JP2006035551A - 画像形成装置、画像形成方法およびデータ制御装置 - Google Patents

画像形成装置、画像形成方法およびデータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光ビームを潜像担持体上に走査させてライン潜像を形成する潜像形成部を各トナー色ごとに装備した装置において、各潜像担持体に形成されるライン潜像の相対的な位置ずれを抑制して高品質なカラー画像を形成する技術を提供する。
【解決手段】 振動する偏向ミラー面によって光ビームを主走査方向に往復走査可能に構成するとともに、スキュー状態に応じて潜像形成用光ビームの走査方向を切り換えている。例えば4色のうちマゼンタおよびブラックについては潜像形成用光ビームSL1を用いてライン潜像を形成する一方、残り(イエローおよびシアン)については潜像形成用光ビームSL2を用いてライン潜像を形成している。したがって、各感光体2でのライン潜像の形成位置が1画素以下の精度で調整され、その結果、ライン潜像LIy,LIm,LIc,LIkの相対的な位置ずれを高精度で補正される。
【選択図】 図7

Description

この発明は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置および方法に関するものであり、特に振動する偏向ミラー面により光源からの光ビームを走査させる潜像形成部を各トナー色ごとに装備した装置に関するものである。また、この発明は、上記画像形成装置および方法に好適なデータ制御装置に関するものである。
この種の画像形成装置としては、互いに異なる4色、例えばイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色成分ごとに、感光体、露光ユニットおよび現像ユニットを有する画像形成ユニットを専用的に設けた、いわゆるタンデム方式の画像形成装置が従来より知られている。このタンデム装置では、例えば特開平1−170958号公報に記載されているように各色成分のトナー像を次のようにして感光体上に形成している。すなわち、各色成分ごとに、該色成分のトナー像を示す画像データに基づき露光ユニットの光源を制御するとともに、その光源からの光ビームを露光ユニットのポリゴンミラーにより主走査方向に走査させて該色成分の画像データに対応する潜像を感光体上に形成する。そして、それらの潜像をそれぞれ対応する色のトナーで現像して複数色のトナー像を形成するとともに、それら複数色のトナー像を転写媒体上に重ね合わせてカラー画像を形成する。
特開平1−170958号公報(第4頁、第2図)
ところで、上記のようにしてカラー画像を形成する装置では、各色成分のトナー像が相互に位置ずれを起こす現象、いわゆる色ずれの発生を抑制することが重要となる。ここで色ずれの主要因のひとつとして、走査線が予め設定された基準線に対して傾斜してしまうことが挙げられる。すなわち、理想的にはポリゴンミラーにより主走査方向に走査される光ビームの走査線は基準線と一致し、その結果、感光体上ではライン潜像が基準線に沿って形成されることとなる。しかしながら、各露光ユニットでの走査線が基準線に対して傾斜してしまい、色ずれが発生することがあった。そこで、特許文献1に記載の装置では、露光ユニットの構成要素の一部を互いに異なる2軸方向に微小移動させて光ビームの光路を移動させる調整機構が設けられ、これによって光ビームの走査線を移動調整可能となっている。そして、例えば感光体の交換後などの適当なタイミングで走査線の移動調整を行うことで感光体に形成されるライン潜像の形成位置を移動させ、色ずれを補正している。
しかしながら、従来装置では露光ユニットの構成要素の一部、例えばポリゴンミラーを収容する光学箱を機械的に移動調整しているので、調整精度には一定の限界があり、1画素以下の精度で調整することは事実上不可能である。したがって、色ずれの補正をさらに高めて高品質の画像を形成する技術が要望されている。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、光ビームを潜像担持体上に走査させてライン潜像を形成する潜像形成部を各トナー色ごとに装備した装置において、各潜像担持体に形成されるライン潜像の相対的な位置ずれを抑制して高品質なカラー画像を形成する技術を提供することを第1の目的とする。
また、この発明は上記第1の目的を達成するのに好適なデータ制御装置を提供することを第2の目的とする。
この発明にかかる画像形成装置は、互いに異なる色のトナー像を形成する、複数の画像形成手段を有し、各画像形成手段で形成されるトナー像を転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置であって、上記第1の目的を達成するため、複数の画像形成手段の各々は、その表面に主走査方向において所定幅の有効画像領域が設けられるとともに、該表面が主走査方向とほぼ直交する副走査方向に駆動される潜像担持体と、振動する偏向ミラー面によって光源からの光ビームを有効画像領域に対応する第1走査領域を主走査方向に走査可能に構成され、潜像形成用光ビームを有効画像領域に照射して有効画像領域にライン潜像を形成する潜像形成部と備え、複数の画像形成手段の一部では、潜像形成部は主走査方向の第1方向で、かつ第1走査領域を走査する光ビームを潜像形成用光ビームとして有効画像領域に照射して有効画像領域にライン潜像を形成する一方、残りの画像形成手段では、潜像形成部は第1方向と逆の第2方向で、かつ第1走査領域を走査する光ビームを潜像形成用光ビームとして有効画像領域に照射して有効画像領域にライン潜像を形成することによって、各画像形成手段でのライン潜像の形成位置を調整することを特徴としている。
また、この発明にかかる画像形成方法は、その表面に主走査方向において所定幅の有効画像領域が設けられるとともに該表面が主走査方向とほぼ直交する副走査方向に駆動される、潜像担持体上に潜像を形成するとともに、互いに異なる色のトナーにより潜像を現像してトナー像を形成する、複数の画像形成手段を用いてカラー画像を転写媒体上に形成する画像形成方法であって、上記第1の目的を達成するため、複数の画像形成手段の一部において、振動する偏向ミラー面によって光源からの光ビームを主走査方向の第1方向で、かつ潜像担持体の有効画像領域に照射して有効画像領域に潜像を形成する一方、残りの画像形成手段において、振動する偏向ミラー面によって光源からの光ビームを第1方向と逆の第2方向で、かつ潜像担持体の有効画像領域に照射して有効画像領域に潜像を形成することによって各画像形成手段での潜像の形成位置を調整しながら、各潜像を現像してトナー像を形成する像形成工程と、複数の画像形成手段の各々により形成されたトナー像を転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成する転写工程とを備えたことを特徴としている。
このように構成された発明(画像形成装置および方法)では、画像形成手段の各々において光源からの光ビームが振動する偏向ミラー面により偏向され、光ビームを主走査方向に往復走査させることが可能となっている。ここで、主走査方向の第1方向に走査される光ビームによりライン潜像LI(+X)を形成する場合と、第1方向と逆の第2方向に走査される光ビームによりライン潜像LI(-X)を形成する場合とを対比すると、次のことがわかる。すなわち、図10に示すように、両ライン潜像LI(+X),LI(-X)は一致せず、互いに逆方向に傾斜している。したがって、潜像形成に用いる光ビームの走査方向を選択的に切り換えることで潜像担持体上でのライン潜像の形成位置を1画素以下で調整することができる。そこで、この発明では、複数の画像形成手段のうち一部については潜像形成用光ビームを第1方向に走査させてライン潜像を形成する一方、残りについては潜像形成用光ビームを第2方向に走査させてライン潜像を形成することによって各画像形成手段でのライン潜像の形成位置が調整され、その結果、各潜像担持体に形成されるライン潜像の相対的な位置ずれを抑制して高品質なカラー画像を形成することが可能となっている。
また、この発明では、光ビームを主走査方向に往復走査させることが可能となっているため、複数の画像形成手段の各々に潜像形成用光ビームの走査方向を切り換える方向制御部を設けることでライン潜像の形成位置を容易に、しかも迅速に切り換えることができる。例えば、方向制御部によって潜像形成部の光源の発光タイミングを制御して潜像形成用光ビームの走査方向を切り換えるように構成してもよい。
また、この種の画像形成装置では、各画像形成手段での潜像形成動作を制御するために、各潜像形成部では光ビームが第1走査領域よりも広い第2走査領域で主走査方向に走査されるとともに、各画像形成手段に走査光ビームを検出する検出部が設けられるが、次のように配置するのが望ましい。すなわち、画像形成装置では、潜像担持体の表面を副走査方向に駆動するために駆動手段が設けられている。特に、装置の小型化を図る上で、従来より主走査方向における潜像担持体の一方端部に駆動手段が機械的に接続され、該駆動手段から潜像担持体の一方端部側に駆動力が伝達されて潜像担持体が駆動されることが多い。このため、潜像担持体の一方端部は他方端部に比べて機械振動の影響を受けやすい。そこで、次の条件、つまり
・主走査方向における駆動手段の反対側(潜像担持体の他方端部側)、
・第2走査領域内で、かつ第1走査領域を外れている、
の2つの条件を満足する位置に検出部を配設することで機械振動の影響を抑えて画像品質の向上を図るようにしてもよい。
また、上記においては主走査方向の一方端側で検出される信号により潜像形成動作を制御するように構成しているが、主走査方向の両方向側の各々において第2走査領域内で、かつ第1走査領域を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する検出部を設け、検出部から出力される検出信号に基づき潜像形成動作を制御するようにしてもよい。この場合、特に潜像形成用光ビームの走査方向の上流側に配置された検出部から出力される検出信号に基づき潜像形成動作を制御するのが望ましい。これにより、光ビームの始点側で検出信号が出力され、それを用いて潜像形成動作が制御される。
さらに、この発明にかかるデータ制御装置は、1ライン画像データに基づき光源を制御しながら該光源から潜像形成用光ビームを射出させるとともに該光ビームを潜像担持体上で第1方向に走査させて1ライン画像データに対応する潜像を潜像担持体に形成する第1潜像形成部と、1ライン画像データに基づき光源を制御しながら該光源から潜像形成用光ビームを射出させるとともに該光ビームを潜像担持体上で第1方向と逆の第2方向に走査させて1ライン画像データに対応する潜像を潜像担持体に形成する第2潜像形成部とを備えた画像形成装置において、1ライン画像データを制御するデータ制御装置であって、上記第2の目的を達成するため、1ライン画像データを構成する複数の画像情報を一時的に記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されている画像情報を読出して該画像情報に基づき光源を制御する順序を第1潜像形成部と第2潜像形成部とで切り換える方向切換手段とを備えたことを特徴としている。
このように構成された発明では、記憶手段に記憶されている画像情報が読出されて該画像情報に基づき光源を制御する順序が第1潜像形成部と第2潜像形成部とで切り換えられる。すなわち、潜像形成部の光源の発光タイミングがデータ制御装置により制御されて潜像形成用光ビームの走査方向が切り換えられる。このため、ライン潜像の形成位置を容易に、しかも迅速に切り換えることができる。
図1は本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、いわゆるタンデム方式のカラープリンタであり、潜像担持体としてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の感光体2Y、2M、2C、2Kを装置本体5内に並設している。そして、各感光体2Y、2M、2C、2K上のトナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する装置である。すなわち、この画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じてホストコンピュータなどの外部装置から印字指令がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11のCPU111からの印字指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EGの各部を制御して複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートSに印字指令に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、4つの感光体2Y、2M、2C、2Kのそれぞれに対応して帯電ユニット、現像ユニット、露光ユニットおよびクリーニング部が設けられている。このように、各トナー色ごとに、感光体、帯電ユニット、現像ユニット、露光ユニットおよびクリーニング部を備えて該トナー色のトナー像を形成する画像形成手段が設けられている。なお、これらの画像形成手段(感光体、帯電ユニット、現像ユニット、露光ユニットおよびクリーニング部)の構成はいずれの色成分についても同一であるため、ここではイエローに関する構成について説明し、その他の色成分については相当符号を付して説明を省略する。
感光体2Yは図1の矢印方向(副走査方向)に回転自在に設けられている。より具体的には、感光体2Yの一方端部には、駆動モータMTが機械的に接続されている。そして、この駆動モータMTと電気的に接続されたモータ制御部105にCPU101から駆動指令が与えられると、モータ制御部105が駆動モータMTを駆動制御する。これによって感光体2Yが回転移動する。このように、この実施形態では、感光体2Yの一方端部側のみに駆動モータMTからの駆動力を伝達して感光体2Yを駆動している。また、この実施形態では、駆動モータMTの配設位置、後述する水平同期センサ60および光ビームの走査方向とが所定関係を満たすように設定されている。なお、この点に関しては、後で詳述する。
このようにして駆動される感光体2Yの周りにその回転方向に沿って、帯電ユニット3Y、現像ユニット4Yおよびクリーニング部(図示省略)がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3Yは例えばスコロトロン帯電器で構成されており、帯電制御部103からの帯電バイアス印加によって感光体2Yの外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。そして、この帯電ユニット3Yによって帯電された感光体2Yの外周面に向けて露光ユニット6Yから走査光ビームLyが照射される。これによって印字指令に含まれるイエロー画像データに対応する静電潜像が感光体2Y上に形成される。このように露光ユニット6Yは本発明の「潜像形成部」に相当するものであり、露光制御部102Y(図4)からの制御指令に応じて動作する。なお、露光ユニット6(6Y,6M,6C,6K)および露光制御部102(102Y,102M,102C.102K)の構成および動作については後で詳述する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4Yによってトナー現像される。この現像ユニット4Yはイエロートナーを内蔵している。そして、現像器制御部104から現像バイアスが現像ローラ41Yに印加されると、現像ローラ41Y上に担持されたトナーが感光体2Yの表面各部にその表面電位に応じて部分的に付着する。その結果、感光体2Y上の静電潜像がイエローのトナー像として顕像化される。なお、現像ローラ41Yに与える現像バイアスとしては、直流電圧、もしくは直流電圧に交流電圧を重畳したもの等を用いることができるが、特に感光体2Yと現像ローラ41Yとを離間配置し、両者の間でトナーを飛翔させることでトナー現像を行う非接触現像方式の画像形成装置では、効率よくトナーを飛翔させるために直流電圧に対して正弦波、三角波、矩形波等の交流電圧を重畳した電圧波形とすることが好ましい。
現像ユニット4Yで現像されたイエロートナー像は、一次転写領域TRy1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。また、イエロー以外の色成分についても、イエローと全く同様に構成されており、感光体2M、2C、2K上にマゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像がそれぞれ形成されるとともに、一次転写領域TRm1、TRc1、TRk1でそれぞれ中間転写ベルト71上に一次転写される。
この転写ユニット7は、2つのローラ72、73に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ72を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向R2に回転させるベルト駆動部(図示省略)とを備えている。また、中間転写ベルト71を挟んでローラ73と対向する位置には、該ベルト71表面に対して不図示の電磁クラッチにより当接・離間移動可能に構成された二次転写ローラ74が設けられている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、一次転写タイミングを制御することで各トナー像を重ね合わせてカラー画像を中間転写ベルト71上に形成するとともに、カセット8から取り出されて中間転写ベルト71と二次転写ローラ74との間の二次転写領域TR2に搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。一方、モノクロ画像をシートSに転写する場合には、ブラックトナー像のみを感光体2Kに形成するとともに、二次転写領域TR2に搬送されてくるシートS上にモノクロ画像を二次転写する。また、こうして画像の2次転写を受けたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に向けて搬送される。
なお、中間転写ベルト71へトナー像を一次転写した後の各感光体2Y、2M、2C、2Kは、不図示の除電手段によりその表面電位がリセットされ、さらに、その表面に残留したトナーがクリーニング部により除去された後、帯電ユニット3Y、3M、3C、3Kにより次の帯電を受ける。
また、ローラ72の近傍には、転写ベルトクリーナ75、濃度センサ76(図2)および垂直同期センサ77(図2)が配置されている。これらのうち、クリーナ75は図示を省略する電磁クラッチによってローラ72に対して近接・離間移動可能となっている。そして、ローラ72側に移動した状態でクリーナ75のブレードがローラ72に掛け渡された中間転写ベルト71の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーを除去する。また、濃度センサ76は、中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。さらに、垂直同期センサ77は、中間転写ベルト71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の副走査方向への回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期センサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色のトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。また、ローラ72,73の間には、色ずれセンサ78が配置されており、各色のトナー像の色ずれ量を検出する。
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像データを記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリであり、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
図3は図1の画像形成装置に装備された露光ユニットの構成を示す主走査断面図であり、図4は図3の露光ユニットにおける光ビームの走査領域を示す図であり、図5は図1の画像形成装置における信号処理ブロックを示す図である。以下、これらの図面を参照しつつ、露光ユニット6および露光制御部102の構成および動作について詳述する。なお、露光ユニット6および露光制御部102の構成はいずれの色成分についても同一であるため、ここではイエローに関する構成について説明し、その他の色成分については相当符号を付して説明を省略する。
この露光ユニット6Y(6M,6C,6K)は露光筐体61を有している。そして、露光筐体61に単一のレーザー光源62Yが固着されており、レーザー光源62Yから光ビームを射出可能となっている。このレーザー光源62Yは、図5に示す露光制御部102Yの光源駆動部(図示省略)と電気的に接続されている。そして、次のようにして画像信号に応じて光源駆動部がレーザー光源62YをON/OFF制御してレーザー光源62Yから画像データに対応して変調された光ビームが射出される。以下、図5を参照しつつ説明する。
この画像形成装置では、ホストコンピュータ100などの外部装置から画像信号が入力されると、メインコントローラ11がその画像信号に対し所定の信号処理を施す。メインコントローラ11は、色変換部114、画像処理部115、2種類のラインバッファ116A,116B、方向切換部116C、パルス変調部117、階調補正テーブル118および補正テーブル演算部119などの機能ブロックを備えている。
また、エンジンコントローラ10は、図2に示すCPU101、ROM106、RAM107、露光制御部102以外に、濃度センサ76の検出結果に基づきエンジン部EGのガンマ特性を示す階調特性を検出する階調特性検出部123を備えている。なお、メインコントローラ11およびエンジンコントローラ10においては、これらの各機能ブロックはハードウェアにより構成されてもよく、またCPU111、101により実行されるソフトウェアによって実現されてもよい。
ホストコンピュータ100から画像信号が与えられたメインコントローラ11では、色変換部114がその画像信号に対応する画像内の各画素のRGB成分の階調レベルを示したRGB階調データを、対応するCMYK成分の階調レベルを示したCMYK階調データへ変換する。この色変換部114では、入力RGB階調データは例えば1画素1色成分当たり8ビット(つまり256階調を表す)であり、出力CMYK階調データも同様に1画素1色成分当たり8ビット(つまり256階調を表す)である。色変換部114から出力されるCMYK階調データは画像処理部115に入力される。
この画像処理部115は、各色成分ごとに以下の処理を実行する。すなわち、色変換部114から入力された各画素の階調データに対し階調補正およびハーフトーニング処理を行う。すなわち、画像処理部115は、不揮発性メモリに予め登録されている階調補正テーブル118を参照し、その階調補正テーブル118にしたがい、色変換部114からの各画素の入力階調データを、補正された階調レベルを示す補正階調データに変換する。この階調補正の目的は、上記のように構成されたエンジン部EGのガンマ特性変化を補償して、この画像形成装置の全体的ガンマ特性を常に理想的なものに維持することにある。すなわち、この種の画像形成装置では、装置のガンマ特性が装置個体ごとに、また同一の装置においてもその使用状況によって変化する。そこで、このようなガンマ特性のばらつきが画像品質に及ぼす影響を除くため、所定のタイミングで、前記した階調補正テーブル118の内容を画像濃度の実測結果に基づいて更新する階調制御処理を実行する。
この階調制御処理では、各トナー色毎に、ガンマ特性を測定するために予め用意された階調補正用の階調パッチ画像がエンジン部EGによって中間転写ベルト71上に形成され、各階調パッチ画像の画像濃度を濃度センサ76が読み取り、その濃度センサ76からの信号に基づき階調特性検出部123が各階調パッチ画像の階調レベルと、検出した画像濃度とを対応させた階調特性(エンジン部EGのガンマ特性)を作成し、メインコントローラ11の補正テーブル演算部119に出力する。そして、補正テーブル演算部119が、階調特性検出部123から与えられた階調特性に基づき、実測されたエンジン部EGの階調特性を補償して理想的な階調特性を得るための階調補正テーブルデータを計算し、階調補正テーブル118の内容をその計算結果に更新する。こうして階調補正テーブル118を変更設定する。こうすることで、この画像形成装置では、装置のガンマ特性のばらつきや経時変化によらず、安定した品質で画像を形成することができる。
こうして補正された補正階調データに対して、画像処理部15は誤差拡散法、ディザ法、スクリーン法などのハーフトーニング処理を行い、1画素1色当たり8ビットのハーフトーン階調データを2種類のラインバッファ116A,16Bに入力する。なお、ハーフトーニング処理の内容は、形成すべき画像の種類により異なる。すなわち、その画像がモノクロ画像かカラー画像か、あるいは線画かグラフィック画像かなどの判定基準に基づき、その画像に最適な処理内容が選択され実行される。
これらのラインバッファ116A,16Bは画像処理部15から出力される1ライン画像データを構成するハーフトーン階調データ(画像情報)を記憶するものである点で共通するが、階調データの読出し順序が相違する。すなわち、順方向ラインバッファ116Aは1ライン画像データを構成するハーフトーン階調データを先頭から順方向に出力するものであるのに対し、逆方向ラインバッファ116Bは最後から逆方向に出力するものである。
そして、こうして出力されるハーフトーン階調データは方向切換部116Cに入力され、方向切換信号に基づき一方のラインバッファから出力されるハーフトーン階調データのみが適当なタイミングで方向切換部116Cからパルス変調部117に出力される。このように2種類のラインバッファ116A,116Bを設けた主たる理由は、後述するように各色成分ごとに潜像形成用光ビームの走査方向が相違することに対応するためである。また、方向切換部116Cによって各色成分に対応したタイミングおよび順序で階調データがパルス変調部117に入力される。このように、この実施形態では、ラインバッファ116A,116Bおよび方向切換部116Cが本発明の「方向制御部」および「データ制御装置」に相当している。
このパルス変調部117に入力されたハーフトーニング後の階調データは、各画素に付着させるべき各色のトナードットのサイズおよびその配列を示す多値信号であり、かかるデータを受け取ったパルス変調部117は、そのハーフトーン階調データを用いて、エンジン部EGの各色画像の露光レーザパルスをパルス幅変調するためのビデオ信号を作成し、図示を省略するビデオインターフェースを介してエンジンコントローラ10に出力する。そして、このビデオ信号を受けた露光制御部102Yの光源駆動部(図示省略)が露光ユニット6のレーザー光源62YをON/OFF制御する。また、他の色成分についても同様である。
次に、図3および図4に戻って説明を続ける。露光筐体61の内部には、レーザー光源62Yからの光ビームを感光体2Yの表面(図示省略)に走査露光するために、コリメータレンズ631、シリンドリカルレンズ632、偏向器65、走査レンズ66が設けられている。すなわち、レーザー光源62Yからの光ビームは、コリメータレンズ631により適当な大きさのコリメート光にビーム整形された後、副走査方向Yにのみパワーを有するシリンドリカルレンズ632に入射される。そして、シリンドリカルレンズ632を調整することでコリメート光は副走査方向Yにおいて偏向器65の偏向ミラー面651付近で結像される。このように、この実施形態では、コリメータレンズ631およびシリンドリカルレンズ632がレーザー光源62Yからの光ビームを整形するビーム整形系63として機能している。
この偏向器65は半導体製造技術を応用して微小機械を半導体基板上に一体形成するマイクロマシニング技術を用いて形成されるものであり、共振振動する振動ミラーで構成されている。すなわち、偏向器65では、共振振動する偏向ミラー面651により光ビームを主走査方向Xに偏向可能となっている。より具体的には、偏向ミラー面651は主走査方向Xとほぼ直交する揺動軸(ねじりバネ)周りに揺動自在に軸支されるとともに、作動部(図示省略)から与えられる外力に応じて揺動軸周りに正弦揺動する。この作動部は露光制御部102のミラー駆動部(図示省略)からのミラー駆動信号に基づき偏向ミラー面651に対して静電気的、電磁気的あるいは機械的な外力を作用させて偏向ミラー面651をミラー駆動信号の周波数で揺動させる。なお、作動部による駆動方式は静電吸着、電磁気力あるいは機械力などのいずれの方式を採用してもよく、それらの駆動方式は周知であるため、ここでは説明を省略する。
偏向器65の偏向ミラー面651で偏向された光ビームは図4に示すように最大振幅角θmaxで走査レンズ66に向けて偏向される。この実施形態では、走査レンズ66は、感光体2の有効画像領域IRの全域においてF値が略同一となるように構成されている。したがって、走査レンズ66に向けて偏向された光ビームは、走査レンズ66を介して感光体2の表面の有効画像領域IRに略同一のスポット径で結像される。これにより、光ビームが主走査方向Xと平行に走査して主走査方向Xに伸びるライン状の潜像が感光体2の有効画像領域IR上に形成される。なお、この実施形態では、偏向器65により走査可能な走査領域(本発明の「第2走査領域」)SR2は、図4に示すように、有効画像領域IR上で光ビームを走査させるための走査領域(本発明の「第1走査領域」)SR1よりも広く設定されている。また、第1走査領域SR1が第2走査領域SR2の略中央部に位置しており、光軸に対してほぼ対称となっている。さらに、同図中の符号θirは有効画像領域IRの端部に対応する偏向ミラー面651の振幅角を示し、符号θsは次に説明する水平同期センサに対応する偏向ミラー面651の振幅角を示している。
また、上記のように構成された装置では、光ビームを主走査方向に往復走査することができる、つまり光ビームを(+X)方向にも、(−X)方向にも走査可能となっている。そして、上記したように1ライン画像データを構成する階調データを記憶部(ラインバッファ116A,116B)に一時的に記憶しておき、方向切換部116Cが適当なタイミングおよび順序で階調データをパルス変調部117に与える。例えば(+X)方向に切り換えられた場合には、図10(a)に示すように、ラインバッファ116Aから階調データDT1,DT2,…DTnの順序で読み出され、各階調データに基づきビームスポットが第1方向(+X)に感光体2上に照射されてライン潜像LI(+X)が形成される。一方、(−X)方向に切り換えられた場合には、図10(b)に示すように、ラインバッファ116Bから階調データDTn,DT(n-1),…DT1の順序で読み出され、各階調データに基づきビームスポットが第2方向(−X)に感光体2上に照射されてライン潜像LI(-X)が形成される。このため、次のように潜像形成のための光ビーム(本発明の「潜像形成用光ビーム」に相当)が色成分ごとに相違させることができる。より具体的には、この実施形態では、図6に示す色ずれを抑制するため、マゼンタおよびブラックについては、(+X)方向で、かつ第1走査領域SR1を走査する光ビームSL1を有効画像領域IRに導いて有効画像領域IRに潜像を形成する(図4および図7参照)。一方、イエローおよびシアンについては、(−X)方向で、かつ第1走査領域SR1を走査する光ビームSL2を有効画像領域IRに導いて有効画像領域IRに潜像を形成する(図4および図7参照)。したがって、この実施形態では、(+X)および(−X)方向が本発明の「第1方向」および「第2方向」にそれぞれ相当する。そして、マゼンタおよびブラックの露光ユニット6M,6Kが本発明の「第1潜像形成部」に相当する一方、イエローおよびシアンの露光ユニット6Y,6Cが本発明の「第2潜像形成部」に相当する。
また、この実施形態では、該走査方向と駆動モータMTの配設位置とは次の関係を満足するように予め設定されている。すなわち、駆動モータMTは走査方向(+X)の下流側に配置されている。また、図3に示すように、走査方向(+X)の上流側において走査光ビームの走査経路の端部を折り返しミラー69により水平同期センサ60に導いている。この折り返しミラー69は走査方向(+X)の上流側における第2走査領域SR2の端部に配置され、走査方向(+X)の上流側において第2走査領域SR2内で、かつ第1走査領域SR1を外れた位置を移動する走査光ビームを水平同期センサ60に導光する。そして、水平同期センサ60により該走査光ビームが受光されてセンサ位置(振幅角θs)を通過するタイミングで信号が水平同期センサ60から出力される。このように、本実施形態では、水平同期センサ60を、光ビームが有効画像領域IRを主走査方向Xに走査する際の同期信号、つまり水平同期信号Hsyncを得るための水平同期用読取センサとして機能させており、水平同期信号Hsyncに基づき潜像形成動作を制御する。以下、図面を参照しつつ従来装置での潜像形成動作と本実施形態にかかる装置での潜像形成動作について対比説明する。
図6は従来装置の潜像形成動作により形成される潜像を示す図であり、図7は本実施形態の潜像形成動作により形成される潜像を示す図である。なお、両図中の1点鎖線は走査線の軌跡を示す仮想線であり、太線矢印は潜像形成用の走査光ビームを示している。例えば特許文献1に記載の従来装置では、いずれの色成分においても、同一方向(+X)に走査される潜像形成用光ビームSL1によって潜像が形成され、例えば図6に示すように、基準線RLに対して各ライン潜像LIy,LIm,LIc,LIkは傾斜している。このようなスキュー状態にある場合には、従来装置では例えばイエローおよびマゼンタについて露光ユニットの構成要素の一部を互いに異なる2軸方向に機械的に微小移動させてスキュー調整を行い、それによって色ずれを補正していた。したがって、色ずれを高精度に補正することが困難であった。
これに対し、本実施形態では、色ずれセンサ78からの出力信号によりエンジンコントローラ10のCPU101は各色の色ずれ量を計測し、スキュー状態を求めている。そして、CPU101は、各ライン潜像LIy,LIm,LIc,LIkが画像形成手段に共通する基準線RLに対して一致または同一方向に傾斜するように、各露光ユニット6に対応して方向切換信号を設定し、方向切換部116Cに与える。例えば補正前の装置が図6に示すスキュー状態となっている場合には、上記したようにマゼンタおよびブラックについては、(+X)方向に走査される光ビームSL1を用いてライン潜像LIm、LIkを形成する一方、イエローおよびシアンについては、(−X)方向に走査される光ビームSL2を用いてライン潜像LIy、LIcを形成する。
以上のように、この実施形態によれば、振動する偏向ミラー面によって光ビームを主走査方向に往復走査可能に構成するとともに、スキュー状態に応じて方向切換信号を設定している。これによって、4色の露光ユニット6の一部については潜像形成用光ビームSL1を用いてライン潜像を形成する一方、残りについては潜像形成用光ビームSL2を用いてライン潜像を形成している。したがって、各感光体2でのライン潜像の形成位置が1画素以下の精度で調整され、その結果、ライン潜像LIy,LIm,LIc,LIkの相対的な位置ずれを高精度に補正して高品質なカラー画像を形成することが可能となっている。なお、上記実施形態では、マゼンタおよびブラックについては光ビームSL1を用いる一方、イエローおよびシアンについては光ビームSL2を用いるが、それらの組み合わせは色ずれセンサ78からの出力信号に基づき設定すればよい。
また、1ライン画像データを構成する階調データを記憶部(ラインバッファ116A,116B)に一時的に記憶しておき、方向切換部116Cによって適当なタイミングおよび順序で階調データを読出することによって、潜像形成用光ビームの走査方向を切り換えている。このため、従来装置に比べてライン潜像の形成位置を容易に、しかも迅速に切り換えることができる。
また、この実施形態では、駆動モータMTが図4に示すように第1方向(+X)の下流側で感光体2の端部と機械的に接続され、感光体2を回転駆動している。したがって、感光体2の一方端部は他方端部に比べて機械振動の影響を受けやすい。そこで、本実施形態では、次の2つの条件、つまり、
・主走査方向Xにおける駆動モータMTの反対側(感光体2の他方端部側)、
・第2走査領域SR2内で、かつ第1走査領域SR1を外れている、
の2つの条件を満足する位置に水平同期センサ60が配設されている。このように、機械振動の影響を受けにくい位置に本発明の「検出部」に相当するセンサ60が配置されているので、機械振動の影響が抑制された状態で水平同期信号を得ることができる。その結果、潜像を良好に形成し、画像品質を向上させることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、主走査方向Xにおける駆動モータMTの反対側で検出した水平同期信号に基づき潜像形成動作を制御しているが、センサの個数や配置などについてはこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、走査光ビームの走査経路の両端側を折り返しミラー69a,69bにより水平同期センサ60A,60Bに導くように構成してもよい。この装置では、水平同期センサ60A,60Bにより該走査光ビームが受光されてセンサ位置(振幅角θs)を通過するタイミングで信号が水平同期センサ60A,60Bから出力される。そこで、各センサ60A,60Bの出力信号に基づき潜像形成動作を制御するようにしてもよい。また、主走査方向Xの両側で検出信号を得ることができるため、潜像形成用光ビームの走査方向の上流側に配置されたセンサ(検出部)から出力される検出信号に基づき潜像形成動作を制御するようにしてもよい。また、図9に示すように、1個の水平同期センサ60Cと折り返しミラー69c〜69eで走査光ビームを検出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、中間転写ベルトなどの中間転写媒体に一時的にカラー画像を形成した後に該カラー画像をシートSに転写する画像形成装置に対して本発明を適用しているが、各トナー像を直接シート上で重ね合わせてカラー画像を形成する装置に対しても適用可能である。この場合、シートが本発明の「転写媒体」に相当する。
また、上記実施形態では、振動する偏向ミラー面651をマイクロマシニング技術を用いて形成しているが、偏向ミラー面の製造方法はこれに限定されるものではなく、振動する偏向ミラー面を用いて光ビームを偏向して潜像担持体上に光ビームを走査させる、いわゆるタンデム方式の画像形成装置全般に本発明を適用することができる。
本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図。 図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。 図1の画像形成装置における露光ユニットの構成を示す主走査断面図。 図3の露光ユニットにおける光ビームの走査領域を示す図。 図1の画像形成装置における信号処理ブロックを示す図。 従来装置の潜像形成動作により形成される潜像を示す図。 図1の画像形成装置の潜像形成動作により形成される潜像を示す図。 本発明にかかる画像形成装置の他の実施形態を示す図。 本発明にかかる画像形成装置の別の実施形態を示す図。 図1の画像形成装置により形成されるライン潜像を示す図。
符号の説明
2,2Y,2M,2C,2K…感光体(潜像担持体)、 6,6Y,6M,6C,6K…露光ユニット(潜像形成部)、 60,60A〜60C…水平同期センサ(検出器)、 62,62Y,62M,62C,62K…レーザー光源、 71…中間転写ベルト(転写媒体)、 651…偏向ミラー面、 DT1,DT2,DT(n-1),DTn…階調データ(画像情報)、 IR…有効画像領域、 Ly,Lm,Lc,Lk…走査光ビーム、 LIy,LIm,LIc,LIk,LI(+X),LI(-X)…ライン潜像、 MT…駆動モータ(駆動手段)、 SL1,SL2…走査光ビーム、 X…主走査方向、 Y…副走査方向

Claims (10)

  1. 互いに異なる色のトナー像を形成する、複数の画像形成手段を有し、各画像形成手段で形成されるトナー像を転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置において、
    前記複数の画像形成手段の各々は、
    その表面に主走査方向において所定幅の有効画像領域が設けられるとともに、該表面が前記主走査方向とほぼ直交する副走査方向に駆動される潜像担持体と、
    振動する偏向ミラー面によって光源からの光ビームを前記有効画像領域に対応する第1走査領域を前記主走査方向に走査可能に構成され、潜像形成用光ビームを前記有効画像領域に照射して前記有効画像領域にライン潜像を形成する潜像形成部と
    を備え、
    前記複数の画像形成手段の一部では、前記潜像形成部は前記主走査方向の第1方向で、かつ前記第1走査領域を走査する光ビームを前記潜像形成用光ビームとして前記有効画像領域に照射して前記有効画像領域にライン潜像を形成する一方、残りの画像形成手段では、前記潜像形成部は前記第1方向と逆の第2方向で、かつ前記第1走査領域を走査する光ビームを前記潜像形成用光ビームとして前記有効画像領域に照射して前記有効画像領域にライン潜像を形成することによって、各画像形成手段でのライン潜像の形成位置を調整することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記複数の画像形成手段の各々は、前記潜像形成用光ビームの走査方向を切り換える方向制御部をさらに備える請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記複数の画像形成手段の各々において、前記方向制御部は前記潜像形成部の光源の発光タイミングを制御して前記潜像形成用光ビームの走査方向を切り換える請求項2記載の画像形成装置。
  4. 各ライン潜像が前記複数の画像形成手段に共通する基準線に対して一致または同一方向に傾斜するように各潜像形成部での潜像形成用光ビームの走査方向が設定される請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記主走査方向における前記潜像担持体の一方端部と機械的に接続されて前記潜像担持体の表面を前記副走査方向に駆動する駆動手段をさらに備え、
    前記複数の潜像形成部の各々は光ビームを前記第1走査領域よりも広い第2走査領域で前記主走査方向に走査可能に構成され、しかも、
    前記複数の画像形成手段の各々は、前記主走査方向における前記駆動手段の反対側において前記第2走査領域内で、かつ前記第1走査領域を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する検出部を備え、前記検出部から出力される検出信号に基づき潜像形成動作を制御する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記複数の潜像形成部の各々は光ビームを前記第1走査領域よりも広い第2走査領域で前記主走査方向に走査可能に構成され、しかも、
    前記複数の画像形成手段の各々は、前記主走査方向の両方向側の各々において前記第2走査領域内で、かつ前記第1走査領域を外れた位置を移動する走査光ビームを検出して信号を出力する検出部を備え、前記検出部から出力される検出信号に基づき潜像形成動作を制御する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記複数の画像形成手段の各々は、前記潜像形成用光ビームの走査方向の上流側に配置された前記検出部から出力される検出信号に基づき潜像形成動作を制御する請求項6記載の画像形成装置。
  8. その表面に主走査方向において所定幅の有効画像領域が設けられるとともに該表面が前記主走査方向とほぼ直交する副走査方向に駆動される、潜像担持体上に潜像を形成するとともに、互いに異なる色のトナーにより前記潜像を現像してトナー像を形成する、複数の画像形成手段を用いてカラー画像を転写媒体上に形成する画像形成方法であって、
    前記複数の画像形成手段の一部において、振動する偏向ミラー面によって光源からの光ビームを前記主走査方向の第1方向で、かつ前記潜像担持体の前記有効画像領域に照射して前記有効画像領域に潜像を形成する一方、残りの画像形成手段において、振動する偏向ミラー面によって光源からの光ビームを前記第1方向と逆の第2方向で、かつ前記潜像担持体の前記有効画像領域に照射して前記有効画像領域に潜像を形成することによって各画像形成手段での潜像の形成位置を調整しながら、各潜像を現像してトナー像を形成する像形成工程と、
    前記複数の画像形成手段の各々により形成されたトナー像を前記転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成する転写工程と
    を備えたことを特徴とする画像形成方法。
  9. 1ライン画像データに基づき光源を制御しながら該光源から潜像形成用光ビームを射出させるとともに該光ビームを潜像担持体上で第1方向に走査させて前記1ライン画像データに対応する潜像を前記潜像担持体に形成する第1潜像形成部と、1ライン画像データに基づき光源を制御しながら該光源から潜像形成用光ビームを射出させるとともに該光ビームを潜像担持体上で前記第1方向と逆の第2方向に走査させて前記1ライン画像データに対応する潜像を前記潜像担持体に形成する第2潜像形成部とを備えた画像形成装置において、前記1ライン画像データを制御するデータ制御装置であって、
    前記1ライン画像データを構成する複数の画像情報を一時的に記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている画像情報を読出して該画像情報に基づき前記光源を制御する順序を前記第1潜像形成部と前記第2潜像形成部とで切り換える方向切換手段と
    を備えたことを特徴とするデータ制御装置。
  10. 前記記憶手段は、前記1ライン画像データを一時的に記憶するとともに該1ライン画像データを構成する複数の画像情報を先頭画像情報から順方向に出力する順方向用ラインバッファと、前記1ライン画像データを一時的に記憶するとともに該1ライン画像データを構成する複数の画像情報を最終画像情報から逆方向に出力する逆方向用ラインバッファとを有しており、
    前記方向切換手段は、前記第1潜像形成部の光源を制御する際には前記順方向用ラインバッファから読み出される画像情報および読出順序に基づき前記光源を制御する一方、前記第2潜像形成部の光源を制御する際には前記逆方向用ラインバッファから読み出される画像情報および読出順序に基づき前記光源を制御する請求項9記載のデータ制御装置。
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