JP2006046295A - エンジンの振動低減装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジンのピストン系の上下二次慣性力によるピッチング振動を低減して、ピッチング振動に伴う「こもり音」を低減する。
【解決手段】 横置き4気筒ディーゼルエンジン1の後端に接続された変速機2は、車体後方に延びる前輪用デファレンシャルギヤボックス12を備えている。エンジン1の前端部には、車体前方側の側面にサプライポンプ14が搭載されている。サプライポンプ14によって生成された高圧の燃料は、コモンレールを介して燃料噴射弁13に供給される。サプライポンプ14はクランクシャフトによって駆動されるカムによって往復動する1本のプランジャを備えている。サプライポンプ14は、エンジン1のピストン系の二次慣性力と逆位相の慣性力を発生するように駆動される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、エンジンの振動低減装置に関するものである。
往復動型エンジンのピストン、コンロッドなどのピストン系の上下振動を低減するために多気筒エンジンにはバランスウエイトが設けられており、必要に応じてバランス装置を内蔵するのが効果的であることが知られている。
周知のバランス装置は、クランクシャフトの両側に並行に配設された一対のバランスシャフトを有する。そして、これら一対のバランスシャフトをクランクシャフトの2倍の速度で回転させると共に、一方のバランスシャフトをクランクシャフトと同一の回転方向に回転させ、他方のバランスシャフトを逆方向に回転させることで、エンジンの二次起振力による慣性力(二次慣性力)と逆方向の慣性力を発生させ、この逆方向の慣性力で二次慣性力を相殺することによりエンジンの振動を低減することを意図している。
特許文献1は、上記の周知のバランス装置に代わることのできる往復動式バランス装置を提案している。この往復動式バランス装置は、クランクシャフトの近傍のエンジン内部に、カム駆動されるバランスマスを配設し、このバランスマスを上下に往復動させることで二次慣性力を相殺することのできる慣性力を発生させるようになっている。また、この特許文献1は、バランスマスの往復動を利用してエアーコンデショナ用のコンプレッサを構成することを提案している。
図1は、車両に搭載したエンジンを示す。エンジン1は、その後端に変速機2などを接続したパワープラントPPの形態で、ラバーマウントなどのマウント部材を介して車体に搭載される。図示の参照符号3はピストンであり、4はコンロッドであり、5はクランクシャフトである。エンジン1を含むパワープラントPPは、その重心G(p)がエンジン単体の重心G(e)よりもエンジン後端側に変位して位置するため、エンジン1のピストン系の上下振動により、パワープラントPPの重心G(p)を中心としたピッチング振動が発生し、これが「こもり音」の原因になることが知られている。
ところで、自然環境への関心が高まりを見せる昨今、ガソリンエンジンよりも理論熱効率の点で優れている直噴ディーゼルエンジンが注目されている。直噴ディーゼルエンジンの特徴は、周知のように各気筒毎に直接的に燃料を供給して圧縮自己着火させることにあり、これまで、列型噴射ポンプと称されるポンプを内蔵した燃料噴射装置が多用されていたが、ポンプ内蔵方式の燃料噴射装置では例えば多段階噴射などの多様な噴射制御や超高圧噴射の対応に限界があるため、近時のディーゼルエンジンではコモンレール方式の燃料噴射装置が採用されている。
特許文献2は、コモンレール方式の燃料噴射装置の典型例を開示している。コモンレール方式の燃料噴射装置は、高い燃料圧を生成するためのサプライポンプを有する。サプライポンプで生成した高圧燃料はコモンレールに送られて一定圧に保持された後に、各気筒毎の燃料噴射弁を介して各気筒内に噴射される。なお、特許文献2のサプライポンプは、直線上に互いに対抗して配置された一対のプランジャと、これを駆動するための共通カムとを有する。共通カムによりプランジャが往復動して燃料を高圧化し、生成した高圧燃料は2つの吐出ポートを通じてコモンレールに供給される。
特開2003−83396号公報 特開2002−371941号公報
前述したピッチング振動に関し、これを低減するのに、前述したバランス装置などを使ってエンジンの二次慣性力を除去することは効果的であるが、マスを構成するバランスシャフトなどは重量物であり且つ装置自体も高価であるため、二次慣性力を完全に除去するには実際上の限界がある。
そこで、本発明は、「こもり音」対策として、バランス装置に依存しないでピッチング振動に伴う「こもり音」を低減することのできるエンジンの振動低減装置を提供することを目的とする。
本発明の更なる目的は、エンジンのピストン系の上下二次慣性力によるピッチング振動を低減して、ピッチング振動に伴う「こもり音」を低減することのできるエンジンの振動低減装置を提供することにある。
本発明の更なる目的は、プランジャにより燃料の圧力を高める燃料噴射装置を備えたエンジンを前提として、このプランジャの往復動を利用してピッチング振動に伴う「こもり音」を低減することのできるエンジンの振動低減装置を提供することにある。
従来の直噴ディーゼルエンジンの列型噴射ポンプでは、運転状態に応じて噴射タイミングを制御するためにクランクシャフトとポンプのプランジャとの位相が変化するが、コモンレール方式のサプライポンプは噴射タイミングの制御に関係しないことから、クランクシャフトとプランジャの位相を一定に保つことができる。
本発明は、コモンレール方式ではサプライポンプのプランジャとクランクシャフトの位相を一定に保つことができる点に着目して、上記の技術的課題を達成すべく、
サプライポンプのプランジャを往復動させることにより生成した高圧の燃料をコモンレールを介して各気筒に供給するコモンレール式の燃料噴射装置を備え、弾性のマウント部材を介して車体に搭載されるエンジンであって、
前記サプライポンプを、カム駆動される1本のプランジャで構成すると共に前記エンジンの前部に搭載し、
該サプライポンプの1本のプランジャを、エンジンのピストン系の二次慣性力と逆位相の慣性力を生じるように駆動することを特徴とするエンジンの振動低減装置を提供する。
エンジンは、その後端に接続された変速機でパワープラントを構成し、このパワープラントの重心G(p)は、エンジン重心のG(e)よりもエンジン後端側に位置していることから、エンジンのピストン系の二次慣性力によってパワープラント重心G(p)を中心としたピッチング振動が発生し、これが「こもり音」の一因になる。
本発明によれば、サプライポンプが1本のプランジャで構成されている。1本のプランジャで構成されたサプライポンプは、プランジャの往復動作に伴って起振力を発生することから、エンジンのピストン系の二次慣性力と逆位相の慣性力を生じるようにプランジャを駆動することで、エンジンの二次慣性力を低減することができる。
また、本発明によれば、サプライポンプがエンジンの前部に配置される。このサプライポンプの配置は、パワープラント重心G(p)からサプライポンプを遠ざけた配置となり、パワープラント重心G(p)とサプライポンプとの間の距離を大きくとって、サプライポンプの慣性モーメントを大きくすることができる。したがって、サプライポンプの慣性力が比較的小さなものであったとしても、効果的にピッチング振動を低減することができ、これにより「こもり音」を抑制する効果を高めることができる。サプライポンプの配置位置は、理想的には、ピッチング振動を抑制するには、パワープラント重心G(p)とエンジン重心G(e)とを結ぶ中心線を含む鉛直面に配置するのがよい。本発明は、典型的には直噴ディーゼルエンジンに適用されるが、直噴式ガソリンエンジンに対しても同様に適用することができる。
エンジンの二次慣性力の問題に対しては、前述したようにバランス装置をエンジンに組み込むのが効果的である。バランス装置は、一般的には、大排気量の4気筒エンジンに適用されているが、本発明の適用に際して、バランス装置を組み込んだエンジンに対して本発明を適用してもよいし、エンジン排気量の大小に関わりなく、バランス装置無しのエンジンに対して本発明を適用してもよい。
本発明の好ましい実施の形態では、直列4気筒エンジンに本発明が適用される。サプライポンプのプランジャを駆動するカムはエンジンのクランクシャフトと連係され、エンジンの回転に同期してサプライポンプが駆動される。1本のプランジャの往復動作による慣性力のサイクル、エンジンの二次慣性力のサイクルに同調させるには、クランクシャフトが1回転する毎にプランジャを2回往復動させればよい。
これを実現するには、プランジャを駆動するためのカムとして、180度位相が離れた2つの山を備えた2山カムを採用してもよいし、一つの山を備えた1山カムを採用してもよい。2山カムを採用したときには、クランクシャフトが1回転する毎にプランジャを2回往復動させるのに、2山カムをクランクシャフトと同速に回転駆動すればよい。他方、1山カムを採用したときには、1山カムをクランクシャフトの2倍速で回転駆動すればよい。
本発明の好ましい実施の形態では、横置きエンジンに対して本発明が適用される。一般的にエンジンの説明では、エンジンから出力を取り出す側を「後」と呼び、補機類が設けられる側を「前」と呼んでいる。本明細書の説明においても、エンジンの説明においては、これに従う。したがって、クランクシャフトを車幅方向に向けた横置きエンジンの説明においても、エンジン単体で見たときの「前端」「前部」「後端」の言葉を使用して説明する。
エンジンを含むパワープラントは、エンジンの後端に接続された変速機を含む。エンジンを横置きにした前輪駆動方式の車両では、変速機の車体後方側に、変速機と一体構造の前輪用のデファレンシャルギヤボックスが配設される。このパワープラントの配置では、パワープラント重心G(p)が車体後方側に変位する。したがって、エンジン重心G(e)とパワープラント重心G(p)とを結ぶ中心線は、エンジンのクランクシャフトの軸線から傾斜し、エンジン後端側が車体後方側に位置し、エンジン前端側が車体前方側に位置する。サプライポンプは、前述したように、エンジン重心G(e)とパワープラント重心G(p)とを結ぶ中心線を含む鉛直面に配置するのが理想的である。本発明の好ましい実施の形態では、横置きエンジンの前部における車体前方側の側面にサプライポンプが搭載される。これによれば、エンジン重心G(e)とパワープラント重心G(p)とを結ぶ傾斜した中心線に接近した状態でサプライポンプを配置できるため、ピッチング振動を低減するには、理想に近いサプライポンプの配置になる。更に好ましくは、横置きエンジンは前方吸気、後方排気であるのがよい。前方吸気、後方排気のエンジンに本発明を適用することで、サプライポンプが排気系の熱に晒されることを防止することができる。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図2は、自動車10の前部のエンジンルーム11を上から見た概略図である。同図から分かるように、自動車10では、クランクシャフト5(図1)を車幅方向に向けてエンジン1を搭載して前輪を駆動する横置き前輪駆動方式が採用されている。横置きエンジン1を含むパワープラントPPは、変速機2の車体後方側に隣接し且つ変速機2と一体構造の前輪用デファレンシャルギヤボックス12を含んでおり、従来と同様に、弾性のラバーマウントなどのマウント部材を介して車体に搭載される。
エンジン1は、各気筒毎に燃料噴射弁13を備えた直列4気筒エンジンである。エンジン1は、この実施例ではディーゼルエンジンであるが、直噴式のガソリンエンジンであってもよい。横置きエンジン1には、図示を省略したが、車体前方側の側面に吸気系が取り付けられ、車体後方側の側面に排気系が取付けられる。すなわち、実施例の横置きエンジン1では、前方吸気、後方排気の形式が採用されている。
補機類が取り付けられるエンジン1の前端部には、車体前方側の側面の上部にサプライポンプ14が搭載されている。サプライポンプ14は、プーリベルト15を介してクランクシャフト5(図1参照)に連結され、クランクシャフト5によって駆動される。
燃料噴射弁13にはコモンレール(図示せず)から高圧の燃料が供給される。コモンレール方式の燃料噴射装置の概要を図3を参照して説明すると、図示の燃料噴射装置20は、周知のピストン式弁体とそれを付勢するスプリングとを備えたレギュレートバルブ21(図3では、弁体とスプリングの図示を省略してある)を付設したフィードポンプ22を含み、このフィードポンプ22には、燃料タンク23から燃料供給管路24を通じて燃料が供給される。燃料供給管路24には、燃料を物理的に濾過するフィルタ25が介装されている。
フィードポンプ22から吐出される比較的低圧の燃料は、燃圧コントロールバルブ26を介してサプライポンプ14の作動室27に供給され、この作動室27で圧縮されて超高圧になる。サプライポンプ14で生成された超高圧の燃料は、吐出弁を含む吐出ポート28を通じてコモンレールに送られる。なお、フィードポンプ22内の余分な燃料は、サプライポンプ14の内部を経由してオーバーフロー管路29を通じて燃料タンク23に還流される。
燃料を超高圧にするサプライポンプ14は1本のプランジャ30を備え、このプランジャ30は、エンジンピストン3の移動方向と同じ上下方向に移動可能であり、図示の例では、プランジャ30が上方移動したときに燃料を圧縮するようにサプライポンプ14が配設されている。この1本のプランジャ30は、回転シャフト31のカム32によって往復動し、これにより作動室27の容積を拡縮する。プランジャ30はリターンスプリング33によって、常時、カム32と圧接する方向に付勢されている。回転シャフト31は、前述したようにクランクシャフト5に対してプーリベルト15によって連結され、エンジン回転に同期して回転駆動される。なお、図3の参照符号34は、カム32とプランジャヘッド30aとの間に介装されたシュー及びブッシュを示す。
図4、図5は、カム32として採用可能なカムフェースを例示するものであり、図4は、1つの山32aを備えたカム(1山カムという)を示す。図5は、互いに対抗した一対の山32a、32aを備えたカム(2山カムという)を示す。すなわち、図5に図示の2山カムは、180度位相が離れた2つの山32a、32aを備えている。
サプライポンプ14の1本のプランジャ30は、エンジンピストン1の半分の周期で往復動作するように設定される。すなわち、クランクシャフト5が1回転する毎にプランジャ30は2回往復動作をする。この設定は、サプライポンプ14のカム32として図4に例示の1山カムを採用したときには、1山カムをクランクシャフト5に対して2倍速で回転駆動させればよく、他方、サプライポンプ14のカム32として図5に例示の2山カムを採用したときには、2山カムをクランクシャフト5と等速で回転駆動させればよい。
1本のプランジャ30を備えたサプライポンプ14は、往復動するプランジャ30によって起振力を発生する。図6は、往復動する1本のプランジャ30による起振力を説明するための図である。同図の一点鎖線は、プランジャ30の変位を示し、点線はプランジャ30の速度を示し、実線はプランジャ30の加速度を示す。プランジャ30の加速度の変化が起振力となり、そして、加速度の変化の度合いが大きいほど起振力が大きくなる。プランジャ30の加速度の変化の度合いを大きくするには、図4、図5に例示の1山カム、2山カムのように、カム32のカムフェースの山32aの形状を急峻にすればよい。
図7の(A)は、図6に関連して、1本のプランジャ30を備えたサプライポンプ14の慣性力を示す。180度間隔でプランジャ30を1回往復動(クランクシャフト5が1回転する毎にプランジャ30を2回往復動)させた場合には、90度間隔で上方向(+)又は下方向(−)の慣性力が出現する。このサイクルは、図7の(B)に示す4気筒エンジン1のピストン系の二次慣性力のサイクルと同じである。したがって、サプライポンプ14の慣性力がエンジン1のピストン系の二次慣性力と逆位相になるように調整して、図7で矢印で示すように、サプライポンプ14の慣性力の山(谷)とエンジン1の二次慣性力の谷(山)とを同期させることにより、サプライポンプ14の慣性力によってエンジン1のピストン系の二次慣性力を低減させてピッチング振動を低減することにより「こもり音」を抑制することができる。
図8は、図1に関連した図であり、4気筒エンジン1を含むパワープラントPPの各重心位置とサプライポンプ14との位置関係に関連した作用を説明するための図である。サプライポンプ14をエンジン1の前端部に配置した場合、サプライポンプ14とパワープラントPPの重心G(p)との間の距離Lpは、エンジン1の重心G(e)とパワープラントPPの重心G(p)との間の距離Leに比べて大きい。慣性モーメントは距離の二乗に比例することから、サプライポンプ14の慣性力が例えばエンジン1の二次慣性力よりも2桁程度小さくても、比較的大きな慣性モーメントを得ることができる。したがって、サプライポンプ14をエンジン1の前端面または前端部に設けて、パワープラントPPの重心G(p)からの距離Lpを大きくとることで、効果的に、エンジン1のピストン系によるピッチング振動を低減して「こもり音」を抑制することができる。
理想的には、4気筒エンジン1の重心G(e)とパワープラントPPの重心G(p)とを結ぶ中心線36を含む鉛直面にサプライポンプ14を配置することが、エンジン1のピストン系によるピッチング振動を低減する上で効果的である。実施例のパワープラントPPように、変速機2が、車体後方側に張り出した重量物の拡大部(デフェレンシャルギヤボックス)12を有する場合には、図2に示すように、拡大部12のマスによってパワープラント重心G(p)が車体後方側に変位し、この変位した重心G(p)とエンジン重心G(e)とを通る中心線36は、クランクシャフト線37から傾斜して、エンジン1の前端部では前方に変位し、変速機2側では後方に変位した状態となる。このことは、エンジン1の前端部の車体前方側の側面に配置したサプライポンプ14が理想に近い配置になることを意味する。すなわち、図2から理解できるように、エンジン1の前端部の車体前方側の側面に配置したサプライポンプ14は、中心線36が変速機2の後方への拡大部12のマスによって傾斜した状態では、この傾斜した中心線36に接近した状態となり、パワープラントPPのピッチング振動を低減する上で理想に近い配置態様となる。
サプライポンプ14をエンジン1の前端部の車体前方側の側面に配置することは、実施例のエンジン1が前方吸気、後方排気の形式であるとの関連で、排気熱の影響を受けないという観点からも合理的な配置であると言える。
上述した実施例は、ディーゼルエンジン1の附帯機器であるサプライポンプ14を利用して、ラバーマウントなどのマウント部材で吸収可能な程度までピッチング振動を低減させて「こもり音」を抑制するのに有効である。そして、これを実現するのに必要な改良は、従来のサプライポンプの2本のプランジャを1本に変更するだけで足り、他は既存の要素で構成することができる。このことは、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンを気筒内に直接的に噴射する直噴式のガソリンエンジンに関しても同様に言えることである。
エンジン1は、図1に仮想線で示すように、周知のバランスシャフトのような従来技術の欄で説明したバランス装置40を含んでいてもよいし、バランス装置40無しのエンジンであってもよい。バランス装置40は4気筒エンジンに効果的に使用されるが、特に上下二次慣性力が顕著になる2000ccを越える大排気量4気筒エンジンには有効であると言われている。例えば、バランス装置40無しの2000ccの4気筒エンジンのボア径を大きくして排気量の大きなエンジン(例えば排気量2400ccのエンジン)を設計する場合、従来であれば、バランス装置40を組み付けざるを得ないような場合であっても、本発明によれば、サプライポンプ14の上下方向の 起振力を使ってピッチング振動を低減させ、これにより「こもり音」を抑制することができることから、大きな設計変更無しに排気量を拡大したエンジンを作ることができる。
エンジンの重心位置とパワープラントの重心位置とを説明するための図である。 自動車の前部に設けられたエンジンルームに搭載した実施例のエンジンのレイアウトを説明するための図である。 コモンレール方式の燃料噴射装置の全体系統図である。 サプライポンプの1本のプランジャを駆動するためのカムの一例を示す図である。 サプライポンプの1本のプランジャを駆動するためのカムの他の例を示す図である。 クランクシャフト1回転毎にプランジャを2往復させたときのプランジャの上下の往復動に伴う起振力に関連したプランジャ加速度などを示す図である。 図6に関連してプランジャの往復動作に伴う慣性力とエンジンの二次慣性力との関係を説明するための図である。 エンジンの前端部に配設したサプライポンプによるピッチング振動低減効果を説明するための図である。
符号の説明
1 エンジン
2 変速機
3 ピストン
4 コンロッド
5 クランクシャフト
PP パワープラント
12 前輪用デファレンシャルギヤ
13 燃料噴射弁
14 サプライポンプ
30 プランジャ
31 回転シャフト
32 カム

Claims (5)

  1. サプライポンプのプランジャを往復動させることにより生成した高圧の燃料をコモンレールを介して各気筒に供給するコモンレール式の燃料噴射装置を備え、弾性のマウント部材を介して車体に搭載されるエンジンであって、
    前記サプライポンプを、カム駆動される1本のプランジャで構成すると共に前記エンジンの前部に搭載し、
    該サプライポンプの1本のプランジャを、エンジンのピストン系の二次慣性力と逆位相の慣性力を生じるように駆動することを特徴とするエンジンの振動低減装置。
  2. 前記エンジンが直列4気筒エンジンであり、該直列4気筒エンジンのクランクシャフトと前記サプライポンプのカムとが連係されて、前記クランクシャフトが1回転する毎に前記プランジャが2回往復動することを特徴とする請求項1記載のエンジンの振動低減装置。
  3. 前記サプライポンプのカムのカムフェースが、180度位相が離れた2つの山を備え、該2つの山を備えたカムが前記クランクシャフトと同速で回転駆動されることを特徴とする請求項2記載のエンジンの振動低減装置。
  4. 前記サプライポンプのカムのカムフェースが1つの山を備え、該1つの山を備えたカムが前記クランクシャフトの2倍速で回転駆動されることを特徴とする請求項2記載のエンジンの振動低減装置。
  5. 前記エンジンが、そのクランクシャフトを車幅方向に向けて前記車体に搭載された横置きエンジンであり、
    該横置きエンジンは、その後端に接続された変速機と、該変速機の車体後方側に隣接して該変速機と一体構造の前輪用デファレンシャルギヤボックスとでパワープラントを構成し、
    前記サプライポンプが、前記横置きエンジンの前部における車体前方側の側面に搭載されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジンの振動低減装置。
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JP2009047289A (ja) * 2007-08-23 2009-03-05 Mazda Motor Corp ベルトテンショナ及びベルトテンショナにおけるベルト交換方法

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