JP2006037299A - 繊維材料のめっき前処理 - Google Patents
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Abstract
【課題】 めっきされた繊維材料に、切れ易い部分やめっきの剥がれ易い部分が生じ難くする。
【解決手段】 繊維、繊維束や糸などの繊維材料を透液性の巻き筒Bに巻いた円筒形状の巻き体Wにめっきの前処理を施す方法において、巻き体Wにその内側から外側又は外側から内側へ前処理液が貫流している間、巻き体Wと前処理液を超音波振動する。前処理装置は、管状軸4の周壁を透液性にし、管状軸4の外回りには巻き体Wを着脱可能にし、管状軸4に取り付けた巻き体Wに、その内側から外側又は外側から内側へ前処理液を貫流する構成にし、超音波振動子11を設け、前処理液が貫流している巻き体Wとその前処理液に向けて超音波を発振する構成にし、管状軸4をその軸心の周りに回転可能にし、管状軸4を回転する駆動装置3、6、7を設け、超音波を受けている巻き体Wを回転して巻き体Wの全周囲を超音波振動する構成にした。
【選択図】 図1
【解決手段】 繊維、繊維束や糸などの繊維材料を透液性の巻き筒Bに巻いた円筒形状の巻き体Wにめっきの前処理を施す方法において、巻き体Wにその内側から外側又は外側から内側へ前処理液が貫流している間、巻き体Wと前処理液を超音波振動する。前処理装置は、管状軸4の周壁を透液性にし、管状軸4の外回りには巻き体Wを着脱可能にし、管状軸4に取り付けた巻き体Wに、その内側から外側又は外側から内側へ前処理液を貫流する構成にし、超音波振動子11を設け、前処理液が貫流している巻き体Wとその前処理液に向けて超音波を発振する構成にし、管状軸4をその軸心の周りに回転可能にし、管状軸4を回転する駆動装置3、6、7を設け、超音波を受けている巻き体Wを回転して巻き体Wの全周囲を超音波振動する構成にした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、繊維、繊維束や糸などの繊維材料にめっきの前処理を施す技術に関する。
特許文献1は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維又はアクリル繊維の糸に銀又は白金の無電解めっきを施す技術を開示している。このめっき装置は、めっき槽と貯蔵槽を設けている。めっき槽は、中心部に管状軸を縦に設けている。管状軸は、上端を閉鎖し、周壁を透液性にしている。管状軸の下端は、めっき槽の下に突出している。貯蔵槽は、ポンプを経て管状軸の下端に接続している。めっき槽の内部は、周壁を貫通して貯蔵槽に接続している。
めっき槽内の管状軸には、その外回りに円筒形状の巻糸体を装着する。巻糸体は、透液性の巻き筒に糸を巻いている。めっき液又はその前処理液は、貯蔵槽からポンプで管状軸の下端に供給される。管状軸に流入しためっき液又はその前処理液は、管状軸の透液性周壁から巻糸体内側の透液性巻き筒を経て、巻糸体の糸間の隙間を通過し、巻糸体の外側に流出し、めっき槽に流入する。めっき槽に流入しためっき液又はその前処理液は、貯蔵槽に戻る。
このめっき装置を用い、ポリエステル繊維の糸の巻糸体を管状軸に装着し、前処理の脱脂処理、アルカリ処理・中和処理、活性化処理と無電解銀めっきを順に施す。
繊維フイラメントの糸の円筒形状の巻き体にその内側から外側又は外側から内側へめっき液又はその前処理液を貫流する方法で、前処理の脱脂処理、エッチング処理、表面調整処理、触媒付与処理、キャタライザー処理と本処理の無電解めっきを順に施した。すると、めっきされた繊維フイラメントの糸は、切れ易い部分やめっきの剥がれ易い部分が生じることがあった。
その原因は、次のように推察された。巻き体は、巻き密度に不均等があると、巻き密度の低い部分は、高い部分よりも前処理液又はめっき液が流れ易く流量が多くなる。即ち、巻き体は、前処理液又はめっき液の流量が多い部分と少ない部分がある。前処理液の流量が少ない部分では、前処理が不十分であってめっきが付着し難くなる。めっきの密着性が悪くなる。また、前処理液、特にエッチング液の流量が多い部分では、エッチング処理が過剰になって腐食量が多くなる。糸の強度が低下する。
[課題を解決するための着想]
上記の貫流方法で繊維フイラメントの糸の巻き体に前処理を施すに当たり、前処理中の脱脂処理、エッチング処理と表面調整処理では、それぞれ、前処理液が巻き体を貫流している間、巻き体に向けて超音波を発振した。すると、めっきされた繊維フイラメントの糸は、切れ易い部分やめっきの剥がれ易い部分が生じ難くなった。
上記の貫流方法で繊維フイラメントの糸の巻き体に前処理を施すに当たり、前処理中の脱脂処理、エッチング処理と表面調整処理では、それぞれ、前処理液が巻き体を貫流している間、巻き体に向けて超音波を発振した。すると、めっきされた繊維フイラメントの糸は、切れ易い部分やめっきの剥がれ易い部分が生じ難くなった。
その理由は、次のように推察される。巻き体は、超音波振動すると、密に巻かれていた部分が緩み、巻き密度の不均等が減少する。前処理液は、超音波振動すると、巻き体の巻き密度の高い部分でも流れ易くなり、巻き体の巻き密度の高い部分と低い部分とでの流量差が少なくなる。
1)繊維、繊維束や糸などの繊維材料を透液性の巻き筒に巻いた巻き体にめっきの前処理を施す方法において、
巻き体にその内側から外側又は外側から内側へ前処理液が貫流している間、巻き体と前処理液を超音波振動することを特徴とするめっき前処理方法。
巻き体にその内側から外側又は外側から内側へ前処理液が貫流している間、巻き体と前処理液を超音波振動することを特徴とするめっき前処理方法。
2)繊維、繊維束や糸などの繊維材料を透液性の巻き筒に巻いた巻き体にめっきの前処理を施す装置において、
前処理槽には管状軸を設け、管状軸の周壁を透液性にし、管状軸の外回りには巻き体を着脱可能にし、管状軸に前処理液の通路を接続し、管状軸に取り付けた巻き体に、その内側から外側又は外側から内側へ前処理液を貫流する構成にし、
前処理槽には超音波振動子を設け、超音波振動子に超音波発振器を接続し、管状軸に取り付けられて前処理液が貫流している巻き体とその前処理液に向けて超音波を発振する構成にし、
管状軸をその軸心の周りに回転可能にし、管状軸を回転する駆動装置を設け、管状軸に取り付けられて超音波を受けている巻き体を回転して巻き体の全周囲を超音波振動する構成にしたことを特徴とするめっき前処理装置。
前処理槽には管状軸を設け、管状軸の周壁を透液性にし、管状軸の外回りには巻き体を着脱可能にし、管状軸に前処理液の通路を接続し、管状軸に取り付けた巻き体に、その内側から外側又は外側から内側へ前処理液を貫流する構成にし、
前処理槽には超音波振動子を設け、超音波振動子に超音波発振器を接続し、管状軸に取り付けられて前処理液が貫流している巻き体とその前処理液に向けて超音波を発振する構成にし、
管状軸をその軸心の周りに回転可能にし、管状軸を回転する駆動装置を設け、管状軸に取り付けられて超音波を受けている巻き体を回転して巻き体の全周囲を超音波振動する構成にしたことを特徴とするめっき前処理装置。
前処理液が貫流している巻き体とその前処理液は、超音波振動する。このように前処理すると、めっきされた繊維材料は、切れ易い部分やめっきの剥がれ易い部分が生じ難くなる。
[前処理装置(図1〜図4参照)]
前処理装置は、図1又は図3に示すように、前処理槽1の底板中心部に固定筒2を縦に貫通して取り付けている。固定筒2は、上部が前処理槽1内に突出し、下部が前処理槽1の下に突出している。固定筒2の上部の外回りには、歯車3を同心に回転可能に取り付けている。歯車3は、前処理槽1の底板と並行し、その底板の直ぐ上に位置している。
前処理装置は、図1又は図3に示すように、前処理槽1の底板中心部に固定筒2を縦に貫通して取り付けている。固定筒2は、上部が前処理槽1内に突出し、下部が前処理槽1の下に突出している。固定筒2の上部の外回りには、歯車3を同心に回転可能に取り付けている。歯車3は、前処理槽1の底板と並行し、その底板の直ぐ上に位置している。
歯車3の上には、図1と図2に示すように、管状軸4を縦に同心に配置している。管状軸4は、円筒の周壁を透液性にし、上端を閉鎖し、下端開口の外回りにフランジ5を設けている。フランジ5は、歯車3の上面に載って重なっている。フランジ5に貫通した複数の孔には、それぞれ、歯車3の上面に突出した複数のピンが挿入している。管状軸4は、前処理槽1の中心部に縦に装着している。
前処理槽1に装着された管状軸4は、固定筒2と連通している。歯車3上に載った管状軸4は、歯車3と一緒に、その軸心の周りに回転可能である。また、歯車3上の管状軸4は、図3に示すように、取り外し可能である。なお、管状軸4が前処理中に上方へ抜け出し易いときには、管状軸4の上に重りを載せる。
前処理槽1の外側には、電動機6を取り付けている。電動機6の回転軸は、歯車伝動機構7を経て歯車3に連結している。電動機6、歯車伝動機構7と歯車3は、管状軸4を回転する駆動装置を構成している。
巻き体Wは、図4に示すように、巻き筒Bに繊維材料を円筒形状にソフトチーズ巻きしている。巻き筒Bは、円筒の周壁を透液性にしている。繊維材料は、繊維、繊維束や糸などである。巻き筒Bの透液性周壁は、管状軸4の透液性周壁と同様に、開口率が半分位以上である。高透液性である。
円筒形状の巻き体Wを管状軸4に取り付けるときには、円環状の座板8を管状軸4に嵌合してフランジ5の上に載せ、巻き体Wを管状軸4に差し込む。すると、巻き体Wは、座板8の上に載り、巻き体Wの上に管状軸4の上端が突出する。管状軸4の上端は、外周を螺子部にしている。この螺子部には、ナット9を螺合して緊締する。巻き体Wは、管状軸4の外回りに同心に着脱可能に取り付ける。巻き体Wの取り付け作業は、管状軸4が前処理槽1に装着された状態でも、前処理槽1から取り外された状態でも、行うことができる。
巻き体Wが管状軸4に取り付けられて管状軸4が前処理槽1に装着されている状態で、電動機6を駆動すると、管状軸4が回転し、巻き体Wが回転する。
前処理槽1の内側には、図1と図2に示すように、超音波振動子11を取り付けている。超音波振動子11は、厚板形状であり、前処理槽1内の管状軸4と並列している。超音波振動子11には、超音波発振器12を接続している。超音波発振器12を作動すると、超音波が超音波振動子11から、前処理槽1内の管状軸4に取り付けられている巻き体Wに向けて発振する。超音波は、周波数が23〜27kHz位である。
前処理槽1の側方には、前処理液の貯蔵槽21を設けている。前処理槽1の下側には、液槽22を設けている。貯蔵槽21は、ポンプ付きの供給通路23で液槽22に接続している。前処理液の供給量と供給時期を制御する供給制御装置を設けている。
液槽22は、供給管24で固定筒2の下端に接続している。供給管24には、ポンプ25と逆止弁を介在している。ポンプ25は、液槽22の前処理液を前処理槽1内の管状軸4に押し込む。圧入ポンプである。前処理槽1は、管状軸4に取り付けた巻き体Wより高い位置に流出口を設け、この流出口を流出管26で液槽22に接続している。液槽22、圧入ポンプ25付き供給管24、固定筒2、管状軸4、前処理槽1と流出管26で、前処理液を、管状軸4に取り付けた巻き体Wの内側から外側に流す順流通路を構成している。
固定筒2の下端は、逆流管27で前処理槽1の外側を経て前処理槽1に接続している。逆流管27には、電磁開閉弁28、ポンプ29と逆止弁を介在している。ポンプ29は、管状軸4内から前処理液を吸い出す。吸引ポンプである。管状軸4、固定筒2、吸引ポンプ29付き逆流管27と前処理槽1で、前処理液を、管状軸4に取り付けた巻き体Wの外側から内側に流す逆流通路を構成している。
順流通路と逆流通路には、順流制御装置と逆流制御装置を接続している。順流制御装置は、タイマーに予め設定した順流時間の間、電磁開閉弁28を閉鎖し、圧入ポンプ25を作動して、順流通路に前処理液を流す。逆流制御装置は、タイマーに予め設定した逆流時間の間、電磁開閉弁28を開放し、吸引ポンプ29を作動して、逆流通路に前処理液を流す。
順流制御装置と逆流制御装置には、前処理時間制御装置を接続している。前処理時間制御装置は、タイマーに予め設定した前処理時間の間、順流制御装置と逆流制御装置とを交互に繰り返して作動する。前処理時間は、1〜30分位である。
また、前処理時間制御装置には、滞留時間制御装置を接続している。滞留時間制御装置は、順流制御装置が停止してから逆流制御装置が作動するまでの時間と、逆流制御装置が停止してから順流制御装置が作動するまでの時間とを、それぞれ、タイマーに予め設定した滞留時間にする。滞留時間は、数秒〜1分位である。
前処理槽1の底板には、排出口を設け、この排出口を排出通路30で液槽22に接続している。排出通路30には、手動開閉弁を介在している。
[前処理方法(図5参照)]
めっきの前処理を行う場合、前処理装置の運転準備を行う。図1と図2に示すように、巻き体Wが管状軸4に取り付けられて管状軸4が前処理槽1に装着されている状態にする。排出通路30は、手動開閉弁で閉鎖する。貯蔵槽21には、前処理液を貯蔵する。
めっきの前処理を行う場合、前処理装置の運転準備を行う。図1と図2に示すように、巻き体Wが管状軸4に取り付けられて管状軸4が前処理槽1に装着されている状態にする。排出通路30は、手動開閉弁で閉鎖する。貯蔵槽21には、前処理液を貯蔵する。
準備の後、前処理装置を運転する。すると、前処理液の供給制御装置が作動する。貯蔵槽21の前処理液は、予め設定した量が液槽22に供給される。すると、前処理時間制御装置が作動する。予め設定した前処理時間、前処理液の反応が活発である時間の間、図5に示すように、順流工程と逆流工程とが交互に繰り返される。順流工程と逆流工程との間、逆流工程と順流工程との間には、滞留工程がある。
順流工程では、順流制御装置が作動する。予め設定した順流時間の間、電磁開閉弁28を閉鎖し、圧入ポンプ25を作動して、順流通路に前処理液を流す。液槽22の前処理液は、圧入ポンプ25付き供給管24を経て管状軸4に流入し、管状軸4に取り付けられた巻き体Wを内側から外側に通過し、前処理槽1に流入する。前処理槽1に流入した前処理液は、液面が上昇し、管状軸4に取り付けられた巻き体Wが前処理液に没入する。前処理槽1の前処理液の液面が前処理槽1の流出口、流出管26の入口に達すると、前処理槽1の流出口を超える前処理液は、流出管26を経て液槽22に流入する。前処理液は、液槽22、圧入ポンプ25付き供給管24、固定筒2、管状軸4、前処理槽1と流出管26からなる順流通路を循環する。
逆流工程では、逆流制御装置が作動する。予め設定した逆流時間の間、電磁開閉弁28を開放し、吸引ポンプ29を作動して、逆流通路に前処理液を流す。管状軸4内の前処理液は、吸引ポンプ29付き逆流管27を経て前処理槽1に流入し、管状軸4に取り付けられた巻き体Wを外側から内側に通過し、管状軸4内に流入する。前処理液は、管状軸4、固定筒2、吸引ポンプ28付き逆流管27と前処理槽1からなる逆流通路を循環する。
滞留工程では、滞留時間制御装置が作動する。予め設定した滞留時間の間、圧入ポンプ25も吸引ポンプ29も作動せず、順流通路にも逆流通路にも前処理液が流れず、管状軸4に取り付けられた巻き体Wが前処理槽1の前処理液に没入して浸漬している。
また、前処理装置を運転して前処理時間制御装置が作動すると、予め設定した前処理時間、滞留工程を挟んで順流工程と逆流工程とが交互に繰り返される間、超音波発振器12が作動する。その上、管状軸4を回転する駆動装置6、7、3が作動する。
すると、超音波振動子11から超音波が発振される。また、管状軸4に取り付けられた巻き体Wがその軸心の周りに回転する。回転中の巻き体Wは、超音波振動子11から超音波を受け、超音波振動する。また、回転中の巻き体Wをその内側から外側又は外側から内側へ貫流している前処理液、又は、その巻き体Wの周りに滞留している前処理液も、超音波振動子11から超音波を受け、超音波振動する。巻き体Wは、回転することにより、超音波振動子11に対面する側が周方向に移動する。従って、巻き体Wは、全周囲が超音波振動する。
予め設定した前処理時間が経過する頃には、巻き体Wの繊維材料が均等に前処理されている。その後、巻き体Wは、前処理装置から取り外す。前処理された巻き体Wは、本処理装置に取り付けて、めっきの本処理を行う。本処理は、巻き体Wにその内側から外側又は外側から内側へめっき液を貫流する。具体的には、前処理におけるのと同様に、滞留工程を挟んで順流工程と逆流工程とを交互に繰り返す。ただし、前処理におけるのとは異なり、超音波を発振しない。巻き体Wを回転しない。めっき液が貫流している巻き体Wは、超音波振動しない。
[無電解めっきの前処理の例]
繊維材料は、ポリエステル繊維の糸、フイラメントの糸である。巻き筒Bに巻いて巻き体Wにする糸は、質量が500gであり、織度が66D、フイラメント数が4本である。
繊維材料は、ポリエステル繊維の糸、フイラメントの糸である。巻き筒Bに巻いて巻き体Wにする糸は、質量が500gであり、織度が66D、フイラメント数が4本である。
めっきの前処理は、脱脂処理、エッチング処理、表面調整処理、触媒付与処理とキャタライザー処理を順次行う。各前処理の間には、それぞれ、水洗処理を行う。前処理毎に専用の前処理装置を設け、各前処理装置の貯蔵槽に各前処理液を貯蔵する。前処理中の脱脂処理、エッチング処理と表面調整処理では、それぞれ、超音波振動装置11、12と管状軸4の回転駆動装置3、6、7を備えた上記の前処理装置を使用する。
脱脂処理において、液は、ノニオン系界面活性剤の水溶液である。液温は、60℃である。処理時間は、5分である。超音波周波数は、25kHz位である。
エッチング処理において、液は、水溶液の1リットル当り、水酸化ナトリウム250gを含む。液温は、65℃である。処理時間は、5分である。超音波周波数は、25kHz位である。
表面調整処理において、液は、触媒付着用シランカップリング剤であり、水溶液の1リットル当りα−アミノエチルトリエトキシシラン50mlを含む。液温は、45℃である。処理時間は、5分である。超音波周波数は、25kHz位である。
触媒付与処理において、液は、水溶液の1リットル当り、塩化パラジウムと塩化第一錫とのコロイド溶液80mlと塩酸300mlを含む。液温は、45℃である。処理時間は、5分である。
キャタライザー処理において、液は、硫酸の水溶液であり、濃度が10%である。液温は、45℃である。処理時間は、5分である。
めっきの本処理において、無電解めっき液は、弱還元剤と析出遅延剤を含み、低反応性である。金属の析出反応が活発な時間が長い。金属塩溶液は、水溶液の1リットル当り、銀塩の硝酸銀7gと錯化剤のトリエタノールアミン12mlを含む。還元溶液は、水溶液の1リットル当り、弱還元剤のグルコース(ブドウ糖)5gと析出遅延剤兼安定剤の2,2−チオジエタノール12gを含む。液温は、室温である。処理時間は、80分である。
銀が無電解めっきされた巻き体Wの糸は、3分の一ずつボビンに巻き戻した。3等分した銀膜被覆の糸は、それぞれ、糸の切断強度とめっきの密着性を調べた。巻き体Wの外層であった糸は、切断強度が28.4mN/Dであり、密着性が良好であった。巻き体Wの中層であった糸は、切断強度が28.7mN/Dであり、密着性が良好であった。巻き体Wの内層であった糸は、切断強度が28.1mN/Dであり、密着性が良好であった。無電解銀めっきされたポリエステル繊維の糸は、切れ易い部分やめっきの剥がれ易い部分がなかった。
[変形例]
1)上記の実施形態において、繊維材料は、ポリエステル繊維であるが、その他の合成繊維、例えば、アラミド繊維、ナイロン繊維やアクリル繊維にする。
2)上記の実施形態において、繊維材料は、糸であるが、単数の繊維、複数の繊維の束にする。
3)上記の実施形態において、めっきする金属は、銀であるが、その他の金属、例えば、白金、金や銅にする。
4)上記の実施形態において、管状軸4に取り付ける巻き体Wは、単数であるが、複数にする。
1)上記の実施形態において、繊維材料は、ポリエステル繊維であるが、その他の合成繊維、例えば、アラミド繊維、ナイロン繊維やアクリル繊維にする。
2)上記の実施形態において、繊維材料は、糸であるが、単数の繊維、複数の繊維の束にする。
3)上記の実施形態において、めっきする金属は、銀であるが、その他の金属、例えば、白金、金や銅にする。
4)上記の実施形態において、管状軸4に取り付ける巻き体Wは、単数であるが、複数にする。
本発明は、繊維、繊維束や糸などの繊維材料への金属めっきに利用される。
B 巻き筒
W 巻き体
1 前処理槽
2 固定筒
3 歯車
4 管状軸
5 管状軸のフランジ
6 電動機
7 歯車伝動機構
8 座板
9 ナット
11 超音波振動子
12 超音波発振器
21 前処理液の貯蔵槽
22 液槽
23 供給通路
24 供給管
25 ポンプ、圧入ポンプ
26 流出管
27 逆流管
28 電磁開閉弁
29 ポンプ、吸引ポンプ
30 排出通路
W 巻き体
1 前処理槽
2 固定筒
3 歯車
4 管状軸
5 管状軸のフランジ
6 電動機
7 歯車伝動機構
8 座板
9 ナット
11 超音波振動子
12 超音波発振器
21 前処理液の貯蔵槽
22 液槽
23 供給通路
24 供給管
25 ポンプ、圧入ポンプ
26 流出管
27 逆流管
28 電磁開閉弁
29 ポンプ、吸引ポンプ
30 排出通路
Claims (2)
- 繊維、繊維束や糸などの繊維材料を透液性の巻き筒に巻いた巻き体にめっきの前処理を施す方法において、
巻き体にその内側から外側又は外側から内側へ前処理液が貫流している間、巻き体と前処理液を超音波振動することを特徴とするめっき前処理方法。 - 繊維、繊維束や糸などの繊維材料を透液性の巻き筒に巻いた巻き体にめっきの前処理を施す装置において、
前処理槽には管状軸を設け、管状軸の周壁を透液性にし、管状軸の外回りには巻き体を着脱可能にし、管状軸に前処理液の通路を接続し、管状軸に取り付けた巻き体に、その内側から外側又は外側から内側へ前処理液を貫流する構成にし、
前処理槽には超音波振動子を設け、超音波振動子に超音波発振器を接続し、管状軸に取り付けられて前処理液が貫流している巻き体とその前処理液に向けて超音波を発振する構成にし、
管状軸をその軸心の周りに回転可能にし、管状軸を回転する駆動装置を設け、管状軸に取り付けられて超音波を受けている巻き体を回転して巻き体の全周囲を超音波振動する構成にしたことを特徴とするめっき前処理装置。
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JP2010510403A (ja) * | 2006-11-21 | 2010-04-02 | ミリッツ デトレフ | ポリエステルを金属化する方法、及び金属化ポリエステル |
JP2015021147A (ja) * | 2013-07-17 | 2015-02-02 | 名古屋メッキ工業株式会社 | 有機繊維材料の無電解金属めっき処理方法及び無電解金属めっき繊維 |
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