JP2006038216A - ボールねじ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボール戻し通路分割部材の分割面同士を合せて形成されたボール戻し通路内でボールの詰まり現象が発生することを抑制することのできるボールねじ装置を提供する。
【解決手段】ボール戻し部材のボール戻し通路をボールの戻り方向に沿って分割するボール戻し通路分割部材17の分割面17aと該分割面17aに形成されたボール戻し溝18との境界部に、ボールの直径に対し0.1〜0.6の面取り幅を有する面取り加工部20を形成し、分割面17a同士の位置ずれによる突起部がボール戻し通路内に発生するのを抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】ボール戻し部材のボール戻し通路をボールの戻り方向に沿って分割するボール戻し通路分割部材17の分割面17aと該分割面17aに形成されたボール戻し溝18との境界部に、ボールの直径に対し0.1〜0.6の面取り幅を有する面取り加工部20を形成し、分割面17a同士の位置ずれによる突起部がボール戻し通路内に発生するのを抑制する。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転運動を直線運動に変換する装置として工作機械などで用いられるボールねじ装置に関する。
工作機械などで用いられるボールねじ装置は、ねじ軸及びナットのボールねじ溝間に形成された螺旋状のボール転動路を転動するボールを戻す部材として、従来、図14に示すような金属製のボール戻しチューブ1を使用し、このボール戻しチューブ1のタング部1aでボールをナットのボールねじ溝からすくい上げてボール戻しチューブ1内に導入している場合が多い。
このようなボールねじ装置は、ボール転動路を転動するボールを無限に循環させることが可能であるが、ボール転動路を転動するボールがボール戻しチューブのタング部に衝突した際に振動や騒音が発生し、高速耐久性の低下を招き易いという問題がある。そこで、かかる問題を解決するために、例えば図15ないし図19に示すようなボールねじ装置が提案されている(特願2003−15129号参照)。
図15に示すボールねじ装置はねじ軸3と、このねじ軸3の外径面に形成されたボールねじ溝5sと対向するボールねじ溝5n(図16参照)を内径面に有するナット4とを備えており、ボールねじ溝5sとボールねじ溝5nとの間には多数のボール6が装填されている。これらのボール6はボールねじ溝5s,5n間に形成された螺旋状のボール転動路をねじ軸3またはナット4の回転運動に伴って転動するようになっており、ナット4の外径面に形成された平面部4a(図17参照)には、ボール転動路を転動したボール6を戻すボール戻し部材9が二本のビス8によって取り付けられている。
ボール戻し部材9は合成樹脂材からなり、このボール戻し部材9の内部にはボール戻し通路10(図16参照)が形成されている。また、ボール戻し部材9はナット4の側面部に固定されるプレート状の本体部11(図17参照)と、この本体部11からナット4の内径面に向けて突設された円筒状のボールすくい上げ12a,12bとからなり、ナット4の側面部(平面部4a)には、上記ボールすくい上げ12a,12bと嵌合するボール戻し孔が形成されている。さらに、ボール戻し部材9はボール戻し通路10の入口部と出口部にタング部14(図19参照)を夫々有しており、ボールねじ溝5s,5nを転動するボール6は上記タング部14によりボール6の中心軌道円15(図17参照)と接する接線16に沿って且つナット4の軸方向に対しボールねじ溝5nのリード角だけ傾斜した方向にすくい上げられるようになっている。
また、ボール戻し部材9は樹脂材を射出成形してなる一対のボール戻し通路分割部材17(図15参照)から構成されている。これらのボール戻し通路分割部材17はボール6の戻り方向に沿ってボール戻し通路10を分割する分割面17a(図18参照)を夫々有しており、各ボール戻し通路分割部材17の分割面17aには、断面形状が半円形状のボール戻し溝18(図19参照)が形成されている。
このようなボールねじ装置によると、ボールねじ溝5s,5nを転動するボール6はボール戻し部材9に設けられたタング部14によってボール中心軌道円15と接する接線16に沿って且つナット4の軸方向に対しボールねじ溝5nのリード角だけ傾斜した方向にすくい上げられる。したがって、ナットの軸方向に対して垂直な方向にボールをすくい上げて循環させる方式のものに比べ、振動や騒音の発生を抑制でき、ボールねじ装置の高速耐久性を高めることができる。
しかしながら、上述したボールねじ装置では、一方のボール戻し通路分割部材17に形成された分割面17aと他方のボール戻し通路分割部材17に形成された分割面17aとを合せてボール戻し通路10が形成されている。このため、分割面17a同士を合せたときに分割面17a同士の位置がボール戻し溝18の幅方向にずれていると、ボール6の転がり運動を阻害する突起部19(図20参照)がボール戻し通路10内に発生し、ボール戻し通路10内でボール6の詰まり現象が発生し易くなるという問題があった。
また、ボール戻し通路分割部材17を樹脂成形したときにボール戻し溝18が図21に示す破線の形状から実線の形状に変形してしまうこともある。このため、ボール戻し溝18の幅wがボール6の直径よりも狭くなってしまい、ボール戻し通路10内でボール6の詰まり現象が発生し易くなるという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、ボール戻し通路分割部材の分割面同士を合せて形成されたボール戻し通路内でボールの詰まり現象が発生することを抑制することのできるボールねじ装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、ボール戻し通路分割部材の分割面同士を合せて形成されたボール戻し通路内でボールの詰まり現象が発生することを抑制することのできるボールねじ装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明に係るボールねじ装置は、外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝と対向するボールねじ溝を内径面に有するナットと、前記ねじ軸及び前記ナットのボールねじ溝間に形成された螺旋状のボール転動路を前記ねじ軸または前記ナットの回転運動に伴って転動する多数のボールと、前記ボール転動路を転動したボールを戻すためのボール戻し通路を有する樹脂製ボール戻し部材とを備え、前記ボールの戻り方向に沿って前記ボール戻し通路を分割する分割面を夫々有する一対のボール戻し通路分割部材から前記ボール戻し部材を構成したボールねじ装置であって、前記ボール戻し通路分割部材の分割面と該分割面に形成されたボール戻し溝との境界部に面取り加工部を形成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のボールねじ装置において、前記面取り加工部の面取り幅を前記ボールの直径に対して0.1〜0.6としたことを特徴とする。
請求項3の発明に係るボールねじ装置は、外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝と対向するボールねじ溝を内径面に有するナットと、前記ねじ軸及び前記ナットのボールねじ溝間に形成された螺旋状のボール転動路を前記ねじ軸または前記ナットの回転運動に伴って転動する多数のボールと、前記ボール転動路を転動したボールを戻すためのボール戻し通路を有する樹脂製ボール戻し部材とを備え、前記ボールの戻り方向に沿って前記ボール戻し通路を分割する分割面を夫々有する一対のボール戻し通路分割部材から前記ボール戻し部材を構成したボールねじ装置であって、前記ボール戻し通路分割部材の分割面に形成されたボール戻し溝の幅を前記ボールの直径よりも大きくし、ボール戻し溝の幅をボールの直径に対して1.02〜1.5としたことを特徴とする。
請求項3の発明に係るボールねじ装置は、外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝と対向するボールねじ溝を内径面に有するナットと、前記ねじ軸及び前記ナットのボールねじ溝間に形成された螺旋状のボール転動路を前記ねじ軸または前記ナットの回転運動に伴って転動する多数のボールと、前記ボール転動路を転動したボールを戻すためのボール戻し通路を有する樹脂製ボール戻し部材とを備え、前記ボールの戻り方向に沿って前記ボール戻し通路を分割する分割面を夫々有する一対のボール戻し通路分割部材から前記ボール戻し部材を構成したボールねじ装置であって、前記ボール戻し通路分割部材の分割面に形成されたボール戻し溝の幅を前記ボールの直径よりも大きくし、ボール戻し溝の幅をボールの直径に対して1.02〜1.5としたことを特徴とする。
請求項4の発明に係るボールねじ装置は、外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝と対向するボールねじ溝を内径面に有するナットと、前記ねじ軸及び前記ナットのボールねじ溝間に形成された螺旋状のボール転動路を前記ねじ軸または前記ナットの回転運動に伴って転動する多数のボールと、前記ボール転動路を転動した前記ボールを元の位置に戻すボール戻し部材とを備えたボールねじ装置であって、前記ボール戻し部材が樹脂成形された二つのボール循環部材から構成され、かつ前記ボール循環部材の合せ面に前記ボールの戻し通路を形成するボール戻し溝が形成されているとともに、前記ボール戻し通路の幅方向に沿う断面が概ね長方形もしくは隅部に円弧部を有する長方形の形状に形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4記載のボールねじ装置において、前記ボール戻し溝の幅を前記ボール戻し溝の深さの2倍以上としたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4又は5項記載のボールねじ装置において、前記ボール戻し溝の深さを前記ボールの直径の0.501倍〜0.75倍としたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項4記載のボールねじ装置において、前記ボール戻し溝の幅が前記ボール戻し通路の中心から前記ボール戻し溝の深さの2倍以上であることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項4又は7記載のボールねじ装置において、前記ボール戻し溝の深さの和が前記ボールの直径の1.02倍〜1.5倍であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4又は5項記載のボールねじ装置において、前記ボール戻し溝の深さを前記ボールの直径の0.501倍〜0.75倍としたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項4記載のボールねじ装置において、前記ボール戻し溝の幅が前記ボール戻し通路の中心から前記ボール戻し溝の深さの2倍以上であることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項4又は7記載のボールねじ装置において、前記ボール戻し溝の深さの和が前記ボールの直径の1.02倍〜1.5倍であることを特徴とする。
請求項1及び2の発明に係るボールねじ装置によれば、ボール戻し通路分割部材の分割面と該分割面に形成されたボール戻し溝との境界部に面取り加工部を形成したことにより、一方のボール戻し通路分割部材に形成された分割面の位置と他方のボール戻し通路分割部材に形成された分割面の位置がボール戻し溝の幅方向に多少ずれていてもボールの転がり運動を阻害するような突起部がボール戻し通路内に生じ難くなるので、ボール戻し通路分割部材の分割面同士を合せて形成されたボール戻し通路内でボールの詰まり現象が発生することを抑制することができる。
請求項3の発明に係るボールねじ装置によれば、ボール戻し通路分割部材の分割面に形成されたボール戻し溝の幅をボールの直径よりも大きくし、ボール戻し溝の幅をボールの直径に対して1.02〜1.5としたことにより、ボール戻し通路分割部材の樹脂成形時にボール戻し溝が多少変形してもボール戻し通路の幅がボールの直径よりも狭くなってしまうことがないので、ボールの詰まり現象がボール戻し通路内で発生することを抑制することができる。
請求項4〜8の発明によれば、ボール循環部材の合せ面同士を合わせたときに合せ面の間に多少の位置ずれが生じてもボール戻し通路内に発生した凸部にボールが引っ掛かるようなことがなくなるので、ボールを円滑に循環させることができる。
請求項4〜8の発明によれば、ボール循環部材の合せ面同士を合わせたときに合せ面の間に多少の位置ずれが生じてもボール戻し通路内に発生した凸部にボールが引っ掛かるようなことがなくなるので、ボールを円滑に循環させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図17ないし図21に示したものと同一の部分には同一の符号を付し、その部分の詳細な説明は省略する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るボールねじ装置の側面図で、同図に示すように、ボール戻し部材9は樹脂材を射出成形してなる一対のボール戻し通路分割部材17から構成されている。このボール戻し通路分割部材17はボールの戻り方向に沿ってボール戻し通路10を分割する分割面17a(図2参照)を夫々有しており、各ボール戻し通路分割部材17の分割面17aにはボール戻し溝18(図3参照)が形成されている。
図1は本発明の第1の実施形態に係るボールねじ装置の側面図で、同図に示すように、ボール戻し部材9は樹脂材を射出成形してなる一対のボール戻し通路分割部材17から構成されている。このボール戻し通路分割部材17はボールの戻り方向に沿ってボール戻し通路10を分割する分割面17a(図2参照)を夫々有しており、各ボール戻し通路分割部材17の分割面17aにはボール戻し溝18(図3参照)が形成されている。
ボール戻し溝18はその横断面が円弧状となるようにボール戻し通路分割部材17の分割面17aに形成されており、ボール戻し通路分割部材17の分割面17aとボール戻し溝18との境界部には、図3に示すように、平面状の面取り加工部20が形成されている。この面取り加工部20はボールの直径をDaとすると、0.1Da〜0.6Da程度の面取り幅Aでボール戻し通路分割部材17の分割面17aとボール戻し溝18との境界部に形成されている。
ここで、面取り加工部20の面取り幅Aを0.1Da〜0.6Daとした理由は、面取り幅Aが0.1Daを下回ると面取りの効果が十分に得られなくなり、0.6Daを上回るとボール戻し溝が大きくなるばかりで、それ以上の効果が望めないためである。
ここで、面取り加工部20の面取り幅Aを0.1Da〜0.6Daとした理由は、面取り幅Aが0.1Daを下回ると面取りの効果が十分に得られなくなり、0.6Daを上回るとボール戻し溝が大きくなるばかりで、それ以上の効果が望めないためである。
上述した本発明の第1の実施形態では、ボール戻し通路分割部材17の分割面17aとボール戻し溝18との境界部に面取り加工部20を形成したことで、図4に示すように、ボール戻し通路分割部材17に形成された分割面17a同士の位置がボール戻し溝18の幅方向に多少ずれていても、ボール6の転がり運動を阻害するような突起部がボール戻し通路10内に生じ難くなるので、ボール戻し通路分割部材17の分割面17a同士を合せて形成されたボール戻し通路10内でボール6の詰まり現象が発生することを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態では、ボール戻し通路分割部材17の分割面17aとボール戻し溝18との境界部に平面状の面取り加工部20を形成したが、面取り加工部20の形状を円弧形状としてもよい。
なお、上述した実施の形態では、ボール戻し通路分割部材17の分割面17aとボール戻し溝18との境界部に平面状の面取り加工部20を形成したが、面取り加工部20の形状を円弧形状としてもよい。
次に、図5ないし図8を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。
図5に示すように、本発明の第2の実施形態に係るボールねじ装置のボール戻し部材9は、樹脂材を射出成形してなる一対のボール戻し通路分割部材17から構成されている。このボール戻し通路分割部材17はボールの戻り方向に沿ってボール戻し通路10を分割する分割面17a(図6参照)を夫々有しており、各ボール戻し通路分割部材17の分割面17aには長円形状のボール戻し溝18(図7参照)が形成されている。
図5に示すように、本発明の第2の実施形態に係るボールねじ装置のボール戻し部材9は、樹脂材を射出成形してなる一対のボール戻し通路分割部材17から構成されている。このボール戻し通路分割部材17はボールの戻り方向に沿ってボール戻し通路10を分割する分割面17a(図6参照)を夫々有しており、各ボール戻し通路分割部材17の分割面17aには長円形状のボール戻し溝18(図7参照)が形成されている。
ボール戻し溝18は、ボール6の直径をDaとすると、0.51Da〜0.7Da程度の深さdと1.02Da〜1.5Da程度の幅wでボール戻し通路分割部材17の分割面17aに形成されている。
ここで、ボール戻し溝18の幅wを1.02Da〜1.5Daとした理由は、幅wが1.02Daを下回ると形状誤差やボール戻し溝のずれによって循環不良を起こし易くなり、1.5Daを上回ると循環路の幅が大きくなり過ぎる他、ボール同士が互い違いに大きくずれて並び、ボール同士の押し合う力が循環部品(ボール戻し部材)を内側から押す力として作用してしまい、循環路の摩耗等を起こし易くなるためである。
ここで、ボール戻し溝18の幅wを1.02Da〜1.5Daとした理由は、幅wが1.02Daを下回ると形状誤差やボール戻し溝のずれによって循環不良を起こし易くなり、1.5Daを上回ると循環路の幅が大きくなり過ぎる他、ボール同士が互い違いに大きくずれて並び、ボール同士の押し合う力が循環部品(ボール戻し部材)を内側から押す力として作用してしまい、循環路の摩耗等を起こし易くなるためである。
このように、ボール戻し溝18の幅wをボール6の直径Daに対し1.02〜1.5とすることで、ボール戻し通路分割部材17の樹脂成形時にボール戻し溝18が多少変形してもボール戻し通路10の幅がボール6の直径よりも狭くなってしまうことがないので、ボール6の詰まり現象がボール戻し通路10内で発生することを抑制することができる。
また、図8に示すように、ボール戻し通路分割部材17に形成された分割面17a同士の位置がボール戻し溝18の幅方向に多少ずれていても、ボール6の転がり運動を阻害するような突起部がボール戻し通路10内に生じ難くなる。
なお、上述した第2の実施形態では、ボール戻し通路分割部材17の分割面17aに形成されるボール戻し溝18の横断面形状を長円形状としたが、長円形状に限定されるものではなく、例えば図9に示す第3の実施形態のように、ボール戻し溝18の横断面形状を長方形状としてもよい。
また、図8に示すように、ボール戻し通路分割部材17に形成された分割面17a同士の位置がボール戻し溝18の幅方向に多少ずれていても、ボール6の転がり運動を阻害するような突起部がボール戻し通路10内に生じ難くなる。
なお、上述した第2の実施形態では、ボール戻し通路分割部材17の分割面17aに形成されるボール戻し溝18の横断面形状を長円形状としたが、長円形状に限定されるものではなく、例えば図9に示す第3の実施形態のように、ボール戻し溝18の横断面形状を長方形状としてもよい。
次に、図10〜図12を参照して本発明の第4の実施形態について説明する。
図10は本発明の第4の実施形態に係るボールねじ装置の概略構成を示す側面図であり、同図に示すように、第4の実施形態に係るボールねじ装置は、ねじ軸3及びナット4等を備えている。上記ナット4はねじ軸3の外周面に形成されたボールねじ溝5sと対向するボールねじ溝(図示せず)を内周面に有しており、これら両ボールねじ溝間に組み込まれたボール6は例えばねじ軸3が軸芯回りに回転すると、ねじ軸側ボールねじ溝5sとナット側ボールねじ溝との間に形成された螺旋状のボール転動路を転動するようになっている。そして、ボール転動路を転動したボール6はボール戻し部材9の内部に形成されたボール戻し通路10を通って元の位置に戻されるようになっている。
図10は本発明の第4の実施形態に係るボールねじ装置の概略構成を示す側面図であり、同図に示すように、第4の実施形態に係るボールねじ装置は、ねじ軸3及びナット4等を備えている。上記ナット4はねじ軸3の外周面に形成されたボールねじ溝5sと対向するボールねじ溝(図示せず)を内周面に有しており、これら両ボールねじ溝間に組み込まれたボール6は例えばねじ軸3が軸芯回りに回転すると、ねじ軸側ボールねじ溝5sとナット側ボールねじ溝との間に形成された螺旋状のボール転動路を転動するようになっている。そして、ボール転動路を転動したボール6はボール戻し部材9の内部に形成されたボール戻し通路10を通って元の位置に戻されるようになっている。
ボール戻し部材9は樹脂成形された二つのボール循環部材21から構成されており、これらボール循環部材21の合せ面21a(図11参照)には、ボール戻し通路10を形成するボール戻し溝22がそれぞれ形成されている。
ボール戻し溝22はその幅方向に沿う断面が概ね長方形もしくは隅部に円弧部Rを有する長方形の形状に形成されており、その深さをmdとすると、ボール戻し溝22の幅bmはbm=2md〜2.4md程度となっている。また、ボール6の直径をdwとすると、ボール戻し溝22の深さmdはmd=0.501dw〜0.75dwとなっている。
ボール戻し溝22はその幅方向に沿う断面が概ね長方形もしくは隅部に円弧部Rを有する長方形の形状に形成されており、その深さをmdとすると、ボール戻し溝22の幅bmはbm=2md〜2.4md程度となっている。また、ボール6の直径をdwとすると、ボール戻し溝22の深さmdはmd=0.501dw〜0.75dwとなっている。
このように構成されるボールねじ装置では、ボール戻し溝22の幅方向に沿う断面形状を概ね長方形もしくは隅部に円弧部を有する長方形の形状としたことにより、図12に示すように、ボール循環部材21の合せ面21a同士を合わせたときに合せ面21aの間に多少の位置ずれが生じてもボール戻し通路10内に発生した凸部23にボール6が引っ掛かるようなことがなくなるので、ボール6を円滑に循環させることができる。特に、ボール戻し溝22の幅をbm、ボール戻し通路の中心からのボール戻し溝22の深さをmdとしたとき、両者の比をbm/md=2〜2.4にしたことにより、ボール循環部材21の大型化や戻し路10の壁の厚さの減少を最小限に留めながらボール6をより円滑に循環させることができる。
上述した第4の実施形態において、二つのボール戻し溝22の深さの和をボール6の直径dwの1.02〜1.5倍とした理由は、以下の通りである。
すなわち、図13に示すように、二つのボール戻し溝22A,22Bの深さは一定とは限らないが、二つのボール循環部材21を合わせたときに向かい合う二つのボール戻し溝22A,22Bの深さの和(mdA+mdB)はボール6の直径よりも大きい必要がある。しかし、この寸法は大き過ぎてもボール循環部材21の大型化や戻し路10の壁の厚さの減少を招く他、ボール6が戻し通路10内で移動する幅が大きくなり過ぎ、その結果、循環不良を招くことがある。そこで、二つのボール戻し溝22A,22Bの深さmdA,mdBの和をボール6の直径dwの1.02〜1.5倍にすることによって、これらの悪影響を最小限に留めることができる。
すなわち、図13に示すように、二つのボール戻し溝22A,22Bの深さは一定とは限らないが、二つのボール循環部材21を合わせたときに向かい合う二つのボール戻し溝22A,22Bの深さの和(mdA+mdB)はボール6の直径よりも大きい必要がある。しかし、この寸法は大き過ぎてもボール循環部材21の大型化や戻し路10の壁の厚さの減少を招く他、ボール6が戻し通路10内で移動する幅が大きくなり過ぎ、その結果、循環不良を招くことがある。そこで、二つのボール戻し溝22A,22Bの深さmdA,mdBの和をボール6の直径dwの1.02〜1.5倍にすることによって、これらの悪影響を最小限に留めることができる。
3 ねじ軸
4 ナット
5s,5n ボールねじ溝
6 ボール
8 ビス
9 ボール戻し部材
10 ボール戻し通路
11 本体部
12a,12b ボールすくい上げ部
14 タング
15 ボールの中心軌道円
17 ボール戻し通路分割部材
17a 分割面
18 ボール戻し溝
19 突起部
20 面取り加工部
21 ボール循環部材
21a 合せ面
22 ボール戻し溝
4 ナット
5s,5n ボールねじ溝
6 ボール
8 ビス
9 ボール戻し部材
10 ボール戻し通路
11 本体部
12a,12b ボールすくい上げ部
14 タング
15 ボールの中心軌道円
17 ボール戻し通路分割部材
17a 分割面
18 ボール戻し溝
19 突起部
20 面取り加工部
21 ボール循環部材
21a 合せ面
22 ボール戻し溝
Claims (8)
- 外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝と対向するボールねじ溝を内径面に有するナットと、前記ねじ軸及び前記ナットのボールねじ溝間に形成された螺旋状のボール転動路を前記ねじ軸または前記ナットの回転運動に伴って転動する多数のボールと、前記ボール転動路を転動したボールを戻すためのボール戻し通路を有する樹脂製ボール戻し部材とを備え、前記ボールの戻り方向に沿って前記ボール戻し通路を分割する分割面を夫々有する一対のボール戻し通路分割部材から前記ボール戻し部材を構成したボールねじ装置であって、
前記ボール戻し通路分割部材の分割面と該分割面に形成されたボール戻し溝との境界部に面取り加工部を形成したことを特徴とするボールねじ装置。 - 前記面取り加工部の面取り幅を前記ボールの直径に対して0.1〜0.6としたことを特徴とする請求項1記載のボールねじ装置。
- 外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝と対向するボールねじ溝を内径面に有するナットと、前記ねじ軸及び前記ナットのボールねじ溝間に形成された螺旋状のボール転動路を前記ねじ軸または前記ナットの回転運動に伴って転動する多数のボールと、前記ボール転動路を転動したボールを戻すためのボール戻し通路を有する樹脂製ボール戻し部材とを備え、前記ボールの戻り方向に沿って前記ボール戻し通路を分割する分割面を夫々有する一対のボール戻し通路分割部材から前記ボール戻し部材を構成したボールねじ装置であって、
前記ボール戻し通路分割部材の分割面に形成されたボール戻し溝の幅を前記ボールの直径よりも大きくし、前記ボール戻し溝の幅を前記ボールの直径に対して1.02〜1.5としたことを特徴とするボールねじ装置。 - 外径面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝と対向するボールねじ溝を内径面に有するナットと、前記ねじ軸及び前記ナットのボールねじ溝間に形成された螺旋状のボール転動路を前記ねじ軸または前記ナットの回転運動に伴って転動する多数のボールと、前記ボール転動路を転動した前記ボールを元の位置に戻すボール戻し部材とを備えたボールねじ装置であって、前記ボール戻し部材が樹脂成形された二つのボール循環部材から構成され、かつ前記ボール循環部材の合せ面に前記ボールの戻し通路を形成するボール戻し溝が形成されているとともに、前記ボール戻し通路の幅方向に沿う断面が概ね長方形もしくは隅部に円弧部を有する長方形の形状に形成されていることを特徴とするボールねじ装置。
- 請求項4記載のボールねじ装置において、前記ボール戻し溝の幅を前記ボール戻し溝の深さの2倍以上としたことを特徴とするボールねじ装置。
- 請求項4又は5記載のボールねじ装置において、前記ボール戻し溝の深さを前記ボールの直径の0.501倍〜0.75倍としたことを特徴とするボールねじ装置。
- 請求項4記載のボールねじ装置において、前記ボール戻し溝の幅が前記ボール戻し通路の中心から前記ボール戻し溝の深さの2倍以上であることを特徴とするボールねじ装置。
- 請求項4又は7記載のボールねじ装置において、前記ボール戻し溝の深さの和が前記ボールの直径の1.02倍〜1.5倍であることを特徴とするボールねじ装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
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JP2010133460A (ja) * | 2008-12-03 | 2010-06-17 | Jtekt Corp | ボールねじ装置 |
JP2016142341A (ja) * | 2015-02-02 | 2016-08-08 | 日本精工株式会社 | 循環こま及びこれを備えたボールねじ |
-
2005
- 2005-06-21 JP JP2005180846A patent/JP2006038216A/ja active Pending
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