JP2006037616A - 金融店舗用構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 内部に現金自動取扱機9が設置される金融店舗用構造体1であって、少なくとも、金属製の周壁部3および天井部と、店舗用出入り口7を備えた正面壁部8と、金属製の防護仕切り6とを備え、前記防護仕切り6の少なくとも一部が、前記現金自動取扱機9と対向するように配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
しかし、地域によってコンビニエンスストアなどが少なく、店舗内への設置ができない場合も多い。こうした現金自動取扱機等のブースは、無人店舗であるがゆえに、犯罪に狙われる可能性が高いといった問題があげられる。
さらに、耐用年数を越える等して、老朽化した現金自動取扱機ブースが各地に数多くあり、安全性や金融機関のイメージの低下が懸念されたりもしている。
現金自動取扱機等の設置場所においては、警備員や警察官の到着に時間が掛かってしまうこともあり、犯罪を阻止することが難しいこともある。さらに、従来の店舗構造は、出入り口のドアのみならず、側壁の一部までが硝子仕様になっている場合が多い。防犯上、ブースの中にいる利用者が外から伺うことができたほうが良いのだが、それがかえって構造的に弱点となってしまう場合があり、建設用重機械によって簡単に破壊されてしまっていた。
このように、建設用重機械等を使用して現金自動取扱機ブースを破壊するという強盗目的の事件への防犯対策の強化が求められている。
請求項1記載の発明は、
内部に現金自動取扱機が設置される金融店舗用構造体であって、少なくとも、金属製の周壁部および天井部と、店舗用出入り口を備えた正面壁部と、金属製の防護仕切りとを備え、前記防護仕切りの少なくとも一部が、前記現金自動取扱機と対向するように配置されていることを特徴とする。
この為、仮にパワーの大きい(普通は大型の)建設用重機械の使用を試みてもアーム等が大きすぎるとか、アームの先のヘッドの角度が必ずしも思い通りに変わり難い(一般に位置も変えながらでなければ角度を変えられず狭いスペース内では角度を変え難い)等々の理由から、ヘッドが現金自動取扱機まで届き難く(破壊に至れない)、またヘッドを届かせるべく先に金融店舗用構造体の破壊を試みてもこれが頑強な為になかなか破壊し難く、結局はこういった不法な作業に時間が掛かりすぎて、そうなると現場に警備員等が駆けつけて不法行為を制することに繋がる。また、パワーが小さい(普通は小型の)建設用重機械で上記の不法作業を試みてもパワー不足の為にいずれにしても破壊までには至り難く、やはり不法な作業に時間が掛かってしまい、そのうちに警備員等が現場に駆けつけてこられることになる。また、これらは窃盗の防止や予防にも効果的となる。
前記防護仕切りは、少なくとも棒状体か又は板状体のいずれかを用いて出来ていることを特徴とする。
このような構成によれば、個々の重さや大きさの面から比較的取り扱い易く、製作が便利且つ容易になる。つまり、棒状体とか又は板状体は、個々の重さや大きさ(それほど重くも大きくもない)の面から比較的取り扱い易いので、本発明の防護仕切りを作製するのに便利である。また、これらはより頑強な構造にするべく凹部に差し込むとか固定する等してよい。特に凹部に差し込んで且つ溶接で固定した場合はかなりの頑強さを達成し易い。
前記防護仕切りには、前記金融店舗用構造体の中に人間が居た場合に、該人間が居ることが防護仕切りを介して外から判る窓部又は隙間を備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、防護仕切りに窓部か又は隙間があることから、もし金融店舗用構造体の中に人間が居れば外から判る為に、前記のような破壊や窃盗の不法行為を思い留まらせたり、また、もし金融店舗用構造体の中で現金自動取扱機に破壊等の不法な行為を行うことも思い留まらせたりすることに繋がる。
前記防護仕切りの上下の端部を、前記天井部および床部に形成した凹部に差し込んだ構造であることを特徴とする。
このような構成によれば、防護仕切りが外部から衝撃を受けたときであっても、防護仕切りの上下の端部が凹部の壁面で支えられるので、例えば防護仕切りの端面を床部の表面に接合しただけの構造に比べ、万が一外力によって接合が外れてしまった場合に防護仕切りがたやすく移動してしまうことを防ぐことができる。つまり、本発明の防護仕切りに用いる棒状体とか又は板状体は、個々の重さや大きさ(それほど重くも大きくもない)の面から比較的取り扱い易いので、金融店舗用構造体の骨組み部又は枠部の凹部に差し込むことが可能である。凹部に固定しても、又は固定しなくてもよいが、より頑強な構造にするべく例えば固定する等してよい。特に溶接で固定した場合は相当に高い頑強さを得易い。
前記現金自動取扱機の前記出入り口側の側面を覆うように、第1障壁を設置したことを特徴とする。
このような構成によれば、建設用重機械等による現金自動取扱機への側方からのアプローチを困難にするだけでなく、防護仕切りとの組み合わせによって出入り口からの建設用重機械等の侵入範囲をさらに狭めることができる。
内壁に可燃性内装材を貼設したことを特徴とする。
このような構成によれば、ハンディタイプの溶接機やレーザ切断機等によって周壁部や天井部を切断された場合には、可燃性内装材の焼損による煙が発生するので、煙を遠方より目撃した者による通報や、火災報知器を金融店舗用構造体内に設置している場合には、火災報知器による通報が可能となる。
コンクリートからなる基礎部にボルトで固定可能としたことを特徴とする。
このような構成によれば、衝撃を受けて基礎部から離れた金融店舗用構造体は、受けた衝撃力に対し後退する方向へ動く。これにより、局部に集中して力を受けることを防ぎ、衝撃を受けた部分への損傷を緩和させることができる。
また、自重がかなり大きいため、例えばunic車の如き車両に搭載されているクレーン等ではなかなか持ち上げることはできず、この構造体ごと持ち去られる心配も相当少ない。
図1から図4は、本発明に係る金融店舗用構造体の第1の実施の形態を示す図である。
金融店舗用構造体1は、周壁部3と、天井部4と、床部14と、正面壁部8とを備え、
例えば貨物用のコンテナの如く組立てられている。すなわち、金融店舗用構造体1は、角柱25を四つ角に備え、これら角柱25の上下の端部同士を横架材を介して繋いで骨組を構成し、その骨組間に正面壁部8、周壁部3、天井部4、底部24を組み付けて箱状に形成されている。さらに言い換えれば、骨組構造の正面に正面壁部8を組み付け、骨組構造の左右面と背面に、それぞれ右側壁面部3a、左側壁面部3bおよび背面壁部3dを組み付けて周壁部3とし、骨組構造の上下面には、天井部4と底部14を組み付けてなる。
そして前記正面壁部8には、第2障壁20と、出入り口7と、防護仕切り6とが設けられている。さらに底部24には、金融店舗用構造体1を基礎部12に設置するためのボルト穴27が複数穿設されている。
そして、この側面9aに沿う第1障壁10の延長線上には、前記防護仕切り6が前記第1障壁10と直交した状態で位置している。つまり、防護仕切り6と第1障壁10は、図1に示すように、平面視における長さ方向に沿うそれぞれの中心線が互いに交わるように、適宜間隔をおいて設置されている。前記適宜間隔は、建設用重機械21のヘッド21aの侵入を防ぎ、かつ利用者に支障をきたさない間隔とする。
天井部4には、第1障壁10の長さ方向に沿って上昇(開方向)および下降(閉方向)し、全閉状態で現金自動取扱機9の前方に位置するシャッター32が設けられている。さらに、前記天井部4には、警報装置と火災報知器とが設けられている。
しかし、出入り口7に対して前方斜め右方向(略対角線上)に現金自動取扱機9が設置されているので、出入り口7からその方向に建設用重機械21のヘッド21aを侵入させようとした場合、第1障壁10と防護仕切り6が障害となり、侵入は困難となる。建設用重機械21を位置決めし直し、再度、侵入角度を変えて試みたとしても、アーム21bの側部が正面壁部8を支える左側の角柱25にぶつかってしまい、侵入は困難となる。従って、まず侵入角度やアプローチポイントを定めるまでに時間が掛かることになる為に、少なくとも短時間での破壊の完遂は困難となる。
さらに、金融店舗用構造体1の正面壁部8の上方部位、詳しくは出入り口7の上方に第2障壁20を設置しているので、侵入しようとする建設用重機械21のアーム21b等が、第2障壁20とも干渉することになり、内部への侵入はより一層困難になっている。なお、第2障壁20は、正面壁部8の上部に設置しているので、利用者への支障はなく、看板等の取付けも可能である。
このように、出入り口7を破壊されて警報装置が作動してから、現金自動取扱機9を破壊して内部の現金を持ち去るまでの時間、或いは現金自動取扱機9をそのまま持ち去るまでの時間が従来よりも掛かるので、警備会社および警察へ通報されてから警備員および警察が到着するまでの時間を稼ぐことができる。よって、建設用重機械21等を使用した強盗目的の事件に対する防犯対策を強化することができる。
さらに、金融店舗用構造体1の各部材は、溶接によって固定されているため、接続部品が不要となり、組立作業が容易になるうえ、全体の構成が組立式になるので、建設作業が容易かつ移転、追加がし易く、設備のコスト削減を図ることができる。
以下、上記実施の形態と同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第2実施形態の金融店舗用構造体1は、図6および図7に示すように、正面壁部8の左側には出入り口7を備え、正面壁部8の右側には硝子29が嵌め込まれてなる硝子壁31を備えている。
ここでも、上記実施の形態と同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第3の実施形態の金融店舗用構造体1において、防護格子33は、図9に示すように、各金属製棒状体5の隙間に、複数の横桟50を前記金属製棒状体5と直交させて設けることにより構成されている。横桟50は、前記隙間の上下方向に適宜間隔をおいて設置されている。そして、金属性棒状体5と横桟50との連結部分は、溶接により接合されている。
防護格子33は、図8から図10に示すように、金融店舗用構造体1の内部に設置してもよいし、第1の実施形態の防護仕切り6のように正面壁部8の一部を構成するように設置してもよい。
実験に用いた建設用重機械21は、4tトラックに積載可能なもので、ヘッド21aには、ショベルタイプを使用した。
建設用重機械21をスタンバイし、ヘッド21aで最も効率よく金融店舗用構造体1を破壊するための位置決めを行った。このとき、現金自動取扱機9の方向にヘッド21aを侵入させようとしたところ、第1障壁10と防護仕切り6が障害となったため、再度、侵入角度を変えて試みたが、アーム21bの側部が正面壁部8を支える左側の角柱25にぶつかってしまうなどして、位置決めに時間が掛かった。
位置決め終了後、出入り口7を破壊してヘッド21aを侵入させたが、結局、防護仕切り6および第1障壁10にぶつかり、そのままでは現金自動取扱機9に届かせることができなかった。そこで、防護格子33を破壊することに決め、侵入を阻む最も出入り口7側の金属製棒状体5から破壊を開始した。しばらくヘッド21aで衝撃を与え続け、ようやく金属製棒状体5および横桟50一本を破壊し、この状態になって初めて、ヘッド21aを現金自動取扱機9に直接正面から届かせることができるようになった。
さらに衝撃を与え続けた結果、金融店舗用構造体1と基礎部12を繋いでいるアンカーボルト(ボルト)13が破断し、金融店舗用構造体1が基礎部12から離れた状態になった。基礎部12から離れた金融店舗用構造体1は、受けた衝撃力に対し後退する方向へ動き、かえって破壊し難くなった。結果、金融店舗用構造体1への損傷を緩和させ、破壊行為の進行を抑えることができることを確認した。
しかし、上述したように、現金自動取扱機9へと容易に到達できないような構成にすることで、建設用重機械21の侵入軌道を定め難くし、尚且つ周壁部3、天井部4、防護仕切り6、第1障壁10および第2障壁20を金属で形成することにより、破壊に時間が掛かるようにし、警備員および警察の到着までの時間を稼ぐことができる。このように破壊が困難となることから、犯罪を抑制する効果が高いことがいえる。
例えば、防護仕切り6および防護格子33は板状にしてもよい。板状にする場合は、少なくとも一部に窓部を設けて、そこから店内を伺えるようにすると防犯性が高まるのでよい。
さらに、防護仕切り6および防護格子33は、金融店舗用構造体1の内部および正面壁部8ではなく周壁部3に設けてもよい。また、メンテナンス室41へ導くスチール製の扉35の前方にも設けてもよい。さらに、各金属製棒状体5の設置間隔を狭くして設けると、ニブラ等のようにヘッド21aの部分が細い解体機械等の侵入も防止し、切断、破壊等の行為を困難にすることができる。
以上に述べた金融店舗用構造体1は、基礎部12に設置されるものとしたが、店舗等の一角に設けられるブースのようなものも含まれる。
2 凹部
3 周壁部
4 天井部
5 金属製棒状体
6 防護仕切り
7 出入り口
8 正面壁部
9 現金自動取扱機
10 第1障壁
11 可燃性内装材
12 基礎部
13 アンカーボルト(ボルト)
14 床部
9a 出入り口側の側面
Claims (7)
- 内部に現金自動取扱機が設置される金融店舗用構造体であって、
少なくとも、金属製の周壁部および天井部と、店舗用出入り口を備えた正面壁部と、金属製の防護仕切りとを備え、
前記防護仕切りの少なくとも一部が、前記現金自動取扱機と対向するように配置されていることを特徴とする金融店舗用構造体。 - 前記防護仕切りは、少なくとも棒状体か又は板状体のいずれかを用いて出来ていることを特徴とする請求項1に記載の金融店舗用構造体。
- 前記防護仕切りには、前記金融店舗用構造体の中に人間が居た場合に、該人間が居ることが防護仕切りを介して外から判る窓部又は隙間を備えていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の金融店舗用構造体。
- 前記防護仕切りの上下の端部を、前記天井部および床部に形成した凹部に差し込んだ構造であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金融店舗用構造体。
- 前記現金自動取扱機の前記出入り口側の側面を覆うように、第1障壁を設置したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の金融店舗用構造体。
- 内壁に可燃性内装材を貼設したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の金融店舗用構造体。
- コンクリートからなる基礎部にボルトで固定可能としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の金融店舗用構造体。
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