JP4693102B2 - 地盤改良装置及びそれを用いた地盤改良工法 - Google Patents

地盤改良装置及びそれを用いた地盤改良工法 Download PDF

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

本発明は、固化材等と土砂とを現位置で攪拌・混合することにより地盤中に固化改良体を造成する地盤改良工法に用いられる地盤改良装置に係り、詳しくはその攪拌ロッド構造に関し、さらにこの地盤改良装置を用いた地盤改良工法に関するものである。
近時、軟弱地盤の改良、基礎、山留め、遮水壁の造成等の際に、アスコラム工法が用いられている。このアスコラム工法に用いられる一般的な攪拌ロッドの構造は、内管・外管の二重構造として、内管の先端には掘孔を行う掘削刃を設け、外管の外周には攪拌をメインとした攪拌羽根を設けている(例えば、特許文献1参照)。
そして、当該工法は、スラリー状のセメント系固化材を原位置に添加しながら、土と固化材を機械的に混合・撹拌し、所定の深度まで貫入したのち、ロッドを引き抜きつつ再度、撹拌を繰り返すと共に、これら内管と外管を互いに正逆回転させることにより掘削土の塊を強制的にせん断し、いわゆる土塊の「共回り現象」を解消して、固化材との均質な混合、撹拌を行い、高強度と高い均質性を有する改良体を形成するものである。
特開平8−199556号公報(3,4頁、図2)
しかしながら、上記のような攪拌ロッドでは攪拌効率が向上するものの、排泥発生量が多く、産業廃物の処理費用が嵩み、施工コストを押し上げていた。
例えば、従来型の攪拌ロッドを用いて地盤改良を行うと、一般的に、排泥発生量(%)は20〜50%程度である。なお、排泥発生量(%)は排出した排泥量を掘削対象土量で割ったものに100を掛けることで求めることができる。
そこで、本発明の主たる課題は、掘削土の土塊の共回り現象を解消すると共に、排泥の発生を低減させる地盤改良装置及びそれを用いた地盤改良工法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、攪拌翼が先端付近に形成された外管と、該外管に内設されると共に、前記外管の先端よりも突出した部分に掘削刃が形成された内管と、を有する二重管構造の攪拌ロッドを備え、前記外管と前記内管とを互いに逆回転させる構成とした地盤改良装置であって、前記掘削刃は、前記内管の最先端部に設けられた先端掘削刃と、この先端掘削刃から延在し、前記攪拌翼の回転径と略同径又は若干大きい回転径を有する螺旋状羽根と、を備えた構成とされ、前記掘削刃の先端掘削刃は、内管を中心にして対称的に形成された一対の左側掘削刃と右側掘削刃とから構成され、これら左側掘削刃と右側掘削刃とからそれぞれ延在して二重螺旋状に螺旋状羽根が形成され、この螺旋状羽根のうち、一方の螺旋部は半ピッチ分の羽根であり、他方の螺旋部は1ピッチ分の羽根である構成とされた、ことを特徴とする地盤改良装置である。
(作用効果)
前記掘削刃は、前記内管の最先端部に設けられた先端掘削刃と、この先端掘削刃から延在し、前記攪拌翼の回転径と略同径又は若干大きい回転径を有する螺旋状羽根と、を備えた構成とすることにより、先端掘削刃により掘削された掘削土が螺旋状羽根によって効率良くかつ連続して上方に移送されるようになるため、地盤を効率的に掘削できるようになる。また、螺旋状羽根が攪拌翼の回転径と略同径又は若干大きい回転径を有していることにより、排泥の上昇を抑える蓋として機能し、さらに、攪拌ロッドの先端部分に取付けられているので、この螺旋状羽根による排泥の上昇の押さえ込みを妨げる力が作用しないため、より排泥の上昇を抑えることができる。
掘削刃の先端掘削刃は、内管を中心にして対称的に形成された一対の左側掘削刃と右側掘削刃とから構成され、これら左側掘削刃と右側掘削刃とからそれぞれ延在して二重螺旋状に螺旋状羽根が形成されることにより、地盤を効率的に掘削できると共に、より排泥の上昇を抑えることができる。
また、重螺旋状に形成される前記螺旋状羽根のうち、一方の螺旋部は半ピッチ分の羽根であり、他方の螺旋部は1ピッチ分の羽根である構成とすることにより、全体としてピッチ数を少なくし、掘削土が団子状に凝集してしまうことを防止し、改良体の品質の悪化を防いでいる。
<請求項記載の発明>
請求項記載の発明は、請求項1記載の地盤改良装置を用いた地盤改良工法であって、掘削の際には、前記螺旋状羽根を掘進方向に推進力を与えるように回転させ、前記攪拌ロッドの引き上げの際には、前記螺旋状羽根を引き上げ方向に推進力を与えるように回転させる、ことを特徴とする地盤改良工法である。
(作用効果)
掘削の際には、螺旋状羽根を掘進方向に推進力を与えるように回転させると、掘削土を上方に掻き上げるので、掘進作業が容易化される。また、攪拌ロッドの引き上げの際に、この螺旋状羽根を引き上げ方向に推進力が働くように回転させれば、引上げ作業が容易化される。さらに、その推進力が攪拌ロッドの引き上げに伴う排泥の上昇を抑える反力として機能し、地上への排泥の発生を低減させることができる。その結果、産業廃棄物処理量を減らすことができ、施工コストを抑えることができる。
(参考となる作用効果)
掘削土は、内管と外管を互いに正逆回転させることにより強制的にせん断され、主に掘削刃が形成された内管先端と、攪拌翼が形成された外管の先端付近との区間において、固化材等と攪拌・混合され、高強度と高い均質性を有する改良体が形成される。
また、攪拌翼の回転径と略同径又は若干小さい回転径を有する1ピッチ分の螺旋状羽根を外管に形成する構成としたことにより、攪拌ロッドの引き上げの際に、この螺旋状羽根を引き上げ方向に推進力が働くように回転させれば、引上げ作業が容易化される。さらに、その推進力が攪拌ロッドの引き上げに伴う排泥の上昇を抑える反力として機能し、地上への排泥の発生を低減させることができる。その結果、産業廃棄物処理量を減らすことができ、施工コストを抑えることができる。
先端掘削刃と攪拌兼用掘削刃とを連続刃によって螺旋状に連続一体化させることによって、先端掘削刃により掘削された掘削土が効率良くかつ連続して上方に移送されるようになるため、後側の攪拌兼用掘削刃に過度の負荷力をかけることがなくなり、地盤を効率的に掘削できるようになる。また、攪拌兼用掘削刃の回転径を大きくした場合や硬い地盤を空掘りする場合でも高い掘削性能を確保することができる。また、第1及び第2の攪拌翼による水平方向の剪断に加え、第1の攪拌翼に設けられた縦せん断用攪拌翼により縦方向に掘削土を剪断するため、掘削土と固化材とを効果的に攪拌・混合することができるようになり、得られる改良体も強度的にばらつきのない良好な改良体とすることができる。
螺旋状羽根のピッチ間隔を500〜900mmとし、攪拌ロッドの軸中心に対する、前記螺旋状羽根の傾斜角度を4.5〜12°とすることにより、より効果的に排泥の発生を低減させることができる。
本発明によれば、掘削土の土塊の共回り現象を解消すると共に、排泥の発生を低減させることができる等の利点がもたらされる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<参考となる地盤改良装置>
混合処理工法に使用される地盤改良装置は、図1に示されるように、ベースマシン23に対して立設状態で固定されたリーダー21上に、リーダー21に沿って移動可能とされるパワースイベル20が搭載され、このパワースイベル20に対し減速機を介して攪拌ロッド1が連結されている。
前記攪拌ロッド1は、詳細には図2に示されるように、内管7と外管8とからなる二重管構造のロッド体であり、これら内管7と外管8とは前記減速機の変速機構により、例えば、一方が右回りに他方が左回りというように正逆方向にそれぞれ回転するようになっている。なお、後述するが、掘削時と引き上げ時とでは、図2及び図3に示すように、それぞれの回転方向を逆転させている。
前記攪拌ロッド1の先端部においては、前記内管7は外管8の先端よりも若干先方に突出して構成され、内管7の先端部に掘削刃2が設けられている。前記掘削刃2は、最先端部に固定された先端掘削刃4とこの先端掘削刃4の上方側に固定された攪拌兼用掘削刃5とから構成され、前記先端掘削刃4は内管7を中心にして対称的に設けられた一対の左側掘削刃4aと右側掘削刃4bとからなり、これら両掘削刃4a、4bの下側には掘削ビット10が複数設けられている。前記左・右側掘削刃4a、4bはそれぞれ所定角度だけ傾斜させて形成されており、掘削ビット10、10…の刃先が地盤に対し所定の角度で進入するように取り付けてある。この場合に、前記掘削刃4a、4bの傾斜角度としては、80〜95°にするのが望ましい。また、内管7の最先端部には、吐出口9が形成され、セメント系、石灰系の粉体または液体の固化材、ベントナイト泥水などの掘削液、根固め液又は杭周固定液等が吐出されるようになっている。
また、前記攪拌兼用掘削刃5も同様に、内管7を中心にして対称的に設けられた一対の左側攪拌兼用掘削刃5aと右側攪拌兼用掘削刃5bとからなり、これらの攪拌兼用掘削刃5a、5bはそれぞれ前記左・右側掘削刃4a、4bの取付け位置に対し平面的に平行した位置に固定されている。また、攪拌兼用掘削刃5の下側には、掘削ビット10が複数設けられており、これら左・右側攪拌兼用掘削刃5a、5bによる掘削径は、ほぼ後述の攪拌翼3Aと同等とされている。また、攪拌兼用掘削刃5も前記先端掘削刃4の場合と同様に、それぞれ所定角度だけ傾斜させて形成されており、先端掘削ビット10、10…の刃先が地盤に対し所定の角度で進入するように取り付けてある。この場合に、前記攪拌兼用掘削刃5a、5bの傾斜角度としては、40〜50°にするのが望ましい。
また、前記先端掘削刃4と攪拌兼用掘削刃5とは、これらを繋ぐ連続刃6により螺旋状に連続化されている。前記連続刃6は、図2に示されるように、前記左側掘削刃4aの上端辺と右側攪拌兼用掘削刃5bの下端辺とを螺旋状に連続させる連続刃6aと、前記右側掘削刃4bの上端辺と左側攪拌兼用掘削刃5aの下端辺とを螺旋状に連続させる連続刃6bとからなり、掘削刃4によって掘り起こされた土砂が前記連続刃6によって現位置に滞留することなく連続的に上方に移動され、さらに攪拌兼用掘削刃5により攪拌されるとともに、掘削刃4より外方に位置する部分については、前記攪拌兼用掘削刃5により最初に掘削が行われるようになっている。この場合、前記連続刃6の傾斜角度としては20〜30°とするのが望ましい。
他方、外管8の先端付近の外周には、図示の例では上下方向に2段配置により、それぞれ外管8の外周に、回転径が略同径の第1の攪拌翼3A及び第2の攪拌翼3Bが形成されており、第1の攪拌翼3Aよりも基端側の外周に第2の攪拌翼3Bが配設されている。そして、これら各攪拌翼3A及び3Bは、外管8を中心にして対称的に設けられた一対の攪拌羽根3aと攪拌羽根3bとからなっており、第1の攪拌翼3Aと第2の攪拌翼3Bは、平面的に視て90°づつずらして配置されている。また、これら攪拌羽根3a、3bはそれぞれ所定角度だけ傾斜させて形成されており、この傾斜角度としては25〜40°にするのが望ましい。これら攪拌翼は、本例では2段配置の例を示したが、1段配置であってもよいし、また3段以上配置されることでもよい。また、1段当りに形成される攪拌羽根の数もたとえば3翼、4翼とすることもできる。なお、第2の攪拌翼3Bの攪拌羽根3a、3bの攪拌ロッド半径方向の先端には、掘削ビット10が上向きに設けられ、攪拌ロッド1の引き下げ時に掘進用として利用されるが、この掘削ビット10を省略することもできる。
また、掘削土を縦方向にも剪断するべく、第1の攪拌翼3Aに対し、その下方に複数の縦剪断用補助翼11が垂設されている。この縦剪断用補助翼11は、剪断面を大きく確保するように下側の攪拌兼用掘削刃5と接触しない範囲でなるだけ長くして形成するのが望ましい。通常、前記縦剪断用補助翼11の長さとしては、少なくとも10cm以上、好ましくは20cm以上であることが望ましい。また、前記縦剪断用補助翼11の回転方向側の端面11aを刃状に形成し剪断抵抗を小さくすることが望ましく、前記縦剪断用補助翼11は、平面的に配向方向を接線方向として配置するのが望ましい。なお、本例においては、最下段の攪拌翼3Aに対してのみ前記縦剪断用補助翼11を設けたが、他の攪拌翼3Bに対しても設けることもできる。
本地盤改良装置では、第2の攪拌翼3Bよりも基端側の外周に1ピッチ分の螺旋状羽根12が配設されている。この螺旋状羽根12は、第1の攪拌翼3A及び第2の攪拌翼3Bの回転径と略同径又は若干小さい回転径であり、比較的大きな外径を有している。この大きさにより、泥水を押し付ける力を強力に発揮することができるので、攪拌ロッド1を推進させる補助力として機能すると共に、掘削土を掻き上げたり、排泥の上昇を押させることができる。すなわち、掘削の際には、図2に示すように、螺旋状羽根12を掘進方向に推進力を与えるように回転させると、掘削土を上方に掻き上げるので、掘進作業が容易化される。また、攪拌ロッド1の引き上げの際に、図3に示すように、この螺旋状羽根12を引き上げ方向に推進力が働くように回転させれば、引上げ作業が容易化されると共に、その推進力が攪拌ロッド1の引き上げに伴う排泥の上昇を抑える反力として機能する。また、螺旋状羽根12は、第1の攪拌翼3A及び第2の攪拌翼3Bの回転径と略同径又は若干小さい回転径であることにより、排泥の上昇を抑える蓋としても機能する。これら機能のため、結果として地上への排泥の発生を低減させることができる。
後述するように、螺旋状羽根12のピッチ間隔を500〜900mmとし、攪拌ロッド1の軸中心に対する、螺旋状羽根12の傾斜角度を4.5〜12°とすることにより、より効果的に排泥の発生を低減させることができる。
なお、螺旋状羽根12を2ピッチ分以上形成してもよいが、製作コスト等の費用と効果のバランスの観点から、本実施の形態のように、螺旋状羽根12を1ピッチ分のみ形成することが好ましい。
<参考となる地盤改良工法>
前述した地盤改良装置による改良手順について図5に基づいて説明すると、図5(A)に示すように、攪拌ロッド1先端の掘削刃2を所定位置にセットした後、パワースイベル20の駆動により攪拌ロッド1を貫入させ、図5(B)に示すように、改良部の開始位置まで空掘りする。なお、ここまでの貫入は先端の吐出口9からは固化材等は吐出させずに貫入を行う。
次に、図5(C)に示すように、改良開始位置からセメント系または石灰系の液体または粉体の固化材等を内管7の吐出口9から吐出させながら、先端の掘削刃2で地盤掘削を行うとともに、攪拌兼用掘削刃5、攪拌翼3A及び3Bにより掘削土と固化材との攪拌・混合を行う。ここで、回転方向としては、図2に示すように、先端掘削刃4及び攪拌兼用掘削刃5を右回りとし、攪拌翼3A及び第2の攪拌翼3Bと螺旋状羽根12を左回りとする。この場合、攪拌ロッド1の下降速度としては、毎分0.3〜1.0m程度とし、ゆっくりと貫入させるのがよい。この際に、螺旋状羽根12の回転は掘進方向に推進させる補助力になると共に、掘削土を上方に掻き上げ、掘進作業を容易化している。
図5(D)に示すように、攪拌ロッド1が支持地盤に達したならば、内管7および外管8の回転方向として、先端掘削刃4及び攪拌兼用掘削刃5を左回りとし、かつ攪拌翼3A及び第2の攪拌翼3Bと螺旋状羽根12を右回りとする反転切換えした後、図5(E)に示すように、攪拌ロッド1を上方に引き上げる。引き上げる際にも、攪拌兼用掘削刃5と攪拌翼3により掘削土と固化材とを攪拌・混合しながらゆっくりと引き上げる。攪拌翼3および掘削刃2の回転数は、改良する土の土質条件によって違ってくるが、1m当りの羽根切り回数が300〜600回になるように設定することが望ましい。ここで、前記羽根切り回数とは、攪拌翼3および掘削刃2の改良部1m当りの回転数であり、攪拌翼3と掘削刃2の下降時および上昇時の回転数をすべて合計した数値をいう。
ここで、引き上げの際には、この螺旋状羽根12の回転は引き上げ方向に推進させる補助力になると共に、その推進力が攪拌ロッド1の引き上げに伴う排泥の上昇を抑える反力として機能し、地上への排泥の発生を低減させている。
なお、上記地盤改良工法において、セメント系、石灰系の粉体または液体の固化材に代えて粉体または懸濁液状のベントナイトなどを吐出してもよい。
<本実施の形態>
本実施の形態として、攪拌ロッド1の一対の左側掘削刃4aと右側掘削刃4bとからなる先端掘削刃4を大型化させ、さらにその基端側に螺旋状羽根を備えた、図6及び図7に示す、攪拌ロッド100も考えることができる。この攪拌ロッド100における内管7の先端部に設けられた掘削刃200は、最先端部に固定された先端掘削刃40と、この先端掘削刃40から延在し、後述する攪拌翼30A〜30Cの回転径と略同径又は若干大きい回転径を有する螺旋状羽根50と、を備え、先端掘削刃40は内管7を中心にして対称的に形成された一対の左側掘削刃40aと右側掘削刃40bとからなり、これら両掘削刃40a、40bの下側には掘削ビット10が複数設けられている。前記左・右側掘削刃40a、40bはそれぞれ所定角度だけ傾斜させて形成されており、掘削ビット10、10…の刃先が地盤に対し所定の角度で進入するように取り付けてある。この場合、前述した攪拌ロッド1と同様に、前記掘削刃40a、40bの傾斜角度としては、80〜95°にするのが望ましい。
螺旋状羽根50は、左側掘削刃40aと右側掘削刃40bとからそれぞれ延在して二重螺旋状に形成されると共に、第1の攪拌翼30A及び第2の攪拌翼30Bの回転径と略同径又は若干大きい回転径であり、比較的大きな外径を有している。この大きさにより、泥水を押し付ける力を強力に発揮することができるので、攪拌ロッド100を推進させる補助力として機能すると共に、掘削土を掻き上げたり、排泥の上昇を押さえることができる。すなわち、掘削の際には、図6に示すように、螺旋状羽根50を掘進方向に推進力を与えるように回転させると、掘削土を上方に掻き上げ、掻き上げられた掘削土は後述する攪拌翼30A〜30Cによってせん断され攪拌される。また、攪拌ロッド100の引き上げの際に、図7に示すように、この螺旋状羽根50を引き上げ方向に推進力が働くように回転させれば、引上げ作業が容易化されると共に、その推進力が攪拌ロッド100の引き上げに伴う排泥の上昇を抑える反力として機能し、排泥の上昇を抑える蓋としても機能する。これら機能のため、結果として地上への排泥の発生を低減させることができる。
この螺旋状羽根50は、図2に示す攪拌ロッド1の螺旋状羽根12よりも先端側に取付けられているため、より排泥の上昇を抑えることができる構成となっている。すなわち、攪拌翼(例えば、攪拌ロッド1の攪拌翼3A,3B)は排泥を上方に押し上げる泥水流を形成するが、このような攪拌翼が螺旋状羽根50よりも先端側に取付けられていないので、この螺旋状羽根50による排泥の上昇の押さえ込みを妨げる力が作用しないため、より排泥の上昇を抑えることができるものである。
螺旋状羽根50は二重螺旋状に形成されているが、左側掘削刃40aから延在する螺旋部50aは半ピッチ分の螺旋ピッチであり、右側掘削刃40bから延在する螺旋部50bは1ピッチ分の螺旋ピッチで形成されている。ここで、螺旋部50aが半ピッチ分の螺旋羽根状になっているのは、ピッチが多くなる(例えば、1ピッチ、2ピッチ等)と掘削土が団子状になってしまい、改良体の品質が悪くなるからである。なお、これに代えて、図示はしないが、左側掘削刃40aから延在する螺旋部50aを1ピッチ分の羽根とし、右側掘削刃40bから延在する螺旋部50bを半ピッチ分の羽根で形成してもよい。
また、攪拌ロッド100における外管8の外周には、第2の攪拌翼30Bより基端側に、第3の攪拌翼30Cが形成されている。第3の攪拌翼30Cを他の攪拌翼30A、30Bよりも短くしているが、そうすることにより、軸心側の攪拌性能を向上させることができるとともに、攪拌ロッド100の引上げ時の抵抗を低減することもできる。また、各攪拌翼30A〜30Cは、平面的に視て90°づつずらして配置されている。第3の攪拌翼30Cの攪拌羽根30a、30bの攪拌ロッド半径方向の先端には、掘削ビット10が上向きに設けられ、攪拌ロッド100の引き下げ時に掘進用として利用されるが、この掘削ビット10を省略することもできる。また、第3の攪拌翼30Cについては、本発明においては必ずしも必要としない。
なお、この攪拌ロッド100についての他の構成や工法については、攪拌ロッド1の場合と同じなので説明を省略する。
さらに他の形態として、図示はしないが、攪拌ロッド1の螺旋状羽根12を、外管8の外周の先端側で、かつ攪拌ロッド1の第1の攪拌翼3Aよりも先端側に取付けてもよい。また、螺旋状羽根12を攪拌ロッド1の第1の攪拌翼3Aと第2の攪拌翼3Bとの間に取付けてもよい。
以下に、図2乃至図4に示す攪拌ロッド1の実施例として、参考の地盤改良装置を用いた地盤改良において、螺旋状羽根12の螺旋ピッチ間隔(mm)、螺旋状羽根の回転径(外径)(mm)、螺旋状羽根の傾斜角度(°)を変化させた場合の排泥発生量(%)の関係を表1に示す。なお、図4に螺旋状羽根の回転径(外径)(mm)と螺旋ピッチ間隔(mm)の関係を示しており、また排泥発生量(%)は、(排出した排泥量/掘削対象土量)×100で算出される。
Figure 0004693102
表1では、排泥発生量が、螺旋ピッチ間隔(mm)、螺旋状羽根の回転径(外径)(mm)及び螺旋状羽根の傾斜角度(°)の関係によって変化することが示されている。ここから、螺旋状羽根の回転径(外径)(mm)を固定値とした場合には、螺旋ピッチ間隔(mm)を短くすると共に、螺旋状羽根の傾斜角度(°)を小さくしていけば、攪拌ロッドの引き抜きの際に、排泥の上昇を抑えることができ、結果として、排泥発生量(%)が減少することが判明した。この実施例から、螺旋状羽根12のピッチ間隔を500〜900mmとし、攪拌ロッド1の軸中心に対する、螺旋状羽根12の傾斜角度を4.5〜12°とすることにより、排泥発生量(%)を0〜18%に抑えることができ、排泥発生量(%)が20〜50%程度である従来型の攪拌ロッドに比べて、顕著に排泥の発生を低減させることが分かった。
本発明に係る地盤改良装置及びその地盤改良工法は、大口径深層混合処理工法の杭造成工事に用いるのに好適であり、機械攪拌羽根をコストを掛けずに改良することによって、大幅に排泥発生量(%)を抑えることができる。
地盤改良装置の全体側面図である。 掘削の際の攪拌ロッドの先端部拡大図である。 引き上げの際の攪拌ロッドの先端部拡大図である。 螺旋状羽根の回転径(外径)(mm)と螺旋ピッチ間隔(mm)の関係を示す説明図である。 地盤改良工法の工程を説明するための概略図である。 掘削の際の他の攪拌ロッドの先端部拡大図である。 引き上げの際の他の攪拌ロッドの先端部拡大図である。
1…攪拌ロッド、2…掘削刃、3A…第1の攪拌翼、3B…第2の攪拌翼、4…先端掘削刃、5…攪拌兼用掘削刃、6…連続刃、7…内管、8…外管、9…吐出口、10…掘削ビット、11…縦剪断用補助翼、12…螺旋状羽根、20…パワースイベル、21…リーダー、23…ベースマシン、30A…第1の攪拌翼、30B…第2の攪拌翼、30C…第3の攪拌翼、40…先端掘削刃、40a…左側掘削刃、40b…右側掘削刃、50…螺旋状羽根、50a,50b…螺旋部、100…攪拌ロッド、200…掘削刃。

Claims (2)

  1. 攪拌翼が先端付近に形成された外管と、該外管に内設されると共に、前記外管の先端よりも突出した部分に掘削刃が形成された内管と、を有する二重管構造の攪拌ロッドを備え、
    前記外管と前記内管とを互いに逆回転させる構成とした地盤改良装置であって、
    前記掘削刃は、前記内管の最先端部に設けられた先端掘削刃と、この先端掘削刃から延在し、前記攪拌翼の回転径と略同径又は若干大きい回転径を有する螺旋状羽根と、を備えた構成とされ、
    前記掘削刃の先端掘削刃は、内管を中心にして対称的に形成された一対の左側掘削刃と右側掘削刃とから構成され、これら左側掘削刃と右側掘削刃とからそれぞれ延在して二重螺旋状に螺旋状羽根が形成され、この螺旋状羽根のうち、一方の螺旋部は半ピッチ分の羽根であり、他方の螺旋部は1ピッチ分の羽根である構成とされた、
    ことを特徴とする地盤改良装置。
  2. 請求項1記載の地盤改良装置を用いた地盤改良工法であって、
    掘削の際には、前記螺旋状羽根を掘進方向に推進力を与えるように回転させ、
    前記攪拌ロッドの引き上げの際には、前記螺旋状羽根を引き上げ方向に推進力を与えるように回転させる、
    ことを特徴とする地盤改良工法。
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