JP5898518B2 - 地盤改良方法 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

本発明は、固化材液を地盤に注入し、地盤中の掘削土砂と固化材液を撹拌混合することによって、地盤中に円柱状のソイルセメントコラムを築造する地盤改良工法及び同工法に用いる地盤改良装置に関するものである。
地盤中に円柱状のソイルセメントコラムを築造する地盤改良工法としては、従来以下の工法がある。
1.変位低減型深層混合処理工法
変位低減型深層混合処理工法は、深層混合処理工法における周辺地盤の側方変位や変状を防止するため、セメントミルク等の固化材液の注入量に応じた量の土砂を原地盤から排出することで原地盤の体積膨張を回避する工法であり、例えば特許文献1〜4等に記載されたものがある。
一般的な設備は、施工機本体、プラント設備、掘削ロッド(二重管、スクリュー付き)、上下2吐出口、流路切替え装置、単軸スイベル等からなる。
施工は、杭心セット、空掘掘進を行い、所定深度において下部吐出口より固化材液を吐出しながら撹拌混合し、引上時には上方吐出口より固化材液を吐出しながら撹拌混合する。施工時には、掘削ロッドの体積及び固化材液の注入量に応じた掘削土をスクリューにより排出する。
なお、スクリューは、スクリュー径より内側の掘削土の地上への排出を目的とするが、スクリュー径より外側の掘削土が内側に引き込まれる場合もあり、この場合地上に排出できない掘削土は、後述するようにスクリューの装着区間において上下方向に連続的に循環している。従って、スクリュー下端下方には、掘削土が流れ込んでおり、その結果、実質添加量を高くした高強度コラムは築造できない。
2.スラリー系機械式深層混合処理工法
スラリー系機械式深層混合処理工法については、例えば特許文献5の記載の発明の他、多数の出願がなされている。
一般的には、改良対象土が有機質地盤やローム地盤の場合、通常範囲の固化材添加量(200〜400kg/m3)では、高強度コラムを築造できず、固化材添加量を増量(500〜800kg/m3)する必要がある。
しかし、固化材添加量を増量すると、以下の(1)〜(3)の課題が残る。
(1) 改良対象層は、深度方向に土質が変化しており、最弱層に併せて固化材添加量を決めると、砂地盤や砂礫地盤では過剰な強度となり、深度方向の強度バラツキが大きくなる。
(2) 単位時間当たりの固化材液の製造能力、供給能力を向上させるため、プラントやポンプ設備を大型化する必要がある。
(3) コラム1本当たりの注入量が増加するため、ソイルセメントが盛り上がり、その処分費、周辺地盤の変状、施工時間が増大する。また、コラム頭部処理等の現場作業が煩雑となる。
また、深度方向に土被り圧が大きくなり、地盤の掘進抵抗が大きくなる。硬質地盤では、大型の施工機を必要としたり、コラム径を小さくする等の課題が残る。
特公平6−39779号公報 特許第3505279号公報 特許第3583307号公報 特許第3602735号公報 特許第3621971号公報
本発明は上述のような従来技術における課題の解決を図ったものであり、以下の目的を有する。
(1) ロームや有機質土地盤においても、固化材液使用量を増大することなく高強度コラムを築造する。
(2) 地盤改良施工に伴う周辺地盤の変状を抑制する。
(3) 地盤改良施工に伴い発生する盛上り土(ソイルセメント)を抑制する。
(4) 硬質地盤への掘進性能を向上させる。
(5) 建築基礎にかかる費用を削減する。
本発明の地盤改良方法は、先端の掘削翼とその上方に配設された撹拌翼及び共回り防止翼を有する掘削撹拌ヘッドと、掘削撹拌ヘッドに接続され、外周にスクリュー翼を有するスクリューロッドとを備え、掘削撹拌ヘッドの先端部に固化材液を吐出するための下吐出口を備え、スクリュー翼の下端の直下に固化材液を吐出するための上吐出口を備えた地盤改良装置を所定位置にセットし、地盤改良装置を回転させ、スクリュー翼により貫入させた体積分に応じた量の土砂の排土を行いながら地盤に貫入させて行き、所定深度まで達したら下吐出口から固化材液を吐出させて掘削撹拌ヘッドの回転により土砂と撹拌混合させながら下降させ、最深部まで達したらスクリュー翼で排土しつつ、あるいは排土しないまま地盤改良装置を引き上げ、前記スクリュー翼下端下方に形成される減圧領域に対し、前記上吐出口からスクリュー翼の下端の直下に、引き上げられたスクリュー高さとスクリュー面積の積として算出される円柱体積に応じた量の固化材液を吐出させることで、前記減圧領域において土砂がロッド方向に移動したり下方に落ち込む現象を防止し、掘削撹拌ヘッドの回転により土砂と撹拌混合させて地盤改良体としてのコラムを築造することを特徴とするものである。
現場設備としては、スラリー系の機械攪拌式深層混合処理工法に用いる施工機(3点式杭打機や、小型施工機)、プラント設備などを用いる。スクリューロッドからなる掘削ロッドは二重管構造となっており、切替弁を介して上下の吐出口に固化材液を送ることができる。
施工は、大まかには掘進時に下吐出口から固化材液を吐出して土と固化材液を撹拌混合し、必要に応じて先端練返しを行い、引上げ時に上吐出口から固化材液を吐出して土と固化材液を撹拌混合する。この間、地盤の性状に応じて回転速度や掘進速度を制御しながらスクリュー翼で排土を行う。
コラム頭部についても必要に応じ、練返しを行う場合もある。また、従来のソイルセメントコラムを築造する場合と同様、施工条件によっては、コラム頭部に固化材液を注入しない空掘部を残すことも可能である。
なお、スクリュー翼により貫入させた体積分に応じた量の土砂とは、地盤中に貫入された地盤改良装置の体積以上で貫入されたスクリュー高さとスクリュー面積の積として算出される円柱の体積以下の土砂の量をもとに、また引上げ量に応じた量の固化材液とは、スクリューの引上げ高さとスクリュー面積の積として算出される円柱の体積に相当する量であり、体積の1.0倍以上の土砂の量をもとに、施工条件等によって決めることができる。
本発明で用いる地盤改良装置は、先端の掘削翼とその上方に配設された撹拌翼及び共回り防止翼を有する掘削撹拌ヘッドと、掘削撹拌ヘッドに接続され、外周にスクリュー翼を有するスクリューロッドとを備え、掘削撹拌ヘッドの先端部に固化材液を吐出するための下吐出口を備え、スクリュー翼の下端の直下に固化材液を吐出するための上吐出口を備えている。
地盤改良装置の引き上げ時、スクリュー翼で上方へ排土しながら、上吐出口からスクリュー翼下端の直下に固化材液を吐出し、土砂と混合して行くことで、後に詳述するように排土には固化材液がほとんど混入せず、地盤改良体としてのコラムについては固化材液が無駄なく混合されるため、高品質のコラムが築造でき、かつ固化材液の無駄な消費も抑えることができる。
本発明では高濃度の固化材液の注入も可能であり、高濃度の固化材液を用いることで高強度・高品質のコラムを築造することができる。なお、ここでいう高濃度固化材液は、必要に応じて減水剤等を用いた水セメント比(W/C)=40〜55%程度の固化材液である。
また、高強度コラムの設計基準強度は改良対象土の種類によっても異なり、表1に設計基準強度の目安を示す。
Figure 0005898518
固化材液の吐出方法には、表2に示す4通りがあるが、このうちケース1とケース2が標準である。
Figure 0005898518
ケース1、ケース2は、ミキシングプラント1台、アジテータ1台、グラウトポンプ1台で施工を行うことができ、切替弁1つで上吐出口と下吐出口への固化材液の供給を切り替えることができる。
ケース3、ケース4では、ミキシングプラント1台、アジテータ2台、グラウトポンプ1台で施工を行うことができ、1つ目の切替弁で上吐出口と下吐出口への固化材液の供給を切り替え、2つ目の切替弁で高濃度固化材液と固化材液の供給を切り替える。
掘削撹拌ヘッドとスクリューロッドとの関係においては、外周にスクリュー翼を有するスクリューロッドを直接掘削撹拌ヘッドに接続する場合と、掘削撹拌ヘッドとスクリューロッドの間にストレート部として、スクリュー翼のないロッドを介在させる場合とがあるが、いずれも場合も、上吐出口はスクリュー翼の下端の直下に設ける。
スクリュー翼のないロッドを介在させる代わりに、下部のみスクリュー翼がないスクリューロッドを接続することもあり得る。また、スクリューは連続スパイラルスクリューのほか、図示しないがスクリューを断続的に設けたものを使用してもよい。
ここで、スクリュー翼の下端の直下とは、スクリュー翼の下端から下方へスクリューの径φs以内の範囲程度を意味するが、一般的には必ずしもスクリューの径φsに関わらず、スクリュー翼の下端から下方へ60cm以内、より好ましくは40cm以内の範囲に設けることが望ましい。
これは、スクリュー翼を引き上げながら、固化材液を注入する際、スクリュー下端下方では減圧領域が形成され、スクリュー翼の外縁より外側の土砂がロッド方向に移動しようとするが、その減圧領域に上吐出口を設け、引き上げられたスクリュー高さとスクリュー面積の積として算出される円柱体積に応じた量の固化材液を吐出することで、土砂がロッド方向に移動したり下方に落ち込む現象を防止し、効率良く土砂と撹拌混合できるためである。
すなわち、掘進時ないし引抜き時、スクリュー翼の回転により改良対象土であるロームや有機質土等を地上に排出するが、図5に示すように、引抜き時にはスクリュー翼の下端下方に生じた円柱状の減圧領域(空隙)に、固化材液が吐出されるので、中心部に固化材液で満たされた円柱が、その周辺に円筒状の改良対象土が一時的に形成される。
なお、図5において、Vsは本発明における改良対象土の体積(m3)、Vtは比較例における改良対象土の体積(m3)、Qは単位区間長に注入する固化材液の量(l)を表す。
その後、その周辺に地盤改良装置の掘削撹拌ヘッドで固化材液と改良対象土が撹拌混合される。結果的に、実質添加量は改良対象土が減少する分だけ大きくなるため、固化材使用量を増やさなくても高強度を実現することができる。
上吐出口がスクリュー翼の下端より下過ぎるとスクリューの下方に生じる減圧領域には、土砂がロッド方向に移動したり下方に落ち込み、その部分に固化材液で満たされた柱状の部分ができず、実質的に通常の添加量となるため、高強度を実現できない。
一方、上吐出口をスクリュー翼の下端より上方に設けると、スクリューを正回転で引き上げる場合には、スクリューの回転に伴い固化材液が上方に排出されてしまうため無駄であり、高強度コラムを築造することは不可能である。また、スクリューを逆回転で引き上げる場合においても、固化材液が上方へ移動するおそれが残る。
スクリュー翼の径φsは、高品質な高強度コラムを築造するためには、掘削撹拌ヘッドの径φhの0.3倍〜1.0倍が好ましく、特に0.4倍〜0.8倍がより好ましい。
スクリュー径が小さい(<0.4)と、排土量が小さく実質的に高添加量にはなり得ない。また、掘進抵抗の緩和にも貢献しない。
一方、スクリュー径が大きい(>0.8)と、大量の固化材液が必要となる。また、引上げ時に大きな負荷がかかり、施工機を大型化する必要がある。従って、スクリュー径は掘削攪拌翼径の0.3倍〜1.0倍、より好ましくは0.4倍〜0.8倍が望ましい。
掘進時ないし引抜き時、スクリュー翼の回転により、改良対象土であるロームや有機質土地盤等の土砂を地上に排出し、引抜き時にはスクリュー下端下方に生じた円柱状の減圧領域(空隙)に固化材液が吐出されるので、中心部には固化材液で満たされた円柱が、その周辺には円筒状の改良対象土で形成された改良地盤が形成される。
その結果、実質添加量は、改良対象土が減少する分だけ大きくなるため、固化材液使用量を増さなくても高強度コラムを築造できる。
掘削撹拌ヘッドやスクリューロッドからなる地盤改良装置が地盤内に挿入されるとき、原地盤土を排出するので、周辺地盤の変状が抑制される。
引き抜き時に排土され、スクリュー下端下方に生じた円柱状の減圧領域(空隙)は固化材液で置換されるので、固化材液と改良土が撹拌混合されたソイルセメントの流動性が向上する。その結果、地盤改良装置の掘削撹拌ヘッドの回転に必要なトルクが減少でき、良好な撹拌混合が実現できる。
コラム上端以浅にできる盛上り土には実質的に固化材液が混入せず、ソイルセメントではないので、盛上り土の処理が手軽である。すなわち、産業廃棄物として処理する必要がない。
掘進時にスクリュー翼により排土されるため、スクリュー翼の下端下方の上載圧は、スクリューがない場合に比べて減少する。その結果、掘削撹拌ヘッド周辺及び下方の地盤のせん断力が低下するので、押込み方向の地盤の掘進抵抗が小さくなり、硬質地盤への確実な根入れが実現できる。
コラム下方の支持地盤の鉛直耐力が十分大きい場合、コラムを高強度化してコラムの鉛直支持力度を支持地盤のそれに近づけることができ、通常のコラムに比べてコラム本数を低減できる。また、少なくしても建物荷重を支持地盤に伝達できるので、建物を安全に支持できる。
その結果、基礎の建設にかかる工期短縮、固化材使用料の削減、掘削残土の低減等のより、基礎建設費を削減できる。
本発明の地盤改良工法の施工手順の一例を比較例と対比して示した鉛直断面図である。 本発明の地盤改良装置((b)及び(d))を比較例((a)及び(c))と対比して示した立面図である。 本発明の地盤改良工法における掘削土砂の挙動と固化材液の吐出状況との関係を比較例と対比して示した鉛直断面図である。 本発明の地盤改良装置におけるスクリュー翼の径に対する上吐出口の位置の例を示した要部の正面図である。 本発明の原理を説明するための図である。 本発明の地盤改良工法における排土と残土との関係を比較例と対比して示した模式図である。 本発明によって築造される高強度コラムと建物基礎との関係を比較例と対比して示した断面図である。 本発の地盤改良工法における土被り圧と従来のスラリー系機械式深層混合処理工法における土被り圧を対比して示した図である。
以下、本発明の具体的な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の地盤改良工法の施工手順の一例を比較例と対比して示した鉛直断面図である。
(a0)は本発明の地盤改良装置1の先端部分を示しており、この例では、掘削撹拌ヘッド2の先端に掘削翼3、その上方に端部をつないだ上下2枚の共回り防止翼4、上下の共回り防止翼4間に撹拌翼5が1段、上側の共回り防止翼4の上方に2段配設され、掘削撹拌ヘッド2の上方にスクリューロッド7が接続されている。
掘削撹拌ヘッド2の先端の掘削翼3の高さに下吐出口6が設けられ、スクリューロッド7の外周に設けられたらせん状のスクリュー翼8の下端の直下に上吐出口9が設けられている。
(b0)は比較例の地盤改良装置1の先端部分を示しており、上吐出口9´がスクリューロッド7側ではなく、掘削撹拌ヘッド2側の上部に設けられている。
施工手順は以下の通りである。
(a1)杭芯セットの(a0)の状態から地盤改良装置1を回転させ、ローム層内を先端の掘削翼3が砂礫層に達するまで空練りの掘進を行う。このとき、地盤改良装置1の貫入体積に応じた量(地盤中に貫入された地盤改良装置1の体積以上、貫入されたスクリュー高さとスクリュー面積の積として算出される円柱の体積以下)の土砂をスクリュー翼8の作用により、地上に排土する。比較例の(b1)も同様である。掘進時には必要に応じて正回転と逆回転を組み合わせてもよい。
(a2)比較的強度の高い砂礫層に対し、下吐出口6から固化材液を吐出しながら施工最深度まで掘削撹拌ヘッド2で固化材液と土砂を撹拌混合しながら掘進する。比較例の(b2)も同様である。正回転、逆回転させながら、先端部の練り返しを行ってもよい。
(a3)地盤改良装置1を回転させながら上方に引き上げて行き、上吐出口9が砂礫層上端付近に達したところから、上吐出口9から固化材液の吐出を開始する。
(a4)〜(a6)地盤改良装置1を回転させ、引き上げながら固化材液を吐出する際、スクリュー翼8の下端より上方の土砂がスクリュー翼8の作用により上方へ排土され、本発明では、それにより減圧領域となるスクリュー翼8の下端部分に上吐出口9から固化材液が吐出され、続いてこの固化材液が掘削撹拌ヘッド2で土砂と撹拌混合され、高強度・高品質のコラムを形成させることができる。
これに対し、比較例の(b3)〜(b6)では上吐出口9´が掘削撹拌ヘッド2側に位置しているため、スクリュー翼8の下端下方にはスクリューの周囲から下方へ移動してくる土砂が流れ込むため、固化材液の円柱ができず、その結果、実質的に固化材添加量が大きくならないので、高強度は実現できず、かつ空掘部分にはセメント成分が混入した盛上り土が生じていく。
(a7)地盤改良装置1が地上に引き上げられた状態において、本発明ではローム層に高添加固化材液が撹拌混合された高強度・高品質のコラムが形成され、排土には実質的に固化材液が含まれないため、残土処理も容易である。コラム頭部は必要に応じ、掘削撹拌ヘッド2の高さ程度の練返しを実施してもよい。
これに対し、比較例の(b7)では、上部に生じた固化材成分の混入した盛上り土mの処理が問題となる。
図2は本発明の地盤改良装置((b)及び(d))を比較例((a)及び(c))と対比して示した立面図である。
(a)の比較例1は、上吐出口9をスクリュー翼8の下端より上方に設けた場合であり、前述したように、スクリューの回転に伴い固化材液が上方に排出されてしまうため無駄であり、高強度コラムを築造することは不可能である。
(b)の本発明の実施例1では、上吐出口9をスクリュー翼8の下端の直下に設けているため、図5を用いて説明したように、引抜き時にスクリュー翼8下端下方に生じた円柱状の減圧領域に、固化材液が吐出され、結果的に固化材使用量を増やさなくても高強度を実現することができる。
(c)の比較例2は、掘削撹拌ヘッド2とスクリューロッド7との間にスクリュー翼のないストレートロッド10を介在させ、上吐出口9を掘削撹拌ヘッド2に近い位置に設けた場合であり、上吐出口9がスクリュー翼8の下端より下過ぎるため、スクリュー翼8の下方に生じる減圧領域には、土砂が落ち込み、その部分に柱状のソイルセメント部分ができず、実質的に通常の添加量となるため、高強度を実現できない。
(d)の本発明の実施例2は、掘削撹拌ヘッド2とスクリューロッド7との間にスクリュー翼のないストレートロッド10を介在させ、上吐出口9はスクリュー翼8の下端の直下に設けている場合である。上吐出口9をスクリュー翼8の下端の直下に設けているため、(b)の実施例1と同様、引抜き時にスクリュー翼8の下端下方に生じた円柱状の減圧領域に、固化材液が吐出され、結果的に固化材使用量を増やさなくても高強度を実現することができる。
図3は上述の図1のケースについて、本発明の地盤改良工法における掘削土砂の挙動と固化材液の吐出状況との関係を比較例と対比して示したものである。
(a1)の掘進時、地盤改良装置1の軸周りの回転により、スクリュー翼8により排土としての掘削土砂を上方へ排出する際、スクリュー翼8の外縁より外側にこぼれ落ちる土砂は図中の矢線で示すような挙動をする。
(a3)の上吐出口9から固化材液を吐出する際、スクリュー翼8の下端直下は掘削土砂が上方へ運ばれることで減圧領域が生じ、この部分に固化材液が吐出されると、スクリュー下端下方に固化材液の円柱が形成される。この固化材液の圧とスクリュー翼8の外縁より外側からロッド方向に移動しようとする土砂の圧が釣り合う状態を示したのが、(a3)、(a4)の矢線である。
一方、比較例では上吐出口9´が掘削撹拌ヘッド2側にあるため、スクリュー翼8の外縁より外側の土砂が、固化材液より先に減圧領域に移動し、スクリュー下端下方で固化材液への混入が生じ、排土が産業廃棄物となる恐れがある。
図4は本発明の地盤改良装置におけるスクリュー翼8の径φsに対する上吐出口の位置の例を示したものである。
本発明では、上吐出口9は、スクリュー翼8の下端の直下に設けることとし、スクリュー翼8の下端から下方へスクリュー翼8の径φs以内の範囲、特にスクリュー翼8の下端から60cm以内、より好ましくは40cm以内に設けることが望ましい。上述のように、スクリュー翼8で土砂を排出する際、スクリュー翼8の径φsより外側では土砂が下方へ移動しており、スクリュー翼8の下端直下の減圧領域に固化材液を吐出することで、効率良く土砂と撹拌混合することができるためである。
図6は本発明の地盤改良工法における排土と残土との関係を比較例と対比して示した模式図である。
(a)は比較例1として、排土を行わないタイプの従来工法で通常の固化材添加量300kg/m3のコラムの築造を想定し、土1m3に対し、セメントC=300kg、水W=180kgを加えて撹拌混合すると、加えた体積に相当する盛上り土が発生することを表している。この盛上り土は産廃残土としての処理が必要である。
(b)は比較例2として、排土を行わないタイプの従来工法で固化材添加量600kg/m3の高強度コラムを築造する場合を想定し、土1m3に対し、セメントC=300kg、水W=180kgを2回加えて撹拌混合すると、さらに大量の盛上り土が産廃残土として発生することを表している。
(c)は本発明1として、本発明の工法で固化材添加量600kg/m3の高強度コラムを築造する場合を想定し、掘進過程及び注入過程で0.35m3の排土を行いつつ、セメントC=390kg、水W=234kgを加えて撹拌混合することで、固化材添加量600kg/m3の高強度コラムが築造でき、0.35m3の排土は一般残土として処理できることを表している。
(d)は本発明2として、本発明の工法で固化材添加量1080kg/m3の高強度コラムを築造する場合を想定し、掘進過程及び引上げ注入過程で0.5m3の排土を行いつつ、セメントC=540kg、水W=324kgを加えて撹拌混合することで、固化材添加量1080kg/m3の高強度コラムが築造でき、0.5m3の排土は一般残土として処理できることを表している。
図7は本発明によって築造される高強度コラムと建物基礎との関係を比較例と対比して示したものである。建物基礎に作用する鉛直力はいずれもN=5000kNである。
(a)は地盤改良を施さない直接基礎を想定して計算したもので、接地圧はσe≒100kN/m2、1辺が7000mmのフーチングとなる。
(b)は通常コラム9本を施した地盤改良併用直接基礎を想定して計算したもので、接地圧はσe≒310kN/m2、フーチング部分の寸法は1辺が4000mmとなる。コラムの設計基準強度はFc=1200 kN/m2が必要である。
(c)は高強度コラム4本で建物側基礎を支持する場合であり、接地圧はσe≒950kN/m2、フーチング部分の寸法が1辺が2300mmとなる。コラムの設計基準強度はFc=4000 kN/m2が必要である。
このように。高強度コラムを用いることで、コラム本数を抑え、フーチングの寸法も小さく抑えることが可能となるため、建築基礎費用を削減できる。
図8は本発明の地盤改良工法における土被り圧と従来のスラリー系機械式深層混合処理工法における土被り圧を対比して示したものであり、本発明では土被り圧が低減されることにより、回転抵抗及び掘進抵抗が減少し、施工性が向上する。
図8において、αは土被り圧を表し、スクリュー径や地盤条件により決まる係数であり、1より小さい。γは土の体積重量、z1は地表からスクリュー翼の羽根の下端までの距離、z2はスクリュー翼の羽根の下端から支持層までの距離、z3(=z1+z2)は地表から支持層までの距離を表す。
1…地盤改良装置、2…掘削撹拌ヘッド、3…掘削翼、4…共回り防止翼、5…撹拌翼、6…下吐出口、7…スクリューロッド、8…スクリュー翼、9…上吐出口、10…ストレートロッド

Claims (4)

  1. 先端の掘削翼とその上方に配設された撹拌翼及び共回り防止翼を有する掘削撹拌ヘッドと、前記掘削撹拌ヘッドに接続され、外周にスクリュー翼を有するスクリューロッドとを備え、前記掘削撹拌ヘッドの先端部に固化材液を吐出するための下吐出口を備え、前記スクリュー翼の下端の直下に固化材液を吐出するための上吐出口を備えた地盤改良装置を所定位置にセットし、地盤改良装置を回転させ、前記スクリュー翼により貫入させた体積分に応じた量の土砂の排土を行いながら地盤に貫入させて行き、所定深度まで達したら下吐出口から固化材液を吐出させて掘削撹拌ヘッドの回転により土砂と撹拌混合させながら下降させ、最深部まで達したら前記スクリュー翼で排土しつつ、あるいは排土しないまま地盤改良装置を引き上げ、前記スクリュー翼下端下方に形成される減圧領域に対し、前記上吐出口からスクリュー翼の下端の直下に、引き上げられたスクリュー高さとスクリュー面積の積として算出される円柱体積に応じた量の固化材液を吐出させることで、前記減圧領域において土砂がロッド方向に移動したり下方に落ち込む現象を防止し、掘削撹拌ヘッドの回転により土砂と撹拌混合させて地盤改良体としてのコラムを築造することを特徴とする地盤改良方法。
  2. 前記地盤改良装置は、前記掘削撹拌ヘッドと前記スクリューロッドとの間にスクリュー翼のないストレート部を有することを特徴とする請求項記載の地盤改良方法
  3. 前記地盤改良装置の前記上吐出口は、前記スクリュー翼の下端から40cm以内の範囲に設けられている請求項記載の地盤改良方法
  4. 前記スクリュー翼の径φsは、前記掘削撹拌ヘッドの径φhの0.4倍〜0.8倍である請求項1、2または3記載の地盤改良方法
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