JP4329579B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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藤本京平著、「図解 移動通信用アンテナシステム」、総合電子出版、1996年10月、p.118〜119
この発明にかかるアンテナ装置によれば、給電点と導体パターンの一端とを接続するキャパシタ部を設け、キャパシタ部のキャパシタンスを所定の値とすることにより、給電点におけるアンテナ装置のインピーダンスを整合させることが容易にできる。
この発明にかかるアンテナ装置によれば、ローディング部に形成された集中定数素子によって電気長が調整される。したがって、ローディング部の導体パターンの長さを変えることなく容易に共振周波数を設定できる。また、給電点におけるアンテナ装置のインピーダンスを整合させることができる。
この発明にかかるアンテナ装置によれば、導体パターンに線状のミアンダパターンが接続されることで、アンテナ部の広帯域化や、高利得化を図ることができる。
この発明にかかるアンテナ装置によれば、素体に互いに対向する一対の平面電極を形成することで、ローディング部とコンデンサ部とが一体化される。これにより、アンテナ装置の部品点数を削減することができる。
この発明にかかるアンテナ装置によれば、コンデンサ部を形成する一対の平面電極のうち素体の表面に形成された一方の平面電極を、例えばレーザを照射することによってトリミングすることにより、コンデンサ部のキャパシタンスを調整することができる。したがって、給電点におけるアンテナ装置のインピーダンスを容易に整合させることができる。
この発明にかかるアンテナ装置によれば、導体パターンが螺旋形状とすることで、導体パターン長を長くすることができ、アンテナ装置の利得を増やすことができる。
この発明にかかるアンテナ装置によれば、導体パターンがミアンダ形状とすることで、導体パターン長を長くすることができ、アンテナ装置の利得を向上させることができる。また、導体パターンが、素体の表面に形成されることで導体パターンの形成が容易となる。
本実施形態によるアンテナ装置1は、例えば、携帯電話機などの移動体通信用無線機器及び特定小電力無線、微弱無線などの無線機器に用いられるアンテナ装置である。
このアンテナ装置1は、図1及び図2に示されるように、樹脂などの絶縁性材料からなる基板2と、基板2の表面上に設けられ矩形状の導体膜であるアース部3と、基板2の一方の面上に配されたローディング部4と、インダクタ部5と、キャパシタ部6と、アンテナ装置1の外部に設けられた高周波回路(図示略)に接続される給電点Pとを備えている。そして、ローディング部4及びインダクタ部5によって、アンテナ動作周波数が調整され、430MHzの中心周波数で電波を放射するように構成されている。
この導体パターン12の両端は、基板2の表面に設けられた矩形の設置導体13A、13Bと電気的に接続するように、素体11の裏面に設けられた接続電極14A、14Bにそれぞれ接続されている。また、導体パターン12は、一端が設置導体13Bを介してインダクタ部5及びキャパシタ部6と電気的に接続され、他端が開放端とされている。
ここで、ローディング部4は、アース部3の端辺3Aからの距離であるL1が例えば10mmとなるように離間して配されており、ローディング部4の長手方向の長さL2が例えば16mmとなっている。
チップインダクタ21のインダクタンスは、ローディング部4とインダクタ部5とによる共振周波数が、アンテナ装置1のアンテナ動作周波数である430MHzとなるように調整されている。
また、L字パターン22は、端辺22Aがアース部3と平行になるように形成されており、長さL3が2.5mmとなっている。これにより、アース部3の端辺3Aと平行となるアンテナエレメントの物理長L4が18.5mmとなる。
チップコンデンサ31のキャパシタンスは、給電点Pにおけるインピーダンスと整合が取れるように調整されている。
図3に示すように、このアンテナ装置1は周波数430MHzでVSWRが1.05、VSWR=2.5における帯域幅が14.90MHzとなっている。
上記の構成からなるアンテナ装置1において、高周波回路から給電点Pに伝達されたアンテナ動作周波数を有する高周波信号は、導体パターン12より電波として送信される。また、アンテナ動作周波数と一致した周波数を有する電波は、導体パターン12において受信され、給電点Pから高周波信号として高周波回路に伝達される。
このとき、アンテナ装置1の入力インピーダンスと、給電点Pにおけるインピーダンスとの整合が取れるようなキャパシタンスを有するキャパシタ部6によって、電力ロスが低減された状態で電波の送受信が行われる。
これにより、例えば400MHz帯域のような比較的周波数の低い帯域においても実用的な無線機器の内蔵型アンテナ装置に適用することができる。
また、キャパシタ部6によって、給電点Pにおけるインピーダンスの整合が取れるので、給電点Pと高周波回路との間に整合回路を設ける必要がなくなり、整合回路による放射利得の低下が抑制されると共に効率的に電波が送受信される。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態におけるアンテナ装置1ではキャパシタ部6によって給電点Pに接続されていたが、第2の実施形態におけるアンテナ装置40では、給電点接続パターン41によって給電点Pに接続されると共に、設置導体13Bとインダクタ部5との間に集中定数素子として、チップインダクタ42が設けられている点である。
すなわち、アンテナ装置40は、ローディング部43が設置導体13Bと、ローディング部43及びインダクタ部5の接続点と給電点Pとを接続する給電点接続パターン41と、導体パターン13とインダクタ部5とを接続する接続導体44と、接続導体44に設けられたチップインダクタ42とを有している。
また、チップインダクタ42によって、ローディング部43の電気長を調整できるので、導体パターン12の長さを調整することなく容易に共振周波数を設定することができる。
また、給電点Pにおけるインピーダンスの整合が取れるので、整合回路による放射利得の低下が抑制されると共に効率的に電波が送受信される。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態におけるアンテナ装置1では、ローディング部4の導体パターン12が素体11の長手方向に巻回された螺旋形状であったが、第3の実施形態におけるアンテナ装置50は、ローディング部51の導体パターン52が素体11の表面に形成されたミアンダ形状となっている点である。
すなわち、素体11の表面にミアンダ形状を有する導体パターン52が形成されており、導体パターン52の両端がそれぞれ接続電極14A、14Bに接続されている。
第4の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態におけるアンテナ装置1では、キャパシタ部6がチップコンデンサ31を有しており、チップコンデンサ31によって給電点Pにおけるアンテナ装置1のインピーダンスの整合を取っていたが、第4実施形態におけるアンテナ装置60は、キャパシタ部61が素体11に形成されて互いに対向する一対の平面電極である第1及び第2平面電極62、63によって形成されたコンデンサ部64を有しており、コンデンサ部64によって給電点Pにおけるアンテナ装置60のインピーダンスの整合を取っている点である。
第1平面電極62は、例えば、レーザを照射してギャップGを形成するよってトリミングすることができるように構成されており、これによってコンデンサ部64のキャパシタンスを変更可能となっている。
また、第1平面電極62は、基板2の表面に設けられた矩形の設置導体13A、65A、65Bと電気的に接続するように、素体11の裏面に設けられた接続電極66Aに接続されている。
インダクタ部67は、チップインダクタ21が基板2の表面に設けられた線状の導電性パターンであるL字パターン22を介して設置導体65Bに接続されている。
また、第1平面電極62に対してレーザを照射してトリミングすることでコンデンサ部64のキャパシタンスを変更することが可能であるため、容易に給電点Pにおけるインピーダンスと整合を取ることできる。
第5の実施形態と第2の実施形態との異なる点は、第2の実施形態におけるアンテナ装置40では、導体パターン12の先端がランド13Aに接続された構成であるのに対し、第5の実施形態におけるアンテナ装置70では、ローディング部4の先端にミアンダパターン71が形成されている点である。
このミアンダパターン71は、その長軸が導体膜3と平行となるように配置されている。
実施例1として第1の実施形態に示すアンテナ装置1を製作した。このアンテナ装置1のローディング部4は、図9に示すように、アルミナで形成されて、長さL5が27mm、幅L6が3.0mm、厚さL7が1.6mmである直方体の素体11の表面に、導体パターン12として直径φが0.2mmの銅線を中心間隔W1が1.5mmとなるように巻回させて螺旋形状に形成したものである。
図12に示されるように、アンテナ装置1は、周波数430MHzでVSWRが1.233、VSWR=2.5における帯域幅が18.53MHzとなった。
また、図13に示されるように、アンテナ装置50は、周波数430MHzでVSWRが1.064、VSWR=2.5における帯域幅が16.62MHzとなった。
これらより、例えば400MHz帯域のような比較的周波数の低い領域であっても、アンテナ装置が小型化することができることを確認した。
これら実施例3及び比較例のアンテナ装置の周波数800〜950MHzにおけるVSWRの周波数特性を、図14(a)及び(b)にそれぞれ示す。また、実施例3及び比較例のアンテナ装置における垂直偏波の放射パターンを、図15(a)及び(b)にそれぞれ示す。
図14(a)及び図15(a)に示されるように、アンテナ装置70は、VSWR=2.0における帯域幅が38.24MHzとなり、垂直偏波の放射パターンにおいて利得の最大値が−2.43dBd、最小値が−4.11dBd、平均値が−3.45dBdとなった。
また、図14(b)及び図15(b)に示されるように、比較例のアンテナ装置は、VSWR=2.0における帯域幅が27.83MHzとなり、垂直偏波の放射パターンにおいて利得の最大値が−4.32dBd、最小値が−5.7dBd、平均値が−5.16dBdとなった。
これらより、ミアンダパターン71を設けることによって、アンテナ装置の広帯域化や、高利得化を図れることを確認した。
例えば、上記実施形態では、アンテナ動作周波数を430MHzとしたが、この周波数に限られることはなく、他のアンテナ動作周波数であってもよい。
また、導体パターンは、螺旋形状やミアンダ形状に限られることはなく、他の形状であってもよい。
2 基板
3 アース部(導電膜)
3A 端辺
4、43、51 ローディング部
5 インダクタ部
6 キャパシタ部
11 素体
12、52 導体パターン
42 チップインダクタ(集中定数素子)
62 第1平面電極
63 第2平面電極
61 コンデンサ部
71 ミアンダパターン
P 給電点
Claims (8)
- 基板と、
該基板上の一部に設けられた導体膜と、
前記基板上に設けられた給電点と、
前記基板上に設けられて誘電材料からなる素体の長手方向に形成された線状の導体パターンによって構成され、アンテナ動作周波数で自己共振しないローディング部と、
前記導体パターンの一端と前記導体膜とを接続し、前記アンテナ動作周波数を調整するインダクタ部と、
前記導体パターンの一端と前記インダクタ部との接続点に給電する給電点とを備え、
前記インダクタ部が、線状の導体パターン及びチップインダクタを有し、
前記ローディング部の長手方向が、前記導体膜の端辺と平行になるように配置したことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記ローディング部が、集中定数素子を備えていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記導体パターンの他端に、線状のミアンダパターンが接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
- 前記接続点と前記給電点との間にキャパシタ部が接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
- 前記キャパシタ部が、前記素体に形成されて互いに対向する一対の平面電極で構成されたコンデンサ部を有していることを特徴とする請求項4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
- 前記一対の平面電極の一方がトリミング可能に前記素体の表面に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
- 前記導体パターンが、前記素体の長手方向に巻回された螺旋形状であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
- 前記導体パターンが、前記素体の表面に形成されたミアンダ形状であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
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