以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1の実施形態の構成)
図1は、機器監視システムの構成を示す図である。図2は、機器監視装置の構成を示すブロック図である。図3は、監視情報を登録する監視情報テーブルの構成を示す図である。
図1において、機器監視システム1は、1又は複数の機器11から監視情報を収集するための下位のネットワーク(以下、「下位NT」と略記する。)2と、下位NT2で収集された機器11の監視情報を収集して蓄積するための上位のネットワーク(以下、「上位NT」と略記する。)3とを備えて構成される。下位NT2は、複数の機器監視装置10(10−a、10−b)と1又は複数の機器11(11−a、11−b、・・・)と、これら複数の機器監視装置10及び1又は複数の機器11を通信可能に相互に接続する通信線12とを備えて構成されるローカルエリアネットワークである。上位NT3は、複数の機器監視装置10と、監視サーバ16と、閲覧用端末装置17と、これら複数の機器監視装置10、監視サーバ16及び閲覧用端末装置17を通信可能に相互に接続する通信線18とを備えて構成されるネットワークである。
なお、本明細書において、総称する場合にはアルファベットの添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合にはアルファベットの添え字を付した参照符号で示す。
機器11は、電気をエネルギー源として稼動する装置であり、機器監視装置10の監視対象である。機器11は、例えば、機器監視装置10と通信線12を介して通信を行う通信部と、機器11の機能を実行する機能部とを備えて構成され、機能部で検出したデータや機能部の状態(例えば、電源のオン・オフ、稼動状態、故障状態等)に関するデータを通信部を用いて機器監視装置10に送信する。機能部は、機器11が、例えば、電気の使用量を計量する電力メータである場合には、電力の使用量を計量する計量機能である。機器11は、電力メータの他に、例えば、ガスの使用量を計量するガスメータ、及び、水道の使用量を計量する水道メータ等の計量メータ、照明器具及び空調装置等の住戸環境やオフィス環境等を調整する装置、防犯センサ、煙センサ、温度センサ及び湿度センサ等のセンサ、誘導灯及び非常灯等の防災設備等である。
機器監視装置10は、1又は複数の機器11から監視情報を取得することによって1又は複数の機器11を集中的に監視すると共に、この収集した機器11の監視情報を監視サーバ16に送信する装置である。機器監視装置10は、例えば、図2に示すように、制御部101と、上位ネットワーク通信インタフェース部(以下、「上位NT通信インタフェース部」と略記する。)102と、記憶部103と、下位ネットワーク通信インタフェース部(以下、「下位NT通信インタフェース部」と略記する。)104と、これら制御部101、上位NT通信インタフェース部102、記憶部103及び下位NT通信インタフェース部104は、データを相互に交換することができるようにバス105にそれぞれ接続される。
監視情報は、機器監視システム1の監視目的に応じた情報であり、機器11の機能部で検出したデータや機能部の状態(例えば、電源のオン・オフ、稼動状態、故障状態等)に関するデータである。例えば、機器監視システム1の監視目的が負荷の消費電力量である場合には、機器11は、電力メータであり、監視情報は、電力メータの電力量である。また例えば、機器監視システム1の監視目的が照明器具の点灯状態である場合には、機器11は、照明器具であり、監視情報は、照明器具のオン・オフである。また例えば、機器監視システム1の監視目的がエアーコンディショナの稼動状態である場合には、機器11は、エアーコンディショナであり、監視情報は、エアーコンディショナの設定温度及び設定風量等である。また例えば、機器監視システム1の監視目的が防犯である場合には、機器11は、防犯センサであり、監視情報は、防犯センサの発報の有無である。
上位NT通信インタフェース部102は、上位NT3における通信を行うための回路であり、制御部101からのデータを上位NT3の通信プロトコルに従った通信信号を生成すると共に上位NT3からの通信信号を制御部101が処理可能な形式のデータに変換する。上位NT通信インタフェース部102は、本実施形態では、例えば、所謂インターネットプロトコル群を用いて通信を行うための通信インタフェースカードである。
下位NT通信インタフェース部104は、下位NT2における通信を行うための回路であり、制御部101からのデータを下位NT2の通信プロトコルに従った通信信号を生成すると共に下位NT2からの通信信号を制御部101が処理可能な形式のデータに変換する。下位NT通信インタフェース部104は、本実施形態では、例えば、RS485のシリアル通信回路である。
制御部101は、例えば、マイクロプロセッサ及びその周辺回路を備えて構成され、機能的に、メインモード処理部111、サブモード処理部112、起動処理部113、初期設定処理部114及びカレンダ部115を備えると共に、通信プログラムや制御プログラム等の各プログラムによって上位NT通信インタフェース部102、下位NT通信インタフェース部104及び記憶部103を当該機能に応じてそれぞれ制御する。
メインモード処理部111は、当該機器監視装置10がメインモードに設定されている場合に起動し、後述の動作によって1又は複数の機器11から監視情報を取得して記憶部103に記憶すると共に、この収集した機器11の監視情報を監視サーバ16に送信する。
サブモード処理部112は、当該機器監視装置10がサブモードに設定されている場合に起動する。サブモード処理部112は、メインモードの機器監視装置10の稼動状態を監視して該メインモードの機器監視装置10に異常が発生したと認識した場合に、後述の動作によって1又は複数の機器11からデータを取得して記憶部103に記憶すると共に、この収集した機器11の監視情報を監視サーバ16に送信する。そして、サブモード処理部112は、メインモードの機器監視装置10の稼動状態を監視して該メインモードの機器監視装置10が異常状態から正常状態へ復旧したと認識した場合に、後述の動作によって1又は複数の機器11から監視情報を取得して記憶部103に記憶していた機器11の監視情報を該メインモードの機器監視装置10に送信する。
このように、モードは、本実施形態では、少なくともメインモードとサブモードとを備え、メインモードは、後述の動作によって1又は複数の機器11から監視情報を取得して記憶部103に記憶すると共に、この収集した機器11の監視情報を監視サーバ16に送信するように機器監視装置10を主に動作させるモードであり、そして、サブモードは、メインモードの機器監視装置10に異常が発生したと認識した場合に、後述の動作によって1又は複数の機器11から監視情報を取得して記憶部103に記憶すると共に、この収集した機器11の監視情報を監視サーバ16に送信するように機器監視装置10を主に動作させるモードである。即ち、サブモードは、このサブモードの機器監視装置10にメインモードの機器監視装置10を後援させるモードである。
起動処理部113は、当該機器監視装置10の電源がオンされる等の当該機器監視装置10が動作を開始した場合に起動され、後述の動作によって当該機器監視装置10のモードの設定、設定されたモードに応じた準備処理を行う。
初期設定処理部114は、後述の動作によって、基本情報や動作情報の入力設定等の初期設定を行うHTTPサーバである。カレンダ部115は、時の経過を計って月、日及び時を計る。
記憶部103は、機能的に、メインモード及びサブモードのうち設定されているモードを示すモード情報を記憶するモード情報記憶部121と、基本情報を記憶する基本情報記憶部122と、動作情報を記憶する動作情報記憶部123と、機器11から取得した機器11の監視情報を登録する監視情報テーブルを記憶する監視情報記憶部124と、初期設定情報を記憶する初期設定情報記憶部125とを備えると共に、起動処理プログラム、メインモード処理プログラム、サブモード処理プログラム、通信プログラム及び制御プログラム等の機器監視装置10を動作させるための各プログラム(不図示)、及び、仮IPアドレス等の各プログラムの実行に係るデータ(不図示)等を記憶する。記憶部103は、例えばワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶素子、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の書換え可能な不揮発性記憶素子、及び、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性記憶素子等の半導体記憶素子を備えて構成される。
基本情報は、当該機器監視装置10に設定されているIPアドレス、サブネットマスク及びデフォルトゲートウェイのIPアドレス、並びに、メインモードの機器監視装置10のIPアドレスである。
動作情報は、監視サーバ16のIPアドレス及び当該機器監視装置10が監視対象とするべき機器11の情報である。
監視情報テーブルは、機器11の監視情報を登録するためのテーブルである。監視情報テーブルは、本実施形態では、例えば、図3に示すように、機器11の監視情報を収集した月、日及び時を登録する収集日時フィールド、及び、機器11の監視情報を登録する機器データフィールドの各フィールドを備えて構成され、機器11の監視情報を収集した月、日及び時ごとにレコードが作成される。そして、収集日時フィールドは、月を登録する月フィールド、日を登録する日フィールド、及び、時を登録する時フィールドの各サブフィールドを備える。機器データフィールドは、機器11ごとに当該機器11の監視情報を登録するために、機器11ごとにサブフィールドが設けられる。また、監視情報テーブルは、例えば1日、1週間、2週間及び1月等の、仕様により規定される所定の期間だけ機器11の監視情報が登録可能なようにレコードが用意され、そのためのメモリ領域が記憶部103に用意される。
初期設定情報は、モード情報及び基本情報を入力するために予め用意されるマークアップ言語で記述されたウェブページ(基本情報設定ページ)のファイル、及び、動作情報を入力するために予め用意されるマークアップ言語で記述されたウェブページ(動作情報設定ページ)のファイルである。
仮IPアドレスは、基本情報や動作情報の入力設定等の機器監視装置10へ初期設定を行う場合に、初期設定装置(不図示)が機器監視装置10と通信を行うために必要となるIPアドレスであって、例えば製造段階や出荷段階で仮に機器監視装置10に割り当てられる。初期設定装置は、機器監視装置10と通信を行って機器監視装置10の初期設定を行う装置であって、本実施形態では、例えば、通信機能とブラウザを備えたコンピュータである。
図1に戻って、本実施形態では、機器監視装置10及び機器11は、RS485のポーリング方式によって通信する。機器監視装置10は、主局として動作し、機器11は、従局として動作する。
監視サーバ16は、機器監視装置10から機器11の監視情報を受信して機器11の監視情報を蓄積すると共に、閲覧用端末装置17からの要求に従って機器11の監視情報をこの閲覧用端末装置17に送信するサーバコンピュータである。本実施形態では、上位NT3は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に代表される所謂インターネットプロトコル群が利用されており、監視サーバ16は、機器監視装置10及び閲覧用端末装置17とHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を用いて通信している。監視サーバ16が機器監視装置10から機器11の監視情報を受信する場合には、監視サーバ16は、HTTPサーバとして動作すると共に機器監視装置10は、HTTPクライアントとして動作する。そして、監視サーバ16が閲覧用端末装置17へ機器11の監視情報を送信する場合には、監視サーバ16は、HTTPサーバとして動作すると共に閲覧用端末装置17は、HTTPクライアントとして動作する。
閲覧用端末装置17は、監視サーバ16から機器11の監視情報を受信して機器11の監視情報を表示するブラウザ(Browser)を備えたコンピュータである。閲覧用端末装置17は、監視サーバ16から受信した機器11の監視情報を、例えば棒グラフや折れ線グラフや円グラフ等の、解析目的に応じてデータの傾向を視認し易い表示方法で表示する。閲覧用端末装置17は、例えば、ブラウザ等のソフトウェアや通信インターフェース等のハードウェアによってこのような機能を備えた、所謂、ディスクトップパソコン、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistants)及び移動体通信端末等である。なお、閲覧用端末装置17は、監視サーバ16と一体に構成されていてもよい。
次に、本実施形態の動作について説明する。
(第1の実施形態の動作)
まず、初期設定処理について説明する。図4は、基本情報設定ページを示す図である。図5は、動作情報設定ページを示す図である。
例えば機器監視システム1の施工時等のように、機器監視システム1の運用を開始する前において、例えば施工者等のユーザは、初期設定装置を機器監視装置10の上位NT通信インタフェース部102に接続し、機器監視装置10の仮IPアドレスを用いてブラウザを起動する。
仮IPアドレスを用いてアクセスされると、機器監視装置10の制御部101における初期設定処理部114が起動される。初期設定処理部114は、初期設定情報記憶部125に記憶されている基本情報設定ページを初期設定装置に送信する。基本情報設定ページを受信すると、初期設定装置は、基本情報設定ページをブラウザによって表示する。
例えば、図4に示すように、基本情報設定ページ201は、「基本情報設定画面」というページのタイトルが表示されるタイトル表示領域211と、メインモード及びサブモードのうちから何れか一方のモードを選択して設定するモード選択領域2121、及び、メインモードの機器監視装置10のIPアドレスを入力して設定するメインモード機器端末装置IPアドレス設定領域2122を備えるモード設定領域212と、機器監視装置10の上位NT3で使用されるIPアドレスを入力して設定する自機IPアドレス設定領域2131、サブネットマスクを入力して設定するサブネットマスク設定領域2132、及び、デフォルトゲートウェイのIPアドレスを入力して設定するデフォルトゲートウェイIPアドレス設定領域2133を備えるIPアドレス設定領域213と、これらモード設定領域212及びIPアドレス設定領域213に入力されたデータを機器監視装置10に送信してこれらデータを機器監視装置10に設定させるための設定ボタン214とを備えて構成される。
ユーザは、基本情報設定ページが初期設定装置に表示されると、マウスやキーボード等を用いて、機器監視装置10に設定するモード、IPアドレス、サブネットマスク及びデフォルトゲートウェイのIPアドレスを入力すると共に、メインモードの機器監視装置10のIPアドレスを入力し、設定ボタン214を操作する。
ここで、ユーザは、当該機器監視装置10をメインモードで動作させる場合には、モード選択領域2121においてメインモードを選択して入力し、メインモード機器監視装置IPアドレス設定領域2122に入力することなく、自機IPアドレス設定領域2131に当該機器監視装置10のIPアドレスを入力する。または、モード選択領域2121においてメインモードを選択して入力し、メインモード機器監視装置IPアドレス設定領域2122にも当該機器監視装置10のIPアドレスを入力するように構成してもよい。この場合において、メインモード機器監視装置IPアドレス設定領域2122におけるIPアドレスと自機IPアドレス設定領域2131におけるIPアドレスとは、同一となる。このため、入力ミスや入力の手間を省く観点から、モード選択領域2121においてメインモードが選択された場合にメインモード機器監視装置IPアドレス設定領域2122におけるIPアドレスを自機IPアドレス設定領域2131に自動的に転記するように構成してもよい。
一方、ユーザは、当該機器監視装置10をサブモードで動作させる場合には、モード選択領域2121においてサブモードを選択して入力し、メインモード機器監視装置IPアドレス設定領域2122にメインモードに割り当てられた機器監視装置10のIPアドレスを入力し、自機IPアドレス設定領域2131に当該機器監視装置10のIPアドレスを入力する。
設定ボタン214が操作されると、初期設定装置は、入力されているモード、メインモードの機器監視装置10のIPアドレス、IPアドレス、サブネットマスク及びデフォルトゲートウェイのIPアドレスを機器監視装置10に送信する。初期設定処理部114は、初期設定装置から受信したこれらモード、メインモードの機器監視装置10のIPアドレス、IPアドレス、サブネットマスク及びデフォルトゲートウェイのIPアドレスをモード情報及び基本情報としてモード情報記憶部121及び基本情報記憶部122にそれぞれ記憶する。
そして、モードがメインモードであると判断すると、初期設定処理部114は、初期設定情報記憶部125に記憶されている動作情報設定ページを初期設定装置に送信する。動作情報設定ページを受信すると、初期設定装置は、動作情報設定ページをブラウザによって表示する。なお、モードがサブモードである場合には、初期設定処理部114は、この初期設定処理を終了する。
動作情報設定ページ202は、例えば、図5に示すように、「動作情報設定画面」というページのタイトルが表示されるタイトル表示領域221と、監視サーバ16のIPアドレスを入力して設定する監視サーバIPアドレス設定領域222と、当該機器監視装置10が監視対象とすべき機器11を入力して設定する監視対象機器設定領域223と、これら監視サーバIPアドレス設定領域222及び監視対象機器設定領域223に入力されたデータを機器監視装置10に送信してこれらデータを機器監視装置10に設定させるための設定ボタン224とを備えて構成される。監視対象機器設定領域223には、機器11の通信アドレスである機器アドレスを表示する機器アドレスフィールド、監視対象の機器11とする場合にその旨を入力して表示する対象フィールド、及び、監視対象外の機器11とする場合にその旨を入力して表示する対象外フィールドの各フィールド備え、機器アドレスごとにレコードが作成されたテーブルが表示される。機器アドレスフィールドには、本実施形態では下位NT2の通信プロトコルにRS485を採用していることから、0から31までの整数値が記入されており、機器アドレスフィールドに記入されている機器アドレスを持つ機器11が監視の対象又は対象外とされることに応じて対象フィールド又は対象外フィールドにその旨を示す符号、例えば「●」が表示される。図5に示す例では、機器アドレスが「0」、「1」、「2」、「3」、「7」、「8」及び「9」の機器11が監視対象とされ、機器アドレスが「4」、「5」及び「6」の機器11が監視対象外とされている。
デフォルトでは実際に接続されているか否かにかかわらず最大接続可能台数全てに対しポーリングするような通信プロトコルにおいて、このように監視対象の機器を指定することによって、実際には未接続である機器アドレスや監視対象としない機器アドレスに対してポーリングを行う無駄を省くことができ、また、ポーリングを行わない機器アドレスに対しては記憶部103に記憶領域を確保する必要がないので、その分だけ記憶部103の記憶領域を有効に活用することができる。
ユーザは、動作情報設定ページ202が初期設定装置に表示されると、マウスやキーボード等を用いて、機器監視装置10に設定する監視サーバ16のIPアドレス及び監視対象とするべき機器11を入力し、設定ボタン224を操作する。
設定ボタン224が操作されると、初期設定装置は、入力されている監視サーバ16のIPアドレス及び監視対象とするべき機器11の情報を機器監視装置10に送信する。初期設定処理部114は、初期設定装置から受信したこれら監視サーバ16のIPアドレス及び監視対象とするべき機器11の情報を動作情報として動作情報記憶部122に記憶する。そして、初期設定処理部114は、この初期設定処理を終了する。
このように動作することによって機器監視装置10には、モードの設定、基本情報の設定及びメインモードが設定された場合には動作情報の設定が行われる。
次に、起動処理について説明する。図6は、起動処理の動作を示すフローチャートである。
上述の初期設定が終了し、機器監視システム1の施工が完了すると、各装置の電源が投入される。例えばこの機器監視装置10の電源が投入されると、制御部101の起動処理部113が起動される。なお、初期設定処理部114が初期設定処理の終了の際に起動処理部113を起動するように構成してもよい。
図6において、起動処理部113は、記憶部103の基本情報記憶部122に基本情報が記憶されているか否かをチェックする(S11)。この基本情報のチェックは、例えば、基本情報記憶部122がデフォルトの状態と異なるか否かによって判断される。なお、チェックの結果、基本情報が基本情報記憶部122に記憶されていない場合には、起動処理部113は、施工者等のユーザに基本情報が記憶されていない旨の提示や初期設定処理を促す旨の提示等を行うように構成してもよい。この提示は、例えば、基本情報のチェック結果を表示するLEDを機器監視装置10にさらに備えさせてこのLEDを点灯させたり、LCDを機器監視装置10にさらに備えさせてこのLCDに基本情報のチェック結果を示すメッセージを表示させたりするように構成すればよい。
次に、起動処理部113は、モード情報記憶部121に記憶されているモードがメインモードであるか否かを判断する(S12)。
判断の結果、モードがメインモードである場合(YES)には、起動処理部113は、処理S11と同様に、記憶部103の動作情報記憶部123に動作情報が記憶されているか否かをチェックする(S13)。次に、起動処理部113は、上位NT3における監視サーバ16から現在時刻を示す時刻情報を取得して、その現在時刻をカレンダ部115にセットする(S14)。そして、起動処理部113は、メインモード処理部111を起動し(S15)、この起動処理を終了する。
一方、処理S12の判断の結果、モードがメインモードではない場合(NO)、即ち、モードがサブモードである場合には、基本情報記憶部112のメインモードの機器監視装置10のIPアドレスを用いて、動作情報の送信を要求する旨の情報を収容した通信信号(動作情報取得要求信号)を上位NT3でメインモードで動作する機器監視装置10に送信する(S21)。
この動作情報取得要求信号を受信した機器監視装置10におけるメインモード処理部111は、記憶部103の動作情報記憶部123に記憶されている動作情報を収容する通信信号(動作情報信号)を返信する。
この動作情報信号の返信を受信すると、起動処理部113は、動作情報信号に収容されている動作情報を動作情報記憶部123に記憶する(S22)。このようにサブモードに設定された機器監視装置10は、動作情報をメインモードに設定された機器監視装置10から取得するので、施工者等のユーザは、動作情報をメインモードに設定した機器監視装置10のみに入力すればよいから、省力化を図ることができ、サブモードの機器監視装置10において入力ミスが生じる機会がない。また、メインモードの機器監視装置10とサブモードの機器監視装置10との間で、動作情報の齟齬が生じることもない。
次に、起動処理部113は、処理S11と同様に、動作情報記憶部123に動作情報が記憶されているか否かをチェックする(S23)。次に、起動処理部113は、上位NT3における監視サーバ16から現在時刻を示す時刻情報を取得して、その現在時刻をカレンダ部115にセットする(S24)。そして、起動処理部113は、サブモード処理部111を起動し(S25)、この起動処理を終了する。
このように動作することによって機器監視装置10は、モード情報記憶部121に記憶されているモード情報に応じてメインモード又はサブモードの何れか一方の機能で起動する。
ここで、カレンダ部115の時刻合わせは、起動処理で実施するだけでなく、例えば半日に1回や1日に1回や2日に1回等、定期的に実施され、各機器監視装置10間において時間的な同期を略同一にとる。
次に、メインモード処理について説明する。図7は、第1の実施形態におけるメインモード処理を示すフローチャートである。図7において、メインモード処理部111は、起動処理部113によって起動されると、カレンダ部115から現在時刻を取得し、現在時刻が正時であるか否かを判断する(S31)。正時とは、毎時00分である。処理S31は、後述から分かるように、機器監視装置10が機器11から監視情報を収集するタイミングを判断する処理であるから、本実施形態のように正時ごとに機器11から監視情報を収集する場合には、処理S31は、正時であるか否かの判断となるが、30分ごとや6時間ごとや1日ごと等で機器11から監視情報を取得する場合には、これに応じて30分ごとや6時間ごとや1日ごと等の判断となる。
判断の結果、正時である場合(YES)には、メインモード処理部111は、日またぎであるか否かを判断する。即ち、0時であるか否かを判断する(S32)。判断の結果、日をまたいでいない場合(NO)には、メインモード処理部111は、処理S34を実行する。一方、判断の結果、日をまたいでいる場合(YES)には、メインモード処理部111は、上位NT3における監視サーバ16から現在時刻を示す時刻情報を取得して、その現在時刻をカレンダ部115にセットし(S33)、処理S34を実行する。
処理S34において、メインモード処理部111は、サブモードの機器監視装置10から状態の確認を要求する旨の情報を収容する通信信号(状態確認要求信号)の受信待ちを行って、そして、メインモード処理部111は、上位NT3で状態確認要求信号を受信したか否かを判断する(S35)。ここで、処理S34における状態確認要求信号の受信待ちの時間は、仕様によって決定され、例えば、30秒や45秒や1分等である。
判断の結果、状態確認要求信号を受信しない場合(NO)には、メインモード処理部111は、処理S39を実行する。なお、状態確認要求信号を受信しない場合には、状態確認要求信号の受信待ちのタイムアウト(Timeout)も含む。このようにタイムアウトの場合も含めることによって、取り外されているあるいはオフラインにされている等でメインモードの機器監視装置10のメンテナンスによる異常やメインモードの機器監視装置10及びサブモードの機器監視装置の間に生じた通信上の障害による異常も認識可能である。
一方、処理S35における判断の結果、状態確認要求信号を受信した場合(YES)には、メインモード処理部111は、自機の状態を確認する(S36)。この自機の状態の確認は、機器監視装置10が下位NT2で機器11から監視情報を収集することにおいて支障のある状態であるか否かの確認である。この自機の状態の確認は、本実施形態では、例えば、監視情報記憶部124の使用状況のチェック、ワーキングメモリの使用状況のチェック、プロセスの状態のチェック等の自機の状態を確認するCGI(Common Gateway Interface)プログラムを実行することによって行われる。このため、状態確認要求信号は、本実施形態では、HTTPによるこのCGIプログラムの実行要求である。
メインモード処理部111は、自機の状態の確認による結果に基づいて自機の状態が正常であるか否かを判断する(S37)。
判断の結果、自機の状態が正常である場合(YES)には、メインモード処理部111は、自機の状態が正常である旨を示す情報を収容した通信信号(状態正常信号)を状態確認要求信号の送信元(サブモードの機器監視装置10)に返信する(S38)。
次に、メインモード処理部111は、監視対象の機器11から監視情報を取得する(S39)。より具体的には、メインモード処理部111は、動作情報記憶部123の動作情報を参照し、監視対象である機器11に対し機器11の監視情報の送信を要求する旨の情報を収容した通信信号(データ送信要求信号)を下位NT2に送信する。自機宛てのデータ送信要求信号を受信した機器11は、機器11の監視情報を収容した通信信号(データ返信信号)をデータ送信要求信号の送信元(メインモードの機器監視装置10)に返信する。このデータ返信信号を受信すると、メインモード処理部111は、監視情報をワーキングメモリに一時的に記憶する。こうしてメインモード処理部111は、1個の機器11から監視情報を取得する。
次に、メインモード処理部111は、動作情報記憶部123の動作情報に基づいて、監視対象である全ての機器11からデータの取得が完了したか否かを判断する(S40)。判断の結果、監視情報が未取得の機器11がある場合(NO)には、メインモード処理部111は、処理を処理S39に戻す。このような処理S39及び処理S40を実行することにより、メインモード処理部111は、全ての監視対象の機器11から監視情報を取得するまで、動作情報記憶部123の動作情報に基づいて監視対象である機器11に対し順次にポーリングを行うことで機器11から監視情報を収集する。
一方、処理S40で全ての監視対象の機器11から監視情報を取得済みである場合(YES)には、メインモード処理部111は、ワーキングメモリに一時的に記憶した機器11の監視情報に月、日及び時の情報を付してこれらを監視情報テーブルに登録して監視機器情報記憶部124に記憶する(S41)。
そして、メインモード処理部111は、上位NT3で動作情報記憶部123に記憶されている監視サーバ16のIPアドレスを用いて、機器11の監視情報と当該監視情報を収集した月、日及び時の情報とを収容した通信信号(収集データ送信信号)を監視サーバ16に送信し(S42)、処理を処理S31に戻す。
このようにメインモード処理部111は、自機が正常である場合には、処理S31、処理S32、(処理S33)、処理S34、処理S35、処理S36、処理S37、処理S38、処理S39、処理S40、処理S41及び処理S42を実行することによって、全ての監視対象の機器11から監視情報を収集し、収集した月、日及び時の情報を付して収集した監視情報を監視情報記憶部124に記憶すると共に監視サーバ16に送信する。こうしてメインモードに設定されている機器監視装置10は、機器11を集中的に監視する。
また、処理S37の判断の結果、自機の状態が正常ではない場合(NO)には、メインモード処理部111は、自機の状態が異常である旨を示す情報を収容した通信信号(状態異常信号)を状態確認要求信号の送信元(サブモードの機器監視装置10)に返信し(S43)、処理を処理S31に戻す。
この自機の状態が正常ではない場合、即ち、自機の状態が異常である場合は、機器監視装置10が下位NT2で機器11から監視情報を収集することにおいて支障のある状態であり、例えば、制御部101を構成するマイクロプロセッサが過負荷になっている場合、監視情報記憶部124の使用容量が所定値(例えば、90%や94%や98%等)を越えている場合、ワーキングメモリの使用容量が所定値(例えば、75%や80%や85%等)を越えている場合、あるいは、必要なプロセスがサスペンド状態である場合等である。
このようにメインモード処理部111は、処理S31、処理S32、(処理S33)、処理S34、処理S35、処理S36、処理S37及び処理S43を実行することによって、自機が異常であることをサブモードの機器監視装置10に通知することができる。
一方、処理S31の判断の結果、正時ではない場合(NO)には、メインモード処理部111は、当該メインモードの機器監視装置10が正常ではないために機器11の監視情報が収集することができずに欠落してしまった監視情報記憶部124における機器11の監視情報を復旧する要求を示す情報を収容する通信信号(データ復旧要求信号)の受信待ちを行って(S51)、そして、メインモード処理部111は、上位NT3でデータ復旧要求信号を受信したか否かを判断する(S52)。ここで、処理S51におけるデータ復旧要求信号の受信待ちの時間は、例えば、30秒や45秒や1分である。
判断の結果、データ復旧要求信号を受信しない場合(NO)には、メインモード処理部111は、処理S31を実行する。なお、データ復旧要求信号を受信しない場合には、データ復旧要求信号の受信待ちのタイムアウトも含む。一方、判断の結果、データ復旧要求信号を受信した場合(YES)には、メインモード処理部111は、当該メインモードの機器監視装置10が復旧データの受信準備が完了している旨の情報を収容した通信信号(データ復旧準備完了信号)をデータ復旧要求信号の送信元(サブモードの機器監視装置10)に返信する(S53)。欠落したデータの復旧は、当該メインモードの機器監視装置10が機器11の監視を行っていない時間帯に行う必要があることから、復旧データの受信準備の完了は、本実施形態では、少なくとも、当該メインモードの機器監視装置10が全ての監視対象の機器11から監視情報を収集してこの収集した監視情報を監視情報記憶部124に記憶すると共に監視サーバ16に送信した後である。
後述のサブモード処理部112の動作説明で詳述するが、サブモードの機器監視装置10は、データ復旧準備完了信号を受信すると、機器11の監視情報の容量に応じて1又は複数に分けて、当該メインモードの機器監視装置10の代わりに機器11から収集した監視情報とこの監視情報を収集した月、日及び時の情報とを収容した通信信号(復旧データ送信信号)を送信し、全てのデータが送信し終わると、データの送信が終了した旨の情報を収容した通信信号(データ送信終了通知信号)を当該メインモードの機器監視装置10に送信する。
メインモード処理部111は、復旧データ送信信号を受信すると、この復旧データ送信信号に収容されている月、日及び時の情報と機器の監視情報とをワーキングメモリに記憶する(S54)。そして、メインモード処理部111は、データ送信終了通知信号を受信したか否かを判断する(S55)。判断の結果、データ送信終了通知信号を受信していない場合(NO)には、メインモード処理部111は、処理を処理S54に戻して引き続き復旧データ送信信号の受信を行う。一方、判断の結果、データ送信終了通知信号を受信している場合(YES)には、メインモード処理部111は、ワーキングメモリに記憶されている月、日及び時の情報と機器の監視情報とを用いて、機器11の監視情報を収集することができずに欠落してしまった監視情報テーブルにおける機器11の監視情報を復旧し(S56)、処理を処理S31に戻す。ここで、復旧データ送信信号に収容されていた機器11の監視情報と同一時刻の機器11の監視情報が監視情報記憶部124の監視情報テーブルに登録されている場合には、メインモード処理部111は、復旧データ送信信号に収容されていた機器11の監視情報で上書きする。このように上書きしてしまうので、サブモードの機器監視装置10がメインモードの機器監視装置10の異常であるか否かの判断を誤判断したとしても機器監視システム1が機器11を監視することにおいて特に問題とならない。
このようにメインモード処理部111は、自機が正常である場合に、処理S31、処理S51、処理S52、処理S53、処理S54、処理S55及び処理S56を実行することによって、自機が正常ではなかったために機器11から監視情報を収集することができなかった時間帯における機器11の監視情報をサブモードの機器監視装置10から受信し、機器11の監視情報を収集することができずに欠落してしまった監視情報記憶部124における機器11の監視情報を回復することができる。
次に、サブモード処理について説明する。図8は、第1の実施形態におけるサブモード処理を示すフローチャートである。図8において、サブモード処理部112は、起動処理部113によって起動されると、カレンダ部115から現在時刻を取得し、現在時刻が正時であるか否かを判断する(S61)。この処理S61も、上述した処理S31と同様に、機器監視装置10が機器11から監視情報を収集するタイミングを判断する処理である。
判断の結果、正時ではない場合(NO)には、サブモード処理部112は、所定時間だけウェイト(wait)を行って(S62)、処理を処理S61に戻す。この所定時間は、仕様によって決定され、この所定時間の長短に応じてこのサブモード処理の1サイクルの実行時間も長短する。
一方、判断の結果、正時である場合(YES)には、サブモード処理部112は、日またぎであるか否かを判断する。即ち、0時であるか否かを判断する(S63)。判断の結果、日をまたいでいない場合(NO)には、サブモード処理部112は、処理S65を実行する。一方、判断の結果、日をまたいでいる場合(YES)には、サブモード処理部112は、上位NT3における監視サーバ16から現在時刻を示す時刻情報を取得して、その現在時刻をカレンダ部115にセットし(S64)、処理S65を実行する。
処理S65において、サブモード処理部112は、メインモードの機器監視装置10の状態を知るべく、基本情報記憶部122に記憶されているメインモードの機器監視装置10のIPアドレスを用いて、メインモードの機器監視装置10宛てに状態確認要求信号を送信し、その返信を受信待ちする。
返信を受信すると、サブモード処理部112は、メインモードの機器監視装置10が異常であるか否かを判断する(S66)。
判断の結果、メインモードの機器監視装置10が異常である場合、即ち、メインモードの機器監視装置10から状態異常信号を受信した場合(YES)には、サブモード処理部112は、監視対象の機器11からデータを取得する(S67)。なお、メインモードの機器監視装置10が異常である場合には、状態正常信号又は状態異常信号の返信がなく、返信の受信待ちのタイムアウトも含む。上述したように、異常には、メインモードの機器監視装置10が下位NT2で機器11から監視情報を収集することにおいて支障のある状態、メインモードの機器監視装置10及びサブモードの機器監視装置10の間に通信上の障害がある状態、及び、メインモードの機器監視装置10がメンテナンス中である状態を含む。
ここで、処理S67をより具体的に説明すると、サブモード処理部112は、動作情報記憶部123の動作情報を参照し、監視対象である機器11に対しデータ送信要求信号を下位NT2に送信する。自機宛てのデータ送信要求信号を受信した機器11は、データ返信信号をデータ送信要求信号の送信元(サブモードの機器監視装置10)に返信する。このデータ返信信号を受信すると、サブモード処理部112は、データをワーキングメモリに一時的に記憶する。こうしてサブモード処理部112は、1個の機器11から監視情報を取得する。
次に、サブモード処理部112は、動作情報記憶部123の動作情報に基づいて、監視対象である全ての機器11からデータの取得が完了したか否かを判断する(S68)。判断の結果、監視情報が未取得の機器11がある場合(NO)には、サブモード処理部112は、処理を処理S67に戻す。このような処理S67及び処理S68を実行することにより、サブモード処理部112は、全ての監視対象の機器11から監視情報を取得するまで、動作情報記憶部123の動作情報に基づいて監視対象である機器11に対し順次にポーリングを行うことで機器11から監視情報を収集する。
一方、処理S68で全ての監視対象の機器11から監視情報を取得済みである場合(YES)には、サブモード処理部112は、ワーキングメモリに一時的に記憶した機器11の監視情報に月、日及び時の情報を付して監視機器情報記憶部124に記憶する(S69)。
そして、サブモード処理部112は、上位NT3で動作情報記憶部123に記憶されている管理サーバ16のIPアドレスを用いて、収集データ送信信号を監視サーバ16に送信し(S70)、処理を処理S61に戻す。
このようにサブモード処理部112は、メインモードの機器監視装置10が異常である場合には、処理S61、処理S63、(処理S64)、処理S65、処理S66、処理S67、処理S68、処理S69及び処理S70を実行することによって、全ての監視対象の機器11から監視情報を収集し、月、日及び時の情報を付して収集した監視情報を監視情報記憶部124に記憶すると共に監視サーバ16に送信する。こうしてサブモードに設定されている機器監視装置10は、メインモードの機器監視装置10が異常である場合には、メインモードの機器監視装置10に代行して機器11を集中的に監視する。
また、処理S66の判断の結果、メインモードの機器監視装置10が正常である場合、即ち、メインモードの機器監視装置10から状態正常信号を受信した場合(NO)には、サブモード処理部112は、監視情報記憶部124に機器11の監視情報が存在するか否かを判定することによって、メインモードの機器監視装置10に送信すべき機器11の監視情報があるか否かを判断する(S71)。
判断の結果、送信すべき機器11の監視情報がない場合(NO)には、サブモード処理部112は、処理を処理S61に戻す。一方、判断の結果、送信すべき機器11の監視情報がある場合(YES)には、サブモード処理部112は、基本情報記憶部122に記憶されているメインモードの機器監視装置10のIPアドレスを用いて、上位NT3でメインモードの機器監視装置10宛てにデータ復旧要求信号を送信し、その返信を受信待ちする(S72)。
次に、サブモード処理部112は、データ復旧準備完了信号を受信したか否かを判断する(S73)。判断の結果、データ復旧準備完了信号を受信しない場合(NO)には、サブモード処理部112は、処理を処理72に戻す。即ち、サブモード処理部112は、データ復旧準備完了信号を受信するまで繰り返し、上位NT3でメインモードの機器監視装置10宛てにデータ復旧要求信号を送信する。
一方、判断の結果、データ復旧準備完了信号を受信した場合(YES)には、サブモード処理部112は、監視情報記憶部124に記憶されている機器11の監視情報を復旧データ送信信号のデータサイズに合わせて区切り、復旧データ送信信号を送信する(S74)。
次に、サブモード処理部112は、監視情報記憶部124に記憶されている全ての機器11の監視情報について送信が完了したか否かを判断する(S75)。判断の結果、未送信のデータがある場合(NO)には、サブモード処理部112は、処理を処理74に戻して、引き続き復旧データ送信信号を送信する。一方、判断の結果、全ての機器11の監視情報送信した場合(YES)には、サブモード処理部112は、基本情報記憶部122に記憶されているメインモードの機器監視装置10のIPアドレスを用いて、上位NT3でデータ送信終了通知信号をメインモードの機器監視装置10宛てに送信し(S76)、処理を処理61に戻す。
このようにサブモード処理部112は、メインモードの機器監視装置10が異常となった後に正常に復帰した場合に、処理S61、処理S63、(処理S64)、処理S65、処理S66、処理S71、処理S72、処理S73、処理S74、処理S75及び処理S76を実行することによって、メインモードの機器監視装置10に代行して機器11から収集した監視情報をメインモードの機器監視装置10に送信する。
次に、上述した機器監視装置10の動作を、通常時、タイムアウトによる異常時、メインモードの機器監視装置における状態確認による異常時及び復旧時に分けて、シーケンス図を用いてより具体的に説明する。
図9は、第1の実施形態における通常時における機器監視システムの動作を示すシーケンス図である。図10は、第1の実施形態におけるタイムアウトによる異常時における機器監視システムの動作を示すシーケンス図である。図11は、第1の実施形態におけるメインモードの機器監視装置の状態確認による異常時における機器監視システムの動作を示すシーケンス図である。図12は、第1の実施形態における復旧時における機器監視システムの動作を示すシーケンス図である。
図1において、機器監視装置10−aがメインモードに設定されており、機器監視装置10−bがサブモードに設定されているとして、以下の説明を行う。
従って、初期設定処理では、ユーザは、基本情報設定ページ及び動作情報設定ページを用いて初期設定装置から基本情報及び動作情報を入力する。その結果、初期設定装置によってメインモードを示すモード情報、基本情報及び動作情報が機器監視装置10−aのモード情報記憶部121、基本情報記憶部122及び動作情報記憶部123にそれぞれ記憶され、機器監視装置10−aは、メインモードに設定される。そして、ユーザは、基本情報設定ページを用いて初期設定装置から基本情報を入力する。その結果、初期設定装置によってサブモードを示すモード情報及び基本情報が機器監視装置10−aのモード情報記憶部121及び基本情報記憶部122にそれぞれ記憶され、機器監視装置10−aは、サブモードに設定される。
また、起動処理では、図6において、機器監視装置10−aの制御部101における起動処理部113は、上述した処理S11で基本情報のチェック処理を実行し、処理S12でメインモードと判断する。そのため、機器監視装置10−aの起動処理部113は、処理S13、処理S14及び処理S15を実行することによって、動作情報のチェック処理及びカレンダ部115の時刻合わせ処理を行って、メインモード処理部111を起動する。一方、機器監視装置10−bの制御部101における起動処理部113は、上述した処理S11で基本情報のチェック処理を実行し、処理S12でサブモードと判断する。そのため、機器監視装置10−bの起動処理部113は、処理S21及び処理S22を実行することによって、メインモードの機器監視装置10−aから動作情報を取得して動作情報記憶部123に記憶する。そして、機器監視装置10−bの起動処理部113は、処理S23、処理S24及び処理S25を実行することによって、動作情報のチェック処理及びカレンダ部115の時刻合わせ処理を行って、サブモード処理部112を起動する。こうして機器監視システム1は、運用が開始される。
まず、通常時における機器監視装置10の動作について説明する。通常時では、図7乃至図9において、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、上述した処理S31で正時であるか否か判断し、正時ではない場合には処理S51及び処理S52を実行後、処理S31に戻る。一方、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、処理S61で正時であるか否か判断し、正時ではない場合には処理S62を実行後、処理S61に戻る。
正時になると、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、処理S31で正時であると判断し、処理S32及び必要に応じて処理S33を実行後、処理S34で状態確認要求信号の受信待ちを行う。
一方、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、処理S61で正時であると判断し、処理S62及び必要に応じて処理S63を実行後、処理S65でメインモードの機器監視装置10−aへ状態確認要求信号を送信する。機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、処理S35で状態確認要求信号を受信したか否かを判断し、状態確認要求信号を受信すると、処理S36で自機の状態の確認を行って、処理S37で正常か否かを判断する。ここでは、通常時であるから正常と判断され、処理S38で状態確認要求信号の送信元へ状態正常信号を返信する(C11−1)。
そして、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、処理S39及び処理S40で監視対象の全ての機器11から機器11の監視情報を収集し、処理S41で収集した機器11の監視情報を監視情報記憶部124に記憶して保存する(C12−1)。次に、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、、処理S42で収集した機器11の監視情報を監視サーバ16に送信して、処理を処理S31に戻す(C13−1)。
一方、状態正常信号の返信を受信すると、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、処理S66における異常か否かの判断で、正常であると判断するから、処理S71を実行した後に処理をS61に戻す。
メインモードの機器監視装置10−a及びサブモードの機器監視装置10−bは、通常時ではこのような処理を繰り返し実行し、正時ごとに、サブモードの機器監視装置10−bは、メインモードの機器監視装置10−aにおける異常の有無を監視し(C11−2、C11−3、C11−4、・・・)、メインモードの機器監視装置10−aは、監視対象の全ての機器11から機器11の監視情報を収集し(C12−2、C12−3、C12−4、・・・)、当該機器11の監視情報を監視サーバ16に送信する(C13−2、C13−3、C13−4、・・・)。
次に、タイムアウトによる異常時における機器監視装置10の動作について説明する。図7、図8及び図10において、メインモードの機器監視装置10−a及びサブモードの機器監視装置10−bは、通常時における上述の動作を行っているときに(・・・、C11−n−1、C12−n−1、C13−n−1、C11−n、C12−n、C13−n)、メインモードの機器監視装置10−aや上位NT3の通信線18にトラブルTRB(通信上の障害)が発生すると、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、その動作を停止する、あるいは、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、処理S31乃至処理S38の処理を実行することによって、状態正常信号を返信するが、サブモードの機器監視装置10−bまで伝送されない。
このため、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、正時になると、処理S61で正時であると判断し、処理S62及び必要に応じて処理S63を実行後、処理S65でメインモードの機器監視装置10−aへ状態確認要求信号を送信するが(C21−1)、処理S66でタイムアウトとなる(C22−1)。この結果、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、処理S67及び処理S68で監視対象の全ての機器11から機器11の監視情報を収集し、処理S69で収集した機器11の監視情報を監視情報記憶部124に記憶して保存する(C23−1)。次に、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、、処理S70で収集した機器11の監視情報を監視サーバ16に送信して、処理を処理S61に戻す(C24−1)。
サブモードの機器監視装置10−bは、タイムアウトによる異常時ではこのような処理を繰り返し実行し、正時ごとに、サブモードの機器監視装置10−bは、メインモードの機器監視装置10−aにおける異常の有無を監視し(C21−2、・・・)、監視対象の全ての機器11から機器11の監視情報を収集し(C23−2、・・・)、当該機器11の監視情報を監視サーバ16に送信する(C24−2、・・・)。このようにサブモードの機器監視装置10−bが動作するので、メインモードの機器監視装置10−aに異常が発生したとしても、監視サーバ16は、機器11の監視情報を収集し、蓄積することができる。
次に、メインモードの機器監視装置の状態確認による異常時における機器監視装置10の動作について説明する。図7、図8及び図11において、メインモードの機器監視装置10−a及びサブモードの機器監視装置10−bは、通常時における上述の動作を行っているときに(・・・、C11−n−1、C12−n−1、C13−n−1、C11−n、C12−n、C13−n)、メインモードの機器監視装置10−aが例えばマイクロプロセッサが過負荷となったためにその状態が正常ではなくなると、以下のように動作することになる。
即ち、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、上述した処理S31で正時であるか否か判断し、正時ではない場合には処理S51及び処理S52を実行後、処理S31に戻る。一方、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、処理S61で正時であるか否か判断し、正時ではない場合には処理S62を実行後、処理S61に戻る。
正時になると、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、上述の通常時と同様に、処理S31乃至処理36を実行し、処理S37で正常か否かを判断する。ここでは、異常時であるから正常ではないと判断され、処理S43で状態確認要求信号の送信元へ状態異常信号を返信する(C31−1)。一方、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、上述の通常時と同様に、処理S61乃至処理S65を実行し、処理66で正常か否かを判断する。ここで、状態異常信号の返信を受信するから、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、正常ではないと判断する(C31−1)。
この結果、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、処理S67及び処理S68を実行して監視対象の全ての機器11から機器11の監視情報を収集し、処理S69で収集した機器11の監視情報を監視情報記憶部124に記憶して保存する(C32−1)。次に、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、、処理S70で収集した機器11の監視情報を監視サーバ16に送信して、処理を処理S61に戻す(C33−1)。
メインモードの機器監視装置10−a及びサブモードの機器監視装置10−bは、メインモードの機器監視装置の状態確認による異常時ではこのような処理を繰り返し実行する。そして、正時ごとに、メインモードの機器監視装置10−aは、自機の状態を確認して状態異常信号をサブモードの機器監視装置10−bに送信する(C31−2、・・・)。一方、サブモードの機器監視装置10−bは、メインモードの機器監視装置10−aにおける異常の有無を監視し(C31−2、・・・)、サブモードの機器監視装置10−bは、監視対象の全ての機器11から機器11の監視情報を収集し(C32−2、・・・)、当該機器11の監視情報を監視サーバ16に送信する(C33−2、・・・)。このようにサブモードの機器監視装置10−bが動作するので、メインモードの機器監視装置10−aが正常ではなくなったとしても、監視サーバ16は、機器11の監視情報を収集し、蓄積することができる。
次に、復旧時における機器監視装置10の動作について説明する。図7、図8及び図12において、メインモードの機器監視装置10−a及びサブモードの機器監視装置10−bは、通常時における上述の動作を行っているときに(C11−n、C12−n、C13−n)、メインモードの機器監視装置10−aや上位NT3の通信線18にトラブルTRBが発生すると、上述したタイムアウトによる異常時の動作が行われ、サブモードの機器監視装置10−bは、正時ごとに、メインモードの機器監視装置10−aにおける異常の有無を監視し(C21−n−1、C21−n)、監視対象の全ての機器11から機器11の監視情報を収集し(C23−n−1、C23−n)、当該機器11の監視情報を監視サーバ16に送信する(C24−n−1、C24−n)。そして、メインモードの機器監視装置10−aのトラブルが復旧すると、以下のように動作することになる。
即ち、メインモードの機器監視装置10−aは、トラブルが復旧したので、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、上述した処理S31で正時であるか否か判断し、正時ではない場合には処理S51及び処理S52を実行後、処理S31に戻る。一方、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、処理S61で正時であるか否か判断し、正時ではない場合には処理S62を実行後、処理S61に戻る。
正時になると、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、処理S31乃至処理42を実行して通常時の動作を行った後に(C11−n+1、C12−n+1、C13−n+1)、処理S61に戻る。一方、機器監視装置10−bのサブモード処理部112も処理S61乃至処理66を実行して通常時の動作を行うが(C11−n+1)、処理S71でメインモードの機器監視装置10−aに送信すべき機器11の監視情報があると判断され、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、メインモードの機器監視装置10宛てにデータ復旧要求信号を送信し、その返信を受信待ちする。
そして、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、通常時の動作を行って処理S61に戻ると、処理S51及び処理S52を実行する。この結果、この処理S52でデータ復旧要求信号を受信したと判断し、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、処理S53でデータ復旧要求信号の送信元にデータ復旧準備完了信号を送信する。
データ復旧準備完了信号の返信を受信すると、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、処理S73でデータ復旧準備完了信号を受信したと判断する。これによってデータ復旧準備完了が確認される(C41)。この結果、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、処理S74及び処理S75を実行することによって、監視情報記憶部124に記憶されている機器11の監視情報を全て1又は複数の復旧データ送信信号でメインモードの機器監視装置10−aに送信する。一方、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、処理S54及び処理S55を実行することによって、トラブルTBRの発生によって欠損した機器11の監視情報を全て1又は複数の復旧データ送信信号でサブモードの機器監視装置10−bから受信する(C42)。
そして、全ての機器11の監視情報を送信すると、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、処理S75で全ての機器11の監視情報送信したと判断し、処理S76でデータ送信終了通知信号をメインモードの機器監視装置10宛てに送信し、処理を処理61に戻す。一方、データ送信終了通知信号を受信すると、機器監視装置10−aのメインモード処理部111は、処理S55でデータ送信終了通知信号を受信したと判断し、処理S56で復旧データ送信信号で得た機器11の監視情報で欠損した機器11の監視情報を回復し、処理を処理31に戻す(C43)。
このようにサブモードの機器監視装置10−bは、メインモードの機器監視装置10−aにトラブルが生じた後にトラブルから復帰した場合に、メインモードの機器監視装置10に代行して機器11から収集した監視情報をメインモードの機器監視装置10に送信する。そして、メインモードの機器監視装置10−aは、サブモードの機器監視装置10−bから送信された機器11の監視情報によって欠損した機器11の監視情報を回復する。
なお、上述の復旧時の説明では、メインモードの機器監視装置10−aにトラブルが生じた場合について説明したが、他の原因によりメインモードの機器監視装置10−aが異常になった場合も同様である。
次に、別の実施形態について説明する。
(第2の実施形態の構成)
第1の実施形態に係る機器監視装置10では、メインモードの機器監視装置10に対するサブモードの機器監視装置10の監視は、サブモード処理部112がメインモードの機器監視装置10に状態確認要求信号を送信してメインモードの機器監視装置10から状態正常信号又は状態異常信号の返信を受信することによって行っていたが、第2の実施形態に係る機器監視装置(符号を10’とする。)では、メインモードの機器監視装置10’に対するサブモードの機器監視装置10’の監視は、サブモード処理部(符号を112’とする。)がメインモードの機器監視装置10’と機器11との間における通信を検知することによって行う。
メインモードの機器監視装置10’が異常である場合には、メインモードの機器監視装置10’と機器11との間で通信信号が送受信されることがなくなるため、メインモードの機器監視装置10’と機器11との間における通信を監視することによって、メインモードの機器監視装置10’における異常の有無を監視することができる。
このため、第2の実施形態に係る機器監視装置10’の構成は、制御部101におけるメインモード処理部(符号を111’とする。)及びサブモード処理部112’が後述するように動作することを除き、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施形態の動作について説明する。
(第2の実施形態の動作)
第2の実施形態に係る機器監視装置10’では、メインモードの機器監視装置10’に対するサブモードの機器監視装置10’の監視方法が異なるだけなので、初期設定処理及び起動処理は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、メインモード処理について説明する。図13は、第2の実施形態におけるメインモード処理を示すフローチャートである。第2の実施形態に係る機器監視装置10’では、メインモードの機器監視装置10’に対するサブモードの機器監視装置10’の監視は、サブモードの機器監視装置10’がメインモードの機器監視装置10’と機器11との間における通信を検知することによって行われるので、第1の実施形態に係る機器監視装置10のように、状態確認要求信号の受信待ち、自機の状態の確認及びこの確認結果に応じた状態正常信号又は状態異常信号の送信を行う必要がない。
即ち、図13に示すように、メインモード処理部111’は、処理S31で正時か否かを判断し、処理S31で正時であると判断すると、処理S32及び必要に応じて処理S33を実行後に、直ちに処理S39、処理S40、処理S41及び処理S42を実行して処理を処理S31に戻す。つまり、メインモード処理部111’は、正時である場合には、必要に応じて時刻合わせを行った後に、処理S39及び処理S40で全ての監視対象の機器11から監視情報を収集し、処理S41で月、日及び時の情報を付して収集した機器11の監視情報を監視情報記憶部124に記憶すると共に処理S42で監視サーバ16に送信する。こうしてメインモードに設定されている機器監視装置10は、機器11を集中的に監視する。
一方、S31で正時ではないと判断した場合には、メインモード処理部111’は、処理S51乃至処理S56を実行するが、これらの処理は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、サブモード処理について説明する。図14は、第2の実施形態におけるサブモード処理を示すフローチャートである。第2の実施形態に係る機器監視装置10’では、メインモードの機器監視装置10’に対するサブモードの機器監視装置10’の監視は、サブモードの機器監視装置10’がメインモードの機器監視装置10’と機器11との間における通信を検知することによって行われるので、第1の実施形態に係る機器監視装置10おける状態確認要求信号を送信する処理S65を実行する代わりに、メインモードの機器監視装置10’と機器11との間における通信を検知する処理S81を実行する点を除き、第1の実施形態と同様である。
即ち、図14に示すように、サブモード処理部112’は、処理S61で正時か否かを判断し、正時ではないと判断すると処理S62で所定時間のウェイトを実行した後に処理を処理S61に戻す。一方、処理S61で正時であると判断すると、サブモード処理部112’は、処理S63及び必要に応じて処理S64を実行後に、処理S81を実行する。
処理S81において、サブモード処理部112’は、所定時間、下位NT2の通信状態を確認し、処理S66を実行する。本実施形態では、下位NT2にRS485を用いるので、サブモード処理部112’は、下位NT通信インタフェース部114がメインモードの機器監視装置10’と機器11との間における通信信号を受信したか否かを判断することによって、これらの間における通信を検知する。検知の結果、所定時間内に通信信号が受信された場合には、サブモード処理部112’は、メインモードの機器監視装置10’が正常であると判断する。一方、検知の結果、所定時間内に通信信号が受信されない場合には、サブモード処理部112’は、メインモードの機器監視装置10’が異常であると判断する。この所定時間は、仕様によって決定されるが、例えば100ミリ秒や200ミリ秒や500ミリ秒等の100ミリ秒のオーダーが採用される。
そして、処理S66で異常と判断した場合(YES)には、サブモード処理部112’は、処理S67乃至処理S70を実行するが、これらの処理は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。このようにサブモード処理部112’は、メインモードの機器監視装置10’が異常である場合には、処理S61、処理S63、(処理S64)、処理S81、処理S66、処理S67、処理S68、処理S69及び処理S70を実行することによって、全ての監視対象の機器11から監視情報を収集し、月、日及び時の情報を付して収集した監視情報を監視情報記憶部124に記憶すると共に監視サーバ16に送信する。こうしてサブモードに設定されている機器監視装置10’は、メインモードの機器監視装置10’が異常である場合には、メインモードの機器監視装置10’に代行して機器11を集中的に監視する。
一方、処理S66で異常と判断した場合(NO)には、サブモード処理部112’は、処理S71乃至処理S76を実行するが、これらの処理は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。このようにサブモード処理部112’は、メインモードの機器監視装置10が異常となった後に正常に復帰した場合に、処理S61、処理S63、(処理S64)、処理S81、処理S66、処理S71、処理S72、処理S73、処理S74、処理S75及び処理S76を実行することによって、メインモードの機器監視装置10’に代行して機器11から収集した監視情報をメインモードの機器監視装置10’に送信する。
次に、上述した機器監視装置10の動作を、通常時及び異常時に分けて、シーケンス図を用いてより具体的に説明する。なお、復旧時は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。また、初期設定処理及び起動処理も第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
図15は、第2の実施形態における通常時及び異常時における機器監視システムの動作を示すシーケンス図である。なお、第1の実施形態と同様に、機器監視装置10−aは、メインモードに設定され、機器監視装置10−bは、サブモードに設定されているとする。
まず、通常時における機器監視装置10’の動作について説明する。通常時では、図13乃至図15において、機器監視装置10’−aのメインモード処理部111’は、上述した処理S31で正時であるか否か判断し、正時ではない場合には処理S51及び処理S52を実行後、処理S31に戻る。一方、機器監視装置10−bのサブモード処理部112は、処理S61で正時であるか否か判断し、正時ではない場合には処理S62を実行後、処理S61に戻る。
正時になると、機器監視装置10’−aのメインモード処理部111’は、処理S31で正時であると判断し、処理S32及び必要に応じて処理S33を実行後、処理S39及び処理S40で監視対象の全ての機器11から機器11の監視情報を収集し、処理S41で収集した機器11の監視情報を監視情報記憶部124に記憶して保存する(C51−1)。次に、機器監視装置10’−aのメインモード処理部111’は、、処理S42で収集した機器11の監視情報を監視サーバ16に送信して、処理を処理S31に戻す(C53−1)。
一方、機器監視装置10’−bのサブモード処理部112’は、処理S61で正時であると判断し、処理S62及び必要に応じて処理S63を実行後、処理S81で下位NT2の通信状態を確認する(C52−1)。ここでは、通常時であるので、メインモードの機器監視装置10’−aと機器11との間における通信信号が受信され、機器監視装置10’−bのサブモード処理部112’は、処理S66における異常か否かの判断で、正常であると判断するから、処理S71を実行した後に処理をS61に戻す。
メインモードの機器監視装置10’−a及びサブモードの機器監視装置10’−bは、通常時ではこのような処理を繰り返し実行し、正時ごとに、サブモードの機器監視装置10’−bは、メインモードの機器監視装置10’−aにおける障害の有無を下位NT2の通信状態を確認することによって監視し(C52−1)、メインモードの機器監視装置10’−aは、監視対象の全ての機器11から機器11の監視情報を収集し(C51−1)、当該機器11の監視情報を監視サーバ16に送信する(C53−1)。
次に、異常時における機器監視装置10’の動作について説明する。図13乃至図15において、メインモードの機器監視装置10’−a及びサブモードの機器監視装置10’−bは、通常時における上述の動作を行っているときに(C51−1、C52−1、C53−1)、メインモードの機器監視装置10’−aに異常が発生すると、メインモードの機器監視装置10’−aと機器11との間で送受信される通信信号がなくなる。
このため、機器監視装置10’−bのサブモード処理部112’は、正時になると、処理S61で正時であると判断し、処理S62及び必要に応じて処理S63を実行後、処理S81で下位NT2の通信状態の確認を行うが(C52−2)、通信信号が検出されず処理S66で異常と判断する。この結果、機器監視装置10’−bのサブモード処理部112’は、処理S67及び処理S68で監視対象の全ての機器11から機器11の監視情報を収集し、処理S69で収集した機器11の監視情報を監視情報記憶部124に記憶して保存する(C54−1)。次に、機器監視装置10’−bのサブモード処理部112’は、処理S70で収集した機器11の監視情報を監視サーバ16に送信して、処理を処理S61に戻す(C55−1)。
サブモードの機器監視装置10’−bは、異常時ではこのような処理を繰り返し実行し、正時ごとに、メインモードの機器監視装置10’−aにおける異常の有無を監視し(C52−3、C52−4、・・・)、監視対象の全ての機器11から機器11の監視情報を収集し(C54−2、C54−3、・・・)、当該機器11の監視情報を監視サーバ16に送信する(C55−2、C55−3、・・・)。このようにサブモードの機器監視装置10’−bが動作するので、メインモードの機器監視装置10’−aに異常が発生したとしても、監視サーバ16は、機器11の監視情報を収集し、蓄積することができる。
このように第2の実施形態では、サブモードの機器監視装置10’は、メインモードの機器監視装置10’と機器11との間における通信を検知することによってメインモードの機器監視装置10’における異常の有無を監視するので、メインモードの機器監視装置10’は、サブモードの機器監視装置10’を特に意識することなくその動作を実施することができる。そのため、第2の実施形態に係る機器監視装置10’は、後付けでサブモードの機器監視装置10’として機器監視システム1に組み込まれる場合に好適である。