JP2007009294A - 摺動部材 - Google Patents

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雅彦 芝原
Nobuo Sakate
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Abstract

【課題】 摺動面の面圧の変動があっても、摩擦係数が比較的安定した摺動部材を提供すること。
【解決手段】 摺動面をめっき皮膜で被覆した摺動部材において、前記めっき皮膜の表面にクラックを形成すると共に、該クラックにフッ素樹脂と金属硫化物との混合物を充填したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は摺動部材の摺動面の表面処理技術に関するものである。
自動車の内燃機関に用いられるピストンリング等の摺動部材は、高温・高圧の燃焼ガス室内で高速で摺動することが要求され、極めて厳しい環境下にさらされる。このような環境下でも良好な摩擦磨耗特性を発揮すべく、様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1にはショットピーニング等のインピンジメント法により固体潤滑材を摺動面に投射し、その運動エネルギーを利用して固体潤滑材を摺動面に拡散・浸透させる技術が開示されている。また、特許文献2には、低磨耗性及び耐磨耗性が要求される金属表面にポア、孔、凹凸、割れ等を形成し、フッ素系モノマーを含浸した後、低エネルギー電子線を照射して該モノマーを重合され、金属表面にフッ素系重合体薄膜を形成する技術が開示されている。また、フッ素樹脂を分散・含有するNi−Pめっきを摺動面に形成し、低摩擦性・耐磨耗性を確保する技術も知られている。
特開平11−131257号公報 特開平11−342371号公報
ところで、摺動面の面圧は変動する場合が多い。例えば、内燃機関のピストンリングを例にすると、熱膨張に伴うシリンダライナの変形、或いは、燃焼圧の変化等を要因として摺動面の面圧が変動する。また、内燃機関の動弁系部品であるカムとタペットとも摺動面の面圧が変動する。このような摺動面の面圧が変動する用途においては面圧変化に対して摺動特性が安定していることが望まれる。
しかし、上記特許文献に記載の技術等において用いられ、また、摩擦磨耗特性の向上のために広く用いられている材料である、フッ素樹脂について面圧が摩擦係数に与える影響について本発明者が研究したところ、面圧の上昇と共に摩擦係数が大きくなる、つまり、面圧依存性があることが分かった。
従って、本発明の目的は、摺動面の面圧の変動があっても、摩擦係数が比較的安定した摺動部材を提供することにある。
本発明によれば、摺動面をめっき皮膜で被覆した摺動部材において、前記めっき皮膜の表面にクラックを形成すると共に、該クラックにフッ素樹脂と金属硫化物との混合物を充填したことを特徴とする摺動部材が提供される。
本発明によれば、フッ素樹脂と、フッ素樹脂に対して面圧依存性が反対の特性を有する金属硫化物と、の混合物を前記クラックに充填することで、摺動面の摩擦係数を安定させることができる。
本発明において、前記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)を挙げることができ、このようなフッ素樹脂の1種又は複数種の混合物であってもよい。
前記金属硫化物としては、例えば、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、二硫化ニオブ(NbS2)を挙げることができ、このような金属硫化物の1種又は複数種の混合物であってもよい。
前記めっき皮膜は、例えば、クロムめっき、ニッケル−リンめっき等のめっき皮膜が挙げられる。
また、本発明においては、前記混合物における前記フッ素樹脂と前記金属硫化物との体積比が、1対3乃至3対1の範囲であることが望ましい。この体積比の範囲であれば、上記効果に加えてより低い摩擦係数が得られる。
以上述べた通り、本発明によれば、摺動面の面圧の変動があっても、摩擦係数が比較的安定した摺動部材を提供することができる。
図1(a)は本発明の一実施形態に係るピストンリング1、図1(b)はピストンリング1の摺動面の構造を示す模式図である。本実施形態ではピストンリングを例に挙げるが他の金属部材についても本発明は適用可能である。ピストンリング1はリング状の基材1aの、摺動面となる外周面にめっき皮膜1bが被覆されている。めっき皮膜1bの表面には網目状にクラック1cが形成されており、クラック1cは例えば幅が数μm〜数十μmのマイクロクラックである。クラック1cにはフッ素樹脂と金属硫化物との混合物1dが充填されている。
ピストンリング1の製造方法は、基材1aの外周面にクラック1cを有するめっき皮膜1bを形成する工程、クラック1cに混合物1dを充填する工程、からなる。クラック1cを有するめっき皮膜1bを形成する工程では、例えば、ピストンリング1の外周面に、電気めっきによりめっき皮膜1bを形成し、その後、逆電によるエッチングによりクラック1cを形成することができる。また、混合物1dを充填する工程では、例えば、フッ素樹脂と金属硫化物の微粒子を混合して混合物1dを作成し、これをクラック1cに充填する。充填方法としては、例えば、含浸法、ショットピーニング法、金属マトリックス法、ボンディング法が挙げられる。
混合物1dのフッ素樹脂と金属硫化物の体積比と、摺動面の面圧及び摩擦係数との関係について実験を行なった。図2(a)は実験に用いた実験装置Aの概略図である。実験装置Aは不図示の加圧装置により下方へ加圧可能なピンプレート10と、鋳鉄(FCH1)からなり、不図示のモータにより回転駆動されるディスク20と、を備える。ピンプレート10はその中央に潤滑油の供給孔11が設けてあり、その下面には複数のピン12が設けられている。各ピン12の下面にはフッ素樹脂と金属硫化物との混合物が充填されたクラックを有するめっき皮膜である試験体30を形成した。図2(b)はピンプレート10の平面視図であり、ピン12は炭素鋼(SK3)からなり、略等間隔で3つ設けられている。
試験体30のめっき皮膜は電気めっきによるニッケル−リンめっきとし、めっき形成後にクロム酸に浸して逆電し、エッチングすることによりクラックを形成した。クラックに充填する混合物のフッ素樹脂はPTFE、金属硫化物はMoS2とした。混合物のクラックへの充填は、PTFE及びMoS2の微粒子を攪拌後、電気炉内でシート状に加工し、その混合物のシートをめっき皮膜の表面に置いてオートクレーブ中で加熱、加圧することで充填した。加熱温度はPTFEの溶融温度が摂氏327度であることを考慮し、摂氏330度〜360度の範囲で行なった。圧力は10MPa(不活性雰囲気中)とした。後述するように試験体30はPTFEとMoS2の体積比を変えて複数種類作成した。
しかして、ピン12に対する摺動速度が5m/sとなるようにディスク20を定速回転し、供給孔11から試験体30に潤滑油として無添加油を供給しながら、試験体30を設けたピン12をディスク20に押圧した。そして、ピン12のディスク20への押圧により、試験体30が受ける面圧を所定の範囲で変化させ、各面圧とその面圧におけるモータのトルク(電流値)から試験体30の摩擦係数を算出した。
面圧(MPa)は、0.3、1.0、1.8、2.5、3.5、5.0、12.0で変化させ、また、試験体30は、PTFEとMoS2との体積比が、100:0、90:10、75:25、50:50、25:75、10:90、0:100、のものをそれぞれ作成した。
図3(a)は実験結果を示すデータであり、各面圧と、PTFEとMoS2との体積比が異なる各試験体30と、についての摩擦係数の算出結果を示す。また、図3(b)は図3(a)のデータのグラフである。
図3(b)を見ると、PTFEとMoS2との体積比が、100:0の試験体、つまり、PTFEのみをクラックに充填した試験体では面圧が高くなるにつれて摩擦係数が増大しており、PTFEが面圧依存性を有することが分かる。これは、PTFEは潤滑油の濡れ性が悪いため、高面圧下では潤滑油の保持性が低いことに起因すると考えられる。
一方、PTFEとMoS2との体積比が、0:100の試験体、つまり、MoS2のみをクラックに充填した試験体では面圧が高くなるにつれて摩擦係数が減少しており、面圧が低いと摩擦係数が高くなっている。つまり、面圧依存性がPTFEとは逆の特性を示している。
しかして、PTFEとMoS2とが混合されるに従って、面圧の変化に対する摩擦係数の変化が小さく、比較的安定しており、特に、PTFEとMoS2との体積比が25:75〜75:25の範囲、つまり、1対3乃至3対1の範囲では、摩擦係数が小さい範囲で安定している。しかして、PTFEとMoS2のようにフッ素樹脂と金属硫化物との混合物をクラックに充填することで、面圧の変動があっても、摩擦係数を比較的安定させることができ、特に、両者の体積比が1対3乃至3対1の範囲では更に、より低い摩擦係数が得られると言える。
(a)は本発明の一実施形態に係るピストンリング1、(b)はピストンリング1の摺動面の構造を示す模式図である。 (a)は実験に用いた実験装置Aの概略図、(b)はピンプレート10の平面視図である。 (a)は実験結果を示すデータであり、(b)は図3(a)のデータのグラフである。
符号の説明
1 ピストンリング
1a 基材
1b めっき皮膜
1c クラック
1d 混合物

Claims (2)

  1. 摺動面をめっき皮膜で被覆した摺動部材において、
    前記めっき皮膜の表面にクラックを形成すると共に、該クラックにフッ素樹脂と金属硫化物との混合物を充填したことを特徴とする摺動部材。
  2. 前記混合物における前記フッ素樹脂と前記金属硫化物との体積比が、1対3乃至3対1の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008196655A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Shimonishi Giken Kogyo Kk チルトヒンジ
JP2011248316A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Kazuo Miyamoto レンズアダプタ
JP2013129882A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Jst Mfg Co Ltd 部品
JP2013241656A (ja) * 2012-05-22 2013-12-05 Nippon Chem Ind Co Ltd クロムめっき物及びクロムめっき皮膜
JP2014098471A (ja) * 2012-11-16 2014-05-29 Toyota Central R&D Labs Inc 圧力リング装着ピストン

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