JP2006043314A - 肉厚シート型治療具 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱、冷え性、頭痛、あるいは日焼けによる痛み、さらには肩こりや関節痛といった筋肉痛などの症状を軽減し解消することができる肉厚シート型治療具を提供する。
【解決手段】マイナスイオンを発生するゲル状物がプラスチック製のシート袋に収容された肉厚シート型治療具であって、ゲル状物は、常温静止状態においてもマイナスイオンを発生する平均粒径0.5〜10μmの鉱石微粉末を、吸水性または親水性ポリマー中に均一に分散していることを特徴とする肉厚シート型治療具;特に、鉱石微粉末が、吸水性または親水性ポリマーポリマーに対して0.1〜10重量%配合されていることを特徴とする肉厚シート型治療具によって提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、肉厚シート型治療具に関し、さらに詳しくは、発熱、冷え性、頭痛、あるいは日焼けによる痛み、さらには肩こりや関節痛といった筋肉痛などの症状を軽減し解消することができる肉厚シート型治療具に関する。
これまで風邪などによる発熱、頭痛などの症状を改善し、あるいは猛暑による熱中症を治療するのに、濡れたタオル、氷枕で頭部や患部を冷やすことが行われてきた。
また、スポーツ選手、例えば野球のピッチャーが長いイニングを投げて筋肉が張ったときにも、氷水を入れた袋体をタオル等によって包み肩部に当てて冷却するアイシングが行われている。しかしながら、氷水を用意するのに手間が掛かると共に長時間使用する場合には氷を追加したり、冷水を交換したりする等の面倒な点があり、かつ、装着状態によっては安定性が悪く手で押さえていないと密着せずに十分な冷却効果が得られないといった問題があった。
一方、冷え性や筋肉痛などに対しては、昔から温水、熱水、スチーム、加熱油等を直接または間接的に身体に適用し治療する温熱療法が行われている。温熱療法は、風呂や温泉の利用、使い捨てカイロ、湯たんぽ、あんか、蒸しタオル、パラフィン浴、湿布剤、或いはサウナを利用するものである。
お湯等で体が温まると、血行が促進され、新陳代謝が活発になり、体内の老廃物や疲労物質の除去が促され、特に38〜40℃の温めのお湯には、副交感神経に働きかけて、血管を開かせ、心身ともにリラックスさせる効果があり、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え症等を治癒し、病後回復、疲労回復、健康増進、ストレス発散、二日酔い等にも効果があり、肌の艶、皮膚の張り等を保つ美容効果も期待できるとされている。
しかしながら、風呂、温泉、サウナ等では、それ自体が大規模な設備であって、手軽に運搬または携帯できる治療具とは言えず、蒸しタオル、パラフィン浴等を用いる温熱療法では、発熱温度の制御が困難であり、高温となりすぎて火傷をし、或いは低温すぎて充分な温熱効果が得られないことがあり、又、温熱効果が得られる所定温度の持続時間が短く、短時間でタオルから気化熱が奪われて冷却され、その結果、患部が冷やされ、症状が悪化するなどの逆効果がもたらされる等の問題がある。
これらの濡れタオル、氷枕や温熱療法が有する問題点を解消するため、水、吸水性ポリマー、親水性架橋ポリマー、無機塩類等を必須構成成分とする含水ゲル体が熱媒体として開発され、袋体に封入された保冷・保暖具として利用されている。
例えば、重ね合わせた1対のフィルムの周囲が密閉された袋と、該袋内に収容されたゲル状熱媒体と、上記少なくとも一方のフィルムを貫通して装着されて、袋外部よりゲル状熱媒体が加熱され袋内の圧力が上昇したときに、該袋内の気体成分を袋外部に逃がすための圧力調整弁とを備えた保冷・保暖機能付蓄熱体(特許文献1参照)が提案されている。
ここでは、ゲル状熱媒体に防腐・防カビ剤やゲル化促進剤(カリウムミョウバン)を配合しているので、腐敗やカビの発生を抑制でき比較的長時間にわたり、一定の効果を得られるが、次に述べるようなプラスイオンに起因する各種症例に対しては目に見えた効果がなく、さらに強力な機能を発現する治療具が求められている。
近年の医学的研究によると、パソコンなどのOA機器に囲まれた事務室、タバコの煙が立ち込める場所、新築あるいはリフォームした室内、さらには交通渋滞しがちな道路に面した場所では、プラスイオン(プラスの電気を帯びた非常に微細な微粒子)が増加し、マイナスイオン(マイナスの電気を帯びた非常に微細な微粒子)が不足した状態にあるため、発熱、めまい、頭痛、鼻詰まり、肩こり、腰痛、関節痛、吐き気、不眠、冷え性といった不快な症状を招くとされている。
そのため、このようなプラスイオンによりもたらされる問題への取り組みが多方面から行われるようになり、近年になってトルマリンに代表される鉱石が注目され、治療具、日用品雑貨の材料、新築住宅の壁紙などへの応用がなされはじめている。
その一例として、水及び吸水性ポリマーを必須構成成分とする含水ゲルを偏平状袋体に封入した偏平状ゲル充填物において、この偏平状ゲル充填物の片側面には有効成分の担持層を設けられている温冷両用外用剤が提案されている(特許文献2参照)。これは、遠赤外線放射体としてトルマリンを用い、その遠赤外線効果とマイナスイオン効果を得ようとするものである。
このような治療具によれば、従来の治療具よりも大きな効果が期待できるが、トルマリンによるマイナスイオン効果は満足できるものではなく、このような状況にあって、前記のような人体への不快な症状を解消でき、しかも使いやすく、リサイクル性がよいマイナスイオン発生治療具の出現が切望されていた。
特許第2801529号公報 特開2003−212761号公報
本発明の目的は、上記した発熱、冷え性、頭痛、あるいは日焼け痛、さらには肩こりや関節痛といった筋肉痛などの症状を軽減し解消することができる肉厚シート型治療具を提供することにある。
本発明者は、上記問題点を解決するために鋭意研究を重ね、マイナスイオンを発生する鉱石微粉末を含むゲル状物を、特定の大きさのプラスチック製のシート袋(以下、単にシートともいう)内に鉱石粉体が特定量含まれるように充填して、発熱、頭痛、冷え性、肩こり、筋肉痛、日焼け痛と言った症状が生じたとき、額、首、肩、背中、手足等に当てることで、これらの症状を効果的に解消でき、血行効果、リラックス効果等が更に促進されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、マイナスイオンを発生するゲル状物がプラスチック製のシート袋に収容された肉厚シート型治療具であって、ゲル状物は、常温静止状態においてもマイナスイオンを発生する平均粒径0.5〜10μmの鉱石微粉末を、吸水性または親水性ポリマー中に均一に分散していることを特徴とする肉厚シート型治療具が提供される。
一方、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、鉱石微粉末が、吸水性または親水性ポリマーポリマーに対して0.1〜10重量%配合されていることを特徴とする肉厚シート型治療具が提供される。
本発明の肉厚シート型治療具は、常温静止状態でもマイナスイオンを発生する微細な鉱石微粉末を含むゲル状体をプラスチック製のシート内に収容した治療具であり、保冷具、保暖具のいずれにも使い勝手が良く、人体内の血流を促進させ、頭痛、肩こり、関節痛、筋肉痛、日焼け痛等を治療し、解消することができる。
また、運動選手がアイシング材として用いると、冷却・保冷効果と共に、マイナスイオン効果により、筋肉、筋、神経等の負傷・打撲部分の痛みを解消し回復させられる効果がある。
以下に、本発明の肉厚シート型治療具、その製造法、使用法などを図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、微細な鉱石微粉末を含むゲル状物(3)を、プラスチック製のシート袋(2)内に収容して開口部(4)を封止して製造された本発明のシート型治療具(1)を示しており、図2は、その縦断面を示している。
1.シート袋
本発明において、シート袋は、微細な鉱石粉体が均一に分散したゲル状物を収容する治療具の容器である。
マイナスイオンは、皮膚を通じて、あるいは呼吸によって人体に取り入られるが、マイナスイオンの吸収率は、皮膚から約85%が吸収され、呼吸による吸収率(約15%)に比べて数倍高いとされている。したがって、治療具、保冷具、保暖具等を身体に触れさせるか直近の場所に置かなければ、効率的にマイナスイオンが人体の細胞や神経を活性化させ、血液、体液等の流れを良くし、気分を清々しくさせることは期待できない。
このために、シート袋の材料としては、柔軟で肌と接しても違和感を生じない性質を持つ各種プラスチックが採用される。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレンなどのポリオレフィン;塩化ビニル樹脂;アクリル樹脂;PET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステル樹脂;シリコーン樹脂;ナイロン(ポリアミド樹脂);PVA(ポリビニルアルコール)などのプラスチックが挙げられる。ポリエチレンには、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、L−LDPE(線状低密度ポリエチレン)等がある。
シート袋の材質は、鉱石微粉末から放出されるマイナスイオンの効果を阻害しないものが望ましい。上記のほかに、本発明の目的を阻害しない範囲で、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂系の材料を併用することができる。これらは、静電気への帯電性の程度によって制限されるものではない。
シート袋は、樹脂発泡シート、フラッシュ紡糸法などで得られた不織布、微孔性フィルム等の透湿防水性のあるシートからなる袋状包装体であってもよいが、切断、磨耗又は裂孔により破損しないように、強化プラスチックや積層シートを使用することも可能である。強化プラスチックとは、プラスチックの中に充填剤として、微細なガラス粉、粘土、カーボン粉等を混入したものである。充填剤を用いるのであれば、無色・透明なガラス粉が好ましい。
積層シートであれば、上下一側又は両側の外側面にプラスチックコート層やシリカ薄膜やアルミなどの金属薄膜を形成するのが好ましい。この際、プラスチックコート層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、或いはこれらの共重合体を塗布してコーティングすることも、これら樹脂からなるプラスチックフィルムやポリスチレン等の樹脂発泡シート又はフィルムをラミネート又は重ねるようにして形成することもできる。
このような積層シートを用いたシート袋として、PETとL−LDPEとをドライラミネートしてなる袋、シリカ薄膜やアルミなどの金属薄膜を蒸着したポリエステルフィルムからなる袋を挙げることができる。ただし、アルミなどの金属を蒸着すると袋の透明性が失われることになる。
シート(外皮)の厚さは、特に限定されないが5〜80μm、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは15〜30μmとする。厚さが5μm未満では、強度が不足し、一方、80μmを越えると、マイナスイオンを吸収して効果が低下するだけでなく、硬くて柔軟性がなくなり肌へのソフト感が失われ好ましくない。
また、シート袋の形状や寸法も特に限定されないが、シート袋の底面積が、50〜1500cm、特に100〜1000cmであるものが好ましい。シートの底面積が、50cm未満では、治療効率が悪く、1500cmを超えると取り扱いにくくなり好ましくない。
図1では、シート袋(2)が枕に適した長方形であるものを例示したが、その形状は、四角形(正方形、長方形、ひし形)に限定されず、三角形、五角形、六角形、円形(楕円含む)など、いかなる形状であってもよい。
通常は、四角形のものが使いやすく、一辺が7〜40cmの正方形のもの、縦横の長さが5〜50cm程度の長方形のものが特に好適である。治療効率や取り扱い性を考慮すれば、縦横の長さが3〜50cm程度の長方形のものが好ましい。
シート袋の製造方法は、特に制限されず、各種のプラスチック成形法を採用することができる。例えば、ブロー成形であれば、筒状にプラスチックを形成し、一端を接合し、他端を開口しておく。この際の接合手段としては、縫合、接着、融着(ヒートシール)、その他の任意の手段で接合することができる。また、押出成形であれば、フィルム状に押し出したシートを所定形状に裁断し、このシート体を、例えば2枚重ね、一部或いは部分的に残してその周縁部を接合して、内部を袋状に形成することができる。
シート袋は、人体に取り付けるために周囲の一部、例えば開口部の上部面積を広くとるとか、上下あるいは左右に帯状部分を形成することができる。帯状に形成する場合、適宜箇所に両面テープやベルベットファスナーなどの剥離可能な止着手段を付け、首、手、足などに簡単に巻き付けるように構成することもできる。ただし、サイズが小さいものなど用途によっては、シート端部に接合部の幅を3mm以下とすることが望ましい。
2.鉱石微粉末
本発明において鉱石微粉末は、トルマリンよりも多量のマイナスイオンを発生し、放射線量がごく低レベルで、人体への悪影響の少ない鉱石を原料とするものであれば特に限定されない。
鉱石微粉末は、シート表面からのマイナスイオンの発生量が30個/cm以上、好ましくは30〜3,000個/cm、さらに好ましくは50〜2,000個/cmになるように、その種類を選択する必要がある。マイナスイオンの発生量が30個/cm未満でも、不快な症状を予防し緩和する効果が全く得られないわけではないが、症状を解消するには時間がかかる。なお、本発明において、マイナスイオンの発生量は、市販のイオン計測器で測定され、その検出表示が安定する20秒後の数値を示すものとする。
マイナスイオンを発生する鉱石としては、モナズ石、バストネス石、サマルスキー石、トリウム石、フェルグソン石、カルノー石、トロゴム石、ゼノタイム等の鉱石が挙げられる。
例えば、モナズ石やバストネス石は、常温静止状態においてもマイナスイオンを発生し、その発生量がトルマリンよりも格段に多く、有害物質や雑菌などが付着しても、マイナスイオンの発生量が低減しにくいことから、本発明にとって最も好ましい鉱石である。
一説によると300種類ものモナズ石が存在するといわれ、モナズ石の組成成分は、産出される場所等によって組成成分が大幅に変動するものの、一般的には、CeO(20〜35重量%)、P(15〜25重量%)、La(10〜15重量%)、Nd(5〜13重量%)、ThO(3〜9重量%)、Al(2〜5重量%)、Gd(2〜5重量%)、SiO(2〜5重量%)が主成分を占めている。
モナズ石は、このほかに、それぞれ1重量%程度のFe、MgO、NaO、Ti、B、CaO、K、LiO、Y、F、ZrOを含み、さらに微少成分として、それぞれ1重量%未満のMnO、PbO、ZnO、Dy、SnO、Uなどを含有している。これら成分のうち希土類元素(放射性稀有元素)は、いずれもウラン系もしくはトリウム系の半減期の長いものである。
また、バストネス石は、主にアメリカ合衆国、中国等のカーボナイト鉱床から、チタン、錫、ウラン、トリウム等を採掘した際の副産物として得られるものであり、CeO(20〜55重量%)、La(20〜40重量%)、Fe(8〜15重量%)などを主成分としている。
なお、本発明においては、上記のようなマイナスイオンを発生する鉱石微粉末を主成分とすればよく、他の鉱石などを含有する必要はないが、マイナスイオン発生量を調整し、あるいはゲル状物への分散性、安定性などを制御するためなど、必要であれば、サンゴを微粉砕した粉末などを少量混入しても良い。
これらマイナスイオン発生鉱石は、微粉末になるほど表面積が大きくなり、加えてマイナスイオンの鉱石内吸収も少なくなる。例えば粉末の平均粒径が0.5〜10μm、特に1〜5μmであることが好ましい。平均粒径が10μmよりも大きいと、吸水性または親水性ポリマーへの均一な厚さの収容が困難となり、一方、平均粒径が0.5μmよりも小さいものは粉砕コストが大きくなるので、経済的ではない。
また、鉱石微粉末は、そのままでも吸水性ポリマーなどへ分散できないわけではないが、あらかじめ少量の水に溶解すれば、より均一に分散しシート袋内で偏在することがなくなる。鉱石微粉末を溶解した水溶液の使用量は、次に述べる吸水性または親水性ポリマー100重量部に対して、50〜500重量部、好ましくは80〜200重量部である。水溶液の使用量が吸水性または親水性ポリマー100重量部に対して、50重量部未満では鉱石微粉末の分散性が不十分となる場合があり、500重量部を超えるとゲル状物の流動性などが悪化する場合がある。
場合によっては粉末に表面処理を行うことも可能である。表面処理は、シリカ系、チタン系、アルミニウム系などの各種カップリング剤などを用いて行うことができる。
3.吸水性または親水性ポリマー
本発明において吸水性または親水性ポリマーは、ゲル化基材ポリマーとして、その中に鉱石微粉末を分散させ、ゲル化物とするための材料である。
ゲル化基材ポリマーとしての吸水性または親水性ポリマーは、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース(HEEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルアミロース、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸共重合体、アルギン酸ナトリウム、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の加水分解物、カルボキシビニルポリマー、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、キチン、キトサン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、澱粉−アクリル酸、澱粉−アクリル酸塩、ガラクトマンナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、カシアガム、タラガム、キサンタンガム、カラギーナン、カンテン、コンニャク、ゼラチン、プルラン、コーンスターチ、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、これらの澱粉をα−化したα−化澱粉、可溶性デンプン、ヘミセルロース等の吸水性または親水性ポリマーを単独又は組み合わせて使用する。
これら吸水性または親水性ポリマーは、その化学的構造、性質によって次のように分類できる。
(A)ポリマーに架橋タイプと非架橋タイプがあり、架橋は、ポリマー重合時に行なうか、または、造ったポリマーを電子線またはパーオキサイドで架橋するものである。本発明では,主に架橋タイプを用い、非架橋タイプは補助的に用いる。この群には、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストリン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテルなどがある。
(B)ポリマー自体は架橋されていないが、水分を加えると、ポリマー鎖セグメントブロックが所どころでき、このブロックがポリマー分子同士を架橋したような形態にしているものである。架橋剤は、使う必要はないが、使った方がゲル化率はあがる。この群には、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストリン、ポリアクリルアミド、キチン、キトサン、ガラクトマンナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、カシアガム、タラガム、キサンタンガム、カラギーナン、寒天、ゼラチン、プルラン、コーンスターチ、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、これらの澱粉をα−化したα−化澱粉、可溶性デンプン、ヘミセルロースなどがある。
(C)カルボキシ基をポリマー分子中に有しており、多価金属イオンを発生する無機塩を用いて架橋するものである。カルボキシメチルアミロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸共重合体、アルギン酸ナトリウム、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の加水分解物、カルボキシビニルポリマー、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、キチン、キトサン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、澱粉−アクリル酸、澱粉−アクリル酸塩、ガラクトマンナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、カシアガム、タラガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウムなどがある。
(D)架橋剤(例えば、硼砂、ホウ酸など)を用いて架橋するもので、例えば、プルラン、コーンスターチ、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、これらの澱粉をα−化したα−化澱粉、可溶性デンプン、ヘミセルロース、ポリビニルアルコールなどがある。
(E)アルカリ(水酸化カルシウム)で脱アセチル化し架橋するもので、コンニャクグルコマンナンなどがある。
(F)金属アルコキシドを用いて架橋するもので、ポリビニルピロリドンなどがある。
このうち、本発明においては、比較的ゲル化の操作が容易で、しかも鉱石微粉末の分散効果が大きいことから(A)、(C)または(D)群のポリマー、特に(A)、または(C)のポリマーを用いることが好ましい。
架橋剤としては、珪素系化合物、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、ホウ素系化合物などを用いることができる。
珪素系化合物であれば、エチルオルソシリケイト、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメトキシシラン、ジメチルメチルトリフロロプロピルシラン、γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、特にγ‐ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ‐(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等;チタン系化合物であれば、テトラ−i−プロピルチタネイト、テトラ−n−ブチルチタネイト等;ジルコニウム系化合物であれば、テトラエチルジルコネイト、テトラ−i−プロピルジルコネイト、テトラ−n−ブチルジルコネイト等が挙げられる。
また、ホウ素系化合物であれば、ホウ酸もしくはホウ素と酸素とアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び遷移金属元素などの金属元素との化合物、もしくはこれらの化合物の水和物、具体的にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン、ベリリウム、ジルコニウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、鉛などの金属とのオルトホウ酸塩、多価ホウ酸塩及びこれらの水和物が挙げられる。これらの内では、ホウ酸、ホウ砂、テトラホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウム水和物、トリメチルホウ酸エステル、トリエチルホウ酸エステル、トリブチルホウ酸エステル、Na2813・4H2 Oで表される8ホウ酸塩、及びこの8ホウ酸塩のナトリウムを前記各種金属で置換した構造を有するものが好ましい。
架橋剤は、それを必要とする上記ポリマー100重量%に対して0.01〜20重量%、好ましくは1〜10重量%程度配合することができる。
また、溶剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリルモノアセテート、グリセリルモノブチレート、1,6−ヘキサンジオールおよび1,9−ノナンジオール等を使用できる。
なお、上記各成分以外に他の添加剤、例えば酸化防止剤、抗菌剤、着色剤、界面活性剤、溶剤、無機塩類、有機塩類等の通常用いられる添加剤を配合することができる。
無機塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられ、有機塩類としては、尿素ナトリウム、乳酸ナトリウム等を挙げることができる。一般的に安全性を考慮して、塩化ナトリウム等の食品添加物の塩類で、溶解熱が低いものが好ましく用いられるが、特に限定はされない。
前記無機塩または有機塩は、水溶液として用い、その濃度としては、用いる塩の種類により異なり一概には決められないが、通常1重量%以上かつ飽和濃度以下が好ましい。これを保冷剤用ゲル状物に添加する場合、塩濃度が1重量%未満であると凝固点降下の影響が少ないために、得られたゲル状物が凍結するおそれがある。また、塩濃度が飽和濃度を超える場合、塩の析出がおこり、得られたゲル状物が白く濁るおそれがある。例えば、塩化ナトリウム水溶液の場合、5〜25重量%濃度が好ましく用いられる。
無機塩または有機塩の水溶液を用いる場合、使用量は、それを必要とする前記ゲル化基材ポリマー100重量部に対して、50〜1000重量部、好ましくは100〜400重量部とすることができる。無機塩または有機塩の水溶液の使用量が、50重量部未満の場合、得られたゲル状物が硬くなり柔軟性が悪化するため好ましくない。また、無機塩または有機塩の水溶液の使用量が1000重量部を超える場合、得られたゲル状物が柔らかくなりすぎて形状保持性がなくなるため好ましくない。
前記ゲル化基材ポリマーと架橋剤、又は無機塩もしくは有機塩の水溶液を混合する方法としては、特に限定されず、通常の混合機で混合する方法等を挙げることができる。
4.ゲル状物
本発明においてゲル状物とは、吸水性または親水性ポリマーの中に鉱石微粉末が分散したものである。分散とは、通常、ポリマー中に粉末が偏在や凝集せずに溶解することであるが、本発明においては、微粉末がシート袋内に充填されるゲル状物の表面に均一に存在した状態も含まれるものとする。
本発明では、鉱石微粉末のブレンド前にゲルができておれば、どのような方法でゲルをつくってもよい。鉱石微粉末は、ゲル化基材ポリマーにブレンドしてから水を加えてもよいし、ゲル化基材ポリマーと水と鉱石微粉末を同時にブレンドしてもよい。また、ゲル化基材ポリマーに水を加え、その後に鉱石微粉末をブレンドしてもよいし、ゲル化基材ポリマーと水でゲルを作ってそこに鉱石微粉末をブレンドしてもよいし、さらに、架橋剤が必要な場合は、どの段階で加えてもよい。
鉱石微粉末は、粒径が非常に小さくミクロンオーダーなので飛散しやすい。そのため取り扱い性を向上させるために、水に溶解して水溶液としておくことが望ましい。各種のアニオン系、カチオン系、両性、非イオン系界面活性剤を用いれば、鉱石微粉末を長時間均一に分散させておくこともできる。
鉱石微粉末は、吸水性または親水性ポリマーポリマーに対して0.1〜10重量%、好ましくは1〜8重量%の濃度で配合する。0.1重量%以下ではマイナスイオン発生量が少なすぎて、治療効果を得ることが難しくなる。一方、10重量%を超えて配合しても経済性の面で好ましくない。
ゲル状物を充填したシート袋全体の厚さは、ゲル状物が袋内で流動性を保っていることから、どの部分をとっても均等とはいえない。本発明において代表的な用途である枕を例にとると、枕中央部分は頭を乗せたときに、その重量で沈み込むので薄くなり、一方、押されたゲル状物は袋の外周部に移行して厚くなる。このように、シート袋全体の厚さは、用途にもよるが、平均で1〜50mmとすることが望ましい。特に3〜30mmであることが好ましい。厚さが1mm未満ではマイナスイオン効果が得られない場合があり、50mmを超えると袋封止部の強度(耐久性)を低下させることがある。
吸水性または親水性ポリマーに対する鉱石微粉末の濃度を一定とした場合、単位面積当たりの鉱石微粉末の含有量は、厚いゲル状物の方が薄いゲル状物よりも多くなる。本発明においては、単位面積当たりの鉱石微粉末の含有量は、シート袋の底面積1cm当たり0.1〜500mg、好ましくは1〜100mg、より好ましくは5〜50mgとする。シート袋の底面積1cm当たり0.1mg未満では、マイナスイオン発生量が少なすぎて、治療効果を得ることが難しくなる。一方、500mgを越えて配合するのは経済性の面で好ましくない。
5.治療具の製造
本発明の肉厚シート型治療具を製造するには、様々な方法があり、特に限定されるものではない。例えば、(イ)シート袋、鉱石微粉末を含むゲル状物などを用意し、(ロ)この鉱石微粉末を含むゲル状物をシート袋に収容し、(ハ)シート袋の開口部を封止して製造される。
(イ)材料の用意
鉱石微粉末、吸水性ポリマーおよびそれらを収容する容器となるシート袋は、前記したものを用いればよい。鉱石微粉末を含むゲル状物は、上記方法で鉱石微粉末、吸水性または親水性ポリマーなどから製造する。
(ロ)鉱石微粉末を含むゲル状物のシート袋への収容
鉱石微粉末を含むゲル状物をシート袋へ収容するには、特別な手段を用いることなく、シート袋の開口部を開け、所定量のゲル状物を注ぎ込むだけでよい。また、ゲル状物が予め用意されていれば、その表面に鉱石微粉末の水溶液を満遍なく振り掛けても良い。その他にも、別途、シール印刷やスクリーン印刷で作成された紙基材(マイナスイオン発生鉱石をインキに混入して紙に薄く印刷したもの、例えば実用新案登録第3103228号参照)を用意して、それでゲル状物を包み込むか、外表面に付着させてからシート袋に装入してもよい。
鉱石微粉末を含むゲル状物のシート袋内への収容量は、前記のとおり、シートの底面積1cm当たり鉱石微粉末が0.1〜500mgになるようにする。この際、鉱石微粉末だけを単独で用いればよいが、サンゴの粉末や遠赤外線放射セラミックスを配合することもできる。さらには、着色のために顔料や分散性などを改善するために各種充填材を鉱石微粉末に混合しても良い。ただし、マイナスイオン(放射線)の発生量を低下させない程度の添加量に止めなければならない。
(ハ)シート袋の封止
最後に、鉱石微粉末を含むゲル状物を収容したシート袋の開口部を封止する。封止手段は、プラスチックの開口部を加熱して融着(ヒートシール)する方法、接着剤で接着する方法、糸で縫合する方法などがあるが、特に限定されない。ただし、接着剤で接着する方法では、強力接着剤を用意しなければならず、糸で縫合する方法では、鉱石微粉末を含むゲル状物が流動性を有するために、隙間から漏出する恐れがあるので、プラスチックの開口部を加熱して融着する方法が現実的である。
前記プラスチックは熱可塑性であるため、その融点以上に加熱するとプラスチックが溶融して、粘着性(接着性)をもつようになる。融点は、ポリオレフィンであれば、通常、90〜180℃の範囲にあるものが多い。袋内の空気を可能な限り排出してから、なるべく開口部に鉱石微粉末を含むゲル状物が存在しないようにして、封止すれば本発明の肉厚シート型治療具が完成する。
シート袋は、周囲の全周、又はその一部(例えば開口部)の面積を広く確保すれば、穴を開けて首、手、足などに簡単に巻き付けられるように紐やゴムなど止着手段を付けることもできる。紐の長さは、特に限定されないが、10〜30cm程度が適切であろう。
また、シート袋が大面積である場合は、ゲル状物を封入後、必要によりゲル状物を分断(仕切り)して複数の子袋に分けることもできる。これにより折りたたみ、持ち運びが良好なものとすることができる。
6.使用方法
本発明の肉厚シート型治療具は、額、肩、背中、腹、手足(腕、腿、脹脛)など痛みや不快な症状がある患部に当接させて使用する。例えば、枕として頭や額をのせ、肩・背中・腹に直接載せ、靴下や腹巻の中にいれ、手足につけて紐で巻き、眼帯とし、あるいは足の裏に接触させるなどして使用する。
治療を必要とする症状によって、必要とされるマイナスイオン発生量があるので、それに応じて鉱石微粉末の量が最適な肉厚シート型治療具を選択する。すなわち、症状が重い場合には、マイナスイオンの発生量が多いものを用いることが望ましい。例えば、マイナスイオンの発生量が1,000個/cm以上、例えば、1,000〜2,000個/cmのものを用いることが望ましい。
また、底面積の大きなものを採用すれば、袋内のゲル状物に多量の鉱石微粉末が収容されているため、広範囲にマイナスイオンを作用でき治療効果も向上する。一方、底面積の小さいものを採用すれば、少量の鉱石微粉末しか収容されていないが、携帯しやすく使いやすい。
本発明の肉厚シート型治療具を使用するにあたっては、治療具のシート面を症状がある皮膚の表面、すなわち人体のツボ又は痛みを有する部位に置くことが望ましい。炎症、発熱、腫れ、打ち身、捻挫、日焼け、霜焼け、充血等の熱を伴う症状があるとき、皮膚がシートと接することにより、ゲル状物のポリマーから熱交換効果、鉱石微粉末からマイナスイオンの効果を直接受けることができる。したがって、熱さましバンド・シートや冷湿布材として利用できる。
また、運動後のアイシング材(保冷具)としても有用である。また、夏期の暑いとき、布団や座布団の上に置いて、ほてった身体から熱を奪い快適にさせる保冷具にもなる。シートをこれら保冷具として用いる場合は、ゲル状物が収容されたシート袋を冷蔵庫に入れ、適温、例えば−10〜10℃程度に冷却する。本発明の治療具は、この範囲内で低温に冷却するほど、マイナスイオンの発生量が増大することが観察されている。
多少体を動かしてもシートがずれることはないが、首、手足、腕であれば、治療具に紐(ゴム)を付設しておくことで、それを患部の周囲に巻いて脱落を防ぐことができる。背中や腹部であれば、紐を長くして、首から吊り下げてもよい。なお、リストバンドや腹巻のようなものを治療具のうえに着用すれば、紐を使わなくても同様な効果が得られる。
長期間使用していると、シート表面に汗やほこりが付着して汚れてくる。袋が汚れてもマイナスイオンによる効果自体がさほど低減するわけではないが、皮膚へのダメージが懸念されるので、汚れを除去することが望ましい。汚れの原因物質が汗やほこりによる場合であれば、汚れた表面部分だけを軽くふき取れば、容易に清潔なものとなり、何回も繰り返して使用することが可能となる。
シートをシャツ、ズボンのポケット、腹巻などの衣類の中に入れることもできるが、衣類が介在することで、その分だけマイナスイオンの効果は低減することになる。治療具のシート底面を肌に触れさせる時間は、継続的又は断続的であってもよい。
本発明の肉厚シート型治療具は、微細なマイナスイオン発生鉱石粉末が吸水性ポリマーなどに均一に分散したゲル状物を比較的薄いプラスチックシート袋に収容しているために、マイナスイオンの皮膚への浸透作用が大きい。
ただし、シートを使用してから効果が出るまでの時間は、症状の種類、シート内への鉱石微粉末の種類や量などによっても異なるので、一概に言うことは出来ない。軽い発熱や肩こりであれば、3〜6時間のうちに、改善効果が出始める。スポーツなどによる筋肉痛や日焼け痛でも、6〜12時間のうちに、改善効果が出始めることが、モニターによる調査により確認されている。
本発明の治療具は、人体に適用することを目的に開発されたものであるが、ペット動物の治療に対しても使用することができる。最近、ペットは運動不足で、ストレスがたまり様々な病気になりやすいといわれている。その症状は、人間の場合と類似していることが確認されているため、その使用方法も人体の場合と同様である。夏季に、ペット用の保冷マットとして使用すると、気分が安らいで、おとなしくさせる効果がある。
ただし、犬や猫では、体毛が多く、肉厚シート型治療具が直接患部と接触しない場合が多いので、効果を高めるために、シート袋を胴着の中に装入することが望ましい。必要によって、患部の体毛を一部除去することもありうる。なお、犬や猫などのペットに限らず、比較的小型のものであれば、牛、馬、豚などの家畜、その他の動物にも活用できることはいうまでもない。
なお、本発明の肉厚シート型治療具は、上記以外にも美容パックや保暖具として使用でき、腹痛、胃痛、腰痛、生理痛、リュウマチ、美容等のために用いる温湿布材として利用できる。また、使い捨てカイロ、湯たんぽ、あんか、蒸しタオル、パラフィン浴等の代用として、電子レンジなどで暖め簡易な暖房具として利用できる。ただし、シート袋が加熱に対して耐久性のある材料で構成されたものに限られることはいうまでもない。
7.治療具以外の使用
ところで、本発明の治療具を人体の保冷具などとして用いる場合について主に詳述したが、これ以外にも応用することが可能である。
例えば、魚介類、ハム、野菜等の生鮮食料品及び生酒、ジュース、ワイン、血液等を保存又は輸送する場合において、従来、長期保温の手段として冷凍保存が行われている。ところが、食品の細胞が凍結,解凍時に破壊され、ドリップが流出するので品質が低下し、一方、ドライアイスを使用して保存又は輸送等する場合には、購入ルートが限定されており小口購入は難しく不便であり、またドライアイスを素手で触れると低温やけどの危険があり、食品等に適用する場合に、食品に対する冷気分布が不均一となり、食品等が部分的に変質等を生ずるという問題点があり、さらにドライアイスは二酸化炭素を冷却したものであるから地球温暖化の原因ともなっている。
また、氷を利用する場合は、融解したとき水になるので保冷対象物である食品等を水浸しにし、商品価値をさげ、また氷の場合は固形物であるので、多様な形状をした対象物に密着して冷却することが出来ない等の不利な点がある。
本発明の肉厚シート型治療具は、このような場合の食品類保冷具としても使用でき、動物、肉類、魚介類、野菜、花卉、果物、きのこ、血液、生菓子、生酒、ジュース、ワイン、コーヒー、お茶等の簡易な貯蔵、流通において、保冷対象物の周囲の全部または一部に接触又は被覆することによって保冷の目的を達することが出来る。
本発明の肉厚シート型治療具は、丈夫なシート袋に鉱石微粉末がゲル状物内に均一に配合されているので、通常の使用状態であれば破壊されにくいが、万一、シート袋が破れて内容物が漏れ出たとしても、周囲に飛び散ることはない。さらに、回収が容易で何回でも再使用できるという利点があり、最終的に処分するにしても、シート袋とゲル状物とに分別することなく廃棄できる。
以下、本発明の治療具に関する実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
(株)クラレ製のポリビニルアルコール(PVA)(平均重合度4100、ケン化度99.85モル%)をPVA濃度10重量%になるように水を加え全量を200mlにし、これにNa2813・4H2 Oで表される8ホウ酸ナトリウム塩10%水溶液30gを攪拌しながら添加し、110℃、2時間処理してPVAを溶解しながら、さらにモナズ石の鉱石微粉末A(平均粒径0.8μm)を溶かした水溶液200mlを少しずつ添加し、鉱石微粉末を含むゲル状物を得た。なお、鉱石微粉末の濃度は、PVAに対して5重量%とした。
この鉱石微粉末を含むゲル状物を、プラスチック製シート袋(厚さ8μmのPETとL−LDPEとをラミネートした袋、縦15cmX横28cm)に装入し、内部に空気が実質的に残らないようにした後、開口部を熱融着して、密封し、本発明の肉厚シート型治療具を作製した。鉱石微粉末を含むゲル状物は、袋全体にほぼ均一に分散していることが確認できた。ゲル状物を収容するとシート袋は、厚さが平均2cmになった。また、鉱石微粉末は、シート底面積1cm当たり、23mgの収容量に相当するものとなった。
治療具の上に、ECO−HOLISTIC INC製の計測器「イオンテスター」を置き、マイナスイオンを測定すると、検出表示が安定する20秒後に600個/cmのマイナスイオンが検出された。
このシート袋に薄いタオルを巻いて枕として用いた。心地よい冷気が頭に沁み込み1時間後には、肩から背中にかけて軽くなり、5時間後には肩こりがほぼ解消した。
(比較例1)
実施例1において、モナズ石の鉱石微粉末A(平均粒径0.3μm)に替えて、トルマリン鉱石(平均粒径3mm)の粒子を用いた以外は実施例1と同様な実験を行なった。
作られた治療具の上に、ECO−HOLISTIC INC製の計測器「イオンテスター」を置き、マイナスイオンを測定すると、検出表示が安定する20秒後に10個/cmのマイナスイオンが検出された。
この治療具を実施例1と同様に枕として用いたが、6時間たっても背中の症状は軽くならず、肩こりも解消しなかった。
(実施例2)
ポリビニルアルコール(PVA)と8ホウ酸ナトリウム塩の水溶液に、モナズ石の鉱石微粉末B(平均粒径1.2μm)を溶かした水溶液100mlを少しずつ添加した以外は、上記実施例1と同様にして鉱石微粉末を含むゲル状物を得た。なお、鉱石微粉末の濃度は、PVAに対して5重量%とした。
この鉱石微粉末を含むゲル状物を、プラスチック製シート袋(厚さ8μmのPETとL−LDPEとをラミネートした袋、縦10cmX横20cm)に装入し、内部に空気が実質的に残らないようにした後、開口部を熱融着して、密封し、本発明の肉厚シート型治療具を作製した。鉱石微粉末を含むゲル状物は、袋全体にほぼ均一に分散していることが確認できた。ゲル状物を収容するとシート袋は、厚さ1cmになった。また、鉱石微粉末は、シート底面積1cm当たり、50mgの収容量に相当するものとなった。
治療具の上に、ECO−HOLISTIC INC製の計測器「イオンテスター」を置き、マイナスイオンを測定すると、検出表示が安定する20秒後に540個/cmのマイナスイオンが検出された。
この治療具をスポーツ後のアイシング材として、鉄棒で痛みが生じた右腕に巻いた。当初は両腕とも筋肉痛であったが、治療具を巻いた右腕だけは3時間後に、ほとんど痛みが解消していた。その後、左腕に治療具を巻きかえたところ、左腕も2時間後に、ほとんど痛みが解消した。
(比較例2)
実施例2において、モナズ石の鉱石微粉末B(平均粒径1.2μm)に替えて、トルマリン鉱石(平均粒径3mm)の粒子を用いた以外は実施例2と同様な実験を行なった。
作られた治療具の上に、ECO−HOLISTIC INC製の計測器「イオンテスター」を置き、マイナスイオンを測定すると、検出表示が安定する20秒後に10個/cmのマイナスイオンが検出された。
この治療具を実施例2と同様にスポーツ後のアイシング材として、鉄棒で痛みが生じた右腕に巻いた。当初は両腕とも筋肉痛であったが、治療具を巻いた右腕は8時間後に、やっと痛みが解消した。その後、左腕に治療具を巻きかえたところ、5時間後に左腕も痛みが解消した。
(実施例3)
ポリアクリル酸ナトリウム(ナカライテスク(株)製)5%水溶液にアルミン酸ナトリウムをX値が0.3となるように溶解した後、無水コハク酸の濃度が0.5%になるように無水コハク酸/グリセリンの30%懸濁液を添加し、さらにモナズ石の鉱石微粉末A(平均粒径0.8μm)水溶液を少しずつ添加しながら約30分間、80℃にて加熱攪拌を続け、攪拌後静置し、鉱石微粉末を含むゲル状物を得た。なお、鉱石微粉末の濃度は、ポリアクリル酸ナトリウムに対して1重量%とした。
この鉱石微粉末を含むゲル状物を、縦15cmX横25cmX厚さ1cmの厚板状に成形しながら室温まで冷却した。この鉱石微粉末を含むゲル状物をポリエチレンラミネート製袋内に密封してシート型保暖具とした。ゲル状物を収容するとシート袋は、鉱石微粉末がシート底面積1cm当たり、5.3mgの収容量に相当するものとなった。
シート袋の上に、ECO−HOLISTIC INC製の計測器「イオンテスター」を置き、マイナスイオンを測定すると、検出表示が安定する20秒後に490個/cmのマイナスイオンが検出された。
この肉厚シート型保暖具を電子レンジにて42℃に暖め、日中立ち通しで疲れがたまった足(脹脛)をのせた。安眠でき、翌朝には筋肉痛がほぼ完全に治癒していた。
(比較例3)
実施例3において、モナズ石の鉱石微粉末Aを使用しなかった以外は、実施例3と同様にして比較用のシート型保暖具を得た。
このシート型保暖具を電子レンジにて42℃に暖め、日中立ち通しで疲れがたまった足(脹脛)をのせた。安眠できたものの、翌朝は脹脛の一部に筋肉痛があり、疲れはとれていなかった。
(実施例4)
グアーガム5重量部、ローカストビーンガム5重量部にプロピレングリコール14重量部を添加して湿潤させ、水800重量部中に塩化ナトリウム100重量部を含有する塩化ナトリウム水溶液200mlに添加混合し、さらにモナズ石の鉱石微粉末A(平均粒径0.8μm)の水溶液を少しずつ添加しながら約30分間、80℃にて加熱攪拌を続け、ガム質のコロイド状分散体を調製した。一方、コーンスターチ4重量部を水50重量部に分散した後、約90℃に加熱してα−化デンプンの分散体を調製した。なお、鉱石微粉末の濃度は、ゲル化基材ポリマーに対して4重量%とした。
このようにして調製したα−化デンプンの分散体を上記ガム質のコロイド状分散体に添加し、均質な状態になるまで攪拌混合し、しかる後、ホウ砂0.3重量部、ホウ酸1重量部を水20重量部に溶解した水溶液を添加し、約90℃に加熱攪拌混合して、鉱石微粉末を含むゲル状物を得た。
この鉱石微粉末を含むゲル状物を縦15cmX横25cmX厚さ1cmの厚板状に成形しながら室温まで冷却した。この鉱石微粉末を含むゲル状物をポリエチレンラミネート製袋内に密封して肉厚シート型保冷具とした。ゲル状物を収容するとシート袋は、鉱石微粉末がシート底面積1cm当たり、21.2mgの収容量に相当するものとなった。
このシート型保冷具を−18℃の冷凍庫内で凍結させたが柔軟性を保持しており、レオメーター(YAMADEN製REHEONER RE−33005型、先端部(ロードセル)形状:直径16mm円筒状)を使用して、加重速度1mm/秒でシート型保冷具の厚さ方向へ加重させ、加重深さ20mmの時点で要した加重を測定したところ2.2kgであった。又、このシート型保冷具の蓄熱容量は57.2cal/g、融点は−12.8℃であり、蓄冷材として十分な容量と温度であり、15サイクルの凍結解凍試験後も全く離水はみられなかった。
シート袋の上に、ECO−HOLISTIC INC製の計測器「イオンテスター」を置き、マイナスイオンを測定すると、検出表示が安定する20秒後に620個/cmのマイナスイオンが検出された。
このシート型保冷具を−10.5℃に冷却し、桃を包み温度5℃の状態で7日間放置したが、桃の鮮度は維持された。
(比較例4)
実施例4において、モナズ石の鉱石微粉末Aを使用しなかった以外は、実施例4と同様にしてシート型保冷具を得た。
このシート型保冷具を−10.5℃に冷却し、桃を包み温度5℃の状態で7日間放置したが、桃の鮮度は維持されず、部分的に腐敗が進行していた。
本発明の肉厚シート型治療具の平面図である。 図1に示した肉厚シート型治療具の縦断面図である。
符号の説明
1 肉厚シート型治療具
2 シート袋
3 鉱石微粉末を含むゲル状物
4 開口部

Claims (2)

  1. マイナスイオンを発生するゲル状物がプラスチック製のシート袋に収容された肉厚シート型治療具であって、
    ゲル状物は、常温静止状態においてもマイナスイオンを発生する平均粒径0.5〜10μmの鉱石微粉末を、吸水性または親水性ポリマー中に均一に分散していることを特徴とする肉厚シート型治療具。
  2. 鉱石微粉末が、吸水性または親水性ポリマーポリマーに対して0.1〜10重量%配合されていることを特徴とする請求項1に記載の肉厚シート型治療具。
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JP2017052953A (ja) * 2016-09-21 2017-03-16 トッパン・フォームズ株式会社 保冷具

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