JP3150559U - 冷あん法用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】使い心地が良く、表面が結露し難い冷あん法用具を提供する。【解決手段】冷あん法用具1は、略楕円柱の形状を有し、患者等の使用に適したサイズに成形されたものであって、第1の袋体11と、第1の袋体11の内部に設けられた第2の袋体12と、第2の袋体12の内部に封入された保冷材21と、第1の袋体11と第2の袋体12との間に設けられた中空部31とを備えたことにより、各冷却部位に即した使いやすい形状となっただけでなく、その表面の結露を防止することができる。【選択図】図1

Description

本考案は、使い心地が良く、表面の結露を防止することが可能な冷あん法用具に関する。
冷あん法は、身体の主要な動脈、例えば頸動脈、腋窩動脈、鼡径動脈等を経皮的に冷却する解熱方法の1つであり、古くから発熱した患者や患畜等に対して施されていた。かかる冷あん法においては、冷却用具として、氷枕、氷のう、氷けい等や、プラスチック製容器等に保冷用ゲル等を入れて凍らせたもの(例えば、特許文献1参照)等が使用されていた。
特開2000−185086号公報
しかしながら、上記の従来品は、後頭部に敷下し易いように偏平な枕型の形状であったり、吊るして前頭部の上に留置し易いように変形自在な袋型の形状であったりするので、頸部や腋窩部あるいは鼡径部等を冷やすのに適しておらず、使い心地が悪いという問題があった。また、これらの従来品は、わずかな時間で表面に発生する結露によって保護布や患者等の衣服等を濡らしてしまい、患者等に不快感を与えてしまうという問題があった。
本考案は上記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、使い心地が良く、表面が結露し難い冷あん法用具を提供することにある。
本考案の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)すなわち、本考案は、弾性を有する袋体の内部に保冷材が封入されてなり、略楕円柱の形状を有することを特徴とする、冷あん法用具である。
(2)本考案はまた、前記袋体は、中空構造である、(1)に記載の冷あん法用具である。
(3)本考案はまた、前記袋体の厚さが、0.1〜1.0mmである、(1)または(2)に記載の冷あん法用具である。
(4)本考案はまた、全長が11〜21cmである、(1)〜(3)の何れか1項に記載の冷あん法用具である。
(5)本考案はまた、前記保冷材が165〜315g封入されてなる、請求項(1)〜(4)の何れか1項に記載の冷あん法用具である。
(6)本考案はまた、前記袋体のヤング率が、1.0×10〜1.0×10Paである、(1)〜(5)の何れか1項に記載の冷あん法用具である。
(7)本考案はまた、前記袋体は、天然ゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムもしくはポリイソブチレンまたはこれらの混合物からなることを特徴とする、(1)〜(6)の何れか1項に記載の冷あん法用具である。
(8)本考案はまた、空気、酸素ガスもしくは窒素ガスまたはこれらの混合ガスが前記袋体の中空部に封入されてなる、(2)〜(7)の何れか1項に記載の冷あん法用具である。
(9)本考案はまた、前記保冷材のヤング率は、9.0×10〜3.0×10Paである、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の冷あん法用具である。
(10)本考案はまた、前記保冷材は、ゲル状物質である、(1)〜(9)のいずれか1項に記載の冷あん法用具である。
(11)本考案はまた、前記ゲル状物質は、水溶性高分子化合物と架橋剤とを反応させて得られることを特徴とする、(10)に記載の冷あん法用具である。
(12)本考案はまた、前記水溶性高分子化合物は、ポリビニルアルコール、ポリビニル(メタ)アクリレート、アルギン酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸およびマレイン酸の共重合物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物ナトリウム塩架橋物、ゼラチン、カラギーナン、マンナン、寒天、ペプチン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリ(メタ)アクリルアミド系樹脂、ポリエチレングリコール系ポリマーまたはビニルアルコールおよび(メタ)アクリル酸の共重合物である、(11)に記載の冷あん法用具である。
(13)本考案はまた、前記架橋剤は、ホウ素系化合物、銅系化合物、アルミニウム系化合物、カルシウム系化合物、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、スズ系化合物、バナジウム系化合物、クロム系化合物、糖類またはタンパク質である、(11)または(12)に記載の冷あん法用具である。
(14)本考案はまた、頸動脈、腋窩動脈または鼡径動脈を経皮的に冷却することを特徴とする、(1)〜(13)の何れか1項に記載の冷あん法用具である。
本考案の冷あん法用具によれば、弾性を有する袋体の内部に保冷材が封入されてなり、略楕円柱の形状を有しているので、患者等の鼡径部や頚部に当てたり腋窩部に挟んで使用するのに適しており、使い心地が良く、長時間使用しても患者等に疲労感を与えることのない冷あん法用具を提供することができる。また、本考案によれば、この全長を11〜21cmとすることで、所望の部位のみを適切に冷やすことができ、それ以外の皮膚への侵襲を最小限に抑えることができる。さらに、本考案によれば、前記保冷材を165〜315g封入し、前記袋体の素材としてそのヤング率が1.0×10〜1.0×10Paのものを利用することで、この保冷材の自重および袋体のゴム弾性によって、患者等の鼡径部や頚部に当てたり腋窩部に挟んで使用するのに適した、上記した通りの形状および全長を保持することができる。
また、本考案によれば、前記袋体は中空構造を有しているので、袋体の表面温度が下がりにくくなり、冷あん法用具表面の結露を防止することができる。また、冷あん法用具の使用時における結露を防止することで、冷あん法用具を包んだタオル等の保護布あるいは患者等の寝具や衣服等を濡らすことがなくなり、患者等が受ける不快感を軽減することができる。さらに、本考案によれば、この袋体の厚さを0.1〜1.0mmにすること、または前記袋体の中空部に空気、酸素ガス、窒素ガス等やこれらの混合ガスを封入することで、さらに結露防止機能を向上させることができる。
本考案の実施形態にかかる冷あん法用具1の全体構成を示す概略図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はそのA−A断面図である。 冷あん法用具1の製造手順を示す概略図であり、(a)は袋体13の全体構成を示す概略正面図であり、(b)は袋体13の内部に保冷材21を入れた状態を模式的に示した図であり、(c)は保冷材21を入れた袋体の中央部41を留め具51で閉塞し、保冷具23を封入した状態を模式的に示した図であり、(d)は袋体13を留め具51で折り返し、折り返した袋体13で保冷材21を封入した部分を包んだ状態を模式的に示した図であり、(e)は袋体13の開口部42を留め具52で閉塞して製造した冷あん法用具1の全体構成を示す概略正面図である。 発熱している患者に対して本考案を用いて経過時間毎に患者の体温をそれぞれ測定した結果を示した図である。 本考案および従来品を用いた後にその使用感およびそれぞれを包んだタオルの濡れ具合について官能評価を行った結果を示した図である。
以下、本考案の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本考案の実施形態にかかる冷あん法用具1の全体構成を示す概略図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はそのA−A断面図である。
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態にかかる冷あん法用具1は、略楕円柱の形状を有するものである。かかる形状は、発熱した患者や患畜等の鼡径部や頚部に当てたり腋窩部に挟んで使用するのに適しており、冷あん法用具1をかかる形状とすることにより、使い心地を劇的に改善し長時間の使用を可能にならしめるものである。
冷あん法用具1は、その全長が11〜21cm、好ましくは13〜19cm、特に好ましくは15〜17cmのものである。前記下限値を下回った場合には、腋窩部等に挟んで使用するには小さすぎるため、処置を施す部位に余計な圧力がかかって不要な刺激を与えたり、圧力がかかることで血流が悪くなったり、冷あん法用具1がずり落ちたりするので好ましくない。前記上限値を上回った場合には、腋窩部等に挟んで使用するには大きすぎるため、処置を施す必要がない部位まで冷やしてしまい低温状態が持続することになり、この刺激が患者等に不快感を与えてしまうので好ましくない。
また、冷あん法用具1は、保冷材21を充填した第2の袋体12を内部に備えた第1の袋体11有し、第1の袋体11と第2の袋体12との間に中空部31を備えてなる。かかる中空部31を設けたことにより、冷あん法用具1の表面温度が下がりにくくなり、その表面の結露を防止することができる。また、冷あん法用具1の使用時における結露を防止することで、冷あん法用具1を包んだタオル等の保護布あるいは患者等の寝具や衣服等を濡らすことがなくなり、患者等が受ける不快感を軽減することができる。また、本考案においては、例えば空気、酸素ガス、窒素ガス等やこれらの混合ガス等を中空部31封入することで、冷あん法用具1の表面温度がさらに下がりにくくなり、冷あん法用具1の表面の結露を防止することができる。
ただし、本考案においては、冷あん法用具1の中空部31に上記ガスを封入した構成に限定される訳ではなく、例えば中空構造を有さない構成や、中空部31に上記ガスを封入しない構成、あるいは上述した所定の厚さの袋体を1つだけ有した構成であってもよい。
また、冷あん法用具1は、第1の袋体11、中空部31および第2の袋体12を合わせた厚さが0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.8mm、特に好ましくは0.3〜0.6mmのものである。前記下限値を下回った場合には、冷あん法用具1の表面温度が下がりにくくなり、その結露を防止することができなくなるので好ましくない。前記上限値を上回った場合には、熱の移動が妨げられたり、冷あん法用具1としての所望の形状を維持できなくなる可能性があるので好ましくない。
第1の袋体11および第2の袋体12は、弾性を有する素材からなり、そのヤング率が1.0×10〜1.0×10Paのものである。このような第1の袋体11の素材として、前記の特性を有するだけでなく、患者等に悪影響を及ぼすことがなければ特に限定されず、例えば天然ゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリイソブチレン等やこれらの混合物等の素材に、所定の添加物、例えばデンプン、セルロース等の多糖類、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリン、水溶性ポリアミド、水溶性ポリエステル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン等の水溶性樹脂や、着色剤、染料、顔料、蛍光増白剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、熱安定化剤、界面活性剤、乾燥剤、消臭剤、抗菌剤等を、前記の素材の基本特性を損なわない範囲で含有させたものが用いられてもよい。
保冷材21は、165〜315g、好ましくは195〜285g、特に好ましくは225〜255g封入されている。前記封入量範囲を逸脱した場合には、上記した通りの形状および大きさを維持できなくなるので好ましくない。また、保冷材21は、冷凍冷蔵庫等を用いて冷却しても凍結して固まらず、柔らかさと弾力性を保持し、患部等の皮膚等への密着性を良くし、また、保冷する低温温度を長時間持続することができるゲル状物質であって、そのヤング率が9.0×10〜3.0×10Paのものである。このような保冷材21としては、前記の特性を有するだけでなく、患者等に悪影響を及ぼすことがなければ特に限定されず、例えば少なくとも水溶性高分子化合物および架橋剤を含有する組成物等が挙げられる。水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニル(メタ)アクリレート、アルギン酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸およびマレイン酸の共重合物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物ナトリウム塩架橋物、ゼラチン、カラギーナン、マンナン、寒天、ペプチン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリ(メタ)アクリルアミド系樹脂、ポリエチレングリコール系ポリマー、ビニルアルコールおよび(メタ)アクリル酸の共重合物等が、架橋剤としては、ホウ砂、ホウ酸等のホウ素系化合物、酸化銅等の銅系化合物、水酸化カルシウム等のカルシウム系化合物、アルミニウム系化合物、テトラメチルチタネート等のチタンオルソエステル類、チタンエチルアセトアセトナート等のチタンキレート類、ポリヒドロキシチタンステアレート等のチタンアシレート類等のチタン系化合物、塩基性塩化ジルコニル、硝酸ジルコニル、酢酸ジルコニウムアンモニウム等のジルコニウム系化合物、スズ系化合物、バナジウム系化合物、クロム系化合物、砂糖等の糖類、カゼイン等のタンパク質等が挙げられる。なお、上記の組成物は、種々の添加物が含まれていてもよい。そのような添加物としては、保冷材21の基本特性を損なわせるものでなければ特に限定されず、例えば着色剤、染料、顔料、蛍光増白剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、熱安定化剤、界面活性剤、乾燥剤、消臭剤、抗菌剤等が挙げられる。
本考案においては、上記した素材の第1の袋体11および第2の袋体12を用い、上記した封入量の保冷材21を封入することにより、第1の袋体11および第2の袋体12のゴム弾性および保冷材21の自重で患者等の鼡径部や頚部に当てたり腋窩部に挟んで使用するのに適した、上記した通りの形状および全長を保持することができる。
次に、本実施形態にかかる冷あん法用具1の製造方法について説明する。
まず、所定の原材料をそれぞれ用意し、所定量を計測して容器に入れて所定時間撹拌して保冷材21を得る。撹拌作業は、撹拌棒等を用いて攪拌してもよいし、撹拌装置が用いられてもよい。また、原材料に合わせて加温装置や乾燥装置等が用いられてもよい。このような撹拌装置としては、例えばニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等が挙げられる。
次に、所定の形状および大きさの第1の袋体11および第2の袋体12を用意し、第1の袋体11の中に第2の袋体12を入れて2重にし、その中に所定量の得られた保冷材21を入れて内部の空気を抜きながら第1の袋体11および第2の袋体12の開口部(図示せず)を封止して本考案の冷あん法用具1を得る。
ただし、かかる冷あん法用具1は、上記の製造方法に限定される訳ではなく、例えば保冷材21を充填して開口部(図示せず)を封止した第2の袋体12を第1の袋体11の内部に入れ、第1の袋体11の開口部(図示せず)を封止して製造されてもよい。
また、冷あん法用具1は、上記の製造方法のように2つの袋体を用いずに、所望の冷あん法用具1の全長の2倍以上の袋体13を用いて製造されてもよい。具体的には、図2(a)〜(e)に示すように、まず、冷あん法用具1の保冷材21と同様にして、保冷材21を得て、所定の形状および大きさの袋体13の中に、所定量の得られた保冷材21を入れて内部の空気を抜きながら袋体13の中央部41を留め具51で閉塞する。次いで、袋体13を留め具51で折り返し、折り返した袋体13で保冷材21を封入した部分を包んで開口部42を留め具52で閉塞して本考案の冷あん法用具1を得る。
上記のとおりにして得られた冷あん法用具1は、発熱した患者等の頸動脈、腋窩動脈、鼡径動脈等の動脈上の皮膚にそれぞれ当て、これらの動脈等を経皮的に冷却して解熱を図る際に用いられる。
なお、本発明の冷あん法用具は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
(1)充填材の調製
30〜40℃のお湯20mlが入った容器にホウ砂1gを入れ、ホウ砂が完全に溶解するまで撹拌し、ホウ砂溶液を得た。次いで、得られた溶液をポリビニルアルコール70mlが入った容器に入れ、内容物が固まるまで割り箸を用いて撹拌し、固体コロイド75gを得た。
(2)冷あん法用具の製造
得られた固体コロイド240gを宇都宮製作株式会社製のライト咽頭氷嚢に詰めて、空気が入らないように手で押して厚さ3cmの平らな形を作り、氷嚢の閉口部から16cmのところを輪ゴム3本を用いて閉塞した。次いで、氷嚢の残りの部分を裏返して固体コロイドが充填された部分を包み、氷嚢の開口部を輪ゴム3本で閉塞し、本考案の冷あん法用具を得た。
(3)本考案の形状等の変化
得られた冷あん法用具を、内部温度−25℃の冷凍庫に3時間入れて凍らせた後に、室温22℃、湿度65℃の室内に戻し、その形状の変化を観察した。
冷凍庫から出してすぐの冷あん法用具の形状は、凍らせる前とほぼ同一の形状であった。また、触感は硬く、弾力性は失われていた。なお、この時の表面温度は−10℃であった。
2時間経過後、冷あん法用具の触感は柔らかく、変形が可能となっていた。なお、この時の表面温度は5℃であった。
(4)本考案を患者に用いた場合の体温の変化
得られた冷あん法用具をタオルに包み、発熱している患者A〜Fの頚部、腋窩部および鼡径部にそれぞれ当て、経過時間毎に患者の体温をそれぞれ測定し、その結果を図3に示した。
図3に示すように、冷あん法用具を3〜4時間使用することにより、患者A〜Fの体温を平熱(36.6℃)以下に解熱することができた。
(5)本考案を患者に用いた場合の官能評価
本考案および従来品を用いた後にその使用感およびそれぞれを包んだタオルの濡れ具合について官能評価を行った結果を図4に示した。使用感については、「良い」、「どちらともいえない」、「悪い」の何れかで評価し、また、3〜4時間使用した後のタオルの濡れ具合については、「あまり濡れない」、「少し濡れた」、「かなり濡れた」の何れかで評価した。なお、この実験においては、使用済みの生理食塩水の点滴用ボトルに水道水を入れ、内部温度−25℃の冷凍庫に4時間15分入れて凍らせたものを従来品として用いた。
図4に示すように、従来品の使用感については否定的な評価が多く、中には使用中または使用後に発赤や圧痕等のトラブルが起こった患者もいた。また、全ての患者の使用したタオルが濡れてしまったことから、従来品の表面には結露が生じたと考えられる。一方、本考案の使用感については肯定的な評価が多く、使用中または使用後に上記したような皮膚トラブルが起こることはなかった。また、全ての患者の使用したタオルが殆ど濡れなかったことから、本考案の冷あん法用具は結露を防止する効果があると考えられる。
上述したように、本考案の冷あん法用具は、略楕円柱の形状を有し、患者等の使用に適したサイズに成形されたものであって、弾性を有する中空構造の袋体の内部に所定量の保冷材を封入したことにより、各冷却部位に即した使いやすい形状となっただけでなく、その表面が結露し難くなっているので、発熱した患者や患畜等の解熱を図る際に用いた場合極めて有用である。
1・・・冷あん法用具
11・・・第1の袋体
12・・・第2の袋体
13・・・袋体
21・・・保冷材
31・・・中空部
41・・・中央部
42・・・開口部
51,52・・・留め具

Claims (14)

  1. 弾性を有する袋体の内部に保冷材が封入されてなり、略楕円柱の形状を有することを特徴とする、冷あん法用具。
  2. 前記袋体は、中空構造である、請求項1に記載の冷あん法用具。
  3. 前記袋体の厚さが、0.1〜1.0mmである、請求項1または2に記載の冷あん法用具。
  4. 全長が11〜21cmである、請求項1〜3の何れか1項に記載の冷あん法用具。
  5. 前記保冷材が165〜315g封入されてなる、請求項1〜4の何れか1項に記載の冷あん法用具。
  6. 前記袋体のヤング率が、1.0×10〜1.0×10Paである、請求項1〜5の何れか1項に記載の冷あん法用具。
  7. 前記袋体は、天然ゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムもしくはポリイソブチレンまたはこれらの混合物からなることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の冷あん法用具。
  8. 空気、酸素ガスもしくは窒素ガスまたはこれらの混合ガスが前記袋体の中空部に封入されてなる、請求項2〜7の何れか1項に記載の冷あん法用具。
  9. 前記保冷材のヤング率は、9.0×10〜3.0×10Paである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の冷あん法用具。
  10. 前記保冷材は、ゲル状物質である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の冷あん法用具。
  11. 前記ゲル状物質は、水溶性高分子化合物と架橋剤とを反応させて得られることを特徴とする、請求項10に記載の冷あん法用具。
  12. 前記水溶性高分子化合物は、ポリビニルアルコール、ポリビニル(メタ)アクリレート、アルギン酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸およびマレイン酸の共重合物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物ナトリウム塩架橋物、ゼラチン、カラギーナン、マンナン、寒天、ペプチン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリ(メタ)アクリルアミド系樹脂、ポリエチレングリコール系ポリマーまたはビニルアルコールおよび(メタ)アクリル酸の共重合物である、請求項11に記載の冷あん法用具。
  13. 前記架橋剤は、ホウ素系化合物、銅系化合物、アルミニウム系化合物、カルシウム系化合物、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、スズ系化合物、バナジウム系化合物、クロム系化合物、糖類またはタンパク質である、請求項11または12に記載の冷あん法用具。
  14. 頸動脈、腋窩動脈または鼡径動脈を経皮的に冷却することを特徴とする、請求項1〜13の何れか1項に記載の冷あん法用具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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