JP2006045149A - ビスフェノール類の異性化触媒 - Google Patents

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【課題】ビスフェノール類の製造工程において副生する不純物を、効率良く目的とするビスフェノール類へ異性化する触媒を提供する。
【解決手段】ビスフェノール類の製造において生成される副生物を異性化する方法において、(A)(式1)で示されるカチオン性化合物、(B)(式2)で示されるカチオン性化合物
Figure 2006045149

(C)メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないカチオン性含窒素複素環化合物
から選ばれる少なくとも1種のカチオン性化合物がイオン結合した酸性イオン交換樹脂を触媒として用いることを特徴とする方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビスフェノール類製造における副生物を異性化する方法に関するものである。
ビスフェノール類、特にその中でも、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下p,p’−BPAと記す)は、ポリカーボネート樹脂及びエポキシ樹脂の原料として有用であり、近年、その需要は大きく伸びている。
p,p’−BPAは通常、フェノールとアセトンを均一酸または固体酸触媒の存在下で反応させることにより製造されている。反応においては、目的生成物の他に、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下o,p’−BPAと記す)やクロマン類、トリスフェノール等の副生物が生成し、目的であるp,p’−BPAの収率を低下させる要因となっている。反応により生成したp,p’−BPAは、例えば、未反応のアセトン及び副生する水を蒸留等により除去した後、温度を下げる事によりp,p’−BPAとフェノールが等モルで結合したアダクト結晶を析出させ、結晶を母液から分離した後、アダクト結晶からフェノールを除去する事で精製される。また、晶析段階から排出される濾液中にもp,p’−BPAが存在するため、収率を向上するために、通常、この濾液を濃縮し、さらに晶析してp,p’−BPAを回収したり、この濾液の一部を反応工程または精製工程に循環したりといった方策がとられる。ここで、さらに収率を向上させるためには、例えば晶析工程から排出される濾液中に含まれる不純物のうち、o,p’−BPAやトリスフェノール等比較的容易にp,p’−BPAに変換可能な物質を、酸性触媒の存在下で異性化する必要がある。
異性化反応における触媒としては、スルホン酸型強酸性イオン交換樹脂及び、2−アミノエタンチオール等の低級アミノチオール類で部分的に改質されたスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂の使用がよく知られている。しかしながら、これらの触媒を使用した場合、異性化の速度が遅く、また、反応においてビスフェノール類の分解により望ましくない生成物が生成し収率が低下するという問題点があった。
異性化における反応速度及び選択率を向上させる方策として、改質剤で修飾された酸性イオン交換樹脂を使用する方法がある。特開昭57-98229には、異性化反応速度を向上させる触媒として、メルカプト低級アルキルピリジンで改質された強酸性陽イオン交換樹脂が示されている(特許文献1)。また、特開平01-135736には、分子中に2個のメルカプト基を含有するアルキルメルカプトアミンで強酸性陽イオン交換樹脂を改質した触媒を異性化に使用する事が記載されている(特許文献2)。さらに、特開平05-293382にはメルカプト−チアジアゾール類またはメルカプト−ベンゾチアゾリジン類で強酸性イオン交換樹脂を改質した触媒が、特開平05-271132にはメルカプト−チアゾール類で強酸性イオン交換樹脂を改質した触媒が明示されている(特許文献3及び特許文献4)。しかし、これらの触媒は、いずれも改質剤が高価であり、触媒価格が高くなるという欠点があった。
本発明の目的は、異性化反応を高速に、かつ望ましくない生成物の生成量を抑えて進行させるための、安価で効果的な触媒を提供することである。
特開昭57−98229号公報 特開平01−135736号公報 特開平05−293382号公報 特開平05−271132号公報
本発明は、ビスフェノール類の異性化触媒に関するものであり、ビスフェノール類の分解による副生物の生成量を抑えて効率良く反応を進行せしめる低コストなイオン交換樹脂触媒を提供する事を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、酸性イオン交換樹脂の酸性官能基に、(式1)および/または(式2)のカチオン性化合物および/またはカチオン性含窒素複素環化合物がイオン結合した、改質酸性イオン交換樹脂を触媒として用いることにより、ビスフェノール類製造過程において生成する副生物の異性化反応において、活性を損なう事なくビスフェノール類選択率を高くすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はビスフェノール類の製造において生成される副生物を異性化する方法において、下記(A)(B)(C)から選ばれる少なくとも1種のカチオン性化合物がイオン結合した酸性イオン交換樹脂を触媒として用いることを特徴とする方法である。
(A)(式1)で示されるカチオン性化合物
Figure 2006045149
(式中、Aは窒素原子またはリン原子を表し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素又は炭素数が1から20の、メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないアルキル基またはアリール基を示し、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも1つは水素原子以外である)
(B)(式2)で示されるカチオン性化合物
Figure 2006045149
(式中、R5、R6、R7はそれぞれ独立して炭素数が1から20の、メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないアルキル基またはアリール基を示す)
(C)メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないカチオン性含窒素複素環化合物。
本発明の方法によれば、ビスフェノール類の製造において生成される副生物を、低コストで、かつ収率良く目的とするビスフェノール類に異性化することができる。
本発明で使用する酸性イオン交換樹脂の例としては、一般的に強酸性イオン交換樹脂と呼ばれる、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体にスルホン基を導入したタイプのものや、ナフィオンなどのパーフルオロアルキルスルホン酸系の樹脂が挙げられる。スチレンージビニルベンゼン共重合体にスルホン基を導入したイオン交換樹脂が好適に使用される。スルホン酸型スチレン−ジビニルベンゼン系イオン交換樹脂は、代表的には、レバチット(バイエル社)、ダウエックス(ダウケミカル社)、アンバーライト(ローム・アンド・ハース・カンパニー社)などの商品名で市販されている。スチレン−ジビニルベンゼン系イオン交換樹脂には、微小な網目構造を持つ樹脂(ゲル型)及び巨大な網目構造を持つ樹脂(マクロポーラス型)があるが、いずれの樹脂も使用することが可能である。
本発明における改質酸性イオン交換樹脂は、上記の酸性イオン交換樹脂に、(式1)および/または(式2)で示されるカチオン性化合物および/またはカチオン性含窒素複素環化合物をイオン結合させて得る事ができる。
Figure 2006045149
(式中、Aは窒素原子またはリン原子を表し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素又は炭素数が1から20の、メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないアルキル基またはアリール基を示し、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも1つは水素原子以外である)
Figure 2006045149
(式中、R5、R6、R7はそれぞれ独立して炭素数が1から20の、メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないアルキル基またはアリール基を示す)
この際、酸性イオン交換樹脂を(式1)で示されるカチオン性化合物でイオン交換する方法を用いることができるが、(式3)で示される電荷的に中性の化合物を前駆体として酸性イオン交換樹脂に接触させてカチオン化しても構わない。また同様に、カチオン化された含窒素複素環化合物で酸性イオン交換樹脂をイオン交換しても構わないし、中性の前駆体含窒素複素環化合物を酸性イオン交換樹脂に接触させてカチオン化することもできる。
Figure 2006045149
(式中、Aは窒素原子またはリン原子を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数が1から20の、メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないアルキル基またはアリール基を示し、R1、R2、R3のうち少なくとも1つは水素原子以外である)。
本発明において使用する、(式1)で表されるカチオン性化合物は、式中のAが窒素原子またはリン原子を表し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素又は炭素数が1から20の、好ましくは炭素数が1から16の、更に好ましくは炭素数が1から12の、メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないアルキル基またはアリール基であり、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも一つは炭素数が1から20の、好ましくは炭素数が1から16の、更に好ましくは炭素数が1から12のメルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないアルキル基またはアリール基である。R1、R2、R3、R4の構造はメルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まなければ他の構造に特に制限はなく、その中にアミノ基、アンモニウム基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基、スルホン基、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、アルコキシ基等の官能基やハロゲン原子を有していてもよい。またR1、R2、R3、R4は相互に結合し環を形成していても構わない。なおメルカプト基等価体とはメルカプト基を生じる前駆体を示し、例えばチアゾリジン類やチオエーテル類等が上げられる。(式1)で示される化合物として、好適には、テトラメチルアンモニウムクロライドやテトラエチルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムクロライド等が用いられる。また、(式3)で示される電荷的に中性の化合物として、好適にはトリメチルアミンやトリエチルアミン、トリフェニルホスフィン等が用いられる。
また、本発明において使用する、(式2)で表されるカチオン性化合物は、R5、R6、R7はそれぞれ独立して炭素数が1から20の、好ましくは炭素数が1から16の、更に好ましくは炭素数が1から12の、メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないアルキル基またはアリール基である。R5、R6、R7の構造はメルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まなければ他の構造に特に制限はなく、その中にアミノ基、アンモニウム基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基、スルホン基、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、アルコキシ基等の官能基やハロゲン原子を有していてもよい。またR5、R6、R7は、相互に結合し環を形成していても構わない。(式2)で表される化合物として、好適にはヨウ化トリメチルスルホニウム等が用いられる。
また、本発明において使用するカチオン性含窒素複素環化合物は、メルカプト基および/またはメルカプト基等価体を含まない。また、このカチオン性含窒素複素環化合物の窒素原子を含む環の環員数は3から8が好ましく、更には5から7が好ましい。また、この化合物は単環式化合物でも、縮合環を持つ多環式化合物でも構わず、更には窒素原子が1つでも、2つ以上でも構わない。カチオン性含窒素複素環化合物またはその中性前駆体の例としては、ピリジン環を持つ化合物やピロール環を持つ化合物等が挙げられ、好適にはピリジン、N−メチルピリジンやピロール、N−メチルピロール等が用いられる。
本発明における改質酸性イオン交換樹脂は、これら(式1)で表されるカチオン性化合物または(式2)で表されるカチオン性化合物またはカチオン性含窒素複素環化合物の1種類を単独で用いても、複数の種類を組み合わせて用いても構わないし、またこれら(式1)で表されるカチオン性化合物および/または(式2)で表されるカチオン性化合物および/またはカチオン性含窒素複素環化合物の他にそれ以外のカチオン、例えばアンモニウムカチオンや金属カチオン等で部分中和されていても構わない。一般的には、(式1)で表されるカチオン性化合物およびカチオン性含窒素複素環化合物が、(式2)で表されるカチオン性化合物に比べ工業的に安価で入手可能であり、また、硫黄原子を持つ化合物が製品に混入した場合ビスフェノール類の着色の原因となり品質を悪化させる可能性もあるので、(式1)で表されるカチオン性化合物および/またはカチオン性含窒素複素環化合物で改質されたイオン交換樹脂を使用することが望ましい。
本発明における改質酸性イオン交換樹脂触媒の調製は、最終的に反応に用いる直前に(式1)に表されるカチオン性化合物および/または(式2)に表されるカチオン性化合物および/またはカチオン性含窒素複素環化合物と官能基がイオン結合していればよく、そのような状態となるカチオン性化合物および/またはカチオン性含窒素複素環化合物を直接もしくは前駆体を用いて調製しても構わない。例えばアミン類やビリジン類、ピロール類であれば気体やその水溶液だけでなく、その塩酸塩や硫酸塩、酢酸塩、三酸化硫黄錯体等を溶媒に溶かして用いることができるし、アンモニウム類やホスホニウム類、スルホニウム類、N−アルキルピリジン類であればその塩化物や臭化物、ヨウ化物、水酸化物等を溶媒に溶かして用いてもよい。
改質の方法は特には限定されない。例えば簡便な方法として、水や有機溶媒等の溶媒に溶かして液相中で接触させる方法を用いることが出来るし、また揮発性物質を用いる場合は気相中でイオン交換樹脂と接触させて改質しても構わない。更に当量もしくは過剰量のカチオン性化合物またはその前駆体を用いてイオン交換樹脂を中和した後に、そのイオン交換樹脂を酸性溶液と接触させて部分的に酸型に戻す等、最終的に改質酸性イオン交換樹脂の形態となるような方法を用いても構わない。また、樹脂の改質剤との接触方法も、樹脂を容器中に懸濁させて改質剤の溶液を注入するバッチ式、樹脂を反応容器中に充填して改質剤溶液を流通させる流通式等の方法が考えられるが、いずれの方法を用いても構わない。改質にあたっては、樹脂に改質剤を均一に導入するため、樹脂と改質剤溶液との接触時間は、少なくとも10分以上とする事が望ましい。
本発明における酸性イオン交換樹脂の改質率は、全スルホン酸基の0.1から50モル%である。これ以上改質率が高すぎると、触媒の酸量減少により活性が低下し、異性化の速度が低下する。また、改質率が0.1モル%よりも低い場合、改質による効果を十分に得る事ができない。
異性化反応は、たとえば、ビスフェノール類の製造過程において、目的ビスフェノール類を晶析した後、固液分離により分離精製する工程から排出される濾液を触媒と接触させることにより行われる。これにより、たとえば2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのような副生物が所望のビスフェノール類に異性化される。
反応は、通常実質的に無水または少量の水の存在下で行われる。少量の水の存在により、異性化反応の収率が向上することが知られている。一方、水はイオン交換樹脂に吸着し反応速度を低下させる要因となるので、多量の水の存在は好ましくない。好ましくは、水の濃度は0.05〜1.5重量%であり、さらに好ましくは0.1〜1.0重量%である。
反応温度についても特に制限はないが、好ましくは40〜110℃、更に好ましくは50〜100℃の範囲である。反応温度が極端に低すぎると、反応速度の低下により、目的とするビスフェノール類の生産性が低下する。一方、反応温度が高すぎると、好ましくない副反応の進行により副生成物の増大をもたらし、さらには触媒寿命の低下にもつながるため、経済的でない。
本発明は、バッチ式、セミバッチ式、連続流通式いずれの方法でも実施可能である。反応器内への触媒の充填方法は、固定床、流動床、懸濁流動床等種々の方法があり、いずれの方法を用いても構わない。生産性の点から考えると、固定床反応器の使用が好ましい。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)改質イオン交換樹脂触媒の調整
乾燥重量15gのレバチットK1221(バイエル社製)を水膨潤した後、イオン交換水300ml中で撹拌しながら、トリエチルアミン1.17gと1Nの塩酸12mlをイオン交換水150mlに溶解したトリエチルアミン水溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、更に4時間撹拌を行い、その後ろ過により触媒を回収し、イオン交換水により洗浄を行った。その後、80℃で10時間以上真空乾燥し、改質率15%の触媒1を得た。
触媒の酸量は、一般的な酸性イオン交換樹脂の交換容量測定法により求める事ができる。本発明では、乾燥樹脂0.3gを10%NaCl水溶液50ml中で30分撹拌し、その濾液の全量を0.1規定NaOHで滴定し、その滴定曲線から求めた。この方法により、触媒1の酸量を測定した結果、4.30meq/g(乾燥重量ベース)であった。
(2)異性化反応
200ml丸底フラスコに、(1)で調整された触媒を5.0g、フェノール25gを仕込み、80℃で一晩膨潤を行った。次に、フェノールとアセトンを酸触媒下で縮合させた反応液からアセトン、水を除いた後晶析を行い、ビスフェノールAアダクトを得た際の固液分離後濾液をフラスコに加え、さらにフェノールを加え表1の反応液組成になるように調整した後、十分に撹拌しながら80℃に保ち反応させた。8時間後、撹拌を止め反応液をサンプリングし、液体クロマトグラフィーにより分析を行った。分析の結果、異性化反応の副反応により不可逆的に生成する重質分の増加が確認された。なお、この重質分は反応原料中にも含まれていた。その結果を表1に示す。
トリエチルアミン水溶液の代わりに、ヨウ化トリメチルスルホニウム1.47gをイオン交換水150mlに溶解したヨウ化トリメチルスルホニウム水溶液を使用した以外は全て実施例1と同じ操作を行い触媒2を得た。この触媒の酸量を測定した結果、4.20meq/g(乾燥重量ベース)であった。また、触媒1のかわりに触媒2を使用した以外は全て実施例1と同様の条件で異性化反応を行った。その結果を表1に示す。
トリエチルアミン水溶液の代わりに、ピリジン0.91gをイオン交換水150mlに溶解したピリジン水溶液を使用した以外は全て実施例1と同じ操作を行い触媒3を得た。この触媒の酸量を測定した結果、4.25meq/g(乾燥重量ベース)であった。また、触媒1のかわりに触媒3を使用した以外は全て実施例1と同様の条件で異性化反応を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
触媒として十分に乾燥した、改質していない市販レバチットK1221を用いた以外は全て実施例1と同じ条件で異性化反応を行った。その結果を表1に示す。また、この市販レバチットK1221の酸量を測定した結果、5.13meq/g(乾燥重量ベース)であった。
この結果を実施例1、2及び3と比較した場合、実施例1、2、3及び比較例1ではいずれもサンプリング時に異性化平衡に達しているものの、望まれない重質分の増加量が触媒1、2及び3では未改質のK1221に比べて少ないことが判る。
[比較例2]
トリエチルアミン水溶液の代わりに、2−アミノエタンチオール塩酸塩1.31gをイオン交換水150mlに溶解した2−アミノエタンチオール塩酸塩水溶液を使用した以外は全て実施例1と同じ操作を行い触媒4を得た。この触媒の酸量を測定した結果、4.15meq/g(乾燥重量ベース)であった。また、触媒1のかわりに触媒4を使用した以外は全て実施例1と同様の条件で異性化反応を行った。その結果を表1に示す。
この結果を実施例1、2及び3と比較した場合、実施例1、2及び3ではサンプリング時に反応が平衡まで達しているのに対し、比較例2では平衡まで達しておらず、触媒4は異性化速度が触媒1、2及び3に比べて遅いことが判る。
Figure 2006045149
ビスフェノール類の製造過程において副生する不純物を、本発明による触媒を用いて異性化することにより、効率良く、かつ低コストで目的とするビスフェノール類への異性化反応を進行させることができ、以って目的とするビスフェノール類の収率を向上することができる。

Claims (4)

  1. ビスフェノール類の製造において生成される副生物を異性化する方法において、下記(A)(B)(C)から選ばれる少なくとも1種のカチオン性化合物がイオン結合した酸性イオン交換樹脂を触媒として用いることを特徴とする方法。
    (A)(式1)で示されるカチオン性化合物
    Figure 2006045149
    (式中、Aは窒素原子またはリン原子を表し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素又は炭素数が1から20の、メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないアルキル基またはアリール基を示し、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも1つは水素原子以外である)
    (B)(式2)で示されるカチオン性化合物
    Figure 2006045149
    (式中、R5、R6、R7はそれぞれ独立して炭素数が1から20の、メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないアルキル基またはアリール基を示す)
    (C)メルカプト基およびメルカプト基等価体のいずれも含まないカチオン性含窒素複素環化合物。
  2. 酸性イオン交換樹脂に存在する全酸性官能基のうち、0.1〜50モル%が前記カチオン性化合物とイオン結合している、請求項1に記載の方法。
  3. 酸性イオン交換樹脂が、スチレン重合体および/またはスチレン−ジビニルベンゼン共重合体にスルホン基を導入したものである請求項1または2に記載の方法。
  4. ビスフェノール類がビスフェノールAである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
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