JP2006040702A - イオン発生装置、その製造方法および使用方法 - Google Patents

イオン発生装置、その製造方法および使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 イオン化に要する電圧が低く、部品点数が少ないコンパクトなイオン発生装置を提供する。
【解決手段】 本発明のイオン発生装置は、電気絶縁性基板と、電気絶縁性基板上に板状電極を有し、板状電極は、中央電極と、中央電極を取り囲むように構成され、中央電極に対向する周辺電極とを備え、互いに対向する中央電極および周辺電極のいずれか一方は、対向する電極に向かって突出する突起電極を有し、電気絶縁性基板は、中央電極と、中央電極を取り囲む周辺電極との間に、空気を供給するための貫通孔を備え、中央電極と周辺電極とを接続する電気配線を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気清浄機、除菌装置およびアレルギ対策などのための健康器具にしばしば使用されるイオン発生装置に関する。
マイナスイオンは、健康によい影響を与えるため、イオン発生装置が空気清浄機などに使用されている。このイオン発生装置は、一方に面状電極を、他方に面状電極に対向する針状のイオン発生用電極を備え、イオン発生電極に負の電位をかけ、面状電極に正の電位を印加することによってマイナスイオンを発生する。
このイオン発生装置は、イオン発生電極がステンレスでできているため、使用に伴い、イオン発生電極の先端が消耗し、イオンの発生量が減少しやすい。また、イオンを効率的に発生させるために、イオン発生電極には針状電極を用いるが、針状電極は金属製基板に針を植え込んで形成するため、製造が難しく、製造コストが高い。
かかる課題を解決するため、イオン発生電極を、複数の鋸歯を有するニッケル板とし、鋸歯の先端角を45°以下に調製し、面状電極の上面に一体的にセラミックス製誘電体板を形成したイオン発生装置が知られている(特許文献1参照)。このイオン発生装置では、イオン発生電極がニッケル製であるために電極先端の消耗が少なく、鋸歯状であるために製造が容易であるとある。
イオン発生装置の他の例を、図6に模式的に示す。このイオン発生装置は、水タンク62と、セラミックス端子61と、高電圧回路63とからなる。水タンク62内に水を入れると、毛細管現象により、水タンク62内の水がセラミックス端子61の先端61aにまで運ばれる。高電圧回路63によりセラミックス端子61にマイナス6000Vの高電圧をかけると、セラミックス端子の先端61aに電荷が集中し、吸い上げられている水に大きなエネルギを与えるため、水は分裂を繰り返し、微粒子化する。このレイリー分裂の際、同時に生成するラジカルが水微粒子内に取り込まれ、水微粒子と共に空気中に飛散する。飛散する水微粒子の直径は18nmであり、20兆個/秒の水微粒子が発生する(非特許文献1参照)。
この水微粒子は強い電位を有するイオンであり、水微粒子に含まれるラジカルが脱臭作用および除菌作用を発揮するため、様々な空気浄化効果を奏する。たとえば、フィルタ脱臭では取れないような空気中の臭い成分、衣類、カーテンおよび壁などに染み込んだ臭い成分を水微粒子内に包み込み、ラジカルにより分解し、脱臭する。また、空気中のウィルスおよびカビなどを水微粒子内に取り込み、ラジカルで分解して、除菌する。同様に、花粉などの抗原を不活性化し、花粉症などのアレルギ性疾患を治癒する。
特開平6−109274号公報 "花粉症の原因となる花粉の抗原の不活性化などに成功"、[on line]、2003年8月6日、[2004年3月17日検索]、インターネット<URL:http://www.mew.co.jp/press/0308/0308-3.htm>
しかし、上述のイオン発生装置はいずれも、複数の部品を組み立てて製造するため製造コストが高い。また、それらの部品は金属板の打ち抜きなどの機械加工により製造するため、部品の小型化が難しい。特に、微細な電極の製造が難しいため電極先端での電荷の集中が起こりにくく、イオン発生に高電圧を要する。
本発明の課題は、イオン化に要する電圧が低く、部品点数の少ないイオン発生装置を提供することにある。
本発明のイオン発生装置は、電気絶縁性基板と、電気絶縁性基板上に板状電極とを有し、
板状電極は、中央電極と、中央電極を取り囲むように構成され、中央電極に対向する周辺電極とを備え、
互いに対向する中央電極および周辺電極のいずれか一方は、対向する電極に向かって突出する突起電極を有し、
電気絶縁性基板は、中央電極と、中央電極を取り囲む周辺電極との間に、空気を供給するための貫通孔を備え、
中央電極と周辺電極とを接続する電気配線を有することを特徴とする。
突起電極は、突出する方向に向かって、その先端に至るまで開裂するスリットを有し、スリットは水供給部に連通し、表面張力によりスリット内に水を保持するように構成されている態様が好ましい。突起電極の先端の曲率半径は50μm以下が好適である。
突起電極は、ニッケル、銅、パラジウム、ロジウムもしくは白金またはこれらの金属を含む合金からなる態様が好ましい。また、突起電極は、ニッケルもしくは銅またはこれらの金属を含む合金からなり、パラジウム、ロジウムもしくは白金またはこれらの金属を含む合金製コート層を有する態様が好ましい。また、金属製コート層を有するセラミックスからなる態様が好ましい。セラミックスは、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素またはガラスが好適であり、コート層は、パラジウム、ロジウムもしくは白金またはこれらの金属を含む合金からなるものが好ましい。
本発明のイオン発生装置の製造方法は、第1の局面によれば、突起電極を、
金型により樹脂型を形成する工程と、
導電性基板上で、樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成する工程と、
研磨または研削する工程と、
樹脂型を除去する工程と、
導電性基板を除去する工程と
を含む方法により製造することを特徴とする。
本発明のイオン発生装置の製造方法は、第2の局面によれば、突起電極を、
リソグラフィにより樹脂型を形成する工程と、
導電性基板上で、樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成する工程と、
研磨または研削する工程と、
樹脂型を除去する工程と、
導電性基板を除去する工程と
を含む方法により製造することを特徴とする。
本発明のイオン発生装置の製造方法は、第3の局面によれば、突起電極を、
金型により樹脂型を形成する工程と、
樹脂型にセラミックススラリを充填し、乾燥する工程と、
樹脂型を除去する工程と、
焼成によりセラミックス構造体を形成する工程と、
研磨または研削する工程と、
セラミックス構造体に金属製コート層を形成する工程と
を含む方法により製造することを特徴とする。
本発明のイオン発生装置の使用方法は、中央電極と周辺電極との間に電圧を印加することにより、突起電極の先端にイオンを発生させることを特徴とする。
本発明によれば、高精度で微細な突起電極を有し、イオン化電圧の低い小型のイオン発生装置を提供することができる。また、部品点数が少ないイオン発生装置を低コストで提供することができる。
(イオン発生装置)
本発明のイオン発生装置の典型的な例を図1に示す。このイオン発生装置は、図1(a)に示すように、電気絶縁性基板1と、電気絶縁性基板1上に板状電極2とを有し、板状電極2は、中央電極3と、中央電極3を取り囲むように構成され、中央電極3に対向する周辺電極4とを備え、中央電極3は、対向する周辺電極4に向かって突出する突起電極5を有する。電気絶縁性基板1は、中央電極3と、中央電極を取り囲む周辺電極4との間に、空気を供給するための貫通孔6を備え、中央電極3と周辺電極4とを接続する電気配線(図示していない。)を有する。本発明のイオン発生装置を使用し、中央電極3と周辺電極4との間に電圧を印加することにより、突起電極5の先端にイオンを発生させることができる。
本発明のイオン発生装置の別の態様を図2に例示する。このイオン発生装置は、図2(a)に示すように、周辺電極24が、対向する中央電極23に向かって突出する突起電極25を有する。このように本発明のイオン発生装置においては、互いに対向する中央電極および周辺電極のいずれか一方が、対向する電極に向かって突出する突起電極を有する。図2(a)に示すイオン発生装置も、図1(a)に示すイオン発生装置と同様に、電気絶縁性基板21と、板状電極22を有し、電気絶縁性基板21は、中央電極23と、中央電極を取り囲む周辺電極24との間に、空気を供給するための貫通孔26を備え、中央電極23と周辺電極24とを接続する電気配線(図示していない。)を有する。
図1(b)に、突起電極5が、突出する方向に向かって、その先端5aに至るまで開裂するスリットを有し、スリットが水供給部5bに連通し、表面張力によりスリット内に水を保持するように構成されている態様を示す。同様に、図2(b)には、突起電極25が、突出する方向に向かって、その先端25aに至るまで開裂するスリットを有し、スリットが水供給部25bに連通し、表面張力によりスリット内に水を保持するように構成されている態様を示す。
水供給部からの水は、表面張力により、毛細管現象を利用してスリット内に保持されるため、別途、ポンプなどを設ける態様と比較して、装置の小型化および軽量化を図ることができる。水供給部における装置外からの給水を、表面張力により行なう態様とすることも可能であり、装置の小型化および軽量化を図ることができる。
突起電極の先端と、突起電極が突出する方向に位置する中央電極または周辺電極との距離は、突起電極の仕様および印加電圧などにより異なるが、一般的には、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。1mm未満になると、イオン発生に有効なコロナ放電が減少し、イオン発生に適さないスパーク放電が起こりやすくなり、イオンの発生量が低くなる。また、突起電極の先端と、突起電極が突出する方向に位置する電極との距離は、イオン化に要する電圧を低く抑える点で、10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。
突起電極の先端の曲率半径は、イオン化に要する電圧を低く抑える点で、50μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。後述する本発明の製造方法によれば、かかる鋭利な先端を容易に、再現性よく形成することができる。また、図1(b)に示すように、突起電極の厚さTは、イオン発生量を増加させる点で、500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましい。一方、機械的強度を保持する点で、突起電極の厚さTは、50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましい。一方、水を供給する場合、1スリットあたりに供給可能な水の量を多くできることから、厚さTは厚いほど好ましく、ラジカル(イオン)を含んだナノ水粒子を、消臭効果が得られる10兆個/秒以上発生させるため、厚さTは200μm以上が特に好ましい。
(イオン発生装置の製造方法)
本発明のイオン発生装置の製造方法は、リソグラフィにより樹脂型を形成する工程と、導電性基板上で樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成する工程と、研磨または研削する工程と、樹脂型を除去する工程と、導電性基板を除去する工程とを含む方法により突起電極を製造することを特徴とする。
金属板の打抜きなどの機械加工では、±10μm程度の精度しか得られないが、本発明の方法によれば、±1μmの高精度の構造体を再現性よく製造することができ、材料組成も均一である。また、機械加工により製造しようとすると、装置の微細化に限界があるが、本発明の方法によれば、先端の曲率半径が50μm以下の鋭利で微細な突起電極を製造することができる。したがって、イオンを発生する突起電極の先端に大きな電荷集中を得ることができ、低電圧でイオンを発生するコンパクトなイオン発生装置を提供できる。また、本発明の方法によれば、表面張力により水を保持する微細なギャップを有するスリット、およびスリットに連通し、毛細管現象を利用して水を吸い上げる水供給部などの微細構造体を容易に製造することができる。
中央電極が突起電極を有するときは、突起電極と中央電極を一体形成する態様が、部品点数を減らし、部品コストおよび組立てコストを低減する点で好ましい。同様に、周辺電極が突起電極を有するときは、突起電極と周辺電極を一体形成する態様が好ましい。
本発明の製造方法は、図4(a)に示すように、まず、導電性基板41上に樹脂層42を形成する。導電性基板として、たとえば、銅、ニッケル、ステンレス鋼などからなる金属製基板を使用することができる。また、チタン、クロムなどの金属材料をスパッタリングしたシリコン基板などを用いることもできる。
樹脂層には、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのポリメタクリル酸エステルを主成分とする樹脂材料、または紫外線(UV)もしくはX線に感受性を有する化学増幅型樹脂材料などを用いる。樹脂層の厚さは、形成しようとする突起電極の厚さに合せて任意に設定することができ、たとえば、50μm〜550μmとすることができる。
つぎに、樹脂材料42上にマスク43を配置し、マスク43を介してUVまたはX線44などを照射する。本発明の製造方法においては、高いアスペクト比を有する突起電極が得られる点で、UV(波長200nm)より短波長であるX線(波長0.4nm)を使用するのが好ましい。また、X線の中でも指向性の高いシンクロトロン放射のX線(以下、「SR」という。)を使用する態様がより好ましい。SRを用いるLIGA法は、ディープなリソグラフィが可能であり、厚さ数100μmの突起電極をミクロンオーダの高精度で大量に製造することができる。
マスク43は、UVまたはX線44などの吸収層43aと、透光性基材43bとからなり、吸収層43aは、突起電極のパターンに応じて形成する。透光性基材43bには、窒化シリコン、シリコン、ダイヤモンド、チタンなどを用いる。また、吸収層43aには、金、タングステン、タンタルなどの重金属またはその化合物などを用いる。X線44の照射により、樹脂層42のうち、樹脂層42aは露光され変質するが、樹脂層42bは吸収層43aにより露光されない。このため、ポジ型樹脂の場合、現像により、露光されて変質(分子鎖が切断)した部分のみが除去され、図4(b)に示すような、樹脂層42bからなる樹脂型が得られる。
つぎに、電鋳を行ない、図4(c)に示すように、樹脂型に金属材料層45を堆積する。電鋳とは、金属イオン溶液を用いて導電性基板上に金属材料からなる層を形成することをいう。導電性基板41をめっき電極として電鋳を行なうことにより、樹脂型に金属材料層45を堆積することができる。金属材料は、ニッケル、銅、パラジウム、ロジウムもしくは白金またはこれらの金属を含む合金が、イオン発生時における突起電極の先端の消耗が減らし、イオン発生量を高く維持できる点で好ましい。
樹脂型の空孔部が埋まる程度に金属材料層45を堆積する場合、堆積した金属材料層から、最終的に本発明のイオン発生装置に使用する突起電極を得ることができる。また、樹脂型の高さを超え、樹脂型上にも金属材料を堆積すると、樹脂型および導電性基板41を除去することにより、空孔部を有する金属微細構造体が得られ、得られた構造体を金型として、後述する金型を利用する本発明のイオン発生装置の製造方法において有効に使用することができる。
電鋳後、研磨または研削により所定の厚さに揃えると、図4(d)に示すような金属微細構造体が得られる。その後、図4(e)に示すように、ウェットエッチングまたはプラズマエッチングにより樹脂型を除去する。つづいて、酸もしくはアルカリによりウェットエッチングし、または機械加工により導電性基板41を除去すると、図4(f)に示すような突起電極を得ることができる。
得られる金属構造体には、必要に応じて、コート層を形成することができる。たとえば、ニッケルもしくは銅またはこれらの金属を含む合金をベースとし、パラジウム、ロジウムもしくは白金またはこれらの金属を含む合金製コート層を有する突起電極とすると、イオン発生時において突起電極の先端の消耗が少なく、イオン発生量を高く維持できる点で好ましい。コーティングは、無電解メッキ、スパッタリングまたは蒸着などにより行なうことができ、たとえば厚さ0.05μm〜1μmのコート層を形成する。
つぎに、電気絶縁性基板を切削し、空気を供給するための貫通孔を形成する。電気絶縁性基板は、アルミナセラミックスまたはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などからなるものを用いることができる。その後、周辺電極と突起電極を一体形成する場合は、突起電極付きの周辺電極と中央電極を電気絶縁性基板上に配置し、接着剤などで固定する。また、中央電極と突起電極を一体形成する場合は、突起電極付き中央電極と周辺電極を電気絶縁性基板上に配置する。その他の場合も同様に、電極を電気絶縁性基板上に配置し、固定する。最後に、中央電極と周辺電極とを電気配線により接続すると本発明のイオン発生装置を得ることができる。
本発明のイオン発生装置の製造方法の他の態様は、金型により樹脂型を形成する工程と、導電性基板上で樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成する工程と、研磨または研削する工程と、樹脂型を除去する工程と、導電性基板を除去する工程とを含む方法により突起電極を製造することを特徴とする。
かかる方法によっても、リソグラフィにより樹脂型を形成する前述の製造方法と同様に、高精度の微細構造体を再現性よく製造することができるため、突起電極の先端において大きな電荷集中が得れれ、低電圧でイオンを発生するコンパクトなイオン発生装置を提供できる。さらに、同一の金型を用いて、突起電極の大量生産が可能である。電極の一体形成により、部品点数を減らし、部品コストおよび組立てコストを低減できる点は前述と同様である。
かかる製造方法は、図5(a)に示すとおり、凸部を有する金型52を用いて、エンボス成形、反応性成形または射出成型などのモールドにより、図5(b)に示すような凹状の樹脂型53を形成する。樹脂としては、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオキシメチレンなどのポリアセタール樹脂などの熱可塑性樹脂を用いる。金型52は、本発明の突起電極と同様の金属微細構造体であるため、リソグラフィ法と電鋳を組み合せた上述の方法により好ましく製造することができる。また、切削成形などにより製造することも可能である。
つぎに、樹脂型53の上下を反転した後、図5(c)に示すように、導電性基板51に貼り付ける。続いて、図5(d)に示すように、樹脂型53を研磨し、樹脂型53aを形成する。その後は前述と同様に、電鋳により樹脂型53aに金属材料層55を堆積し(図5(e))、研磨または研削により厚さを調整した後(図5(f))、樹脂型53aを除去し(図5(g))、導電性基板51を除去すると、図5(h)に示すような突起電極が得られる。得られる突起電極には、必要に応じて、前述と同様のコート層を形成することができる。
つぎに、前述と同様に、電気絶縁性基板を切削し、空気を供給するための貫通孔を形成する。その後、各電極を電気絶縁性基板上に配置し、接着剤などで固定する。最後に、中央電極と周辺電極とを電気配線により接続すると本発明のイオン発生装置を得ることができる。
本発明のイオン発生装置の製造方法の他の態様は、金型により樹脂型を形成する工程と、樹脂型にセラミックススラリを充填し、乾燥する工程と、樹脂型を除去する工程と、焼成によりセラミックス構造体を形成する工程と、研磨または研削する工程と、セラミックス構造体に金属製コート層を形成する工程とを含む方法により突起電極を製造することを特徴とする。
かかる方法によって、金属製コート層を有するセラミックスからなる突起電極が得られ、高精度の微細構造体を再現性よく製造することができるため、突起電極の先端における電荷集中が大きく、低い電圧でイオンを発生するコンパクトなイオン発生装置を提供できる。さらに、同一の金型を用いて、突起電極の大量生産が可能である。電極の一体形成により、部品点数を減らし、部品コストおよび組立てコストを低減できる。
かかる製造方法は、図3(a)に示すとおり、凸部を有する金型32を用いて、エンボス成形、反応性成形または射出成型などのモールドにより、図3(b)に示すような凹状の樹脂型33を形成する。樹脂としては、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオキシメチレンなどのポリアセタール樹脂などの熱可塑性樹脂を用いる。金型32は、リソグラフィ法と電鋳を組み合せた上述の方法または切削成形などの方法により製造する。
つぎに、図3(c)に示すように、樹脂型33にセラミックススラリ36aを充填し、乾燥する。セラミックスは、成形性、機械的強度および絶縁性が良好である点で、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素またはガラスが好ましい。かかる粉末に溶媒としてエタノールを配合し、スラリ化する。つづいて、樹脂型33を酸素プラズマアッシングにより除去し(図3(d))、たとえばアルゴンの雰囲気下、1300℃〜1500℃で焼成し、図3(e)に示すようなセラミックス構造体36bを形成する。
その後、所定の厚さに調整するために、セラミックス構造体36bを研磨または研削して、図3(f)に示すようなセラミックス構造体36Cを得、つづいてセラミックス構造体36cの表面に金属製コート層37を形成すると、図3(g)に示すような微細構造体が得られる。この微細構造体は、本発明のイオン発生装置用の突起電極として有用である。また、金属製コート層37の材質を、パラジウム、ロジウムもしくは白金またはこれらの金属を含む合金とすることにより、イオン発生時に突起電極の先端の消耗を減らし、イオン発生量を高く維持できる。コーティングは、無電解メッキ、スパッタリングまたは蒸着などにより行なうことができ、たとえば厚さ0.05μm〜1μmのコート層を形成する。
実施例1
まず、図4(a)に示すように、導電性基板41上に樹脂層42を形成した。導電性基板としては、チタンをスパッタリングしたシリコン基板を用いた。樹脂層を形成する材料は、メタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体を用い、樹脂層の厚さは180μmとした。
つぎに、樹脂層42上にマスク43を配置し、マスク43を介してX線44を照射した。X線としては、SRを照射した。マスク43は、突起電極付き中央電極のパターンを有し、透光性基材43bは窒化シリコンからなり、吸収層43aは窒化タングステンからなるものを用いた。
X線44の照射後、メチルイソブチルケトンにより現像し、X線44により変質した部分を除去すると、図4(b)に示すような樹脂層42bからなる樹脂型が得られた。つぎに、電鋳を行ない、樹脂型の空孔部に金属材料層45を堆積した(図4(c))。金属材料としてはニッケルを用いた。
電鋳後、研磨して表面の凹凸を除去するとともに、厚さを150μmに整え(図4(d))、酸素プラズマアッシングにより樹脂型を除去した後(図4(e))、KOH水溶液によりウェットエッチングし、導電性基板41を除去して、図4(f)に示すような、突起電極付き中央電極を得た。
この突起電極は、中央電極に5本形成しており、中央電極から突出する方向に向かって、その先端に至るまで開裂するスリットを有していた。また、スリットは水供給部に連通し、スリットの空隙は15μmであり、突起電極の先端の曲率半径は5μmであった。
つぎに、アルミナセラミックスシートを切削し、空気を供給するための貫通孔を形成した。その後、打ち抜きにより形成した厚さ150μmのニッケル製周辺電極と、突起電極付き中央電極を、アルミナシート上に配置し、接着剤で固定した。突起電極の先端と、対向する周辺電極との距離は、10mmとした。最後に、中央電極と周辺電極とを電気配線により接続すると、図1(a)に示すような本発明のイオン発生装置を得ることができた。
まず、水を供給せず、マイナスイオンを発生するために必要な印加電圧を調べるため、得られたイオン発生装置の中央電極側がマイナスとなるように電圧を印加し、装置から5cm離れたところで発生するイオンを検出した。検出の結果、500V以上の電圧を印加することによりマイナスイオンが発生した。本明細書の背景技術の欄において紹介する非特許文献1のイオン発生装置では、イオンを発生するために6000Vの高電圧を必要とし、1000V以下の低電圧ではイオンが発生しないことと比較し、本発明のイオン発生装置では、突起電極の先端が極めて鋭利に調製されているため、先端部における電荷集中が起こりやすく、低電圧でイオンが発生したものと考察された。また、本発明のイオン発生装置は、従来のイオン発生装置に比べて、小型化が容易であることがわかった。
つぎに、図1(b)に示すように、水供給部5bを介して、外部から水を供給すると、直ちに表面張力により突起電極の先端5aにまで水が浸出し、スリット内に水が保持されるのが観察された。つづいて、電圧を印加し始めると、1000V以下でイオン化した水微粒子が発生した。前述の非特許文献1のイオン発生装置では、イオンを発生するために6000Vの高電圧を必要とし、2000V以下の低電圧では水微粒子を発生できないことと比較し、本発明のイオン発生装置では、低電圧でイオン化した水微粒子を発生することがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明により、イオン化に要する電圧が低く、部品点数が少ないイオン発生装置を提供することができる。
本発明のイオン発生装置の斜視図である。 本発明のイオン発生装置の斜視図である。 本発明のイオン発生装置の突起電極の製造方法を示す工程図である。 本発明のイオン発生装置の突起電極の製造方法を示す工程図である。 本発明のイオン発生装置の突起電極の製造方法を示す工程図である。 従来のイオン発生装置の構造を示す模式図である。
符号の説明
1,21 電気絶縁性基板、2,22 板状電極、3,23 中央電極、4,24 周辺電極、5,25 突起電極、6,26 貫通孔、32,52 金型、33 樹脂型、36a セラミックススラリ、36b,36c セラミックス構造体、37 金属製コート層、41,51 導電性基板、43 マスク、44 X線、45,55 金属材料層。

Claims (11)

  1. 電気絶縁性基板と、該電気絶縁性基板上に板状電極とを有するイオン発生装置であって、
    板状電極は、中央電極と、該中央電極を取り囲むように構成され、中央電極に対向する周辺電極とを備え、
    互いに対向する中央電極および周辺電極のいずれか一方は、対向する電極に向かって突出する突起電極を有し、
    電気絶縁性基板は、中央電極と、該中央電極を取り囲む周辺電極との間に、空気を供給するための貫通孔を備え、
    中央電極と周辺電極とを接続する電気配線を有することを特徴とするイオン発生装置。
  2. 突起電極は、突出する方向に向かって、その先端に至るまで開裂するスリットを有し、該スリットは水供給部に連通し、表面張力によりスリット内に水を保持するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
  3. 突起電極は、先端の曲率半径が50μm以下である請求項1または2に記載のイオン発生装置。
  4. 突起電極が、ニッケル、銅、パラジウム、ロジウムもしくは白金またはこれらの金属を含む合金からなる請求項1〜3のいずれかに記載のイオン発生装置。
  5. 突起電極が、ニッケルもしくは銅またはこれらの金属を含む合金からなり、パラジウム、ロジウムもしくは白金またはこれらの金属を含む合金製コート層を有する請求項4に記載のイオン発生装置。
  6. 突起電極が、金属製コート層を有するセラミックスからなる請求項1〜3のいずれかに記載のイオン発生装置。
  7. セラミックスが、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素またはガラスからなり、コート層が、パラジウム、ロジウムもしくは白金またはこれらの金属を含む合金からなる請求項6に記載のイオン発生装置。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のイオン発生装置の製造方法であって、イオン発生装置における突起電極を、
    金型により樹脂型を形成する工程と、
    導電性基板上で、前記樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成する工程と、
    研磨または研削する工程と、
    樹脂型を除去する工程と、
    導電性基板を除去する工程と
    を含む方法により製造することを特徴とするイオン発生装置の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載のイオン発生装置の製造方法であって、イオン発生装置における突起電極を、
    リソグラフィにより樹脂型を形成する工程と、
    導電性基板上で、前記樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成する工程と、
    研磨または研削する工程と、
    樹脂型を除去する工程と、
    導電性基板を除去する工程と
    を含む方法により製造することを特徴とするイオン発生装置の製造方法。
  10. 請求項1〜3、6または7のいずれかに記載のイオン発生装置の製造方法であって、イオン発生装置における突起電極を、
    金型により樹脂型を形成する工程と、
    前記樹脂型にセラミックススラリを充填し、乾燥する工程と、
    樹脂型を除去する工程と、
    焼成によりセラミックス構造体を形成する工程と、
    研磨または研削する工程と、
    セラミックス構造体に金属製コート層を形成する工程と
    を含む方法により製造することを特徴とするイオン発生装置の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載のイオン発生装置において、中央電極と周辺電極との間に電圧を印加することにより、突起電極の先端にイオンを発生させることを特徴とするイオン発生装置の使用方法。
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