以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1の実施形態の構成)
図1は、機器監視システムの構成を示す図である。図2は、機器監視装置の構成を示すブロック図である。図3は、機器監視装置情報を登録する機器監視装置情報テーブルの構成を示す図である。
図1において、機器監視システム1は、1又は複数の下位のネットワーク(以下、「下位NT」と略記する。)2と、上位のネットワーク(以下、「上位NT」と略記する。)3とを備えて構成される。下位NT2は、機器監視装置11と、1又は複数の機器12と、機器監視装置11及び1又は複数の機器12を通信可能に相互に接続する通信線13とを備えて構成され、機器監視装置11によって1又は複数の機器12から監視情報を収集するためのローカルエリアネットワークである。上位NT3は、1又は複数の機器監視装置11と、監視情報を提示する閲覧装置16と、これら1又は複数の機器監視装置11及び閲覧装置16を通信可能に相互に接続する通信線17とを備えて構成され、下位NT2で収集された機器12の監視情報を閲覧装置によってユーザに閲覧させるためのネットワークである。
図1に示す例では、下位NT2は、3個の下位NT2−a〜2−cが示されており、下位NT2−aは、機器監視装置11−aと、複数の機器12−aa、12−ab、12−acと、通信線13−aとを備えて構成され、下位NT2−bは、機器監視装置11−bと、複数の機器12−ba、12−bb、12−bcと、通信線13−bとを備えて構成され、そして、下位NT2−cは、機器監視装置11−cと、複数の機器12−ca、12−cb、12−ccと、通信線13−cとを備えて構成される。このため、上位NT3は、3個の機器監視装置11−a〜11−cと、閲覧装置16と、通信線17とを備えて構成される。
なお、本明細書において、総称する場合にはアルファベットの添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合にはアルファベットの添え字を付した参照符号で示す。
機器12は、機器監視装置11の監視対象であり、自機に関するデータを通信可能な装置である。機器12は、例えば、機器監視装置11と通信線13を介して通信を行う通信部と、機器12の機能を実行する機能部とを備えて構成され、機能部で検出したデータや機能部の状態(例えば、電源のオン・オフ、稼動状態、故障状態等)に関するデータを通信部を用いて機器監視装置11に送信する。機能部は、機器12が、例えば、電気の使用量を計量する電力メータである場合には、電力の使用量を計量する計量機能である。機器12は、電力メータの他に、例えば、ガスの使用量を計量するガスメータ、及び、水道の使用量を計量する水道メータ等の計量メータ、照明器具及び空調装置等の住戸環境やオフィス環境等を調整する装置、防犯センサ、煙センサ、温度センサ及び湿度センサ等のセンサ、誘導灯や非常灯等の防災設備等である。
機器監視装置11は、自機の下位NT2内における1又は複数の機器12から監視情報を取得することによって1又は複数の機器12を集中的に監視すると共に、この収集した機器12の監視情報をウェブページの形式で閲覧装置16に送信する装置である。機器監視装置11は、例えば、図2に示すように、制御部101と、記憶部102と、上位ネットワーク通信インタフェース部(以下、「上位NT通信インタフェース部」と略記する。)103と、下位ネットワーク通信インタフェース部(以下、「下位NT通信インタフェース部」と略記する。)104と、モード入力部105と、これら制御部101、上位NT通信インタフェース部102、記憶部103、下位NT通信インタフェース部104及びモード入力部105は、データを相互に交換することができるようにバス105にそれぞれ接続される。
監視情報は、機器監視システム1の監視目的に応じた機器12に関する情報であり、機器12の機能部で検出したデータや機能部の状態(例えば、電源のオン・オフ、稼動状態、故障状態等)に関するデータである。例えば、機器監視システム1の監視目的が負荷の消費電力量である場合には、機器12は、電力メータであり、監視情報は、電力メータの電力量である。また例えば、機器監視システム1の監視目的が照明器具の点灯状態である場合には、機器12は、照明器具であり、監視情報は、照明器具のオン・オフである。また例えば、機器監視システム1の監視目的がエアーコンディショナの稼動状態である場合には、機器12は、エアーコンディショナであり、監視情報は、エアーコンディショナの設定温度及び設定風量等である。また例えば、機器監視システム1の監視目的が防犯である場合には、機器12は、防犯センサであり、監視情報は、防犯センサの発報の有無である。
上位NT通信インタフェース部103は、上位NT3を介して他の機器監視装置11や閲覧装置16と通信を行うための回路であり、制御部101からのデータを上位NT3の通信プロトコルに従った通信信号を生成すると共に上位NT3からの通信信号を制御部101が処理可能な形式のデータに変換する。上位NT通信インタフェース部102は、本実施形態では、例えば、HTTP等の所謂インターネットプロトコル群の通信プロトコルによって通信を行う通信インタフェースカードである。
下位NT通信インタフェース部104は、自機の下位NT2を介して機器12と通信を行うための回路であり、制御部101からのデータを下位NT2の通信プロトコルに従った通信信号を生成すると共に下位NT2からの通信信号を制御部101が処理可能な形式のデータに変換する。上位NT通信インタフェース部104は、本実施形態では、例えば、RS485のシリアル通信回路である。
制御部101は、例えば、マイクロプロセッサ及びその周辺回路を備えて構成され、機能的に、ウェブサーバ処理部111、メイン処理部112、リンクファイル処理部113、追加処理部114、削除処理部115、一時離脱処理部116、一時離脱復帰処理部117、状態確認処理部118及びイベント処理部119を備えると共に、通信プログラムや制御プログラム等の各プログラムによって記憶部102、上位NT通信インタフェース部103、下位NT通信インタフェース部104及びモード入力部105を当該機能に応じてそれぞれ制御する。
ウェブサーバ処理部111は、閲覧装置16のブラウザ(Browser)からの要求に従って監視情報記憶部122に記憶されている監視情報をウェブページ(Web page)の形式で送信するウェブサーバである。
メイン処理部112は、後述の主プログラムを実行することによって、後述の各モードを実行しつつ機器監視装置11を制御する。
リンクファイル処理部113は、後述のリンクファイルサブプログラムを実行することによって、機器監視システム1における機器監視装置11を相互に関連付けるリンクのウェブページファイル(以下、「リンクファイル」と略記する。)を作成する処理を実行する。
追加処理部114は、後述の追加サブプログラムを実行することによって、機器監視システム1に新たに機器監視装置11が増設された場合に、この新設の機器監視装置11を既設の他の機器監視装置11に相互に関連付ける処理を実行する。
削除処理部115は、後述の削除サブプログラムを実行することによって、機器監視システム1から既設の機器監視装置11を撤去する場合に、機器監視システム1に残された機器監視装置11を相互に関連付ける処理を実行すると共に、必要に応じて、残された機器監視装置11のうちの何れか1個の機器監視装置11と閲覧装置16とを相互に関連付ける処理を実行する。
一時離脱処理部116は、後述の一時離脱サブプログラムを実行することによって、当該機器監視装置11を機器監視システム1から一時的にオフラインにする処理を実行する。
一時離脱復帰処理部117は、後述の一時離脱復帰サブプログラムを実行することによって、機器監視システム1から一時的に離脱していた機器監視装置11を機器監視システム1に復帰させる(オンラインにする)処理を実行する。
状態確認処理部118は、機器監視システム1内における他の機器監視装置11の稼動状態を確認し、その確認結果に応じて機器監視システム1内の機器監視装置11に通報する処理を実行する。
イベント処理部119は、後述のイベントサブプログラムを実行することによって、下位NT2内の機器12からイベントの発報があった場合に、イベントの発報があった旨を機器監視システム1内の機器監視装置11に通報する処理を実行する。
記憶部102は、機能的に、当該機器監視装置11の機器監視装置情報及び機器監視装置情報を登録する機器監視装置情報テーブルを記憶する機器監視装置情報記憶部121と、機器12から取得した機器12の監視情報を登録する監視情報テーブルを記憶する監視情報記憶部122と、リンクファイルを記憶するリンクファイル記憶部123とを備えると共に、主プログラム、各サブプログラム、通信プログラム及び制御プログラム等の機器監視装置11を動作させるための各プログラム(不図示)、及び、自機のIPアドレスや自機の機器監視装置情報等の各プログラムの実行に係るデータ(不図示)等を記憶する。記憶部102は、例えばワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶素子、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の書換え可能な不揮発性記憶素子、及び、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性記憶素子等の半導体記憶素子を備えて構成される。
機器監視装置情報は、リンクファイルを作成するために必要な機器監視装置11に関する情報である。より具体的には、機器監視装置情報は、機器監視装置11に割り当てられたURL(Uniform Resource Locator)と、機器監視装置11を識別し特定する識別子とを少なくとも含む情報であり、本実施形態では、機器12から発報があった旨や当該機器監視装置11がオフラインである旨を示す下位ネットワークの状態(以下、「下位NT状態」と略記する。)を含む。
機器監視装置11の識別子は、例えば、本実施形態では、1個の下位NT2に1個の機器監視装置11が含まれることから、当該機器監視装置11が属する下位NT2に付された名称であるシステム名が利用される。例えば、下位NT2−aのシステム名は、「誘導灯点検システムA棟」とであり、下位NT2−bのシステム名は、「照明制御システムA棟」とであり、そして、下位NT2−cのシステム名は、「誘導灯点検システムB棟」とである。
下位NT状態は、例えば、本実施形態では、機器監視装置11が正常に稼動していることを示す正常稼動、機器監視装置11が属する下位NT2内の機器12から発報があった旨を示す警報状態、機器監視装置11がオフラインであることを示すメンテナンス(maintenance、保守)中、及び、機器監視装置11が異常であることを示す異常状態である。これら下位NT状態は、例えば、本実施形態では、フラグで表現されており、例えば、「正常稼動」には「1」が割り当てられ、「警報状態」には「2」が割り当てられ、「メンテナンス中」には「3」が割り当てられ、そして、「異常状態」には「4」が割り当てられている。
機器監視情報テーブルは、例えば、本実施形態では図3に示すように、各レコードを示すID(Identification)を登録するIDフィールド、URLを登録するURLフィールド、システム名を登録するシステム名フィード、及び、下位NT状態を登録する下位NT状態フィールドの各フィールドを備えて構成され、システム名ごとにレコードが作成される。IDは、各レコードを識別し特定することができれば、どのような符号でもよいが、本実施形態では、例えば、1から始まる正整数値が利用される。
監視情報テーブルは、機器12の監視情報を登録するためのテーブルである。監視情報テーブルは、本実施形態では、例えば、機器12の監視情報を収集した月、日及び時を登録する収集日時フィールド、及び、機器12の監視情報を登録する機器データフィールドの各フィールドを備えて構成され、機器12の監視情報を収集した月、日及び時ごとにレコードが作成される。機器データフィールドは、機器12ごとに当該機器12の監視情報を登録するために、機器12ごとにサブフィールドが設けられる。また、監視情報テーブルは、例えば1日、1週間、2週間及び1月等の、仕様により規定される所定の期間だけ機器12の監視情報が登録可能なようにレコードが用意され、そのためのメモリ領域が記憶部102に用意される。
リンクファイルは、各機器監視装置11を相互に通信可能に関連付けるための情報を記述したウェブページのファイルであり、例えば、本実施形態では、各機器監視装置11のURLを用いてリンクを張ったウェブページのファイルである。リンクファイルは、HTML(Hyper Text Markup Language)やXML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語で記述される。
動作モード入力部105は、機器監視装置11の動作モード(以下、「モード」と略記する。)を設定するための入力装置であり、例えば、モードの数に対応した個数のトグルスイッチやスライドスイッチ、及び、モードの数に対応した切り替え数を備えるロータリスイッチ等のスイッチである。モードは、本実施形態では、通常モード、追加モード、削除モード、一時離脱モード及び一時離脱復帰モードである。追加モードは、機器監視システム1に新たに機器監視装置11を増設するためのモードである。削除モードは、当該機器監視装置11を機器監視システム1から撤去するためのモードである。一時離脱モードは、当該機器監視装置11を機器監視システム1から一時的にオフラインにするためのモードである。一時離脱復帰モードは、機器監視システム1から一時的に離脱していた機器監視装置11を機器監視システム1に復帰させるためのモードである。
図1に戻って、本実施形態では、機器監視装置11及び機器12は、RS485のポーリング方式によって通信する。機器監視装置11は、主局として動作し、機器12は、従局として動作する。
閲覧装置16は、機器監視装置11と通信可能であって監視情報を表示するブラウザを備えたコンピュータである。本実施形態では、上位NT3は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に代表される所謂インターネットプロトコル群が利用されており、インターネット又はイントラネットを構成する。閲覧装置16は、機器監視装置11とHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を用いて通信している。閲覧装置16が機器監視装置11から機器12の監視情報を受信する場合には、閲覧装置16は、HTTPクライアントとして動作すると共に機器監視装置11は、HTTPサーバとして動作する。
次に、本実施形態の動作について説明する。
(実施形態の動作)
まず、メイン処理部の動作について説明する。図4は、メイン処理部の動作を示すフローチャートである。
図4において、例えば各装置の電源が投入され機器監視システム1の運用が開始されると、機器監視装置11の制御部101におけるメイン処理部112は、主プログラムを実行し、所定時間だけ通信信号の受信待ちを行う(S11)。所定時間は、上位NT3に接続可能な機器監視装置11の個数や上位NT通信インタフェース部103の通信速度等に基づいて仕様により決定され、例えば、10秒、30秒及び1分等である。
その結果、通信信号を受信したかあるいはタイムアウト(Timeout)した場合には、メイン処理部112は、通信信号を受信している場合に当該通信信号がリンクファイル処理開始要求信号であるか否かを判断する(S12)。リンクファイル処理開始要求信号は、機器監視装置11にリンクファイル処理を開始させる指示を含む通信信号である。
判断の結果、通信信号がリンクファイル処理開始要求信号である場合(YES)には、メイン処理部112は、リンクファイル処理部113を起動し、リンクファイルサブプログラムによってリンクファイル処理部113にリンクファイル処理を実行させ(S21)、処理を処理S11に戻す。一方、判断の結果、通信信号がリンクファイル処理開始要求信号ではない場合(NO)には、メイン処理部112は、モード入力部105に設定されているモードが削除モードであるか否かを判断する(S13)。
判断の結果、モード入力部105が削除モードに設定されている場合(YES)には、メイン処理部112は、削除処理部115を起動し、削除サブプログラムによって削除処理部115に削除処理を実行させ(S22)、処理を終了する。一方、判断の結果、モード入力部105が削除モードに設定されていない場合(NO)には、メイン処理部112は、モード入力部105に設定されているモードが一時離脱モードであるか否かを判断する(S14)。
判断の結果、モード入力部105が一時離脱モードに設定されている場合(YES)には、メイン処理部112は、一時離脱処理部116を起動し、一時離脱サブプログラムによって一時離脱処理部116に一時離脱処理を実行させ(S23)、処理を処理S11に戻す。一方、判断の結果、モード入力部105が一時離脱モードに設定されていない場合(NO)には、メイン処理部112は、モード入力部105に設定されているモードが一時離脱復帰モードであるか否かを判断する(S15)。
判断の結果、モード入力部105が一時離脱復帰モードに設定されている場合(YES)には、メイン処理部112は、一時離脱復帰処理部117を起動し、一時離脱復帰サブプログラムによって一時離脱復帰処理部117に一時離脱復帰処理を実行させ(S24)、後述の処理S18を実行する。一方、判断の結果、モード入力部105が一時離脱復帰モードに設定されていない場合(NO)には、メイン処理部112は、モード入力部105に設定されているモードが追加モードであるか否かを判断する(S16)。
判断の結果、モード入力部105が追加モードに設定されている場合(YES)には、メイン処理部112は、追加処理部114を起動し、追加サブプログラムによって追加処理部114に追加処理を実行させ(S17)、処理S18を実行する。一方、判断の結果、モード入力部105が追加モードに設定されていない場合(NO)には、メイン処理部112は、処理S18を実行する。
処理S18において、メイン処理部112は、状態確認処理部118を起動し、状態確認サブプログラムによって状態確認処理部118に状態確認処理を実行させる。次に、メイン処理部112は、イベント処理部119を起動し、イベントサブプログラムによってイベント処理部119にイベント受信処理を実行させ、処理を処理S11に戻す。
ここで、処理S11における通信信号の受信待ちにおいて、タイムアウトした場合には、メイン処理部112は、処理S12、処理S13、処理S14、処理S15、処理S16、処理S18及び処理S19を実行し、処理を処理S11に戻すことになる。そして、モード入力部105が通常モードに設定されている場合には、メイン処理部112は、処理S11、処理S12、処理S13、処理S14、処理S15及び処理S16を経て処理S18及び処理S19を実行し、処理を処理S11に戻す。
このようにメイン処理部112が動作することによって、リンクファイル処理開始要求信号を受信した場合にはリンクファイル処理部113によってリンクファイル処理が実行され、そして、モード入力部105に設定されているモードに応じて、削除処理部115、一時離脱処理部116、一時離脱復帰処理部117、追加処理部114、状態確認処理部118及びイベント処理部119によって、削除処理、一時離脱処理、一時離脱復帰処理、追加処理及び通常処理(他の機器監視装置11の状態確認処理及び機器12のイベント受信処理)がそれぞれ実行される。また、通常モードにおいて、閲覧装置16から監視情報の閲覧が要求されると、ウェブサーバ処理部111は、監視情報記憶部122に記憶されている監視情報に基づいて、例えば棒グラフや折れ線グラフや円グラフ等の、解析目的に応じてデータの傾向を視認し易い表示方法で表示する監視情報のウェブページファイルを作成し、閲覧装置16に送信する。
次に、リンクファイル処理部113及び追加処理部114の動作について説明する。図5は、リンクファイル処理部の動作を示すフローチャートである。図6は、追加処理部の動作を示すフローチャートである。図7は、リンクファイルを説明するための図である。
まず、リンクファイル処理部113の動作について説明する。図5において、リンクファイル処理部113は、メイン処理部112によって起動されると、リンクファイルサブプログラムを実行し、通信信号の受信待ちを行う(S31)。
通信信号の受信待ちの結果、通信信号を受信した場合には、リンクファイル処理部113は、当該通信信号が機器監視装置情報要求信号であるか否かを判断する(S32)。機器監視装置情報要求信号は、この信号を受信した機器監視装置11に当該機器監視装置11(自機)の機器監視装置情報の返信を指示する情報を含む通信信号である。
判断の結果、機器監視装置情報要求信号である場合(YES)には、リンクファイル処理部113は、自機の機器監視装置情報を含む通信信号(機器監視装置情報信号)を機器監視装置情報要求信号の送信元に返信し(S35)、処理を処理S31に戻す。このように機器監視装置情報信号を送信した後に処理を処理31に戻すことによって、リンクファイル処理部113は、リンクファイル信号の受信待ち状態になる。一方、判断の結果、機器監視装置情報要求信号ではない場合(NO)には、リンクファイル処理部113は、当該通信信号がリンクファイル信号であるか否かを判断する(S33)。リンクファイル信号は、リンクファイルを含む通信信号である。
判断の結果、リンクファイル信号である場合(YES)には、リンクファイル処理部113は、当該リンクファイル信号に含まれているリンクファイルでリンクファイル記憶部123におけるリンクファイルを置き換えて更新(上書き)し、処理を処理S31に戻す。このようにリンクファイルを更新した後に処理を処理31に戻すことによって、リンクファイル処理部113は、リンクファイル処理終了要求信号の受信待ち状態になる。一方、判断の結果、リンクファイル信号ではない場合(NO)には、リンクファイル処理部113は、当該通信信号がリンクファイル処理終了要求信号であるか否かを判断する(S34)。リンクファイル処理終了要求信号は、この信号を受信した機器監視装置11にリンクファイル処理を終了させる指示を含む通信信号である。
判断の結果、リンクファイル処理終了要求信号である場合(YES)には、リンクファイル処理部113は、このリンクファイルサブプログラムを終了して、処理をメイン処理部112に戻す。一方、判断の結果、リンクファイル処理終了要求信号ではない場合(NO)には、リンクファイル処理部113は、所定時間だけ、リンクファイル処理終了要求信号の受信待ちを行って、タイムアウトすると、リンクファイル処理部113は、このリンクファイルサブプログラムを終了して、処理をメイン処理部112に戻す(S37)。
このように動作することによって、リンクファイル処理部113は、自機の機器監視装置情報を機器監視装置情報要求信号の送信元に返信すると共に、受信したリンクファイル信号に含まれているリンクファイルによってリンクファイル記憶部123のリンクファイルを更新する。ここで、自機の機器監視装置情報を返信した後リンクファイル処理終了要求信号を受信するまで、リンクファイル信号の受信待機状態となるので、自機がリンクファイルを作成することを禁止することができる。
次に、追加処理部114の動作について説明する。図6において、追加処理部114は、メイン処理部112によって起動されると、追加サブプログラムを実行し、リンクファイル処理開始要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S41)。このリンクファイル処理開始要求信号を送信することによって、新設の機器監視装置11は、機器監視システム1内における既設の他の機器監視装置11にリンクファイル処理を開始させることができる。このため、機器監視システム1内における既設の他の機器監視装置11が自機のリンクファイル記憶部123におけるリンクファイルの操作が防止される。同報通信は、例えば、ブロードキャスト及びマルチキャストがある。
次に、追加処理部114は、機器監視装置情報要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S42)。この機器監視装置情報要求信号を送信することによって、この信号を受信した機器監視装置11は、自機の機器監視装置情報を機器監視装置情報信号で返信するから、機器監視システム1内における既設の他の機器監視装置11からその機器監視装置の機器監視装置情報を収集することができる。
次に、追加処理部114は、所定時間、機器監視システム1における既設の他の機器監視装置11から機器監視装置情報信号の受信待ちを行う(S43)。この所定時間は、機器監視システム1における既設の他の総ての機器監視装置11から機器監視装置情報信号を受信可能な時間であり、機器監視システム1に接続可能な機器監視装置11の個数及び通信速度等を考慮して設定される。
機器監視装置情報信号の受信待ちが終了すると、追加処理部114は、機器監視装置情報信号を受信したか否かを判断する(S44)。判断の結果、1又は複数の機器監視装置情報信号を受信した場合(YES)には、追加処理部114は、受信した機器監視装置情報信号に含まれている機器監視装置情報を機器監視情報テーブルに登録すると共に、自機の機器監視装置情報及び受信した機器監視装置情報信号に含まれている機器監視装置情報に基づいてリンクファイルを作成する(S45)。
このリンクファイルの作成についてより具体的に説明すると、例えば、図7に示すように、追加処理部114は、マークアップ言語、例えば、HTMLで、可変部のテキストファイルを作成し、固定部Aのテキストファイルにこの作成した可変部のテキストファイルを結合し、さらに、固定部Bのテキストファイルを結合し、リンクのウェブページファイルを作成する。
HTMLは、概略的には、<>で囲んだタグと呼ばれる命令を用いて文章の構造を指示し、“開始タグ”、“内容”、“終了タグ”からなるエレメントの入れ子構造でファイルを構成する。固定部Aは、HTML文書であることを示すタグのうちその開始タグ<html>と、HTML文書のヘッダ部を示すタグのうちその開始タグ<head>と、HTML文書のタイトルを示す<title> タイトルの内容 </title>と、HTML文書のヘッダ部を示すタグのうちその終了タグ</head>と、HTML文書の本体部を示すタグのうちその開始タグ<body>とをこの順で備えて構成される。タイトルの内容は、図7に示す例では、“xxxビル 設備システム”である。
可変部のテキストファイルは、機器監視装置11を相互に関連付ける情報を記述する部分であり、本実施形態では、さらに下位NT状態も記述される。可変部のテキストファイルは、リンクファイルの本体部における内容となる。HTMLでは、ウェブページとウェブページとを結ぶものをリンクと呼ぶが、本実施形態では、リンクによって機器監視システム1内の全機器監視装置11を相互に関連づけている。リンクは、起点アンカーから目的地アンカーに向けて張られる。起点アンカーは、本実施形態では、リンク先の機器監視装置11におけるシステム名であり、目的地アンカーは、リンク先の機器監視装置11におけるURLである。リンクは、アンカータグ<a>で定義され、<a href=目的地アンカー>起点アンカー</a>と記述される。このため、受信された機器監視装置情報信号に収容されているURLが目的地アンカーに記述され、システム名が起点アンカーに記述される。そして、続けて、下位NT状態も記述され、改行タグ<br>が記述される。
図7に示す例では、3個の機器監視装置11にリンクが張られ、可変部のテキストファイルは、<a href=“http://xxx/aaa”> “誘導灯点検システムA棟”</a> 正常稼働<br>と、<a href=“http://yyy/bbb”> “照明制御システムA棟”</a> 正常稼働<br>と、<a href=“http://zzz/ccc”> “誘導灯点検システムB棟”</a> 正常稼働<br>とをこの順で備えて構成される。
固定部Bは、HTML文書の本体部を示すタグのうちその終了タグ</body>と、HTML文書であることを示すタグのうちその終了タグ</html>とをこの順で備えて構成される。
このようなリンクファイルが機器監視装置11から閲覧装置16に表示されると、
誘導灯点検システムA棟 正常稼働
照明制御システムA棟 正常稼働
誘導灯点検システムB棟 正常稼働
と表示され、例えば、誘導灯点検システムA棟を操作すると、http://xxx/aaaへリンクされる。なお、このURLは、IPアドレスを含むものでもよい。
次に、追加処理部114は、作成したリンクファイルを含むリンクファイル信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S46)。なお、機器監視装置情報信号の返信を受信することによって機器監視システム1内における既設の他の機器監視装置11を認識することができるので、機器監視システム1内における既設の他の機器監視装置11へユニキャストで個別に送信してもよい。そして、追加処理部114は、リンクファイル処理終了要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信し、この追加サブプログラムを終了して、処理をメイン処理部112に戻す(S47)。
一方、処理S44の判断の結果、機器監視装置情報信号を受信していない場合(NO)には、追加処理部114は、処理S47を実行する。
このように動作することによって、追加処理部114は、機器監視システム1内における既設の他の機器監視装置11から機器監視装置情報を収集し、収集した機器監視装置情報に基づいてリンクファイルを作成する。このため、新設の機器監視装置11によって当該新設の機器監視装置11のリンクを含む機器監視システム1内における総ての機器監視装置11にリンクを張ったリンクファイルが作成される。そして、追加処理部114は、作成したリンクファイルを機器監視システム1に同報通信で送信するので、機器監視システム1内における総ての機器監視装置11は、新設の機器監視装置11のリンクを含む機器監視システム1内における総ての機器監視装置11にリンクを張ったリンクファイルを人手によらず自動的に所有することができる。このため、閲覧装置16は、今までのURLを用いて今までアクセスしていた機器監視装置11にアクセスすることによってリンクファイルを取得し、リンクを辿ることで新設の機器監視装置11にアクセスすることができ、新設の機器監視装置11から当該新設の機器監視装置11が属する下位NT2内における機器12の監視情報を閲覧することができる。
次に、上述したメイン処理部112、リンクファイル処理部113及び追加処理部114の連携動作をより明確にするために、機器監視装置が機器監視システムに新規増設される場合における各機器監視装置の動作を説明する。
図8は、機器監視装置が機器監視システムに新規増設される場合における各機器監視装置の動作を示すシーケンス図である。ここで、図1に示す機器監視システム1において、機器監視装置11−a及び機器監視装置11−bが既設であり、機器監視装置11−cが新規に増設されるものとする。
図4乃至図8において、既設の機器監視システム1に新設の機器監視装置11−cが接続され、新設の機器監視装置11−cにおけるモード入力部105が追加モードに設定されると、新設の機器監視装置11−cにおけるメイン処理部112は、処理S11、処理S12、処理S13、処理S14、処理S15、処理S16及び処理S17を実行し、追加処理部114を起動する。新設の機器監視装置11−cにおける追加処理部114は、処理S41を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理開始要求信号を送信する(C11)。
既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるメイン処理部112は、処理S11で通信信号が受信されると処理S12で当該通信信号がリンクファイル処理開始要求信号であると判断され、処理S21を実行し、リンクファイル処理部113を起動する。既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C12−a、C12−b)。
新設の機器監視装置11−cにおける追加処理部114は、処理S42を実行して上位NT3に同報通信で機器監視装置情報要求信号を送信し、処理S43で機器監視装置情報信号の受信待ちを行う(C13)。既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、処理S31で通信信号が受信されると処理S32で当該通信信号が機器監視装置情報要求信号であると判断され、処理S35を実行して自機の機器監視装置情報を含む機器監視装置情報信号を返信し、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C14−a、C14−b)。
新設の機器監視装置11−cにおける追加処理部114は、処理S43で機器監視装置情報信号が受信されると処理S44で機器監視装置情報信号の受信があったと判断され、処理S45を実行して受信した機器監視装置情報信号に含まれる機器監視装置情報でリンクファイルを作成する(C15)。そして、新設の機器監視装置11−cにおける追加処理部114は、処理S46を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル信号を送信する(C16)。
既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、処理S31で通信信号が受信されると処理S32を経て処理S33で当該通信信号がリンクファイル信号であると判断され、処理S36を実行して自機のリンクファイル記憶部123のリンクファイルを更新し、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C17−a、C17−b)。
一方、新設の機器監視装置11−cにおける追加処理部114は、処理S47を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理終了要求信号を送信し(C18)、追加サブプログラムを終了する。既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、処理S31で通信信号が受信されると処理S32及び処理S33を経て処理S34で当該通信信号がリンクファイル処理終了要求信号であると判断され、リンクファイルサブプログラムを終了する(C19−a、C19−b)。
次に、削除処理部115の動作について説明する。図9は、削除処理部の動作を示すフローチャートである。図9において、削除処理部115は、メイン処理部112によって起動されると、削除サブプログラムを実行し、リンクファイル処理開始要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S51)。このリンクファイル処理開始要求信号を送信することによって、新設の機器監視装置11は、機器監視システム1内における既設の他の機器監視装置11にリンクファイル処理を開始させることができる。このため、機器監視システム1内における既設の他の機器監視装置11が自機のリンクファイル記憶部123におけるリンクファイルの操作が防止される。
次に、削除処理部115は、リンクファイル記憶部123におけるリンクファイルから自機のリンクを削除した新たなリンクファイルを作成する(S52)。次に、削除処理部115は、この作成したリンクファイルを含むリンクファイル信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S53)。そして、削除処理部115は、リンクファイル処理終了要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信し、この削除サブプログラムを終了して、処理をメイン処理部112に戻す。
このように動作することによって、削除処理部115は、自機が削除されるため、自機のリンクを削除したリンクファイルを作成し、これを機器監視システム1に同報通信で送信する。このため、機器監視システム1内における総ての機器監視装置11は、削除される機器監視装置11のリンクが削除され、機器監視システム1内における残余の総ての機器監視装置11にリンクを張ったリンクファイルを人手によらず自動的に所有することができる。
次に、上述したメイン処理部112、リンクファイル処理部113及び削除処理部115の連携動作をより明確にするために、機器監視装置が機器監視システムから削除される場合における各機器監視装置の動作を説明する。
図10は、機器監視装置が機器監視システムから削除される場合における各機器監視装置の動作を示すシーケンス図である。ここで、図1に示す機器監視システム1において、機器監視装置11−cが削除されるとする。
図4、図5、図9及び図10において、機器監視システム1から機器監視装置11−cを削除すべく、削除対象の機器監視装置11−cにおけるモード入力部105が削除モードに設定されると、削除対象の機器監視装置11−cにおけるメイン処理部112は、処理S11、処理S12、処理S13及び処理S22を実行し、削除処理部115を起動する。削除対象の機器監視装置11−cにおける削除処理部115は、処理S51を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理開始要求信号を送信する(C21)。
既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるメイン処理部112は、図8のC12−a、C12−bと同様に、処理S11で通信信号が受信されると処理S12で当該通信信号がリンクファイル処理開始要求信号であると判断され、処理S21を実行し、リンクファイル処理部113を起動する。既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C22−a、C22−b)。
削除対象の機器監視装置11−cにおける削除処理部115は、処理S52を実行して自機のリンクを削除したリンクファイルを作成する(C23)。そして、削除対象の機器監視装置11−cにおける削除処理部115は、処理S53を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル信号を送信する(C24)。
既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC17−a、C17−bと同様に動作し、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S36を実行して自機のリンクファイル記憶部123のリンクファイルを更新し、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C25−a、C25−b)。
一方、削除対象の機器監視装置11−cにおける追加処理部114は、処理S54を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理終了要求信号を送信し(C26)、削除サブプログラムを終了する。既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC19−a、C19−bと同様に動作して、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S34を実行して、リンクファイルサブプログラムを終了する(C27−a、C27−b)。
ところで、上述の削除処理では、削除対象の機器監視装置11のリンクを削除したリンクファイルを機器監視システム1における各機器監視装置11に配信することができるが、削除対象の機器監視装置11が閲覧装置16が複数の機器監視装置11中から一の機器監視装置11にアクセスする場合に最初にアクセスする装置である場合には、閲覧装置16は、アクセス先を失い、機器監視システム1における各機器監視装置11にアクセスすることができず、監視情報を閲覧することができなくなってしまう。削除対象の機器監視装置11におけるIPアドレスを機器監視システム1に残る他の機器監視装置11に振り替える削除処理について説明する。
図11は、IPアドレスを振り替える場合の削除処理部の動作を示すフローチャートである。図11において、削除処理部115は、メイン処理部112によって起動されると、削除サブプログラムを実行し、自機のIPアドレスが、閲覧装置16が最初に直接アクセスするIPアドレスであるか否かを判断する(S61)。
この判断は、例えば、閲覧装置16が複数の機器監視装置11中から一の機器監視装置11にアクセスする場合に最初に使用するIPアドレスや(閲覧装置直接アクセス用IPアドレス)を既定しておき、機器監視装置11は、この閲覧装置直接アクセス用IPアドレスを記憶部102に記憶しておく。そして、処理S61の判断で、自機のIPアドレスがこの記憶部102に記憶されている閲覧装置直接アクセス用IPアドレスと一致しているか否かを判断することによって行うことができる。
判断の結果、閲覧装置16が最初に直接アクセスするIPアドレスではない場合(NO)には、削除処理部115は、後述の処理S63を実行する。一方、判断の結果、閲覧装置16が最初に直接アクセスするIPアドレスである場合(YES)には、削除処理部115は、IPアドレスの交換処理を実行し(S62)、処理S63を実行する。
このIPアドレスの交換処理をより具体的に以下に説明する。例えば、制御部101に機能的にIPアドレスの交換処理を実行するIPアドレス交換処理部(不図示)をさらに設ける。そして、削除対象の機器監視装置11におけるIPアドレス交換処理部は、削除処理部115によって起動され、まず、機器監視システム1内から任意の機器監視装置11を選択する。この選択は、例えば、機器監視情報テーブルから任意に、例えば、ID=1のレコードにおける機器監視装置11を選択するることによって行うことができる。
次に、削除対象の機器監視装置11におけるIPアドレス交換処理部は、選択した機器監視装置11へ、IPアドレスの交換を指示する旨の通信信号(IPアドレス交換要求信号)を送信する。IPアドレス交換要求信号を受信した機器監視装置11におけるIPアドレス交換処理部は、応答信号、例えば、ACK信号を返信する。
この応答信号を受信すると、削除対象の機器監視装置11におけるIPアドレス交換処理部は、自機のIPアドレスを含む通信信号(交換IPアドレス信号)をこの選択した機器監視装置11に送信する。この交換IPアドレス信号を受信した機器監視装置11におけるIPアドレス交換処理部は、自機のIPアドレスを含む通信信号(交換IPアドレス返信信号)を返信し、上位NT通信インタフェース部103及びこれに関連するソフトウェアのインターフェースを停止し、受信した交換IPアドレス信号に収容されているIPアドレスで自機のIPアドレスを書換え、そして、上位NT通信インタフェース部103及びこれに関連するソフトウェアのインターフェースを再起動する。自機のIPアドレスは、通常、例えば、通信を行う上で必要な情報を集めた通信用の設定ファイル等に書き込まれている。
一方、この交換IPアドレス返信信号を受信した削除対象の機器監視装置11におけるIPアドレス交換処理部は、上位NT通信インタフェース部103及びこれに関連するソフトウェアのインターフェースを停止し、受信した交換IPアドレス返信信号に収容されているIPアドレスで自機のIPアドレスを書換え、そして、上位NT通信インタフェース部103及びこれに関連するソフトウェアのインターフェースを再起動する。
このように動作することによって削除対象の機器監視装置11は、機器監視システム1内における任意の機器監視装置11との間でそのIPアドレスを相互に交換する。
次に、処理S63において、削除処理部115は、リンクファイル処理開始要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する。
IPアドレスを交換してしまったので、次に、削除処理部114は、機器監視装置情報要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S64)。この機器監視装置情報要求信号を送信することによって、この信号を受信した機器監視装置11は、自機の機器監視装置情報を機器監視装置情報信号で返信するから、IPアドレス交換後における、機器監視システム1内の既設の他の機器監視装置11からその機器監視装置の機器監視装置情報を収集することができる。
次に、削除処理部115は、所定時間、機器監視システム1における既設の他の機器監視装置11から機器監視装置情報信号の受信待ちを行う(S65)。機器監視装置情報信号の受信待ちが終了すると、削除処理部115は、機器監視装置情報信号を受信したか否かを判断する(S66)。判断の結果、1又は複数の機器監視装置情報信号を受信した場合(YES)には、削除処理部115は、自機の機器監視装置情報を除いて、受信した機器監視装置情報信号に含まれている機器監視装置情報に基づいてリンクファイルを作成する(S67)。これによってIPアドレスの交換後における新たなリンクファイルが作成される。
次に、削除処理部115は、作成したリンクファイルを含むリンクファイル信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S68)。そして、削除処理部115は、リンクファイル処理終了要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信し、この追加サブプログラムを終了して、処理をメイン処理部112に戻す(S69)。一方、処理S66の判断の結果、機器監視装置情報信号を受信していない場合(NO)には、削除処理部115は、処理S69を実行する。
このように動作することによって、削除処理部115は、自機が削除される場合には、IPアドレスを交換して、交換後の他の機器監視装置11における機器監視装置情報のみに基づいてリンクファイルを作成し、これを機器監視システム1に同報通信で送信する。このため、機器監視システム1内における総ての機器監視装置11は、削除される機器監視装置11のリンクを含まない、IPアドレスの交換後の機器監視システム1内における残余の総ての機器監視装置11にリンクを張ったリンクファイルを人手によらず自動的に所有することができる。そして、自機が閲覧装置16から直接アクセスされる機器監視装置11である場合には、機器監視システム1における他の一の機器監視装置11とIPアドレスを交換する。このため、閲覧装置16は、今までのIPアドレスを用いて今までと同様に機器監視装置11にアクセスすることによって、この機器監視装置11から各機器監視装置11にアクセスすることができ、各機器監視装置11が属する下位NT2内における機器12の監視情報を閲覧することができる。
次に、上述したメイン処理部112、リンクファイル処理部113及びIPアドレスの交換を行う削除処理部115の連携動作をより明確にするために、機器監視装置が機器監視システムから削除される場合における各機器監視装置の動作を説明する。
図12は、IPアドレスを振り替えて機器監視装置が機器監視システムから削除される場合における各機器監視装置の動作を示すシーケンス図である。ここで、図1に示す機器監視システム1において、機器監視装置11−cが削除され、IPアドレスの交換が必要であるとする。
図4、図5、図11及び図12において、機器監視システム1から機器監視装置11−cを削除すべく、削除対象の機器監視装置11−cにおけるモード入力部105が削除モードに設定されると、削除対象の機器監視装置11−cにおけるメイン処理部112は、処理S11、処理S12、処理S13及び処理S22を実行し、削除処理部115を起動する。削除対象の機器監視装置11−cにおける削除処理部115は、処理S61を実行してIPアドレスの交換が必要であると判断し(C31)、処理S62を実行してIPアドレスの交換を行う(C32)。図12では、削除対象の機器監視装置11−cは、機器監視装置11−aとIPアドレスの交換を行う場合が示されている。そして、IPアドレス交換後の各機器監視装置11の機器監視装置情報を収集すべく、削除対象の機器監視装置11−cにおける削除処理部115は、処理S63を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理開始要求信号を送信する(C33)。
既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるメイン処理部112は、図8のC12−a、C12−bと同様に、処理S11で通信信号が受信されると処理S12で当該通信信号がリンクファイル処理開始要求信号であると判断され、処理S21を実行し、リンクファイル処理部113を起動する。既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C34−a、C34−b)。
削除対象の機器監視装置11−cにおける削除処理部115は、処理S64を実行して上位NT3に同報通信で機器監視装置情報要求信号を送信し、処理S65で機器監視装置情報信号の受信待ちを行う(C35)。既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC17−a、C17−bと同様に動作し、処理S31及び処理S32を経て処理S35を実行して自機の機器監視装置情報を含む機器監視装置情報信号を返信し、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C26−a、C36−b)。
削除対象の機器監視装置11−cにおける削除処理部115は、処理S65で機器監視装置情報信号が受信されると処理S66で機器監視装置情報信号の受信があったと判断され、処理S67を実行して、自機の機器監視装置情報を用いることなく、受信した機器監視装置情報信号に含まれる機器監視装置情報のみでリンクファイルを作成する(C37)。そして、削除対象の機器監視装置11−cにおける削除処理部115は、処理S48を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル信号を送信する(C38)。
既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC17−a、C17−bと同様に動作し、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S36を実行して自機のリンクファイル記憶部123のリンクファイルを更新し、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C39−a、C39−b)。
一方、削除対象の機器監視装置11−cにおける削除処理部115は、処理S69を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理終了要求信号を送信し(C40)、削除サブプログラムを終了する。既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC19−a、C19−bと同様に動作して、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S34を実行して、リンクファイルサブプログラムを終了する(C41−a、C41−b)。
次に、一時離脱処理部116の動作について説明する。図13は、一時離脱処理部の動作を示すフローチャートである。図13において、一時離脱処理部116は、メイン処理部112によって起動されると、一時離脱サブプログラムを実行し、自機のIPアドレスが、閲覧装置16が直接アクセスするIPアドレス(閲覧装置直接アクセス用IPアドレス)であるか否かを判断する(S71)。
判断の結果、閲覧装置直接アクセス用IPアドレスではない場合(NO)には、一時離脱処理部116は、後述の処理S73を実行する。一方、判断の結果、閲覧装置直接アクセス用IPアドレスである場合(YES)には、一時離脱処理部116は、上述したIPアドレスの交換処理を実行し(S72)、処理S73を実行する。
次に、処理S73において、一時離脱処理部116は、リンクファイル処理開始要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する。
次に、一時離脱処理部116は、自機の機器監視装置11がオフラインである旨を示すようにリンクファイルを作成する(S74)。本実施形態では、下位NT状態を示すフラグを「メンテナンス中」である「3」に書き換える。これによって自機がオフラインとなり一時的に機器監視システム1から離脱していることを示す新たなリンクファイルが作成される。
次に、一時離脱処理部116は、作成したリンクファイルを含むリンクファイル信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S75)。一時離脱処理部116は、リンクファイル処理終了要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信し、この一時離脱サブプログラムを終了して、処理をメイン処理部112に戻す(S76)。
このように動作することによって、一時離脱処理部116は、自機が一時的に機器監視システム1から離脱していることを示すリンクファイルを作成し、これを機器監視システム1に同報通信で送信する。このため、機器監視システム1内における総ての機器監視装置11は、当該機器監視装置11が機器監視システム1から一時的に離脱していることを示すリンクファイルを人手によらず自動的に所有することができる。このため、ユーザは、閲覧措置16を用いて機器監視装置11から取得したウェブページを閲覧することによって、当該機器監視装置11が機器監視システム1から一時的に離脱していることを認識し得る。
次に、上述したメイン処理部112、リンクファイル処理部113及び一時離脱処理部116の連携動作をより明確にするために、機器監視装置が機器監視システムから一時的に離脱される場合における各機器監視装置の動作を説明する。
図14は、機器監視装置が機器監視システムから一時的に離脱される場合における各機器監視装置の動作を示すシーケンス図である。ここで、図1に示す機器監視システム1において、機器監視装置11−cが一時的に離脱されるとし、この一時的に離脱する機器監視装置11−cが閲覧装置16によって直接アクセスされるために、IPアドレスの交換が必要であるとする。
図4、図5、図13及び図14において、機器監視システム1から機器監視装置11−cを一時的に離脱すべく、離脱対象の機器監視装置11−cにおけるモード入力部105が一時離脱モードに設定されると、離脱対象の機器監視装置11−cにおけるメイン処理部112は、処理S11、処理S12、処理S13、処理S14及び処理S23を実行し、一時離脱処理部116を起動する。離脱対象の機器監視装置11−cにおける一時離脱処理部116は、処理S71を実行してIPアドレスの交換が必要であると判断し(C51)、処理S72を実行してIPアドレスの交換を行う(C52)。図14では、削除対象の機器監視装置11−cは、機器監視装置11−aとIPアドレスの交換を行う場合が示されている。そして、離脱対象の機器監視装置11−cにおける一時離脱処理部116は、処理S73を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理開始要求信号を送信する(C53)。
既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるメイン処理部112は、図8のC12−a、C12−bと同様に、処理S11で通信信号が受信されると処理S12で当該通信信号がリンクファイル処理開始要求信号であると判断され、処理S21を実行し、リンクファイル処理部113を起動する。既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C54−a、C54−b)。
離脱対象の機器監視装置11−cにおける一時離脱処理部116は、処理S74を実行して、自機の機器監視装置11−cの下位NT状態のフラグを「3」に変え、下位NT状態が「メンテナンス中」に書き換えたリンクファイルを作成する(C55)。そして、離脱対象の機器監視装置11−cにおける一時離脱処理部116は、処理S75を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル信号を送信する(C56)。
既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC17−a、C17−bと同様に動作し、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S36を実行して自機のリンクファイル記憶部123のリンクファイルを更新し、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C57−a、C57−b)。
一方、離脱対象の機器監視装置11−cにおける一時離脱処理部116は、処理S76を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理終了要求信号を送信し(C58)、一時離脱サブプログラムを終了する。既設の機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC19−a、C19−bと同様に動作して、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S34を実行して、リンクファイルサブプログラムを終了する(C59−a、C59−b)。
次に、一時離脱復帰処理部117の動作について説明する。図15は、一時離脱復帰処理部の動作を示すフローチャートである。図15において、一時離脱処復帰理部117は、メイン処理部112によって起動されると、一時離脱復帰サブプログラムを実行し、リンクファイル処理開始要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S81)。次に、一時離脱処理部116は、自機の機器監視装置11がオンラインに為され正常に稼動している旨を示すようにリンクファイルを作成する(S82)。本実施形態では、下位NT状態を示すフラグを「1」に変え、下位NT状態を「正常稼動」に書き換える。これによって自機がオンラインとなり正常稼動で機器監視システム1に復帰していることを示す新たなリンクファイルが作成される。
次に、一時離脱復帰処理部117は、作成したリンクファイルを含むリンクファイル信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S83)。そして、一時離脱復帰処理部117は、リンクファイル処理終了要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信し、この一時離脱復帰サブプログラムを終了して、処理をメイン処理部112に戻す(S84)。
このように動作することによって、一時離脱復帰処理部117は、自機が一時的な離脱から正常稼動状態で復帰したことを示すリンクファイルを作成し、これを機器監視システム1に同報通信で送信する。このため、機器監視システム1内における総ての機器監視装置11は、当該機器監視装置11が機器監視システム1に正常稼動していることを示すリンクファイルを人手によらず自動的に所有することができる。このため、ユーザは、閲覧措置16を用いて機器監視装置11から取得したウェブページを閲覧することによって、一時的に離脱していた当該機器監視装置11が機器監視システム1に正常稼動で復帰していることを認識することができる。
ここで、上述したメイン処理部112、リンクファイル処理部113及び一時離脱復帰処理部117の連携動作は、C55で復帰を示すリンクファイルを作成することを除き、図14を用いて説明したC53乃至C59と同様であるので、その説明を省略する。
次に、状態確認処理部118の動作について説明する。図16は、状態確認処理部の動作を示すフローチャートである。図16において、状態確認処理部118は、メイン処理部112によって起動されると、状態確認サブプログラムを実行し、他の機器監視装置11の状態を確認する通信信号(状態確認信号)を送信してその応答によって、機器監視システム1内の他の機器監視装置11が異常であるか否かの確認を行う(S91)。この状態確認信号は、例えば、ping(ピング)である。ピングは、例えば、ICMPのエコーメッセージが利用され、このエコーメッセージを受信した他の機器監視装置11がエコー要求に応じて応答メッセージを返信する。ここで、処理S18は、主プログラム中で必ず行われる処理であるから、この他の機器監視装置11の異常の確認は、定期的に実行されることになる。
状態確認処理部118は、他の機器監視装置11の異常確認の結果を判断する(S92)。判断の結果、他の機器監視装置11が異常である場合(YES)には、状態確認処理部118は、リンクファイル処理開始要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S93)。次に、状態確認処理部118は、異常と判断された機器監視装置11が異常である旨を示すようにリンクファイルを作成し(S93)、後述の処理S95を実行する。本実施形態では、下位NT状態を示すフラグを「4」に変え、下位NT状態を「異常状態」に書き換える。これによって機器監視装置11が異常であることを示す新たなリンクファイルが作成される。なお、当該異常状態と判断された機器監視装置11と通信を行うことができないという意味で、異常状態とメンテナンス中と特に区別する必要がない場合には、異常状態をメンテナンス中で代用してもよい。
一方、処理S92の判断の結果、他の機器監視装置11が異常ではない場合(NO)には、状態確認処理部118は、復旧した機器監視装置11があるか否かを判断する(S97)。この判断は、例えば、他の機器監視装置11の異常確認の結果と、リンクファイル記憶部123に記憶されているリンクファイルの下位NT状態とを比較することによって行うことができる。即ち、リンクファイル記憶部123に記憶されているリンクファイルの下位NT状態のフラグが「異常状態」を示す「4」であって、処理S91で実行した状態確認の結果が正常状態と判断される場合には、復旧と判断される。次に、状態確認処理部118は、リンクファイル処理開始要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S98)。次に、状態確認処理部118は、復旧と判断された機器監視装置11が正常稼動である旨を示すようにリンクファイルを作成し(S99)、処理S95を実行する。本実施形態では、下位NT状態を示すフラグを「1」に変え、下位NT状態を「正常稼動」に書き換える。これによって機器監視装置11が正常稼動に復旧したことを示す新たなリンクファイルが作成される。
処理S95において、状態確認処理部118は、作成したリンクファイルを含むリンクファイル信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する。そして、状態確認処理部118は、リンクファイル処理終了要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信し、この状態確認サブプログラムを終了して、処理をメイン処理部112に戻す(S96)。
このように動作することによって、状態確認処理部118は、機器監視システム1内の他の機器監視装置11の異常状態を調査することができ、その調査結果に応じたリンクファイルを作成し、これを機器監視システム1に同報通信で送信する。このため、機器監視システム1内における総ての機器監視装置11は、機器監視装置11の異常状態や異常状態からの復旧を示すリンクファイルを自動的に所有することができる。このため、ユーザは、閲覧措置16を用いて機器監視装置11から取得したウェブページを閲覧することによって、略リアルタイムで各機器監視装置11の異常状態又は正常稼動の別を認識し得る。
次に、上述したメイン処理部112、リンクファイル処理部113及び状態確認処理部118の連携動作をより明確にするために、機器監視システム1内の機器監視装置11に異常が生じた場合における各機器監視装置の動作を説明する。
図17は、機器監視装置が他の機器監視装置の異常を検出する場合における各機器監視装置の動作を示すシーケンス図である。ここで、図1に示す機器監視システム1において、機器監視装置11−bに異常が生じ、この異常を機器監視装置11−cが検出するものとする。また、その後、機器監視装置11−bの異常が解消し、これを機器監視装置11−cが検出するものとする。
図4、図5、図16及び図17において、メイン処理部112によって起動されると、機器監視装置11−cにおける状態確認処理部118は、処理S91を実行して状態確認信号を送信することによって他の機器監視装置11−a、11−bの異常確認を実行する。この例では、機器監視装置11−aからは返信(応答)があるが、機器監視装置11−bは、異常状態であるので、機器監視装置11−bからは返信(応答)がない(C61)。そのため、状態確認処理部118は、処理S92で異常と判断され、処理S92を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理開始要求信号を送信する(C62)。
既設の機器監視装置11−aにおけるメイン処理部112は、図8のC12−a、C12−bと同様に、処理S11で通信信号が受信されると処理S12で当該通信信号がリンクファイル処理開始要求信号であると判断され、処理S21を実行し、リンクファイル処理部113を起動する。機器監視装置11−aにおけるリンクファイル処理部113は、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C63−a)。一方、既設の機器監視装置11−bは、異常状態であるので、機器監視装置11−bでは、リンクファイル処理開始要求信号に応じた処理は、行われない。
機器監視装置11−cにおける状態確認処理部118は、処理S94を実行して、異常状態であると判断した機器監視装置11−bの下位NT状態のフラグを「4」に変え、下位NT状態を「異常状態」に書き換えたリンクファイルを作成する(C64)。そして、機器監視装置11−cにおける状態確認処理部118は、処理S95を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル信号を送信する(C65)。
機器監視装置11−aにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC17−a、C17−bと同様に動作し、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S36を実行して自機のリンクファイル記憶部123のリンクファイルを更新し、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C66−a)。一方、機器監視装置11−bは、異常状態であるので、機器監視装置11−bでは、リンクファイル信号に応じた処理は、行われない。
一方、機器監視装置11−cにおける状態確認処理部118は、処理S96を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理終了要求信号を送信し(C67)、状態確認サブプログラムを終了する。機器監視装置11−aにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC19−a、C19−bと同様に動作して、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S34を実行して、リンクファイルサブプログラムを終了する(C68−a)。一方、機器監視装置11−bは、異常状態であるので、機器監視装置11−bでは、リンクファイル処理終了要求信号に応じた処理は、行われない。
そして、機器監視装置11−cのメイン処理部112は、主プログラムを実行して処理S11、処理S12、処理S13、処理S14、処理S15、処理S16及び処理S18が実行され、状態確認処理部118を起動する。
メイン処理部112によって起動されると、機器監視装置11−cにおける状態確認処理部118は、処理S91を実行して状態確認信号を送信することによって他の機器監視装置11−a、11−bの異常確認を実行する。ここで、異常であった機器監視装置11−bが復旧し、正常状態になっているので、機器監視装置11−a及び機器監視装置11−bから返信(応答)される(C71)。そのため、状態確認処理部118は、処理S92で異常が発見されないと判断し、処理S97を実行して異常状態から復旧した他の機器監視装置11−a、11−bがあるか否かを判断する(C72)。
ここで、機器監視装置11−bが異常状態から復旧したと判断され、状態確認処理部118は、処理S98を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理開始要求信号を送信する(C73)。
機器監視装置11−bは、復旧したので、機器監視装置11−a、11−bにおけるメイン処理部112は、図8のC12−a、C12−bと同様に、処理S11で通信信号が受信されると処理S12で当該通信信号がリンクファイル処理開始要求信号であると判断され、処理S21を実行し、リンクファイル処理部113を起動する。機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C74−a、C74−b)。
機器監視装置11−cにおける状態確認処理部118は、処理S99を実行して、異常状態であると判断した機器監視装置11−bの下位NT状態のフラグ「1」に変え、下位NT状態を「正常稼動」に書き換えたリンクファイルを作成する(C75)。そして、機器監視装置11−cにおける状態確認処理部118は、処理S95を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル信号を送信する(C76)。
機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC17−a、C17−bと同様に動作し、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S36を実行して自機のリンクファイル記憶部123のリンクファイルを更新し、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C77−a、C77−b)。
一方、機器監視装置11−cにおける状態確認処理部118は、処理S96を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理終了要求信号を送信し(C78)、状態確認サブプログラムを終了する。機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC19−a、C19−bと同様に動作して、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S34を実行して、リンクファイルサブプログラムを終了する(C79−a、C79−b)。
次に、イベント処理部119の動作について説明する。図18は、イベント処理部の動作を示すフローチャートである。図18において、イベント処理部119は、メイン処理部112によって起動されると、イベントサブプログラムを実行し、当該機器監視装置11が属する下位NT2内における機器12からイベントの発報があった否かを判断する(S101)。機器12は、通常、機器監視装置11から要求があってから監視情報を機器監視装置11に返信するものであるが、このイベントは、機器監視装置11からの要求がなくても機器12が自ら機器監視装置11に通知する監視情報である。例えば、機器12がセンサである場合では、検知対象を検知したことがイベントである。また例えば、機器12が空調装置である場合では、その故障や通常の稼動状態ではあり得ない状態(例えば、異常高温や過電流等)がイベントである。
判断の結果、機器12からイベントの発報があった場合(YES)には、イベント処理部119は、リンクファイル処理開始要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S102)。次に、イベント処理部119は、当該機器監視装置11にイベントが発報された旨を示すようにリンクファイルを作成し(S103)、後述の処理S104を実行する。本実施形態では、下位NT状態を示すフラグを「2」に変え、下位NT状態を「警報状態」に書き換える。これによって当該機器監視装置11が属する下位NT2内における機器12からイベントが発報されたことを示す新たなリンクファイルが作成される。
一方、処理S101の判断の結果、機器12からイベントの発報が無い場合(NO)には、イベント処理部119は、イベントの発報から復旧した機器12があるか否かを判断する(S106)。この判断は、例えば、イベントの発報確認の結果と、リンクファイル記憶部123に記憶されているリンクファイルの当該機器監視装置11の下位NT状態とを比較することによって行うことができる。即ち、リンクファイル記憶部123に記憶されているリンクファイルの下位NT状態のフラグが「警報状態」を示す「2」であって、処理S101で実行したイベントの発報確認の結果がイベントの発報が無いと判断される場合には、復旧と判断される。次に、イベント処理部119は、リンクファイル処理開始要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する(S107)。次に、イベント処理部119は、当該機器監視装置11が正常稼動である旨を示すようにリンクファイルを作成し(S108)、処理S104を実行する。本実施形態では、下位NT状態を示すフラグを「1」に変え、下位NT状態を「正常稼動」に書き換える。これによって機器監視装置11が正常稼動に復旧したことを示す新たなリンクファイルが作成される。
処理S104において、イベント処理部119は、作成したリンクファイルを含むリンクファイル信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信で送信する。そして、イベント処理部119は、リンクファイル処理終了要求信号を機器監視システム1の上位NT3に同報通信し、このイベントサブプログラムを終了して、処理をメイン処理部112に戻す(S105)。
このように動作することによって、イベント処理部119は、当該機器監視装置11が属する下位NT2内の機器12におけるイベントの発報を調査することができ、その調査結果に応じたリンクファイルを作成し、これを機器監視システム1に同報通信で送信する。このため、機器監視システム1内における総ての機器監視装置11は、当該機器監視装置11が属する下位NT2内の機器12からイベントの発報があったことを示すリンクファイルを自動的に所有することができる。このため、ユーザは、閲覧措置16を用いて機器監視装置11から取得したウェブページを閲覧することによって、略リアルタイムで各機器12のイベントの発報を認識することができる。
次に、上述したメイン処理部112、リンクファイル処理部113及びイベント処理部119の連携動作をより明確にするために、機器監視装置11が属する下位NT2内の機器12からイベントが発報された場合における各機器監視装置の動作を説明する。
図19は、機器監視装置が属する下位NT2内の機器12からイベントが発報された場合における各機器監視装置の動作を示すシーケンス図である。ここで、図1に示す機器監視システム1において、機器監視装置11−cが属する下位NT2内における機器12からイベントが発報されたものとする。
図4、図5、図18及び図19において、メイン処理部112によって起動されると、機器監視装置11−cにおけるイベント処理部119は、処理S101を実行して下位NT2内における機器12からイベントの発報があった否かを判断し、判断の結果、イベントの発報があったと判断する(C81)。そのため、機器監視装置11−cにおけるイベント処理部119は、処理S102を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイルし処理開始要求信号を送信する(C82)。
機器監視装置11−a、11−bにおけるメイン処理部112は、図8のC12−a、C12−bと同様に、処理S11で通信信号が受信されると処理S12で当該通信信号がリンクファイル処理開始要求信号であると判断され、処理S21を実行し、リンクファイル処理部113を起動する。機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C83−a、C83−b)。
続いて、イベント処理部119は、処理S103を実行して、自機の機器監視装置11−cの下位NT状態のフラグを「2」に変え、下位NT状態を「警報状態」に書き換えたリンクファイルを作成する(C84)。そして、機器監視装置11−cにおける状態確認処理部118は、処理S95を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル信号を送信する(C85)。
機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC17−a、C17−bと同様に動作し、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S36を実行して自機のリンクファイル記憶部123のリンクファイルを更新し、処理S31を実行して通信信号の受信を待つ(C86−a、C86−b)。
機器監視装置11−cにおける状態確認処理部118は、処理S105を実行して上位NT3に同報通信でリンクファイル処理終了要求信号を送信し(C87)、イベントサブプログラムを終了する。機器監視装置11−a、11−bにおけるリンクファイル処理部113は、図8のC19−a、C19−bと同様に動作して、処理S31、処理S32及び処理S33を経て処理S34を実行して、リンクファイルサブプログラムを終了する(C88−a、C88−b)。
イベントを発報した機器12がイベントから復旧した場合は、上述のC81で処理S101を実行する代わりに、処理S101でイベントの発報がないと判断して処理S106を実行して復旧したと判断する点を除き、上述のシーケンスを略同様であるので、その説明を省略する。