JP2006044092A - インクジェット記録媒体及びインクジェット記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、インク吸収性、光沢性及び印字後のにじみ耐性が改良されたインクジェット記録媒体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 吸水性支持体上に、少なくとも1層の無機微粒子が含有するインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該インク吸収層が、バインダーとして主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物に電離放射線を照射して側鎖間に架橋結合を生じさせた高分子化合物を含有し、該吸水性支持体上に該インク吸収層を塗布した後、該インク吸収層の含水率が1000%から10%の状態で、該インク吸収層を加熱された面に圧接、乾燥して得られたことを特徴とするインクジェット記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規のインクジェット記録媒体及びその製造方法に関し、更に詳しくはインク吸収性、光沢性、印字後のにじみ耐性が向上したインクジェット記録媒体及びその製造方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は、急速に画質向上が図られており、銀塩写真画質に迫りつつある。一言に写真画質と言ってもその要求される特性には種々のものがある。その中で最も重要な要素の1つが光沢である。
銀塩写真プリントは、オレフィン樹脂等により防水処理が施されたレジンコート紙(以下、RC原紙ともいう)を支持体として、ゼラチンや、感光、発色に関するさまざまな機能を有する素材が複数層塗設されている。RC原紙は、耐水性、平滑性に優れ、その上に透明性の高いゼラチンをバインダとして塗布しているため、銀塩写真プリントの光沢は極めて高い。一方、インクジェット記録媒体もその性能向上により、高光沢なものが得られつつある。
インクジェット記録媒体の製造法は大きく2種類ある。ひとつは、上記銀塩写真に用いられているRC原紙のような非吸水性支持体を用いる方法である。もうひとつは、キャストコート紙とよばれるもので、吸水性支持体を用いて、その上にインク吸収層、光沢発現層を付与し、湿潤状態で加熱平滑化された鏡面ドラム上に押し付けることで、平滑性を確保しつつ乾燥するものである。RC原紙を用いたインクジェット記録媒体は、支持体の平滑性が高いことから、インク吸収層を塗設した後の平滑性が高い。しかしながら、RC支持体自身には吸水性がないために、インク吸収をインク吸収層のみで担う必要があり、インク吸収層を厚く塗設する必要がある。しかし、支持体に吸水性がないために、インク吸収をインク吸収層のみで担う必要があり、インク吸収層を厚く設塗する必要がある。
一方、インクジェット用のキャストコート用紙は、吸水性支持体を用いているのでインク吸収を、インク吸収層と支持体の両方で担うことができ、インク吸収層の薄膜化、インク吸収速度の向上が可能となる。しかしながら、支持体自身の平滑性が低く、また乾燥時のキャストドラムへの圧接乾燥時に発生するひび割れにより、インク吸収層を塗布した後の平滑性が低く、RC原紙を用いたインクジェット記録媒体に対して、光沢感に乏しいという課題を有している。
このキャストコート用紙が抱える課題を改良するための技術として、例えば、インクジェット記録媒体表面に生じるひび割れの存在密度の上限を規定する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、これら提案されているキャスコート紙を用いたインクジェット記録媒体は、RC原紙を支持体とするインクジェット記録媒体の光沢感には及ばないのが現状である。また、吸水性支持体を用いているため、印字後にインク成分の紙支持体へ浸透によりコックリングを引き起こすなどの課題も抱えている。
一方、上記RC原紙の代替技術として、紙支持体上に中空微粒子からなる被覆層を付与し、その上にインク吸収層を付与することで、光沢、吸収速度の両立を図る技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、中空微粒子を用いることで、被覆層を通過して紙基材への浸透するインク量が逆に多くなり、コックリングや光沢感の低下を招く結果となっている。
また、インク成分の紙基材への浸透性を示す指標として、透気度、透湿度等がある。この値を規定し、光沢の向上を目的とした技術が開示されている(例えば、特許文献4、5参照。)しかし、これら提案されている方法は何れもキャストコート法によるインクジェット記録媒体に関する技術であり、印字後のプリントのコックリングの改良に関しては一切の記載はなく、更に光沢感の向上に関しては十分な技術であると言い難いのが現状である。インク吸収層を塗布した後の平滑性も低く、RC原紙を用いたインクジェット記録媒体に対して、光沢感に乏しいという課題を有している。
上記キャストコート用紙の抱える課題を改良するための技術として、例えば、インクジェット記録媒体表面に生じるひび割れの存在密度の上限を規定する技術が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、吸収速度の向上を図る観点からは表面の割れを増加させることは好ましいが、逆に表面光沢感の低下を招く結果となる。
このようなことから、逆に表面の割れの存在密度の上限を規定することで、光沢感を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献4、5参照)。しかしながら、割れの存在密度の条件を規定しているのみで、光沢感とインク吸収速度の両立を実現するには至っていないのが現状である。
また、キャストコート紙を支持体として用いたインクジェット記録媒体では、塗膜を形成する過程で、架橋剤としてホウ酸、ホウ砂のようなホウ素化合物を使用し、ポリビニルアルコールのような水溶性バインダの架橋を行っている。しかしながら、ホウ素系化合物は、人体への影響が懸念されている。2001年には、水質汚濁防止法(1970)が改正され、排水基準に「ホウ素及びその化合物」が追加された。基準値はホウ素10mg/L(海域に排出の場合230mg/L)と定められた。また、1999年「水質汚濁に係る環境基準」の一部が改正され、人の健康に関する環境基準の項目、いわゆる健康項目に追加されている。環境基準値は、1mg/L以下と定められており、今後、インクジェット記録媒体でのホウ素化合物の使用に関する規制が厳しくなってくると考えられ、早急な代替手段の開発が求められている。
特開平8−25800号公報 特開平8−104054号公報 特開平11−147361号公報 特開平11−348416号公報 特開2001−287442号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インク吸収性、光沢性及び印字後のにじみ耐性が改良されたインクジェット記録媒体及びその製造方法を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
吸水性支持体上に、少なくとも1層の無機微粒子が含有するインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該インク吸収層が、バインダーとして主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物に電離放射線を照射して側鎖間に架橋結合を生じさせた高分子化合物を含有し、該吸水性支持体上に該インク吸収層を塗布した後、該インク吸収層の含水率が1000%から10%の状態で、該インク吸収層を加熱された面に圧接、乾燥して得られたことを特徴とするインクジェット記録媒体。
(請求項2)
少なくとも1層の前記インク吸収層が、バインダーとして官能基を有する変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項3)
少なくとも1層の前記インク吸収層が、自己架橋性エマルジョンを含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項4)
チタンまたはジルコニウム化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項5)
吸水性支持体上に、少なくとも1層の無機微粒子が含有するインク吸収層を有するインクジェット記録媒体の製造方法において、該インク吸収層が、バインダーとして主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物に電離放射線を照射して側鎖間に架橋結合を生じさせた高分子化合物を含有し、該吸水性支持体上に該インク吸収層を塗布した後、該インク吸収層の含水率が1000%から10%の状態で、該インク吸収層を加熱された面に圧接、乾燥して製造することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
(請求項6)
少なくとも1層の前記インク吸収層が、バインダーとして官能基を有する変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
(請求項7)
少なくとも1層の前記インク吸収層が、自己架橋性エマルジョンを含有することを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
(請求項8)
チタンまたはジルコニウム化合物を含有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
本発明によれば、インク吸収性、光沢性及び印字後のにじみ耐性が改良されたインクジェット記録媒体及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、吸水性支持体上に、少なくとも1層の無機微粒子が含有するインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該インク吸収層が、バインダーとして主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物に電離放射線を照射して側鎖間に架橋結合を生じさせた高分子化合物を含有し、該吸水性支持体上に該インク吸収層を塗布した後、該インク吸収層の含水率が1000%から10%の状態で、該インク吸収層を加熱された面に圧接、乾燥して得られたインクジェット記録媒体により、インク吸収性、光沢性及び印字後のにじみ耐性が改良されたインクジェット記録媒体が得られることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明に係るインクジェット記録媒体について説明する。
本発明のインクジェット記録媒体(以下、単に記録媒体ともいう)においては、少なくとも1層の無機微粒子が含有するインク吸収層を有し、該インク吸収層には無機微粒子と共にバインダーを含有し、空隙層を構成する。
はじめに、本発明に係るインク吸収層を構成するバインダーについて説明する。
本発明のインクジェット記録媒体においては、インク吸収層が、バインダーとして主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物に電離放射線を照射して側鎖間に架橋結合を生じさせた高分子化合物を含有することを1つの特徴とする。
本発明において、主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物とは、電離放射線を照射すると側鎖間で架橋結合される高分子化合物である。そして、主鎖が(a)ポリ酢酸ビニルのケン化物、(b)ポリビニルアセタール、(c)ポリエチレンオキサイド、(d)ポリアルキレンオキサイド、(e)ポリビニルピロリドン、(f)ポリアクリルアミド、(g)ヒドロキシエチルセルロース、(h)メチルセルロース、(i)ヒドロキシプロピルセルロース、(j)前記(a)〜(i)の少なくとも一種の誘導体、および(k)(a)〜(j)を含む共重合体より選ばれる少なくとも一種で構成される。
これらの親水性高分子化合物は、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により、架橋結合後に、架橋結合前よりも水に溶けにくくなる樹脂であることが好ましい。
また、側鎖は、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、および光解重合型より選ばれる少なくとも一種の変成基により構成されていることが好ましく、上記(a)〜(k)より選ばれる少なくとも一種の主鎖を変性することにより得ることが好ましい。
本発明で用いる主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物は、架橋結合のために、重合開始剤、重合禁止剤等が実質必要なく、また電離放射線照射後に未反応遊離基が生じることを抑制できるので、経時的に塗膜の折り割れ性が劣化するということを抑制できる。また、本発明の主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物に電離放射線を照射し、側鎖間を架橋結合させた高分子化合物を含むバインダーを含有する多孔質層の網目構造は、架橋剤のみを用いて架橋結合させて形成される多孔質の網目構造や、主鎖に複数の側鎖を有さない親水性高分子化合物または重合度が低い親水性高分子化合物に電離放射線を照射して架橋結合させて形成された多孔質の網目構造のような比較的短い距離での三次元構造とは異なった、長い距離での架橋を含むため、多くの無機微粒子を保持しやすい構造を有しており、より少ないバインダー量で、即ち、無機微粒子に対するバインダーの比率をより小さくして、均一な膜を形成することができる。
このように、無機微粒子に対するバインダー比が小さい方が、インク吸収層の空隙率は上がり、インクをより保持しやすくなる(インクを吸収しやすくなる)ので、インク溢れを抑制でき、乾燥が早く、形成される塗膜が強固で、折り曲げ等に対し強いほか、インクジェット記録媒体を形成した後の印字或いは印画前の記録層のひび割れ、剥落等が少なく、更に印画或いは印字の後においても折り曲げ等によるストレスに対し耐性が強い多孔質層を有するインクジェット記録媒体を得ることが出来る。
従って、高インク吸収性で、耐水性が改善され、折り割れおよびひび割れが少ないインクの乾燥速度の速いインクジェット記録媒体を得ることができる。
主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物としては、光二量化型のジアゾ型、もしくはシンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基を導入したものが好ましい。また、光架橋後アニオン染料等の水溶性染料により染色される樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えば、一級アミノ基ないし四級アンモニウム基等のカチオン性基を有する樹脂、例えば、特開昭56−67309号、同60−129742号、同60−252341号、同62−283339号、特開平1−198615号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)、硬化処理によりアミノ基になり、カチオン性になるアジド基のような基を有する樹脂、例えば、特開昭56−67309号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
具体的には、例えば、特開昭56−67309号公報記載のポリビニルアルコール構造体中に、下記式(I)
Figure 2006044092
で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、又は下記式(II)
Figure 2006044092
で表される4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物が好ましい。
樹脂の具体例は、該公報中の実施例1及び2に、樹脂の構成成分及びその使用割合は該公報第2頁に記載されている。
また。特開昭60−129742号公報に記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記式(III)または(IV)
Figure 2006044092
で示される構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂である。式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、A-はアニオンを示す。これらは、ポリビニルアルコールまたは部分鹸化ポリ酢酸ビニルに、ホルミル基を有するスチリルピリジニウム塩またはスチリルキノリニウム塩を作用させて製造した、スチリルピリジニウム(スチルバゾリウム)構造或いはスチリルキノリニウム構造を有する構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂であり、製造法については特開昭60−129742号に詳細に記載されており、これを参考に容易に製造できる。
これら、スチリルピリジニウム基またはスチリルキノリニウム基を有するポリビニルアルコール中の、スチリルピリジニウム基またはスチリルキノリニウム基の割合は、ビニルアルコール単位あたり、0.2〜10.0モル%の割合であることが好ましい。10.0モル%以下とすることにより、塗布液への溶解性を向上することができる。また、0.2モル%以上とすることにより、架橋後の強度を向上することができる。
また、上記において、ベースとなるポリビニルアルコールは、一部未鹸化のアセチル基を含んでいてよく、アセチル基の含有率は30%未満であることが望ましい。またその重合度は300〜3000程度であることが好ましく、400以上であることがより好ましい。重合度を300以上とすることにより、架橋反応のための放射線の照射時間を短縮することができ、生産性を向上することができる。また、重合度を3000以下とすることにより、粘度が増大することを抑制でき、取り扱いが容易となる。
なお、バインダーとして、上記主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物とともに、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の親水性樹を併用してもよい。
本発明においては、光開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
適用される光開始剤、光増感剤について特に制限はないが、一例とし、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサトン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、アセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が挙げられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
特に、水溶性の1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−(2−ヒドロキシ)−2−メチル−1−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、チオキサントンアンモニウム塩、ベンゾフェノンアンモニウム塩等の水溶性開始剤が、混合性等に優れ架橋効率の観点からも好ましい。また、電離放射線として紫外線を使用する場合には、増感剤として、例えば、チオキサントン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテルキサントン、ジメチルキサントン、ベンゾフェノン、N,N,N′,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等の増感剤が好ましい。
なお、増感剤を使用する場合、その使用量は塗布液中の電離放射線硬化型樹脂に対して0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%程度の範囲で調節するのが望ましい。
これらの開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。塗布組成物中の電離放射線硬化型樹脂に対して0.05〜3質量%程度混合してもよい。
また、上記において、ベースとなるポリビニルアルコールは、一部未鹸化のアセチル基を含んでいてよく、アセチル基の含有率は30%未満であることが望ましい。ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、90〜100%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、第1〜第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を、該ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を鹸化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
上記バインダーを含有する記録媒体を塗設後に、塗膜に電離放射線、例えば、紫外線(水銀灯或いはメタルハライドランプ等)等を照射する。この電離放射線の照射により、親水性高分子化合物の側鎖間で架橋反応を生じさせ、水性塗膜の粘度を上昇させ、流動化を防いで(いわゆるセットさせて)均一な塗膜を形成させることができる。電離放射線照射後に、塗膜を乾燥させ、支持体上に均一な、親水性バインダーと微粒子を主として含有する空隙を有する多孔質層が形成されたインクジェット記録媒体を得ることができる。
本発明においては、電離放射線を照射後、塗膜を乾燥させ、塗膜に含有される水を主体とする水性溶媒を蒸発させることが好ましい。具体的にはインク吸収層を塗布後で加熱された鏡面ドラムに圧接させる前で電離放射線を照射する。水性溶媒が一部或いは大部分が蒸発していても良いが、塗膜が親水性の溶媒を含有した状態で電離放射線を照射することが好ましく、塗布後直ぐに電離放射線を照射することがより好ましい。これにより、塗布膜中の親水性高分子化合物の側鎖間の架橋反応によって、塗膜の流動化を抑えた上で塗膜を乾燥させて多孔質層を形成することができるので、均一な多孔質層を有するインクジェット記録媒体を得ることができる。
電離放射線としては、例えば、電子線、紫外線、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、X線等があげられ、人体への影響が少なく、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましく用いられる。
電離放射線として電子線を使用する場合、照射する電子線の量は0.1〜20Mrad程度の範囲で調節するのが望ましい。0.1Mrad以上とすることにより、充分な照射効果を得ることができ、20Mrad以上とすることにより、支持体、特に紙やある種のプラスチックの劣化を抑制することができる。電子線の照射方式としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等が採用され、電子線を照射する際の加速電圧は100〜300kV程度が好ましい。なお、電子線照射方式は、紫外線照射に比べて生産性が高く、増感剤添加による臭気や着色の問題がなく、更に均一な架橋構造をとりやすいといった利点がある。
本発明において好ましく用いられる主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物は、特に、上記の増感剤等を添加しないでも例えば紫外線に感光し、容易に架橋反応することができ、紫外線の光源としては、紫外線ランプ(例えば0.5kPa〜1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ)、キセノンランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ等が用いられ、5000〜8000μW/cm2程度の強度を有する紫外線が好ましく照射される。硬化に要するエネルギー量としては0.02〜20kJ/cm2の範囲が用いられる。
また、本発明に係るインク吸収層の少なくとも1層が、上記説明した電離放射線硬化型の高分子化合物と共に、官能基を有する変性ポリビニルアルコールを含有することが好ましい。
本発明に係る変性ポリビニルアルコールとは、機能性を有する官能基を分子内に有するポリビニルアルコールのいう。具体的には、例えば、ビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−N−メチルイミダゾールおよびこれらの4級化合物等の4級アンモニウム塩基等カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と、酢酸ビニルを共重合し、得られたコポリマーを常法によりけん化することにより得られるカチオン性ポリビニルアルコールや、酢酸ビニルとアクリルアミドを溶液重合などの方法により共重合して得られる樹脂を、アルカリの存在下媒体中で部分的に或いは完全に鹸化することで得られるアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコール系、シランへの反応性を高めたシラノール変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとイタコン酸あるいはマレイン酸などを共重合した後けん化して得られる、いわゆる共重合変性PVAや、PVAに直接カルボキシル基を導入するカルボキシル基変性PVA、その他に、スルホン基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性PVA等が挙げられる。本発明に係る記録媒体の作成には、塗膜強度の向上の観点からシラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等が好ましく用いられる。
これらの変性ポリビニルアルコールの添加量は、多すぎると塗布後の電離放射線照射時に、硬膜せず、キャスト時の成膜性を低下させるために、その添加量は、塗膜を形成するために必要全バインダー量の50%以下であることが好ましい。
また、本発明に係るインク吸収層の少なくとも1層が、上記説明した電離放射線硬化型の高分子化合物と共に、自己架橋性エマルジョンを含有することが好ましい。
本発明でいう自己架橋型エマルジョンとは、架橋反応基を有する単量体(モノマー)から形成された樹脂からなるエマルジョンで、線形構造のみならず、3次元架橋構造を有する樹脂を含むエマルジョンとして定義される。自己架橋型エマルジョンとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル重合体ラテックス、或いはこれら各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合ラテックスであり、例えば、アミノ基とエポキシ基を有し水揮発後に耐水性を有する膜を形成するエマルジョンが挙げられる。自己架橋型エマルジョンの具体例として、例えば、クラリアントポリマー社製のアクリル共重合エマルジョンであるモビニール747、モビニール760H、モビニール4700、モビニール761H、モビニール718、モビニール2000、モビニール3410、酢酸ビニル共重合エマルジョンであるモビニール771H、モビニール78H、酢酸ビニル−アクリル共重合エマルジョンであるアプレタン2200等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。本発明に係る自己架橋型エマルジョンに含まれる樹脂粒子の粒径としては、100〜500nmであることが好ましく、更に好ましくは100〜300nmである。
本発明に係るバインダーは、主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物であり、電離放射線を照射すると側鎖間で架橋結合される高分子化合物であるが、本発明の目的効果を損なわない範囲で、従来公知の水溶性バインダーを併用して使用することもでき、例えば、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
次いで、本発明に係るインク吸収層に含有される無機微粒子について説明する。
本発明においては、インク吸収層に、平均粒径が100nm以下の各種無機微粒子を含有させることによって形成されることが好ましい。
上記の目的で使用される無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
無機微粒子の平均二次粒径は、粒子そのものあるいはインク吸収層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
本発明においては、無機微粒子としては、シリカ、及びアルミナまたはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いることが好ましい。
本発明で好ましく用いることのできるシリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは、高い空隙率が得られるだけでなく、染料を固定化する目的で用いられるカチオン性ポリマーに添加したときに、粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。
無機微粒子は、カチオン性ポリマーと混合する前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。
本発明に係るインクジェット記録媒体の作製に際しては、成膜性を向上させるために、ジルコニウムおよびチタン化合物を含有させることが好ましい。
ジルコニウム元素を含む化合物は、二フッ化ジルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩化ジルコニウム(塩化ジルコニル)、二臭化ジルコニウム、三臭化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、臭化酸化ジルコニウム、三ヨウ化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、過酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、p−トルエンスルホン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、リン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナト)クロロジルコニウム、などが挙げられる。
これらのジルコニウム元素を含む化合物の中でも、インク吸収層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、具体的には水溶性である、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、酸塩化ジルコニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニルが好ましい。炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニルは特に好ましい。
ジルコニウム元素を含む化合物は、インク吸収層を形成する塗布液に添加してから塗布乾燥しても良いし、多孔質層を塗布乾燥した後のインク吸収層に含浸させて添加しても良い。
ジルコニウム元素を含む化合物は、インクジェット記録媒体1m2当たり、通常0.01〜5g、好ましくは0.05〜2g、特に好ましくは0.1〜1gの範囲で用いられる。
本発明に係るチタニウム化合物としては、有機チタニウム化合物、具体的にはチタニウムラクテート化合物が挙げられる。例えば、ジヒドロキシチタニウムビス(ラクテート)、ジヒドロキシチタニウムビス(ラクテート)のアンモニウム塩、ジヒドロキシチタニウムビス(ラクテート)のジアンモニウム塩、乳酸チタネートアンモニウム塩、ジ(イソプロポキシ)チタニウムビス(メチルラクテート)、ジ(イソプロポキシ)チタニウムビス(エチルラクテート)、ジ(イソプロポキシ)チタニウムビス(n−プロピルラクテート)、ジ(イソプロポキシ)チタニウムビス(イソプロピルラクテート)、イソプロポキシ−イソブトキシチタニウムビス(エチルラクテート)、イソプロポキシ−イソブトキシチタニウムビス(イソプロピルラクテート)、ジ(イソブトキシ)チタニウムビス(メチルラクテート)、ジ(イソブトキシ)チタニウムビス(エチルラクテート)、ジ(イソブトキシ)チタニウムビス(n−プロピルラクテート)、ジ(イソブトキシ)チタニウムビス(イソプロピルラクテート)、ジ(ブトキシ)チタニウムビス(エチルラクテート)などである。
本発明のインクジェット記録媒体で用いる支持体は、吸水性支持体である。
本発明に係る支持体としては、例えば、普通紙、アート紙、コート紙およびキャストコート紙などの吸水性紙支持体を挙げることができる。
本発明に係る支持体に用いられる紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP及び/またはLDPの比率は10〜70%が好ましい。上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
紙中には、例えば、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好ましい。
紙の坪量は50〜250gが好ましく、特に、70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜210μmが好ましい。
紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7〜1.2g/cm3(JIS P 8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと同様のサイズ剤を使用できる。
紙のpHは、JIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、pH5〜9であることが好ましい。
紙中には、例えば、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好ましい。
一般に、画像の光沢を示す指標としては光沢度が用いられているが、光沢度はある角度から入射した光に対して正反射した光の割合を示すもので、例えば、表面平滑性が低くても、光の反射率が高い表面を有する材料の光沢度は高く表示される。しかし、人間の目で感じることができる、いわゆる光沢感とは対応しない傾向ある。
そこで、本発明においては、光沢度を判定する指標として、C値と呼ばれる像鮮明度を用いる。本発明でいうC値とは、JIS K 7105に規定される像鮮明度のうち、光学くし2mmを用いて反射法により測定した値を、C値として定義し、例えば、像鮮明度測定機ICM−IDP(スガ試験機械(株)製)等を用いて求めることができる。
また、写像性は、皮膜表面に対面する物体の像を写す皮膜表面の性能を表し、入射画像が画像表面において、どれだけ正確に反射、あるいは投影されるかを示す値である。入射画像に対して正確な反射画像を与えるほど、写像性は高くなり、結果としてC値は大きくなる。このC値は、鏡面光沢度と表面の平滑性を併せた効果を示すものであり、反射度が高くなるほど、また平滑度が高くなるほどC値は大きくなる。
本発明において、吸水性支持体上の各構成層を塗設するための塗布方法としては、公知の方法から適宜選択して行うことができ、例えば、グラビアコーティング法、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、押し出し塗布方法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法も用いることができる。
本発明の記録媒体では、公知のキャストコート法によって製造される。キャストコート法はその製造方法が、直接法、リウェット法、凝固法等に分類できる。一般的には生産性の点から、リウェット法、凝固法が好ましい。ただし、本発明における記録媒体の作製については、環境に配慮することからホウ素系化合物を使用せず、電離放射線によって凝固作用を示す架橋性基をもった水溶性高分子を用いることを特徴としている。
実際には、吸水性支持体にインク吸収層を塗布した後、上記電離放射線硬化型の高分子化合物の架橋のために電離線照射を行い、塗膜を凝固させ、予め加熱された鏡面仕上げキャストドラムに圧接することで光沢性の高い記録媒体を作製する。
すなわち、本発明の記録媒体及びその製造方法においては、吸水性支持体上に上記構成からなるインク吸収層を塗布した後、インク吸収層の含水率が1000%から10%の状態で、インク吸収層を加熱された面に圧接、乾燥して製造することを特徴とする。
本発明でいう塗布した後の含水率とは、インク吸収層中の総固形分質量を100%とした時のインク吸収層中に含まれれる水分率を表す。例えば、含水率が100%とは、総固形分と同じ質量の水分が塗膜中に含まれることを意味する。含水率が1000%より大きい場合は、塗布後の加熱乾燥においても乾燥が終了せず、未乾燥の状態で巻き取られることとなり、ロール形態の場合、表裏面のくっつきを招くこととなる。一方、含水率が10%より少ない場合は、ほぼ乾燥が終了しており、記録媒体を加熱面に圧接させても平滑性や光沢の向上効果がほとんど得られない。
本発明でいう加熱された面とは、塗布後湿潤状態にある塗布膜表面を乾燥し、かつ平滑化させるために必要な用件であり、表面荒さRaが1μm以下の平滑性の高い面を有することが好ましい。形態としては、平面、曲面を有するもののいずれでもかまわないが、生産性の観点から、一般に製紙業界で用いられているキャストコート紙製造用の鏡面加熱ローラが好ましい。加熱温度としては、50℃から130℃の間が好ましい。50℃より低い場合は、乾燥が不十分となり、130℃より高い場合は、光沢が低下する。
加熱ローラとしては、中空状のローラを構成成分として有し、駆動手段により回転するが、その中空部分に熱源として、例えば、ハロゲンランプヒーター、セラミックヒーター、ニクロム線等からなる発熱体が内蔵されることが好ましい。
また、ローラは、熱伝導性の高い材料が好ましく、特には金属ローラが好ましいが中でもニッケルが好ましく用いられる。
本発明のインクジェット記録媒体を用いて画像形成を行う際、インクジェットインクを用いることができ、その中でも、水溶性染料、水、有機溶剤等を含有している水性染料インクを用いることが好ましい。
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物としては、例えば、特開2002−264490号公報に例示した染料を挙げることができる。
本発明で用いることのできる有機溶媒は、特に制限はないが、水溶性の有機溶媒が好ましく、具体的にはアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、スルホン酸塩類(例えば1−ブタンスルホン酸ナトリウム塩等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
本発明に係るインクにおいて、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
また、本発明におけるインク中に、高分子界面活性剤も用いることができ、例えば、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
本発明に係るインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。
《記録媒体の作製》
〔記録媒体101の作製〕
(支持体の作製)
濾水度が400mlCSFのLBK70部、濾水度が400mlCSFのNBKP30部からなる木材パルプ100部に、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウムの比率が45/55になる顔料を10部、アルキルケテンダイマー0.2部、ポリアクリルアミド0.01部を配合し、長網抄紙機を用いて抄造し、坪量が100g/m2の支持体を作製した。
(インク吸収層の形成)
次に、沈降法シリカ(トクヤマ株式会社製:ファインシールX37)100部とポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA223)30部、カチオン性定着剤(住友化学工業株式会社製:スミレーズレジン1001)20部を、固形分濃度が11%になるようにしてインク吸収層塗布液を調製した。次いで、このインク吸収層塗布液をエアーナイフコーターにより、乾燥付量が15g/m2になるように上記支持体に塗布し、引き続き、光沢発現層として、カチオン性コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製:AK−L)100部に対してポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA223)20部を乾燥付量として10.5g/m2になるように塗布した。次いで、得られた塗布層表面が湿潤状態にあるうちに、4%ホウ砂水溶液を塗布した。尚、ホウ砂の塗布量はポリビニルアルコールの8質量%になるように制御した。その後、表面が湿潤状態にあるうちに、表面温度100℃のキャストドラムに圧接し、記録媒体101を作製した。圧接前の塗膜の含水率は700%だった。
〔記録媒体102の作製〕
上記記録媒体101の作製において、ホウ砂水溶液の塗布を行わなかった以外は同様にして、記録媒体102を作製した。
〔記録媒体103の作製〕
上記記録媒体102の作製において、ポリビニルアルコールに代えて、スチルバゾリウム基を導入し、濃度を10%に調整した光架橋性ポリビニルアルコール誘導体水溶液(東洋合成工業社製:SPP−SHR主鎖PVA重合度2300、ケン化度88%)を用い、さらに塗設後に、365nmに主波長をもつメタルハライドランプで、エネルギー量で2kJ/cm2の紫外線を照射し、その後、100℃のキャストドラムに圧接した以外は同様にして、記録媒体103を作製した。
〔記録媒体104の作製〕
上記記録媒体103の作製において、光架橋性ポリビニルアルコール誘導体の20%を、シラノール変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製:R−1130)に置換した以外は同様にして、記録媒体104を作製した。
〔記録媒体105の作製〕
上記記録媒体103の作製において、光架橋性ポリビニルアルコール誘導体の20%を、アクリルシリコーン系樹脂(自己架橋性樹脂、平均粒径250nm)に置換した以外は同様にして、記録媒体105を作製した。
〔記録媒体106の作製〕
上記記録媒体103の作製において、光架橋性ポリビニルアルコール誘導体の20%相当量のチタンカップリング剤(松本製薬工業株式会社製:オルガチックスTC−100)を湿潤状態にある塗布面に塗布した以外は同様にして、記録媒体106を作製した。
〔記録媒体107の作製〕
上記記録媒体106の作製において、チタンカップリング剤に代えて、酢酸ジルコニウム(第一希元素化学工業株式会社製:酢酸ジルコニルZA)を用いた以外は同様にして、記録媒体107を作製した。
〔記録媒体108の作製〕
上記試料103の作製において、圧接前の含水率が1100%となるように塗布液調製時の固形分濃度を変更した以外は同様にして、記録媒体108を作製した。
〔記録媒体109の作製〕
上記試料103の作製において、各層を塗設した後、温風で乾燥させ、含水率が5%になった時点でキャストドラムにより圧接させたこと以外は同様にして、記録媒体109を作製した。
上記作製した各記録媒体の作製において、キャストドラムによる圧接前の含水率を表1に示す。なお、記録媒体101〜107の作製において、各含水率の調整は塗布後、キャストドラムに圧接する前に、送風乾燥により含水率を適宜調整した。
《記録媒体の評価》
〔C値の測定〕
上記作製した各記録媒体に対して、プリンタ−としてセイコーエプソン社製のPM−G800を用いて、純正インクによりブラックのベタ画像をプリントし、印字部を写像性測定装置ICM−1DP(スガ試験機社製)により、反射60°、光学くし2mmで写像性(C値%)を測定し、下記の基準に従って評価した。
◎:C値が65以上
○:C値が55以上、65未満
△:C値が45が以上、55未満
×:C値が45未満
〔光沢感〕
各記録媒体に対して、セイコーエプソン社製のPM−G800を用いて人物、風景等の画像をプリントした後、光沢について目視観察し、下記の基準に従って光沢感の評価を行った。
◎:銀塩写真同等の光沢感である
○:銀塩写真に近い光沢感である
△:銀塩写真に劣る光沢感である
×:銀塩写真に比べ明らかに低い光沢である
〔インク吸収性〕
各記録媒体に対して、セイコーエプソン社製のPM−G800を用いて、ブラック、イエロー、マゼンダ、シアンの各色ベタ画像を印字し、印字終了から10秒後に普通紙を印字部に押しあて、インクの転写の程度を目視観察し、記の基準に従ってインク吸収性の評価を行った。
◎:普通紙へのインクの裏写りが全くなし
○:普通紙へのインクの裏写りが若干みられるが、実用上問題なし
△:普通紙へのインクの裏写りが発生
×:普通紙への強いインクの裏写りが発生
〔にじみ耐性の評価〕
各記録媒体に、セイコーエプソン社製のPM−G800を用いて、レッド、グリーン、ブルーのベタ画像部上にブラックで文字を印字し、印字後の各試料を35℃、80%RH環境下で3日間保存しした後、ブラック文字のにじみ状態を目視観察し、下記の基準に従ってにじみ耐性の評価を行った。
◎:各色でにじみが全くなく、文字がはっきり読み取れる
○:複雑な文字の時に若干のにじみが生じるが、文字は読み取れる
△:文字全体がやや太くなり、にじみを生じているが読み取れる
×:にじみがひどく、文字か読み取れない
以上により得られた測定結果及び評価結果を、表1に示す。
Figure 2006044092
表1に記載の結果より明らかなように、比較例である記録媒体101は、ホウ砂を用いたキャストコートインクジェット記録媒体であるが、C値及び光沢感に乏しい。これに対して、加熱したキャストドラムに圧接する前に付与するホウ砂を除いた記録媒体102は、圧接前の塗膜が未硬膜の状態であるため、平滑性、光沢感が低く、バインダーの架橋がないために、インク吸収速度の低下が大きく、またにじみ耐性も劣化していることが分かる。
これに対して、バインダーを電離放射線照射により硬化するポリビニルアルコールに変更した記録媒体103は、何れの項目も大きく改良していることが分かる。更に、変性PVAを添加した記録媒体104では、C値、光沢感が、また、自己架橋性エマルジョンを添加した記録媒体105ではインク吸収性が、また、チタン、ジルコニウム化合物を添加した記録媒体106、107では、それぞれ吸収性、にじみ耐性が改良されていることがわかる。
しかしながら、キャストドラムによる圧接時の含水率が非常に高い試料108は、乾燥が不十分なため、乾燥後の巻き取り工程で、表裏面のくっつきが発生し、評価サンプルを得ることができなかった。一方、キャストドラムによる圧接時の含水率が非常に低い試料109では、キャストドラムの圧接によっても光沢が向上せず、その他の性能も満足するものが得られなかった。

Claims (8)

  1. 吸水性支持体上に、少なくとも1層の無機微粒子が含有するインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該インク吸収層が、バインダーとして主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物に電離放射線を照射して側鎖間に架橋結合を生じさせた高分子化合物を含有し、該吸水性支持体上に該インク吸収層を塗布した後、該インク吸収層の含水率が1000%から10%の状態で、該インク吸収層を加熱された面に圧接、乾燥して得られたことを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 少なくとも1層の前記インク吸収層が、バインダーとして官能基を有する変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 少なくとも1層の前記インク吸収層が、自己架橋性エマルジョンを含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. チタンまたはジルコニウム化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  5. 吸水性支持体上に、少なくとも1層の無機微粒子が含有するインク吸収層を有するインクジェット記録媒体の製造方法において、該インク吸収層が、バインダーとして主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物に電離放射線を照射して側鎖間に架橋結合を生じさせた高分子化合物を含有し、該吸水性支持体上に該インク吸収層を塗布した後、該インク吸収層の含水率が1000%から10%の状態で、該インク吸収層を加熱された面に圧接、乾燥して製造することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
  6. 少なくとも1層の前記インク吸収層が、バインダーとして官能基を有する変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  7. 少なくとも1層の前記インク吸収層が、自己架橋性エマルジョンを含有することを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  8. チタンまたはジルコニウム化合物を含有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
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JP2011152707A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd インクジェット記録用光沢紙
JP5296250B1 (ja) * 2012-08-29 2013-09-25 北越紀州製紙株式会社 インクジェット記録対応光沢紙

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