合部によりインピーダンス調整がおこなわれてアンテナ部の入力インピーダンスと一致させて信号の送信がおこなわれる。
本発明の請求項3に記載の発明は、アンテナ部が、基体上、もしくは基体内部に設けられた導体から形成されたことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のチップアンテナであって、アンテナ部の発生するインダクター成分とアンテナ部以外で生じる容量成分により決定される共振周波数においてアンテナとして動作する。
本発明の請求項4に記載の発明は、アンテナ部が、基体上に設けられた導電膜をスパイラル状にトリミングして形成されたヘリカルアンテナであり、インピーダンス整合部が、導電膜をトリミングして形成された導体部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のチップアンテナであって、高精度のヘリカルアンテナを形成することが可能である。
本発明の請求項5に記載の発明は、アンテナ部が、基体上に巻き回された導電線により形成されたヘリカルアンテナであり、インピーダンス整合部が、巻き回された導電線の一方が引き出されて形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易かつ低コストにヘリカルアンテナを形成することが可能である。
本発明の請求項6に記載の発明は、アンテナ部が、基体に形成された逆F型アンテナであって、インピーダンス整合部が、逆F型アンテナを形成する導体の根元部に接続された導体部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のチップアンテナであって、基体上に容易かつ低コストにアンテナ部を形成することが可能である。
本発明の請求項7に記載の発明は、アンテナ部が、基体に形成されたメアンダアンテナであって、インピーダンス整合部が、メアンダアンテナに接続された導体部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のチップアンテナであって、ミアンダピッチおよびターン数によって共振周波数が決まる高精度のアンテナ部を形成することが可能となる。
本発明の請求項8に記載の発明は、アンテナ部が、基体に形成されたループ導体によるループアンテナであって、インピーダンス整合部が、ループアンテナに接続された導体部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のチップアンテナであって、ターン数によって共振周波数が決まる高精度のアンテナ部を形成することが可能となる。
本発明の請求項9に記載の発明は、インピーダンス整合部が、アンテナ部と一体で形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載のチップアンテナであって、アンテナ部とインピーダンス整合部が一体で形成されることから製造工程が少なくてすみ、低コストのアンテナを提供することができる。
本発明の請求項10に記載の発明は、インピーダンス整合部が、アンテナ部と、給電端子との間のインピーダンス値を所定の値に設定するものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1に記載のチップアンテナであって、インピーダンス整合部によりアンテナ部の入力インピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスを一致させて、送受信信号の反射をなくしたチップアンテナを提供できる。
本発明の請求項11に記載の発明は、インピーダンス整合部の周囲に、インピーダンス整合部と電気的に非導通である少なくとも1以上の調整用導体が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載のチップアンテナであって、インピーダンス
整合部とインピーダンス整合部の周囲にある少なくとも1以上の調整用導体とを電気的に接続することによって、インピーダンス整合部のインピーダンスを変化させて、インピーダンス調整をおこなうことができる。
本発明の請求項12に記載の発明は、インピーダンス整合部と調整用導体の少なくとも一部が電気的に接続されることで、インピーダンス整合部のインピーダンス値を事後調整可能であることを特徴とする請求項11に記載のチップアンテナであって、インピーダンス整合部と調整用導体の少なくとも一部とを電気的に接続することによって、インピーダンス整合部のインピーダンスを変化させて、インピーダンス調整をおこなうことができる。
本発明の請求項13に記載の発明は、インピーダンス整合部の周囲に、インピーダンス整合部と電気的に接続されている少なくとも1以上の調整用導体が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載のチップアンテナであって、インピーダンス整合部と電気的に接続されている少なくとも1以上の調整用導体とを電気的に切断することによって、インピーダンス整合部のインピーダンスを変化させて、インピーダンス調整をおこなうことができる。
本発明の請求項14に記載の発明は、インピーダンス整合部と電気的に接続されている調整用導体の少なくとも一部が切断されることで、インピーダンス整合部のインピーダンス値を事後調整可能であることを特徴とする請求項13に記載のチップアンテナであって、インピーダンス整合部と電気的に接続されている調整用導体の少なくとも一部が切断されることによって、インピーダンス整合部のインピーダンスを変化させて、インピーダンス調整をおこなうことができる。
本発明の請求項15に記載の発明は、インピーダンス整合部が、アンテナ部と接続される第一導体と、一対の端子部の一方と接続される第二導体から形成され、第一導体と第二導体とが所定の間隔をもって対向していることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1に記載のチップアンテナであって、第一導体と第二導体の所定の間隔により生じる結合容量によりインピーダンス調整をおこなうことができる。
本発明の請求項16に記載の発明は、対向する第一導体と第二導体が結合容量を生じることを特徴とする請求項15に記載のチップアンテナであって、第一導体と第二導体の所定の間隔により生じる結合容量によりインピーダンス調整をおこなうことができる。
本発明の請求項17に記載の発明は、結合容量により、インピーダンス整合部での整合が実現されることを特徴とする請求項16に記載のチップアンテナであって、第一導体と第二導体とが所定の間隔をもって対向していることで結合容量が生じ、この結合容量によりインピーダンス調整をおこなうことができる。
本発明の請求項18に記載の発明は、インピーダンス整合部が、それぞれ所定の間隔をもって対向する複数の導体部から形成され、インピーダンス整合部が複数の結合容量から形成されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1に記載のチップアンテナであって、複数の導体部から生じる複数の結合容量によりインピーダンス調整をおこなうことができる。
本発明の請求項19に記載の発明は、対向する複数の導体部同士が有する対向距離が、各々の対向箇所において相違することを特徴とする請求項18に記載のチップアンテナであって、複数の導体部同士が有する対向距離が、各々の対向箇所において相違することによって各々の結合容量を生じさせ、これら各々の結合容量によりインピーダンス調整をお
こなうことができる。
本発明の請求項20に記載の発明は、複数の導体部により形成される複数の対向部の少なくとも一部を電気的に接続することで、インピーダンス整合部における容量値を変化させることを特徴とする請求項18乃至19のいずれかに記載のチップアンテナであって、複数の導体部により形成される複数の対向部の少なくとも一部を電気的に接続することで、インピーダンス整合部における容量値を変化させることによりインピーダンス調整をおこなうことができる。
本発明の請求項21に記載の発明は、アンテナ部、もしくはインピーダンス整合部が、基体に複数形成されることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1に記載のチップアンテナであって、一つの素子体からなるチップアンテナより、複数の周波数に対応する多共振のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項22に記載の発明は、請求項1〜21いずれか1記載のチップアンテナと、チップアンテナを実装する実装体と、実装体に設けられ、チップアンテナの一対の端子部の一方に信号電流を給電する給電部と、一対の端子部の他方に接続される開放端部を有することを特徴とするアンテナモジュールであって、実装基板などに余分なインピーダンス整合回路を形成することなく、アンテナモジュールの小型化が実現され、チップアンテナの使用者による余分な事後調整や負担を解消して、あらかじめチップアンテナのみで、インピーダンス調整が可能となる。
本発明の請求項23に記載の発明は、アンテナモジュールと、アンテナモジュールと接続され送信信号を変調する変調部と、アンテナモジュールと接続され受信信号を復調する復調部と、動作を制御する制御部と、電源を供給する電源部と、これらを格納する筐体を有することを特徴とする電子機器であって、導体パターンおよびインピーダンス整合回路を必要としない小型の電子機器を実現できる。
以下、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
まず、チップアンテナの形状、構造について説明し、更に、その動作について説明する。
図1は本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図、図2〜図14は本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図、図15は本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの側面図、図16(a)、図16(b)は本発明の実施の形態1におけるアンテナ部の等価回路図、図17は本発明の実施の形態1におけるインピーダンス整合部の等価回路図である。
1はチップアンテナ、2は基体、3、4は端子部であり、6はアンテナ部、7はインピーダンス整合部、25は保護膜である。
まず、図1を用いてチップアンテナを構成する各部の詳細について説明する。
まず、基体2について説明する。
基体2はチップアンテナの素子を構成する形態を有するものであり、アルミナもしくはアルミナを主成分とするセラミック材料等の絶縁体もしくは誘電体などをプレス加工,押し出し法等を施して形成される。なお、基体2の構成材料としては、フォルステライト、
チタン酸マグネシウム系、チタン酸カルシウム系、ジルコニア・スズ・チタン系、チタン酸バリウム系、鉛・カルシウム・チタン系などのセラミック材料を用いてもよく、エポキシ樹脂などの樹脂材料を用いても良い。実施の形態1では、強度や絶縁性或いは加工の容易性の面からアルミナもしくはアルミナを主成分としたセラミック材料が用いられている。更に基体には全体に銅,銀,金,ニッケル等の導電材料で構成された導電膜が単層乃至複数積層され、導電性を有する表面が形成される。導電膜はめっき、蒸着、スパッタ、ペーストなどが用いられる。
また、基体2は角柱であってもよく、円柱であってもよく、三角柱、多角形柱のいずれであってもよく、その角部に面取りが施されていることで、素子の欠けやアンテナ部6を形成するときに、損傷を発生させることを防止することができるメリットがある。ここで、基体2が円柱状の場合には、角部が存在しなくなるので耐衝撃性が高まり、アンテナ部6の形成が容易となるメリットがある。
次に、端子部3、4について説明する。
端子部3、4は、基体2に一対に設けられ、図1などでは基体2の両端にそれぞれ設けられているが、両端ではなく、基体2の途中部分にそれぞれ設けられてもよいものである。また、端子部3、4は基体2と同じ材料や製造工法で形成されてもよく、材料を別途のものを採用してもよいものである。また、導電性のメッキ膜,蒸着膜,スパッタ膜等の薄膜や、銀ペーストなどを塗布して焼き付けなどを行ったものなどの少なくとも一つが用いられて、導電膜が施されて、実装基盤に形成された給電部22、開放部23などとの実装が実現され、電気接続も実現される。
なお、端子部3,4と基体2は一体で形成されてもよく、別体で形成されてもよい。
また、基体2は図1などに表されるように、その外周が端子部3,4よりも段落ちされていてもよいが、段落ちのないストレート構造であっても良いものである。
ここで、基体2の外周が段落ちされることで、実装時に基体がアンテナ実装基板の表面からの距離を持つことが可能となり、特性の劣化を防ぐことが可能になる。このとき段落ちを基体2の一部の面に対してのみおこなってもよく、全面に渡って段落ちさせてもよい。全面に渡って段落ちさせた場合には、実装時に電子基板との接する面を選択する留意が不要となり、実装時のコストを低下させることができる。
なお、チップアンテナ1はλ/4型アンテナであってもよく、λ/2型アンテナであってもよいが、小型化をより促進するためにλ/4型アンテナが用いられることが多く、この場合にはチップアンテナ1の近辺に存在するグランド面に生じるイメージ電流を利用して、送受信利得が確保される。このイメージ電流の利用を促すために、チップアンテナ1の長手方向に垂直な端面を有するグランド面が存在することが好ましい。
次に、給電部22、開放部23、給電源24について説明する。
給電部22、開放部23は、それぞれ、チップアンテナ1を実装する基板に設けられた実装ランドなどにより形成され、給電部22は給電源24に接続されて、信号電流が供給され、あるいはチップアンテナ1で受信された受信信号が受信されて伝達される。開放部23は中空となっており、この開放部23の存在により、インダクタ成分と容量成分から定まる共振周波数に従って、チップアンテナ1から電磁波が放射されるものである。これらは、半田ランド、金属膜、金属めっき、金属ペーストなどから形成される。
給電源24は、信号電流を給電する。あるいは、受信電流の受信を行う。RF回路などにより形成されており、例えば、RF回路とチップアンテナ1を接続する同軸ケーブルや、銅線、電極パターンなどがある。
次に、アンテナ部6について説明する。
アンテナ部6は基体2上に形成されたスパイラル部26により形成される。このスパイラル部26によりヘリカル巻線となって、インダクタ成分を発生させる。
なお、アンテナ部6とは、スパイラル部26が基体2上に形成されている領域で、スパイラル部26の開始から終了までをほぼ含む範囲をさす領域である。
アンテナ部6はそのスパイラル構造により、インダクタ成分を発生させるが、容量成分や抵抗成分なども発生させるものである。
また、アンテナ部6は、基体2の表面に形成された導電膜5をレーザーなどでトリミングしてスパイラル溝が形成されて実現されてもよく、あるいは銅線やアルミ線などの導電線を基体2に巻きつけることで実現されても良い。
なお、アンテナ部6はそのスパイラル部26によりインダクタ成分が発生するものであるから、そのスパイラル部26の巻き数に依存してインダクタ成分の大きさが決定されるものである。巻き数が多ければインダクタ成分が大きくなり、巻き数が少なければインダクタ成分が小さくなる。後で説明する共振条件は、インダクタ成分の平方根に反比例して大きさが決まるので、より高周波を実現する場合には、巻き数を少なくし、低周波を実現する場合には、巻き数を多くすれば良い。これはスパイラル部26がその巻き形状により電気長が決まることを考慮しても明らかである。
また、アンテナ部6は、基体2の表面に銀、金、銅、アルミ、ニッケルなどの金属、あるいはこれらの合金等からなるメアンダ状9の放射電極が形成されて実現されてもよく、メアンダ状9のピッチおよびターン数により共振周波数が定まる。ミアンダピッチが狭い場合は、高周波帯域のアンテナとなり、ミアンダピッチが広い場合は、低周波帯域のアンテナとなる。なお、アンテナ部6は図4に示されているようなメアンダ状9に限らず、図5に示されている逆F型10あるいは図6に示されているループ型11により形成されて実現されてもよい。
また、図14に示されるように、アンテナ部6は基体2上に複数存在してもよいものであり、図14に示されるように、アンテナ部6とアンテナ部18の2つが形成されてもよい。あるいは3以上のアンテナ部6が形成されてもよいものである。これにより一つの素子のチップアンテナ1により、複数の共振周波数をもつ、多共振アンテナが実現されるメリットがある。
次に、インピーダンス整合部7について説明する。
インピーダンス整合部7は、基体2上に設けられたアンテナ部6の存在しない部分にあり、基体2の端子部3側に設けられているものである。また、インピーダンス整合部7は、基体2と同じ材料や製造方法で形成されてもよく、材料を別途採用してもよいものである。また、導電性のメッキ膜、蒸着膜、スパッタ膜等の薄膜や、銀ペーストなどを塗布して焼き付けなどを行ったものなどの少なくとも一つがもちいられて、導電膜が施されて、基体2に形成された端子部4、アンテナ部6、端子部3などと電気的に接続されている。
インピーダンス整合部7は、アンテナ信号送信の場合、高周波回路部からの信号エネルギーの反射をなくしてアンテナに伝えるのに必要であり、逆にアンテナ信号の受信の場合、アンテナからの信号エネルギーを損失なく高周波回路に伝えるのに必要である。
また、アンテナの入力インピーダンスと高周波回路における特性インピーダンスが等しくない場合、入射波の一部または全部が反射してしまうことから、インピーダンス整合部7によりアンテナの入力インピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスを一致させて、信号エネルギーを100%伝えるようにするものである。
インピーダンス整合部7は、図2に示されているように基体2上に形成されたアンテナ部6と端子部3をつなぐインピーダンス整合部7の導電膜5の長さを調整することによってインピーダンス調整をおこなう。インピーダンス整合部7の導電膜5の長さを変えることにより、インピーダンス整合部7のインピーダンス値が変化し、アンテナの入力インピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスが一致するように調整する。このことにより信号エネルギーを反射させることなく伝達することができる。
また、アンテナ部6と端子部3をつなぐインピーダンス整合部7の導電膜5にトリミングをおこなうことによって、インピーダンス調整をおこなうものである。インピーダンス整合部7における導電膜5の余分な部分をレーザーなどで削り取るトリミングにより、残った部分(即ち導電膜が残っている部分)をインピーダンス整合部7とすることができる。このようなインピーダンス整合部7のトリミングにより、非常に精度の高いインピーダンス整合部7を形成できるメリットがある。即ち、その長さや幅、あるいは面積などを精度よく形成することができるため、所望のインピーダンスを得ることが容易となる。特に、レーザーによるトリミングにより、形状や長さをμ単位で微調整することが可能となり、精度の高いインピーダンス整合部7を得ることができるようになる。
また、図7に示されているように、アンテナ部6と端子部3をつなぐインピーダンス整合部7の周辺に、インピーダンス整合部7とは電気的に非導通である調整用導体12が形成されており、インピーダンス整合に必要な箇所だけ電気的に接続することによってインピーダンス調整をおこなうものである。インピーダンス整合部7の導電膜5に調整用導体12を電気的に接続することで、インピーダンス整合部7のインピーダンスを変化させ、アンテナの入力インピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスが一致するようにインピーダンスを調整するものである。インピーダンス整合部7の導電膜5にインピーダンス整合部7とは電気的に非導通である調整用導体12を必要な箇所だけ接続する際には、銅・銀・金、ニッケル等の導電材料で構成された導電膜5を、インピーダンス整合部7の導電膜5と調整用導体12との間に形成することで接続をおこなう。また、銅・銀・金、ニッケル等の導電性ペーストにより接続をおこなってもよいものである。
さらに、図9に示されているように、アンテナ部6と端子部3をつなぐインピーダンス整合部7に、インピーダンス整合部7と電気的に接続している調整用導体12が形成されており、インピーダンス整合に必要な箇所だけ電気的に切断することによってインピーダンス調整をおこなうものである。インピーダンス整合部7の導電膜5に電気的に接続されている調整用導体12を切断することで、インピーダンス整合部7のインピーダンスが変化し、アンテナの入力インピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスが一致するようにインピーダンスを調整するものである。
また、図10に示されているようにインピーダンス整合部7が、アンテナ部6と接続される第一導体15と、一対の端子部の一方と接続される第二導体16から形成され、第一導体15と第二導体16とが所定の間隔をもって対向していることで、第一導体15と第二導体16との間に結合容量が生じる。このことから第一導体15と第二導体16との間
隔を調整することでインピーダンスを調整するものである。
また、インピーダンス整合部7が、対向する複数の導体部17から形成される場合、インピーダンス整合部7において複数の結合容量が生じる。このことから、インピーダンス整合部7に形成される複数の導体の数および対向距離を調整することによりインピーダンスを調整するものである。
更には、インピーダンス整合部7における複数の導体部17により形成される複数の対向部の少なくとも一部を電気的に接続することで、インピーダンス整合部7における容量値を変化させることで、インピーダンス整合部7のインピーダンスが変化し、アンテナの入力インピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスが一致するようにインピーダンスを調整するものである。インピーダンス整合部7の導電膜5を必要な箇所だけ電気的に接続する際には、銅・銀・金、ニッケル等の導電材料で構成された導電膜5を複数の導体部17により形成される複数の対向部の少なくとも一部に形成することで接続をおこなう。また、銅・銀・金、ニッケル等の導電性ペーストにより電気的に接続をおこなってもよいものである。
また、図14に示されるように、インピーダンス整合部7は基体2上に複数存在してもよいものであり、アンテナ部6とアンテナ部18の間にインピーダンス整合部7が形成され、アンテナ部18と端子部3との間にインピーダンス整合部19を形成したものであってもよい。あるいは3以上のインピーダンス整合部7が形成されてもよいものである。これにより一つの素子のチップアンテナ1により、複数の共振周波数をもつ多共振アンテナを形成でき、さらには多共振のアンテナのインピーダンス調整が可能となるメリットがある。
このようなインピーダンス整合部7は、従来の技術では実装基板におけるチップインダクタ101の給電部104と高周波回路105との間に導電パターン102として形成されていたものが、チップアンテナ1の基体2に取り込まれたものであり、余分な実装面積を不要とするものである。また、基体2にインピーダンス整合部7を形成することから基板2上に形成されていたインピーダンス整合回路に比べ、基体の比誘電率は基板の比誘電率よりも大きいことから、波長短縮効果によりインピーダンス整合回路の小型化が可能になるものである。
更にあらかじめ基体2上にインピーダンス調整を行うインピーダンス整合部7が形成されていることで、チップアンテナ単体で、インピーダンス調整が可能となるので、チップアンテナユーザーにとって、事後調整の手間を低減でき、非常にユーザーフレンドリーな部品として供給することができる。
また、本発明のチップアンテナ1は面実装が可能で、携帯端末からノートブックパソコンなど様々な電子機器に応用が可能で、しかも自動実装ができるため、非常にコスト、効率の面で効果的である。
更に、基体2により形成されるため、その耐久性は高く、衝撃などにも強い。また、インピーダンスを生じさせるインピーダンス整合部7は、基体2の表面に導電膜5を施した状態のまま形成されるため、非常に簡単に形成でき、従来の技術の図21で示したように、わざわざ導電パターン102を形成する必要もなく、非常に簡易である。
次に、保護膜25について説明する。保護膜25は図15に示されている。
保護膜25が設けられることで、基体2の導電膜5への損傷やスパイラル部26などの
損傷を防止することが可能となる。特に運搬時や実装時の衝撃や熱から守ることが可能となる。保護膜25は基体2の表面に塗布される。あるいは電着膜などにより実現される。ありはチューブ状の保護膜25により、あらかじめチューブ状をした熱可塑性の保護材料を基体2の周囲を覆って置き、熱収縮作用を利用して、保護膜25を実現することも良い。
保護膜25にはエポキシ樹脂などの樹脂材料が好適に用いられ、基体2の全面を覆ってもよく、あるいは少なくともアンテナ部6のみを覆ってもよい。なお、塗布などにより保護膜25が形成されると、アンテナ部6のスパイラル部26内部に保護膜25が入り込み、保護膜25が高誘電率の材料であるとアンテナの共振周波数を変動させる恐れがある。このため保護膜25に用いる材料には、低誘電率のものが好ましい。ただし、ある程度保護膜25の誘電率を考慮に入れた上で、アンテナ部6やインピーダンス整合部7の形状、大きさを設計しておくことで、所望の周波数などのアンテナ特性を得ることができる。
なお、チューブ状の保護膜25がアンテナ部6を覆って設けられ、スパイラル部26に保護膜25が流れ込まなくなる。これによりチューブ状の保護膜25を設けることによるアンテナ特性の変動が生じることはないメリットがある。ここで、チューブ状の保護膜25としては樹脂製でしかも熱収縮性のあるものを選ぶことが好ましい。これは、基体2にチューブ状の保護膜25を被せ、熱処理することでチューブが収縮し、確実にチューブ状の保護膜25を基体2上に形成することができるからである。
また、好ましくは、保護膜25は基体2の段落ちした部分に収納されるように形成されることで、端子部3、4の側面の高さと保護膜25の側面の高さが等しいかそれ以下となるように構成することが好ましい。これにより、電子基板への実装時の作業の容易性が確保されるからである。
次に、図16(a)、図16(b)を用いて、チップアンテナ1の動作について説明する。
図16(a)には、図1で示されるチップアンテナ1の等価回路が示されており、Lαはアンテナ部6から生じるインダクタ成分である。
図16(b)には、図14で示される二つのアンテナ部6が存在するチップアンテナ1の等価回路が示されており、Lαはアンテナ部6から生じるインダクタ成分である。
インダクタ成分と容量成分が直列接続されている場合には、その共振周波数は(数1)により決定される。
Figure 2006050213
即ち、インダクタ成分と容量成分の積の平方根により定まることになる。
これから、LαとCαとから定まる共振条件に対応した共振周波数での送受信動作が、図1などのチップアンテナ1で実現される。
これに対して、図14のチップアンテナ1では、上記LαとCαとから定まる共振周波
数と、Lα、Lβ、Cα、Cβの全てから定まる共振周波数での送受信動作の2共振が実現される。
例えば、DCSで規格されている携帯電話の使用周波数約1.8GHzやGSM1900の規格に対応する約1.9GHzの双方に対応するなどである。
なお、アンテナ部6が3以上であれば、3以上の共振周波数を実現することが可能である。
次に、インピーダンス整合について説明する。
図17には、図1で示されるインピーダンス整合部7の等価回路が示されており、単位長さ当たり抵抗値とインダクタンス値が直列に並び、コンデンサとコンダクタンスが並列に並んだ回路となっている。このことからインピーダンス整合部7は、抵抗・インダクター・コンデンサが一様に分布している構造となっており、インピーダンス整合部7の導体膜5の長さを調整したり、導体部17を接続、切断をおこなったりすることで、アンテナの入力インピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスを一致させるインピーダンスの調整を行うことが可能となるものである。
このことにより、アンテナの信号エネルギーは、反射されて信号エネルギーが減損することなく高周波回路に伝達される。
(実施の形態2)
実施の形態2においては、2以上、すなわち複数のチップアンテナを組み合わせた場合について説明する。例えば、携帯電話での800MHz、900MHz、1.8GHz、1.9GHzのそれぞれ、あるいは一部に対応するために、あるいは、無線LANなどでの2.4GHzと5GHzの両方に対応するためなどに、一つの電子機器で多共振を実現する必要がある。
実施の形態2においてはこのような場合に、複数の素子からなるチップアンテナ、あるいはアンテナモジュールについて説明するものである。
図18、図19は本発明の実施の形態2におけるチップアンテナの構成図である。
20、21はチップアンテナ、2A、2B、2Cは基体、3A、3B、3Cは端子部、4A、4B、4Cは端子部、22A、22B、22Cは給電部、23A、23B、23Cは開放部、24は給電源、6A、6B、6Cはアンテナ部、7A、7B、7Cはインピーダンス整合部であり、図18には共通の給電源に二つの素子が接続されたチップアンテナ20が、図19には共通の給電源24に3つの素子が接続されたチップアンテナ21が表されている。
なお、図18、19ではそれぞれ素子が2、3の場合が表されているが、4以上であってもよく、並列に接続されてもよく、直列に接続されてもよく、二次元平面に配置されてもよく、三次元空間に配置されてもよく、スター型に配置されてもよく、種々の形態が考慮される。
また、共通となる給電源24に接続される形態が表されているが、これ以外であっても、異なる給電源24にそれぞれが接続されたものであってもよいものである。
各部の詳細は、実施の形態1において説明した内容と同様である。
ここで、アンテナ部6A、6B、6Cのそれぞれは基体2A、基体2B、基体2Cのそれぞれにおいて、給電部22A、22B、22Cのそれぞれに接続される端子部3A、3B、3Cに配置される。同様にインピーダンス整合部7A,7B、7Cはその後方であり、開放部23A、23B、23Cに接続される端子部4A、4B、4Cのそれぞれに配置される。アンテナ部6とインピーダンス整合部7は一つの導電膜5により、電気的に導通していてもよく、物理的には導通していないが、容量結合していてもよいものである。また、アンテナ部6A、6B、6Cは、実施の形態1において説明したとおり、導電膜5をレーザーや砥石などでトリミングして形成されてもよく、銅線などの導電線を巻きつけて形成されたものであってもよい。さらには、基体2の表面に銅あるいは銅合金等からなるメアンダ状9の放射電極にて形成されていてもよく、逆F型10、ループ型11により形成されていてもよい。
アンテナ部6A、6B、6Cは、アンテナ部が存在する領域であり、これ以外の基体2A、2B、2C上の領域がインピーダンス整合部7A、7B、7Cである。
すなわち、給電源24を基準として考えると、給電部22A、22B、22Cに接続される端子部3A、3B、3C、ついで、インピーダンス整合部7A、7B、7C、ついでアンテナ部6A、6B、6C、ついで開放部23A、23B、23Cに接続される端子部4A,4B,4Cの順で配置される形態である。
もちろん、このとき、アンテナ部やインピーダンス整合部が複数あってもよく、上記のような不可避、あるいは特段大きな影響を及ぼさない傷や溝などが存在してもよいものである。
また、言い換えると、インピーダンス整合部7A、7B、7Cは、アンテナ部6A、6B、6Cを介して開放部23A、23B、23Cに接続される端子部4A,4B,4Cと電気的に接続される。逆にアンテナ部6A、6B、6Cは、インピーダンス整合部7A、7B、7Cを介して、給電部22A、22B、22Cに接続される端子部3A、3B、3Cと電気的に接続されるものである。
このように、図18、図19に表されるチップアンテナであっても、給電部22A、22B、22Cを基準として考えた場合には、基体2A、2B、2C上にあらかじめ形成されたインピーダンス整合部7A、7B、7Cの発生するインピーダンスにより、チップアンテナ20、21のそれぞれの素子におけるインピーダンス調整が実現されるものである。
このとき、インピーダンス整合部7A、7B、7Cによりインピーダンスが調整されることは実施の形態1で説明したとおりであるから、例えば、基体2上に形成されたアンテナ部6と端子部3をつなぐインピーダンス整合部7の導電膜5の長さを調整することによってインピーダンス調整をおこなう方法や、また、アンテナ部6と端子部3をつなぐインピーダンス整合部7の周辺に、インピーダンス整合部7とは電気的に非導通である調整用導体12が形成されており、インピーダンス整合に必要な箇所だけ電気的に接続することによってインピーダンス調整をおこなう方法がある。
さらに、アンテナ部6と端子部3をつなぐインピーダンス整合部7に、インピーダンス整合部7と電気的に接続している調整用導体12が形成されており、インピーダンス整合に必要な箇所だけ電気的に切断することによってインピーダンス調整をおこなう方法があり、また、インピーダンス整合部7が、アンテナ部6と接続される第一導体15と、一対の端子部の一方と接続される第二導体16から形成され、第一導体15と第二導体16と
が所定の間隔をもって対向していることで、第一導体15と第二導体16との間に結合容量が生じ、第一導体15と第二導体16との間隔を調整することでインピーダンスを調整する方法もある。
更には、インピーダンス整合部7が、対向する複数の導体部17から形成される場合、インピーダンス整合部7において複数の結合容量が生じ、インピーダンス整合部に形成される複数の導体の数および対向距離を調整することによりインピーダンスを調整する方法もあり、また、インピーダンス整合部7における複数の導体部17により形成される複数の対向部の少なくとも一部を電気的に接続することで、インピーダンス整合部7における容量値を変化させることで、インピーダンス整合部7のインピーダンスが変化し、アンテナの入力インピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスが一致するようにインピーダンスを調整する方法もある。
以上のように、素子を複数とした場合であっても、基体2A、2B、2Cに、インピーダンス整合部7A、7B、7Cを給電部22A、22B、22Cと接続される端子部3A、3B、3C側に、アンテナ部6A、6B、6Cを開放部23A、23B、23Cと接続される端子部4A,4B,4C側に配置する構成し、インピーダンス整合部7における導体膜5においてインピーダンス調整をおこなうことでインピーダンス調整を実現できる。
しかも、本発明のチップアンテナ20,21により、アンテナの小型化が実現されるため、電子機器のアンテナ部の小型化に対応することが可能である。また、このようなチップアンテナ20、21を使用する電子機器メーカーなどのユーザーにとっても、実装基板上にインピーダンス調整を行う導体パターンやインピーダンス整合回路などを形成したりする手間が省力化でき、電子機器の製造工程の省力化、低コスト化が実現されるものでもある。
しかも、実装基板上にインピーダンス調整を行う導体パターンやインピーダンス整合回路などが不要であることから、高密度実装が促進されて、電子機器自体の小型化、薄型化、低コスト化を実現することが可能となるものである。
(実施の形態3)
実施の形態3においては、実施の形態1もしくは実施の形態2で説明したチップアンテナ1、20、21が実装されたアンテナモジュールを、電子機器に適用した場合について説明する。
図20は本発明の実施の形態3における電子機器の構成図である。図20に示される電子機器は、ノートブックパソコンや、携帯端末、携帯電話などであり、実施の形態1や2において説明されたチップアンテナが実装されたアンテナモジュールが組み込まれたものである。
30は電子機器、31は筐体、32はアンテナモジュール、33は実装基板、34は給電源、35は変調部、36は復調部、37は制御部、38は電源である。
筺体31は例えば携帯電話の筺体であったり、ノートブックパソコンの筺体であったりする。また、図20に示されていない、表示部や、メモリ部、ハードディスクや外部用記憶媒体などが含まれてもよいものである。
変調部35は、送信に用いるアナログデータやデジタルデータを送信可能な状態に変調し、更にアンテナモジュール32に高周波信号電流を供給する。復調部36では、アンテナモジュール32で受信された信号に対して検波や復調が行われ、必要となるアナログデ
ータやデジタルデータが取り出されて、音声、画像、データなどに再生され、図示されていない表示部などに表示される。
復調データについては、必要に応じて誤り検出がなされる場合もある。例えば、巡回符号検査(以下、「CRC」という)やパリティ符号などにより誤り検出がなされる。具体的には、送信側で付されるパリティ符号と、実際に復調されたデータの偶数パリティや奇数パリティなどとの一致を検出する。あるいは、復調されたデータについて生成多項式で除算して、剰余を確認することで検出される。誤りが検出された場合には、データの再送を要求するなどの処理が行われる。
あるいは、ビタビ復号やリードソロモン復号などの誤り訂正も行われ、データの再送要求などが不要となり、受信性能が高まる結果となる。
ここで、送信において必要なパワーアンプ、受信で使うローノイズアンプ、送受信の切り替えスイッチ、ノイズ除去のフィルタや、周波数選択のためのフィルタ、検波回路、ミキサーなどもそれぞれ実装され、それぞれディスクリート素子や、その一部、もしくは全部が集積回路で実現されている。
制御部37は電子機器全体を制御するためのものであり、例えばCPUなどが含まれており、時間制御、同期制御、回路ごとの処理手順制御などが実行される。例えば、CPUで実行されるプログラムにより実行される。電源38はパック電池などが用いられ、内部回路や表示部などに電力が供給される。
ここで、変調部35、復調部36、制御部37などは、ディスクリート素子で構成されてもよく、その一部、若しくは全部が集積化されたICやLSIなどで実現され、小型化や薄型化、低消費電力化が実現されても良い。あるいは、単一、もしくは複数のCPUを用いて、処理の一部、もしくは全部をソフトウェアで処理してもよいものである。
このような電子機器の例である、携帯電話やPDAのような携帯端末、あるいはノートブックパソコンなどでは、近年、800MHz、900MHz、1.8GHz、1.9GHz、2.4GHzと5GHzなどの多共振に対応することが求められているため、複数の基体を用いたチップアンテナを使って、多共振に対応しても良く、あるいは、一つの基体の中に複数のヘリカル領域を形成して実現してもよい。
また、近年求められているアンテナの小型化に対応する必要があるが、本発明のチップアンテナにより、アンテナの小型化が実現されるため、これに対応することが可能である。また、このようなチップアンテナを使用する電子機器メーカーなどのユーザーにとっても、実装基板上にインピーダンス調整をおこなう導体パターンやインピーダンス整合回路などを形成したりする手間が省力化でき、電子機器の製造工程の省力化、低コスト化が実現されるものでもある。
しかも、実装基板上にインピーダンス調整を行う導体パターンやインピーダンス整合回路などが不要であることから、高密度実装が促進されて、電子機器自体の小型化、薄型化、低コスト化にまでその効果が及ぶものとなる。
本発明は、基体と、基体に設けられた一対の端子部と、基体の一部に設けられたアンテナ部を有し、一対の端子部は、アンテナ部を介して電気的に接続し、端子部の一方が給電部に接続され、他方が開放部に接続され、基体の一部にインピーダンス整合部を構成することにより、チップアンテナの入力インピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスを
調整する導体パターン及び整合回路を必要とせず、実装基板への実装時の調整やアンテナモジュールの大型化の負担を低減することが必要な用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの上面図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの側面図 (a)本発明の実施の形態1におけるアンテナ部の等価回路図、(b)本発明の実施の形態1におけるアンテナ部の等価回路図 本発明の実施の形態1におけるインピーダンス整合部の等価回路図 本発明の実施の形態2におけるチップアンテナの構成図 本発明の実施の形態2におけるチップアンテナの構成図 本発明の実施の形態3における電子機器の構成図 従来の技術におけるアンテナの斜視図
符号の説明
1、20、21 チップアンテナ
2、2A、2B、2C 基体
3、4、3A、3B、3C、4A、4B、4C 端子部
5 導電膜
6、6A、6B、6C、18 アンテナ部
7、7A、7B、7C、19 インピーダンス整合部
8 巻線
9 メアンダ状
10 逆F構造
11 ループ構造
12 調整用導体
13 接続部
14 切断部
15 第一導体
16 第二導体
17 導体部
22、22A、22B、22C 給電部
23、23A、23B、23C 開放部
24 給電源
25 保護膜
26 スパイラル部
30 電子機器
31 筐体
32 アンテナモジュール
33 実装基板
34 給電源
35 変調部
36 復調部
37 制御部
38 電源
100 アンテナモジュール
101 チップアンテナ
102 導体パターン
103 開放部
104 給電部
105 高周波回路部

Claims (23)

  1. 基体と、
    前記基体に設けられた一対の端子部と、
    前記基体の一部に設けられたアンテナ部と、
    前記基体の一部に設けられたインピーダンス整合部を有し、
    前記インピーダンス整合部が、前記アンテナ部と電気的に接続された導体により形成されており、
    前記アンテナ部が、前記一対の端子部の一方と接続され、
    前記インピーダンス整合部が、前記一対の端子部の他方と接続されていることを特徴とするチップアンテナ。
  2. 前記インピーダンス整合部が接続される端子部が、信号電流の給電される給電端子であることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナ。
  3. 前記アンテナ部が、前記基体上、もしくは基体内部に設けられた導体から形成されたことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のチップアンテナ。
  4. 前記アンテナ部が、前記基体上に設けられた導電膜をスパイラル状にトリミングして形成されたヘリカルアンテナであり、前記インピーダンス整合部が、前記導電膜をトリミングして形成された導体部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  5. 前記アンテナ部が、前記基体上に巻き回された導電線により形成されたヘリカルアンテナであり、前記インピーダンス整合部が、前記巻き回された導電線の一方が引き出されて形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  6. 前記アンテナ部が、前記基体に形成された逆F型アンテナであって、前記インピーダンス整合部が、前記逆F型アンテナを形成する導体の根元部に接続された導体部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  7. 前記アンテナ部が、前記基体に形成されたメアンダアンテナであって、前記インピーダンス整合部が、前記メアンダアンテナに接続された導体部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  8. 前記アンテナ部が、前記基体に形成されたループ導体によるループアンテナであって、前記インピーダンス整合部が、前記ループアンテナに接続された導体部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  9. 前記インピーダンス整合部が、前記アンテナ部と一体で形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  10. 前記インピーダンス整合部が、前記アンテナ部と、前記給電端子との間のインピーダンス値を所定の値に設定するものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  11. 前記インピーダンス整合部の周囲に、前記インピーダンス整合部と電気的に非導通である少なくとも1以上の調整用導体が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  12. 前記インピーダンス整合部と前記調整用導体の少なくとも一部が電気的に接続されることで、前記インピーダンス整合部のインピーダンス値を事後調整可能であることを特徴とする請求項11に記載のチップアンテナ。
  13. 前記インピーダンス整合部の周囲に、前記インピーダンス整合部と電気的に接続されている少なくとも1以上の調整用導体が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  14. 前記インピーダンス整合部と電気的に接続されている調整用導体の少なくとも一部が切断されることで、前記インピーダンス整合部のインピーダンス値を事後調整可能であることを特徴とする請求項13に記載のチップアンテナ。
  15. 前記インピーダンス整合部が、前記アンテナ部と接続される第一導体部と、前記一対の端子部の一方と接続される第二導体部から形成され、前記第一導体部と前記第二導体部とが所定の間隔をもって対向していることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  16. 前記対向する第一導体部と第二導体部が結合容量を生じることを特徴とする請求項15に記載のチップアンテナ。
  17. 前記結合容量により、前記インピーダンス整合部での整合が実現されることを特徴とする請求項16に記載のチップアンテナ。
  18. 前記インピーダンス整合部が、それぞれ所定の間隔をもって対向する複数の導体部から形成され、前記インピーダンス整合部が複数の結合容量から形成されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  19. 前記対向する複数の導体部同士が有する対向距離が、各々の対向箇所において相違することを特徴とする請求項18に記載のチップアンテナ。
  20. 前記複数の導体部により形成される複数の対向部の少なくとも一部を電気的に接続することで、前記インピーダンス整合部における容量値を変化させることを特徴とする請求項18乃至19のいずれかに記載のチップアンテナ。
  21. 前記アンテナ部、もしくは前記インピーダンス整合部が、前記基体に複数形成されることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  22. 請求項1〜21いずれか1記載のチップアンテナと、
    前記チップアンテナを実装する実装体と、
    前記実装体に設けられ、前記チップアンテナの一対の端子部の一方に信号電流を給電する給電部と、前記一対の端子部の他方に接続される開放端部を有することを特徴とするアンテナモジュール。
  23. 前記アンテナモジュールと、
    前記アンテナモジュールと接続され送信信号を変調する変調部と、
    前記アンテナモジュールと接続され受信信号を復調する復調部と、
    動作を制御する制御部と、
    電源を供給する電源部と、
    これらを格納する筐体を有することを特徴とする電子機器。
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