JP2006037708A - 地盤改良装置及びそれを用いた地盤改良工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】攪拌翼3A,3Bが先端付近に形成された外管8と、該外管8に内設されると共に、前記外管8の先端よりも突出した部分に掘削刃2が形成された内管7と、を有する二重管構造の攪拌ロッド1を備え、前記外管8と前記内管7とを互いに逆回転させる構成とした地盤改良装置であって、前記攪拌翼3A,3Bがよりも基端側の位置の前記外管8に、前記攪拌翼3A,3Bの回転径と略同径又は若干小さい回転径を有する、1ピッチ分の螺旋状羽根12を形成する。
【選択図】図2
Description
そして、当該工法は、スラリー状のセメント系固化材を原位置に添加しながら、土と固化材を機械的に混合・撹拌し、所定の深度まで貫入したのち、ロッドを引き抜きつつ再度、撹拌を繰り返すと共に、これら内管と外管を互いに正逆回転させることにより掘削土の塊を強制的にせん断し、いわゆる土塊の「共回り現象」を解消して、固化材との均質な混合、撹拌を行い、高強度と高い均質性を有する改良体を形成するものである。
<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、攪拌翼が先端付近に形成された外管と、該外管に内設されると共に、前記外管の先端よりも突出した部分に掘削刃が形成された内管と、を有する二重管構造の攪拌ロッドを備え、前記外管と前記内管とを互いに逆回転させる構成とした地盤改良装置であって、前記攪拌翼よりも基端側の位置の前記外管に、前記攪拌翼の回転径と略同径又は若干小さい回転径を有する、1ピッチ分の螺旋状羽根を形成した、ことを特徴とする地盤改良装置である。
掘削土は、内管と外管を互いに正逆回転させることにより強制的にせん断され、主に掘削刃が形成された内管先端と、攪拌翼が形成された外管の先端付近との区間において、固化材等と攪拌・混合され、高強度と高い均質性を有する改良体が形成される。
請求項2記載の発明は、前記掘削刃は、前記内管の最先端部に設けられた先端掘削刃と、この先端掘削刃よりやや基端側に離間して設けられるとともに前記先端掘削刃の回転径以上の回転径とされる攪拌兼用掘削刃とから構成され、前記先端掘削刃と攪拌兼用掘削刃とがこれらを繋ぐ螺旋状の連続刃によって連続一体化されており、前記攪拌翼は、前記外管の先端付近の外周に対称的に一対形成された第1の攪拌翼と、該第1の攪拌翼よりも基端側の外周に対称的に一対形成された第2の攪拌翼と、を備え、前記第1の攪拌翼と前記第2の攪拌翼とは、平面的に略90°のずれをもって配設され、前記第1の攪拌翼には、その下方に延びると共に、前記攪拌兼用掘削刃と接触しない範囲で長い縦剪断用補助翼が設けられた、請求項1記載の地盤改良装置である。
先端掘削刃と攪拌兼用掘削刃とを連続刃によって螺旋状に連続一体化させることによって、先端掘削刃により掘削された掘削土が効率良くかつ連続して上方に移送されるようになるため、後側の攪拌兼用掘削刃に過度の負荷力をかけることがなくなり、地盤を効率的に掘削できるようになる。また、攪拌兼用掘削刃の回転径を大きくした場合や硬い地盤を空掘りする場合でも高い掘削性能を確保することができる。また、第1及び第2の攪拌翼による水平方向の剪断に加え、第1の攪拌翼に設けられた縦せん断用攪拌翼により縦方向に掘削土を剪断するため、掘削土と固化材とを効果的に攪拌・混合することができるようになり、得られる改良体も強度的にばらつきのない良好な改良体とすることができる。
請求項3記載の発明は、前記螺旋状羽根のピッチ間隔は500〜900mmであり、前記攪拌ロッドの軸中心に対する、前記螺旋状羽根の傾斜角度が4.5〜12°である、請求項1又は2記載の地盤改良装置である。
螺旋状羽根のピッチ間隔を500〜900mmとし、攪拌ロッドの軸中心に対する、前記螺旋状羽根の傾斜角度を4.5〜12°とすることにより、より効果的に排泥の発生を低減させることができる。
請求項4記載の発明は、攪拌翼が先端付近に形成された外管と、該外管に内設されると共に、前記外管の先端よりも突出した部分に掘削刃が形成された内管と、を有する二重管構造の攪拌ロッドを備え、前記外管と前記内管とを互いに逆回転させる構成とした地盤改良装置であって、前記掘削刃は、前記内管の最先端部に設けられた先端掘削刃と、この先端掘削刃から延在し、前記攪拌翼の回転径と略同径又は若干大きい回転径を有する螺旋状羽根と、を備えた構成とされた、ことを特徴とする地盤改良装置である。
前記掘削刃は、前記内管の最先端部に設けられた先端掘削刃と、この先端掘削刃から延在し、前記攪拌翼の回転径と略同径又は若干大きい回転径を有する螺旋状羽根と、を備えた構成とすることにより、先端掘削刃により掘削された掘削土が螺旋状羽根によって効率良くかつ連続して上方に移送されるようになるため、地盤を効率的に掘削できるようになる。また、螺旋状羽根が攪拌翼の回転径と略同径又は若干大きい回転径を有していることにより、排泥の上昇を抑える蓋として機能し、さらに、攪拌ロッドの先端部分に取付けられているので、この螺旋状羽根による排泥の上昇の押さえ込みを妨げる力が作用しないため、より排泥の上昇を抑えることができる。
請求項5記載の発明は、前記掘削刃の先端掘削刃は、内管を中心にして対称的に形成された一対の左側掘削刃と右側掘削刃とから構成され、これら左側掘削刃と右側掘削刃とからそれぞれ延在して二重螺旋状に螺旋状羽根が形成された、請求項4記載の地盤改良装置である。
請求項6記載の発明は、二重螺旋状に形成される前記螺旋状羽根のうち、一方の螺旋部は半ピッチ分の羽根であり、他方の螺旋部は1ピッチ分の羽根である構成とされた、請求項4又は5記載の地盤改良装置である。
掘削刃の先端掘削刃は、内管を中心にして対称的に形成された一対の左側掘削刃と右側掘削刃とから構成され、これら左側掘削刃と右側掘削刃とからそれぞれ延在して二重螺旋状に螺旋状羽根が形成されることにより、地盤を効率的に掘削できると共に、より排泥の上昇を抑えることができる。
また、重螺旋状に形成される前記螺旋状羽根のうち、一方の螺旋部は半ピッチ分の羽根であり、他方の螺旋部は1ピッチ分の羽根である構成とすることにより、全体としてピッチ数を少なくし、掘削土が団子状に凝集してしまうことを防止し、改良体の品質の悪化を防いでいる。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の地盤改良装置を用いた地盤改良工法であって、掘削の際には、前記螺旋状羽根を掘進方向に推進力を与えるように回転させ、前記攪拌ロッドの引き上げの際には、前記螺旋状羽根を引き上げ方向に推進力を与えるように回転させる、ことを特徴とする地盤改良工法である。
掘削の際には、螺旋状羽根を掘進方向に推進力を与えるように回転させると、掘削土を上方に掻き上げるので、掘進作業が容易化される。また、攪拌ロッドの引き上げの際に、この螺旋状羽根を引き上げ方向に推進力が働くように回転させれば、引上げ作業が容易化される。さらに、その推進力が攪拌ロッドの引き上げに伴う排泥の上昇を抑える反力として機能し、地上への排泥の発生を低減させることができる。その結果、産業廃棄物処理量を減らすことができ、施工コストを抑えることができる。
<地盤改良装置>
混合処理工法に使用される地盤改良装置は、図1に示されるように、ベースマシン23に対して立設状態で固定されたリーダー21上に、リーダー21に沿って移動可能とされるパワースイベル20が搭載され、このパワースイベル20に対し減速機を介して攪拌ロッド1が連結されている。
前述した地盤改良装置による改良手順について図5に基づいて説明すると、図5(A)に示すように、攪拌ロッド1先端の掘削刃2を所定位置にセットした後、パワースイベル20の駆動により攪拌ロッド1を貫入させ、図5(B)に示すように、改良部の開始位置まで空掘りする。なお、ここまでの貫入は先端の吐出口9からは固化材等は吐出させずに貫入を行う。
他の実施の形態として、攪拌ロッド1の一対の左側掘削刃4aと右側掘削刃4bとからなる先端掘削刃4を大型化させ、さらにその基端側に螺旋状羽根を備えた、図6及び図7に示す、攪拌ロッド100も考えることができる。この攪拌ロッド100における内管7の先端部に設けられた掘削刃200は、最先端部に固定された先端掘削刃40と、この先端掘削刃40から延在し、後述する攪拌翼30A〜30Cの回転径と略同径又は若干大きい回転径を有する螺旋状羽根50と、を備え、先端掘削刃40は内管7を中心にして対称的に形成された一対の左側掘削刃40aと右側掘削刃40bとからなり、これら両掘削刃40a、40bの下側には掘削ビット10が複数設けられている。前記左・右側掘削刃40a、40bはそれぞれ所定角度だけ傾斜させて形成されており、掘削ビット10、10…の刃先が地盤に対し所定の角度で進入するように取り付けてある。この場合、前述した攪拌ロッド1と同様に、前記掘削刃40a、40bの傾斜角度としては、80〜95°にするのが望ましい。
なお、この攪拌ロッド100についての他の構成や工法については、攪拌ロッド1の場合と同じなので説明を省略する。
Claims (7)
- 攪拌翼が先端付近に形成された外管と、該外管に内設されると共に、前記外管の先端よりも突出した部分に掘削刃が形成された内管と、を有する二重管構造の攪拌ロッドを備え、
前記外管と前記内管とを互いに逆回転させる構成とした地盤改良装置であって、
前記攪拌翼よりも基端側の位置の前記外管に、前記攪拌翼の回転径と略同径又は若干小さい回転径を有する、1ピッチ分の螺旋状羽根を形成した、
ことを特徴とする地盤改良装置。 - 前記掘削刃は、前記内管の最先端部に設けられた先端掘削刃と、この先端掘削刃よりやや基端側に離間して設けられるとともに前記先端掘削刃の回転径以上の回転径とされる攪拌兼用掘削刃とから構成され、
前記先端掘削刃と攪拌兼用掘削刃とがこれらを繋ぐ螺旋状の連続刃によって連続一体化されており、
前記攪拌翼は、前記外管の先端付近の外周に対称的に一対形成された第1の攪拌翼と、該第1の攪拌翼よりも基端側の外周に対称的に一対形成された第2の攪拌翼と、を備え、
前記第1の攪拌翼と前記第2の攪拌翼とは、平面的に略90°のずれをもって配設され、
前記第1の攪拌翼には、その下方に延びると共に、前記攪拌兼用掘削刃と接触しない範囲で長い縦剪断用補助翼が設けられた、請求項1記載の地盤改良装置。 - 前記螺旋状羽根のピッチ間隔は500〜900mmであり、
前記攪拌ロッドの軸中心に対する、前記螺旋状羽根の傾斜角度が4.5〜12°である、請求項1又は2記載の地盤改良装置。 - 攪拌翼が先端付近に形成された外管と、該外管に内設されると共に、前記外管の先端よりも突出した部分に掘削刃が形成された内管と、を有する二重管構造の攪拌ロッドを備え、
前記外管と前記内管とを互いに逆回転させる構成とした地盤改良装置であって、
前記掘削刃は、前記内管の最先端部に設けられた先端掘削刃と、この先端掘削刃から延在し、前記攪拌翼の回転径と略同径又は若干大きい回転径を有する螺旋状羽根と、を備えた構成とされた、
ことを特徴とする地盤改良装置。 - 前記掘削刃の先端掘削刃は、内管を中心にして対称的に形成された一対の左側掘削刃と右側掘削刃とから構成され、これら左側掘削刃と右側掘削刃とからそれぞれ延在して二重螺旋状に螺旋状羽根が形成された、請求項4記載の地盤改良装置。
- 二重螺旋状に形成される前記螺旋状羽根のうち、一方の螺旋部は半ピッチ分の羽根であり、他方の螺旋部は1ピッチ分の羽根である構成とされた、請求項4又は5記載の地盤改良装置。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の地盤改良装置を用いた地盤改良工法であって、
掘削の際には、前記螺旋状羽根を掘進方向に推進力を与えるように回転させ、
前記攪拌ロッドの引き上げの際には、前記螺旋状羽根を引き上げ方向に推進力を与えるように回転させる、
ことを特徴とする地盤改良工法。
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