JP2005057415A - アンテナ装置 - Google Patents

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敏春 野口
Shigefumi Akagi
重文 赤木
Kenichi Ozaki
堅一 小▲崎▼
Kazuhiro Eguchi
和弘 江口
Tadao Mizoguchi
督生 溝口
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Abstract

【課題】本発明は、アンテナ性能を確保しつつ、電子機器の短小化、小型化を実現するアンテナ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、基体と、基体に設けられたヘリカル部と、基体の両端に設けられた端子部を有し、ヘリカル部と端子部が電気的に接続されるとともに、端子部の一方が給電部に接続され他方が開放部に接続されるヘリカルアンテナ1と、ヘリカルアンテナ1が実装されるアンテナ実装基板17を有し、アンテナ実装基板17が回路素子の実装されている回路基板15と電気的に接続されるとともに、アンテナ実装基板17の主面方向が回路実装基板の主面方向と傾斜して配置される構成とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、移動体通信やパーソナルコンピュータなどの無線通信を行う電子機器等に好適に用いられるアンテナ装置に関するものである。
携帯電話において、携帯電話の小型化を図るためにアンテナ素子を内蔵することが増えている。また、ノートブック型パソコンなどの携帯型モバイル電子機器においても、無線LANなどを用いたデータ通信を行うものが増えており、これらの電子機器内部にアンテナ素子を内蔵することが行われている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
更に、携帯電話においては欧州を中心としたGSMでは900MHz、1.8GHz、1.9GHzの3種類の周波数の規格があり、更に無線LANでは2.4GHzと5GHzの2種類の周波数帯の規格があり、これらすべてに対応するために、共振周波数の異なる複数のアンテナ素子が実装されることが行われている(例えば特許文献3参照)。内蔵されるアンテナ素子としては磁性体を用いたセラミックアンテナや基板パターンにより形成されたパターンアンテナなどがある。
図20は従来の技術におけるアンテナ装置を含む回路基板の構成図である。100は回路基板、101はアンテナ実装部、102は処理回路、103はアンテナ素子、104はグランド面、105はアンテナ実装長である。回路基板100は携帯電話などの携帯端末に組み込まれる場合を想定し、長方形に近い形状の主基板となっている。このため、回路基板100の大きさ、形状に合わせて、携帯端末の筺体の形状、大きさが決定される。すなわち、電子機器としての携帯端末の大きさ、形状はこの回路基板100の大きさ、形状に依存することになる。
アンテナ素子103は回路基板100のセラミックアンテナやパターンアンテナが用いられ、送受信周波数から算出される波長「λ」を基準として、λ/2型、λ/4型などのアンテナ素子が用いられる。処理回路102では送信信号の変調や受信信号の復調などが行われ、図には示されていないが処理回路102とアンテナ素子103は給電線により接続されている。グランド面104はアンテナ素子103が必要とするグランド面で、アンテナ素子103の送受信利得を十分に確保するために必要とされる領域である。
また、アンテナ素子103はアンテナ実装部101に実装される。アンテナ実装部101は回路基板が組み込まれる電子機器の仕様に応じてその実装位置が決定されるが、携帯端末などの場合には、携帯端末の先端部にアンテナ素子103が来るように決定されることが通常である。このようにアンテナ素子103、ならびにアンテナ素子103の送受信利得を確保するためのグランド面104の大きさから、アンテナ実装長105が決定される。
特開2003−163521号公報 特開平10−200438号公報 特開平11−4117号公報
しかしながら、従来のアンテナ装置では、図20のアンテナ実装長105から明らかな通り回路基板100上で大きな実装領域を必要とする。特に、通常には回路基板の先端にアンテナ素子103を実装する必要があるため、それだけ回路基板100の長さが必要と
なってしまう問題があった。このように回路基板が長くなるとその分だけこれを格納する筺体の長さも長くなることとなり、携帯端末の小型化が困難となる問題があった。
特に、アンテナ素子を小型化するためにλ/4型アンテナを用いる場合には、利得を確保するために十分なグランド面104を確保する必要性がある。このためアンテナ実装長はこのグランド面にも依存して長大化することになる。このため回路基板がこのグランド面104を含めて長大化してしまい、これにつれて筺体の大きさも更に長大化する問題がある。特に、アンテナ素子103の送受信利得を高めるには、グランド面104で発生するイメージ電流を利用する必要があるため、アンテナ素子103をグランド面104の端面に対して略垂直に立てる必要があるが、この場合には更にアンテナ実装長105が長くなってしまう。結果として小型化が要求される携帯端末などの電子機器の長さを長くしてしまい、短小化の実現を困難としていた。特にポケットサイズなどの携帯端末を実現するためには、その筺体の長さを短くする必要性が高いため、回路基板100においてアンテナ実装長105を短くすることが必要とされていた。
一方、筺体が長大化するのを防止するためにグランド面104の面積を不十分にしたり、アンテナ素子103を他の回路素子と非常に密接に実装したりした場合には、アンテナ素子103の利得が不十分となったり、他の回路素子と相互干渉を生じたりするなどの問題が発生する。
本発明は、送受信利得などのアンテナ性能向上を十分に確保しつつ、携帯端末などの電子機器の短小化を実現できるアンテナ装置を供給することを目的とする。
本発明は、基体と、基体に設けられたヘリカル部と、基体の両端に設けられた端子部を有し、ヘリカル部と端子部が電気的に接続されるとともに、端子部の一方が給電部に接続され他方が開放部に接続されるヘリカルアンテナと、ヘリカルアンテナが実装されるアンテナ実装基板を有し、アンテナ実装基板が回路素子の実装されている回路基板と電気的に接続されるとともに、アンテナ実装基板の主面方向が回路実装基板の主面方向と傾斜して配置される構成とする。
本発明では、アンテナ素子として基体に巻線を施した、あるいは導電膜に覆われた基体をトリミングして形成されたヘリカルアンテナを用いることで、アンテナ素子そのものを小型化することが可能となり、アンテナ実装面積を低減することが可能となる。
また、ヘリカルアンテナとこれに必要なグランド面を実装したアンテナ実装基板を、回路素子の実装された回路基板と屈曲して形成することで、3次元的な空間を有効活用してヘリカルアンテナを実装することが可能となる。更に、同一平面上からアンテナ実装長を排除することが可能となるので、回路基板の長さを短小化することができ、結果としてこれを格納する筺体、ならびに電子機器の長さを短小化することが実現される。また、アンテナ実装基板が屈曲し、ヘリカルアンテナがアンテナ実装基板の裏面に実装されるため干渉などを防ぐ緩衝領域が不要となるので、アンテナ実装基板の高さは低くて澄む。このため、屈曲させた場合であっても筺体の厚みに悪影響を及ぼさず、小型化も可能となる。
また、回路基板と屈曲して形成されたアンテナ実装基板上に、ヘリカルアンテナとこれに対応するグランド面が実装されるため、送受信利得などのアンテナ性能を十分に確保しておくことが可能である。更に、ヘリカルアンテナを屈曲したアンテナ実装基板の回路基板との対向面の裏面に実装することで、回路素子との相互干渉を排除するシールド効果も期待でき、全体としての送受信性能を維持、向上させることが可能となる。すなわち、送
受信利得などのアンテナ性能を確保しつつ、電子機器の短小化、小型化を同時実現することが可能となる。
また、ヘリカルアンテナをアンテナ実装基板の端面と略垂直に実装することでグランド面に発生するイメージ電流を十分に活用することができ、送受信利得を最大にすることが可能となる。また略水平に実装することで屈曲したアンテナ実装基板の高さを最小化して筺体の厚みを薄くすることができる。また、その中間として一定の角度をもって実装することで、送受信利得と面積低下のバランスをとることができる。以上のような種々のバリエーションに応じた実装形態とすることで、電子機器の形状や性能仕様に容易に対応することができる。
本発明の請求項1に記載の発明は、基体と、基体に設けられたヘリカル部と、基体の両端に設けられた端子部を有し、ヘリカル部と端子部が電気的に接続されるとともに、端子部の一方が給電部に接続され他方が開放部に接続されるヘリカルアンテナと、ヘリカルアンテナが実装されるアンテナ実装基板を有し、アンテナ実装基板が回路素子の実装されている回路基板と電気的に接続されるとともに、アンテナ実装基板の主面方向が回路実装基板の主面方向と傾斜して配置されることを特徴とするアンテナ装置であって、3次元空間を有効に活用し、アンテナ性能を維持しつつアンテナ実装体積を削減し、電子機器の短小化、小型化を実現する作用を有する。
本発明の請求項2に記載の発明は、ヘリカルアンテナが、導電膜が施された基体をトリミングしてスパイラル溝を設けることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置であって、アンテナ素子そのものを非常に小型とできる作用を有する。
本発明の請求項3に記載の発明は、ヘリカルアンテナが、基体に導電性の巻線を施して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置であって、アンテナ素子そのものを非常に小型とできる作用を有する。
本発明の請求項4に記載の発明は、アンテナ実装基板に同一もしくは異なる共振周波数を有する2以上のヘリカルアンテナが実装されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1に記載のアンテナ装置であって、電子機器の短小化、小型化を実現しつつ、多周波数の無線通信に対応することができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、ヘリカルアンテナの端子部の一方が接続される開放部に頂冠容量が設けられていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載のアンテナ装置であって、送受信帯域の広帯域化を実現することが可能となる。
本発明の請求項6に記載の発明は、ヘリカルアンテナがアンテナ実装基板の面のうち、回路基板と対向しない面に実装されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1記載のアンテナ装置であって、ヘリカルアンテナと回路素子との間の相互干渉を低減させることができ、余分な緩衝領域を削減して電子機器の厚みを低減することができる。
本発明の請求項7に記載の発明は、アンテナ実装基板にグランド面が設けられていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1記載のアンテナ装置であって、ヘリカルアンテナのグランド面を確保することができる。
本発明の請求項8に記載の発明は、ヘリカルアンテナが、回路基板とアンテナ実装基板との交線となる端面と略水平となるように実装されていることを特徴とする請求項1〜7
いずれか1記載のアンテナ装置であって、アンテナ実装基板の高さを最小にすることができる。
本発明の請求項9に記載の発明は、ヘリカルアンテナが、回路基板とアンテナ実装基板との交線となる端面と略垂直になるように実装されていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1記載のアンテナ装置であって、ヘリカルアンテナの電流密度分布を最適とし、送受信利得を最大にすることができる。
本発明の請求項10に記載の発明は、ヘリカルアンテナが、回路基板とアンテナ実装基板との交線となる端面に対して30度以上60度以下となるように実装されていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1記載のアンテナ装置であって、ヘリカルアンテナの送受信利得とアンテナ実装基板の高さのバランスを最適化することができる。
本発明の請求項11に記載の発明は、回路基板の主面方向とアンテナ実装基板の主面方向の傾斜が70度以上100度以下であることを特徴とする請求項1〜10いずれか1記載のアンテナ装置であって、アンテナ特性と電子機器の小型化のバランスを最適化することができる。
本発明の請求項12に記載の発明は、アンテナ実装基板が、回路基板に嵌め込まれているとともに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜11いずれか1記載のアンテナ装置であって、アンテナ実装基板と回路基板との接続部の強度向上をはかることができる。
本発明の請求項13に記載の発明は、アンテナ実装基板の長手方向が、回路基板の長手方向と略平行の状態で嵌め込まれるとともに電気的に接続されていることを特徴とする請求項12に記載のアンテナ装置であって、指向性を最適化することができる。
本発明の請求項14に記載の発明は、ヘリカルアンテナの少なくともヘリカル部が保護膜で覆われていることを特徴とする請求項1〜13いずれか1記載のアンテナ装置であって、ヘリカルアンテナの耐久性や耐候性をたかめることができる。
本発明の請求項15に記載の発明は、請求項1〜14いずれか1記載のアンテナ装置が、携帯電話に組み込まれることを特徴とするアンテナ装置であって、3次元的空間を利用したアンテナ装置の構造により、携帯電話の短小化、小型化を実現することができる。
本発明の請求項16に記載の発明は、回路基板上であって、アンテナ実装基板と回路素子の間にシールド板を設置したことを特徴とする請求項1〜15いずれか1記載のアンテナ装置であって、回路基板上の回路素子とヘリカルアンテナとの相互干渉を積極的に低減することができる。
本発明の請求項17に記載の発明は、請求項1〜16いずれか1記載のアンテナ装置と、アンテナ装置と電気接続され信号処理を行う処理装置と、処理装置に電流を供給する電源部と、これらを格納する筺体を有することを特徴とする電子機器であって、電子機器の短小化、小型化を実現できる。
本発明の請求項18に記載の発明は、回路基板の長さが筺体の長さ未満であり、アンテナ実装基板の高さが筺体の厚さ未満であることを特徴とする請求項17に記載の電子機器であって、回路基板とアンテナ実装基板の大きさにより筺体の大きさを小型化することができる。
本発明の請求項19に記載の発明は、電子機器がノートブックパソコンであることを特徴とする請求項17に記載の電子機器であって、ノートブックパソコンの小型化が実現できる。
本発明の請求項20に記載の発明は、電子機器が携帯端末であることを特徴とする請求項17に記載の電子機器であって、携帯端末の短小化、小型化が実現できる。
以下、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1、図2、図3、図4は本発明の実施の形態1におけるヘリカルアンテナの斜視図である。図5、図6は本発明の実施の形態1におけるヘリカルアンテナの等価回路図である。図7は本発明の実施の形態1におけるヘリカルアンテナの製造工程図である。
1はヘリカルアンテナ、2はヘリカル部、3、4は端子部、5はスパイラル溝、6は基体、7は保護膜、8は導体部である。端子部3、4のいずれか一方は給電部に接続され、他方は開放部に接続される。
図1を用いてヘリカルアンテナの構成について説明する。
基体6はアルミナもしくはアルミナを主成分とするセラミック材料等の絶縁体もしくは誘電体などをプレス加工、押し出し法等を施して形成される。なお、基体6の構成材料としては、フォルステライト、チタン酸マグネシウム系、チタン酸カルシウム系、ジルコニア・スズ・チタン系、チタン酸バリウム系、鉛・カルシウム・チタン系などのセラミック材料を用いてもよく、エポキシ樹脂などの樹脂材料を用いても良い。実施の形態1では、強度や絶縁性或いは加工の容易性の面からアルミナもしくはアルミナを主成分としたセラミック材料が用いられている。更に基体6には全体に銅、銀、金、ニッケル等の導電材料で構成された導電膜が単層乃至複数積層され、導電性を有する表面が形成される。導電膜はめっき、蒸着、スパッタ、ペーストなどが用いられる。
端子部3、4は、基体6の両端に形成され、導電性のメッキ膜,蒸着膜,スパッタ膜等の薄膜や、銀ペーストなどを塗布して焼き付けなどを行ったものなどの少なくとも一つが用いられる。
なお、基体6は端子部3、4と同一の大きさの断面を有していてもよいが、段落ちされてもよく、基体6の断面積は端子部3、4の断面積よりも小さくされてもよい。基体6の外周が段落ちされることで、実装時に基体6がアンテナ実装基板の表面からの距離を持つことが可能となり、特性の劣化を防ぐことが可能になる。このとき段落ちを基体6の一部の面に対してのみおこなってもよく、全面に渡って段落ちさせてもよい。全面に渡って段落ちさせた場合には、実装時に電子基板との接する面を選択する留意が不要となり、実装時のコストを低下させることができる。
また、基体6の各角部に面取りを施してもよい。この面取りを設けることで、基体6の欠けが防止され、導電膜が薄くなるのが防止され、或いはヘリカル部2の損傷が防止される。
ここで、基体6と端子部3、4は個別に形成して後から貼り合わせるなどで一体化してもよく、あらかじめ一体で形成してもよい。また、基体6は四角の角形状でなくとも、三角や五角の多角形状でもよく、円柱状でもよい。円柱状の場合には、角部が存在しなくなるので耐衝撃性が高まり、スパイラル溝5の形成が容易となるメリットがある。
ヘリカル部2は基体6の導電性を有する基体6の表面をレーザーなどによるトリミングを用いて螺旋状に掘削してスパイラル溝5が形成され、インダクタ成分を有している。ヘリカル部2の一方の端部は端子部3と接続されており、ヘリカル部2の他方の端部は端子部4と接続されており、それぞれの接続間において容量成分を有している。すなわち、インダクタ成分と容量成分が直列接続構造により接続されている。なお、ヘリカルアンテナ1はλ/4型アンテナであってもよく、λ/2型アンテナであってもよいが、小型化をより促進するためにλ/4型アンテナが用いられることが多く、この場合にはヘリカルアンテナ1の近辺に存在するグランド面に生じるイメージ電流を利用して、送受信利得が確保される。
また、図1には示されていないが端子部3、4の一方は給電部と接続され、この給電部は半田ランドなどにより形成され、同様に開放部も半田ランドなどで形成される。このとき半田ランドに用いられるはんだは鉛フリーの半田が用いられることで、環境への影響が少ない電子機器とすることが可能となる。
次に図2に表されるヘリカルアンテナ1は、表面に保護膜7が施されたものである。保護膜が設けられることで、基体6の導電膜への損傷やスパイラル溝5などの損傷を防止することが可能となる。特に運搬時や実装時の衝撃や熱から守ることが可能となる。保護膜7としては、チューブ状の保護膜や、ペースト状の保護膜が用いられる。
ペースト状保護膜はエポキシ樹脂などの樹脂材料が塗布されることで実現される。なお、塗布などにより保護膜7が形成されると、スパイラル溝5内部に保護膜7が入り込み、保護膜7が高誘電率の材料であるとアンテナの共振周波数を変動させる恐れがある。このため保護膜7に用いる材料には、低誘電率のものが好ましい。ただし、ある程度保護膜7の誘電率を考慮に入れた上で、ヘリカル部の形状、大きさを設計しておくことで、所望の周波数などのアンテナ特性を得ることができる。また、好ましくは、保護膜7は基体6の段落ちした部分に収納されるように形成されることで、端子部3、4の側面の高さと保護膜7の側面の高さが等しいかそれ以下となるように構成することが好ましい。これにより、アンテナ実装基板への実装時の作業の容易性が確保されるからである。
チューブ状保護膜は、チューブ形状をした保護膜を基体6周囲に装着し、熱を加えて圧着させて実現される。チューブ状保護膜はヘリカル部2を覆うように形成されるため、スパイラル溝5内部に保護膜が流れ込まない。このため、チューブ状保護膜を設けることによるアンテナ特性の変動が生じることはない。好ましくはチューブ状保護膜としては樹脂製でしかも熱収縮性のあるものを選ぶことが好ましい。これは、基体6にチューブ状保護膜を被せ、熱処理することでチューブが収縮し、確実にチューブ状保護膜を基体6上に形成することができるからである。
また、保護膜7は基体6表面に形成され、少なくともヘリカル部2を覆うように形成されることが好ましい。保護膜7により端子部3、4も覆われてもよいが、端子部3、4を除外して保護膜7が形成されることで、実装時の悪影響を回避することができる。また、保護膜7と端子部3、4の色を異ならせることで自動実装時の画像認識において、容易に端子部3、4をヘリカルアンテナ1の中から見分けることが可能となるメリットがある。この場合には、実装時に端子部3、4以外が半田ランドなどと接続されることがなくなるメリットがある。
図5を用いてヘリカルアンテナの動作を説明する。図5にはヘリカルアンテナの等価回路が表されている。スパイラル溝5が設けられたヘリカル部2はインダクタ成分Lを有し、ヘリカル部2以外の部分は容量成分Cを有し、これらのインダクタ成分Lと容量成分Cは直列に接続されている。この等価回路から明らかな通り、共振周波数ωは次の(数1)
で表され、
Figure 2005057415
この(数1)から明らかな通り、共振周波数はインダクタ成分Lと容量成分Cにより定まり、結果としてヘリカルアンテナ1の送受信周波数はインダクタ成分Lと容量成分Cにより決定される。よって、ヘリカルアンテナ1は(数1)で定まる送受信周波数により動作して、電波の送信、ならびに受信を行う。
次に図3に表されるヘリカルアンテナ1は、ヘリカル部2が複数存在する多周波数対応のものである。
図3に表されるヘリカルアンテナ1にはヘリカル部2が複数形成されている。また導体部8はヘリカル導体部と交互に配置されており、ヘリカルアンテナ1はインダクタ成分と容量成分が交互に存在する状態である。複数のインダクタ成分と容量成分との存在により、ヘリカルアンテナ1は複数の共振周波数を有することになり、多周波数に対応した送受信周波数を有することになる。図4に表されるヘリカルアンテナ1は基体6が円柱状の形状を有している場合である。円柱状の形状を有することで、レーザーなどを用いたトリミングが容易に実現でき、トリミングにより形成されるトリミング溝5の幅や間隔の精度が高まって、目標とする送受信周波数性能の実現の精度が高まるメリットがある。
なお、図3、図4ではヘリカル部2が二つ存在する場合のヘリカルアンテナ1が示されたが、ヘリカル部2は3以上あってもよく、この場合には3以上の送受信周波数に対応することができる。
次に図6を用いて多周波数に対応したヘリカルアンテナ1の動作について説明する。
図6(a)はヘリカル部2が一つのみである図1に示されるヘリカルアンテナ1の等価回路であり、インダクタ成分L1と容量成分C1とにより定まる送受信周波数で動作するのは、説明したとおりである。一方、ヘリカル部2と導体部8が二つ存在する図3、図4に表されるヘリカルアンテナ1の等価回路が図6(b)に示されており、インダクタ成分L1、L2と容量成分C1、C2とにより定まるそれぞれの共振周波数を有することになる。すなわち、L1とC1を元に(数1)から定まる共振周波数と、それぞれの合成インダクタ成分、合成容量成分を元に(数1)から定まる共振周波数の二つの周波数を送受信周波数として動作する。図6(c)に表される等価回路ではインダクタ成分L1、L2、L3と容量成分C1、C2、C3の3つのインダクタ成分と容量成分から3種類の共振周波数を有しており、3つの送受信周波数として動作するヘリカルアンテナである。
なお、インダクタ成分はスパイラル溝5の巻き数に比例して定まり、共振周波数はインダクタ成分の平方根の値に反比例する。このため、給電部側のインダクタ成分L1を実現するスパイラル溝5の巻き数を最も少なくすることで、より高周波の送受信周波数を実現することができる。
以上のように、基体6にヘリカル部2を多数設けることで、多数の送受信周波数に単一素子で対応するヘリカルアンテナ1を実現することが可能である。
次に図7を用いて、ヘリカルアンテナ1の工法について説明する。
10は回転支持台であり、11はモーターであり、12はレーザー照射器であり、13は導電膜付基体であり、14はスパイラル溝である。導電膜付基体13は実施の形態1で説明したとおり、アルミナもしくはアルミナを主成分とするセラミック材料等の絶縁体もしくは誘電体材料などをプレス加工,押し出し法等を施して形成される。更に導電膜付基体13の導電膜は、銅,銀,金,ニッケル等の導電材料で構成された導電膜を単層乃至複数積層されて形成される。
図7に示すとおり、回転支持台10に導電膜付基体13が設置され、モーター11により回転され、レーザー照射器12からレーザー光線が導電膜付基体13に照射されるとともに、レーザー照射器12かもしくは回転支持台10の少なくとも一方を移動させることでヘリカル状のスパイラル溝14が形成される。このとき、スパイラル溝14は確実に導電膜を超えて掘削され、ヘリカル状の導電膜が残り、これによりヘリカル状の導電膜を有するヘリカル部2が形成される。また、一定の幅に渡ってスパイラル溝14を形成した後、レーザー照射器12からのレーザー照射を停止することで、導電膜付基体13上にスパイラル溝14が形成されない導体部8が形成される。これを所望の回数繰り返すことで、スパイラル溝14を有する複数のヘリカル部2と複数の導体部8とが交互に形成される。なお、レーザー照射ではなく、砥石などの切削加工を用いても良い。もちろん、ヘリカル部を1箇所のみ形成する場合には、一箇所のみレーザー照射を行って、レーザー照射を終了することで実現される。
上述の形成方法の場合には、導電膜付基体13の全体に導電膜を設ける構成としたので、当然のことながら端子部3、4表面にも導電膜が設けられる事になる。従って、この端子部3、4上に設けられた導電膜を実装時の接続面としても良い。また、端子部3、4表面の導電膜の上に、更にニッケルなどの耐食膜(もしくは半田食われ防止膜)かもしくはSnやSnに他の金属(鉛を除く)を加えた鉛フリー半田などからなる接合膜の少なくとも一方を設けても良い。また、導電膜を端部以外の基体表面にのみ設け、端子部3、4表面に銀ペーストなどの導電ペースト材料を塗布して焼き付け、しかも焼き付けた導体と導電膜を電気的に接続させて端子部3、4を形成してもよい。また、焼き付けた導体の上に、耐食膜か接合膜の少なくとも一つを設けても良い。以上により、ヘリカルアンテナ1の製造が可能になる。
なお、ヘリカル部2を導線等の線状体を巻き付けることで形成しても良い。この場合には、接着剤や樹脂モールド等の部材を用いて線状体を基体6上に固定すればよい。あるいは基体6上に孤立した導電膜を複数設けこれを導体部8とし、孤立した導電膜以外の部分に線状体を巻きつけてヘリカル部2を形成してもよい。なお、各ヘリカル部2の厚みや長さ等は用いられる電子機器などの特性に応じて、適宜実験して求めることができる。
次に、ヘリカルアンテナ1が実装されたアンテナ装置について説明する。
図8、図12、図13は本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の断面図であり、図9、図10、図11は本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の斜視図である。図14、図15、図16は本発明の実施の形態1におけるアンテナ実装基板の正面図である。
15は回路基板、16は回路実装領域、17はアンテナ実装基板、18は短縮長、19は屈曲部、20はグランド面、21は端面である。図面より明らかな通り、回路基板15の主面(回路実装領域16の存在する面)とアンテナ実装基板17の主面は傾斜して配置されている。更に、回路基板15とアンテナ実装基板17とは電気的に接続されており、ヘリカルアンテナ1で受信した信号が回路基板15に実装されている回路素子に伝送され、逆に回路素子からの信号がヘリカルアンテナ1に給電される。さらに、傾斜をもって電気的接続されておればよく、一体のエポキシ基板を折り曲げて構成してもよく、回路基板15とアンテナ実装基板17を別途作成してから傾斜をもって配置してもよい。なお、傾斜をもって回路基板15とアンテナ実装基板17を配置するには、接着や溶接、嵌合、ねじ止めなどがあり、物理的な隙間が、回路基板15とアンテナ実装基板17との間に存在してもよい。
なお、図8には表していないが、回路基板15に、アンテナ実装基板17と回路素子との間にシールド板を設置することも好適である。これにより相互干渉を積極的に低減することができる。
従来は回路基板15がアンテナ実装基板17と同一基板であり、同一平面上に存在していた。これを屈曲部19を基点としてアンテナ実装基板17を折り曲げて、このアンテナ実装基板17にヘリカルアンテナ1とグランド面20が実装されている。このヘリカルアンテナ1とグランド面20を実装するアンテナ実装基板17を、処理回路などのLSIやディスクリート素子の実装された回路基板15に対して、屈曲させて3次元的空間を活用することにより、短縮長18が生じる。短縮長18により、回路基板全体の長さが短小化することが可能となり、これを格納する筺体、すなわち電子機器の短小化も実現される。特に、携帯端末などは筺体の大きさ、形状が回路基板に大きく依存するため、短縮長18を確保することで、携帯端末の長さを短小化することができ、携帯端末の短小化の要望を実現することが可能となる。また、従来のように同一平面に存在する回路基板上に処理回路やアンテナ素子を実装する場合には、回路素子との干渉防止などのために、回路実装領域16との間に大きな緩衝領域が必要となっていたのに対して、屈曲させたアンテナ実装基板とすることで、これらの回路素子との相互緩衝も軽減されるため、緩衝領域が削減できる。このため、短縮長18の長さすべてを屈曲させたアンテナ実装基板17の高さHとする必要がない。ここで、アンテナ実装基板17の高さHは格納する筺体の厚みにかかわって来るが、緩衝領域などが不要になることから短縮長18の長さすべてが高さHに転化されるわけではないので、筺体の厚みを余分に厚くするデメリットはほとんど生じない。これにより、携帯端末の短小化を実現しつつも、携帯端末の厚みを厚くすることもなく、全体としての携帯端末の体積低減を実現することができるものである。
このように、本発明で説明されるアンテナ装置は、短小化や小型化が要求されるために、高密度実装が必須となっている携帯電話などの携帯端末において、利得確保や干渉排除などで実装領域の確保が困難となるアンテナ装置を、3次元領域を活用して確保し、利得などの性能を非常に小さな実装面積で維持した上で、全体としての実装効率を向上させることができるものである。このため、本発明のアンテナ装置は携帯電話などの携帯端末に最適に用いられるが、これ以外に無線通信を行う電子機器、例えば無線LANを実行するノートブックパソコンなどにも好適に用いられるのはもちろんである。
なお、ヘリカルアンテナ1は、アンテナ実装基板17の面のうち、回路基板15と対向
する面と反対の面に実装されるのが好ましい。これによりヘリカルアンテナ1と回路実装領域16に実装されている各種回路素子との間の相互干渉を防止して、アンテナ性能を向上させることができる。これにより、上述した緩衝領域を更に削減することができる。
更に、通常アンテナ実装基板17が格納された筺体の上部に存在することが多い。例えば、アンテナ装置が用いられる電子機器が携帯電話であれば、アンテナ実装基板は携帯電話の上部に存在することになり、実際の使用形態でも、ユーザーから見た上方に位置する。このため、ヘリカルアンテナ1をアンテナ実装基板17の裏面に実装すれば、上方から外部空間への見通しがよくなることになり、送受信性能が向上するメリットがある。なお、アンテナ性能との兼ね合いでヘリカルアンテナ1を回路基板15との対向するアンテナ実装基板17の面に実装してもよい。また、ヘリカルアンテナ1の開放部に頂冠導体を設け、負荷容量を大きくすることで、広帯域化を実現することも好適である。頂冠導体は、基板パターンや半田ランドなどで種々の形状で形成すればよい。
また、グランド面20がヘリカルアンテナ1と一緒にアンテナ実装基板17に実装されることで、ヘリカルアンテナ1が必要とするグランド領域がアンテナ実装基板17に確保される。これにより、ヘリカルアンテナ1がλ/4型アンテナである場合に必要となるイメージ電流が発生するグランド面が、ヘリカルアンテナ1の近傍に確保されることになり、送受信利得の確保が実現される。
なお、図8〜図11には図示されていないが、ヘリカルアンテナ1の端子部の一方は給電部に接続されており、給電部には基板パターンにより処理回路と電気的に接続されている。このため回路基板15とアンテナ実装基板17は電気的に接続されている。さらにヘリカルアンテナ1の他方の端子部は開放部に接続されており、電波放射が実現される。開放部としては半田ランドなどに端子部が接続されることで実現される。
図9には図8で説明したアンテナ装置が斜視図として表されており、図8で説明したとおりの構成を有している。なお、図9ではヘリカルアンテナ1が回路基板15との対向面に実装されているように見えるが、その裏面に実装されるのが好適である。
なお、図8、図9ではヘリカルアンテナ1は、アンテナ実装基板17と回路基板15の交線となる端面21に対して略平行に実装されている。略平行に実装される場合には、グランド面20に発生するイメージ電流によるヘリカルアンテナ1上に発生する電流密度を増加させる寄与力が少ないため、送受信利得向上がやや減少するが、アンテナ実装基板17の高さHが当然ながら小さくなるため、実装体積を最小化することができるメリットがある。
図10、図11には別の形態でヘリカルアンテナ1が実装されたアンテナ装置が表されている。図10でのヘリカルアンテナ1は回路基板15とアンテナ実装基板17の交線となる端面21に対して、略垂直に実装されている。この場合には、グランド面20には、ヘリカルアンテナ1上に発生する電流密度と同一ベクトルにイメージ電流が発生するため、ヘリカルアンテナ1の送受信利得を向上させる寄与度が最大になる。このため、略垂直に実装した場合には、アンテナ実装基板17の高さHが最大になるが、送受信利得も最大になるメリットがある。
一方、図11では、ヘリカルアンテナ1が斜めに実装されている。この場合には、グランド面20に発生するイメージ電流のもつ、送受信利得の向上に対する寄与度は中間のレベルであり、更に実装に必要な高さHも中間のレベルになる。このため、送受信利得とアンテナ実装基板17の高さHのバランスを取ることが可能な実装形態である。このため、斜めに実装する場合には、そのバランスを最も適切に図るために、端面21とヘリカルア
ンテナ1の交差角が30度以上60度以下とすることが望ましい。但し、これ以外の角度をもって実装してもよい。
なお、回路基板15とアンテナ実装基板17との屈曲部19の屈曲角度は、筺体の形状などに応じて任意に定められればよいが、回路基板15とアンテナ実装基板17の対向面に作られる角度θが90度以下であることが、短縮長18を最大にすることから望ましい。また、θを90度よりも更に小さくすることで、アンテナ実装基板の高さHを小さくすることが可能となるが、あまりに小さくしすぎるとヘリカルアンテナ1と回路実装領域16に存在する回路素子との距離が近づくため、相互緩衝などの問題が生じる。このため、70度から100度の間に定めることが望ましく、強度や加工性の観点からほぼ90度とすることが好ましい。すなわち、回路基板15の主面とアンテナ実装基板17の主面同士の作る傾斜は70度から100度がよく、好ましくは略垂直に構成することが望ましい。
次に、図12、図13は更に別の形態のアンテナ装置である。
図12には、アンテナ実装基板17が回路基板15と回転した状態で接続されている状態である。特に、アンテナ実装基板17の長手方向が回路基板15の長手方向と略平行に接続される形態がのぞましい。このように両者の長手方向が略平行になって接続されている場合には、結果としてヘリカルアンテナ1が回路基板15の長手方向と略平行に実装される。すなわち、これらを格納する電子機器の筺体の長手方向と略平行にヘリカルアンテナ1が実装される。この場合には、ヘリカルアンテナ1の指向性を筺体の長手方向を基準とした8の字状にすることが可能となるため、このアンテナ装置を用いる電子機器が携帯電話などである場合には、効果的な指向性を有することになる。
もちろん、指向性を調整するために、回路基板15の長手方向と略平行だけでなく、一定の角度をもってアンテナ実装基板17を嵌め込むこともよい。
図13には、アンテナ実装基板17が回路基板15に嵌め込まれた形で実装されている。回路基板15とアンテナ実装基板17の接続においては、図8に示されるような屈曲部19を設けるよりも、完全に別基板で形成した後に合体させることが容易な場合もある。このため、アンテナ実装基板17を別途形成して、その後に回路基板15に嵌め込んで実装することも、製造上の都合では好適である。特に、屈曲部19を設けた構成よりも、強度が高くなるというメリットがあり、耐久性の要求される場合には適切な構成である。
次に、図14にはヘリカルアンテナ1が複数実装されて、複数の周波数に対応する場合が示されている。
22は給電線パターン、23は整合回路、24は半田ランドである。なお、半田ランド24をあらかじめ大きく形成したりパターンを用いることで、頂冠導体部を形成し広帯域化を図ることもよい。また整合回路23はコンデンサやインダクタを用いて、ヘリカルアンテナ1のインピーダンス整合を実現する。
ヘリカルアンテナ1はそれぞれ異なる送受信周波数で動作するため、例えばGSMなどの携帯電話で用いられる900MHz、1.8GHz、1.9GHzなどに対応することも可能である。このとき、例えば一つのヘリカルアンテナ1で900MHzに対応し、もう一方のヘリカルアンテナ1を図3などで説明した多周波数対応のヘリカルアンテナとして、1.8GHzと1.9GHzの2つの周波数に対応するように構成することもよい。もちろん、これ以外の複数の周波数に対応することも可能であり、更にヘリカルアンテナ1を3以上にすることで、対応する周波数の種類を増やすことも可能である。
図14ではヘリカルアンテナ1が端面21に略水平に実装されており、アンテナ実装基板17の高さHを最小化できる。
一方、図15ではヘリカルアンテナ1が端面21に対して斜めに実装されており、アンテナ実装基板17の高さHと利得とのバランスが重視された実装である。図16ではヘリカルアンテナ1が端面21に対して垂直に実装されており、グランド面20に生じるイメージ電流の利得への寄与度を最大にすることが可能となり、高さHはやや大きくなるが送受信利得を最大にすることが可能となる。
次に、実際にこのアンテナ装置を試作して、従来の同一平面に存在する回路基板にヘリカルアンテナ1を実装した場合と、本発明のように、回路基板15と屈曲して接続されるアンテナ実装基板17にヘリカルアンテナ1が実装される場合との体積を測定した。
必要な処理回路を実装するのに必要な回路基板15と、ヘリカルアンテナ1と、アンテナ実装基板17と、電源を組み上げて、それぞれに必要な格納体積を測定した。従来方式で試作した結果、必要な格納体積は4720mm2であり、本発明の方式で試作した場合には必要な格納体積は3135mm2であった。また、基板全体の長さは当然ながら短小化される。
以上のように、回路基板15に対して屈曲したアンテナ実装基板17にヘリカルアンテナ1を実装することで、電子機器の短小化、小型化が実現される。
次に、このようにヘリカルアンテナ1を実装した場合であっても、そのアンテナ性能が十分に確保されることについて説明する。
図17は従来のアンテナ装置における実験結果を示す図であり、図17(a)は実験に用いた構造図、図17(b)はVSWR実験結果図、図17(c)は利得特性実験結果図である。図18は本発明のアンテナ装置における実験結果を示す図であり、図18(a)は実験に用いた構造図、図18(b)はVSWR特性実験結果図、図18(c)は利得特性実験結果図である。
図17(a)、図18(a)から明らかな通り、従来の方式では回路基板上にヘリカルアンテナが実装された場合であり、本発明の方式ではアンテナ実装基板にヘリカルアンテナが実装されている。それぞれのVSWR特性実験結果から明らかな通り、本発明のアンテナ装置においては従来のアンテナ装置に比較して何ら遜色がない。更に、図17(c)、図18(c)から明らかな通り、利得特性も殆ど同等かそれ以上であり、アンテナ性能が十分に確保されているのが分かる。
以上の結果より明らかな通り、回路基板15に対して屈曲して接続されたアンテナ実装基板17に、ヘリカルアンテナ1とグランド面20を実装した場合には、その送受信利得などのアンテナ性能を低下させることなく、3次元空間を有効活用したアンテナ実装が可能となり、結果として電子機器の短小化、小型化が実現される。
なお、回路基板15の長さを格納する筺体の長さ未満とし、アンテナ実装基板17の高さHを格納する筺体の厚さ未満となるようにあらかじめ定めて設計することで、電子機器に要求されるサイズ仕様を満足するアンテナ装置、ならびに電子機器を実現することができる。
(実施の形態2)
図19は本発明の実施の形態2における電子機器の正面図である。
30は電子機器、31は処理装置、32は電源部、33は筺体である。なお、図19では電子機器の一例として携帯電話が示されているが、これに限られず、種々の携帯端末、PDA、ノートブックパソコンなどの無線通信を行う電子機器が含まれるものである。
ヘリカルアンテナ1は回路基板15と屈曲して接続されたアンテナ実装基板17に実装されている。処理装置31は回路基板15に実装され、必要なディスクリート素子やLSI、回路パターンなどが実装される。なお、高密度実装を更に進めるために両面実装を行うことも好適である。処理装置は、送信信号の変調や、送信周波数を実現するためのアッパーコンバージョンなどを行う。更に受信した信号の復調や再生を行い、復調されたデータの誤り訂正などを行う。また必要に応じて電子機器の表示機能の制御も行い、中央演算処理装置などにより、動作処理の全体制御や最適化、ユーザーインターフェースとの処理が実行される。また、電源部32から処理装置やその他の電子部品に電流が供給される。
なお、必要なデータから変調が施されて送信処理が処理装置31で実行される。送信処理が実行されたデータ信号がヘリカルアンテナ1から外部空間に向けて電波として送信される。これにより送信処理が実現される。
逆に、受信においては、外部空間から飛来した電波がヘリカルアンテナ1で受信され、受信された電波が電流信号に変換される。ついで、電流信号は必要に応じて周波数を低下させるためのダウンコンバージョンが実行され、検波、復調が行われてもとのアナログデータやデジタルデータが取り出される。取り出されたデータは必要に応じて誤り検出や誤り訂正がなされた後に、音声や画像などが再生される。再生された音声や画像などは、スピーカーや液晶画面などを通じてユーザーが使用可能な状態となる。
このときアンテナ装置は実施の形態1で説明したとおり、アンテナ実装基板17が回路基板15に対して屈曲して接続されている。これにより筺体33の体積は小型化でき、更に筺体33の短小化が実現される。
また、実施の形態1で説明したとおり、アンテナ性能も十分に確保されており、アンテナ性能が確保されたまま、アンテナ装置の実装体積を減少させることができる。
基体と、基体に設けられたヘリカル部と、基体の両端に設けられた端子部を有し、ヘリカル部と端子部が電気的に接続されるとともに、端子部の一方が給電部に接続され他方が開放部に接続されるヘリカルアンテナと、ヘリカルアンテナが実装されるアンテナ実装基板を有し、アンテナ実装基板が回路素子の実装されている回路基板と電気的に接続されるとともに、アンテナ実装基板と回路実装基板とが相互に屈曲して形成される構成により、送受信利得などのアンテナ性能を確保しつつ、電子機器の短小化、小型化を同時実現することが必要な用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるヘリカルアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるヘリカルアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるヘリカルアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるヘリカルアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるヘリカルアンテナの等価回路図 本発明の実施の形態1におけるヘリカルアンテナの等価回路図 本発明の実施の形態1におけるヘリカルアンテナの製造工程図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の断面図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の斜視図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の斜視図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の斜視図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の断面図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の断面図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ実装基板の正面図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ実装基板の正面図 本発明の実施の形態1におけるアンテナ実装基板の正面図 (a)従来のアンテナ装置における実験に用いた構造図(b)従来のアンテナ装置におけるVSWR実験結果図(c)従来のアンテナ装置における利得特性実験結果図 (a)本発明のアンテナ装置における実験に用いた構造図(b)本発明のアンテナ装置におけるVSWR実験結果図(c)本発明のアンテナ装置における利得特性実験結果図 本発明の実施の形態2における電子機器の正面図 従来の技術におけるアンテナ装置を含む回路基板の構成図
符号の説明
1 ヘリカルアンテナ
2 ヘリカル部
3、4 端子部
5 スパイラル溝
6 基体
7 保護膜
8 導体部
10 回転支持台
11 モーター
12 レーザー照射器
13 導電膜付基体
14 スパイラル溝
15 回路基板
16 回路実装領域
17 アンテナ実装基板
18 短縮長
19 屈曲部
20 グランド面
21 端面
22 給電線パターン
23 整合回路
24 半田ランド
30 電子機器
31 処理装置
32 電源部
33 筺体
100 回路基板
101 アンテナ実装部
102 処理回路
103 アンテナ素子
104 グランド面
105 アンテナ実装長

Claims (20)

  1. 基体と、前記基体に設けられたヘリカル部と、基体の両端に設けられた端子部を有し、前記ヘリカル部と前記端子部が電気的に接続されるとともに、前記端子部の一方が給電部に接続され他方が開放部に接続されるヘリカルアンテナと、
    前記ヘリカルアンテナが実装されるアンテナ実装基板を有し、前記アンテナ実装基板が回路素子の実装されている回路基板と電気的に接続されるとともに、アンテナ実装基板の主面方向が回路実装基板の主面方向と傾斜して配置されることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記ヘリカルアンテナが、導電膜が施された基体をトリミングしてスパイラル溝を設けることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記ヘリカルアンテナが、前記基体に導電性の巻線を施して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  4. 前記アンテナ実装基板に同一もしくは異なる共振周波数を有する2以上のヘリカルアンテナが実装されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1に記載のアンテナ装置。
  5. 前記ヘリカルアンテナの端子部の一方が接続される開放部に頂冠導体が設けられていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載のアンテナ装置。
  6. 前記ヘリカルアンテナがアンテナ実装基板の面のうち、回路基板の素子実装面と対向しない面に実装されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1記載のアンテナ装置。
  7. 前記アンテナ実装基板にグランド面が設けられていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1記載のアンテナ装置。
  8. 前記ヘリカルアンテナが、前記回路基板とアンテナ実装基板との交線となる端面と略水平となるように実装されていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1記載のアンテナ装置。
  9. 前記ヘリカルアンテナが、前記回路基板とアンテナ実装基板との交線となる端面と略垂直になるように実装されていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1記載のアンテナ装置。
  10. 前記ヘリカルアンテナが、前記回路基板とアンテナ実装基板との交線となる端面に対して30度以上60度以下となるように実装されていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1記載のアンテナ装置。
  11. 前記回路基板の主面方向とアンテナ実装基板の主面方向の傾斜が70度以上100度以下であることを特徴とする請求項1〜10いずれか1記載のアンテナ装置。
  12. 前記アンテナ実装基板が、前記回路基板の主面に嵌め込まれているとともに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜11いずれか1記載のアンテナ装置。
  13. 前記アンテナ実装基板の長手方向が、前記回路基板の長手方向と略平行の状態で嵌め込まれるとともに電気的に接続されていることを特徴とする請求項12に記載のアンテナ装置。
  14. 前記ヘリカルアンテナの少なくともヘリカル部が保護膜で覆われていることを特徴とする請求項1〜13いずれか1記載のアンテナ装置。
  15. 請求項1〜14いずれか1記載のアンテナ装置が、携帯電話に組み込まれることを特徴とするアンテナ装置。
  16. 前記回路基板上であって、前記アンテナ実装基板と前記回路基板上の回路素子との間にシールド板を設置したことを特徴とする請求項1〜15いずれか1記載のアンテナ装置。
  17. 請求項1〜16いずれか1記載のアンテナ装置と、
    前記アンテナ装置と電気接続され信号処理を行う処理装置と、
    前記処理装置に電流を供給する電源部と、
    これらを格納する筺体を有することを特徴とする電子機器。
  18. 前記回路基板の長さが前記筺体の長さ未満であり、前記アンテナ実装基板の高さが前記筺体の厚さ未満であることを特徴とする請求項17に記載の電子機器。
  19. 前記電子機器がノートブックパソコンであることを特徴とする請求項17に記載の電子機器。
  20. 前記電子機器が携帯端末であることを特徴とする請求項17に記載の電子機器。
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