JP2005116204A - 放電装置および空気浄化装置 - Google Patents

放電装置および空気浄化装置 Download PDF

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完治 茂木
Toshio Tanaka
利夫 田中
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Abstract

【課題】放電電極の耐用性を向上させ、装置の信頼性を向上させることである。
【解決手段】放電電極(13)と該放電電極(13)と対峙した対向電極(14)とを備えている。上記放電電極(13)は、電極基板(13a)と該電極基板(13a)の厚さ方向の両端面から対向電極(14)に向かって突出して鋸歯状に形成された複数の放電部(13b)とを備えている。上記放電部(13b)は、平面視三角形の板状に形成されると共に、電極基板(13a)側の基端部が先端よりも厚肉に形成され、さらに放電部(13b)の厚さが先端から基端部に向かって徐々に厚くなるようにテーパ面(13d)が形成されている。これにより、放電部(13b)の先端から基端部に向かう方向における断面積の増大率が大きくなるので、放電による放電部(13b)先端の後退量が抑制される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プラズマを発生させる放電装置および空気浄化装置に関し、特に、放電装置の耐用性の向上対策に係るものである。
従来より、空気中に含まれる臭気成分や有害成分を除去する空気浄化装置において、放電装置を備えたものが知られている。この空気浄化装置では、放電装置によって生成される低温プラズマ中の活性種(例えば、電子、イオン、オゾンおよびラジカルなど)の作用により、臭気成分や有害成分が分解除去される。
このような空気浄化装置の放電装置は、針状の放電電極(正極)と該放電電極に対峙した面状の対向電極(負極)とを備えている。そして、この両電極に放電電圧を印可することによって該両電極の間で低温プラズマを発生させている。
ところで、上記放電電極は、針状、つまり円錐形状に形成されているために、円錐面の加工に研磨加工が必要となり、どうしても加工費が高くつくという問題があった。
そこで、上記放電電極が板状に形成された、いわゆる平板電極を備えた空気清浄機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的に、上記特許文献1の空気清浄機は、複数の平板状の対向電極と、該複数の対向電極の間に対向電極と対峙するように配置された平板状の放電電極とを備えている。この放電電極は、電極基部と、該電極基部の一側面に形成された複数の第1の突起および他側面に形成された複数の第2の突起とを備えている。そして、上記対向電極および放電電極に所定の放電電圧を印可することにより、第1および第2の突起と対向電極との間でコロナ放電を起こしてプラズマを発生させている。
ここで、上記第1および第2の突起は、図13に示すように、平面視が三角形に形成されると共に、均一な厚さの板状に形成されている。したがって、上記放電電極(突起)は、研磨加工が不要となり、切削加工などの安価な加工方法で作製されるため、電極の加工費が低減される。
特開2000−51735号公報
ところで、放電電極(正極)は、放電を行うにつれて先端が徐々に削れて後退するというのが一般的に知られている。そして、放電電極の先端が後退すると、該放電電極と対向電極との離隔距離が大きくなり、良好な放電が行えなくなる。この電極先端の後退は、電子が放電電極の先端に吸収される際に発生する凝縮熱(仕事関数)と電子の運動エネルギーとによって電極の表面温度が上昇し、電極先端が溶融、昇華または酸化するために起こる。このことから、上記放電電極における先端は、表面温度が上昇するほど大きく後退すると考えられる。そして、この表面温度の上昇は、先端の表面積が大きいほど抑制されると考えられる。
しかしながら、上述した特許文献1に係る平板状の放電電極(突起)の場合、先端が後退するにつれて先端表面積が幅長さの増大によって増加するのに対し、針状電極の場合、先端表面積が半径の増大によって増加する。つまり、上記放電電極(突起)は、先端の後退に伴う先端表面積の増大率が針状電極に比べて小さい。ここで、放電出力(放電エネルギー)が同じとすると、上記平板状の放電電極(突起)は、放電による後退量(消耗量)が針状電極に比べて大きくなる。これにより、良好な放電が行えなくなり、装置の信頼性を損なうという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、放電電極の加工性および耐用性を向上させ、装置の信頼性を向上させることである。
具体的に、請求項1に係る発明は、放電電極(13)と、該放電電極(13)と対峙した対向電極(14)とを備え、上記両電極(13,14)に放電電圧を印加して該両電極(13,14)の間でプラズマを発生させる放電装置を前提としている。そして、上記放電電極(13)は、電極基板(13a)と該電極基板(13a)から対向電極(14)に向かって突出した放電部(13b)とを備えている。また、上記放電部(13b)は、平面視三角形の板状に形成されると共に、電極基板(13a)側の基端部が先端よりも厚肉に形成されている。一方、上記放電部(13b)には、該放電部(13b)の厚さが先端から基端部に向かって徐々に厚くなるようにテーパ面(13d)が形成されている。
上記の発明によれば、放電部(13b)は、幅方向および厚さ方向の2方向において電極基板(13a)側の基端部が先端よりも大きく(厚く)形成されている。つまり、上記放電部(13b)は、断面積が幅長さの増大に伴って増加する従来の単なる平面視三角形の板状の電極に対し、断面積が幅長さおよび厚さの2方向の増大に伴って増加する。このため、上記放電部(13b)は、先端から基端部に向かう方向における断面積の増大率が従来の平板状の電極に比べて著しく大きい。これにより、放電部(13b)における先端の後退量(消耗量)が抑制されるので、放電電極(13)の耐用性が向上する。
また、上記の発明では、放電部(13b)がテーパ面(13d)、つまり平らな面によって先端から基端部に向かって厚く形成されている。これにより、放電部(13b)の加工において、研磨が不要となり、電極全体が切削などの安価な方法で作成される。
また、請求項2に係る発明は、請求項1において、上記テーパ面(13d)は、放電部(13b)の前面および背面の少なくとも何れか一方に形成されている。
上記の発明では、放電部(13b)の先端にいわゆる片テーパまたは両テーパが形成される。このため、何れの場合でも、放電部(13b)の断面積が幅方向および厚さ方向の2方向の増大に伴って増加する。
また、上記の発明では、テーパ面(13d)が前面または背面、もしくは両面に形成されることによって放電部(13b)の先端位置が変化するので、放電領域の微小な位置調整が容易になる。
また、請求項3に係る発明は、請求項1において、上記放電部(13b)は、平板状の電極基板(13a)の厚さ方向の端面から複数の放電部(13b)が突出した鋸歯状に形成されている。
上記の発明では、図5に示すように、両端にテーパ面が形成された板片をプレス機等で鋸歯状に打ち抜くことによって放電電極(13)が作製される。したがって、上記放電電極(13)は、研磨加工が不要となり、切断等によって容易に加工されるので、安価に放電電極(13)が作製される。
また、請求項4に係る発明は、請求項1において、上記放電部(13b)は、平板状の電極基板(13a)の平面から複数の放電部(13b)が突出するように複数の放電部(13b)が電極基板(13a)から切り起こされて形成されている。
上記の発明では、図11に示すように、板片からプレス機等で略馬蹄形状を切り抜いて放電部(13b)を形成し、該放電部(13b)の先端にテーパ面(13d)を形成した後、該放電部(13b)を電極基板(13a)である板片に対して直角となるように折り曲げることによって放電電極(13)が作製される。したがって、上述した請求項3に係る発明と同様に、放電電極(13)は、研磨加工が不要となるので、安価に作製される。
また、請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の放電装置を備えた空気浄化装置を前提としている。そして、上記放電電極(13)と対向電極(14)との間に被処理ガスが流れ、上記両電極(13,14)の間で発生するプラズマによって被処理ガスを処理するように構成されている。
上記の発明では、加工が安価で且つ高い耐用性を有した放電電極(13)が空気浄化装置に適用される。したがって、安価で且つ信頼性の高い空気浄化装置が提供される。
したがって、請求項1に係る発明によれば、放電電極(13)における放電部(13b)を平面視三角形状に形成すると共に、先端よりも電極基板(13a)側の基端部を厚く形成するようにしたので、つまり放電部(13b)を電極基板(13a)側の基端部が先端よりも幅広に且つ厚肉に形成するようにしたので、放電部(13b)の先端から基端部に向かう方向における先端表面積の増大率を大きくすることができる。これにより、上記放電部(13b)において、放電による放電部(13b)先端の後退を抑制することができる。したがって、上記放電部(13b)、ひいては放電電極(13)の耐用性を高めることができる。
また、上記放電部(13b)において先端より基端部を厚くするために、放電部(13b)の先端にテーパ面(13d)を形成するようにしたので、放電電極(13)を加工する上で、研磨加工が不要となる。つまり、切断等の容易な加工のみによって作製することができるので、放電電極(13)を安価に作製することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、テーパ面(13d)を前面または背面、もしくは両面に形成するようにしたので、放電部(13b)の先端位置の微調整を自由に行うことができる。これにより、容易に放電領域の微調整を行うことができ、装置の設計自由度を高めることができる。
また、請求項3に係る発明によれば、複数の放電部(13b)を平板状の鋸歯状に形成するようにしたので、平板をプレス機等で一気に打ち抜くことによって作製することができる。これにより、上記放電電極(13)の製作工程を短縮することができる。したがって、放電電極(13)の製作コストを低減することができる。
また、請求項4に係る発明によれば、複数の放電部(13b)を平板状の電極基板(13a)の平面から突出するように切り起こして形成するようにしたので、平板部材の歩留まりを向上させることができる。これにより、部材費の低減を図ることができる。
また、請求項5に係る発明によれば、加工が安価で且つ高い耐用性を有した放電電極(13)を空気浄化装置に適用するようにしたので、安価で且つ信頼性の高い空気浄化装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本実施形態1の空気浄化装置(1)は、一般家庭や小規模店舗などで用いられるものである。
図1に示すように、この空気浄化装置(1)は、ケーシング(2)を備えている。該ケーシング(2)は、一端が開放された箱形のケーシング本体(4)と、該ケーシング本体(4)の開放端面に装着される前面カバー(3)とにより構成されている。上記前面カバー(3)の両側面には、被処理ガスが流入する空気吸込口(3a)が形成されている。一方、上記ケーシング本体(4)の上面には、被処理ガスが流出する空気吹出口(4a)が形成されている。そして、上記ケーシング(2)の内部には、被処理ガスの流れる空気通路(6)が形成されると共に、該空気通路(6)に被処理ガスを流通させるファン(図示せず)と空気浄化を行う各種の機能部品(7)とが配置されている。
上記機能部品(7)は、前面カバー(3)側から順に配置されたプレフィルタ(8)、イオン化部(9)、集塵フィルタ(10)、放電装置(11)および触媒部(12)によって構成されている。
上記プレフィルタ(8)は、空気中に含まれる比較的大きな塵埃を捕集するためのフィルタである。上記イオン化部(9)は、プレフィルタ(8)を通過した比較的小さな塵埃を帯電させ、該塵埃を下流側に配置された集塵フィルタ(10)(静電フィルタ)で捕集するように構成されている。上記放電装置(11)は、ストリーマ放電を行うことによって低温プラズマを生成するように構成されている。上記触媒部(12)は、例えばハニカム構造の基材表面に触媒を担持したもので、この触媒作用によって放電装置(11)で生成された低温プラズマ中の反応性の高い物質を活性化し、反応性をさらに高めるように構成されている。なお、本実施形態1における放電装置(11)は、ストリーマ放電を行うものに限られず、コロナ放電やグロー放電などを行うものであってもよい。
上記放電装置(11)は、複数の放電電極(13)および対向電極(14)と、額縁状の電極枠(15)とを備えている。上記放電電極(13)および対向電極(14)は、電極枠(15)内に支持され、交互に互いが所定間隔を存して並設されている。
上記対向電極(14)は、図2に示すように、上下方向に延びる平板状に形成されている。上記放電電極(13)は、電極基板(13a)と複数の放電部(13b)とを備えている。上記電極基板(13a)は、上下方向に延びる平板状に形成されている。上記複数の放電部(13b)は、電極基板(13a)の厚さ方向の両端面から対向電極(14)に向かって突出して形成されている。つまり、上記複数の放電部(13b)は、鋸歯状に形成されている。また、一端面の複数の放電部(13b)と他端面の複数の放電部(13b)とは、電極基板(13a)の長手方向に千鳥状に配設されている。なお、上記放電部(13b)を電極基板(13a)の厚さ方向の両端面に形成したが、片側の端面のみに形成するようにしてもよい。
上記放電部(13b)は、両側の側面(13c)が傾斜し、平面視が電極基板(13a)側を底辺とする二等辺三角形の板状に形成されている。さらに、上記放電部(13b)には、図3に示すように、該放電部(13b)の厚さが先端から電極基板(13a)側の基端部に向かって徐々に厚くなるように前面にテーパ面(13d)が形成されている。つまり、上記放電部(13b)は、各断面が針状電極の場合とほぼ同じ割合で増大するように、電極基板(13a)側である基端部が先端よりも幅広に且つ厚肉に形成されている。なお、上記テーパ面は、前面に代えて背面に、または前面および背面の両面に形成してもよい。すなわち、上記テーパ面は、放電部(13b)の前面および背面の少なくとも何れか一方に形成される。
また、上記放電装置(11)には、放電電極(13)および対向電極(14)に放電電圧を印加するための電源手段(16)が設けられている。
(基本原理)
ここで、上記放電電極(13)の放電部(13b)にテーパ面(13d)を形成した基本的原理について説明する。
上記放電部(13b)の消耗は、電子が放電部(13b)に吸収される際に発生する凝縮熱(仕事関数)と電子の運動エネルギーとによって放電部(13b)の表面温度が上昇し、放電部(13b)の溶融、昇華および酸化などによって起こる。そして、上記放電部(13b)の消耗量は、放電のエネルギーや表面温度と相関があり、その関係について図6〜図10を参照しながら説明する。
まず、従来の針状電極における消耗量について考える。図6に示すように、この針状電極は、円錐形状に形成されている。この針状電極の先端が例えばxからdxの距離だけ消耗して後退した場合の消耗量dVは、下記の式(1)で表される。
dV=Sdx (1)
ここに、上記Sは、針状電極の先端の表面積を示す。
また、単位時間当たりの消耗量dVが放電のエネルギーに比例すると考えると、下記の式(2)が導出される。
dV/dt=A×W (2)
ここに、上記AおよびWは、定数および放電エネルギー(放電出力)を示す。
ところが、電極の表面では、イオン風によって常に冷却作用が働くため、消耗量dVが必ずしも放電エネルギーWに比例するとは限らない。そこで、単位時間当たりの消耗量dVが電極の先端の表面温度dTに比例すると考えると、下記の式(4)が導出される。なお、電極先端の表面温度dTは、電極先端の単位表面積当たりの放電エネルギーWに比例するので、下記の式(3)で表される。
dT∝W/S (3)
dV/dt=B´dT=B×W/S (4)
ここに、上記B´は、定数を示す。
以上のように、電極の消耗量dVは、概ね式(2)または式(4)に基づいて定められる。ここで、時間tと電極先端の後退量xとの関係は、式(1)を式(2)および式(4)にそれぞれ代入することによって導出される下記の式(5)および式(6)で表される。
Sdx=A×Wdt (5)
2dx=B×Wdt (6)
次に、従来の平板電極における消耗量について考える。図7に示すように、この平板電極は、平面視三角形の板状に形成されると共に、均一な肉厚Dで形成されている。ここでも上述した針状電極と同様に、平板電極の先端がxからdxの距離だけ消耗して後退した場合を考える。まず、電極先端の表面積Sは、下記の式(7)で表される。
S=D×2x×tan(θ/2) (7)
ここに、上記θは、平板電極の先端角度、つまり三角形の頂角を示す。
上記の式(7)を式(5)に代入すると、下記の式(8)が導出され、該式(8)を積分すると、下記の式(9)が導出される。
{2D×tan(θ/2)}×xdx=A×Wdt (8)
2/2=A×W/{2D×tan(θ/2)}×t (9)
上記の式(9)より、下記の式(10)が導出される。つまり、電極の消耗量が放電エネルギーの影響を受けた場合の電極先端の後退量xと時間tとの関係式が表される。
x={A×W×t/D/tan(θ/2)}1/2 (10)
また、上記の式(7)を式(6)に代入すると、下記の式(11)が導出され、該式(11)を積分すると、下記の式(12)が導出される。
{2D×tan(θ/2)}2×x2dx=B×Wdt (11)
3/3=B×W/{2D×tan(θ/2)}2×t (12)
上記の式(12)より、下記の式(13)が導出される。つまり、電極の消耗量が電極先端の表面温度の影響を受けた場合の電極先端の後退量xと時間tとの関係式が表される。
x=〔3B×W×t/{2D×tan(θ/2)}21/3 (13)
このように、平板電極の場合、電極先端の後退量xは時間tに対して二乗根、または三乗根の関係で定められることがわかる。
そこで、上記平板電極において、時間tと電極先端の後退量xとの関係を実測した。その結果、後退量xは、概ね式(13)のように時間tに対して三乗根で得られることが確認された(図10に示す線図D参照)。つまり、電極先端の後退量は、電極先端の表面温度の影響を強く受けることが確認された。なお、上記実測は、電極の肉厚Dを0.1mmとし、電極の材質をチタンとした条件の下で行われた。
次に、本実施形態に係る放電電極(13)と同様の電極(ここでは、テーパ型電極と称す)における消耗量について考える。図8に示すように、このテーパ型電極は、平面視三角形の板状に形成されると共に、先端部片側に肉厚が先端から根元に向かって徐々に厚くなるようにテーパ面が形成されている。つまり、上記テーパ型電極は、図9に示すように上述した平板電極の先端部から三角錐状の部分(ハッチング部)を除去したものである。なお、ここでも上述した針状電極と同様に、テーパ型電極の先端がxからdxの距離だけ消耗して後退した場合を考える。まず、電極先端の表面積Sは、下記の式(14)で表される。
S=[2x×tan(θ1/2)]×[2x×tan(θ2/2)]
=4x2×tan(θ1/2)×tan(θ2/2) (14)
ここに、上記θ1およびθ2は、それぞれテーパ面の先端角度およびテーパ角度を示す。
続いて、上述したように、電極先端の後退量は電極先端の表面温度の影響を強く受けることを考慮して上記の式(14)を式(6)に代入すると、下記の式(15)が導出され、該式(15)を積分すると、下記の式(16)が導出される。
{tan(θ1/2)×tan(θ2/2)}2×16x4dx=B×Wdt ( 15)
5/5=B×W×t/16/{tan(θ1/2)×tan(θ2/2)}2 ( 16)
上記の式(16)より、下記の式(17)が導出される。
x=〔5B×W×t/16/{tan(θ1/2)×tan(θ2/2)}21/5(1 7)
このように、上記テーパ型電極における先端の後退量xは、時間tに対して五乗根で得られる。また、上記テーパ型電極において、時間tと電極先端の後退量xとの関係を実測した結果、後退量xは、概ね式(17)のように時間tに対して五乗根で得られることが確認された(図10に示す線図E参照)。なお、この実測は、図示しないが、電極の先端での肉厚が0.1mmとなるように、つまり肉厚が0.1mmから徐々に厚くなるようにテーパ面が形成された状態で行われた。また、上記電極の材質は、上述した平板電極と同様にチタンである。
以上のことから、上記テーパ型電極における先端の後退量は、平板電極の場合に比して著しく少ないことがわかる。したがって、上記放電電極(13)の放電部(13b)にテーパ面(13d)を形成し、先端の後退量を従来の平板電極に比べて低減させるようにした。
(製造方法)
次に、上記放電電極(13)を製造する製造方法の具体例について説明する。
先ず、図4に示すように、厚めの平板(B)を両端部に厚さ方向にテーパ面(C)を付けて切断する。この両端のテーパ面(C)は、何れも平板(B)の前面側(図4における上面側)に設ける。続いて、図5に示すように、切断した板片のテーパ面(C)が形成された両端部を鋸歯状にプレス機で打ち抜く。この鋸歯状に形成された部分が放電部(13b)を形成し、両側面(13c)およびテーパ面(13d)を有する放電電極(13)の作製が完了する。したがって、従来の針状電極のように研磨加工が不要となるので、加工コストを低減することができる。なお、図5では、切断した板片の片側の端部のみを示しているが、図示しない反対側の端部は、本図の放電部(13b)に対して千鳥状にプレス機で打ち抜かれて放電部(13b)が形成される。
−運転動作−
次に、上述した空気浄化装置(1)の運転動作について説明する。
まず、この空気浄化装置(1)に通電すると、図示しないファンが起動し、被処理ガスである室内空気が前面カバー(3)の空気吸込口(3a)より吸い込まれ、ケーシング(2)内の空気通路(6)に導入される。なお、放電装置(11)には、電源手段(16)によって放電電圧が印可される。
上記空気通路(6)に導入された室内空気は、先ずプレフィルタ(8)を通過する際に該空気中の比較的大きな塵埃が捕集除去される。さらに、この空気は、イオン化部(9)を通過する際に該空気中の比較的小さな塵埃が帯電して下流側へ流れ、これらの帯電した塵埃が集塵フィルタ(10)に捕集される。以上により、空気中の塵埃は、プレフィルタ(8)および集塵フィルタ(10)で概ね除去される。
次に、上記室内空気は、放電装置(11)を通過する。このとき、放電装置(11)では、放電電極(13)と対向電極(14)との間にストリーマ放電により低温プラズマが発生している。この低温プラズマは、反応性の高い物質(電子、イオン、オゾンおよびラジカルなどの活性種)を含むため、空気中の臭気成分や有害成分が活性種と反応して分解される。さらに、上記触媒部(12)の触媒作用によって活性種の反応性が高められ、臭気成分や有害成分の分解が促進される。このように、空気中の臭気成分や有害成分は、低温プラズマと触媒との相乗効果によって効率よく分解される。以上の処理によって浄化された室内空気は、ケーシング本体(4)の空気吹出口(4a)より室内に吹き出される。
−実施形態の効果−
以上説明したように、本実施形態1によれば、上記放電電極(13)における放電部(13b)を平面視三角形状に形成すると共に、放電部(13b)の厚さが先端から電極基板(13a)側の基端部に向かって徐々に厚くなるように前面にテーパ面を形成するようにしたので、つまり放電部(13b)を電極基板(13a)側の基端部が先端よりも幅広に且つ厚肉に形成するようにしたので、放電部(13b)の先端から基端部に向かう方向における先端表面積の増大率を大きくすることができる。これにより、上記放電部(13b)において、放電による放電部(13b)先端の後退を抑制することができる。したがって、上記放電部(13b)、ひいては放電電極(13)の耐用性を高めることができる。
また、上記放電部(13b)において先端より基端部を厚くするために、放電部(13b)の先端にテーパ面を形成するようにしたので、放電電極(13)を加工する上で、研磨加工が不要となる。つまり、切断等の容易な加工のみによって作製することができるので、放電電極(13)を安価に作製することができる。
また、放電電極(13)を板状の鋸歯状に形成するようにしたので、平板をプレス機等で一気に打ち抜くことによって作製することができる。これにより、上記放電電極(13)の製作工程を短縮することができる。
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2を図面に基づいて説明する。
本実施形態2は、上記実施形態1が放電電極(13)における電極基板(13a)と放電部(13b)とを同一平面内に形成したのに代えて、図11に示すように、放電電極(13)において、複数の放電部(13b)が電極基板(13a)の両平面から突出するように形成したものである。
具体的に、上記放電電極(13)は、複数の放電部(13b)が電極基板(13a)に対して垂直となるように電極基板(13a)から切り起こされて形成されている。また、この複数の放電部(13b)は、電極基板(13a)の上面側と下面側に交互に切り起こされている。つまり、上記実施形態1では、電極基板(13a)および放電部(13b)が対向電極(14)に対して垂直となる状態で放電電極(13)が配設されたが、本実施形態2では、対向電極(14)に対して電極基板(13a)が並行となる状態で、放電部(13b)が垂直となる状態で放電電極(13)が配設される。
上記放電電極(13)の製造方法について説明する。
まず、電極基板(13a)である長い板片から複数の略馬蹄形状をプレス機等で打ち抜き、両側面(13c)を有する平面視三角形を形成する(図12に示すX状態)。次に、この平面視三角形の頂角部の一部(ハッチング部)を切削除去してテーパ面(13d)を付け、実施形態1と同形状の放電部(13b)を形成する(図12に示すY状態)。その際、上記テーパ面(13d)は、電極基板(13a)の上面側と下面側に交互に形成されるようにする。最後に、上記電極基板(13a)の上面側にテーパ面(13d)を形成した複数の放電部(13b)を上面側に、電極基板(13a)の下面側にテーパ面(13d)を形成した複数の放電部(13b)を下面側にそれぞれ交互に折り曲げて放電電極(13)の作製が完了する。その他の構造、作用および効果は、実施形態1と同様である。
なお、本実施形態では、放電部(13b)を電極基板(13a)の両平面から突出するように形成したが、片側の平面のみに形成するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係る放電装置は、各種放電を行うものとして有用である。
実施形態に係る空気浄化装置の一部破断斜視図である。 実施形態1に係る放電装置の要部拡大図である。 図2のA−Aにおける断面図である。 実施形態1に係る電極基板の切断要領を示す斜視図である。 実施形態1に係る放電部の切断要領を示す斜視図である。 針状電極における先端後退量についての説明図である。 平板電極における先端後退量についての説明図である。 テーパ面付の平板電極における先端後退量についての説明図である。 図8のテーパ面の加工要領を示す斜視図である。 電極先端の後退量と放電時間との関係を示す特性図である。 実施形態2に係る放電電極の斜視図である。 実施形態2に係る放電電極の加工要領を示す斜視図である。 従来の平板電極を示す斜視図である。
符号の説明
(1)空気浄化装置
(11)放電装置
(13)放電電極
(13a)電極基板
(13b)放電部
(13d)テーパ面
(14)対向電極

Claims (5)

  1. 放電電極(13)と、該放電電極(13)と対峙した対向電極(14)とを備え、
    上記両電極(13,14)に放電電圧を印加して該両電極(13,14)の間でプラズマを発生させる放電装置であって、
    上記放電電極(13)は、電極基板(13a)と該電極基板(13a)から対向電極(14)に向かって突出した放電部(13b)とを備え、
    上記放電部(13b)は、平面視三角形の板状に形成されると共に、電極基板(13a)側の基端部が先端よりも厚肉に形成される一方、
    上記放電部(13b)には、該放電部(13b)の厚さが先端から基端部に向かって徐々に厚くなるようにテーパ面(13d)が形成されている
    ことを特徴とする放電装置。
  2. 請求項1において、
    上記テーパ面(13d)は、放電部(13b)の前面および背面の少なくとも何れか一方に形成されている
    ことを特徴とする放電装置。
  3. 請求項1において、
    上記放電部(13b)は、平板状の電極基板(13a)の厚さ方向の端面から複数の放電部(13b)が突出した鋸歯状に形成されている
    ことを特徴とする放電装置。
  4. 請求項1において、
    上記放電部(13b)は、平板状の電極基板(13a)の平面から複数の放電部(13b)が突出するように複数の放電部(13b)が電極基板(13a)から切り起こされて形成されている
    ことを特徴とする放電装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の放電装置を備えた空気浄化装置であって、
    上記放電電極(13)と対向電極(14)との間に被処理ガスが流れ、上記両電極(13,14)の間で発生するプラズマによって被処理ガスを処理するように構成されている
    ことを特徴とする空気浄化装置。
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