JP2006047383A - 感光材料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 PS版の現像により現像液中に溶け出した画像着色剤がヒータに析出して固形化することを防止する。
【解決手段】 現像槽24内の第1スプレーパイプ51に、現像液を供給する。現像槽24内に、ヒータ88を設ける。液流形成ユニット91は、液流形成ヘッド92、分岐管93を備える。分岐管93は、ゴムホース94を介して、第1スプレーパイプ51の分岐パイプ51bに接続される。第1スプレーパイプ51を流れる現像液の一部が、液流形成ヘッド92に送られる。隙間形成リング95によって、ヒータ88の外周面と液流形成ヘッド92の内周面との隙間が一定に保たれ、ヒータ88の外周面に現像液が均一にヒータ88の長手方向に沿って流出する。液流形成ヘッド92に、ヒータカバー96を取り付ける。ヒータカバー96の内周面に13/1000の勾配のテーパ面96aを設ける。
【選択図】 図4

Description

本発明は、感光性平版印刷版などの感光材料を搬送しながら処理液中で処理する感光材料処理装置に関するものである。
感光材料には、アルミニウム等の支持体に感光層を設けた感光性平版印刷版(以下、単にPS版と称する)があり、このPS版を処理する感光材料処理装置であるPS版プロセッサでは、PS版を現像液に浸漬して処理する現像工程、水洗水をPS版に吹き付けて水洗処理をする水洗工程、水洗処理の終了したPS版の表面にガム液等の不感脂化処理液を塗布して不感脂化処理を施す不感脂化工程等の、処理液を用いた複数の処理工程が設けられ、画像露光されたPS版に、現像、水洗及び不感脂化処理等を施すようになっている。
このようなPS版プロセッサの現像工程では、現像槽内に現像液を貯留して、PS版をこの現像液に浸漬しながら搬送することにより、画像露光によって不要となった感光層を、PS版の表面から除去するようになっている。この現像液中ではPS版の現像処理中にPS版から溶け出した例えば画像着色剤成分などが析出して凝集し、これらが固形物となり、これがPS版に付着してしまうという弊害があった。PS版に固形物が付着した状態で現像処理を終了すると、印刷時に付着した固形物によって印刷汚れが発生する不都合がある。このため、処理液中の微粒子成分やゴミなどが感光材料に付着することがないように、フィルタで濾過することが行われている(特許文献1,2参照)。また、処理槽底部から処理液を吐出するパイプを所定高さまで突出させることにより、処理槽の底板上に沈殿している沈殿物を液吐出時に巻き上げてしまうことを防止し、感光材料への沈殿物の付着を防止することも行われている(特許文献3参照)。
特開平5−119454号公報 特開2002−341504号公報 特開2003−270766号公報
上記のように処理液を使用し続けると液が疲労し、この疲労によって発生する固形物は感光材料への付着という問題を引き起し、改善が望まれていた。このため、現像液内に生じる固形物の発生要因を鋭意検討した結果、以下のように現像液とこの現像液を一定温度に保持するためのヒータとの関連で固形物が発生することを本発明者は見出した。すなわち、PS版には水溶性でない画像着色剤を使用しているものがあり、これが現像液中で析出しないように、バインダ成分により分散状態を保つようなシステムが組まれている。このようなPS版を処理すると、PS版からこの画像着色剤が現像液中に出てきて、PS版に含まれるバインダ成分が作用して分散状態となり、現像液中に存在し、あたかも溶けているような状態を作り出す。そして、PS版の処理が大量に行われると、画像着色剤成分濃度が上昇する。このとき、現像液の温度を一定に維持するためのヒータがオンとなると、ヒータ表面で現像液の温度が上昇する。従来のヒータ駆動では、例えば稼働開始時などにおいて待機時間が最短時間となるように、ヒータによる処理液のヒートアップ処理はフルパワーで行うようにしている。このヒートアップ処理でヒータの表面温度が約80℃を超えるような状況になると、前記画像着色剤の分散状態が壊れて、ヒータ表面に固形物として出てくることを本発明者は見出した。固形化した一部の画像着色剤はヒータから離れて、PS版に付着してしまう。
そこで、現像液中に固形物が発生しないようにするために、ヒータ表面近くの現像液温度を一定温度以下にする必要がある。ヒータ表面近くの現像液温度を一定温度以下にする対策としては、ヒータ表面積を大きくしてワット密度を下げる手法や、ヒータ表面への現像液の循環流速を大きくする手法が考えられるが、この場合には、現像部ヒータの大型化が必要になったり、大容量の循環ポンプが必要になるなどの弊害がある。また、循環流の当たりにくい部分では画像着色剤成分の固形化を防ぐことが困難であり、根本的な解決にはつながらない。さらには、ヒータ容量を小さくすることでワット密度を下げる手法も考えられるが、この場合には現像液のヒートアップ時に時間がかかってしまうという新たな問題が発生する。通常の朝の起動時には、タイマースタンバイ処理などでこの問題は解決可能であるから、低容量ヒータでも不具合は発生することはないが、新液調製ではこのタイマースタンバイ処理を使用することができないため、新液調製時に水道水の温度が低い場合にヒートアップ時間が長くなってしまうという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、処理液中の固形物などが感光材料に付着することがないようにし、しかも新液調製時のヒートアップ時間が長くなることがないようにした感光材料処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の感光材料処理装置は、感光材料を処理する処理液が貯留される処理槽と、この処理槽内に配置され前記処理液を加熱するヒータとを有する感光材料処理装置において、前記ヒータを覆うように取り付けられ、前記ヒータの外面近くでヒータの表面に前記処理液の流れを形成する液流形成手段を備えることを特徴とする
なお、前記ヒータは棒状に形成され、前記液流形成手段は、前記ヒータの長手方向に沿った前記処理液の流れを形成することが好ましい。
また、前記処理液を前記処理槽内に送る処理液供給パイプ、前記処理槽に貯留された前記処理液を排出口から排出した後に前記処理液供給パイプを介して循環させる処理液循環手段を備え、前記液流形成手段は、前記ヒータの外面との間に流出開口を有する液流形成ヘッドを備え、この液流形成ヘッドに前記処理液供給パイプから前記処理液を供給することが好ましい。
さらに、前記流出開口は、前記ヒータの外面と前記液流形成ヘッドとの間に形成される隙間であり、前記液流形成ヘッドは前記隙間を一定に保持する隙間保持部材を有することが好ましい。
また、前記液流形成ヘッドに設けられ、前記ヒータを覆い、前記流出開口から流出される前記処理液を前記ヒータの長手方向に沿って案内する筒状のガイドカバーを有することが好ましい。
さらに、前記ガイドカバーと前記ヒータとの隙間が前記ヒータの長手方向に沿って次第に狭く形成されていることが好ましい。
また、前記液流形成ヘッド及び前記ガイドカバーは着脱自在に設けられていることが好ましい。
前記ヒータの表面の前記処理液の流速を0.05m/Sec〜5.0m/Secとすることが好ましい。
本発明の感光材料処理装置によれば、感光材料を処理する処理液が貯留される処理槽と、この処理槽内に配置され処理液を加熱するヒータと、ヒータを覆うように取り付けられ、ヒータの外面近くでヒータの表面に処理液の流れを形成する液流形成手段を備えるから、感光材料の処理中に溶け出した画像着色剤がヒータの表面に析出して固形化することを防止することができ、固形化したものの一部がヒータの表面から離れて感光材料に付着して印刷時に印刷汚れとなって現れることを防止することができるため、感光材料の品質を向上することができる。
また、ヒータは棒状に形成され、液流形成手段は、ヒータの長手方向に沿った処理液の流れを形成するから、長形状のヒータの場合にも、確実に処理液をヒータの長手方向に沿って流すことができる。
さらに、処理液を処理槽内に送る処理液供給パイプ、処理槽に貯留された処理液を排出口から排出した後に処理液供給パイプを介して循環させる処理液循環手段を備え、液流形成手段は、ヒータの外面との間に流出開口を有する液流形成ヘッドを備え、この液流形成ヘッドに処理液供給パイプから処理液を供給するから、確実に処理液をヒータの外面近くでヒータの長手方向に沿って流すことができる。
また、流出開口は、ヒータの外面と液流形成ヘッドとの間に形成される隙間であり、液流形成ヘッドは隙間を一定に保持する隙間保持部材を有するから、より一層確実に処理液をヒータの外面近くでヒータの長手方向に沿って流すことができる。
さらに、液流形成ヘッドに設けられ、ヒータを覆い、流出開口から流出される処理液をヒータの長手方向に沿って案内する筒状のガイドカバーを有するから、流出開口から流出される処理液をヒータの外面近くでヒータの長手方向に沿って流すことができる。
また、ガイドカバーとヒータとの隙間がヒータの長手方向に沿って次第に狭く形成されているから、表面温度が高くなる傾向があるヒータの先端部の温度を低下させることができる。
さらに、液流形成ヘッド及びガイドカバーは着脱自在に設けられているから、定期的なメンテナンス等において、ヒータを清掃する場合には、液流形成ヘッド及びガイドカバーを取り外すことにより、容易にヒータを清掃することができる。
また、ヒータの表面の処理液の流速を0.05m/Sec〜5.0m/Secとするから、より一層確実に感光材料の処理中に溶け出した画像着色剤がヒータの表面に析出して固形化することを防止することができるため、より一層確実に感光材料の品質を向上することができる。
図1は、本実施を実施したPS版プロセッサ10を示している。このPS版プロセッサ10は、感光材料として図示しない露光装置によって画像露光されたフォトポリマー版などのPS版12の現像処理を行う。なお、PS版12は、アルミニウム板等の薄肉矩形平板を支持体として、この支持体に感光層を形成しており、フォトポリマー版は、光接合層、光重合層及びオーバーコート層が重ねられて感光層が形成され、レーザ光により画像の露光がなされることにより光重合層の画像部の重合反応が促進される。
PS版プロセッサ10には、PS版12を現像液によって処理するための現像部14と、現像液によって処理されたPS版12へ水洗水を供給して水洗する水洗部16と、水洗後のPS版12にガム液を塗布して不感脂化処理する不感脂化処理部18と、PS版12を乾燥させる乾燥部20とが設けられている。
PS版プロセッサ10内には、処理タンク22が設けられている。この処理タンク22には、処理槽として現像部14となる位置に現像槽24が形成され、水洗部16及び不感脂化処理部18となる位置に水洗槽及び不感脂化処理槽(ともに図示せず)が形成されている。
処理タンク22を覆う外板パネル30には、スリット状の挿入口32が形成され、この挿入口からPS版12が挿入される。
現像部14の挿入口32の内側には、ゴム製の搬送ローラ対42が設けられている。この搬送ローラ対42は、矢印A方向に沿って挿入されたPS版12を現像部14に送る。
現像槽24は、底部中央が下方へ向けて突出された略山形状となっており、処理液としてPS版12の現像処理を行うための現像液を貯留する。この現像槽24には、PS版12の搬送方向に沿った下側にガイド板44、46が底部に沿って設けられている。また、ガイド板44,46の間には搬送ローラ対45が設けられている。これらガイド板44,46、及び搬送ローラ対45によって、PS版12は、現像槽24内を略U字状に案内搬送されながら、現像液に浸漬される。この現像液への浸漬により、PS版12の画像露光によって感光した感光層の不要な部分が現像液により膨潤し、支持体から剥離され、露光画像に応じた不要な感光層が除去される。
現像槽24内には、ガイド板44、46の下面側に第1,第2スプレーパイプ(処理液供給パイプ)51,52が設けられている。また、ガイド板44、46のそれぞれには、多数の通液孔(図示省略)が穿設されている。第1,第2スプレーパイプ51,52には、循環用の循環ポンプ53によって吸引した現像槽24内の現像液がフィルタ54を介して供給されるようになっている。
図2に示すように、第1スプレーパイプ51は、先端に噴射口51aが設けられており、搬送されるPS版12の幅方向に現像液を噴射する。また、第2スプレーパイプ52は、PS版12の幅方向に等間隔で噴射口52aが設けられており、PS版12の搬送方向に現像液を噴射する。これら第1,第2スプレーパイプ51,52によって、現像液が現像槽24内で噴射されることにより、現像槽24内の現像液が攪拌されて、PS版12の均一な処理が行われる。このとき、ガイド板44、46に形成されている通液孔からPS版12の搬送路側に現像液が回りこむことにより、PS版12の迅速な現像処理と処理ムラの発生を防止している。第1,第2スプレーパイプ51,52は、現像槽24の一方の側壁から、搬送されるPS版12の幅方向に水平に現像槽24内に突出するように取り付けられている。第1スプレーパイプ51の取り付け側端部近くには、後に説明する液流形成ユニット91に現像液を送るための分岐パイプ51bが形成されている。
図1に示すように、現像槽24内には、ガイド板46に対向してブラシローラ60が設けられている。このブラシローラ60は、現像液に浸漬されながらガイド板46上を搬送されるPS版12の表面に毛材を接触させながら回転することにより、PS版12の表面をブラッシングして、PS版12の表面からの不要な感光層の除去を促進している。
現像部14には、下面が現像槽24に貯留される現像液の液面より下方となるように、現像槽24の液面上部の空間の大部分を占める液面蓋62が配置されている。そして、現像槽24の入口側及び出口側搬送ローラ42,64には、シリコンゴム製の遮蔽部材(図示せず)が配置されている。この液面蓋62と遮蔽部材等によって現像槽24の液面の上部がほぼ密閉空間とされ、この空間に閉じ込められた空気の量が少なくなり、また、現像液の液面近傍に新鮮な空気が入り込んでくるのが防止される。したがって、空気中の炭酸ガスによる現像液の劣化と水分の蒸発が抑えられる。
現像槽24の出口側には、外周がゴム製の搬送ローラ対64が配置されている。この搬送ローラ対64は、搬送ローラ対45から送られてきたPS版12を水洗部16へ送り出す。このとき、この搬送ローラ対64によってPS版12の表面に付着している現像液が絞り落とされながら水洗部16へ送り込まれる。
水洗部16では、水洗水をPS版12に向けて噴出することにより、PS版12の表面に付着している現像液を洗い流す。水洗部16を通過したPS版12は不感脂化処理部18に送られる。不感脂化処理部18では、PS版12にガム液を滴下してガム液を塗布する。ガム液が塗布されたPS版12は乾燥部20に送られて、ガム液が温風乾燥され、保護膜が形成される。保護膜が形成されたPS版12はPS版プロセッサ10から排出されて、一連の処理が終了する。なお、水洗部16、不感脂化処理部18、乾燥部20は公知のものであり、特開2000−284501号公報、同2000−107738号公報などに詳しく説明されている。
PS版プロセッサ10の現像部14には、循環手段として循環ポンプ53が設けられている。この循環ポンプ53は、配管70を介して現像槽24の底部に形成された排出口24aに連結され、配管72を介して第1,第2スプレーパイプ51,52のそれぞれに連結している。現像部14では、循環ポンプ53が作動すると現像槽24内の現像液がフィルタ54を介して第1,第2スプレーパイプ51,52に供給され、第1,第2スプレーパイプ51,52から噴出される。このようにして現像槽24内の現像液が循環されることにより例えば液温が均一となるように攪拌される。本実施形態では、現像液を循環させる処理液循環手段は、循環ポンプ53、フィルタ54、配管70、配管72から構成される。
このPS版プロセッサ10には、現像槽24内の現像液の劣化を防止するための補充液補充機構74が設けられている。補充液補充機構74は、補充用の原液を貯留する原液タンク76と、原液タンク76内の原液を現像槽24へ供給する補充ポンプ78と、現像槽24に供給する補充用の原液を所定比率で希釈するための水が貯留される水タンク80と、水タンク80内の水を、現像槽24へ供給する希釈ポンプ82とを備えている。
また、PS版プロセッサ10には、制御部86が設けられ、循環ポンプ53と共に、補充ポンプ78、希釈ポンプ82が接続されている。制御部86は、予め設定されている所定のタイミングで、補充ポンプ78と希釈ポンプ82とを作動させて、補充用の原液と、この原液を予め設定されている希釈比率で希釈するための水を現像槽24へ供給する。これにより、現像槽24に補充液が補充される。なお、補充液補充機構74の作動タイミングは従来公知のタイミングを適用することができ、本実施の形態では詳細な説明を省略する。
一方、PS版プロセッサ10の現像槽24内には、温調手段として円柱状で長形状のヒータ88が設けられている。ヒータ88は、現像槽24内の側面に取り付けられており、現像槽24内の現像液を加熱する。なお、必要に応じて冷却器を現像槽24に接続し、冷却液を循環または循環停止させることで、現像槽24内の現像液を冷却して現像液の温度を制御するようにしてもよい。また、ヒータ88を取り付ける位置は、現像槽24内の側面に限定されることなく、現像槽24内の中央部や、現像槽24内の側面と中央部との間等でもよい。
また、現像液を循環させる配管70には、液温検出手段としてサーミスタ89が設けられている。このサーミスタ89は、ヒータ88と共に制御部86に接続されている。なお、サーミスタ89は配管70内に設ける他に、現像槽24内に設けてもよい。
制御部86では、PS版12の処理中は、循環ポンプ53を作動させて、現像液の循環を行いながら、サーミスタ89が検出する現像液の液温にもとづいてヒータ88のオン/オフ制御を行うことにより、現像槽24内の現像液の液温を、PS版12を最適に処理することができる温度(例えば約30°C)に維持している。
このとき、従来のように、ヒータ88を単にオン/オフ制御させるだけでは、ヒータ88の表面近くの現像液温度が例えば約80°Cを超えて上昇してしまい、現像液中の画像着色剤成分がヒータ88の表面に析出して固形化してしまう。この固形化したものの一部はヒータ88から離れてPS版12に付着してしまい、印刷時に印刷汚れとなって現れる。このため、本発明では、液流形成手段としての液流形成ユニット91により、ヒータ88の表面にヒータ88の長手方向に現像液の強制流れを形成してヒータ88の表面の温度が約80℃を超えないようにして、現像液中の画像着色剤成分がヒータ88の表面に析出することがないようにしている。図2及び図3に示すように、液流形成ユニット91は、ヒータ88の基部近くをヒータ88の長手方向に沿って覆うように取り付けられるT字管から構成されており、ヒータ88の基部を覆うように取り付けられるステンレス製の液流形成ヘッド92と、液流形成ヘッド92の中央部から突出している分岐管93とを備えている。
分岐管93は、ゴムホース94を介して、第1スプレーパイプ51の分岐パイプ51bに接続されている。これにより、第1スプレーパイプ51を流れる現像液の一部が分流され、液流形成ヘッド92に送られる。
液流形成ヘッド92の一端は、ヒータ88の外周面にほぼ密着しており、分流された現像液の流出が阻止される。また、液流形成ヘッド92の他端側は、ヒータ88の外周面との間に隙間が形成されており、この隙間内に、隙間形成リング(隙間保持部材)95が嵌合されている。隙間形成リング95は、円盤状の本体部95aにヒータ88の軸径よりも径の大きい開口部95bが形成され、開口部95bの内側には、ヒータ88の外周面に接触するリブ95cが120°ピッチで3個形成されている。この3個のリブ95cの先端により形成される円の径は、ヒータ88の軸径と略同一に形成されている。これにより、隙間形成リング95によって、ヒータ88の外周面と液流形成ヘッド92の内周面との隙間が一定に保たれ、ヒータ88の外周面に現像液が均一にヒータ88の長手方向に沿って流出する。従来の感光材料処理装置では、ヒータ88の外周面に流れる現像液の流速は、0.05m/Sec以下であり、本実施形態では、従来の流速よりも速い0.5m/Sec〜0.8m/Secとされている。なお、ヒータ88の外周面に流れる現像液の流速は、0.05m/Sec〜5.0m/Sec、好ましくは0.2m/Sec〜2.0m/Sec、より好ましくは0.5m/Sec〜0.8m/Secである。また、リブ95cの個数は、3個に限定されることなく、適宜変更されるものである。さらに、隙間形成リング95の内周面の全周でヒータ88の外周面を受け、隙間形成リング95に現像液を流出するための流出開口(例えば、複数の丸孔や長孔等)を隙間形成リング95の長手方向に沿って形成するようにしてもよい。
ヒータ88の加熱により、液流形成ヘッド92の内部を流れる現像液が加熱され、ヒータ88から離れた位置の現像液の温度(例えば、20℃)よりも2℃高い温度(22℃)に加熱される。
液流形成ヘッド92には、ヒータ88を覆うように、ステンレス製の円筒状のヒータカバー(ガイドカバー)96が取り付けられている。ヒータカバー96の内周面とヒータ88の外周面との間には隙間が形成されており、この隙間内のヒータカバー96の先端側に、隙間形成リング95が嵌合されている。隙間形成リング95によって、ヒータ88の外周面とヒータカバー96の内周面との隙間が一定に保たれる。これにより、第1スプレーパイプ51の分岐パイプ51bから流れ出る現像液は、液流形成ヘッド92、ヒータカバー96によって、ヒータ88の外周面に長手方向に沿って現像液流れ方向Bに流れるようになる。つまり、ヒータ88の周面には、常に現像液が現像液流れ方向Bに流れており、この液流によりヒータ88の表面温度を低下させることができるため、PS版12の現像により現像液中に溶け出した画像着色剤の分散状態が高温の現像液によって壊されて、画像着色剤がヒータ88の表面に析出して固形化することを防止することができる。したがって、固形化したものの一部がヒータ88から離れてPS版12に付着して印刷時に印刷汚れとなって現れることがなくなるから、PS版12の品質を向上することができる。
図4に示すように、ヒータカバー96の内周面は、現像液流れ方向Bに沿ってヒータ88との間の隙間が次第に狭くなるようなテーパ面96aとされている。現像液の流れが一定流速の場合は、現像液の温度がヒータ88によって上昇するため、ヒータ88の表面温度はヒータ88の長手方向の先端に向かって高くなる傾向がある。本実施形態では、このテーパ面96aの勾配Cを、13/1000としている。なお、勾配Cは、1/1000〜50/1000が好ましく、より好ましくは5/1000〜30/1000である。この勾配により、現像液の流速は、ヒータ88の長手方向の先端に向かって次第に速くなるため、ヒータ88の全周に亘って表面温度を一定温度以下にすることができる。
図2に示すように、ヒータカバー96の上方には、過熱防止センサ97が組み付けられた板状の取付ブラケット98が設けられている。取付ブラケット98は、先端部に形成された取付孔98aにヒータ88が挿通され、後端部が現像槽24の側壁に形成された取付板24bにビス締め固定されている。過熱防止センサ97は、過熱防止用液体が封入された直方体状に形成されており、金属チューブを介して電気接点に接続されている。そして、現像液が所定温度(例えば、55℃)以上になると、過熱防止用液体が膨張し、金属チューブを介して電気接点をオフにしてヒータ88を遮断する。なお、過熱防止センサは、過熱防止用液体が封入されたセンサに限定されることなく、現像液の過熱状態を検出することができるものであればよい、
上記のような現像液の強制流れによってヒータ88の表面近くの現像液温度を80℃以下に抑えることによるヒータ88表面での画像着色剤の析出抑制に加えて、ヒータ88への供給電力を制御することにより、より一層の析出防止を図るようにしてもよい。この場合には、現像液中の画像着色剤含有量を累積計算して、処理補充及び経時補充後に画像着色剤含有率を演算する。そして、この画像着色剤含有率からヒータ88への供給電力を制御して、ヒータ88の表面近くの現像液温度が80°Cを超えることがないようにする。
図1に示す制御部86には、図5に示すようなヒータコントローラ100が設けられており、このヒータコントローラ100によってヒータ88を加熱制御する。なお、制御部86は、PS版プロセッサ10内の各機器の作動を制御する一般的機能を備えているが、本実施形態では、このうちのヒータ88の加熱制御を説明する。
ヒータコントローラ100には、ドライバ101の他に、画像着色剤含有率演算部102、メモリ103、時間設定部104、加熱判定部105、タイミング設定部106、ゼロクロス検出部107が設けられている。ドライバ101は、交流電源108から供給される交流電力のヒータ88への供給及び遮断を行う。ヒータコントローラ100は、ヒータ88へ供給する交流電圧の実効値を制御することにより、実効値に応じてヒータ88を発熱させ、現像液を加熱する。このとき、ヒータ88の表面近くの現像液温度を80°C以上に加熱することがないように、現時点での現像液の画像着色剤含有率を演算しながら、この画像着色剤含有率に応じて、ヒータ88へ供給する交流電圧の実効値を制御する。なお、画像着色剤含有率演算部102にはPS版センサ110が接続されており、加熱判定部105にはサーミスタ89が接続されている。PS版センサ110は、挿入口32の近くで内側に配置されており、PS版12を検出したときにオン信号を出力する。このオン信号に基づき、PS版12の先端通過や後端通過が検出されるとともに、PS版12の長さが求められる。
図6にヒートコントローラ100による現像液温調制御のフローチャートを示す。まず、画像着色剤含有率が変動したか否かを判定する。この判定は、一定期間毎にこの期間内に補充液の補充があったか否か、版処理量(版処理面積)が一定値を超えたか否かで判定される。変動有りと判定されたときには、画像着色剤含有率が演算されて、これがメモリ103に格納され、更新される。次に、現時点での画像着色剤含有率が読み出され、これに基づきデューティ比が決定される。次に、サーミスタ89によって現像液の液温度が検出され、この検出温度に基づき現像液が温度調節される。温調では、現像液の温度が一定温度範囲になるように、現像液温度が下限値未満になったときにヒータ88がオンにされ、加熱が行われる。また、現像液温度が上限値を超えるときにヒータ88がオフにされる。このヒータ88による加熱制御時に、画像着色剤含有率に基づきデューティ比が決定され、このデューティ比によってヒータ88への電力が制御される。
画像着色剤含有率演算部102は、図7に示すようなフローチャートに基づき画像着色剤含有率Dを演算する。メモリ103には現時点での画像着色剤含有率Dが記憶されている。画像着色剤含有率Dは、PS版12の版処理面積に基づく液補充や、現像液の劣化を補償するための経時補充があったときに、画像着色剤含有率演算部102によって新たに求められ、この新たな値がメモリ103に記憶されて更新される。そして、現像液を新しく作る新液調製時には、この値が「0」にリセットされる。
画像着色剤含有率Dの演算は次のようにして行う。まず、版処理面積S[m2]が求められる。この版処理面積Sは、図1に示すように、PS版プロセッサ10の挿入口32に配置されたPS版センサ110のオン時間とPS版12の平均版幅の入力データにより算出される。PS版の平均版幅はオペレータなどによって図示しないデータ入力部から入力される。なお、このような平均版幅データを用いる代わりに、挿入口32にPS版の幅検出センサを設け、この幅検出信号とPS版センサ110のオン時間とにより版処理面積Sを求めてもよい。
次に、求めた版処理面積Sに基づき、処理面積に応じた補充量(面積補充量)Rs[リットル]を次式から求める。
Rs=S×r
なお、rは単位面積(1m2)当たりの面積補充量[リットル/m2]であり、各機種毎に予め求められて、メモリ103に記憶されている。
次に、経時補充量Rh[リットル]を求める。この経時補充量Rhは、現像液が運転及び停止時に空気中の炭酸ガスに接触することにより劣化するのを補償するもので、予め機種毎に単位経過時間当たりの補充量が待機時と運転時とに分けて求められており、例えば新液が調製されたときから起算した累積待機時間及び累積運転時間に基づき求められる。
次に、画像着色剤溶出量Q[g]を求める。画像着色剤溶出量Qは、現像液中に、PS版12の露光部分から現像液中に溶出する画像着色剤の値であり、次の式から求められる。
Q=S×(K/100)×q
なお、qはPS版12の単位面積(1m2)当たりの画像着色剤含有量であり、処理するPS版の種別毎に予め求められており、メモリ103に記憶されている。
次に、現像液に溶出した画像着色剤含有率D[g/リットル]を求める。この画像着色剤含有率Dは、版処理面積及び補充液量により次式から求められる。
D=Q/(V+Rs+Rh)
求めた画像着色剤含有率Dはメモリ103に記憶され、画像着色剤含有率Dが更新される。以下、運転時間中に一定時間経過毎に、及び液補充毎に画像着色剤含有率Dが求められて更新される。
ヒータコントローラ100では、ヒータ88を作動させるときに、交流電圧の半サイクル中で、電力を供給するオン時間と、電力の供給を遮断するオフ時間を設定し、この設定結果に基づいてドライバ101を作動させる。すなわち、ドライバ101はヒータ88を作動させるときに、図8に示すように、交流電圧の半サイクル中で、オン時間TONの間、ヒータ88へ通電し、オフ時間TOFFの間、通電を停止する。なお、(B)は、ドライバ101のオン/オフを示し、(A)は、ドライバ101のオン/オフに応じた出力電圧(瞬時値)の変化を実線で示している。なお、(A),(B)はデューティ比80%のときを、(C),(D)はデューティ比50%のときをそれぞれ示している。
時間設定部104では、メモリ103から現時点での画像着色剤含有率Dを読み出して、この画像着色剤含有率Dからヒータ駆動デューティ比を求める。画像着色剤含有率Dとヒータ駆動デューティ比との関係は予め求められている。図9は、この画像着色剤含有率Dとヒータ駆動デューティ比との関係を示す一例であり、画像着色剤含有率Dが「0」の状態ではデューティ比が100%となっており、PS版12の処理によって画像着色剤含有率Dが高くなると、デューティ比は次第に低下する。本実施形態では、10[g/リットル]で95%、20[g/リットル]で70%、30[g/リットル]で55%、40[g/リットル]で50%、50[g/リットル]で50%にしている。そして、求めたデューティ比によって、オン時間TONを制御することにより、ヒータ88の表面近くの現像液の温度が80°Cを超えることがないように、ヒータを加熱制御する。
すなわち、時間設定部104は、現像液の画像着色剤含有率Dが高いときには、オン時間TONを短くしてヒータ88の発熱量を下げ、現像液の画像着色剤含有率が低いときには、オン時間TONを長くする。
ゼロクロス検出部107は、交流電源108から入力される交流電圧の極性が切り替るゼロクロス点P(図8(A)参照)を検出する。また、タイミング設定部106では、ゼロクロス検出部107の検出結果と、時間設定部104で設定したオン時間TONに基づいて、ドライバ101を作動させる。
さらに、ヒータコントローラ100には、加熱判定部105が設けられている。この加熱判定部105はサーミスタ89によって現像液の温度を検出しており、この検出温度が一定値以下になったときに時間設定部104にヒータオン信号を出力する。また、サーミスタ89の検出温度が一定値を超えたときに、時間設定部104にヒータオフ信号を出力する。したがって、ヒータオン信号が出力されたときには、現時点での画像着色剤含有率に基づきデューティ比が求められ、これに基づきオン時間TONが設定される。これによって、現像液内の画像着色剤含有率Dに基づきヒータ88の発熱量が制御されるため、熱により画像着色剤の分散状態が壊れてヒータ88の表面に画像着色剤が析出して固形化してしまうということがなく、固形物がPS版12に付着して発生する印刷汚れなどの発生もなくなる。
このように構成されているPS版プロセッサ10では、図示しない焼付装置等によって画像が記録されたPS版12が挿入口41から挿入されると、現像部14へと送り込まれる。PS版センサ110は、PS版12の先端が通過するとオンになり、その後端が通過するとオフになる。このPS版センサ110のPS版先端検出信号に基づき図示しない制御部内のタイマ(図示せず)を作動させて、このタイマの経過時間に基づきPS版12を搬送するための駆動手段の制御と共に、水洗部16での水洗水の吐出タイミングや、不感脂化処理部18におけるガム液の吐出タイミングを決定する。
現像部14に送り込まれたPS版12は現像液に浸漬されることにより、露光画像に応じて感光層の不要部分が膨潤し、膨潤した感光層が支持体から除去される。このときに、ブラシローラ60によってPS版12の表面をブラッシングすることにより、PS版12の表面からの不要な感光層の除去が促進される。現像処理後は水洗処理、不感脂化処理、乾燥処理が順に行われる。
上記のように構成されたPS版プロセッサ10の作用について説明する。循環ポンプ53が作動すると、現像槽24内の現像液がフィルタ54を介して第1,第2スプレーパイプ51,52に供給される。第1スプレーパイプ51に供給された現像液は、そのままを第1スプレーパイプ51を流れるものと、分岐パイプ51bに流れるものとに分流される。第1スプレーパイプ51を流れる現像液は、噴射口51aから噴射される。分岐パイプ51bを流れる現像液は、分岐管93を通って液流形成ヘッド92に送られ、液流形成ヘッド92、ヒータカバー96によって、ヒータ88の長手方向の外周面に沿って現像液流れ方向Bに流れ、ヒータカバー96の先端から現像槽24に吐出される。これによって、ヒータ88の周面には、常に現像液が現像液流れ方向Bに流れることになる。このとき、ヒータ88の周辺温度を測定すると、ヒータ88の長手方向の全長において、80℃以下のほぼ均一の温度分布となる測定結果が得られた。したがって、PS版12の現像により現像液中に溶け出した画像着色剤がヒータ88に析出して固形化することが抑制される。また、固形化したものの一部がヒータ88から離れてPS版12に付着して印刷時に印刷汚れとなって現れることがなくなり、PS版12の品質を向上することができる。さらに、ヒータカバー96は、内周面であるテーパ面96aが、現像液流れ方向Bに沿ってヒータ88との間の隙間が小さくなるような勾配Cを有するから、この勾配Cにより、現像液の流速がヒータカバー96の先端ほど速くなり、先端の温度が高くなる傾向があるヒータ88の表面温度を全体に亘って一定温度以下にすることができる。
さらに、現像液中の画像着色剤含有量を累積計算して、処理補充及び経時補充後に画像着色剤含有率を演算し、この画像着色剤含有率からヒータ88への供給電力を制御して、ヒータ表面近くの現像液温度が80°Cを超えることがないようにし、ヒータ88の表面に画像着色剤が析出して固形化してしまうことがないようにすることにより、固形物がPS版12に付着して発生する印刷汚れなどの発生がより一層確実に防止される。
定期的なメンテナンス等において、ヒータ88を清掃する場合には、現像槽24内の現像液を全て抜き取り、液流形成ユニット91とヒータカバー96とを取り外してから行う。これにより、液流形成ユニット91とヒータカバー96とが取り外し不能に設けられているものに比べて、ヒータ88の清掃を容易に行うことができる。
本発明に用いる感光性平版印刷版は、特に限定されるものではなく、支持体上に感光層、感熱層などの画像記録層を設けた種々の平版印刷版原版を挙げることができる。画像記録層としては、例えば、特開平7-285275号公報及び特願2002−154279号明細書に記載されたサーマルポジタイプ、特開平7-20625号公報又は特開平11-218903号明細書に記載されたサーマルネガタイプ及び特開2001−100412号、特開2002−169282号明細書に記載されたフォトポリネガタイプ等が挙げられる。特に好ましくは、特開平11−218914号、特願2002−499707号、特願2003−189095号、特願2003−181121号明細書に記載された重層の感熱性ポジ型平版印刷版が挙げられる。
感熱性ポジ型平版印刷版は感熱層の構成として、赤外線吸収染料、アルカリ可溶性樹脂などがあるが、アルカリ可溶性樹脂(水不溶性且つアルカリ水可溶性の樹脂)は、従来公知のものであれば特に制限はないが、(1)フェノール性水酸基、(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基のいずれかの官能基を分子中に有する高分子化合物であることが好ましい。この感熱層を形成するにあたっては、上記の成分の他に必要に応じて、種々の以下の添加剤を添加することができる。
平版印刷版原版のインヒビション(溶解性阻害)を高める目的で、該感熱層に、種々のインヒビターを含有させることができる。このインヒビターとしては特に限定されないが、4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール系化合物等が挙げられる。また、このインヒビション(溶解性阻害)改善の施策を行った場合、感度の低下が生じるが、この場合、ラクトン化合物を添加物することが有効である。さらに、感光層表面の溶解阻止性の強化とともに表面のキズに対する抵抗力を強化する目的で、特開2000−187318号公報に記載されているような、分子中に炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を2又は3個有する(メタ)アクリレート単量体を重合成分とする重合体を併用することが好ましい。また、感度を更に向上させる目的で、酸無水物類、フェノール類、有機酸類を併用することもできる。
感熱層中には、塗布性を良化するため、現像条件に対する処理の安定性を広げるために界面活性剤を含ませることもできる。また、感熱層中には、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えたり、必要に応じて塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を加えたり、さらには、ワックス剤を入れて、キズに対する抵抗性を付与する目的で、表面の静摩擦係数を低下させる化合物を添加したりすることもできる。
平版印刷版原版は、通常上記各成分を含有する版材の感熱層組成物を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布することにより製造することができる。
本発明において使用される現像液は、以下の成分を含んでいる。本発明の現像に用いられる現像液及び現像補充液は、pH10.0〜13.5、より好ましくは11.0〜13.3のアルカリ水溶液である。かかる現像液および現像補充液としては従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
印刷版を現像液中で処理すると不要な感熱層が現像液中に溶出してくるが、現像液中に溶出して分散している感熱層中の成分、例えば画像着色剤の分散状態がヒータの熱によって壊されて析出してしまうことがある。この析出は画像着色剤に限らず、他の感熱層中の成分でも生ずることがある。
なお、本実施形態では、ヒータ88を円柱状で長形状のものから構成したが、本発明は、断面が多角形のヒータや、球形のヒータや、多面体(例えば、8面体や12面体等)のヒータ等にも適用することができ、その場合には、液流形成ユニット91、隙間形成リング95、ヒータカバー96を、ヒータの形状に応じた形状で形成する。
また、本実施形態では、液流形成ユニット91の液流形成ヘッド92により現像液をヒータ88の長手方向に沿って流出させるようにしたが、現像液をヒータ88の外周面の長手方向に沿って流すことができればよく、例えば、現像槽24内に小型ポンプを配置し、この小型ポンプにより現像液をヒータ88の外周面の長手方向に沿って流すようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、液流形成ヘッド92を、ヒータ88の取付側端部に設けたが、先端側に設けたり、中央部に設けたりしてもよく、中央部に設ける場合には、液流形成ヘッド92の両端に流出開口を形成し、ヒータ88の両端部へ向けて現像液を流出させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、液流形成ユニット91とヒータカバー96とを別部材として構成したが、1つの部材として一体的に構成してもよい。
さらに、本実施形態では、隙間形成リング95により、ヒータ88の外周面とヒータカバー96の内周面との隙間を一定に保つようにしたが、ヒータカバー96を液流形成ヘッド92に取り付けるだけで、ヒータ88の外周面とヒータカバー96の内周面との隙間を一定に保つことができる場合には、ヒータカバー96の隙間形成リング95は省略してもよい。
また、本実施形態では、ヒータカバー96を液流形成ヘッド92に取り付け、液流形成ヘッド92から流れ出る現像液を、ヒータ88の長手方向の周面に沿って現像液流れ方向Bに流れるようにしたが、液流形成ヘッド92から流れ出る現像液がヒータ88の長手方向の周面に沿って現像液流れ方向Bに流れるように液流形成ヘッド92が形成されている場合には、ヒータカバー96は省略してもよい。
さらに、本実施形態では、ヒータ駆動制御の制御パラメータとして画像着色剤含有率Dを用いているが、この画像着色剤含有率Dと関連するパラメータであればよく、例えば現像処理液の累積処理時間、処理液補充量などを用いて、これらパラメータとヒータ駆動電力との関係を予め求めておき、これに基づきヒータを駆動制御してもよい。この場合には、現像処理液の累積処理時間に基づき累積処理時間の増加に伴いヒータ駆動電力を減らす処理を行う。また、この累積処理時間に基づくヒータ駆動制御において、処理液補充量を加味して累積処理時間を補正してもよい。
また、本実施形態では、交流電圧の半サイクル内でのオン時間TONを設定したが、これに限らず、例えば、ヒータ88へ電力を供給する交流電圧のオンサイクルと、供給を停止するオフサイクルを設定し、オンサイクルとオフサイクルの比率によってヒータ88へ供給する交流電圧の実効値を制御する、いわゆるサイクル制御を行ってもよい。
さらに、本実施形態では、交流電源108を用いてヒータ88を駆動させ発熱させているが、ヒータ88の表面近くの現像液の温度が一定値を超えないように加熱することができるものであれば良く、直流電源でヒータを駆動させてもよい。この場合、ヒータにパルス波形の電圧を供給するようにし、デューティ比を制御するなどの任意の制御方法を用いることができる。
また、本実施形態では、感光材料処理装置として、フォトポリマー版などの印刷版(PS版12)を処理するPS版プロセッサ10を例に説明したが、ヒータ88に析出して固形化するものを含む処理液を用いる感光材料処理装置であれば、適用可能であり、これにより処理液中での固形物の発生がなくなる。また、感光材料処理装置用のヒータに限らず、他の各種液中ヒータに対し、本発明を適用してもよい。
本発明を実施したPS版プロセッサを示す概略図である。 現像槽の内部を示す斜視図である。 ヒータ、液流形成ユニット、隙間形成リング、ヒータカバーを示す分解斜視図である。 ヒータ、分岐パイプ、液流形成ユニット、隙間形成リング、ヒータカバーを示す側面断面図である。 ヒータコントローラを示すブロック図である。 現像液温調処理を示すフローチャートである。 画像着色剤含有率の演算処理を示すフローチャートである。 (A),(C)はヒータに供給される交流電圧の波形の一例を示す線図であり、(B),(D)はヒータを駆動する信号の一例を示す線図である。 画像着色剤含有率とヒータ駆動デューティ比との関係の一例を示す線図である。
符号の説明
10 PS版プロセッサ(感光材料処理装置)
12 PS版(感光材料)
22 処理タンク
24 現像槽(処理槽)
24a 排出口
51 第1スプレーパイプ(処理液供給パイプ)
51a 噴射口
51b 分岐パイプ
52 第2スプレーパイプ(処理液供給パイプ)
52a 噴射口
53 循環ポンプ
54 フィルタ
70 配管
72 配管
88 ヒータ
91 液流形成ユニット(液流形成手段)
92 液流形成ヘッド
93 分岐管(分岐部)
94 ゴムホース
95 隙間形成リング(隙間保持部材)
96 ヒータカバー(ガイドカバー)

Claims (8)

  1. 感光材料を処理する処理液が貯留される処理槽と、この処理槽内に配置され前記処理液を加熱するヒータとを有する感光材料処理装置において、
    前記ヒータを覆うように取り付けられ、前記ヒータの外面近くでヒータの表面に前記処理液の流れを形成する液流形成手段を備えることを特徴とする感光材料処理装置。
  2. 前記ヒータは棒状に形成され、前記液流形成手段は、前記ヒータの長手方向に沿った前記処理液の流れを形成することを特徴とする請求項1記載の感光材料処理装置。
  3. 前記処理液を前記処理槽内に送る処理液供給パイプ、前記処理槽に貯留された前記処理液を排出口から排出した後に前記処理液供給パイプを介して循環させる処理液循環手段を備え、
    前記液流形成手段は、前記ヒータの外面との間に流出開口を有する液流形成ヘッドを備え、この液流形成ヘッドに前記処理液供給パイプから前記処理液を供給することを特徴とする請求項2記載の感光材料処理装置。
  4. 前記流出開口は、前記ヒータの外面と前記液流形成ヘッドとの間に形成される隙間であり、前記液流形成ヘッドは前記隙間を一定に保持する隙間保持部材を有することを特徴とする請求項2または3記載の感光材料処理装置。
  5. 前記液流形成ヘッドに設けられ、前記ヒータを覆い、前記流出開口から流出される前記処理液を前記ヒータの長手方向に沿って案内する筒状のガイドカバーを有することを特徴とする請求項2ないし4いずれか1つ記載の感光材料処理装置。
  6. 前記ガイドカバーと前記ヒータとの隙間が前記ヒータの長手方向に沿って次第に狭く形成されていることを特徴とする請求項5記載の感光材料処理装置。
  7. 前記液流形成ヘッド及び前記ガイドカバーは着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の感光材料処理装置。
  8. 前記ヒータの表面の前記処理液の流速を0.05m/Sec〜5.0m/Secとすることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1つ記載の感光材料処理装置。
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