JP2006040800A - リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液及びこの溶液と活物質から製造される電極および電池 - Google Patents

リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液及びこの溶液と活物質から製造される電極および電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 柔軟性及び可とう性に優れた電極を製造し得るリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液を提供すること。耐電解液性、柔軟性及び可とう性に優れた電池、特にリチウム電池提供すること。
【解決手段】 電池用電極の製造において、(A)ニトリル基を含有するポリマー、(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマー、及び溶媒を含有することを特徴とするリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液を用いる。具体的に、電池用電極が、集電体と、該集電体の少なくとも1面に設けた合剤層とを有する。この合剤層は、(a)上記リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液と活物質とを含むスラリーを前記集電体上に塗布する工程;(b)塗布されたスラリーから溶媒を除去する工程;及び、(c)(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーを重合する工程から得る。

Description

本発明は、リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液、この溶液と活物質から得られる電極および電池、並びにこれらの製造方法に関する。
電子技術の進歩により、電子機器の性能が向上して小型化、ポータブル化が進み、その電源としてエネルギー密度の高い二次電池が望まれている。従来の二次電池としては、鉛蓄電他、ニッケル−カドミウム電池等が挙げられるが、高エネルギー密度の電池という点では末だ不十分である。そこで、これらの電池に替わるものとして、近年、エネルギー密度を大幅に向上できる有機電解液系リチウム二次電池(以下、単に「リチウム電池」と記す)が開発され、急速に普及している。
リチウム電池の正極には、活物質として主にリチウムコバルト複合酸化物等のリチウム含有金属複合酸化物が用いられ、負極には、活物質として主にリチウムイオンの層間への挿入(リチウム層間化合物の形成)及び層間からのリチウムイオンの放出が可能な多層構造を有する炭素材料が用いられている。正・負極の電極は、これらの活物質とバインダ樹脂成分とをN−メチル−2−ピロリドンあるいは水等の溶媒に分散させてスラリーとし、これを集電体である金属箔の表面上に塗布し、溶媒を乾燥除去して合剤層を形成後、これをロールプレス機で圧縮成形して作製される。上記バインダ樹脂としては、両極の電極ともポリフッ化ビニリデン(以下、単に「PVDF」と記す)が一般的に使用されている。
しかしながら、PVDFをバインダ樹脂成分として使用した場合、集電体と合剤層との界面の密着性及び合剤層中の活物質相互間の密着性、特に前者の密着性が劣るため、(1)各極の極板の裁断あるいは両極の極板をセパレータを介して渦巻き状に捲く捲回といった電池製造工程時に合剤層の一部又は全部が集電体から剥離・脱落する、(2)負極活物質の炭素材料が電池の充放電によるリチウムイオンの挿入・放出にともない膨張・収縮するため、充放電を繰り返すことによって合剤層の一部又は全部が集電体から剥離・脱落する、といった問題があり、このような密着性不足が電池の容量低下を招く一因となっていた。
上記PVDFの密着性の問題を解決できる含フッ素系バインダ樹脂成分として、例えば、特開平6−172452号公報には、フッ化ビニリデンを主成分とし、これに少量の不飽和二塩基性モノエステルを共重合して得られたフッ化ビニリデン系共重合体を用いることが提案されているが、このようなフッ化ビニリデン系共重合体をバインダ樹脂成分とする場合、集電体と合剤層との界面の密着性は大幅に向上する反面、結晶性の低下により、捲回後に注液される電解液に対する耐性(以下、「耐電解液性」と記す)が低下して膨潤しやすくなり、集電体と合剤層との界面の接触及び合剤層中の活物質相互間の接触がルーズになる。このことが電極全体の導電ネットワークの崩壊につながって、電池の容量が低下する、高電圧下では腐食性の強いフッ化水素の脱離・生成をともなう分解が起こりやすくなり、内圧が上昇して電池が機能しなくなる、といった弊害が指摘されており、本質的な問題解決には至っていない。
またこれら含フッ素系バインダ樹脂成分は、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の有機溶媒に溶解した形態で使用されるが、このNMPは、コスト、環境負荷の面から問題がある。
一方、PVDF等の含フッ素系以外のバインダ樹脂成分として、例えば、特開平5−74461号公報にはスチレン・ブタジエン・ゴム(以下、「SBR」と略す)等のジエン系合成ゴムを用いることが提案されている。ジエン系ゴムは水分散系の形態をとっており、有機溶剤を使用する場合に比べて、環境負荷が小さく、低コストでの電池の製造が可能となる。また、このようなジエン系合成ゴムをバインダ樹脂成分とする場合、集電体と合剤層との界面の密着性は比較的良好である。しかし、ジエン系ゴムも耐電解性が低く膨潤しやすいので、充放電の繰り返しにより電極の導電ネットワークの崩壊につながり、リチウム電池が充放電サイクルを繰り返すと、経時的に容量低下が起きる一因となっていた。
一方、上記以外のバインダ樹脂成分で、電解液に溶解しない耐電解液性と耐膨潤性に優れたバインダ樹脂として、ニトリル基含有樹脂がある。なかでも特開2003-132893号公報は、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル由来の繰り返し単位と、式(I):CH2=CR1-COOR2(式中、R1は、水素原子又はメチル基、R2は炭素数3以下のアルキル基)の単量体由来の繰り返し単位とを含有するポリマー(A)と、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体のようなポリマー(B)とを含む電極用スラリー組成物を開示する。しかし、電極用スラリー組成物として上記のような2種類のポリマーを使用する場合、活物質を含めたこのスラリー組成物が電極(集電体)上に塗布・乾燥されて形成されたバインダ樹脂が、ひび割れ及び集電体からの剥離の問題が生じていた。特に、集電体上に塗布・乾燥されて形成されたバインダ樹脂をさらにロールプレス成形、あるいは、セパレーターを介して正極と負極を渦巻き状に捲回する場合、合剤層に剥離及びクラック等の不良が発生する懸念があった。言い換えれば、得られた電池用電極の柔軟性及び可とう性は十分に改善されているとは言い難かった。
特開平6-172452号公報 特開平5-74461号公報 特開2003-132893号公報
本発明の目的は、耐電解液性、柔軟性及び可とう性に優れた電極を製造し得るリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液を提供することにある。なお、耐電解液性とは、上述のように電解液に対する耐性をいい、例えば、バインダ樹脂と電解液とを接触させたときにバインダ樹脂が膨張せず、電解液に対するバインダ樹脂の膨潤度が低い場合、電解液に対する耐性が高い、つまり、耐電解液性があるといえる。
本発明の目的は、さらに活物質を混合した上記リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液を電極の集電体に塗布し、乾燥することにより得られる合剤層を、耐電解液性、柔軟性及び可とう性に優れたものとすることにある。
本発明の更なる目的は、耐電解液性、柔軟性及び可とう性に優れた電池、特にリチウム電池提供することにある。
本発明者は、ポリマーとモノマーとを含むリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液を使用して、この溶液に活物質を加えたスラリーをリチウム電池の電極の集電体に塗布・乾燥し、その後上記モノマー成分を重合することにより、特開2003-132893号公報に記載されているように予め重合された2種類のポリマー混合し、これを電極の集電体に塗布・乾燥する場合と比べ、はるかに優れた柔軟性及び可とう性を有し、同時に電解液に溶解・膨潤しにくい耐電解液性を有することを見出し、本発明に至ったものである。
従って、本発明は、(A)ニトリル基を含有するポリマー、(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマー、及び溶媒を含有することを特徴とするリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液に関する。
また、本発明は、集電体と、該集電体の少なくとも1面に設けた合剤層とを有し、該合剤層が、以下の工程:(a)上記リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液と活物質とを含むスラリーを前記集電体上に塗布する工程;(b)塗布されたスラリーから溶媒を除去する工程;及び、(c)(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーを重合する工程、から得られるものであるリチウム電池用電極に関する。
さらに、本発明は、上記リチウム電池用電極を含むリチウム電池に関する。
加えて、本発明は、リチウム電池用電極を製造する方法であって、以下の工程:(a)上記リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液と活物質とを含むスラリーを集電体の少なくとも1面に塗布する工程;(b)塗布されたスラリーから溶媒を除去する工程;及び、(c)(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーを重合する工程、を有することを特徴とするリチウム電池用電極を製造する方法に関する。
本発明は、上記のような(A)ポリマーと(B)モノマーとを含むリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液を使用して、この溶液に活物質を加えたスラリーをリチウム電池の電極の集電体に塗布・乾燥し、その後(B)上記モノマー成分を重合することにより、予め重合された2種類のポリマーを電極の集電体に塗布・乾燥する場合と比べ、はるかに優れた柔軟性及び可とう性を有し、同時に電解液に溶解・膨潤しにくい耐電解液性を有することを見出し、本発明に至ったものである。特に、(B)モノマーは、活物質を含む本発明のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液を集電体上に塗布し、乾燥し、得られた合剤層を任意に圧延した後に真空乾燥などの方法を利用して重合されるものである。このように、(B)モノマーを電極製造の最終段階で重合することにより、合剤層及びこれに含まれるバインダ樹脂のひび割れ及び集電体からの剥離の問題を回避して、柔軟性及び可とう性に優れた合剤層を有する電極を提供することができる。更に、バインダ樹脂の組成を調整することにより、電解液に溶解・膨潤しにくい耐電解液性を有する合剤層及びこれに含まれるバインダ樹脂を提供することができる。特に、このバインダ樹脂溶液を用いて製造された電極は、耐電解液性と可とう性が両立でき、高温下で使用されても長期間、電極の集電体と合剤層との界面の接触、及び合剤層中の活物質同士の接触を良好に維持でき、充放電のサイクルを繰り返しても優れた容量維持率を示す。
さらに、本発明のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液を使用して得られるバインダ樹脂は、(A)成分のニトリル基の強固な結合を(B)成分のモノマーが重合することによって得られたポリマーによって緩和することができるため、本発明のバインダ樹脂溶液を用いて製造された電極に優れた可塑効果を与えるものである。
(1) リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液
本発明のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液(以下、単に「バインダ樹脂溶液」と記すことがある)は(A)ニトリル基を含有するポリマー、(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマー、及びその他の添加剤を含有するバインダ樹脂成分並びに溶媒を含む。なお、本発明においてバインダ樹脂溶液は、電極の集電体に塗布される前のバインダ樹脂成分と溶媒との混合物(ワニス)である。
(1-1)バインダ樹脂成分
本発明のバインダ樹脂成分は(A)ニトリル基を含有するポリマーと(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーとを必須成分とする。また、本発明のバインダ樹脂成分は、任意にその他の添加剤を含有する。
(1-1-1) ニトリル基を含有するポリマー((A)成分)
本発明の(A)ニトリル基を含有するポリマーは特に制限がなく、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル及びアクリロニトリルとメタクリロニトリルのコポリマーのようなアクリル系ポリマー、ポリシアノアクリレートのようなシアノアクリレート系ポリマー等が挙げられる。これらのうちでフィラーの分散安定性等の点でアクリロニトリル又はメタクリロニトリルのホモポリマー及び/又はコポリマーが好ましい。
ニトリル基を含有するポリマーの質量平均分子量は、例えば、ゲルパーミッションクロマトグラフィーで測定され得る。具体的には、緩和剤として塩化ナトリウムを0.1モル/リットルの濃度になるように調合したNメチル2ピロリドン液を溶離液として用い、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線から、ポリスチレン換算値として算出することができる(以下、特に断りがない限り、質量平均分子量はこのようなゲルパーミッションクロマトグラフィーで測定した値とする。)ニトリル基を含有するポリマーの質量平均分子量は、例えば、10,000〜5,000,000であることが好ましく、30,000〜3,000,000であることがより好ましく、50,000〜2,000,000であることが特に好ましく、100,000〜1,000,000であることが極めて好ましい。この質量平均分子量が10,000以上であれば、フィラーの分散性が低下することもなく、また、5,000,000以下であれば、スラリーの高粘度化の問題や、バインダ樹脂溶液又は活物質を含むバインダ樹脂溶液(即ち、スラリー)の塗工が困難になることもないので好ましい。
本発明のニトリル基を含有するポリマーは、ニトリル基含有単量体と、任意のその他の単量体とを重合することによって製造される。ニトリル基含有単量体としては、例えば、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルのようなアクリル系単量体、α−シアノアクリレート及びジシアノビニリデンのようなシアン系単量体が挙げられる。その他の単量体としては、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレートのようなアクリレート化合物;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートのようなメタクリレート化合物;アクリル酸、メタクリル酸のような不飽和モノカルボン酸系単量体、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸、ジビニルベンゼンのような架橋性単量体が挙げられる。本発明のバインダ樹脂を製造するための重合方法として、塊状懸濁重合、懸濁重合、分散重合、乳化重合等の既存の方法を適用することができる。
また、重合において任意に使用される触媒としては、特に制限はなく、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルピペラジン、ビリジン、ピコリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等の三級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチル−4−メチルイミダゾール,1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル一5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール,1−アジン−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ジブチルチンジラウレート、1,3−ジアセトキシテトラブチルジスタノキサン等の有機スズ類、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化ドデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムアセテート、塩化テトラフェルホスホニウム、塩化トリフェニルメチルホスホニウム、臭化テトラメチルホスホニウム等の四級オニウム塩類、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド等の有機リン化合物類、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム等の有機酸アルカリ金属塩類、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化リチウム、臭化リチウム等の無機塩類、オクタカルボニル二コバルト(コバルトカルボニル)等の金属カルボニル化合物類、テトラブトキシチタン等の金属エーテル化合物類、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物、ペルオキソ二硫酸カリウム等の過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムを用いることができる。これらの触媒の使用量は、例えば、上記リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液中の固形分に対して0.01〜10質量%程度である。
(1-1-2) アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマー((B)成分)
本発明のアクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーは、(B)成分を重合して得られたポリマーが上記(A)成分のポリマーと同一にならないように選択されることが好ましい。特に、本発明のバインダ樹脂溶液から得られるバインダ樹脂の可塑性を向上させるために、(B)成分を重合して得られたポリマーが、(A)成分のポリマーと比較して可塑性を有することが好ましい。(B)成分としては、例えばアクリル酸エステル、ジアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ジメタクリル酸エステルが挙げられる。
例えば、(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーとしては、一般式(Ι)で示されるモノマーが挙げられる。
Figure 2006040800
(式中、R1はH又はCH3、R2は炭素数1〜100の炭化水素基である)
具体的に、(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーとしては、次の化合物が挙げられる。
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソミリスチル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ナフチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸トリフルオロエチル等の弗素含有アクリル酸系モノマー、
ジアクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸ジエチレングリコール、ジアクリル酸トリエチレングリコール、ジアクリル酸テトラエチレングリコール、ジアクリル酸ペンタエチレングリコール、ジアクリル酸ヘキサエチレングリコール、ジアクリル酸ヘプタエチレングリコール、ジアクリル酸オクタエチレングリコール、ジアクリル酸ノナエチレングリコール、ジアクリル酸デカエチレングリコール、ジアクリル酸ウンデカエチレングリコール、ジアクリル酸ドデカエチレングリコール、ジアクリル酸トリデカエチレングリコール、ジアクリル酸テトラデカエチレングリコール、ジアクリル酸ペンタデカエチレングリコール、ジアクリル酸ヘキサデカエチレングリコール、ジアクリル酸ヘプタデカエチレングリコール、ジアクリル酸オクタデカエチレングリコール、ジアクリル酸ノナデカエチレングリコール、ジアクリル酸1,3−ブタンジオール、ジアクリル酸メタンジオール、ジアクリル酸1,2―エタンジオール、ジアクリル酸1,3―プロパンジオール、ジアクリル酸1,4―ブタンジオール、ジアクリル酸1,5―ペンタンジオール、ジアクリル酸1,6―ヘキサンジオール、ジアクリル酸1,7―ヘプタンジオール、ジアクリル酸1,8―オクタンジオール、ジアクリル酸1,9―ノナンジオール、ジアクリル酸1,10―デカンジオール、ジアクリル酸ネオペンチル、ジアクリル酸亜鉛、ジアクリル酸ジメチロールトリシクロデカン、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ジアクリル酸ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ジアクリル酸ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、ジアクリル酸プロピレングリコール、ジアクリル酸ジプロピレングリコール、ジアクリル酸トリプロピレングリコール、ジアクリル酸テトラプロピレングリコール、ジアクリル酸ペンタプロピレングリコール、ジアクリル酸ヘキサプロピレングリコール、ジアクリル酸ヘプタプロピレングリコール、ジアクリル酸オクタプロピレングリコール、ジアクリル酸ノナプロピレングリコール、ジアクリル酸デカプロピレングリコール、ジアクリル酸ウンデカプロピレングリコール、ジアクリル酸ドデカプロピレングリコール、ジアクリル酸トリデカプロピレングリコール、ジアクリル酸テトラデカプロピレングリコール、ジアクリル酸ペンタデカプロピレングリコール、ジアクリル酸ヘキサデカプロピレングリコール、ジアクリル酸ヘプタデカプロピレングリコール、ジアクリル酸オクタデカプロピレングリコール、ジアクリル酸ノナデカプロピレングリコール、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ヘプチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸イソミリスチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ナフチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸トリフルオロエチル等の弗素含有メタクリル酸系モノマー、ジメタクリル酸エチレングリコールジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタエチレングリコール、ジメタクリル酸ヘキサエチレングリコール、ジメタクリル酸ヘプタエチレングリコール、ジメタクリル酸オクタエチレングリコール、ジメタクリル酸ノナエチレングリコール、ジメタクリル酸デカエチレングリコール、ジメタクリル酸ウンデカエチレングリコール、ジメタクリル酸ドデカエチレングリコール、ジメタクリル酸トリデカエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラデカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタデカエチレングリコール、ジメタクリル酸ヘキサデカエチレングリコール、ジメタクリル酸ヘプタデカエチレングリコール、ジメタクリル酸オクタデカエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブタンジオール、ジメタクリル酸メタンジオール、ジメタクリル酸1,2―エタンジオール、ジメタクリル酸1,3―プロパンジオール、ジメタクリル酸1,4―ブタンジオール、ジメタクリル酸1,5―ペンタンジオール、ジメタクリル酸1,6―ヘキサンジオール、ジメタクリル酸1,7―ヘプタンジオール、ジメタクリル酸1,8―オクタンジオール、ジメタクリル酸1,9―ノナンジオール、ジメタクリル酸1,10―デカンジオール、ジメタクリル酸ネオペンチル、ジメタクリル酸亜鉛、ジメタクリル酸ジメチロールトリシクロデカン、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジメタクリル酸ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ジメタクリル酸ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリル酸安息香酸エステル、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ジメタクリル酸プロピレングリコール、ジメタクリル酸ジプロピレングリコール、ジメタクリル酸トリプロピレングリコール、ジメタクリル酸テトラプロピレングリコール、ジメタクリル酸ペンタプロピレングリコール、ジメタクリル酸ヘキサプロピレングリコール、ジメタクリル酸ヘプタプロピレングリコール、ジメタクリル酸オクタプロピレングリコール、ジメタクリル酸ノナプロピレングリコール、ジメタクリル酸デカプロピレングリコール、ジメタクリル酸ウンデカプロピレングリコール、ジメタクリル酸ドデカプロピレングリコール、ジメタクリル酸トリデカプロピレングリコール、ジメタクリル酸テトラデカプロピレングリコール、ジメタクリル酸ペンタデカプロピレングリコール、ジメタクリル酸ヘキサデカプロピレングリコール、ジメタクリル酸ヘプタデカプロピレングリコール、ジメタクリル酸オクタデカプロピレングリコール、ジメタクリル酸ノナデカプロピレングリコール、等。
本発明の(B)成分であるアクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーとしては、上記化合物を1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。このなかで可とう性を付与するという点で式(I)のR2が炭素数1〜50の飽和脂肪族炭化水素基を有するものが好ましく、炭素数2〜25の飽和脂肪族炭化水素基を有するものがより好ましい。
(1-1-3)その他の添加剤
本発明のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液には、必要に応じて、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリブロックイソシアナート、ポリオキサゾリン、ポリカルボジイミド等の硬化剤、エチレングリコール、グリセリン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルオリゴマ、フタル酸エステル、ダイマー酸変性物、ポリブタジエン系化合物等の各種添加剤を含めてもよい。この添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて配合してもよい。
(1-1-4)(A)成分と(B)成分の含有量
(A)ニトリル基を含有するポリマーと(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーは、例えば、(A)成分を100質量部とした場合、(B)成分が1〜50質量部となるような割合で含有することが好ましく、2〜40質量部にすることが特に好ましく、5〜30質量部にすることが極めて好ましい。50質量部以下であれば良好な耐電解液性を達成することができ、また、1質量部以上であれば本発明のバインダ樹脂溶液から得られるバインダ樹脂の可とう性の向上に十分寄与するので好ましい。
上記その他の添加剤の使用量は、上記リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液中の固形分に対して、例えば、0.01〜15質量%程度である。0.01質量%以上15質量%以下であれば、活物質とバインダ樹脂との間または集電体と合剤層との間の十分な接着性が得られるので好ましい。
(1-2)溶媒
上記バインダ樹脂成分に、溶媒を加えることによって本発明のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液が得られる。溶媒としては、例えば、水または有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメチルウレア等のウレア類、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン等のラクトン類、プロピレンカーボネート等のカーボネート類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート等のエステル類、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム類、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素類、スルホラン等のスルホン類などが挙げられる。
これらのうちではバインダ樹脂成分の溶解性に優れる点でアミド類、ウレア類が好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメチルウレアがより好ましく、この中では、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
これらの溶媒は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いられる。
溶媒の使用量は、バインダ樹脂溶液中の固形分の総量100質量部に対して、50〜10,000質量部とすることが好ましく、200〜5,000質量部とすることがより好ましく、300〜3,000質量部とすることが特に好ましい。この使用量が50質量部以上であれば、十分な溶解性が得られ、反応系の不均一化や高粘度化を起こしにくいので好ましく、10,000質量部以下であれば、十分に反応が進み、反応が完結し易いので好ましい。
(1-3) リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液の製法
本発明のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液は、上記(A)成分、(B)成分並びにその他の添加剤を含むバインダ樹脂成分を溶媒に分散又は溶解し、ワニスとすることによって製造する。具体的には、例えば、まず、(A)のポリマーを合成するためのモノマーを溶媒中に溶解し、熱又は光で(A)のポリマーを合成する。続いて(A)のポリマーを含む溶媒中に(B)成分並びに他の添加剤を加えることによってリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液を得る。
(2)電極
本発明の電極は、集電体と、該集電体の少なくとも1面に設けた合剤層とを有し、該合剤層が、以下の工程:
(a)上記リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液と活物質とを含むスラリーを前記集電体上に塗布する工程;
(b)塗布されたスラリーから溶媒を除去する工程;及び、
(c)(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーを重合する工程、
から得られるものである。
上記工程は、(a)、(b)、(c)の順序で行われる。(b)工程と(c)工程の間に、さらに以下の工程;
(d)得られた集電体と合剤層の積層体を圧延する工程
を含めてもよい。
(2-1)集電体
本発明の集電体は、導電性を有する物質であればよく、例えば、金属、導電性プラスチック等が使用できる。より具体的に、金属としては、 アルミニウム、銅、ニッケルが使用できる。また、導電性プラスチックとしては、ポリアニリン、ポリチオール等が使用できる。さらに、集電体の形状は、特に限定はないが、電池の高容量化、及び集電体の体積を低くすることができるという点から、薄膜状が好ましい。集電体の厚みは、例えば、5〜100μm、好ましくは10〜30μmであることが適当である。5μm以上であれば取り扱いがしやすく、100μm以下であれば電池の高容量化ができるので好ましい。
(2-2)合剤層
本発明の合剤層は、活物質を上記バインダ樹脂溶液に加えたスラリーから製造される。
(2-2-1)活物質
本発明で使用される活物質は、リチウム電池の充放電により可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものであれば特に制限はない。しかしながら、正極は、充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを受け取るという機能を有する一方、負極は、充電時にリチウムイオンを受け取り、放電時にリチウムイオンを放出するという正極とは逆の機能を有するので、正極及び負極で使用される活物質は、それぞれの有する機能にあわせて種類の異なる活物質が使用されることが好ましい。
正極用活物質としては、充放電により可逆的にリチウムイオンを挿入、放出できる遷移金属酸化物であればよく、リチウムコバルト複合酸化物やリチウム、ニッケル複合酸化物やこれらの混合物で良い。またリチウムニッケル複合酸化物においても、Al,V,Cr,Fe,Co,Sr,Mo,W,Mn,B,Mgから選ばれる少なくとも1種以上の金属でニッケルサイトまたはリチウムサイトを置換したリチウムニッケル複合体でも良い。また、リチウムマンガン複合酸化物においてもAl,V,Cr,Fe,Co,Sr,Mo,W,Mn,B,Mgから選ばれる少なくとも1種以上の金属でマンガンサイトまたはリチウムサイトを置換したリチウムマンガン複合酸化物でもよい。
一方、負極の活物質としては、例えば、非晶質炭素、黒鉛、炭素繊維、コークス、活性炭等の炭素材料が好ましいものとして挙げられ、炭素材料以外では、シリコン、すず、銀等の金属又はこれらの酸化物などが使用できる。これらの活物質は単独で又は二種以上組み合わせて用いられる。負極の活物質の平均粒径は、1〜100μmとすることが好ましく、5〜50μmとすることがより好ましく、10〜40μmとすることが特に好ましい。
(2-2-2)溶媒
スラリーの製造に、さらに溶媒を加えて粘度等を調節してもよい。溶媒としては、特に制限はなく、上述したバインダ樹脂溶液用の溶媒を使用することができる。例えば、N−メチル−2−ピロリドン及びN−メチル−2−ピロリドンとエステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等)あるいはグライム系溶媒(ジグライム、トリグライム、テトラグライム等)の混合溶液が特に好ましい。これらの溶媒は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いられてもよい。
(2-2-3)その他の添加剤
本発明の合剤層を製造するための上記スラリーには、スラリーの分散安定性や塗工性を改善するため増粘剤を添加することができる。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、及びこれらのアンモニウム塩又はアルカリ金属塩、ポリアクリル酸及びこれらのアルカリ金属塩、ポリビニルアルコール、エチレン/ビニルアルコール共重合体などのポリビニルアルコール系共重合体などが挙げられる。
なお、正極のスラリーには、さらにカーボンブラックや黒鉛等の導電助剤を単独で又は二種以上組み合わせて添加してもよい。
(2-2-4)合剤層を構成する成分の組成
合剤層を構成する活物質は、溶媒を除去して得られた合剤層に対して、例えば、50〜99質量%、好ましくは、80〜99質量%添加されることが好ましい。
また、溶媒は、バインダ樹脂溶液中の溶媒量にもよるが、溶媒を加えた後のバインダ樹脂溶液の固形分が、例えば、20〜1質量%、好ましくは、10〜2質量%となるように存在することが好ましい。
(2-3)電極の製法
本発明の電極は、
(a)上記リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液と活物質とを含むスラリーを前記集電体上に塗布する工程;
(b)塗布されたスラリーから溶媒を除去する工程;及び、
(c)(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーを重合する工程、
から得られる。
上記工程は、(a)、(b)、(c)の順序で行われる。(b)工程と(c)工程の間に、さらに以下の工程;
(d)得られた集電体と合剤層の積層体を圧延する工程
を含み得る。
(a)上記リチウム電池電極用バインダ樹脂溶液と活物質とを含むスラリーを前記集電体上に塗布する工程は、例えば、上記活物質、バインダ樹脂溶液、及び任意の溶媒並びにその他の添加剤を含むスラリーを準備し、このスラリーを集電体の少なくとも1面、好ましくは両面に塗布することによって行われる。塗布は、例えば、コンマコーター、ワイヤーコーター等を用いて行うことができる。塗布は、対向する電極において、単位面積あたりの活物質利用率が負極/正極=1以上になるように行うことが適当である。
合剤層の塗布量は、例えば、乾燥質量で例えば、60〜500g/m2、好ましくは、 70〜400g/m2であることが好適である。
(b)塗布されたスラリーから溶媒を除去する工程は、例えば、空気中で乾燥する方法及び真空乾燥等の乾燥法を用いることができる。乾燥は、塗布されたスラリーを、例えば60〜160℃、好ましくは、70〜130℃で、3〜20分間、好ましくは、5〜15分間曝露することによって行われる。
(c)(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーを重合する工程は、例えば、集電体上に塗布されたスラリーを真空乾燥することによって行われる。
真空乾燥は、例えば13.2KPa以下、好ましくは、6.6KPa以下;100〜200℃、好ましくは、120〜150℃;1〜36時間、好ましくは、3〜24時間の条件で行われる。
なお、上記(b)工程で行われる溶媒の除去は、工程(c)の(B)成分のモノマーを重合する工程において、あわせて行ってもよい。つまり、本工程で真空乾燥を利用することにより、電極シート、即ち電極に塗布された合剤層内の残留溶媒、吸着水を除去してもよい。溶媒の除去と(B)成分のモノマーの重合とを同時に行う場合、例えば、100〜200℃好ましくは、120℃〜150℃で、1〜36時間加熱してもよい。
このようにして得られた合剤層上のバインダ樹脂は、(A)成分のポリマーと(B)成分から重合されたポリマーが、相互網目構造(IPN)を有することが好ましい。このような構造を有することにより、(B)成分から重合されたポリマーが(A)成分のポリマーの可塑剤として働く。さらに(B)成分から重合されたポリマーの可塑剤としての効果は、このポリマーのガラス転移温度(Tg)に依存する。すなわち、(B)成分から重合されたポリマーのTgが低いほど優れた可塑剤として作用する。
(d)得られた集電体と合剤層の積層体を圧延する工程は、例えばロールプレス機を用いて行われ、合剤層のかさ密度が、例えば、0.5〜4.0g/cm3、好ましくは1.0〜3.5g/cm3となるようにプレスされることが好適である。
(3)電池
本発明の電極は、さらに電解液と組み合わせることにより、電池、特にリチウム電池を製造することができる。
(3-1)電解液
本発明で使用される電解液としては、電池の機能を発揮させるものであれば特に制限はないが、有機溶媒に電解質を溶解した溶液を使用することができる。
有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等のオキソラン類、アセトニトリル、ニトロメタン、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル等のエステル類、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、、スルホラン等のスルホラン類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン類、1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンスルトン、ナフタスルトン等のスルトン類等が挙げられる。有機溶媒は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いられる。
電解質としては、例えば、LiCl、LiBF4、LiI、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、LiCl、LiBr、LiB(C254、LiCH3SO3、LiC49SO3、Li(CF3SO22Nが挙げられる。これらのうちでは、カーボネート類にLiPF6を溶解した電解液が好ましい。
(3-2)電池の製法
上記本発明のリチウム電池の製造方法については特に制約はないが、いずれも公知の方法を利用できる。例えば、まず、電極を、ポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを介して捲回する。得られたスパイラル状の捲回群を電池缶に挿入し、予め負極の集電体に溶接しておいたタブ端子を電池缶底に溶接する。得られた電池缶に電解液を注入し、さらに予め正極の集電体に溶接しておいたタブ端子を電池の蓋に溶接し、蓋を絶縁性のガスケットを介して電池缶の上部に配置し、蓋と電池缶とが接した部分をかしめて密閉することによって電池を得る。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
<バインダ樹脂溶液の製造>
バインダ樹脂溶液1
攪拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を装着した0.5リットルのセパラブルフラスコ内に、窒素雰囲気下、ポリアクリロニトリル27.0g((A)成分、アルドリッチ社製質量平均分子量82,600)、N-メチル-2ピロリドン270gを加え80℃で8時間攪拌して溶解した。溶解後、25℃まで冷却した後、アクリル酸ブチル3g((B)成分)を加えてバインダ樹脂溶液1を得た。
バインダ樹脂溶液2
ポリアクリロニトリル((A)成分)を25.0g、アクリル酸ブチル((B)成分)を5gとする以外は、バインダ樹脂溶液1と同様の方法でバインダ樹脂溶液2を得た。
バインダ樹脂溶液3
ポリアクリロニトリル((A)成分)を27.5gとし、アクリル酸ブチル((B)成分)の代わりにアクリル酸ラウリル2.5gを使用する以外は、バインダ樹脂溶液1と同様の方法でバインダ樹脂溶液3を得た。
バインダ樹脂溶液4
ポリアクリロニトリル((A)成分)を25.0gとし、アクリル酸ブチルの代わりに(B)成分としてアクリル酸ラウリル5gを使用する以外は、バインダ樹脂溶液1と同様な方法でバインダ樹脂溶液4を得た。
バインダ樹脂溶液5
攪拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を装着した0.5リットルのセパラブルフラスコ内に、窒素雰囲気下、アクリロニトリル27g、アクリル酸ラウリル1g、ペルオキソ二硫酸カリウム0.2g、水200gを加え80℃に昇温し、同温度で8時間攪拌した。反応終了後ろ過し、60℃で真空乾燥し、バインダ樹脂溶液の固形分((A)成分)29.7gを得た。この固形分の質量平均分子量をゲルパーミッションクロマトグラフィーで測定したところ、200,000であった。
得られた固形分27g、N-メチル-2ピロリドン270gを加え攪拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を装着した0.5リットルのセパラブルフラスコ内で80℃、3時間攪拌しながら溶解した。溶解後、25℃まで冷却した後、アクリル酸ブチル((B)成分)3gを加えてバインダ樹脂溶液5を得た。
バインダ樹脂溶液6
バインダ樹脂溶液5の項で得られたバインダ樹脂溶液の固形分((A)成分)25g、N-メチル-2ピロリドン270gを加え、攪拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を装着した0.5リットルのセパラブルフラスコ内で80℃、3時間攪拌しながら溶解した。溶解後、25℃まで冷却した後、アクリル酸ブチル((B)成分)5gを加えてバインダ樹脂溶液6を得た。
バインダ樹脂溶液7
バインダ樹脂溶液5の項で得られたバインダ樹脂溶液の固形分((A)成分)27.5g、N-メチル-2ピロリドン270gを加え、攪拌機、温度計、冷却管、留出管及び窒素ガス導入管を装着した0.5リットルのセパラブルフラスコ内で80℃、3時間攪拌しながら溶解した。溶解後、25℃まで冷却した後、アクリル酸ラウリル((B)成分)2.5gを加えてバインダ樹脂溶液7を得た。
<正極用電極の作製>
実施例1
正極用活物質としての平均粒径10μmのLi1.12 Mn1.88O4なる組成のリチウムマンガン複合酸化物と、導電助剤としての平均粒径3μmの炭素粉末と、バインダ樹脂溶液1とを、80:10:10の体積%(バインダ樹脂溶液の体積%は、バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分の体積%)の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンをバインダ樹脂溶液の固形分が4%になるように投入して混合し、スラリーを作製した。厚み20μmのアルミニウム箔の両面にこのスラリーを塗布し、120℃で10分間乾燥した。合剤層の塗布量は、乾燥質量で290g/m2とした。その後、合剤層のかさ密度が2.6g/cm3になるようにロールプレス機で圧延し、420mm×54mmに切断して短細状の正極用電極シートを作製した。得られた正極用電極シートの端部にアルミニウム製の集電タブを超音波溶着し、その後、バインダ樹脂溶液中の(B)成分の重合、電極シート内の残留溶媒、吸着水の除去のため、150℃で16時間真空乾燥して実施例1の正極用電極を得た。
実施例2〜7
バインダ樹脂溶液としてバインダ樹脂溶液2〜7を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜7の正極用電極を得た。
実施例8
正極用活物質としての平均粒径10μmのLiCoO2なる組成のリチウムコバルト複合酸化物と、導電助剤としての平均粒径3μmの炭素粉末と、バインダ樹脂溶液1とを80:10:10の体積%の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンをバインダ樹脂溶液の固形分が4%になるように投入して混合し、スラリーを作製した。厚み20μmのアルミニウム箔(集電体)の両面にこのスラリーを塗布し、120℃で10分間乾燥した。合剤層の塗布量は、乾燥質量で290g/m2とした。その後、合剤層のかさ密度が2.6g/cm3になるようにロールプレス機で圧延し、54mm幅に切断して短細状の正極用電極シートを作製した。得られた正極用電極シートの端部にアルミニウム製の集電体タブを超音波溶着し、その後、バインダ樹脂溶液中の(B)成分の重合、電極シート内の残留溶媒、吸着水の除去のため、150℃で16時間真空乾燥して実施例8の正極用電極を得た。
実施例9
正極用活物質としての平均粒径10μmのLiNiO2なる組成のリチウムコバルト複合酸化物と、導電助剤としての平均粒径3μmの炭素粉末と、バインダ樹脂溶液1とを80:10:10の体積%の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンをバインダ樹脂溶液の固形分が4%になるようにに投入して混合し、スラリーを作製した。厚み20μmのアルミニウム箔(集電体)の両面にこのスラリーを塗布し、120℃で10分間乾燥した。合剤層の塗布量は、乾燥質量で220g/m2とした。その後、合剤層のかさ密度が3.5g/cm3になるようにロールプレス機で圧延し、54mm幅に切断して短細状の正極用電極シートを作製した。得られた正極用電極シートの端部にアルミニウム製の集電体タブを超音波溶着し、その後、バインダ樹脂溶液中の(B)成分の重合、電極シート内の残留溶媒、吸着水の除去のため、150℃で16時間真空乾燥して実施例9の正極用電極を得た。
比較例1
正極用活物質としての平均粒径10μmのLi1.12Mn1.88O4なる組成のリチウムマンガン複合酸化物と、導電助剤としての平均粒径3μmの炭素粉末と、バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分に相当する成分としてのポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工業株式会社製#1120)とを80:10:10の体積%の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンをバインダ樹脂溶液の固形分が4%になるように投入して混合し、スラリーを作製した。厚み20μmのアルミニウム箔(集電体)の両面にこのスラリーを塗布し、120℃で10分間乾燥した。合剤層の塗布量は、乾燥質量で290g/m2とした。その後、合剤層のかさ密度が2.6g/cm3にロールプレス機で圧延し、54mm幅に切断して短細状の正極用電極シートを作製した。正極用電極シートの端部にアルミニウム製の集電体タブを超音波溶着し、その後、電極シート内の残留溶媒、吸着水の除去のため、150℃で16時間真空乾燥して比較例1の正極用電極を得た。
比較例2
正極用活物質として平均粒径10μmのLiCoO2なる組成のリチウムコバルト複合酸化物を用いた以外は、比較例1と同様にして比較例2の正極用電極を得た。
比較例3
正極用活物質として平均粒径10μmのLiNiO2なる組成のリチウムニッケル複合酸化物を用いた以外は、比較例1と同様にして比較例3の正極用電極を得た。
比較例4
バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分としてポリアクリロニトリル(アルドリッチ社製、質量平均分子量82,600)を用いた以外は、比較例1と同様にして比較例4の正極用電極を得た。
比較例5
正極用活物質として平均粒径10μのLiCoO2なる組成のリチウムコバルト複合酸化物を用いた以外は、比較例4と同様にして比較例5の正極用電極を得た。
比較例6
正極用活物質として平均粒径10μのLiNiO2なる組成のリチウムニッケル複合酸化物を用いた以外は、比較例4と同様にして比較例6の正極用電極を得た。
<負極用電極の作製>
実施例10
負極用活物質としての平均粒径20μmの非晶質炭素(呉羽化学工業株式会社製PIC(F))と、バインダ樹脂溶液1とを、90:10体積%(バインダ樹脂溶液の体積%は、バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分の体積%)の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンをバインダ樹脂溶液の固形分が4%になるように投入して混合し、スラリーを作製した。厚み10μmの銅箔(集電体)の両面にこのスラリーを塗布し、120℃で10分間乾燥した。合剤層の塗布量は、乾燥質量で片面65g/m2とした。合剤層のかさ密度が1.0g/cm3になるように、ロールプレス機で圧延し、56mm幅に切断して短細状の負極合剤電極シートを作製した。得られた負極用電極シートの端部にニッケル製の集電体タブを超音波溶着し、その後、バインダ樹脂溶液中の(B)成分の重合、電極シート内の残留溶媒、吸着水の除去のため、120℃で16時間真空乾燥して実施例10の負極用電極を得た。
実施例11〜16
バインダ樹脂溶液としてバインダ樹脂溶液2〜7を用いた以外は、実施例10と同様にして実施例11〜16の負極用電極を得た。
実施例17
負極用活物質としての平均粒径20μmの人造黒鉛(大阪ガス株式会社製MCMB)と、バインダ樹脂溶液1とを、90:10質量%(バインダ樹脂溶液の体積%は、バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分の体積%)の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンをバインダ樹脂溶液の固形分が4%になるように投入して混合し、スラリーを作製した。厚み10μmの銅箔(集電体)の両面にこのスラリーを塗布し、120℃で10分間乾燥した。合剤層の塗布量は、乾燥質量で片面70g/m2とした。その後、合剤層のかさ密度が1.5g/cm3になるようにロールプレス機で圧延し、56mm幅に切断して短細状の負極用電極シートを作製した。得られた負極用電極シートの端部にニッケル製の集電体タブを超音波溶着し、その後、バインダ樹脂溶液中の(B)成分の重合、電極シート内の残留溶媒、吸着水の除去のため、120℃で16時間真空乾燥して負極用電極を得た。
実施例18
負極用活物質としての平均粒径20μmの人造黒鉛(大阪ガス株式会社製MCMB)と、バインダ樹脂溶液1とを、90:10質量%(バインダ樹脂溶液の体積%は、バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分の体積%)の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンをバインダ樹脂溶液の固形分が4%になるように投入して混合し、スラリーを作製した。厚み10μmの銅箔(集電体)の両面にこのスラリーを塗布し、120℃で10分間乾燥した。合剤層の塗布量は、乾燥質量で片面75g/m2とした。その後、合剤層のかさ密度が1.5g/cm3になるようにロールプレス機で圧延し、56mm幅に切断して短細状の負極用電極シートを作製した。得られた負極用電極シートの端部にニッケル製の集電体タブを超音波溶着し、その後、バインダ樹脂溶液中の(B)成分の重合、電極シート内の残留溶媒、吸着水の除去のため、120℃で16時間真空乾燥して負極用電極を得た。
比較例7
負極用活物質としての平均粒径20μmの非晶質炭素と、バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分に相当する成分としてのポリフッ化ビニリデンとを、90:10体積%の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンをバインダ樹脂溶液の固形分が4%になるように投入して混合し、スラリーを作製した。厚み10μmの銅箔(集電体)の両面にこのスラリーを塗布し、120℃で10分間乾燥した。合剤層の塗布量は、乾燥質量で片面65g/m2とした。合剤層のかさ密度は、1.0g/cm3になるように、ロールプレス機で圧延し、56mm幅に切断して短細状の負極用電極シートを作製した。得られた負極用電極シートの端部にニッケル製の集電体タブを超音波溶着し、その後、電極シート内の残留溶媒、吸着水の除去のため、120℃で16時間真空乾燥して負極用電極を得た。
比較例8
負極用活物質としての平均粒径20μmの非晶質炭素と、バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分に相当する成分としてのポリフッ化ビニリデンとを、90:10体積%の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンをバインダ樹脂溶液の固形分が4%になるように投入して混合し、スラリーを作製した。厚み10μmの銅箔(集電体)の両面にこのスラリーを塗布し、120℃で10分間乾燥した。合剤層の塗布量は、乾燥質量で片面50g/m2とした。合剤層のかさ密度は、1.0g/cm3になるように、ロールプレス機で圧延し、56mm幅に切断して短細状の負極用電極シートを作製した。得られた負極用電極シートの端部にニッケル製の集電体タブを超音波溶着し、その後、電極シート内の残留溶媒、吸着水の除去のため、120℃で16時間真空乾燥して負極用電極を得た。
比較例9
バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分に相当する成分としてバインダ樹脂溶液1の代わりにてポリフッ化ビニリデン樹脂を用いた以外は、実施例18と同様にして負極用電極を得た。
比較例10
バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分に相当する成分としてポリアクリロニトリル(アルドリッチ社製、質量平均分子量82,600)を用いた以外は、比較例7と同様にして負極用電極を得た。
比較例11
バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分に相当する成分としてポリアクリロニトリル(アルドリッチ社製、質量平均分子量82,600)を用いた以外は、比較例9と同様にして負極用電極を得た。
<評価>
各実施例及び比較例の電極に剥離及びクラックが生じているかを目視で確認し評価した。また、耐電解液性を評価するため、電解液として、濃度が1MとなるようなLiPF6を溶解したエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=1/2(体積比)の混合液(キシダ化学製)を用い、この混合液に実施例又は比較例の電極を50℃、24時間浸漬した。浸漬後の電極の状態を、電子顕微鏡(倍率1000倍)を使用して、外観異常の有無を評価した。これらの結果を表1に示す。






























表1
Figure 2006040800
表1に示す通り、ポリフッ化ビニリデンをバインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分としてとして用いた場合(比較例1〜3及び7〜9)、上記耐電解液性の試験において電解液に浸漬すると、集電体表面のバインダ樹脂が膨潤し、集電体から剥離したり、バインダ樹脂表面に現れていた活物質がバインダ樹脂中にとりこまれてこの樹脂によって被覆される状況が観察された。ポリアクリロニトリルをバインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分として用いた場合(比較例4〜6、10及び11)、合剤層の可とう性が不足しているため、合剤層がプレス時に集電体から剥離した。従って、耐電解液性評価およびその後の電池作製は行わなかった。これらに対して実施例1〜17は、バインダ樹脂の電解液に対する耐性が向上し、これらの現象は観察されなかった。
<電池の作製>
下記表2に示す組み合わせの実施例又は比較例の正極用電極並びに負極用電極を、厚さ25μm幅58mmのポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを介して捲回し、スパイラル状の捲回群を作製した。この捲回群を電池缶に挿入し、予め負極集電体に溶接しておいたタブ端子を電池缶底に溶接した。次に、エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=1/2(体積比)で混合した溶液にLiPF6を1mol/lの濃度で溶解した電解液5mlを電池容器注入した。その後、予め正極集電体に溶接しておいたタブ端子を電池の蓋に溶接して、蓋を絶縁性のガスケットを介して電池缶の上部に配置させ、電池缶と蓋とをかしめて密閉し、直径18mm、高さ65mmの円筒形電池を作製した。
<電池の評価>
電池1〜15及び比較電池1を、充電電流400mA、制限電圧4.2Vで定電圧充電した後、放電電流800mAで放電終止電圧2.7Vにいたるまで放電して初回容量を測定した。
電池16及び18、並びに比較電池2を、充電電流750mA、制限電圧4.2Vで定電圧充電した後、充電電流1500mAで放電終止電圧2.5Vに至るまで放電して初回容量を測定した。
電池17及び19、並びに比較電池3を、充電電流900mA、制限電圧4.15Vで定電圧充電した後、充電電流1800mAで放電終止電圧3.0Vに至るまで放電して初回容量を測定した。
これらの条件での充電・放電を1サイクルとして周囲温度50℃において充電・放電を繰り返し、放電用量が初回放電用量の70%に至ったときのサイクル数を寿命サイクル数とした。結果を表2に示す。
表2
Figure 2006040800
表2からわかるように、活物質としてマンガン酸リチウム、バインダ樹脂溶液中のバインダ樹脂成分としてポリフッ化ビニリデン樹脂を用いた正極と、活物質として非晶質炭素、バインダ樹脂成分としてポリフッ化ビニリデン樹脂を用いた負極とを組み合わせた比較電池1は、50サイクルで寿命にいたっているのにもかかわらず、正極、負極少なくとも一方の電極のバインダ樹脂を本発明によるバインダ樹脂溶液を用いて作製した電池(電池1〜11)は、200サイクル以上と寿命が延びている。特に、負極用電極に本発明のバインダ樹脂溶液を用いた電池(電池1,3,4,6,8,10,12,14)は、PVDFを用いたもの(比較電池1〜3)と比較して、サイクル寿命特性が向上している。寿命後の電池を解体すると、比較電池1は、負極の合剤層が集電体から剥離し、この部分に金属リチウムの析出が確認された。一方、本発明のバインダ樹脂溶液を用いて作製した電極では、金属リチウムの析出は見られなかった。このことから、本発明のバインダ樹脂溶液を用いて作製した電池は、電極集電体と合剤層界面及び活物質相互間の優れた密着性を維持し、もって容量低下を小さく抑えられるものと考える。

Claims (11)

  1. (A)ニトリル基を含有するポリマー、(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマー、及び溶媒を含有することを特徴とするリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液。
  2. (A)ニトリル基を含有するポリマーがアクリロニトリル又はメタクリロニトリルのホモポリマー及び/又はこれらのコポリマーである、請求項1記載のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液。
  3. (B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーが一般式(Ι)で示される請求項1又は2記載のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液。
    Figure 2006040800
    (式中、R1はH又はCH3、R2は炭素数1〜100の炭化水素基である)
  4. R2が炭素数1〜50の飽和脂肪族炭化水素基である、請求項1〜3記載のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液。
  5. (A)成分を100質量部とした場合、(B)成分を1〜50質量部含有する、請求項1記載のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液。
  6. 集電体と、該集電体の少なくとも1面に設けた合剤層とを有し、該合剤層が、以下の工程:
    (a)請求項1〜5のいずれか1項記載のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液と活物質とを含むスラリーを前記集電体上に塗布する工程;
    (b)塗布されたスラリーから溶媒を除去する工程;及び、
    (c)(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーを重合する工程、
    から得られるものである、リチウム電池用電極。
  7. 前記活物質が充放電により可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものである、請求項6記載のリチウム電池用電極。
  8. 前記活物質が負極用活物質であり、該負極用活物質が炭素材料である、請求項6〜7のいずれか1項記載のリチウム電池用電極。
  9. 前記活物質が正極用活物質であり、該正極用活物質がリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、及びこれらの2種以上の混合物から選択される、請求項6〜7のいずれか1記載のリチウム電池用電極。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項記載のリチウム電池用電極を含む、リチウム電池。
  11. リチウム電池用電極を製造する方法であって、以下の工程:
    (a)請求項1〜5のいずれか1項記載のリチウム電池電極用バインダ樹脂溶液と活物質とを含むスラリーを集電体の少なくとも1面に塗布する工程;
    (b)塗布されたスラリーから溶媒を除去する工程;及び、
    (c)(B)アクリルモノマー及び/又はメタクリルモノマーを重合する工程、
    を有することを特徴とする、リチウム電池用電極を製造する方法。
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