JP3028746U

JP3028746U - 保冷または保温機能を備えた着装具

Info

Publication number: JP3028746U
Application number: JP1996002358U
Authority: JP
Inventors: 富久白石; 完治加藤
Original assignee: Sams Inc
Current assignee: Sams Inc
Priority date: 1996-03-05
Filing date: 1996-03-05
Publication date: 1996-09-13
Anticipated expiration: 2002-03-05

Abstract

(57)【要約】【課題】ネクタイ或いはバンダナのような身体に巻き
付けて使用される着装具に主として保冷機能を持たせる
ようにしたものであって、特に、冷たい水を含ませるだ
けで長時間保冷機能を保持できるようにする。【解決手段】首等の身体への巻き付け部分に袋状部
(１)を形成し、この袋状部(１)に高吸水性ポリマー(４)
を充填してなるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、保冷或いは保温機能を備えた着装具であって、特に、ネクタイやバンダナなどといった首或いは頭部などへ巻き付けて使用されるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、身体に付けて使用する保冷若しくは保温具としては、携帯型のカイロが広く用いられている。また、かかるカイロを身体の任意の部位に装着できるような袋型の着装具や衣服も販売されている。

【０００３】更に、実開昭60ー168813号公報には、ネクタイの首巻き部分に、加温若しくは冷却刺激付与素子を備えた物質を封入したものが開示されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記において、カイロは単なる保温機能しかなく、保冷用には使用できない欠点がある。また、上記公報記載のものは、保温と保冷には別のものを使用する必要があるとともに、保冷物質としては単に熱伝導性の低い粘性物質を用いるもので、充分な保冷機能を持たせることができないものである。

【０００５】この考案は、ネクタイ或いはバンダナのような身体に巻き付けて使用される着装具に主として保冷機能を持たせるようにしたものであって、特に、冷たい水を含ませるだけで長時間保冷機能を保持できるようにしたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため、この考案の着装具は、首その他の身体部分に巻いて使用される着装具であって、前記の巻き付け部分に透水性の表面を備えた袋状部を有し、この袋状部分に、高吸水性ポリマーが充填してあることを特徴とするものである。

【０００７】上記において、着装具としては例えば、アスコット型のネクタイ或いは長方形のバンダナなどが考えられ、通常、その巻き部分に袋状部を設けて、高吸水性ポリマーを充填する。また、この袋状部は、複数のセルに分けられ、それらの各セル毎に前記ポリマーを充填する。

【０００８】この考案に用いられる高吸水性ポリマーとしては、水に対する溶出率が５％以下、好ましくは２％以下のものである。また、この考案に用いる高吸水性ポリマーは、膨張倍率が１．５倍以上、好ましくは２〜３倍で実質的にはベタつきのないポリマーである。ここで膨張倍率とは、吸水後のポリマー容量／添加した水の容量で表される。

【０００９】この考案に用いられる高吸水性ポリマーとしては、上記性状を有するものであれば特に限定されないが、吸水能が脱イオン水で５０〜３００倍であることが望ましい。吸水能は、吸水した脱イオン水の容量／ポリマー容量で表される。

【００１０】また、かかる高吸水性ポリマーは球状であり、ポリマー粒子の［長径／短径］比が１．５以下であるのが望ましい。

【００１１】この考案に用いられる高吸水性ポリマーとしては、下記に示す製造方法で得られたポリマーが好適に用いられる。

【００１２】即ち、高分子分散剤を溶解した脂肪族炭化水素溶媒中でアクリル酸とそのアルカリ金属塩水溶液を分散し、逆相懸濁重合させ、更に共沸脱水時、２個以上の官能基を有する架橋剤で架橋せしめてなる高吸水性ポリマーである。

【００１３】上記製造方法のより詳細は省略するが、これに基づいて製造されたものが、大阪有機化学工業株式会社より、「ＰＱポリマー−ＢＬ−１００」の商標で販売されており、これをそのまま前記の方法で消火水中に混入させることで実現できる。

【００１４】なお、上記ＰＱポリマー−ＢＬ−１００の性状は以下の通りである。外観白色粉末平均粒度７０〜１５０μm かさ比重０．９５〜１．００含水率５％以下溶出率２％以下吸水能脱イオン水７０〜２００倍膨張倍率２〜３倍耐熱温度１５０〜２００℃

【００１５】

【考案の実施の形態】

図１は、高吸水性ポリマーを充填できるようにしたアスコット型のネクタイの例であって、その中央の首巻き部を二重にして袋状部(１)を形成し、その袋状部 (１)を、縦横の縫い目(３)(３)によって多数のセル(２)(２)…に分割している。これらのセル(２)(２)…は、首巻き部を横断する方向に向けて２列に配置され、それらのセル(２)(２)…のネクタイ長手方向の両端側が開放してある。また、袋状部(１)の長手方向の両端側に対応して、首巻き部の側縁部に、ポリマー充填用の開口部(５)(５)が設けられている。

【００１６】図２及び図３は、高吸水性ポリマー(４)を充填した製品出来上がり後の状態を示し、首巻き部分をひだ状の折り込み(８)を行うとともに、各セル(２)(２)…の前記の開口部(５)に沿って縫い込むことで、それらの開口部(５)を封止(６)し、同じく側縁部の開口部(５)を縫い込んで、当該ポリマー(４)が漏出しないよう封止(７)している。

【００１７】充填された高吸水性ポリマー(４)は、前述のように吸水すると体積が非常に大きくなるので、大量に充填する必要はなく僅かで足りる。そのため、袋状部(１) が大きく膨らむことがなく、折り畳んでも嵩ばらない大きさである。

【００１８】夏場等に保冷用として使用する際は、冷たい水道水や河川水若しくは湧き水或いは冷却された水に首巻き部を浸すことによって、ポリマーに吸水させ、図４のように、首などに巻き付けて着用するもので、例えば、ゴルフの場合は半ラウンド程度保冷効果を持続させることができる。また、前記ポリマーは、べたつきがなく且つ水分が外部に流出することもないので身体に不快な感じを与えることもない。他方、保温用として使用するには、お湯に浸して使用すればよい。

【００１９】図５は、バンダナ型の長方形状の布に前記と同様の袋状部(１)を形成して、同様に分割されたセル(２)(２)…へ高吸水性ポリマーを充填した例を示し、首或いは頭部などに巻き付けて使用する。

【００２０】

【考案の効果】

以上のように、この考案では、身体への着装具においてその巻き付け部分に、高吸水性ポリマーを充填しているので、その部分を水或いはお湯に浸すことによって、簡単に保冷若しくは保温効果のある着装具として使用できる利点がある。特に、夏場では、比較的冷たい水があればどこでも使用でき、必ずしも出かける前に冷蔵庫などで冷却しておく必要がないので、ゴルフやキャンプ等のアウトドア用品として最適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ポリマーを充填する袋状部を形成したアスコッ
ト型ネクタイの斜視図である。

【図２】同じくポリマー充填後の状態を示す斜視図であ
る。

【図３】図２の要部の横断面図である。

【図４】前記ネクタイを着用した状態の正面図である。

【図５】ポリマーを充填した長方形のバンダナ型の布地
の斜視図である。

【符号の説明】

(１) 袋状部 (２) セル (４) 高吸水性ポリマー

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】首その他の身体部分に巻いて使用される
着装具であって、前記の巻き付け部分に透水性の表面を
備えた袋状部を有し、この袋状部分に、高吸水性ポリマ
ーが充填してあることを特徴とする保冷または保温機能
を備えた着装具。
【請求項２】前記着装具がネクタイ等の首巻き具であ
って、その中央の首巻き部分に前記の袋状部を形成して
あることを特徴とする請求項１記載の保冷または保温機
能を備えた着装具。
【請求項３】着装具が長方形状の布地であって、その
長手方向の中央部分に袋状部を形成してある請求項１記
載の保冷または保温機能を備えた着装具。
【請求項４】袋状部を複数のセルに分割して、それら
のセル毎に高吸水性ポリマーが充填してあることを特徴
とする請求項１から３の何れかに記載の保冷または保温
機能を備えた着装具。