JP2006035017A - 排水処理装置 - Google Patents

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Masaaki Yoshino
正章 吉野
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Abstract

【課題】 ディッチでの滞留時間を短くすることができ、ディッチの小型化による建設費の削減や循環水流発生のためのエネルギーの低減を図れる排水処理装置を提供する。
【解決手段】 ディッチ12の流入側に流入水の固液分離を行う最初沈殿池13を設けるとともに、該最初沈殿池13で分離した分離水をディッチ12における嫌気性水域12bに流入させる分離水流入経路22と、最初沈殿池13で分離した初沈汚泥をディッチ12に、好ましくは嫌気性水域12bに流入させる初沈汚泥流入経路とを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排水処理装置に関し、詳しくは、オキシデーションディッチ法により排水の嫌気好気処理を行う排水処理装置に関する。
生物学的な排水処理を行う方法として、オキシデーションディッチ法が広く知られている。このオキシデーションディッチ法は、無端状に形成したディッチ(無終端水路)内で排水と共に活性汚泥を循環させるとともに、その一部で酸素を供給することにより、ディッチ内に好気性水域と無酸素水域とを形成し、有機物の分解だけでなく、好気性水域での硝化反応と無酸素水域での脱窒反応とによって窒素分も除去するものであって、ディッチから引き抜いた混合液を最終沈殿池で処理することにより、上澄み水を処理水として取り出し、沈殿した活性汚泥をディッチに返送するようにしている。
このようなオキシデーションディッチ法は、小規模下水処理に最も多く採用されており、下水標準活性汚泥に比べてBOD−SS負荷を低くし、日間変動が大規模処理場に比べて大きい小規模処理場に適している(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−327699号公報
しかしながら、ディッチでの滞留時間が長いため、最大流入負荷に対応できるように、平均的な流入負荷に対して大きなディッチを建設する必要があることから、建設コストが高くなるという問題がある。さらに、ディッチ内で汚泥が沈降しないように、ある程度の流速で循環水流を常に発生させておかなければならず、このために容量の大きな循環水流発生装置を設置しなければならず、装置コストがかかるとともに、運転にも多大なエネルギーを必要としている。
そこで本発明は、ディッチでの滞留時間を短くすることができ、ディッチの小型化による建設費の削減や循環水流発生のためのエネルギーの低減を図れる排水処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の排水処理装置は、循環水流発生手段により循環水流を発生させるとともに酸素供給手段により酸素を供給して排水の嫌気好気処理を行うディッチと、該ディッチの好気性水域から抜き出した汚泥混合液の固液分離を行う最終沈殿池とを備えた排水処理装置において、前記ディッチの流入側に流入水の固液分離を行う最初沈殿池を設けるとともに、該最初沈殿池で分離した分離水をディッチに、好ましくはディッチ内の嫌気性水域に流入させる分離水流入経路を設けたことを特徴とし、さらに、前記最初沈殿池で分離した初沈汚泥をディッチに、好ましくはディッチ内の嫌気性水域に流入させる初沈汚泥流入経路を設けたことを特徴としている。
本発明の排水処理装置は、ディッチに流入する流入水中の有機物の一部を最初沈殿池で沈殿分離することにより、ディッチに流入する有機物量を減少させることができるので、流入負荷が大きいときでも、ディッチへの流入負荷を減少させて滞留時間を短くすることができる。また、流入負荷が小さいときに最初沈殿池で沈殿分離した初沈汚泥をディッチに流入させて処理することにより、初沈汚泥の処理も簡単に行うことができる。
図1は本発明の一形態例を示す排水処理装置の系統図である。この排水処理装置は、循環水流発生手段及び酸素供給手段を兼ねるエアレーター等の曝気機11を備えたディッチ(無終端水路)12と、該ディッチ12の流入側に設けられた最初沈殿池13と、ディッチ12の混合液流出側に設けられた最終沈殿池14とを備えている。ディッチ12内は、曝気機11によって循環流が形成されるとともに酸素の供給が行われ、曝気機11の下流側に好気性水域12aが、該好気性水域12aの終端から曝気機11までの間に嫌気性水域12bが形成されている。
流入水(下水、排水)は、流入経路21から最初沈殿池13に流入し、この最初沈殿池13で流入水中の固形物の一部が沈殿する。最初沈殿池13で一部の固形物を分離した分離水は、分離水流入経路22からディッチ12の嫌気性水域12bに流入し、ディッチ12内を循環する汚泥混合液と混合する。
ディッチ12内では、汚泥混合液が前記好気性水域12a及び嫌気性水域12bを循環することにより、活性汚泥による嫌気好気処理(生物学的排水処理)が行われ、流入水の浄化処理が行われる。ディッチ12内を循環する汚泥混合液の一部は、好気性水域12aから混合液流出経路23を介して最終沈殿池14に送られる。この最終沈殿池14では、汚泥を沈殿分離させる処理が行われ、上澄み水が処理水流出経路24を通り、処理水として河川等に流出する。最終沈殿池14で沈殿した汚泥は、その一部が汚泥抜取経路25から余剰汚泥として系外に抜き取られ、残部が返送汚泥として汚泥返送経路26からディッチ12における嫌気性水域12bの始端付近に返送される。
このように形成した排水処理装置において、流入水中の固形性BODが、全BODに対して50%を占め、さらに、その50%が最初沈殿池13で沈殿したとすると、最初沈殿池13からディッチ12に流入する分離水中の全BODが25%減少することになる。したがって、最初沈殿池13を設けることにより、流入水量が多いなどの流入負荷が大きいときでも、従来に比べてディッチ12の負荷を25%軽減することができる。
これにより、流入負荷が大きくても、従来のディッチにおける標準的な滞留時間である24〜48時間よりも短い滞留時間で流入水を処理することが可能となり、ディッチ12の面積を従来よりも小さくすることができる。さらに、ディッチ12を小さくすることにより、循環流を発生させるための曝気機11の容量も、ディッチ12内で汚泥の沈殿が起きない条件範囲であれば、従来に比べて小さな容量のものを使用可能となる。これらにより、ディッチ12の建設費を削減できるとともに、曝気機11における装置コスト及び消費エネルギーの低減が図れる。
また、最初沈殿池13で沈殿した固形分(初沈汚泥)は、流入負荷の小さなときに初沈汚泥流入経路27を通してディッチ12の嫌気性水域12bにおける返送汚泥流入部と分離水流入部との間に流入させ、汚泥混合液に混合してディッチ12内で処理することにより、ディッチ12の負荷を僅かに上昇させることができるので、最初沈殿池13に流入する流入水の負荷変動に対してディッチ12における負荷変動を抑制し、ディッチ12における負荷の平準化が図れ、安定した排水処理が期待できる。
さらに、初沈汚泥を系内で処理することにより、排水処理装置からの余剰汚泥の発生量が増大することもなくなる。また、ディッチ12への初沈汚泥の流入制御は、最初沈殿池13への流入水量に応じて、例えば、流入水量がある程度減ったときに、適当量の初沈汚泥をディッチ12に流入させるようにするだけでよく、複雑な制御は不要であり、自動運転も可能である。
なお、本形態例では、ディッチ12における循環流の発生と酸素の供給とを1台の曝気機11で行うようにしているが、循環流の発生と酸素の供給とをスクリュー等の循環水流発生手段と曝気装置等の酸素供給手段とをそれぞれ使用して行うことも可能であり、従来のディッチで採用されている各種機器や各種制御を適用することができる。
また、分離水流入経路22からの分離水や、初沈汚泥流入経路27からの初沈汚泥は、ディッチ12の好気性水域12aに流入させて処理することもできる。
本発明の一形態例を示す排水処理装置の系統図である。
符号の説明
11…曝気機、12…ディッチ(無終端水路)、12a…好気性水域、12b…嫌気性水域、13…最初沈殿池、14…最終沈殿池、21…流入経路、22…分離水流入経路、23…混合液流出経路、24…処理水流出経路、25…汚泥抜取経路、26…汚泥返送経路、27…初沈汚泥流入経路

Claims (2)

  1. 循環水流発生手段により循環水流を発生させるとともに酸素供給手段により酸素を供給して排水の嫌気好気処理を行うディッチと、該ディッチの好気性水域から抜き出した汚泥混合液の固液分離を行う最終沈殿池とを備えた排水処理装置において、前記ディッチの流入側に流入水の固液分離を行う最初沈殿池を設けるとともに、該最初沈殿池で分離した分離水をディッチに流入させる分離水流入経路を設けたことを特徴とする排水処理装置。
  2. 前記最初沈殿池で分離した初沈汚泥をディッチに流入させる初沈汚泥流入経路を設けたことを特徴とする請求項1記載の排水処理装置。
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