JP2004324236A - セキュリティブースシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ATM・CDの収容を目的とする屋外型無人ブースの防犯機能を効率的に強化し、ATM・CDへの破壊行為を困難とし、さらに、防犯の強化を犯罪者に認識させる構造とすることで、犯罪の抑止効果を向上し、ATM・CD内部の現金を狙った犯罪を減少することをその課題とする。
【解決手段】柱と外壁、そして、出入口扉、屋根、天井と床を持つ任意の形状であり、その室内には、外壁とは別の壁を四方に持つ機械室を有し、さらに、機械室の壁には、機械室内に出入りするための施錠可能な扉やATM・CD等の装置を埋め込み設置するための開口を持つブースシステム。
【選択図】 図3
【解決手段】柱と外壁、そして、出入口扉、屋根、天井と床を持つ任意の形状であり、その室内には、外壁とは別の壁を四方に持つ機械室を有し、さらに、機械室の壁には、機械室内に出入りするための施錠可能な扉やATM・CD等の装置を埋め込み設置するための開口を持つブースシステム。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防犯機能を有するブースシステムに関するものである。特に、ATM、CD等の装置の設置を目的とする屋外型無人ブースシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金融機関では、顧客サービスと業務効率を向上するためATM、CDの設置を拡大してきた。
【0003】
しかし、ATM・CD内には預金の引き出し・預け入れ・振込み等の取引に必要な多額な現金が常時保管されているため、犯罪に遭う可能性も同時に高くなった。特に、ATM・CDを設置した屋外型の無人ブースは、無人であるため店内を自由に下調べでき、規模が小さいため全体の状況を短期間で把握でき、さらに、プレハブ構造のため、鉄筋コンクリートや鉄骨造りの有人店舗と比べ脆弱であり、犯罪に対し最も狙われやすい店舗形態と考えられる。
【0004】
金融機関の防犯対策は警備会社によるものが多く、入口扉等の開閉部にタイマー制御や遠隔制御で施錠・開錠できる錠前を設置し、監視カメラ、人体検知器、衝撃検知器、扉の開閉検知器等の各種検知器、警備会社への通報装置等の各種防犯機器を店舗に設置する。警備会社は通報装置からの通報で現場に急行し、犯罪を発見した場合、警察に通報する仕組みとなっている。よって、犯罪を防ぐかどうかは、犯罪を検知してから警備会社が現場に到着するまでの時間との勝負ある。このため、金融機関としては、前述の屋外型無人ブースのような狙われ易いブースの構造をできるだけ頑丈とすることが防犯上重要であるが、店舗運用に占める警備費用の割合が大きいことや、経営環境が年々、厳しくなるなか、ブースに対する十分な投資ができず、耐久性を確保するか、一部金融機関でみられるATM・CDの前面にシャッターを設置する程度の対応となっている。
【0005】
さらに、近年、消費者金融が契約機とATM・CDを併設した屋外型ブースを短期間で全国に出店し急速に売上を伸ばしたが、低価格、短納期に重点を置いたブースとしたため防犯性は従来のブースより低く、また、郊外に多くのブースを設置したため、屋外型無人ブースに対する犯罪の増加にもつながっている。
【0006】
一方、犯罪内容は、バールやドリルの工具等でブースやATM・CDを破壊するものから、より確実に短時間で犯行を行うため、ブルドーザー等の重機でブースを一気に破壊し、ATMごと強奪する大掛かりなものにエスカレートしてきており、警備会社だけでは対応が困難な状況となりつつある。
【0007】
【特許文献】
なし
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金融機関が設置する屋外型無人ブースの現状を考慮し、屋外型無人ブースの防犯機能を効率的に強化し、ATM・CDへの破壊行為を困難とし、さらに、それを犯罪者に認識させる構造とすることで、犯罪の抑止効果を向上し、ATM・CD内部の現金を狙った犯罪を減少することをその課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
屋外型無人ブース内には、分電盤などの設備機器や備品類の収納を目的とする機械室と呼ばれる部屋が存在し、この部屋は通常施錠されており、関係者以外は入室できないようになっている。
【0010】
ATM・CDは、機械室の壁から装置前面の操作部が飛び出した状態で埋め込み設置される。
【0011】
ATM・CDを破壊する場合は、現金補充やメンテナンス用の扉を最初に攻撃することが多く、ATM・CDが前面メンテナンス方式の場合は前から、後面メンテナンス方式の場合は後ろからの攻撃となる。このため、後面メンテナンス方式ではATM・CDを破壊するために、機械室内へ侵入する必要があり、前面メンテナンス方式より安全であると考えられている。但し、前面メンテナンス方式は、ATM・CDの利用者用スペースが現金補充やメンテナンス用スペースとして使え、機械室がコンパクトとなる利点があるため、前面メンテナンス方式を採用する金融機関も多い。この場合、ATM・CDの破壊防止用に、ATM・CD前面を保護カバーで覆う。
【0012】
よって、屋外型無人ブース内のATM・CDを狙った犯罪パターンとして、以下が考えられる。
[後面メンテナンス方式の場合]
ブース外壁で機械室に直接接する壁を破壊して機械室に侵入し、ATM・CDを破壊する。
【0013】
ブース入口扉を破壊しブース内に侵入し、さらに、機械室扉をバール等で破壊するか、錠前をドリル等で破壊して機械室に侵入し、ATM・CDを破壊する。
[前面メンテナンス方式の場合]
ブース入口扉を破壊しブース内に侵入し、ATM・CD保護カバーの開閉部や錠前を破壊しATM・CDを破壊する。
[前面・後面メンテナンス方式共通]
ブースを大型重機で一気に破壊して、ATM・CDを丸ごと強奪する。
【0014】
本発明におけるブースシステムは、ブース構造を効果的に強化し、さらに、犯罪者にそれを認識させる構造とすることにより、犯罪の抑止効果を向上することに重点を置き以下の構成とする。
【0015】
機械室は、ブース外壁とは別の壁で四方を囲むようにする。これにより、ブース外壁を破壊して機械室へ侵入することを困難とする。
【0016】
上記構造を効果的とするため、ブース外壁と機械室壁との間には視覚的に認識できる空間を設ける。
【0017】
機械室と近接する部分の外壁をより厚くする。これにより、ブース外壁を破壊して機械室へ侵入することを困難とし、ブース外壁で特に機械室付近は防犯が強化してあることを認識させる。
【0018】
ATM・CDの前面は任意の形状の堅牢なカバーで保護し、さらに、カバーの取り外しは、機械室内部から行ことで、ATM・CD前面にカバー開閉部や錠前が無い構造とする。
【0019】
機械室扉の錠前は、鍵穴が機械室内側にのみ存在し、機械室外側からの施錠・開錠は、機械室扉または壁に空いた開口部から鍵を持った手を内側に入れ、鍵穴に鍵を挿入して行う構造とする。これにより、錠前に対する機械工具による攻撃を困難とする。
【0020】
上記機械室扉または壁の開口部には、透明な材質の施錠可能な扉をつけ、この扉を開くと通報するように通報装置と連動させる。また、扉を透明な材質とすることで、機械室扉の鍵穴が機械室内側のみに存在することを認識させる。
【0021】
機械室の柱の一部にH型鋼を使用し、大型重機を使用した攻撃でも破壊に時間を要する構造とし、さらに、柱の形状を認識しやすいデザインとすることで、柱の強化を認識させる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図によって説明する。図面の斜線部は切断面を示す。
【0023】
図1は、本発明によるブースシステムの、正面の立面図の一例、図2は、図1の側面の立面図、図3は、図1、2のブースシステムの鳥瞰図、図4は、図1のAにおける平断面図、図5は、図1と、入口の位置等が異なるブースシステムの平断面図、図6は、図1のBにおける縦断面図、図7は、図2のCにおける縦断面図、図8は、本発明によるATM・CDの保護カバーの一例(斜め前方鳥瞰図)、図9は、図8の保護カバーの斜め後方鳥瞰図、図10は、本発明による機械室扉の内側の一例(鳥瞰図)、図11は、図10の機械室扉の外側の鳥瞰図、図12は、図10に鍵落下防止カバーをつけた鳥瞰図、図13は、図11の開口部に扉をつけた鳥瞰図、図14は、図10のDにおける平断面図、図15は、図10の錠前の位置を壁側とした平断面図である。
【0024】
図1〜5に示すような、柱1、壁2a、2b、屋根3、床4a、天井4b、扉6a、窓6b等を持つ任意の形状のブースシステムで、ブース内の機械室は、柱5a、壁5b、機械室扉9a、ATM・CDを埋め込むための開口5cで構成さる。柱、壁の材料は、スチールと同等以上の強度を持つ。
【0025】
ブースの壁2aと機械室の壁5bとの間に空間を設け、機械室内部が2重の壁で守られたことが認識できる構造とする(図4、5参照)。
【0026】
ブースの壁2aのうち機械室に隣接する部分に保護パネル2cを取付ける。保護パネル2cの取り付け位置は、壁2aの外側(図4)、壁2aの内側(図5)、あるいは、壁2aの外・内両側とする。
【0027】
図6〜9に示すように、ATM・CDの前面の保護カバー10は、ATM・CDの操作画面 等ATM・CDの利用に支障がない部分を保護する任意の形状である。保護カバー10は、可動部10a、固定部10b、可動部と固定部の結合金具10c、キャスター10dから成り、図6に示すように、可動部10aが機械室壁5bを貫通し、機械室内で、結合金具10cによって固定部10bに結合されている。固定部10bはブースの床にボルト10eで固定されている。結合金具10cを外すと、可動部10aは自立した状態で、キャスターを使って、ATM・CDの前方に移動することができる。
【0028】
図10、11に示すように、機械室扉9aは、機械室内側のみ鍵穴がある錠前9bを備え、機械室外側からの施錠・開錠は、鍵を持った手を開口9cから機械室内部に入れ、錠前9bの鍵穴に鍵を差し込んで行う。扉9aの開閉は取っ手9eを使う。また、図12に示すように、機械室内側にカバー9dを取付けると、機械室内部への鍵の落下を防止することができる。カバー9dの上部は開閉するようになっており、機械室内部からも錠前9bを施錠できる。さらに、図13に示すように、開口部9cに錠9gを備えた透明な扉9fを取り付け、9fを開くと警備会社に通報するよう通報装置と連動させることができる。扉9fを透明な材質とするのは、鍵穴が扉の内側にしかないことを認識させるためである。
【0029】
図14に示すように、機械室扉外側から錠前9bへの攻撃に備え、硬質な材料の9hで錠前9bを保護する。また、図9〜14に示す9iは、機械室扉9aと壁5bの隙間を塞ぐもので、隙間へのバール等の攻撃を困難とする。
【0030】
図15に示すように、錠前9bは機械室壁5b側としても良く。その場合、開口9cも機械室壁5b側となる。
【0031】
図4〜7に示すように、機械室の柱の一部をH型鋼5dとし、さらにH型鋼の特徴である柱の形状を認識できるように柱を配する。図7では、H型鋼をATMの上・左・右に配した。
【0032】
【発明の効果】
機械室の壁を外壁と兼用せず、新たに設けることで、ブース外部から機械室へ侵入するためには、必ず2重の壁を破る必要のある構造とし、さらに、機械室の壁と外壁との間に隙間を設けたことで2重の壁を認識させ、外壁への破壊行為に対し抑止効果を持たせた。
【0033】
機械室の壁に近接する外壁部分を厚くしたことで、屋外型無人ブースの外壁の破壊行為が困難な構造とし、さらに、部分的に壁を厚くすることで、機械室周りの防犯が強化されていることを認識させ、外壁への破壊行為に対し抑止効果を持たせた。また、コストの増加を最小限とした。
【0034】
ATM・CD前面の保護カバーは、取り外しを機械室内部から行う構造とし、ATM・CD前面にカバーの開閉部や錠前を無くしたことで、ATM前面からの破壊行為をより困難とした。
【0035】
機械室扉の錠前を、室内側のみに鍵穴が存在する構造としたことで、錠前に対する機械工具による破壊行為を困難とした。
【0036】
上述の機械室の扉または壁の開口部に、施錠可能な透明な材質の扉を設けたことで、機械室扉の鍵穴が機械室内側のみに存在することを認識させ、機械室扉の錠前への破壊行為に対し抑止効果を持たせた。
【0037】
機械室の柱の一部にH型鋼を使用し、大型重機等による攻撃に対しても、破壊に時間のかかる構造とし、さらに、柱の形状が認識しやすいデザインとすることで、破壊行為に抑止効果を持たせた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるブースシステムの、正面の立面図の一例。
【図2】図1の側面の立面図。
【図3】図1、2のブースシステムの鳥瞰図。
【図4】図1のAにおける平断面図。
【図5】図1と、入口の位置等が異なるブースシステムの平断面図。
【図6】図1のBにおける縦断面図。
【図7】図2のCにおける縦断面図。
【図8】本発明によるATM・CDの保護カバーの一例(斜め前方鳥瞰図)。
【図9】図8の保護カバーの斜め後方鳥瞰図。
【図10】本発明による機械室扉の内側の一例(鳥瞰図)。
【図11】図10の機械室扉の外側の鳥瞰図。
【図12】図10に鍵落下防止カバーをつけた鳥瞰図。
【図13】図11の開口部に扉をつけた鳥瞰図。
【図14】図10のDにおける平断面図。
【図15】図10の錠前の位置を壁側とした平断面図。
【符号の説明】
1…柱、2a …壁パネル、2b…コーナーパネル、2c…補強パネル、3…屋根、4a…床、4b…天井、5a…機械室柱、5b…壁パネル、5c…開口、5d…補強柱(H型鋼)、6a…扉、6b…窓,6c…庇、7…土間、8a…笠木、8b…巾木、9a…機械室扉、9b…錠前、9c…開口部、9d…鍵落下防止カバー、9e…取っ手、9f…開口部用扉、9g…開口部扉用錠前、9h…保護材、9i…隙間カバー、10…ATM・CD保護カバー、10a…可動部、10b…固定部、10c…結合金具、10d…キャスター、10e…ボルト。
【発明の属する技術分野】
本発明は、防犯機能を有するブースシステムに関するものである。特に、ATM、CD等の装置の設置を目的とする屋外型無人ブースシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金融機関では、顧客サービスと業務効率を向上するためATM、CDの設置を拡大してきた。
【0003】
しかし、ATM・CD内には預金の引き出し・預け入れ・振込み等の取引に必要な多額な現金が常時保管されているため、犯罪に遭う可能性も同時に高くなった。特に、ATM・CDを設置した屋外型の無人ブースは、無人であるため店内を自由に下調べでき、規模が小さいため全体の状況を短期間で把握でき、さらに、プレハブ構造のため、鉄筋コンクリートや鉄骨造りの有人店舗と比べ脆弱であり、犯罪に対し最も狙われやすい店舗形態と考えられる。
【0004】
金融機関の防犯対策は警備会社によるものが多く、入口扉等の開閉部にタイマー制御や遠隔制御で施錠・開錠できる錠前を設置し、監視カメラ、人体検知器、衝撃検知器、扉の開閉検知器等の各種検知器、警備会社への通報装置等の各種防犯機器を店舗に設置する。警備会社は通報装置からの通報で現場に急行し、犯罪を発見した場合、警察に通報する仕組みとなっている。よって、犯罪を防ぐかどうかは、犯罪を検知してから警備会社が現場に到着するまでの時間との勝負ある。このため、金融機関としては、前述の屋外型無人ブースのような狙われ易いブースの構造をできるだけ頑丈とすることが防犯上重要であるが、店舗運用に占める警備費用の割合が大きいことや、経営環境が年々、厳しくなるなか、ブースに対する十分な投資ができず、耐久性を確保するか、一部金融機関でみられるATM・CDの前面にシャッターを設置する程度の対応となっている。
【0005】
さらに、近年、消費者金融が契約機とATM・CDを併設した屋外型ブースを短期間で全国に出店し急速に売上を伸ばしたが、低価格、短納期に重点を置いたブースとしたため防犯性は従来のブースより低く、また、郊外に多くのブースを設置したため、屋外型無人ブースに対する犯罪の増加にもつながっている。
【0006】
一方、犯罪内容は、バールやドリルの工具等でブースやATM・CDを破壊するものから、より確実に短時間で犯行を行うため、ブルドーザー等の重機でブースを一気に破壊し、ATMごと強奪する大掛かりなものにエスカレートしてきており、警備会社だけでは対応が困難な状況となりつつある。
【0007】
【特許文献】
なし
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金融機関が設置する屋外型無人ブースの現状を考慮し、屋外型無人ブースの防犯機能を効率的に強化し、ATM・CDへの破壊行為を困難とし、さらに、それを犯罪者に認識させる構造とすることで、犯罪の抑止効果を向上し、ATM・CD内部の現金を狙った犯罪を減少することをその課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
屋外型無人ブース内には、分電盤などの設備機器や備品類の収納を目的とする機械室と呼ばれる部屋が存在し、この部屋は通常施錠されており、関係者以外は入室できないようになっている。
【0010】
ATM・CDは、機械室の壁から装置前面の操作部が飛び出した状態で埋め込み設置される。
【0011】
ATM・CDを破壊する場合は、現金補充やメンテナンス用の扉を最初に攻撃することが多く、ATM・CDが前面メンテナンス方式の場合は前から、後面メンテナンス方式の場合は後ろからの攻撃となる。このため、後面メンテナンス方式ではATM・CDを破壊するために、機械室内へ侵入する必要があり、前面メンテナンス方式より安全であると考えられている。但し、前面メンテナンス方式は、ATM・CDの利用者用スペースが現金補充やメンテナンス用スペースとして使え、機械室がコンパクトとなる利点があるため、前面メンテナンス方式を採用する金融機関も多い。この場合、ATM・CDの破壊防止用に、ATM・CD前面を保護カバーで覆う。
【0012】
よって、屋外型無人ブース内のATM・CDを狙った犯罪パターンとして、以下が考えられる。
[後面メンテナンス方式の場合]
ブース外壁で機械室に直接接する壁を破壊して機械室に侵入し、ATM・CDを破壊する。
【0013】
ブース入口扉を破壊しブース内に侵入し、さらに、機械室扉をバール等で破壊するか、錠前をドリル等で破壊して機械室に侵入し、ATM・CDを破壊する。
[前面メンテナンス方式の場合]
ブース入口扉を破壊しブース内に侵入し、ATM・CD保護カバーの開閉部や錠前を破壊しATM・CDを破壊する。
[前面・後面メンテナンス方式共通]
ブースを大型重機で一気に破壊して、ATM・CDを丸ごと強奪する。
【0014】
本発明におけるブースシステムは、ブース構造を効果的に強化し、さらに、犯罪者にそれを認識させる構造とすることにより、犯罪の抑止効果を向上することに重点を置き以下の構成とする。
【0015】
機械室は、ブース外壁とは別の壁で四方を囲むようにする。これにより、ブース外壁を破壊して機械室へ侵入することを困難とする。
【0016】
上記構造を効果的とするため、ブース外壁と機械室壁との間には視覚的に認識できる空間を設ける。
【0017】
機械室と近接する部分の外壁をより厚くする。これにより、ブース外壁を破壊して機械室へ侵入することを困難とし、ブース外壁で特に機械室付近は防犯が強化してあることを認識させる。
【0018】
ATM・CDの前面は任意の形状の堅牢なカバーで保護し、さらに、カバーの取り外しは、機械室内部から行ことで、ATM・CD前面にカバー開閉部や錠前が無い構造とする。
【0019】
機械室扉の錠前は、鍵穴が機械室内側にのみ存在し、機械室外側からの施錠・開錠は、機械室扉または壁に空いた開口部から鍵を持った手を内側に入れ、鍵穴に鍵を挿入して行う構造とする。これにより、錠前に対する機械工具による攻撃を困難とする。
【0020】
上記機械室扉または壁の開口部には、透明な材質の施錠可能な扉をつけ、この扉を開くと通報するように通報装置と連動させる。また、扉を透明な材質とすることで、機械室扉の鍵穴が機械室内側のみに存在することを認識させる。
【0021】
機械室の柱の一部にH型鋼を使用し、大型重機を使用した攻撃でも破壊に時間を要する構造とし、さらに、柱の形状を認識しやすいデザインとすることで、柱の強化を認識させる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図によって説明する。図面の斜線部は切断面を示す。
【0023】
図1は、本発明によるブースシステムの、正面の立面図の一例、図2は、図1の側面の立面図、図3は、図1、2のブースシステムの鳥瞰図、図4は、図1のAにおける平断面図、図5は、図1と、入口の位置等が異なるブースシステムの平断面図、図6は、図1のBにおける縦断面図、図7は、図2のCにおける縦断面図、図8は、本発明によるATM・CDの保護カバーの一例(斜め前方鳥瞰図)、図9は、図8の保護カバーの斜め後方鳥瞰図、図10は、本発明による機械室扉の内側の一例(鳥瞰図)、図11は、図10の機械室扉の外側の鳥瞰図、図12は、図10に鍵落下防止カバーをつけた鳥瞰図、図13は、図11の開口部に扉をつけた鳥瞰図、図14は、図10のDにおける平断面図、図15は、図10の錠前の位置を壁側とした平断面図である。
【0024】
図1〜5に示すような、柱1、壁2a、2b、屋根3、床4a、天井4b、扉6a、窓6b等を持つ任意の形状のブースシステムで、ブース内の機械室は、柱5a、壁5b、機械室扉9a、ATM・CDを埋め込むための開口5cで構成さる。柱、壁の材料は、スチールと同等以上の強度を持つ。
【0025】
ブースの壁2aと機械室の壁5bとの間に空間を設け、機械室内部が2重の壁で守られたことが認識できる構造とする(図4、5参照)。
【0026】
ブースの壁2aのうち機械室に隣接する部分に保護パネル2cを取付ける。保護パネル2cの取り付け位置は、壁2aの外側(図4)、壁2aの内側(図5)、あるいは、壁2aの外・内両側とする。
【0027】
図6〜9に示すように、ATM・CDの前面の保護カバー10は、ATM・CDの操作画面 等ATM・CDの利用に支障がない部分を保護する任意の形状である。保護カバー10は、可動部10a、固定部10b、可動部と固定部の結合金具10c、キャスター10dから成り、図6に示すように、可動部10aが機械室壁5bを貫通し、機械室内で、結合金具10cによって固定部10bに結合されている。固定部10bはブースの床にボルト10eで固定されている。結合金具10cを外すと、可動部10aは自立した状態で、キャスターを使って、ATM・CDの前方に移動することができる。
【0028】
図10、11に示すように、機械室扉9aは、機械室内側のみ鍵穴がある錠前9bを備え、機械室外側からの施錠・開錠は、鍵を持った手を開口9cから機械室内部に入れ、錠前9bの鍵穴に鍵を差し込んで行う。扉9aの開閉は取っ手9eを使う。また、図12に示すように、機械室内側にカバー9dを取付けると、機械室内部への鍵の落下を防止することができる。カバー9dの上部は開閉するようになっており、機械室内部からも錠前9bを施錠できる。さらに、図13に示すように、開口部9cに錠9gを備えた透明な扉9fを取り付け、9fを開くと警備会社に通報するよう通報装置と連動させることができる。扉9fを透明な材質とするのは、鍵穴が扉の内側にしかないことを認識させるためである。
【0029】
図14に示すように、機械室扉外側から錠前9bへの攻撃に備え、硬質な材料の9hで錠前9bを保護する。また、図9〜14に示す9iは、機械室扉9aと壁5bの隙間を塞ぐもので、隙間へのバール等の攻撃を困難とする。
【0030】
図15に示すように、錠前9bは機械室壁5b側としても良く。その場合、開口9cも機械室壁5b側となる。
【0031】
図4〜7に示すように、機械室の柱の一部をH型鋼5dとし、さらにH型鋼の特徴である柱の形状を認識できるように柱を配する。図7では、H型鋼をATMの上・左・右に配した。
【0032】
【発明の効果】
機械室の壁を外壁と兼用せず、新たに設けることで、ブース外部から機械室へ侵入するためには、必ず2重の壁を破る必要のある構造とし、さらに、機械室の壁と外壁との間に隙間を設けたことで2重の壁を認識させ、外壁への破壊行為に対し抑止効果を持たせた。
【0033】
機械室の壁に近接する外壁部分を厚くしたことで、屋外型無人ブースの外壁の破壊行為が困難な構造とし、さらに、部分的に壁を厚くすることで、機械室周りの防犯が強化されていることを認識させ、外壁への破壊行為に対し抑止効果を持たせた。また、コストの増加を最小限とした。
【0034】
ATM・CD前面の保護カバーは、取り外しを機械室内部から行う構造とし、ATM・CD前面にカバーの開閉部や錠前を無くしたことで、ATM前面からの破壊行為をより困難とした。
【0035】
機械室扉の錠前を、室内側のみに鍵穴が存在する構造としたことで、錠前に対する機械工具による破壊行為を困難とした。
【0036】
上述の機械室の扉または壁の開口部に、施錠可能な透明な材質の扉を設けたことで、機械室扉の鍵穴が機械室内側のみに存在することを認識させ、機械室扉の錠前への破壊行為に対し抑止効果を持たせた。
【0037】
機械室の柱の一部にH型鋼を使用し、大型重機等による攻撃に対しても、破壊に時間のかかる構造とし、さらに、柱の形状が認識しやすいデザインとすることで、破壊行為に抑止効果を持たせた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるブースシステムの、正面の立面図の一例。
【図2】図1の側面の立面図。
【図3】図1、2のブースシステムの鳥瞰図。
【図4】図1のAにおける平断面図。
【図5】図1と、入口の位置等が異なるブースシステムの平断面図。
【図6】図1のBにおける縦断面図。
【図7】図2のCにおける縦断面図。
【図8】本発明によるATM・CDの保護カバーの一例(斜め前方鳥瞰図)。
【図9】図8の保護カバーの斜め後方鳥瞰図。
【図10】本発明による機械室扉の内側の一例(鳥瞰図)。
【図11】図10の機械室扉の外側の鳥瞰図。
【図12】図10に鍵落下防止カバーをつけた鳥瞰図。
【図13】図11の開口部に扉をつけた鳥瞰図。
【図14】図10のDにおける平断面図。
【図15】図10の錠前の位置を壁側とした平断面図。
【符号の説明】
1…柱、2a …壁パネル、2b…コーナーパネル、2c…補強パネル、3…屋根、4a…床、4b…天井、5a…機械室柱、5b…壁パネル、5c…開口、5d…補強柱(H型鋼)、6a…扉、6b…窓,6c…庇、7…土間、8a…笠木、8b…巾木、9a…機械室扉、9b…錠前、9c…開口部、9d…鍵落下防止カバー、9e…取っ手、9f…開口部用扉、9g…開口部扉用錠前、9h…保護材、9i…隙間カバー、10…ATM・CD保護カバー、10a…可動部、10b…固定部、10c…結合金具、10d…キャスター、10e…ボルト。
Claims (8)
- 柱と外壁、そして、出入口扉、屋根、天井と床を持つ任意の形状であり、その室内には、外壁とは別の壁を四方に持つ機械室を有し、さらに、機械室の壁には、機械室内に出入りするための施錠可能な扉やATM・CD等の装置を埋め込み設置するための開口を持つブースシステム。
- ブース外壁と機械室の壁との間には空間を設け、ブース外部から機械室への侵入に対し、必ず2重の壁が存在することを認識させる請求項1のブースシステム。
- 機械室と近接する部分の外壁をより厚くすることで、ブース外壁で特に機械室付近は防犯が強化されていることを認識させる請求項1のブースシステム。
- ATM・CD等の装置前面を任意の形状の堅牢なカバーで保護し、さらに、カバーの取り外しは機械室内部から行うことで、ATM・CD前面にカバーの開閉部や錠前が無い構造とした請求項1のブースシステム。
- 機械室の扉の錠前は、鍵穴を室内側のみに設けた構造とし、機械室の外側から扉を施錠・開錠する場合、機械室の扉または壁に設けた開口部から鍵を持った手を内側に入れ、鍵穴に鍵を挿入して行うことで、機械工具等による錠前の破壊を困難とする請求項1のブースシステム。
- 請求項5において、機械室の扉または壁の開口部に施錠できる透明な材質の扉を設け、この扉を開いた場合、警報装置が作動し、警備会社や警察等へ通報する。また、透明な材質であることで、扉の鍵穴が内側にしかないことを認識させるブースシステム。
- 機械室の柱の一部にH鋼を使用し、大型重機を使用しても短時間での破壊が困難である構造とし、さらに、柱の形状を認識し易いデザインとすることで、柱の強化を認識させる請求項1のブースシステム。
- ブースに対する破壊等の衝撃や、ブースへの不法侵入を検知した場合、警報装置が作動し、警備会社や警察等へ通報する機能を有した請求項1から7のいずれかのブースシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003120885A JP2004324236A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | セキュリティブースシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003120885A JP2004324236A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | セキュリティブースシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004324236A true JP2004324236A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33499593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003120885A Pending JP2004324236A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | セキュリティブースシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004324236A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008197938A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-08-28 | Hitachi Omron Terminal Solutions Corp | 紙葉類取扱装置 |
CN105139487A (zh) * | 2015-07-24 | 2015-12-09 | 浙江威特银行设备有限公司 | 一种安全防护远程管理方法 |
-
2003
- 2003-04-25 JP JP2003120885A patent/JP2004324236A/ja active Pending
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