JP2006038180A - 円筒軸受ブッシュ及び該円筒軸受ブッシュの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 円筒軸受ブッシュ1は、無酸素銅又はタフピッチ銅からなる板状の裏金2と該裏金2の表面に一体に形成された多孔質金属焼結層としての多孔質青銅焼結層3とからなる複層板4と、該複層板4の多孔質青銅焼結層3の孔隙に充填され、かつ多孔質青銅焼結層3の表面に被覆された合成樹脂層5とからなる複層材6が該合成樹脂層5を内側にして円筒状に捲回されていると共に突き合わせ端面7が互いに密に接触せしめられており、内周面の真円度が5μm〜15μmをもって形成されている。
【選択図】図1
Description
を行うとよい。
複層板4として、3種類の複層板(1)、(2)及び(3)を作製した。
(複層板(1))
無酸素銅からなる板状の裏金2を用意し、該裏金2の表面に粒径が74μmアンダーで、粒子形状が不規則形状を呈する青銅粉末を多層に散布し、これを水素ガス雰囲気に調整された焼結炉において850℃の温度で30分間焼結した後、ロール成形して裏金2の表面に多孔質青銅焼結層3を一体に形成した複層板4を作製した。
タフピッチ銅からなる板状の裏金2を用意し、該裏金2の表面に粒径が74μm以上であって149μm以下の粒子形状が不規則形状を呈する青銅粉末を多層に散布し、これをアルゴンガス雰囲気に調整された焼結炉において850℃の温度で30分間焼結した後、ロール成形して裏金2の表面に多孔質青銅焼結層3を一体に形成した複層板4を作製した。
冷間圧延鋼板(SPCC)からなる裏金2を用意し、該裏金2の表面に粒径が74μm以上であって149μm以下の青銅粉末を多層に散布し、これを水素ガス雰囲気に調整された焼結炉において850℃の温度で30分間焼結した後、ロール成形して裏金2の表面に多孔質青銅焼結層3を一体に形成した複層板4を作製した。
黒鉛と四ふっ化エチレン樹脂からなる合成樹脂組成物をヘンシェルミキサー内に供給して混合撹拌し、得られた混合物(合成樹脂組成物)に対し石油系溶剤として脂肪族溶剤とナフテン系溶剤との混合溶剤を配合し、四ふっ化エチレン樹脂の室温転移点以下の温度(15℃)で混合し、湿潤性を有する合成樹脂組成物を得た。
複層材及び略円筒軸受ブッシュは次のようにして作製した。
図4に示すように、大径筒状内壁面11によって規定される大径円孔12を具備した金型本体13と、この大径円孔12に軸方向に隣接して配されていると共に該大径円孔12の径14よりも小径であって、最終の円筒軸受ブッシュ1の内径d(図5参照)と実質的に等しい径15をもった小径円孔16とを具備した金型台座17とからなり、金型10の該大径筒状内壁面11と小径円孔16を規定する小径筒状内壁面18との間には、大径筒状内壁面11から径方向であって内方に延びて小径筒状内壁面18で終端する環状面19が介在している金型10を準備する。
図6に示すように、略円筒軸受ブッシュ8の最終の外径寸法を規定する径をもった筒状内壁面31によって規定される円孔32を備えた金型本体33と、一端35側に凹所36を有すると共に凹所36の開口端面を囲繞する環状端面37及び金型本体33の筒状内壁面31に嵌合される筒状外面34を備えた受金38とからなる金型30を準備する。
試験体1:複層板(1)を使用した複層材6(厚さ0.97mm)
内径10.2mm、外径11.96mm、長さ10.2mm、突き合わせ端 面の隙間0.5mm
試験体2:複層板(1)を使用した複層材6(厚さ0.96mm)
内径10.15mm、外径12.07mm、長さ10.3mm、突き合わせ 端面の隙間0.4mm
試験体3:複層板(2)を使用した複層材6(厚さ0.97mm)
内径10.18mm、外径12.12mm、長さ10.2mm、突き合わせ 端面の隙間0.5mm
試験体4:複層板(2)を使用した複層材6(厚さ0.97mm)
内径10.2mm、外径12.04mm、長さ10.3mm、突き合わせ端 面の隙間0.5mm
試験体5:複層板(3)を使用した複層材6(厚さ0.96mm)
内径10.2mm、外径12.12mm、長さ10.2mm、突き合わせ端 面の隙間0.8mm
試験体6:複層板(3)を使用した複層材6(厚さ0.96mm)
内径10.2mm、外径12.12mm、長さ10.3mm、突き合わせ端 面の隙間0.7mm
大径円孔12の径:12mm
小径筒状外面22の径:10mm
芯金20の小径筒状外面22に各試験体を嵌着し、芯金20を金型10に対して位置決めし、芯金20に荷重0.87KN/mm2を加え各試験体にアプセット加工を施して円筒軸受ブッシュ1とした後、
(1)金型10内に保持された状態での各円筒軸受ブッシュ1の一方の端部から3mm の位置の内周面の真円度
(2)金型10から円筒軸受ブッシュ1を取り出した状態での各円筒軸受ブッシュ1の 一方の端部から3mmの位置の内周面の真円度
を夫々測定した。
2 裏金
3 多孔質青銅焼結層
4 複層板
5 合成樹脂層
6 複層材
7 突き合わせ端面
8 略円筒軸受ブッシュ
10 金型
13 金型本体
17 金型台座
20 芯金
Claims (8)
- 無酸素銅又はタフピッチ銅からなる板状の裏金と該裏金の表面に一体に形成された多孔質金属焼結層と該多孔質金属焼結層の孔隙及び表面に充填被覆された合成樹脂層とを具備しており、該合成樹脂層を内側にして円筒状に捲回されていると共に突き合わせ端面が互いに密に接触せしめられており、内周面の真円度が5μm〜15μmをもって形成されていることを特徴とする円筒軸受ブッシュ。
- 裏金の硬さは、マイクロビッカース硬さ(MHv)で80〜140を呈する請求項1に記載の円筒軸受ブッシュ。
- 合成樹脂層は、四ふっ化エチレン樹脂、四ふっ化エチレン樹脂を主成分とする合成樹脂組成物、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂を主成分とする合成樹脂組成物を具備している請求項1又は2に記載の円筒軸受ブッシュ。
- 無酸素銅又はタフピッチ銅からなる板状の裏金と該裏金の表面に一体に形成された多孔質金属焼結層と該多孔質金属焼結層の孔隙及び表面に充填被覆された合成樹脂層とを具備する複層材を、該合成樹脂層を内側にして円筒状に捲回して突き合わせ端面間に隙間を有する略円筒軸受ブッシュを形成する工程と、
大径筒状内壁面によって規定される大径円孔とこの大径円孔に軸方向に隣接して配されていると共に該大径円孔よりも小径の小径円孔とを具備しており、該大径筒状内壁面と小径円孔を規定する小径筒状内壁面との間には、大径筒状内壁面から径方向であって内方に延びて小径筒状内壁面で終端する環状面が介在してなる金型を準備する工程と、
略円筒軸受ブッシュの最終の内径寸法を規定する径をもった小径筒状外面とこの小径筒状外面に軸方向に隣接して配されていると共に該小径筒状外面よりも大径の大径筒状外面とを具備しており、小径筒状外面と大径筒状外面との間には、小径筒状外面から径方向であって外方に延びて大径筒状外面で終端する環状面が介在してなる芯金を準備する工程と、
該芯金の小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着する工程と、
該小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着した芯金の小径筒状外面の一部を金型の小径の小径円孔に、芯金の大径筒状外面を金型の大径円孔に夫々配し、該芯金に所定の圧力を掛けて小径筒状外面の残部並びに金型及び芯金の夫々の環状面によって略円筒軸受ブッシュにアプセット加工を施す工程と、
アプセット加工後、突き合わせ端面が互いに密に接触した円筒軸受ブッシュを金型から取り出し、内周面の真円度が5μm〜15μmをもって形成された円筒軸受ブッシュを得る工程と、
を具備した円筒軸受ブッシュの製造方法。 - 大径筒状内壁面及び芯金の小径筒状外面の残部並びに金型及び芯金の夫々の環状面によって形成される環状空間の容積を、当該容積が略円筒軸受ブッシュの体積の近傍になるまで減少させてアプセット加工を行う請求項4に記載の円筒軸受ブッシュの製造方法。
- 無酸素銅又はタフピッチ銅からなる板状の裏金と該裏金の表面に一体に形成された多孔質金属焼結層と該多孔質金属焼結層の孔隙及び表面に充填被覆された合成樹脂層とを具備する複層材を、該合成樹脂層を内側にして円筒状に捲回して突き合わせ端面間に隙間を有する略円筒軸受ブッシュを形成する工程と、
略円筒軸受ブッシュの最終の外径寸法を規定する径をもった筒状内壁面によって規定される円孔を備えた金型本体と一端側に凹所を有すると共に該凹所の開口面を囲繞する環状端面及び金型本体の筒状内壁面に嵌合される筒状外面を有した受金とを具備した金型を準備する工程と、
略円筒軸受ブッシュの最終の内径寸法を規定する径を有すると共に前記受金の凹所に嵌入される小径筒状外面とこの小径筒状外面に軸方向に隣接して配されていると共に該小径筒状外面よりも大径の大径筒状外面とを具備しており、小径筒状外面と大径筒状外面との間には、小径筒状外面から径方向であって外方に延びて大径筒状外面で終端する環状面が介在してなる芯金を準備する工程と、
該芯金の小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着する工程と、
該受金を金型本体の円孔の一方の開口端から円孔内に、該小径筒状外面に略円筒軸受ブッシュを嵌着した芯金の小径筒状外面の一部を金型本体の円孔の他方の開口端を介して受金の凹所に夫々配し、該受金及び芯金に所定の圧力を掛けて小径筒状外面の残部、受金の環状端面及び芯金の環状面によって略円筒軸受ブッシュにアプセット加工を施す工程と、
アプセット加工後、突き合わせ端面が互いに密に接触した円筒軸受ブッシュを金型から取り出し、内周面の真円度が5μm〜15μmをもって形成された円筒軸受ブッシュを得る工程と、
を具備した円筒軸受ブッシュの製造方法。 - 筒状内壁面、芯金の小径筒状外面の残部、受金の環状端面及び芯金の環状面によって形成される環状空間の容積を、当該容積が略円筒軸受ブッシュの体積の近傍になるまで減少させてアプセット加工を行う請求項6に記載の円筒軸受ブッシュの製造方法。
- 円筒軸受ブッシュにおける裏金の硬度は、マイクロビッカース硬さ(MHv)で80〜140を呈する請求項4から7のいずれか一項に記載の円筒軸受ブッシュの製造方法。
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