JP2006047853A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 感光体から中間転写体への転写において散りが生ずるのを防止し、良好な画像が得られるようにする。
【解決手段】 現像同時クリーニング又は感光体クリーナレス方式により画像を形成する方法において、感光体上に形成されたドットもしくはライン画像を、転写バイアスを変化させて中間転写体に転写し、転写後濃度を測定し、転写バイアスに対する濃度変化の変曲点を求め、変曲点がある場合は前記変曲点を越えない値に転写バイアスを決定して画像形成するようにしたものである。
【選択図】 図13
【解決手段】 現像同時クリーニング又は感光体クリーナレス方式により画像を形成する方法において、感光体上に形成されたドットもしくはライン画像を、転写バイアスを変化させて中間転写体に転写し、転写後濃度を測定し、転写バイアスに対する濃度変化の変曲点を求め、変曲点がある場合は前記変曲点を越えない値に転写バイアスを決定して画像形成するようにしたものである。
【選択図】 図13
Description
本発明は現像同時クリーニング又は感光体クリーナレス方式により画像を形成する方法に関する。
電子写真技術を用いて転写材上に画像を形成するレーザープリンターにおいては、感光体上に形成したトナー像を用紙などの転写材に転写する際、転写効率を高くし、転写残りトナーが少ないことが望ましい。しかし、トナーの極性が反転したり、環境や耐久などによって転写ローラや感光体などのプロセス部材の特性や転写材の抵抗値等が変化をするため、高い転写効率を実現して転写残りをなくし、クリーニングブレードなどの清掃機構を省略するのは極めて難しい。特にカラーレーザープリンターはトナーを幾層にも重ねるためよりいっそう難しくなる。
そこで、高い転写効率を達成して画像形成するために、温度、湿度に対する転写バイアスの良好域をあらかじめ調べてテーブル化し、メモリに記憶しておき、検出した温度、湿度に応じてテーブル内の適正な転写バイアスを選択して画像形成するものが提案されている(特許文献1)。また、トナーやプロセス部材の仕事関数を考慮して、極性の反転するトナーを可能な限り少なくすることで、クリーナレス画像形成装置を実現するものも提案されている(特許文献2)。
特開平11−288185号公報
特開2004−93580号公報
上記特許文献1、特許文献2に記載のように、高い転写効率を実現しクリーナレスを実現できる画像形成装置において適切な転写バイアスを決定したとしても、実際には、感光体の膜厚、転写ローラの抵抗、中間転写体の抵抗等が、ユニットや使用履歴によってそれぞれ異なるため、適切な転写バイアスが装置によって異なってくる。その結果、例えば転写バイアスが高すぎると、転写ニップの前で放電によりトナーが飛び散る、所謂散りなどによりドットの面積が大きくなってしまう画像欠陥を生じる場合がある。
本発明は上記課題を解決しようとするもので、感光体から中間転写体への転写において散りが生ずるのを防止し、良好な画像が得られるようにすることを目的とする。
本発明は、現像同時クリーニング又は感光体クリーナレス方式により画像を形成する方法において、感光体上に形成されたドットもしくはライン画像を、転写バイアスを変化させて中間転写体に転写し、転写後濃度を測定し、転写バイアスに対する濃度変化の変曲点を求め、変曲点がある場合は前記変曲点を越えない値に転写バイアスを決定して画像形成することを特徴とする。
本発明は、現像同時クリーニング又は感光体クリーナレス方式により画像を形成する方法において、感光体上に形成されたドットもしくはライン画像を、転写バイアスを変化させて中間転写体に転写し、転写後濃度を測定し、転写バイアスに対する濃度変化の変曲点を求め、変曲点がある場合は前記変曲点を越えない値に転写バイアスを決定して画像形成することを特徴とする。
感光体から中問転写体にトナー像を転写する際に、転写バイアスが高すぎると転写ニップの前でトナーの散りが発生し、像が乱れてしまう。このときドットやラインなどで形成する低濃度の画像は、散ることによって濃度が高くなる。本発明は、この現象を利用して、中間転写体上に配置された濃度検出センサを使い、濃度上昇が検出された場合、散りが発生していると判断できるため、転写バイアスを濃度上昇が検出されないところまで低くすることで、散りのない良好な画像を常に得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明が適用される画像形成装置の実施の形態の一例として、カラー画像形成装置であるタンデム方式のフルカラープリンタを概略的に示す正面図である。なお、このフルカラープリンタでは、感光体のクリーニング手段が設けられているが、このクリーニング手段を省略して感光体のクリーナレスを実現可能であることは言うまでもない。
図1は、本発明が適用される画像形成装置の実施の形態の一例として、カラー画像形成装置であるタンデム方式のフルカラープリンタを概略的に示す正面図である。なお、このフルカラープリンタでは、感光体のクリーニング手段が設けられているが、このクリーニング手段を省略して感光体のクリーナレスを実現可能であることは言うまでもない。
本画像形成装置は、感光体周上のユニットに回収機能を持たせるのではなく、感光体上の転写残りトナーは次の周で中間転写媒体上に転写することで、最終的に用紙等の転写材まで転写残りトナーを転写するが、この転写材に転写された転写残りのトナー像が画像劣化(地カブリ)としてユーザーに感知できない領域まで転写効率を高めるようにしている。そのために、種々の研究の結果、感光体のクリーナがある場合は転写効率は94%でも十分な高転写効率であるが、このような感光体のクリーナレスを達成するためには、感光体上に残る転写残りトナーを「色」として感知できないレベルが求められる。そこで、本発明の画像形成装置では、転写効率が98%以上であることが必須条件としている。
図1に示すように、フルカラープリンタとして構成されたこの例のカラー画像形成装置としては、像担持体である感光体と現像部ユニットが同一のユニット、すなわちプロセスカートリッジとして装着できるようになっている。また、図1に示す例では以下に説明するように接触現像方式のカラー画像形成装置であるが、本発明は、感光体と現像ローラとが所定のギャップをおいて互いに離れた非接触現像方式のカラー画像形成装置にも適用することができる。なお、以下の説明においては、像担持体として感光体を用いた場合について説明するが、他の像担持体を用いることもできる。
図1に示す例のカラー画像形成装置はトナー像形成方式がタンデム方式の画像形成装置である。このカラー画像形成装置は、感光体から一時転写される中間転写媒体である無端状の中間転写ベルト30を備えている。この中間転写ベルト30は、駆動ローラ10と従動ローラ20の2本のローラ間に張架されて、図示しない駆動モータで駆動される駆動ローラ10により、図1において反時計方向に回転されるようになっている。
また、カラー画像形成装置は、中間転写ベルト30に対してそれぞれ配置され、使用するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(BK)の各色のトナー毎の4個の単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)を備えている。
各単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)は、それぞれ、外周面に感光層を有する感光体41と、この感光体41の外周面を一様に帯電させる帯電手段としての帯電ローラ42と、この帯電ローラ42により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光Lして静電潜像を形成する露光手段43と、この露光手段43により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段としての現像ローラ44と、感光体41の表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段としての感光体用クリーニングブレード45とを有している。
なお図1において、符号「41」、「42」、「43」、「44」、「45」、および「L」は単色トナー像形成手段によっては省略されているが、符号が省略されている構成要素は、これらの符号が付されている単色トナー像形成手段の構成要素と対応するものであることは言うまでもない。その場合、各単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)の少なくとも感光体41はいずれも層構成が互いに同一にされている。
そして、各単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)は、それぞれ、中間転写ベルト30の弛み側にかつ中間転写ベルト30の回転(移動)方向上流側からこれらの順に配置されている。
更に、カラー画像形成装置は、各単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)に対応して、それぞれ各感光体41との間で各色毎の4個の一次転写部T1Y,T1C,T1M,T1Kが設定されており、各一次転写部T1Y,T1C,T1M,T1Kは、それぞれ一次転写手段51,52,53,54を備えている。そして、中間転写ベルト30上に、各色のトナー像がそれぞれ各単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)によって順次一次転写され、この中間転写ベルト30上で各色のトナー像が順次重ね合わされて多重転写によるフルカラーのトナー像が形成されるようになっている。
更に、カラー画像形成装置は、中間転写ベルト30との間で各色共通の1つの二次転写部T2が設定されており、この二次転写部T2は二次転写ローラ66を備えている。そして、二次転写部T2には、給紙カセット63から紙等の記録媒体Pがピックアップローラ64で一枚ずつかつゲートローラ65対で給紙タイミングが規定されて給送され、給送されてくる記録媒体P上に、二次転写ローラ66により中間転写ベルト30上のフルカラーのトナー像がフルカラーのトナー像が二次転写されるようになっている。
更に、カラー画像形成装置は定着ローラ対61を有する定着器を備えており、記録媒体P上に二次転写されたフルカラーのトナー像がこれらの定着ローラ対61を通ることで、記録媒体P上に定着される。
そして、フルカラーのトナー像が定着された記録媒体Pは、排紙ローラ対62によって、例えば図示しない排紙トレイ等の所定の排紙場所へ排出される。
そして、フルカラーのトナー像が定着された記録媒体Pは、排紙ローラ対62によって、例えば図示しない排紙トレイ等の所定の排紙場所へ排出される。
また、中間転写ベルト30用のクリーニング手段としての中間転写ベルト用クリーニングブレード67が駆動ローラ10への中間転写ベルト30の巻掛け部において中間転写ベルト30に当接して設けられている。中間転写ベルト用クリーニングブレード67は、二次転写後に中間転写ベルト30の表面に残留しているトナーを除去するものである。
このように構成されたこの例のカラー画像形成装置では、まず、各色のトナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)において、各感光体41の外周面がそれぞれ各帯電ローラ42により一様帯電された後、露光手段43により各感光体41がそれぞれ各色毎に露光Lされて、各感光体41にそれぞれ対応する色の静電潜像が形成される。
次いで、各感光体41上の静電潜像が、それぞれ、各現像ローラ44で搬送される各色のトナーで現像され、各感光体41上に各色のトナー像が形成される。更に、イエロー(Y)の一次転写部T1Yにおいてイエロー(Y)のトナー像が中間転写ベルト30に一次転写され、以後同様にして、各一次転写部T1C,T1M,T1Kにおいてそれぞれシアン(C)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、およびブラック(K)のトナー像が中間転写ベルト30に順次一次転写されて重ね合わされ、フルカラーのトナー像が形成される。
そして、このように4色のトナー像が重ね合わされた中間転写ベルト30上の一次転写像は、二次転写部T2において、給紙カセット63から送給されてくる記録媒体Pに二次転写されて、フルカラーのトナー像が形成される。更に、記録媒体P上の二次転写像は定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着された後、排紙ローラ対62によって、所定の排紙場所へ排出される。
なお、図1に示す例のカラー画像形成装置では中間転写ベルト30を用いているが、中間転写媒体として中間転写ドラムを用いることもできる。このような転写ドラム方式の転写媒体も、前述の転写ベルトと同様に2種類の基体を用いるタイプに分けることができる。1つは、感光体が剛性のあるドラム、例えばアルミ製のドラム上に有機感光層を設けた感光体ドラムであり、転写媒体としてはアルミ等の剛性のあるドラム基体上に弾性の表層である転写層を設けるものである。また、他の1つは、感光体の支持体がベルト状、あるいはゴム等の弾性支持体上に感光層を設けた、いわゆる「弾性感光体」であり、転写媒体としてはアルミ等の剛性のあるドラム基体上に直接あるいは導電性中間層を介して表層である転写層を設けるとよい。
また、図1に示す例のカラー画像形成装置では4個の単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)を設けているが、本発明の画像形成装置では、単色トナー像形成手段は4個に限定されることなく、2個以上の複数個設けることもできる。その場合、複数個の単色トナー像形成手段は、少なくとも各感光体41の層構成がすべて同一に設定される。
次に、この例のカラー画像形成装置において、本発明と特に関係する感光体41および中間転写媒体である中間転写ベルト30について説明する。まず、感光体41について説明する。各単色トナー像形成手段40の感光体41はすべて同一に形成されている。この感光体41は有機感光体であり、この有機感光体としては、有機単層型でも有機積層型でもよい。
有機積層型感光体は、導電性支持体上に、下引き層を介して電荷発生層、電荷輸送層を順次積層したものである。
導電性支持体としては、公知の導電性支持体が使用可能であり、例えば体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム合金に切削等の加工を施した管やポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムを蒸着あるいは導電性塗料により導電性を付与したもの、導電性ポリイミド樹脂を形成してなる管状、ベルト状、板状、シート状支持体等が例示される。他の例としては、ニッケル電鋳管やステンレス管などをシームレスにした金属ベルトも好適に使用することができる。
導電性支持体としては、公知の導電性支持体が使用可能であり、例えば体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム合金に切削等の加工を施した管やポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムを蒸着あるいは導電性塗料により導電性を付与したもの、導電性ポリイミド樹脂を形成してなる管状、ベルト状、板状、シート状支持体等が例示される。他の例としては、ニッケル電鋳管やステンレス管などをシームレスにした金属ベルトも好適に使用することができる。
導電性支持体上に設けられる下引き層としては公知の下引き層が使用可能である。例えば、下引き層は接着性を向上させ、モワレを防止し、上層の電荷発生層の塗工性を改良、露光時の残留電位を低減させるなどの目的で設けられる。下引き層に使用する樹脂はその上に感光層を塗工する関係上、感光層に使用する溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。使用可能な樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、酢酸ビニル、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等であり、単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。また、これらの樹脂に二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物を含有させてもよい。
電荷発生層における電荷発生顔料としては、公知の材料が使用可能である。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノンおよびナフトキノン系顔料、シアニンおよびアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生顔料は、単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。
電荷発生層におけるバインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。バインダー樹脂と前記電荷発生物質の構成比は、重量比でバインダー樹脂100重量部に対して、10〜1000重量部の範囲で用いられる。
電荷輸送層を構成する電荷輸送物質としては公知の材料が使用可能であり、電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、パラジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、フッ素原子を持つベンジジン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。
正孔輸送物質としては、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、フェナジン化合物、ベンゾフラン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン化合物およびこれらの化合物の誘導体などの電子供与性物質が挙げられる。これらの正孔輸送物質は単独または2種以上の組み合わせで使用することができる。
電荷輸送層中には、これらの物質の劣化防止のために酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤などを含有することもできる。
電荷輸送層におけるバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂などを用いることができるが、電荷輸送物質との相溶性、膜強度、溶解性、塗料としての安定性の点でポリカーボネートが好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質の構成比は、重量比でバインダー樹脂100重量部に対して25〜300重量部の範囲で用いられる。
電荷輸送層におけるバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂などを用いることができるが、電荷輸送物質との相溶性、膜強度、溶解性、塗料としての安定性の点でポリカーボネートが好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質の構成比は、重量比でバインダー樹脂100重量部に対して25〜300重量部の範囲で用いられる。
電荷発生層、電荷輸送層を形成するためには、塗布液を使用するとよく、溶剤はバインダー樹脂の種類によって異なるが、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル類等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン等の芳香族類等を用いることができる。
また、電荷発生顔料の分散には、サンドミル、ボールミル、アトライター、遊星式ミル等の機械式の方法を用いて分散と混合を行うとよい。
また、電荷発生顔料の分散には、サンドミル、ボールミル、アトライター、遊星式ミル等の機械式の方法を用いて分散と混合を行うとよい。
下引き層、電荷発生層および電荷輸送層の塗工法としては、浸漬コーティング法、リングコーティング法、スプレーコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スピンコーティング、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアナイフコーティング法等の方法を用いる。また、塗工後の乾燥は常温乾燥後、30〜200℃の温度で30から120分間加熱乾燥することが好ましい。これらの乾燥後の膜厚は電荷発生層では、0.05〜10μmの範囲、好ましくは0.1〜3μmである。また、電荷輸送層では5〜50μmの範囲、好ましくは10〜40μmである。
また、単層有機感光体層は、上述した有機積層型感光体において説明した導電性支持体上に、同様の下引き層を介して、電荷発生剤、電荷輸送剤、増感剤等とバインダー、溶媒等からなる単層有機感光層を塗布形成することにより作製される。有機負帯電単層型感光体については、例えば特開2000−19746号公報に開示されている方法に準じて作製するとよい。
単層有機感光層における電荷発生剤としてはフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、キノシアトン系顔料、インジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、キナクリドン系顔料が挙げられ、好ましくはフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料である。電荷輸送剤としてはヒドラゾン系、スチルベン系、フェニルアミン系、アリールアミン系、ジフェニルブタジエン系、オキサゾール系等の有機正孔輸送化合物が例示され、また、増感剤としては各種の電子吸引性有機化合物であって電子輸送剤としても知られているパラジフェノキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、クロラニル等が例示される。バインダーとしてはポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が例示される。
各成分の組成比は、バインダー40〜75重量%、電荷発生剤0.5〜20重量%、電荷輸送剤10〜50重量%、増感剤0.5〜30重量%であり、好ましくはバインダー45〜65重量%、電荷発生剤1〜20重量%、電荷輸送剤20〜40重量%、増感剤2〜25重量%である。溶剤としては、下引き層に対して、溶解性を有しない溶媒が好ましく、トルエン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等が例示される。
各成分は、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、アトライター、ペイントコンディショナー等の攪拌装置で粉砕・分散混合され、塗布液とされる。塗布液は、下引き層上にディップコート、リングコート、スプレーコート等により乾燥後の膜厚15〜40μm、好ましくは20〜35μmで塗布・乾燥されて単層有機感光体層とされる。
転写媒体である中間転写ベルト30は、2種類の基体を用いるタイプに分けられる。1つは樹脂からなるフィルムやシームレスベルト上に表層である転写層を設けるものであり、残りの1つはゴム等の弾性体の基体上に表層である転写層を設けるものである。
フィルムおよびシームレスベルトに適する材質とその作製方法としては、変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネート、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに、導電性のカーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリカ等の導電材料を分散した厚さ50〜500μmの半導電性フィルム基体を形成し、この半導電性フィルム基体を押し出し成形でシームレス基体とする。なお、転写ベルトの両端部には、転写ベルトの端部での亀裂や伸びおよび蛇行防止のために、膜厚80μmのPETフィルム等のテープやウレタンゴム等のリブを貼り付けて使用する。
フィルムシートで無端ベルト状の基体を作製する場合には、フィルムシートをベルト状に形成しかつその端面を超音波溶着で溶着することで、無端ベルト状の基体を作製できる。具体的には、シートフィルム上に導電性層並びに表面層を設けてから超音波溶着を行うことにより、所望の物性を有する転写ベルトを作製することができる。更に、より具体的には、基体に厚さ60〜150μmのポリエチレンテレフタレートを絶縁性基体として用いた場合には、その表面にアルミ等蒸着し、必要により更にカーボンブラック等の導電材料と樹脂からなる中間導電性層を塗工し、その上にそれより高い表面抵抗を有するウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電材料、フッ素系微粒子からなる半導電性表面層を設けて転写ベルトとすることができる。塗工後の乾燥時に熱をさほど必要としない抵抗層を設けることができる場合には、先にアルミ蒸着フィルムを超音波溶着させた後前述の抵抗層を設けることで、転写ベルトを作製することも可能である。
ゴム等の弾性基体に適する材質とその作製方法としては、例えばシリコンゴム、ウレタンゴム、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等に前述の導電材料を分散した厚さ0.8〜2.0μmの半導電性ゴムベルトを押し出し成形で作製し、表面をサンドペーパーやポリシャー等の研磨材により所望の表面粗さに制御する。なお、このときの弾性層をそのまま使用することができるが、更に前述と同じようにして表面保護層を設けることができる。
なお、中間転写媒体を転写ドラムで構成することもできる。この転写ドラムの場合には、体積抵抗は104〜1012Ω・cmの範囲がよく、好ましくは、107〜1011Ω・cmの範囲がよい。転写ドラムはアルミ等の金属円筒上に必要により弾性体の導電性中間層を設けて導電性弾性基体とする。
導電性弾性基体に適する材質とその作製方法としては、例えばシリコンゴム、ウレタンゴム、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、ブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料に、導電性のカーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリカ等の導電材料を配合、混練、分散した導電性ゴム素材を、直径が90〜180mmのアルミ円筒に密着成形して、研磨後の厚さが0.8〜6mmで、体積抵抗が104〜1010Ω・cmとするとよい。次いで、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電材料、フッ素系微粒子からなる半導電性の表面層を膜厚が約15〜40μmとなるように設けて、所望の体積抵抗が107〜1011Ω・cmを有する転写ドラムにすることができる。このときの表面粗さは1μmRa以下が好ましい。また、別の例としては、前述のように作製した導電性弾性基体の上にフッ素樹脂等の半導体性のチューブを被せて、加熱により収縮させて所望の表面層と電気抵抗を有する転写ドラムを作製することも可能である。
このように転写媒体が転写ベルトまたは転写ドラムの場合には、転写ベルトまたは転写ドラムの導電層に、一次転写電圧として+250〜+800Vの電圧が印加され、また、紙等の記録媒体Pへの二次転写に際しては、二次転写電圧として+400〜+3500Vの電圧が印加されるとよい。
次に、本画像形成装置に用いられるトナーについて説明する。本画像形成装置に用いられるトナーは一成分非磁性トナーの負帯電性トナーである。一成分非磁性トナーに用いられるトナー母粒子は、粉砕法および重合法のいずれの方法でも作製することができ、以下、その作製について説明する。
まず、粉砕法によるトナー母粒子を用いた一成分非磁性トナー(以下、粉砕法トナーという)の作製について説明する。
粉砕法トナーとしては、樹脂バインダーに顔料、離型剤、荷電制御剤をヘンシェルミキサーで均一混合した後、2軸押し出し機で熔融・混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理されて得られたトナー母粒子に、さらに、流動性改良剤が外添されて粉砕法トナーとされる。
粉砕法トナーとしては、樹脂バインダーに顔料、離型剤、荷電制御剤をヘンシェルミキサーで均一混合した後、2軸押し出し機で熔融・混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理されて得られたトナー母粒子に、さらに、流動性改良剤が外添されて粉砕法トナーとされる。
バインダー樹脂としては、公知のトナー用樹脂が使用可能であり、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等が単独又は混合して使用できる。特に本発明においては、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。本発明にあってはバインダー樹脂としてはガラス転移温度が50〜75℃、フロー軟化温度が100〜150℃の範囲が好ましい。
着色剤としては、公知のトナー用着色剤が使用可能である。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料および顔料を単独あるいは混合して使用できる。
離型剤としては、公知のトナー用離型剤が使用可能である。例えば、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
荷電調整剤としては、公知のトナー用荷電調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オイルブラックBY、ボントロンS−22(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業(株)製)、サリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業(株)製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学工業(株)製)、カリックスアレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金属錯体、多糖類等が挙げられる。中でもカラートナー用には無色ないしは白色のものが好ましい。
粉砕法トナーにおける成分比(重量比)を表1に示す。
このようにして得られる粉砕法トナーとしては、個数基準の50%径である平均粒径(D50)が5μm〜10μmの範囲であり、好ましくは6μm〜9μmの範囲がよく、個数基準で3μm以下が20%以下、好ましくは10%以下の粒径分布を有する。
この例の粉砕法トナーにあっては、転写効率の向上を目的として、球形化処理により円形度(球状化係数)をアップさせることがよい。粉砕法トナーの円形度をアップさせるためには、
(1)粉砕工程で、比較的丸い球状で粉砕可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボミル(川崎重工(株)製)を使用すれば円形度は0.93まで可能である。
または、
(2)粉砕したトナーを市販の熱風球形化装置サーフュージングシステムSFS−3型(日本ニューマチック工業(株)製)を使用すれば円形度は1.00まで可能である。
なお、本発明におけるトナー粒子等における平均粒径と円形度は、すべて、シスメックス株式会社製のFPIA2100で測定する値である。
(1)粉砕工程で、比較的丸い球状で粉砕可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボミル(川崎重工(株)製)を使用すれば円形度は0.93まで可能である。
または、
(2)粉砕したトナーを市販の熱風球形化装置サーフュージングシステムSFS−3型(日本ニューマチック工業(株)製)を使用すれば円形度は1.00まで可能である。
なお、本発明におけるトナー粒子等における平均粒径と円形度は、すべて、シスメックス株式会社製のFPIA2100で測定する値である。
次に、重合法によるトナー母粒子を用いたトナー(以下、重合法トナーという)の作製について説明する。
重合法トナーとしては、懸濁重合法、乳化重合法等がある。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色顔料、離型剤とを、必要により更に、染料、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を添加した混合物を溶解又は分散させた単量体組成物を、懸濁安定剤(水溶性高分子、難水溶性無機物質)を含む水相中に攪拌しながら添加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズを有する着色重合トナー粒子を形成することができる。
重合法トナーとしては、懸濁重合法、乳化重合法等がある。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色顔料、離型剤とを、必要により更に、染料、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を添加した混合物を溶解又は分散させた単量体組成物を、懸濁安定剤(水溶性高分子、難水溶性無機物質)を含む水相中に攪拌しながら添加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズを有する着色重合トナー粒子を形成することができる。
また、乳化重合法においては、単量体と離型剤を必要により更に重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)などを水中に分散させて重合を行い、次いで凝集過程で着色剤、荷電制御剤と凝集剤(電解質)等を添加することによって所望の粒子サイズを有する着色トナー粒子を形成することができる。
重合法トナー作製に用いられる材料において、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動性改良剤に関しては、前述の粉砕法トナーと同様の材料が使用できる。
重合法トナー作製に用いられる材料において、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動性改良剤に関しては、前述の粉砕法トナーと同様の材料が使用できる。
重合性単量体(モノマー)としては、公知のビニル系モノマが使用可能であり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレイン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられる。なお、フッ素含有モノマーとしては、例えば2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フッ化ビニリデン、三フッ化エチレン、四フッ化エチレン、トリフルオロプロピレンなどはフッ素原子が負荷電制御に有効であるので使用が可能である。
乳化剤(界面活性剤)としては公知のものが使用可能である。例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等がある。
重合開始剤としては、公知のものが使用可能である。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等がある。
凝集剤(電解質)としては、公知のものが使用可能である。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
乳化重合法トナーにおける成分比(重量)を表2に示す。
この重合法トナーにあっても、転写効率の向上を目的として、球形化処理により円形度をアップさせることがよい。重合法トナーの円形度の調節法としては、
(1)乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温度と時間を制御することで、円形度を自由に変えることができ、その範囲は0.94〜1.00である。
また、
(2)懸濁重合法では、真球のトナーが可能であるため、円形度は0.98〜1.00の範囲となる。また、円形度を調節するためにトナーのTg温度以上で加熱変形させることで、円形度を0.94〜0.98まで自由に調節することが可能となる。
(1)乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温度と時間を制御することで、円形度を自由に変えることができ、その範囲は0.94〜1.00である。
また、
(2)懸濁重合法では、真球のトナーが可能であるため、円形度は0.98〜1.00の範囲となる。また、円形度を調節するためにトナーのTg温度以上で加熱変形させることで、円形度を0.94〜0.98まで自由に調節することが可能となる。
重合法トナーは前述の方法以外の分散重合法でも作ることができ、例えば特開平63−304002号公報に開示されている方法でも作製できる。この場合には、形状が真球に近い形となるため、形状を制御するには、例えばトナーのTg温度以上で加圧し、所望のトナー形状にすることができる。
このようにして得られる重合法トナーは、個数基準の50%径である平均粒径(D50)が4〜9μmの範囲であり、好ましくは4.5〜8μmの範囲がよく、個数基準で3μm以下が5%以下、好ましくは3%以下の粒径分布を有する。
本発明における一成分非磁性トナーの母粒子の円形度として、粉砕法トナーおよび重合法トナーのいずれであっても望ましい円形度(球状化係数)は0.94以上、好ましくは0.5以上である。このように各色のトナーが、いずれもその円形度(球形度)を0.94以上に設定することで、トナーと感光体との付着力を低減でき、転写効率をより一層効果的に向上できる。
外添剤である流動性改良剤としては、公知の無機および有機のトナー用流動性改良剤が使用可能である。公知の無機および有機のトナー用流動性改良剤としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、アルミナ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、マグネタイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、チタン酸金属塩、ケイ素金属塩の各微粒子を使用することができる。これらの微粒子はシランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して使用することが好ましい。
疎水化処理剤としては、例えば、ジメチルジクロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル、オクチルートリクロシラン、デシルートリクロルシラン、ノニルートリクロシラン、(4−iso−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、ジヘキシルジクロシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロシラン、ジペンチルージクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−iso−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン等が例示される。
その他の樹脂微粒子の例としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
その他の樹脂微粒子の例としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
この流動性改良剤粒子の使用量、一次粒子の平均粒径(D50)、およびBET法による比表面積を表3に示す。
ところで、本発明の画像形成装置では、感光体41の仕事関数、中間転写ベルト30の仕事関数、および各色のトナーの仕事関数の大小関係を次のように設定している。
すなわち、
(1)中間転写媒体(図1に示す例では、中間転写ベルト30)の回転(移動)方向の最上流側(以下、中間転写媒体の回転方向上流側を単に上流側、また中間転写媒体の回転方向下流側を単に下流側という)のトナー{図1に示す例では、イエロー(Y)のトナー}の仕事関数を感光体(図1に示す例では、感光体41)の仕事関数より大きく設定している。すなわち、
最上流側のトナーの仕事関数 > 感光体の仕事関数
に設定される(図1に示す例では、イエロー(Y)のトナーの仕事関数 > 感光体41の仕事関数)。
(2)最上流側のトナーの仕事関数を中間転写媒体の仕事関数より大きく設定している。すなわち、
最上流側のトナーの仕事関数 > 中間転写媒体の仕事関数
に設定される(図1に示す例では、イエロー(Y)のトナーの仕事関数 > 中間転写ベルト30の仕事関数)。
(3)複数個の単色トナー像形成手段{図1に示す例では、4個の単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)}にそれぞれ使用されるトナーの各仕事関数を、中間転写媒体の移動方向の上流側から下流側にいくにしたがって順に大きく設定している{図1に示す例では、イエロー(Y)のトナーの仕事関数 < シアン(C)のトナーの仕事関数 < マゼンタ(M)のトナーの仕事関数 < ブラック(K)のトナーの仕事関数である}。
すなわち、
(1)中間転写媒体(図1に示す例では、中間転写ベルト30)の回転(移動)方向の最上流側(以下、中間転写媒体の回転方向上流側を単に上流側、また中間転写媒体の回転方向下流側を単に下流側という)のトナー{図1に示す例では、イエロー(Y)のトナー}の仕事関数を感光体(図1に示す例では、感光体41)の仕事関数より大きく設定している。すなわち、
最上流側のトナーの仕事関数 > 感光体の仕事関数
に設定される(図1に示す例では、イエロー(Y)のトナーの仕事関数 > 感光体41の仕事関数)。
(2)最上流側のトナーの仕事関数を中間転写媒体の仕事関数より大きく設定している。すなわち、
最上流側のトナーの仕事関数 > 中間転写媒体の仕事関数
に設定される(図1に示す例では、イエロー(Y)のトナーの仕事関数 > 中間転写ベルト30の仕事関数)。
(3)複数個の単色トナー像形成手段{図1に示す例では、4個の単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)}にそれぞれ使用されるトナーの各仕事関数を、中間転写媒体の移動方向の上流側から下流側にいくにしたがって順に大きく設定している{図1に示す例では、イエロー(Y)のトナーの仕事関数 < シアン(C)のトナーの仕事関数 < マゼンタ(M)のトナーの仕事関数 < ブラック(K)のトナーの仕事関数である}。
次に、これらの仕事関数の測定方法について説明する。
仕事関数(Φ)は、表面分析装置(理研計器(株)製AC−2)により測定されるものであり、その物質から電子を取り出すために必要なエネルギーてあり、仕事関数が小さいほど電子を出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負に帯電するものであるが、仕事関数自体としてはその物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として数値化されるものである。
仕事関数(Φ)は、表面分析装置(理研計器(株)製AC−2)により測定されるものであり、その物質から電子を取り出すために必要なエネルギーてあり、仕事関数が小さいほど電子を出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負に帯電するものであるが、仕事関数自体としてはその物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として数値化されるものである。
本発明においては、一成分非磁性トナーおよび画像形成装置の各部材のいずれの仕事関数の測定も、すべて次のようにして行われる。すなわち、前述の表面分析装置において、重水素ランプを使用し、金属めっきを施した現像ローラの仕事関数測定では照射光量10nWに設定し、それ以外の仕事関数測定では照射光量500nWに設定し、分光器により単色光を選択し、スポットサイズ4mm角とし、エネルギ走査範囲3.4〜6.2eV、測定時間10sec/1ポイントでサンプルに照射する。そして、サンプル表面から放出される光電子を検知し、仕事関数計ソフトを使用して演算処理され得るもので、仕事関数に関しては、繰り返し精度(標準偏差)0.02eVで測定されるものである。なお、データ再現性を確保するための測定環境としては、使用温度および湿度25℃、55%RHの条件下で、24時間放置品を測定サンプルとする。
サンプルトナーの仕事関数の測定には、図2(a)および(b)に示すように直径13mm、高さ5mmのステンレス製円盤の中央に直径10mmで深さ1mmのトナー収容凹部を有する形状のトナー専用測定セルが用いられる。サンプルトナーをセルの凹部内に秤量さじを使用して突き固めないで入れた後、ナイフエッジを使用して表面を均して平らにした状態で測定する。トナーを充填した測定セルをサンプルステージの規定位置上に固定した後、照射光量500nWに設定し、スポットサイズ4mm角とし、エネルギ走査範囲4.2〜6.2eVの条件下で後述する図3(b)に示すような方法と同様にして測定される。
また、感光体や現像ローラ等の形状が円筒形状の画像形成装置部材をサンプルとする場合には、円筒形状の画像形成装置部材を1〜1.5cmの幅で切断し、次いで、稜線に沿って横方向に切断して図3(a)に示す形状の測定用試料片を得た後、サンプルステージの規定位置上に、図3(b)に示すように、測定光が照射される方向に対して照射面が平行になるように固定する。これにより、放出される光電子が検知器(光電子倍像管)により効率よく検知される。
更に、中間転写ベルト、トナー薄層を規制する規制ブレード、また、感光体がシート形状の場合には、測定光が前述のように,4mm角スポットで照射されるので、試料片は少なくとも1cm角の大きさに切り欠いて、図3(b)に示すようにサンプルステージに固定し、同様に測定される。
この表面分析装置においては、単色光の励起エネルギーを低い方から高い方にスキャンしたとき、光量子の放出が始まるが、この光電子の放出が始まるエネルギー値(eV:仕事関数という)を測定するもので、データとしては、励起エネルギー( Photon Energy )(横軸)と規格化光電子収率( Emmission Yield )との関係から得られる。例えば、図4に示す外添剤であるSiO2の例について説明すると、SiO2粒子の仕事関数(WF)は、屈曲点(A)における励起エネルギー5.22eVである。また、傾き(Slope、規格化光電子収率/eV)は、その値が大きいと電子を放出しやすい状態であることを示す。
各トナーの仕事関数を上流側から下流側にいくにしたがって大きくする方法としては、各色の外添剤の添加量を上流側から下流側にいくにしたがって各トナーの仕事関数が大きくなるように変化させる方法がある。外添剤はトナー母粒子の表層に添加するものであってトナーの仕事関数に大きく影響するので、このように各色の外添剤の添加量を変化させることで、各トナーの仕事関数を上流側から下流側にいくにしたがって効果的に大きくすることができる。
この方法の一例として、各色のトナーの外添剤として酸化チタンを上流側から下流側にいくにしたがって多く添加する方法がある。酸化チタンの仕事関数は、5.7〜5.8と比較的大きいので、酸化チタンの添加量を増やすとトナーの仕事関数は大きくなる。
また、この方法の他の例として、各色のトナーの外添剤としてシリカ(SiO2)を上流側から下流側にいくにしたがって少なく添加する方法がある。シリカの仕事関数は、5.0〜5.2と比較的小さいので、シリカの添加量を増やすとトナーの仕事関数は小さくなる。
また、この方法の他の例として、各色のトナーの外添剤としてシリカ(SiO2)を上流側から下流側にいくにしたがって少なく添加する方法がある。シリカの仕事関数は、5.0〜5.2と比較的小さいので、シリカの添加量を増やすとトナーの仕事関数は小さくなる。
このように構成された中間転写ベルト30の移動方向の最上流側のトナーの仕事関数 > 感光体の仕事関数に設定するとともに、中間転写ベルト30の移動方向の最上流側のトナーの仕事関数 > 中間転写ベルト30の仕事関数に設定し、更に、複数色のトナーの仕事関数が中間転写ベルト30の移動方向上流側から下流側に向かって順に大きくなるように設定しているので、感光体41上の転写されようとするトナーと中間転写ベルト30との間、及び感光体41上の転写されようとするトナーと先に転写された中間転写ベルト30上のトナーとの間で、転写されようとするトナーが(−)側に帯電し、中間転写ベルト30およびこの中間転写ベルト30上のトナーが(+)側に帯電しようとするので、感光体41上の転写されようとするトナーが効果的に転写されるようになる。その結果、トナーの転写残りがきわめて少なくなり、転写効率が98%以上に効果的に向上する。
一方、最下流のトナーはブラック(K)のトナーにすることがよい。最下流の転写工程はその前の転写工程の回数が多いので、中間転写媒体上に他の色のトナーが転写されている可能性が高く、しかも他の色のトナーの転写面積が大きい。したがって、最下流の転写工程において最も逆転写する可能性が高い。そして、逆転写したトナーが像担持体上から現像剤担持体へ移ってブラックトナーに他色が混り(コンタミ)、このコンタミの状態で現像されても、このように最下流のトナーをブラック(K)のトナーにすることで、ブラックトナーはコンタミの影響を一番受けにくい色であるから、出力画像においてこのコンタミを人間の視覚では感知できないようにすることができる。
更に、感光体の周速度と中間転写媒体の周速度(移動速度)とに所定の速度差を設けるとよい。このように速度差を設けることで、転写ニップ内でトナー粒子が転がってトナー粒子と像担持体および転写媒体との接触の機会が増えるので、転写ニップ内のトナーの帯電極性をより揃えることができる。これにより、逆転写をより一層効果的に抑制でき、転写効率を向上できる。
図5は、本画像形成装置の実施の形態の他の例を部分的かつ模式的に示す図、図6はこの例の単色トナー像形成手段を模式的に示す図である。なお、前述の例と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
図5に示すように、この例の画像形成装置は、前述の例と同様にタンデム式のカラー画像形成装置であるが、前述の例の中間転写ベルト30(中間転写媒体)が設けられていなく、各単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)のトナー像が紙等の記録媒体Pに直接直接転写されるようになっている。したがって、この例のカラー画像形成装置では、紙等の記録媒体Pが転写媒体となっている。
前述の例と同様に各単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)は互いに同一に構成されており、図6に示すように、各単色トナー像形成手段40(Y),40(C),40(M),40(K)は、帯電手段としてコロナ帯電器42′が用いられているとともに、転写手段として転写ローラ51′,52′,53′,54′が設けられている。この例のカラー画像形成装置の他の構成は、前述の襟と同じである。なお、図6中、符号46はトナーの薄層を規制する規制ブレードであり、符号47は現像ローラ44にトナーを供給する供給ローラである。
転写ローラ51′,52′,53′,54′は互いに同一ものであり、直径10〜20mmの金属シャフトの周表面に弾性層、導電層、抵抗性表面層の順で積層した構造を有している。抵抗性表面層は、フッ素樹脂、ポリビニルブチラール等の樹脂、ポリウレタン等のゴムに導電性カーボンで等の導電性微粒子を分散させた可撓性に優れた抵抗性シートを使用することができ、表面が平滑であることが好ましく、体積抵抗値は107〜1011Ω・cmであり、好ましくは108〜1010〜Ω・cmのものであり、膜厚は0.02〜2mmである。
導電層としては、ポリエステル樹脂等に導電性カーボン等の導電性微粒子を分散させた導電性樹脂、金属シート、また、導電性接着剤から選ばれるとよく、体積抵抗値が105Ω・cm以下のものである。
弾性層は、転写ローラが有機感光体に圧接して用いられる際にその圧接時に柔軟に変形し、圧接解放時には速やかに原形に復帰することが必要であり、発泡ゴムスポンジ等の弾性体を用いて形成される。発泡構造としては、連続発泡(通泡)構造、独立気泡構造のいずれでもよく、ゴム硬度(アスカーC硬度)30〜80のものとするとよく、膜厚は1〜5mmである。
弾性層は、転写ローラが有機感光体に圧接して用いられる際にその圧接時に柔軟に変形し、圧接解放時には速やかに原形に復帰することが必要であり、発泡ゴムスポンジ等の弾性体を用いて形成される。発泡構造としては、連続発泡(通泡)構造、独立気泡構造のいずれでもよく、ゴム硬度(アスカーC硬度)30〜80のものとするとよく、膜厚は1〜5mmである。
このようにして作製された転写ローラ51′,52′,53′,54′の弾性変形により、有機感光体と転写媒体とは幅広いニップ幅で密着させることができるが、転写ローラによる有機感光体への押し圧荷重としては20〜100gf/cm、ニップは幅1〜8mmとするとよい。また、転写ローラ51′,52′,53′,54′には、+200〜+800Vのトナーの帯電電圧とは逆極性の転写電圧が印加されるとよい。
次に、図7、図8により感光体から中間転写体への転写において散りが発生するメカニズムについて説明する。
感光体から中間転写体への転写は、感光体と中間転写体とが接触する転写ニップにおいて転写電界が加えられ、この転写電界により感光体上のトナーが中間転写体側へ移行することにより行われる。このとき、図7(a)に示すように、転写ニップにのみ電界がかかって転写が行われれば散りのない画像が得られる。しかし、図7(b)に示すように、転写バイアスが大きくなり、転写ニップに入る前に大きな転写電界がかかると、トナーが飛び散ってしまい、いわゆる散りが発生し、良好な画像を得ることはできない。
感光体から中間転写体への転写は、感光体と中間転写体とが接触する転写ニップにおいて転写電界が加えられ、この転写電界により感光体上のトナーが中間転写体側へ移行することにより行われる。このとき、図7(a)に示すように、転写ニップにのみ電界がかかって転写が行われれば散りのない画像が得られる。しかし、図7(b)に示すように、転写バイアスが大きくなり、転写ニップに入る前に大きな転写電界がかかると、トナーが飛び散ってしまい、いわゆる散りが発生し、良好な画像を得ることはできない。
このような散りが発生すると、中間転写体上の濃度が上昇する。すなわち、図8(a)に示す状態が散りが発生せずに形成されたドットであると仮定した場合、図8(b)に示すように、散りの発生によってドットの面積は大きくなってしまう。画像濃度は面積当たりに占めるドットの面積の割合で決まるため、ドットの面積が大きくなると検出される濃度が大きくなってしまうことになる。
そこで、本実施形態では、転写バイアスを振って転写し、中間転写媒体上の転写後濃度を測定し、転写後濃度が急に増大したときに転写ニップの周辺で放電が生じて散りが発生したと判断し、転写後濃度が急に増大するより小さい値を転写バイアスとして設定する。具体的には、感光体上に形成されたドットもしくはライン画像(低濃度画像)を転写バイアスを変化させて中間転写体に転写して転写後濃度を測定し、転写バイアスに対する濃度変化の変曲点を求め、変曲点を越えない値に転写バイアスを決定する。
(実施例1)
図1の装置を温度23℃、湿度65%の環境で実験を行った。この環境では、一次転写バイアス200V〜300Vがよいことが分かっている。使用した感光体、トナー、中間転写体は以下の通りである。
(有機感光体(OPC1)の製造例)
直径30mmのアルミ引き抜き管を表面研磨した導電性支持体周面に、下引き層として、アルコール可溶性ナイロン{東レ(株)製「CM8000」}6重量部とアミノシラン処理された酸化チタン微粒子4重量部とをメタノール100重量部に溶解、分散させてなる塗工液をリングコーティング法で塗工し、温度100℃で40分乾燥させ、膜厚1.5〜2μmの下引き層を形成した。
(実施例1)
図1の装置を温度23℃、湿度65%の環境で実験を行った。この環境では、一次転写バイアス200V〜300Vがよいことが分かっている。使用した感光体、トナー、中間転写体は以下の通りである。
(有機感光体(OPC1)の製造例)
直径30mmのアルミ引き抜き管を表面研磨した導電性支持体周面に、下引き層として、アルコール可溶性ナイロン{東レ(株)製「CM8000」}6重量部とアミノシラン処理された酸化チタン微粒子4重量部とをメタノール100重量部に溶解、分散させてなる塗工液をリングコーティング法で塗工し、温度100℃で40分乾燥させ、膜厚1.5〜2μmの下引き層を形成した。
次いで、電荷発生顔料としてのx型無金属フタロシアニン顔料1重量部と、ブチラール樹脂{BX−1、積水化学(株)製}1重量部と、ジクロルエタン100重量部とを、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで8時間分散させて顔料分散液を得、得られた顔料分散液をこの下引き層上にリングコーティング法で塗工し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
更に、この電荷発生層上に、下記構造式(1)のスチリル化合物の電荷輸送物質40重量部とポリカーボネート樹脂{パンライトTS、帝人化成(株)製}60重量部をトルエン400重量部に溶解させ、乾燥膜厚が22μmになるように浸漬コーティング法で塗工、乾燥させて電荷輸送層を形成し、積層型の有機感光体(OPC1)を作製した。
得られた有機感光体(OPC1)の一部を切り欠いて試料片とし、この試料片の仕事関数を、前述のように市販の表面分析装置(AC−2型、理研計器(株)製)を用いて照射光量500nWで測定したところ、5.27eVを示した。
これらの実施例1および比較例1で使用した一成分非磁性トナーについて説明する。
(トナーAの製造)
スチレンモノマー80重量部、アクリル酸ブチル20重量部、およびアクリル酸5重量部からなるモノマー混合物を、
・水 105重量部
・ノニオン乳化剤 1重量部
・アニオン乳化剤 1.5重量部
・過硫酸カリウム 0.55重量部
からなる水溶性混合物に添加し、窒素気流中下で攪拌して70℃で8時間重合を行った。重合反応後冷却し、乳白色の粒径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。
次に、
・この樹脂エマルジョン 200重量部
・ポリエチレンワックスエマルジョン{三洋化成工業(株)製} 20重量部
・フタロシアニンブルー 7重量部
を、界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部を含んだ水中へ分散し、ジエチルアミンを添加してpHを5.5に調整後攪拌しながら電解質の硫酸アルミニウムを0.3重量部を加え、ついでTKホモミキサーで高速攪拌し、分散を行った。
更に、スチレンモノマー40重量部、アクリル酸ブチル10重量部、サリチル酸亜鉛5重量部を水40重量部と共に追加し、窒素気流下で攪拌しながら同様にして90℃に加熱し、過酸化水素を加えて5時間重合し、粒子を成長させた。重合停止後、この二次粒子の会合と造膜結合強度を上げるため、pHを5以上に調整しながら95℃に昇温し、5時間保持した。その後、得られた粒子を水洗いし、45℃で真空乾燥を10時間行ってシアントナーの母粒子を得た。
得られたシアントナーの母粒子は、前述のようにして測定した結果、平均粒径が6.8μm、円形度が0.98のトナーであった。このシアントナーの母粒子に対し、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)により表面処理した疎水性シリカ(平均粒径が12nm、比表面積140m2/g)を1重量%、シランカップリング剤により表面処理した酸化チタン(平均粒径が20nm、比表面積90m2/g)を0.8重量%添加し、シアントナーであるトナーAを製造した。このトナーAの仕事関数は、前述のようにして測定した結果、5.65eVであった。
(転写媒体の作製)
使用する転写媒体として、転写ベルトを作製した。
アルミニウムを蒸着した厚さ130μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に、
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 30重量部
・導電性カーボンブラック 10重量部
・メチルアルコール 70重量部
からなる均一分散液を、厚さが20μmになるようにロールコーティング法にて塗工乾燥し、中間導電性層を形成した。
(転写媒体の作製)
使用する転写媒体として、転写ベルトを作製した。
アルミニウムを蒸着した厚さ130μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に、
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 30重量部
・導電性カーボンブラック 10重量部
・メチルアルコール 70重量部
からなる均一分散液を、厚さが20μmになるようにロールコーティング法にて塗工乾燥し、中間導電性層を形成した。
次いで、この中間導電性層上に
・ノニオン系水系ウレタン樹脂(固形分62重量%) 55重量部
・ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン樹脂(固形分60重量%)
11.6重量部
・導電性酸化スズ 25重量部
・ポリテトラフルオロエチレン微粒子(max粒子系0.3μm以下)
34重量部
・ポリエチレンエマルジョン(固形分35重量%) 5重量部
・イオン交換水 20重量部
の組成を混合分散してなる塗工液を厚さ10μmとなるようにロールコーティング法にて同様に塗工乾燥し、転写層を形成した。
・ノニオン系水系ウレタン樹脂(固形分62重量%) 55重量部
・ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン樹脂(固形分60重量%)
11.6重量部
・導電性酸化スズ 25重量部
・ポリテトラフルオロエチレン微粒子(max粒子系0.3μm以下)
34重量部
・ポリエチレンエマルジョン(固形分35重量%) 5重量部
・イオン交換水 20重量部
の組成を混合分散してなる塗工液を厚さ10μmとなるようにロールコーティング法にて同様に塗工乾燥し、転写層を形成した。
この塗工シートを長さ540mmに裁断し、塗工面を上にして端部を合わせ、超音波溶着を行うことにより転写ベルトを作製した。この転写ベルトの体積抵抗は2.5×1010Ω・cmであった。また、仕事関数は5.37eV、規格化光電子収率6.90を示した。
濃度測定に使用した画像パターンは、図9に示すように1on4off のライン画像を用いた。そして、転写バイアス(Vt1)が以下のような6点で測定を行った。
Vt1=200(V) 、220(V) 、240(V) 、260(V) 、280(V) 、300(V)
これらの転写バイアスで転写したときの中間転写体上で測定した濃度をそれぞれ、a、b、c、d、e、fとした。それぞれ濃度は、0.566、0,570、0.574、O。574、0,598、0,608である。バイアスを上げていくと濃度が上昇していくのが分かる。その上昇カーブを知るために、それぞれ差をとると、b-a=0.004、c-b=0.004、d-c=0、e-dコ0,024、f-e=0,010となった。数値を表4に、グラフ化したものを図10に示す。
これらの転写バイアスで転写したときの中間転写体上で測定した濃度をそれぞれ、a、b、c、d、e、fとした。それぞれ濃度は、0.566、0,570、0.574、O。574、0,598、0,608である。バイアスを上げていくと濃度が上昇していくのが分かる。その上昇カーブを知るために、それぞれ差をとると、b-a=0.004、c-b=0.004、d-c=0、e-dコ0,024、f-e=0,010となった。数値を表4に、グラフ化したものを図10に示す。
(実施例2)
実施例1と製法は同じであるが、別の感光体、トナー、中間転写体を使って、温度15℃、湿度40%の環境で実験を行った。使用画像パターンは1on4off のライン画像である。この温湿度では、Vt1が260Vから360Vがよいことが分かっている。実施例1と同様に20V ずつ差を付けた転写バイアスで転写を行い、中間転写体上の転写後濃度を測定した。その測定結果を表5と図11に示す。
(実施例3)
実施例1と製法は同じであるが、別の感光体、トナー、中間転写体を使って、温度35℃、湿度70%の環境で実験を行った。使用画像パターンは1on4off のライン画像である。この温湿度では、Vt1が260Vから360Vがよいことが分かっている。実施例1、実施例2と同様に20V ずつ差を付けた転写バイアスで転写を行い、中間転写体上の転写後濃度を測定した。その測定結果を表6と図12に示す。
図13は転写バイアス決定の処理フローを示す図である。
転写バイアスを上げることで濃度上昇が大きくなる変曲点があるか否か判断し(ステップS1)、変曲点があれば変曲点の手前のバイアスをVt1として採用する(ステップS2)。変曲点が無い場合は、濃度は単調増加するか否か判断し(ステップS3)、単調増加する場合は、転写バイアス良好域の最も小さい値をVt1として採用する(ステップS4)。単調増加しない場合は、転写バイアス良好域の最も大きい値をVt1として採用する(ステップS5)。すなわち、この範囲では、すべて散りのない画像が得られているということである。このように変曲点がなく、濃度がほぼ常に一定の場合は、もっとも大きい360Vを転写バイアスに設定する。
転写バイアスを上げることで濃度上昇が大きくなる変曲点があるか否か判断し(ステップS1)、変曲点があれば変曲点の手前のバイアスをVt1として採用する(ステップS2)。変曲点が無い場合は、濃度は単調増加するか否か判断し(ステップS3)、単調増加する場合は、転写バイアス良好域の最も小さい値をVt1として採用する(ステップS4)。単調増加しない場合は、転写バイアス良好域の最も大きい値をVt1として採用する(ステップS5)。すなわち、この範囲では、すべて散りのない画像が得られているということである。このように変曲点がなく、濃度がほぼ常に一定の場合は、もっとも大きい360Vを転写バイアスに設定する。
本発明によれば、散りのない良好な画像が常に得られるので産業上の利用価値は極めて大きい。
10…駆動ローラ、20…従動ローラ、30…中間転写ベルト、40…単色トナー像形成手段、41…感光体、42…帯電ローラ、43…露光手段、44…現像ローラ、45…感光体用クリーニング。
Claims (1)
- 現像同時クリーニング又は感光体クリーナレス方式により画像を形成する方法において、感光体上に形成されたドットもしくはライン画像を、転写バイアスを変化させて中間転写体に転写し、転写後濃度を測定し、転写バイアスに対する濃度変化の変曲点を求め、変曲点がある場合は前記変曲点を越えない値に転写バイアスを決定して画像形成することを特徴とする画像形成方法。
Priority Applications (1)
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JP2004231182A JP2006047853A (ja) | 2004-08-06 | 2004-08-06 | 画像形成方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008257227A (ja) * | 2007-03-15 | 2008-10-23 | Ricoh Co Ltd | 画像形成方法及びプロセスカートリッジ |
-
2004
- 2004-08-06 JP JP2004231182A patent/JP2006047853A/ja active Pending
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