JP2006050127A - チップアンテナ - Google Patents

チップアンテナ Download PDF

Info

Publication number
JP2006050127A
JP2006050127A JP2004226497A JP2004226497A JP2006050127A JP 2006050127 A JP2006050127 A JP 2006050127A JP 2004226497 A JP2004226497 A JP 2004226497A JP 2004226497 A JP2004226497 A JP 2004226497A JP 2006050127 A JP2006050127 A JP 2006050127A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
antenna conductor
conductor portions
chip
chip antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004226497A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Nakamura
浩一 中村
広実 ▲崎▼田
Hiromi Sakida
Yasuhiro Izumi
泰博 泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004226497A priority Critical patent/JP2006050127A/ja
Publication of JP2006050127A publication Critical patent/JP2006050127A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】本発明は、一つの面実装可能な基体からなる、非常に小型でありながら、送受信帯域を広帯域化したチップアンテナを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、基体2と、基体2の外部、もしくは内部、もしくは両方に設けられた複数のアンテナ導体部3と、複数のアンテナ導体部3の少なくとも一つに信号電流が給電される給電端子4を有するチップアンテナ1であって、複数のアンテナ導体部3の各々の電気長が相違する構成により、広帯域のチップアンテナ1が実現される。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体通信やパーソナルコンピュータなどの無線通信を行う電子機器等に好適に用いられるチップアンテナに関するものである。
近年、携帯電話などの携帯端末やノートブックパソコンなどにおいて、データ通信を行うことが増えている。このデータ通信に必要とされるデータ量、すなわち伝送レートは増加の一途をたどっており、伝送レート拡大に対応するため、無線通信に必要とされる送受信帯域が拡大する傾向にある。
このような要求にこたえるためには、アンテナの送受信帯域を広帯域化することが求められており、アンテナの先端部に負荷容量として共振周波数のピークをなだらかにして帯域を拡大することが行われていた(例えば特許文献1参照)。あるいは、一定の帯域を有する複数の狭帯域アンテナで各々受信した信号をそれぞれ復調した後に、復調されたデータをマージすることで結果的に広帯域を実現する(例えば特許文献2参照)ことが行われていた。
図16は従来の技術におけるチップアンテナの斜視図であり、アンテナ導体部の先端に負荷容量が接続されることで、広帯域化が実現されるものである。110はチップアンテナ、111はアンテナ導体部、112は給電端子、113は負荷容量である。
また、図17は従来の技術におけるアンテナを含む通信装置の構成図である。100は通信装置、101、102、103、104は狭帯域アンテナ、105、106、107、108は伝送路、109は送受信部である。狭帯域アンテナ101〜104は一定の帯域をもつアンテナであり、それぞれの共振周波数は少しずつ異なっている。例えば、狭帯域アンテナ101の共振周波数が500MHzで、狭帯域アンテナ102の共振周波数が510MHzで、狭帯域アンテナ103の共振周波数が520MHzで、狭帯域アンテナ104の共振周波数が530MHzであり、それぞれの送受信帯域が10MHzであるとする。ついで、各狭帯域アンテナ101〜104で受信した信号は、伝送路105〜108を通じて送受信部109に伝達される。伝達された信号は送受信部109で各々個別に検波、復調されて、最終的に復調されたデータが結合されて再生に用いられるデータとされる。このような処理により結果的に500MHzから530MHzにいたる帯域に変調された、広帯域のデータを受信、復調することができる。送信においても同様である。
特開2000−124812号公報 特開2003−101342号公報
しかしながら、従来のチップアンテナにおいて、図16に表されるように負荷容量113を利用したものでは、その帯域幅の拡大には限界があった。また、際限なく負荷容量113を大きくした場合には、チップアンテナ110が非常に非現実的な大きさとなってしまい、小型化が要求される電子機器には組み込むことができない問題があった。
また、実装領域などの関係により、負荷容量113の形状や大きさには制約が多く、十分な広帯域化を実現するためには実装領域の不必要な拡大や、筺体形状の変更などの問題があった。
あるいは、図17のように狭帯域アンテナを複数用いて、個別に受信し復調した後にデータを結合させるアンテナ装置では、伝送路、検波、復調などの回路をアンテナの個数だけ設ける必要があり、アンテナ装置の大型化、通信装置の大型化やコスト高を招く問題があった。また、複数の狭帯域アンテナで受信、復調したデータを結合させることで結果として広帯域化を図る方式では、データの結合時にデータ順の整合処理が必要であったり、送信側であらかじめデータ結合に合致した処理を施しておく必要があったりするなどの問題もあった。このような方式では、広帯域受信のためにアンテナだけでは対応できず、受信装置、送信装置のいずれにも対応が必要であるという問題があった。
本発明は、小型化を実現しつつ広帯域の送受信が可能となるチップアンテナを供給することを目的とする。
本発明は、基体と、基体の外部、もしくは内部、もしくは両方に設けられた複数のアンテナ導体部と、複数のアンテナ導体部の少なくとも一つに信号電流が給電される給電端子を有するチップアンテナであって、複数のアンテナ導体部の各々の電気長が相違する構成とする。
本発明では、複数のアンテナ導体部のうちの少なくとも一つに信号電流が給電され、信号電流が給電されたアンテナ導体部が発生する電磁波により、他の近接して実装されたアンテナ導体部が共振する。このとき、各々のアンテナ導体部の電気長が異なることで、各アンテナ導体部での共振周波数が近接しつつ相違するため、周波数特性において近接する共振点がなだらかにつながり、結果的に広帯域化が実現される。
このとき、従来のように非常に大きな負荷容量を必要としないため、チップアンテナの小型化が実現されるものである。
更に、従来のように、複数のアンテナとこれにそれぞれ接続された復調回路などが不要となるため、装置全体の小型化が実現される。
何よりも、非常に簡易な構成であり、実装が容易なチップアンテナであって、少なくとも一つの素子で近接しつつ相違する複数の共振を実現することで、容易に広帯域化が実現され、広帯域かつ小型で実装容易なチップアンテナの実現が可能となる大きな効果を有する。
以上より、このようなチップアンテナが実装された電子機器においては、広帯域受信が可能となり、大量のデータ通信などに最適となる。
本発明の請求項1に記載の発明は、基体と、基体の外部、もしくは内部、もしくは両方に設けられた複数のアンテナ導体部と、複数のアンテナ導体部の少なくとも一つに信号電流が給電される給電端子を有するチップアンテナであって、複数のアンテナ導体部の各々の電気長が相違することを特徴とするチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項2に記載の発明は、複数のアンテナ導体部が、導電性材料で形成されたパターン導体であることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項3に記載の発明は、複数のアンテナ導体部が、導電性材料で形成された導電膜であることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項4に記載の発明は、複数のアンテナ導体部が、基体表面に貼り付け、もしくは埋め込み、もしくは基体内部に積層、もしくは挿入されている立体導電体であることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項5に記載の発明は、複数のアンテナ導体部が、基体表面上を覆う導電膜に形成されたトリミング溝により形成されたトリミング導電体であることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナであって、精度の高いチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項6に記載の発明は、複数のアンテナ導体部が、線状、もしくは平面状、もしくは棒状、もしくはメアンダ状、もしくはスパイラル状、もしくはくし型状、もしくは波形状、もしくは屈曲状、もしくは立体状の形状を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項7に記載の発明は、複数のアンテナ導体部が全て電気長の異なる同一形状を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載のチップアンテナであって、アンテナ導体部の設計を容易とすることができる。
本発明の請求項8に記載の発明は、複数のアンテナ導体部が、線状、もしくは平面状、もしくは棒状、もしくはメアンダ状、もしくはスパイラル状、もしくはくし型状、もしくは波型状、もしくは屈曲状、もしくは立体状の形状の内、少なくとも2以上の種類の形状を含むことを特徴とする請求項1〜6いずれか1に記載のチップアンテナであって、アンテナのバリエーションを高めることができる。
本発明の請求項9に記載の発明は、複数のアンテナ導体部が全てパターン導体、もしくは全てが導電膜である、もしくは全てが立体導電体である、もしくは全てがトリミング導電体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載のチップアンテナであって、精度の高いアンテナを実現することができる。
本発明の請求項10に記載の発明は、複数のアンテナ導体部が、パターン導体、もしくは導電膜、もしくは立体導体、もしくはトリミング導体のうち、少なくとも2以上の種類を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項11に記載の発明は、複数のアンテナ導体部が相互に近接することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項12に記載の発明は、複数のアンテナ導体部の近接は、相互に共振可能である距離をもって近接していることを特徴とする請求項11に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項13に記載の発明は、複数のアンテナ導体部の近接は、相互に漏れ電流が発生する距離に収まることを特徴とする請求項11に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項14に記載の発明は、複数のアンテナ導体部の電気長による共振周波数が近接していることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項15に記載の発明は、複数のアンテナ導体部の共振周波数の相違が1MHz以上100MHz以下であることを特徴とする請求項14に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項16に記載の発明は、複数のアンテナ導体部の電気長が相違することで、各アンテナ導体部の有する共振周波数が相違することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項17に記載の発明は、複数のアンテナ導体部の少なくとも一部が、パターン導体、もしくは導電膜、もしくは立体導電体、もしくはトリミング導電体のいずれかであり、その長さ、もしくは幅、もしくは厚さを異ならせて電気長を相違させたことを特徴とする請求項1〜16いずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項18に記載の発明は、複数のアンテナ導体部の少なくとも一部にトリミング導電体が用いられ、トリミング溝の幅、もしくは深さ、もしくは長さを変えることで、複数のアンテナの各々の電気長を相違させたことを特徴とする請求項1〜16いずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項19に記載の発明は、複数のアンテナ導体部において、各アンテナ導体部を、線状、もしくは平面状、もしくは棒状、もしくはメアンダ状、もしくはスパイラル状、もしくはくし型状、もしくは波型状、もしくは屈曲状、もしくは立体状の形状のいずれかを使い分けることで、各アンテナ導体部の電気長を異ならせたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項20に記載の発明は、基体が柱状であり、複数のアンテナ導体部が、基体の相違する面に形成されていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項21に記載の発明は、近接して形成された複数のアンテナ導体部において、最も近接するアンテナ導体部の電気長の相違量が、基体に設けられた複数のアンテナ導体部の電気長の相違量の中で最小であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項22に記載の発明は、近接して形成された複数のアンテナ導体部において、最も離れたアンテナ導体部の電気長の相違量が、基体に設けられた複数のアンテナ導体部の電気長の相違量の中で最大であることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項23に記載の発明は、基体において、複数のアンテナ導体部の内、最も電気長の長いアンテナ導体部と、最も電気長の短いアンテナ導体部が最も離れた位置に配置されることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項24に記載の発明は、給電端子が、複数のアンテナ導体部において、各々相違する複数の共振周波数の中位となる周波数を有するアンテナ導体部に接続されることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項25に記載の発明は、給電端子が、複数のアンテナ導体部のうち、中位の電気長を有するアンテナ導体部に接続されることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項26に記載の発明は、給電端子が、基体に形成されていることを特徴とする請求項1〜25のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項27に記載の発明は、基体が誘電体から形成されていることを特徴とする請求項1〜26のいずれか1に記載のチップアンテナであって、容易に広帯域のチップアンテナを実現できる。
本発明の請求項28に記載の発明は、基体において、少なくともアンテナ導体部に保護膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜27いずれか1に記載のチップアンテナであって、耐久性を向上させることができる。
以下、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図12は、本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図であり、図13、図14は本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの周波数特性図である。
1はチップアンテナ、2は基体、3はアンテナ導体部、4は給電端子、5はパターン導体、6は導電膜、7は立体導電体、8はトリミング導電体、9はメアンダ状アンテナ導体部、10は波状アンテナ導体部、11は屈曲状アンテナ導電体、20は保護膜である。
最初に各部の詳細について説明する。
まず、基体2について説明する。
基体2はチップアンテナ1の基礎となる部分であり、基体2にアンテナ導体部3などが形成されることで、実装基板などへの実装が可能となるチップアンテナ1が実現される。
基体2はアルミナもしくはアルミナを主成分とするセラミック材料等の絶縁体もしくは誘電体などをプレス加工,押し出し法等を施して形成される。なお、基体2の構成材料としては、フォルステライト、チタン酸マグネシウム系、チタン酸カルシウム系、ジルコニア・スズ・チタン系、チタン酸バリウム系、鉛・カルシウム・チタン系などのセラミック材料を用いてもよく、エポキシ樹脂などの樹脂材料を用いても良い。実施の形態1では、強度や絶縁性或いは加工の容易性の面からアルミナもしくはアルミナを主成分としたセラミック材料が用いられている。
また、アンテナ導体部3として、トリミング導電体8が用いられる場合には、基体2表面には、銅,銀,金,ニッケル等の導電材料で構成された導電膜が単層乃至複数積層され
、導電性を有する導電膜が形成される。導電膜はめっき、蒸着、スパッタ、ペーストなどにより形成され、スパッタが用いられることで、耐落下性能が高まるメリットがある。
次に、給電端子4について説明する。
給電端子4は基体2に設けられており、複数のアンテナ導体部3のいずれか少なくとも一つに接続されて、信号電流の給電、および受信電流の伝達を行う。給電端子4は、接続されるアンテナ導体部3と一体で形成されてもよく、別体で形成された後、接続されてもよい。また、同じ導電材料をもって形成されてもよく、別の導電材料をもって形成されてもよい。例えば、銅、アルミ、銀、すず、鉛、亜鉛、金、白金、パラジウム、ニッケルなどの導電性材料により、膜形成、ペースト形成、めっき、蒸着、スパッタなどの形成方法により形成されればよいものである。
また、給電端子4は基体2の側面のいずれかに形成され、実装時には半田盛りと接続される形態でもよく、基体2の底面にまで達することで、実装基板上の半田ランドなどを用いて容易に面実装可能とすることもよい。
更に、給電端子4は、複数のアンテナ導体部3のいずれか少なくとも一つに接続されていれば良いが、図11に示されるように、全てのアンテナ導体部3に接続されて、複数のアンテナ導体部3に共通給電してもよい。共通給電される場合には、後で述べるように、各アンテナ導体部3の全てに信号電流が給電されて、電気長の異なる複数のアンテナ導体部3が異なる共振周波数で動作して、給電端子4を通じて、それぞれの共振周波数で受信した信号が受信されることになる。あるいは、複数のアンテナ導体部3のいずれかに接続された場合であっても、アンテナ導体部3同士での共振の結果、漏れ電流が給電端子4、もしくは給電端子4が接続されたアンテナ導体部3に到達して、結果として全てのアンテナ導体部3での信号を受信することができる。このため、給電端子4は、複数のアンテナ導体部3の少なくともいずれかに接続されていればよく、全てに接続されてもよいものである。
また、給電端子4は、アンテナ導体部3が、基体2の表面、あるいは内部のいずれに形成された場合であっても、そのアンテナ導体部3の少なくともいずれかに接続されて、基体2表面に引き出されて、基体2の側面、もしくは底面などに形成されて、実装基板などに実装されるようにされることが好ましいものである。
次に、アンテナ導体部3について説明する。
アンテナ導体部3は、基体2上、もしくは基体2内部のいずれか、もしくは両方に複数設けられ、それぞれの電気長が異なるものである。
複数のアンテナ導体部3は、基体2の表面に設けられてもよく、内部に設けられてもよく、その両方に混合して設けられてもよく、基体2の表面に設けられる場合には、基体2の任意の一面のみに設けられてもよく、あるいは異なる面に形成されてもよい。
電気長が異なるとは、アンテナ導体部3が導電体で形成される場合に、その長さ、あるいは幅、あるいは面積、あるいは厚み、あるいは体積、あるいは材料の相違、あるいは面積や体積などを変化させるパラメーターなどを相違させることで、物理的ではなく、電気的な長さにおいて相違するものである。ここで、電気長が異なることで、各アンテナ導体部3がアンテナとして働く長さが相違することになり、結果として各アンテナ導体部3での共振周波数が相違する。即ち、アンテナ導体部3が、その電気長を相違させて複数形成されることで、異なる共振周波数を有するアンテナ導体部3が、一つの基体2に形成され
ることとなる。即ち、一つの基体2からなるチップアンテナ1においては、複数の共振周波数が含まれることになる。
ここで、アンテナ導体部3は、種々の形態で形成される。これらについて説明する。
一つの形態として、基体2上に導電性材料によるパターンで形成されたパターン導体5によりアンテナ導体部3が実現される。導電性材料としては、給電端子4で用いられたのと同様に、銅、アルミ、銀、すず、鉛、亜鉛、金、白金、パラジウム、ニッケルなどの導電性材料により、膜形成、ペースト形成、めっき、蒸着、スパッタ、あるいは印刷などの形成方法により形成されればよいものである。パターン導体5により実現されることで、基体2表面の凹凸を少なくすることができ、また事後のトリミングなどによる電気長の調整なども可能となるメリットがある。また、比較的容易に形成することが可能である。
パターン導体5が用いられる場合には、これを線状、平面状などの種々の形状にしておき、その長さ、幅、面積を変化させる、あるいは導電性材料を変えることなどにより、電気長を変化させて、共振周波数を相違させることが可能である。
次に別の形態としては、図3に示されるように基体2表面に設けられた導電膜6により、アンテナ導体部3が形成されてもよい。導電膜6は、パターン導体5と同様に銅、アルミ、銀、すず、鉛、亜鉛、金、白金、パラジウム、ニッケルなどの導電性材料により形成されればよい。導電膜6を線状や平面状などに形成し、その面積や長さなどを変化させることで、各々の電気長を相違させればよい。あるいは、形状を線状、平面状、屈曲状、メアンダ状、スパイラル状、くし型状、波形状などの種々のものとすることで、電気長を相違させることも好適である。
次に別の形態として、図4に示されるように、基体2の表面や内部に設けられた立体導電体7によりアンテナ導体部3が形成されてもよい。例えば棒状、あるいは線状の金属線を、基体2の表面や内部に配置することで実現されてもよく、金属板などを基体2の表面に貼り付けたり、内部に挿入したりして、実現されてもよい。
立体導電体7が用いられることで、電気長を決定するパラメーターとして厚みを使うことができるので、共振周波数を相違させるのを容易にすることができるメリットがある。また、立体導電体7であることで、アンテナ導体部3の強度を確保することができるメリットがある。
次に、更なる別形態として、図5に示されるように、トリミング導電体8を用いることも好適である。トリミング導電体8は、基体2の表面にアルミ、銀、すず、鉛、亜鉛、金、白金、パラジウム、ニッケルなどの導電性材料を用いて、めっき、蒸着、スパッタ、塗布などにより導電膜を形成し、この導電膜の余分な部分をレーザーや砥石などで削り取るトリミングにより、残った部分(即ち導電膜が残っている部分)をアンテナ導体部3とすること(同時に、給電端子4とすることも好適である)ができる。
このようなトリミング導電体8により、アンテナ導体部3を実現することにより、非常に精度の高いアンテナ導体部3を形成できるメリットがある。即ち、その長さや幅、あるいは面積などを精度よく形成することができるため、所望の共振周波数を得ることが容易となる。特に、レーザーによるトリミングにより、形状や長さをμ単位で微調整することが可能となり、精度の高いアンテナ導体部3を得ることができるようになる。
複数のアンテナ導体部3を設ける場合には、それぞれの電気長を相違させて共振周波数を相違させるが、このとき、共振周波数は近接して相違させる必要があるため、微調整が
可能であるトリミング導電体8を用いることは、非常に効率的な方式である。
また、アンテナ導体部3は、その形状を種々のものにすることで、電気長の相違を実現し、あるいは、大きさの定まっている基体2にアンテナ導体部8を収める事を可能とする。
波状アンテナ導体部10やメアンダ状アンテナ導体部9、あるいは屈曲状アンテナ導体部11などにより、限られた基体2の表面や内部において、必要となる電気長を確保したアンテナ導体部3を形成することができる。
なお、図6においては、メアンダ状アンテナ導体部9、波状アンテナ導体部10、屈曲状アンテナ導体部11がそれぞれ基体2の異なる面に形成されているが、同一面に形成されてもよく、あるいは、一部が同一面に形成されて、残りが他の面に形成されてもよいものである。あるいは、複数の面に渡ってアンテナ導体部3が形成されてもよいものである。
あるいは、図7に示されるように基体2内部に形成されてもよいものである。もちろん、基体2の内部から表面につながって形成されてもよいものであり、複数のアンテナ導体部3の一部が基体2表面に形成され、残りが内部に形成される混合形成状態であってもよいものである。
以上のように、種々の形態や形状により、基体2の表面、あるいは内部、あるいは両方に複数のアンテナ導体部3が形成され、これら複数のアンテナ導体部3の電気長を相違させることで、各々のアンテナ導体部3での共振周波数を相違させることが可能となる。
以上より、一つの素子となる基体2において、複数の異なる共振周波数を有するアンテナ導体部3を形成することが可能となるものであり、後で述べるように広帯域化が実現されるものである。
次に、保護膜20について説明する。
保護膜20は、少なくとも基体2表面に設けられたアンテナ導体部3を覆うように形成される。
保護膜20が設けられることで、基体2やアンテナ導体部3への、外部からの損傷などを防止することができ、耐湿性なども向上するものである。あるいは、運搬時や実装時の衝撃や熱から守ることが可能となる。保護膜20としては、チューブ状の保護膜や、ペースト状の保護膜、あるいは電着膜などが用いられる。
保護膜20としては、エポキシ樹脂などの樹脂材料が用いられ、基体2の誘電率とのバランスで、アンテナ導体部3の有する電気長への影響が無い材料が用いられる。また、保護膜20は少なくともアンテナ導体部3を覆うように形成されればよく、アンテナ導体部3が少なくとも保護されればよいものである。また、アンテナ導体部3が立体導電体7やトリミング導電体8などのように、アンテナ導体部3の表面だけでなく、その側面なども保護することも好ましい。
チューブ状保護膜は、チューブ形状をした保護膜を基体2周囲に装着し、熱を加えて圧着させて実現される。チューブ状保護膜は基体2を覆うように形成されるため、アンテナ導電体3の側面などへの張り付を防止でき、アンテナ導体部3の有する電気長を、保護膜20のもつ誘電率により変動させるなどの影響を低減できる。このため、チューブ状保護
膜を設けることによるアンテナ特性の変動が生じることはない。好ましくはチューブ状保護膜としては樹脂製でしかも熱収縮性のあるものを選ぶことが好ましい。これは、基体2にチューブ状保護膜を被せ、熱処理することでチューブが収縮し、確実にチューブ状保護膜を基体2上に形成することができるからである。
また、保護膜20と基体2、あるいは給電端子4との色を異ならせることで自動実装時の画像認識が容易となるなどのメリットがある。
次に、チップアンテナ1において、広帯域化が実現されるメカニズムについて説明する。
異なる電気長を有することで共振周波数が異なる複数のアンテナ導体部においては、これら複数のアンテナ導体部3のうちのいずれかに給電端子4が接続される。給電端子4が接続され、信号電流が給電されるアンテナ導体部3は自己発振し、電磁波を放射する。この電磁波の放射を受けて、近接して配置されている他のアンテナ導体部3は(給電端子4が接続されていない場合であっても)共振により発振し、全てのアンテナ導体部3が、その電気長に応じた共振周波数で動作する。
このとき、複数のアンテナ導体部3相互に漏れ電流が生じ、給電端子4の接続されていないアンテナ導体部3での信号が、給電端子4もしくは給電端子4が接続されているアンテナ導体部3に伝達され、全てのアンテナ導体部3における共振周波数での受信信号が、給電端子4を介して受信される。
この給電端子4が接続されていない他のアンテナ導体部3への共振の発生のためには、複数のアンテナ導体部3が相互に近接している必要がある。近接していることで、給電端子4に接続されて自己発振するアンテナ導体部3からの電磁波を受けて、共振が発生するからである。
更に、この複数のアンテナ導体部3同士の近接は、漏れ電流が発生する距離に収まることが好ましい。漏れ電流が発生することで、相互共振により発振した給電端子4に非接続のアンテナ導体部3での受信信号が給電端子4に伝達されて、全てのアンテナ導体部3で受信した信号が受信されることとなって、異なる共振周波数を有する信号の全てが受信されて、広帯域化が実現されるものである。
例えば、欧州で幅広く使われている携帯電話の規格である「GSM」では1.8GHzと1.9GHzの両方の帯域が用いられるが、これのためにアンテナを二つ設けるよりも、本発明のチップアンテナ1であれば、広帯域化により100MHz以上の帯域を実現することができるため、1.8GHzと1.9GHzとの両方を送受信することが可能となる。
なお、広帯域化が実現されるためには異なる共振周波数を有する複数のアンテナ導体部3が必要であるため、アンテナ導体部3において説明したように、基体2に形成された複数のアンテナ導体部3の電気長は、それぞれ異なっておく必要がある。同じ電気長であれば、共振周波数が同じであり、同じ周波数値に極を持つ周波数特性となってしまい、目的とする広帯域化が実現できないからである。
電気長の相違は、アンテナ導体部3において、その形状や形態が異なることで実現される。
以上の結果、複数の共振周波数の極がなだらかにつながった周波数特性を生じ、広帯域
化が実現される。
即ち、中心となる共振周波数の前後に、更に別の共振周波数の極が発生して、これらがつながり、結果として帯域が広がった周波数特性を生じさせることができる。即ち、広帯域化が実現されるものである。
図13にこの広帯域化が実現された、チップアンテナ1の周波数特性が表されている。図13に表されるように、中心となる共振周波数f1の前後に、近接する共振周波数f2、f3、f4、f5が極として発生し、これらがなだらかにつながった周波数特性を示している。
結果として、チップアンテナ1全体としての周波数帯域fΔは、共振周波数がf1のみである場合よりも(アンテナ導体部3が単一の場合よりも)拡大され、広帯域化が実現されていることがわかる。
なお、図13では極となる共振周波数が、f1〜f5の5つある場合、即ちアンテナ導体部3が基体2に5つ形成されているチップアンテナ1の周波数特性が表されているが、図1などに表されているように、アンテナ導体部3が3つの場合には、極となる共振周波数が3つ存在する周波数特性を生じさせる。
なお、複数のアンテナ導体部3の電気長の相違、即ち共振周波数の相違は近接していることが好ましい。各々の共振周波数の相違が余りに大きいと図13に表されるような周波数特性において、極同士があまりにも離れすぎるため、極と極との間の利得の落ち込みが大きくなりすぎて、利得が不十分となってしまい、結果として不十分な性能のチップアンテナ1となってしまうためである。図14に示される周波数特性のようになってしまい、帯域fΔは広がっているが、極間の利得の落ち込みが激しくなってしまい、性能として不十分であることがわかる。
これらより、基体2に設けられた複数のアンテナ導体部3は相互共振でき、漏れ電流が発生する程度の近接距離内に収まって配置されていることが好ましく、更に、共振周波数の相違(即ち電気長の相違)も、一定の周波数に収まっていることが好ましい。具体的には1MHz以上100MHz以下の範囲に収まる程度が好ましい。これにより、極間での利得の落ち込みを低減し、利得的にも充分でありながら、広帯域のチップアンテナ1を実現することができる。
このように、一つの基体2に複数のアンテナ導体部3が設けられ、これらの内の少なくとも一つに給電端子4が接続された簡易な構造であっても、複数のアンテナ導体部3の電気長をそれぞれ相違させ、更に相互に近接させて配置することで、図13に示されるような周波数特性を示す、広帯域のチップアンテナ1が実現されるものである。
なお、基体2に複数のアンテナ導体部3を設けた場合に、その数を多くすればするほど共振周波数の極が多くなって、より帯域を広げることが可能となるが、あまりに極を多くしすぎると全体として利得低下が大きくなってしまったり、アンテナ導体部3において最大間隔が大きくなってしまい、相互共振や漏れ電流を利用した受信が困難となる。このため、一定の数以下にしておくことが好ましい。あるいは、非常に多数のアンテナ導体部3を形成する場合には、一定間隔置きにアンテナ導体部3に対して給電端子4を接続するなども好適である。
次に、このような広帯域のチップアンテナ1を実現する場合に、基体2におけるアンテナ導体部3の配置について説明する。
アンテナ導体部3は、相互共振と漏れ電流の発生を生じさせるために、相互に近接して配置されることが好ましいが、周波数特性上から給電端子4に接続されるアンテナ導体部3が、複数のアンテナ導体部3の中での中央周波数となることが好ましい。
即ち、図13においては、中位となる周波数であるf1が中央周波数であり、これの前後に他の共振周波数の極が広がる形態が好ましい。f1が最も利得が高く、他の共振周波数の極がなだらかにつながることが、広帯域の面でも利得の面でも好ましいからである。
このため、中位となる周波数f1の利得をもっとも高くするためには、この共振周波数f1を有するアンテナ導体部3に給電端子4を接続することが好ましい。即ち、相違する電気長をもつ複数のアンテナ導体部3において、その電気長が中位の長さを有するアンテナ導体部3に給電端子4を接続することが好ましい。
また、共振周波数f1に順々に近い共振周波数が接続されていくことで、広帯域化が実現されるものであるから、f1を有して給電端子4に接続されているアンテナ導体部3と隣接するアンテナ導体部3は、共振周波数が他のアンテナ導体部3の共振周波数よりも近接した状態であることが好ましい。即ち電気長の相違するアンテナ導体部3の配置において、隣接するアンテナ導体部3の電気長の相違量は最小であり、最も離れた位置に配置されるアンテナ導体部3の電気長の相違量は最大であることが好ましい。このように配置することで、給電端子4を基準にして、中位となる周波数f1の前後にf2やf3の周波数がなだらかにつながることになって、図13に示されるように広帯域化が実現されたチップアンテナ1の周波数特性を得ることができる。
即ち、基体2において給電端子4に、中位の電気長を有するアンテナ導体部3を接続して配置し、これを中央として、その左右(あるいは上下など周囲に)電気長の相違量の小さい順に並べて配置することが、最適な形態となる。例えば、基体2の上面の一方の端から線状のパターン導体によるアンテナ導体部3を並べ、この並べ方を電気長の短いアンテナ導体部3から、順々に電気長の長いアンテナ導体部3へと並べる。更に、これら並べられたアンテナ導体部3の中で中央部分に位置するアンテナ導体部3に給電端子4を接続することで、最適な共振周波数分布が実現される。
これにより、最適な周波数特性を得ることができる(即ち、利得の減少を最小にしたうえで、広帯域化を実現する)チップアンテナ1が実現される。
なお、これ以外の配置であってもよく、同様に広帯域化が実現されるのはもちろんであり、アンテナ導体部3同士を、基体2の面上だけではなく、内部と表面、あるいは異なる面上に形成することで、最適なアンテナ導体部3の配置を実現することも好適である。
また、アンテナ導体部3の全てに給電端子4を接続して共通給電状態として、図13に示されるような周波数特性を得て、広帯域化を実現することも好適である。この場合には、アンテナ導体部3の配置において、漏れ電流などを考慮する必要が無くなり、基体2において自由に配置することが可能となって、広帯域化を実現することができる。但し、共通給電ではなく、漏れ電流を利用する場合には、消費電力が少なくて済むというメリットがある。
以上のように、基体2に複数のアンテナ導体部3を形成し、アンテナ導体部3の形状や形態などを相違させて電気長、即ち共振周波数を相違させ、相互共振と漏れ電流により、全てのアンテナ導体部3を動作させることで、図13に示されるような周波数特性を得ることができて、容易に広帯域化が実現されるものである。
また、このチップアンテナ1は、基本単位として一つの基体2から形成されているので、実装素子として容易に実用でき、特に面実装も可能であって、様々な電子機器への応用が容易に実現されるメリットがある。また、何よりも小型のチップアンテナ1とすることができるものである。
これにより、従来のように複数のアンテナとこれに対応する復調回路などを設けることが不要となって、電子機器の小型化に貢献でき、大量のデータ通信を実現するための広帯域の実装可能なチップアンテナが実現されるものである。
更に、チップアンテナ1は基体2から形成されているので、面実装が可能で、電子基板に直接実装することが可能となる。このため、基板実装が必要な内蔵型アンテナなどに最適であり、自動実装機を用いた実装も可能となるため、製造工程も簡略化でき、機器の低コスト化を実現することもできるものである。
(実施の形態2)
実施の形態2においては、チップアンテナ1を用いた電子機器について説明する。
図15は本発明の実施の形態2における受信装置の構成図である。40は受信装置、41はチップアンテナ、42は周波数弁別器、43は検波部、44はデータ復調部、45は誤り検出部である。なお、誤り検出部45が誤り訂正まで行う誤り訂正部に置き換わってもよい。また、チップアンテナ41は、実施の形態1で説明したチップアンテナ1と同等のものである。
まず、受信装置40の動作について説明する。
チップアンテナ41において、電波信号が受信され、受信された信号は周波数弁別器42に伝送される。このとき、チップアンテナ41では、実施の形態1で説明したとおり広帯域受信が実現されているので、高伝送レートなどの非常に広い帯域に渡ってデータ通信がなされる場合に適切である。このような広帯域受信が可能なチップアンテナ41により、必要な帯域のすべてを受信することができ、受信した信号を一括して検波、復調することができるため、余分な回路構成が不要で、復調データの再構築などの処理手順が不要となるメリットがある。
周波数弁別器42では、受信したい周波数の信号が取り出される。周波数弁別器42からの信号は検波部43に伝送される。検波部43では同期検波や遅延検波などにより、搬送波から必要な信号波形が抽出される。検波部43で抽出された信号はデータ復調部44に伝送され、変調されていたデータが復調される。例えば位相変調されていたデジタルデータが、直交平面でのデマッピングにより元のデジタルデータに復調される。あるいは周波数変調されていたデジタルデータが、変調周波数の違いから、2値の信号である「1」、「0」として復調される。データ復調部44で復調されたデータについては、必要に応じて誤り検出部45で誤り検出がなされる。例えば、巡回符号検査(以下、「CRC」という)やパリティ符号などにより誤り検出がなされる。具体的には、送信側で付されるパリティ符号と、実際に復調されたデータの偶数パリティや奇数パリティなどとの一致を検出する。あるいは、復調されたデータについて生成多項式で除算して、剰余を確認することで検出される。誤りが検出された場合には、データの再送を要求するなどの処理が行われる。
あるいは、ビタビ復号やリードソロモン復号により誤り訂正を行うこともよい。この場合には、検出された誤りを訂正することも可能なので、データの再送要求などが不要とな
り、受信性能が高まる結果となる。
なお、必要に応じてチップアンテナ41の後段に低ノイズの増幅器を実装したり、ダウンコンバージョン部を実装したりすることも好適である。非常に高周波の無線通信の場合には、検波やデータ復調を行う際に、高周波では困難な場合もあるので、ダウンコンバージョンにより、一旦中間周波数に周波数を低減させることが適切な場合があるからである。
以上のような受信装置40により、広帯域を必要とする高伝送レートのデータ通信での受信を、少ない回路構成で実現することが可能となる。
また、実施の形態1で説明したとおり、チップアンテナ41は小型でありながら広帯域を実現しているため、受信装置40の小型化を阻害することなく大量のデータ伝送処理が実現できる。
更に、チップアンテナ41は面実装が容易なアンテナであるため、装置内部への組み込みや実装が容易に実現でき、受信装置の製造工程も簡略化できる結果、低コストも実現できるものである。
本発明は、基体と、基体の外部、もしくは内部、もしくは両方に設けられた複数のアンテナ導体部と、複数のアンテナ導体部の少なくとも一つに信号電流が給電される給電端子を有するチップアンテナであって、複数のアンテナ導体部の各々の電気長が相違する構成により、広帯域化を実現することができ、広帯域を必要とする高伝送レートの通信を実現することが必要な用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの斜視図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの周波数特性図 本発明の実施の形態1におけるチップアンテナの周波数特性図 本発明の実施の形態2における受信装置の構成図 従来の技術におけるチップアンテナの斜視図 従来の技術におけるアンテナを含む通信装置の構成図
符号の説明
1 チップアンテナ
2 基体
3 アンテナ導体部
4 給電端子
5 パターン導体
6 導電膜
7 立体導電体
8 トリミング導電体
9 メアンダ状アンテナ導体部
10 波状アンテナ導体部
11 屈曲状アンテナ導体部
20 保護膜
40 受信装置
41 チップアンテナ
42 周波数弁別器
43 検波部
44 データ復調部
45 誤り検出部
100 通信装置
101、102、103、104 狭帯域アンテナ
105、106、107、108 伝送路
109 送受信部
110 チップアンテナ
111 アンテナ導体部
112 給電端子
113 負荷容量

Claims (28)

  1. 基体と、
    前記基体の外部、もしくは内部、もしくは両方に設けられた複数のアンテナ導体部と、
    前記複数のアンテナ導体部の少なくとも一つに信号電流が給電される給電端子を有するチップアンテナであって、
    前記複数のアンテナ導体部の各々の電気長が相違することを特徴とするチップアンテナ。
  2. 前記複数のアンテナ導体部が、導電性材料で形成されたパターン導体であることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナ。
  3. 前記複数のアンテナ導体部が、導電性材料で形成された導電膜であることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナ。
  4. 前記複数のアンテナ導体部が、前記基体表面に貼り付け、もしくは埋め込み、もしくは前記基体内部に積層、もしくは挿入されている立体導電体であることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナ。
  5. 前記複数のアンテナ導体部が、前記基体表面上を覆う導電膜に形成されたトリミング溝により形成されたトリミング導電体であることを特徴とする請求項1に記載のチップアンテナ。
  6. 前記複数のアンテナ導体部が、線状、もしくは平面状、もしくは棒状、もしくはメアンダ状、もしくはスパイラル状、もしくはくし型状、もしくは波形状、もしくは屈曲状、もしくは立体状の形状を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  7. 前記複数のアンテナ導体部が全て電気長の異なる同一形状を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  8. 前記複数のアンテナ導体部が、線状、もしくは平面状、もしくは棒状、もしくはメアンダ状、もしくはスパイラル状、もしくはくし型状、もしくは波型状、もしくは屈曲状、もしくは立体状の形状の内、少なくとも2以上の種類の形状を含むことを特徴とする請求項1〜6いずれか1に記載のチップアンテナ。
  9. 前記複数のアンテナ導体部が全てパターン導体、もしくは全てが導電膜である、もしくは全てが立体導電体である、もしくは全てがトリミング導電体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  10. 前記複数のアンテナ導体部が、パターン導体、もしくは導電膜、もしくは立体導体、もしくはトリミング導体のうち、少なくとも2以上の種類を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  11. 前記複数のアンテナ導体部が相互に近接することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  12. 前記複数のアンテナ導体部の近接は、相互に共振可能である距離をもって近接していることを特徴とする請求項11に記載のチップアンテナ。
  13. 前記複数のアンテナ導体部の近接は、相互に漏れ電流が発生する距離に収まることを特徴
    とする請求項11に記載のチップアンテナ。
  14. 前記複数のアンテナ導体部の電気長による共振周波数が近接していることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  15. 前記複数のアンテナ導体部の共振周波数の相違が1MHz以上100MHz以下であることを特徴とする請求項14に記載のチップアンテナ。
  16. 前記複数のアンテナ導体部の電気長が相違することで、各アンテナ導体部の有する共振周波数が相違することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  17. 前記複数のアンテナ導体部の少なくとも一部が、パターン導体、もしくは導電膜、もしくは立体導電体、もしくはトリミング導電体のいずれかであり、その長さ、もしくは幅、もしくは厚さを異ならせて電気長を相違させたことを特徴とする請求項1〜16いずれか1に記載のチップアンテナ。
  18. 前記複数のアンテナ導体部の少なくとも一部にトリミング導電体が用いられ、前記トリミング溝の幅、もしくは深さ、もしくは長さを変えることで、前記複数のアンテナの各々の電気長を相違させたことを特徴とする請求項1〜16いずれか1に記載のチップアンテナ。
  19. 前記複数のアンテナ導体部において、各アンテナ導体部を、線状、もしくは平面状、もしくは棒状、もしくはメアンダ状、もしくはスパイラル状、もしくはくし型状、もしくは波型状、もしくは屈曲状、もしくは立体状の形状のいずれかを使い分けることで、各アンテナ導体部の電気長を異ならせたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  20. 前記基体が柱状であり、前記複数のアンテナ導体部が、前記基体の相違する面に形成されていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  21. 前記近接して形成された複数のアンテナ導体部において、最も近接するアンテナ導体部の電気長の相違量が、前記基体に設けられた複数のアンテナ導体部の電気長の相違量の中で最小であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  22. 前記近接して形成された複数のアンテナ導体部において、最も離れたアンテナ導体部の電気長の相違量が、前記基体に設けられた複数のアンテナ導体部の電気長の相違量の中で最大であることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  23. 前記基体において、前記複数のアンテナ導体部の内、最も電気長の長いアンテナ導体部と、最も電気長の短いアンテナ導体部が最も離れた位置に配置されることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  24. 前記給電端子が、前記複数のアンテナ導体部において、各々相違する複数の共振周波数の中位となる周波数を有するアンテナ導体部に接続されることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  25. 前記給電端子が、前記複数のアンテナ導体部のうち、中位の電気長を有するアンテナ導体部に接続されることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  26. 前記給電端子が、前記基体に形成されていることを特徴とする請求項1〜25のいずれか
    1に記載のチップアンテナ。
  27. 前記基体が誘電体から形成されていることを特徴とする請求項1〜26のいずれか1に記載のチップアンテナ。
  28. 前記基体において、少なくとも前記アンテナ導体部に保護膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜27いずれか1に記載のチップアンテナ。
JP2004226497A 2004-08-03 2004-08-03 チップアンテナ Pending JP2006050127A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004226497A JP2006050127A (ja) 2004-08-03 2004-08-03 チップアンテナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004226497A JP2006050127A (ja) 2004-08-03 2004-08-03 チップアンテナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006050127A true JP2006050127A (ja) 2006-02-16

Family

ID=36028192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004226497A Pending JP2006050127A (ja) 2004-08-03 2004-08-03 チップアンテナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006050127A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012019299A (ja) * 2010-07-06 2012-01-26 Fujikura Ltd 多共振アレイアンテナ、及び、多共振アレイアンテナの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012019299A (ja) * 2010-07-06 2012-01-26 Fujikura Ltd 多共振アレイアンテナ、及び、多共振アレイアンテナの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7205944B2 (en) Methods and apparatus for implementation of an antenna for a wireless communication device
JP5558922B2 (ja) Rfidトランスポンダ、rfidトランスポンダを含むrfid通信システム、rfidトランスポンダの製造方法、ならびにそれらの使用
JP2012147263A (ja) アンテナ・モジュール並びに無線通信装置
US7136021B2 (en) Ceramic chip antenna
US7170453B2 (en) Antenna module including a plurality of chip antennas
JP5302953B2 (ja) 無線通信装置
TW567642B (en) Antenna with substrate and conductor track structure
US11171404B2 (en) Antenna and window glass for vehicle
JP2010028494A (ja) アンテナ及びそれを備えた電気機器
JP2005175757A (ja) アンテナモジュール
JP5213039B2 (ja) 片面放射アンテナ
JPWO2020110930A1 (ja) Rfidタグ
US7126555B2 (en) Dipole antenna
JP2006050127A (ja) チップアンテナ
JP3880295B2 (ja) チップアンテナ
JP4853569B2 (ja) アンテナモジュール
JP2001077612A (ja) Rfユニット
JP2005079959A (ja) アンテナ装置
JPH10200438A (ja) 携帯無線機
JP2004015500A (ja) アンテナ素子及びアンテナ装置
JP2002111348A (ja) アンテナ
JP6004173B2 (ja) アンテナ装置
JP4003687B2 (ja) アンテナモジュール
JP2005286755A (ja) チップアンテナ
JP2006050213A (ja) チップアンテナ