JP2006042007A - 弾性表面波素子および通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高電力の信号が入力されることによる発生した熱の放熱性に優れた弾性表面波素子を提供する。
【解決手段】 圧電基板1上に、IDT電極2と、IDT電極2の弾性表面波の伝搬方向の両側に配された反射器9と、IDT電極2および反射器9を取り囲み反射器9に接続された環状導体17とを形成した弾性表面波素子である。高電力の信号が入力されて発熱するIDT電極2からの放熱経路が、圧電基板1と圧電基板1を実装する配線基板とを接続する導体部に加えて反射器9を介して環状導体17に確保できるため放熱性に優れたものとなり、その結果、耐電力性に優れ、信頼性の高いものとなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば携帯電話等の移動体通信機器を始めとする通信装置に用いられる弾性表面波素子およびそれを用いた通信装置に関するものであり、特に高電力の信号が入力されることにより発生する熱の放熱性が良好な弾性表面波素子およびそれを用いた通信装置に関するものである。
近年、移動体通信機器の携帯端末装置等の通信装置においてデュプレクサとして、弾性表面波素子を用いた弾性表面波装置が用いられている。
このような弾性表面波装置では、使用周波数帯の上昇傾向に伴って使用する信号電力も大きくなっている。例えば、携帯端末装置の段間フィルタ用に用いる場合には信号電力は10mWレベルであったが、携帯端末装置のデュプレクサ等に用いる場合には1〜3Wレベルとなっている。このため、耐電力性の優れた弾性表面波装置が望まれている。
図5に従来の弾性表面波装置の一例を平面図で示す。図5において、1は圧電基板,2は圧電基板1上に形成された弾性表面波共振子を構成する櫛歯状のIDT(Inter Digital Transducer)電極,3は圧電基板1上に形成された入出力用パッド電極,4は圧電基板1上に形成された接地用パッド電極,9はIDT電極2の弾性表面波の伝搬方向の両側に配置された反射器,8は弾性表面波共振子が形成された圧電基板1(弾性表面波素子)を実装するパッケージ,6はパッケージ8の入出力用導体パターン,7はパッケージ8の接地用導体パターン,5は入出力用パッド電極3と入出力用導体パターン6との間および接地用パッド電極4と接地用導体パターン7との間をつなぐボンディングワイヤである。
このように、従来の弾性表面波装置においては、パッケージ8の中に弾性表面波素子をフェースアップで実装した構成が主に採用されていた(例えば、特許文献1を参照。)。
このような弾性表面波装置によれば、入出力用パッド電極3に入力された信号に応じて櫛歯状のIDT電極2により圧電基板1の表面に生じる弾性振動を利用して弾性表面波装置として機能するものとなる。ここで、IDT電極2の弾性表面波の伝搬方向の両側に電気的に独立した反射器9を設けることより、反射器9方向に伝搬された弾性表面波を反射して定在波とすることができるため、発生した弾性表面波を効率良く利用できるものとなる。
また、このような弾性表面波装置において、携帯端末装置で使用される周波数帯の高周波化に伴い、弾性表面波共振子を構成するIDT電極2の電極指間の線幅は使用する周波数に反比例して狭くなっている。
特開2001―127589号公報
以上のような弾性表面波装置は、動作時にIDT電極2において振動の損失分が熱に変換されたり、電極配線抵抗によるジュール熱が発生したりすることにより、信号電力が大きくなるにつれてIDT電極2およびその近傍の温度が上昇してしまう。IDT電極2は通常アルミニウム合金で形成される場合が多く、アルミニウム合金からなるIDT電極2は高温になるとアルミニウムがマイグレーションを起こすことから、IDT電極2の電極指間の線幅が狭い弾性表面波装置においてはIDT電極2が断線したり短絡したり、場合によっては酸化したりすることにより弾性表面波装置が故障するという問題点があった。さらに、IDT電極2が高温になると弾性表面波装置としての周波数特性が温度特性を持っているために大きく変化するという問題点もあった。
一方、市場の要求による移動体通信装置の小型化に伴い、移動体通信装置に使用される弾性表面波装置には更なる小型化が求められている。従来の弾性表面波装置では、弾性表面波共振子が配置された圧電基板1をパッケージ8の中にフェースアップで実装し、ワイヤボンディング技術により圧電基板1上のパッド電極(3,4)とパッケージ8上の電極パターン(6,7)とを接続した後、キャップ等で気密封止して表面弾性波装置を形成することが通常であった。しかし、近年ではより一層の小型化を図るために、弾性表面波共振子が配置された圧電基板を配線基板上に導体バンプを用いて実装する、いわゆるフリップチップ実装を用いたCSP(Chip Scale Package)型の弾性表面波装置の開発も積極的に行なわれている。
このように弾性表面波装置についてはCSP型の実装を行なうことにより小型化を図っているが、その一方で、高電力の信号が入力される通信装置の部品として用いられる場合には、弾性表面波装置において圧電基板と配線基板とが導体バンプで接続されているだけであり、かつ圧電基板と配線基板とは圧電基板の弾性表面波共振子が形成された面を内側にするように配置されているため、弾性表面波素子をパッケージ8にフェースアップで実装した構成の従来の弾性表面波装置と比較して、高電力の信号が入力されることにより発生した熱の放熱性が悪いという問題点がある。そのために、弾性表面波装置において動作時にIDT電極およびその近傍の温度がさらに上昇してしまうことより、さらに故障しやすくなるという問題点があった。
本発明は以上のような問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、小型化が可能で、かつ放熱性に優れ、その結果、信頼性が良好な弾性表面波素子を提供することにある。
本発明の弾性表面波素子は、圧電基板上に、IDT電極と、このIDT電極の弾性表面波の伝搬方向の両側に配された反射器と、前記IDT電極および前記反射器を取り囲み前記反射器に接続された環状導体とを形成したことを特徴とするものである。
また、本発明の弾性表面波素子は、上記構成において、前記環状導体は接地電極であることを特徴とするものである。
また、本発明の通信装置は、上記構成の本発明の弾性表面波素子を有する、受信回路および送信回路の少なくとも一方を備えたことを特徴とするものである。
本発明の弾性表面波素子によれば、圧電基板上に、IDT電極と、このIDT電極の弾性表面波の伝搬方向の両側に配された反射器と、IDT電極および反射器を取り囲み反射器に接続された環状導体とを形成したことから、高電力の信号が入力されて発熱するIDT電極からの放熱経路が、圧電基板と実装される配線基板とを接続する導体バンプやワイヤボンディング部等の接続部(以下、接続部という)のみではなく、IDT電極の弾性表面波の伝搬方向の両側に配置された反射器を介して環状導体にも確保できるため、従来のように実装するための接続部のみから放熱するものに比べ弾性表面波素子の温度を効率的に下げることができる。このため、IDT電極のマイグレーションに起因する不具合の発生を抑制することができて弾性表面波素子の耐電力性が優れたものとなるとともに、IDT電極が高温になることを防ぐことができるので、弾性表面波素子としての周波数特性が温度変化によって大きく変化することもない。すなわち、本発明の弾性表面波素子によれば、放熱性に優れていることから、耐電力性に優れ、周波数特性の安定したものとなるので、信頼性の高いものとなる。
特に、本発明の弾性表面波素子を実装したCSP型の弾性表面波装置の場合においては、環状導体部において弾性表面波素子とこれを実装する配線基板とでIDT電極および反射器を気密封止することができるため、従来は弾性表面波素子と配線基板とを気密封止するために必要だったパッケージが不要となり、大幅に小型化が可能となるとともに、高電力の信号が入力されて発熱するIDT電極からの放熱経路が、IDT電極の弾性表面波の伝搬方向の両側に配置された反射器と環状導体とを介して配線基板にも大面積で確保できるため、弾性表面波装置の温度を効率的に下げることができ、その結果、弾性表面波装置の耐電力性が優れたものとなるので、小型でかつ信頼性の高いものとなる。
また、本発明の弾性表面波素子によれば、上記構成において、環状導体は接地電極であるときには、反射器が接地電極に接続されるので、弾性表面波の反射効率の高いものとなり、弾性表面波素子をフィルタとして用いた場合には、通過帯域外減衰量を向上させることができる。
また、本発明の通信装置によれば、上記構成の本発明の弾性表面波素子を有する、受信回路および送信回路の少なくとも一方を備えたことから、小型でかつ信頼性の高い弾性表面波素子を用いることより、小型で、かつ高電力の信号を用いた場合においても所望のフィルタ特性を信頼性高く得ることのできるものとなる。
以下、本発明の弾性表面波素子および通信装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する図面において同様の箇所には同じ符号を付すものとする。
図1は本発明の弾性表面波素子の実施の形態の一例を示す平面図である。図1において、1は圧電基板,2はIDT電極,3は信号の入出力用パッド電極,4は接地用パッド電極,9は反射器,10は引出し電極,16は接続線,17は環状導体である。
図1に示すように、弾性表面波素子は、圧電性の単結晶からなる圧電基板1の一主面に、弾性表面波を発生させるための励振電極である複数のIDT電極2と、個々のIDT電極2の弾性表面波の伝搬方向の両側に配された反射器9と、複数のIDT電極2同士を直並列に接続する複数の引出し電極10と、引出し電極10の端部に形成された入出力用パッド電極3および接地用パッド電極4と、IDT電極2および反射器9を取り囲み、接続線16により反射器9と接続された環状導体17とを形成し、入出力用パッド電極3,接地用パッド電極4および環状導体17を露出させて、IDT電極2,反射器9,引出し電極10および接続線16を絶縁膜(図示せず。)で覆っている。
圧電基板1は、例えば、タンタル酸リチウム単結晶,ニオブ酸リチウム単結晶,四ホウ酸リチウム単結晶等の圧電性を有する単結晶からなり、特に36°Yカット−X伝搬のタンタル酸リチウム単結晶や42°Yカット−X伝搬のタンタル酸リチウム単結晶等が、電気機械結合係数が大きくかつ群遅延時間温度係数が小さいため好ましい。
IDT電極2,反射器9,引出し電極10,入出力用パッド電極3,接地用パッド電極4,接続線16および環状導体17は、圧電基板1の一主面に、アルミニウム合金を用いて、スパッタリング法,蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の薄膜形成法により形成し、次に縮小投影露光機(ステッパー)とRIE(Reactive Ion Etching)装置とを用いたフォトリソグラフィ法によりパターニングされ、所定の形状に形成される。
特に、IDT電極2は一般的にはAl−Cu系のアルミニウム合金からなるが、Cu以外にTi,Ta,W,Nb等を含むアルミニウム合金でも構わない。また、それらの合金からなる層を積層した電極構造としてもよい。また、IDT電極2の形状は、互いに電極指が噛み合うように形成された櫛歯状である。そして、IDT電極2の電極指の対数は50〜200,電極指の幅は0.1〜10.0μm,電極指の間隔は0.1〜10μm,電極指の交差幅は10〜80μm,IDT電極2の厚みは0.2〜0.4μmとすることが、共振器あるいはフィルタとしての所望の特性を得るうえで好適である。
絶縁膜は、IDT電極2,反射器9,引出し電極10,接続線16の酸化を防ぎ、耐湿性を高めるとともに、異物等の付着による各電極間および各電極内の短絡を防ぎ、周波数を調整するために設けられるものであり、これらの電極が形成された後にCVD法または蒸着法等の薄膜形成法により形成された、SiO膜,Si膜,Si膜等が用いられる。
ここで、IDT電極2は、所望の特性を得るように、複数対の櫛歯状電極を直列接続や並列接続等の方式で適宜接続して構成してもよい。また、図1では弾性表面波素子としてラダー型弾性表面波フィルタを示したが、2重モード弾性表面波共振器フィルタであってもよい。
このように、IDT電極2の弾性表面波の伝搬方向の両側に反射器9を配置し、この反射器9を接続線16を介して環状導体17に接続していることより、高電力の信号が入力されて発熱するIDT電極2からの放熱経路が、圧電基板1とこれが実装される配線基板との接続部のみではなく、IDT電極2の両側に配置された反射器9を介して環状導体17にも確保できるため、従来のように実装するための接続部のみから放熱するものに比べ弾性表面波素子の温度を効率的に下げることができる。その結果、弾性表面波素子の耐電力性が優れたものとなるので、信頼性の高い弾性表面波素子となる。
さらに、IDT電極2,反射器9,接続線16,環状導体17のパターニングを行なう一工程において、反射器9,接続線16,環状導体17のパターニング形状を反射器9と環状導体17とが接続線16を介して接続されるようにすることで弾性表面波素子の放熱性を向上させることができる。このため、新たな構成部材や複雑な工程を必要とせずに容易に弾性表面波素子の放熱性を高め、信頼性を高めることができる。
また、図1に示すように入出力用パッド電極3をIDT電極2の近傍に配置したり、Pt,Cu,Au,Al等の高熱伝導率の材料からなるダミーパッド電極(図示せず)をIDT電極2と接続されていない状態でIDT電極2の近傍に配置したりして、発熱するIDT電極2からの放熱経路の面積を大きくすることにより、さらに弾性表面波素子の放熱性を高め、信頼性の高いものとすることができる。なお、ダミーパッド電極はIDT電極2の形成後にスパッタリング法等の薄膜形成法により圧電基板1上に形成し、フォトリソグラフィ法によりIDT電極2と電気的に接続されていない状態で、かつIDT電極2の近傍に配置されるように多角形状,楕円形状等の任意の形状にパターニングして形成してもよいが、IDT電極2のパターニングの際に同時にダミーパッド電極も形成されるようにパターニングを行なうことによって、IDT電極2と同一材料を用いて、同一工程で形成してもよい。
また、環状導体17は接地電極であるときには、反射器9が接地電極に接続されるため弾性表面波の反射効率の高いものとなる。このメカニズムは未だ明らかとなっていないが以下のようなメカニズムによるものと推察される。すなわち、従来は反射器9にて僅かに電界が発生してしまっており、そのため弾性表面波を反射させるときに位相のズレが生じることがあり、その結果、定在波が干渉により減衰し反射係数が設計値に対して低くなることがあったが、反射器9を接地電極に接続することで反射器9にて発生する電界の影響をなくし、反射器9における弾性表面波と反射器9により発生する定在波との干渉による定在波の減衰を抑制することができるため反射係数が高く、弾性表面波の反射効率の高いものとなっているものと推察される。このため、反射器9を接地電極に接続した弾性表面波素子をフィルタとして用いた場合には、反射器9における反射係数が高くなり、弾性表面波共振子における反共振抵抗値が増加することにより、通過帯域外減衰量を大きくすることができる。
図2に本発明の弾性表面波素子をフィルタとして用いた場合の入力信号の伝送特性の周波数依存性を示す線図を示す。同図において横軸は周波数(MHz),縦軸は入力信号の減衰量(dB)を表わす。実線は環状導体17を接地電極として反射器9に接続した場合の伝送特性を、破線は反射器9を接地電極に接続していない場合の伝送特性をそれぞれ示す。図2に示すように、反射器9を接地電極とした環状導体17に接続することにより通過帯域外減衰量を大きくすることができることが確認できる。
また、図3に、圧電基板1のIDT電極2が設けられた一主面(機能面)を配線基板(回路基板)11と対向するようにして配置してフリップチップ実装したCSP型の弾性表面波装置の断面図を示す。以下、圧電基板1の一主面(機能面)側を弾性表面波素子の一主面(機能面)というものとする。
図3において、11は配線基板,12は接続電極,13は導体バンプ,14は振動空間,15は封止樹脂,18は配線基板11側に形成された封止用環状導体,19は環状封止層である。
圧電基板1の機能面を配線基板11の上面と対向させて、図1に示す弾性表面波素子を配線基板11上に配置する。回路が形成された配線基板11の実装面である上面には、弾性表面波素子の一主面に形成された入出力用パッド電極3に対応する位置に接続電極12が形成され、接続電極12の上に導体バンプ13が、環状導体17に対応する位置に封止用環状導体18が形成され、封止用環状導体18の上に環状封止層19が形成されている。次に、弾性表面波素子の一主面が配線基板11の上面と対向するように配置され、リフロー炉にてリフロー溶融することにより、弾性表面波素子のパッド電極(3,4)および環状導体17と配線基板11の接続電極12および封止用環状導体18とが導体バンプ13および環状封止層19により電気的かつ機械的に接続される。そして、ポッティング法または印刷法により配線基板11上の弾性表面波素子を覆うように封止樹脂15が形成され、弾性表面波装置が完成する。
配線基板11は、絶縁性の材料からなり、例えばセラミック基板を用いる。配線基板11に設けられる接続電極12および封止用環状導体18は、例えば下層から順にW,Ni,Auを積層した導体層からなり、電解めっき法または無電解めっき法によって所望のパターンに形成する。配線基板11上の導体バンプ13および環状封止層19は、半田ペースト,Au−Snペースト等をスクリーン印刷等の印刷法により形成したり、ディスペンサーで塗布したりすることにより形成される。導体バンプ13および環状封止層19は、ここでは配線基板11側に形成される場合を示したが、弾性表面波素子側に形成してもかまわない。
振動空間14は弾性表面波素子と配線基板11との間の密閉された空間をいい、振動空間14内に低湿度の空気を封入し密閉するようにしてもよい。これによれば、IDT電極2の酸化等による劣化を抑制でき好ましい。また、空気の代わりに窒素ガス,アルゴンガス等の不活性ガス等を封入して密閉すれば、IDT電極2の酸化等による劣化をより抑制でき好ましい。
封止樹脂15は、振動空間14への湿度の高い空気の侵入を防ぐと共に、弾性表面波装置の機械的強度を高めるために設けられ、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂,ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂,紫外線硬化樹脂または低融点ガラス等を用いることができ、これらをポッティング法または印刷法により塗布した後硬化処理して形成すればよい。
環状封止層19は、弾性表面波素子の環状導体17と対応するように形成された封止用環状導体18上に形成され、例えば導体バンプ13と同一材料、同一工程で形成すればよい。
このように、弾性表面波素子と配線基板11との間隙が、環状導体17と環状封止層19と封止用環状導体18とにより気密封止されていることより、弾性表面波素子を配線基板11に実装すると同時に気密封止接合が可能となり、気密封止のために必要としていたパッケージを不要とすることができるため、大幅に弾性表面波装置の小型化が可能となる。また、高電力の信号が入力されて発熱するIDT電極2からの放熱経路が、フリップチップ実装されている圧電基板1のパッド電極3,4と配線基板11の接続電極12とを接続する導体バンプ13のみではなく、IDT電極2の弾性表面波の伝搬方向の両側に配置された反射器9,環状導体17および環状封止層19ならびに封止用環状導体18を介して圧電基板1と対向する配線基板11に大面積で確保できるため、弾性表面波素子の温度をさらに効率的に下げることができ、耐電力性に優れたものとなり、その結果、小型でかつ信頼性の高い弾性表面波装置となる。
図4は本発明の弾性表面波素子の実施の形態の他の例を示す平面図である。図1と同様に、圧電基板1の一主面に、IDT電極2と、IDT電極2の弾性表面波の伝搬方向の両側に配置された反射器9と、IDT電極2および反射器9を取り囲み反射器9に接続線16を介して接続された環状導体17とが形成されている。図1の弾性表面波素子と比較して、環状導体17に接続される接続線16を幅広くしたため高電力の信号が入力されて発熱するIDT電極2からの放熱経路が広い面積を有しており、さらに効果的にIDT電極2で発生した熱を放熱でき、信頼性の高い弾性表面波素子とすることができる。
本発明の通信装置は、上記本発明の弾性表面波素子を有する受信回路および上記本発明の弾性表面波素子を有する送信回路の少なくとも一方を備えたものである。例えば、本発明の弾性表面波素子をフィルタ手段として用いて、このフィルタ手段を受信回路と送信回路とにそれぞれ設け、受信回路と送信回路とを送受信切替え装置により接続することにより本発明の通信装置を得ることができる。このようなフィルタ手段は、例えば本発明の弾性表面波素子にインダクタ,キャパシタ等を組み合わせることにより得られる帯域通過フィルタがあり、放熱性が良好なことから、フリップチップ実装した場合であっても耐電力に優れ、その結果、小型で信頼性の高いものとなる。このように本発明の通信装置によれば、小型でかつ信頼性の高い表面弾性波素子を用いることより、小型で、かつ高電力の信号を用いた場合においても所望のフィルタ特性を信頼性高く得ることのできるものとなる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更・改良を加えることは何ら差し支えない。
次に、本発明をより具体化した実施例について、図3に示す弾性表面波装置により説明する。
圧電基板1として36°Yカット−X伝搬のタンタル酸リチウム単結晶を用い、そのチップサイズは、1.1mm×1.5mmとした。圧電基板1にAl−Cu合金からなるIDT電極2,入出力用パッド電極3,接地用パッド電極4,反射器9,引出し電極10,接続線16,環状導体17を、スパッタリング法により1800Åの厚みで形成し、ステッパーおよびRIE装置を用いたフォトリソグラフィを行ない所望のパターンに形成した。
配線基板11には、基板サイズが70mm×70mm,厚さ250μmのLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics:低温同時焼成セラミックス)基板を用いた。配線基板11上にはAgからなる接続電極12および封止用環状導体18を、弾性表面波素子の入出力用パッド電極3および環状導体17に対応するように約1μmの厚みに形成した。さらに、接続電極12および封止用環状導体18の上に、導体バンプ13および環状封止層19となる半田ペーストを予めスクリーン印刷法により約100μmの線幅で20μmの厚みで塗布した。圧電基板1の入出力用パッド電極3と環状導体17との位置に配線基板11の接続電極12と導体バンプ13とおよび封止用環状導体18と環状封止層19とからなるパターンが対応するように、弾性表面波素子の機能面と配線基板11の上面(パターン形成面)とを対向させて配置し、リフロー炉にて240℃で5分間、リフロー溶融させて半田を硬化させて両者を接合した。さらに圧電基板1の他方主面の上部よりエポキシ樹脂からなる封止樹脂15をポッティング法により配線基板11上の弾性表面波素子を覆うように塗布した後、乾燥炉で150℃にて5分間加熱して硬化させた。最後に、配線基板11の裏面より各弾性表面波素子間の分離位置でダイシングすることにより分離して弾性表面波装置を形成した。以上の工程により形成された弾性表面波装置の大きさは1.6mm×2.0mm,高さ0.6mmであった。このようにして本発明の弾性表面波素子を用いた弾性表面波装置を作製することができた。
また、本発明の弾性表面波装置の放熱性を評価する目的で、弾性表面波素子を用いた弾性表面波装置に大きな信号電力が印加されたときの弾性表面波装置の各部位における室温に対する上昇温度を有限要素法を用いた熱解析により求めた。上記の実施例の弾性表面波素子を用いた弾性表面波装置と同一材料,同一構成である、反射器9が環状導体17に接続された弾性表面波装置の熱解析用モデルをモデル(a)とした。また、本発明と比較するため、反射器9が環状導体17に接続されていない弾性表面波装置の熱解析モデルをモデル(b)とした。なお、外周の環状導体17は、両モデルともに存在するものとして評価した。解析条件として、圧電基板1の厚みを0.25mmとし、各材料の熱伝導率(W/m・K)は、タンタル酸リチウム単結晶からなる圧電基板1が4.1,LTCC基板からなる配線基板11が3.9,半田からなる導体バンプ13および環状封止層19が61,エポキシ樹脂からなる封止樹脂15が0.5,Al−Cu合金からなるIDT電極2,入出力用パッド電極3,接地用パッド電極4,反射器9,引出し電極10,接続線16および環状導体17が236,Agからなる接続電極12,封止用環状導体18が150,振動空間14内に密閉された空気が2.6×10−2とした。解析方法としては、室温(25℃)の雰囲気中にある弾性表面波装置に0.4Wの信号電力を入力し、IDT電極2およびその近傍で発生した熱が弾性表面波装置内に伝達されていき雰囲気中に放熱していく様子をシミュレーションし、IDT電極2およびその近傍における最大上昇温度およびIDT電極2から外部の雰囲気までの熱伝達過程における熱抵抗比を計算した。その結果を表1に示す。
Figure 2006042007
表1に示す結果から明らかなように、IDT電極2およびその近傍における最大上昇温度は、モデル(a)が58.0℃、モデル(b)が83.2℃であり、IDT電極2から外部の雰囲気までの熱抵抗比は、モデル(a)が0.54、モデル(b)が0.96であった。このように弾性表面波装置を表すモデル(b)に比べて本発明の弾性表面波素子を用いた弾性表面波装置を表すモデル(a)では、IDT電極2およびその近傍における最大上昇温度が低く、かつ熱抵抗比が約60%低減していた。
以上の結果より、IDT電極2に近い位置に配置された反射器9を環状導体17に接続した本発明の弾性表面波素子を用いた弾性表面波装置は放熱性が高いことが分かった。
このように、本発明の弾性表面波素子を用いた弾性表面波装置によれば、放熱性に優れていることから、フリップチップ実装を行なった場合でも、耐電力性に優れ、その結果、小型で信頼性の高いものとなった。
本発明の弾性表面波素子の実施の形態の一例を示す平面図である。 本発明の弾性表面波素子における入力信号の伝送特性の周波数依存性を示す線図である。 図1に示す弾性表面波素子を配線基板に実装した弾性表面波装置の一例を示す断面図である。 本発明の弾性表面波素子の実施の形態の他の例を示す平面図である。 従来の弾性表面波装置を示す平面図である。
符号の説明
1:圧電基板
2:IDT電極
3:入出力用パッド電極
4:接地用パッド電極
9:反射器
10:引出し電極
11:配線基板
12:接続電極
13:導体バンプ
14:振動空間
15:封止樹脂
17:環状導体
18:封止用環状導体
19:環状封止層

Claims (3)

  1. 圧電基板上に、IDT電極と、該IDT電極の弾性表面波の伝搬方向の両側に配された反射器と、前記IDT電極および前記反射器を取り囲み前記反射器に接続された環状導体とを形成したことを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 前記環状導体は接地電極であることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の弾性表面波素子を有する、受信回路および送信回路の少なくとも一方を備えたことを特徴とする通信装置。
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