JP2006032432A - 有機物の除去方法及び有機物除去装置 - Google Patents

有機物の除去方法及び有機物除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 極めて容易かつ安全に、基板表面に付着した有機物、とりわけレジストを高効
率に除去することができる有機物の除去方法及び該有機物の除去方法を実施するための有
機物除去装置を提供する。
【解決手段】 オゾン溶液を基板に供給し、基板表面に付着した有機物を除去する方法で
あって、前記オゾン溶液は、γ−ブチルラクトン、エチレングリコールジアセタート及び
ジアセチンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤にオゾンを溶解したもの
である有機物の除去方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板表面に付着した有機物、とりわけレジストを高効率に除去することができ
る有機物の除去方法及び有機物除去装置に関する。
半導体用ウエハや液晶用基板等の電子デバイス用基板の製造においては、レジストの除去
や、油膜、塗膜等の一般的な有機被膜の除去等、基板の表面に付着した有機物の除去工程
が不可欠である。なかでも、レジストの除去は、電子デバイス用基板の製造全体において
も極めて重要な工程である。
例えば、シリコン基板上やガリウム砒素基板等の化合物基板上に回路を形成する場合、液
晶基板上に色相の異なる複数の着色画素をパターン状に形成する場合、又は、これらに形
成すべき回路パターン等に対応したマスクパターンを有するマスク基板を製造する場合に
は、フォトリソグラフィー工程が必須の工程となる。シリコン基板上に回路を形成する場
合は、シリコンウエハ上にレジストを塗布し、通常のフォトプロセスにてレジストパター
ンからなる画像を形成し、これをマスクとしてエッチングした後、不要となったレジスト
を除去して回路を形成し、次の回路を形成するために、再度レジストを塗布して、画像形
成−エッチング−レジストの除去というサイクルを繰り返し行う。
不要となったレジストを除去するレジスト除去工程では、従来、アッシャー(灰化手段)
や、硫酸や過酸化水素等を用いたRCA洗浄法が用いられていた。しかし、レジストの除
去にアッシャーを用いると、無機系の不純物を除去することはできない。また、溶剤や薬
品を用いてレジスト除去を行う場合は、十数バッチごとに新たな薬液に交換しなければな
らないことから、大量の薬液が必要とされ薬液コストがかさむとともに、大量の廃液が生
じ、廃液処理の際にもコスト面及び環境面の両面で大きな不利益があった。
一方、オゾンガスを水に溶解して得られるオゾン水は、オゾンの持つ強い酸化力により殺
菌・脱臭・漂白等に優れた効果を発揮し、しかもオゾンガスは時間とともに無害な酸素(
気体)に自己分解して残留性がないことから、環境にやさしい殺菌・洗浄・漂白剤等とし
て注目されている。近年、環境への関心が高まる中、上述のレジスト除去方法に代わる方
法として、オゾン水を用いたレジスト除去プロセスが注目されている。
しかし、常温常圧下ではオゾンは水に50ppm程度の濃度にしか溶解することができず
、この濃度のオゾン水ではレジスト除去に長時間を要することから、工業的に応用するこ
とは困難であった。
これに対して、特許文献1には、表面に有機被膜を有する基体に、50〜200℃に加熱
した液状の炭酸エチレン、炭酸プロピレン又は炭酸エチレンと炭酸プロピレンとの液状混
合物からなる処理液を接触させて、有機被膜を除去する有機被膜の除去方法が開示されて
いる。また、特許文献2には、表面にオゾン分解性有機被膜を有する基体に、オゾンガス
を溶解させた処理液を接触させて前記有機被膜を除去する方法において、前記処理液が、
(a)前記有機被膜を溶解することができ、かつ、オゾンによって分解され難い有機物質
と、(b)気体中のオゾンとの分配係数が室温で0.6以上であり、かつ、オゾンによっ
て分解され難い1種又は複数種混合の有機溶剤との溶液である有機被膜の除去方法が開示
されており、具体的には、(a)として炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の炭酸アルキレ
ン;酢酸ブチル等の酢酸エステル;tert−ブチルアルコール;酢酸、プロピオン酸、
酪酸等の脂肪酸が挙げられており、(b)として脂肪酸及びハイドロフルオロエーテルが
挙げられている。更に、特許文献3には、表面に有機被膜を有する基体に、液状の炭酸エ
チレン、炭酸プロピレン又は炭酸エチレンと炭酸プロピレンとの液状混合物からなる処理
液を接触させて有機被膜を除去した後、該除去処理後の処理液中に移行した有機被膜構成
物質をオゾンによって低分子量物質に分解することにより、該オゾン処理後の処理液を別
の基体を処理するための処理液として再生し循環使用することをする有機被膜の除去方法
が開示されている。
特許文献1〜3に記載された技術は、基板の表面の有機物(とりわけレジスト)を、該有
機物の溶解性に優れた有機溶剤とオゾンとを併用することにより高い効率で除去するとい
うものである。ここでオゾンとの反応性の低い有機溶剤を用いることにより、安定して処
理を実現できるとともに、除去した有機物が有機溶剤中でもオゾンにより分解されていく
ことから、処理液を循環させて用いることができるという効果も記載されている。しかし
ながら、実際には、これらの特許文献に有機溶剤として挙げられている炭酸エチレン、炭
酸プロピレン等の炭酸アルキレンやtert−ブチルアルコールは、常温で固体であるこ
とから処理液としては極めて取り扱いにくいという問題点があった。また、炭酸アルキレ
ンは、レジストの構成材料であるフェノールやレジストのオゾンによる分解物であるR−
COOHと反応して消費されてしまうことから、循環して再利用することが困難であった
。また、酢酸を用いた場合には、基板自体と反応して侵してしまうことがあるという問題
もあった。更に、これらの有機溶剤の多くは消防法上の引火性液体に分類されていること
から、装置に防爆処理を施さねばならない等の種々の制約があった。なお、炭酸アルキレ
ンは、常温で固体であることから消防法上は引火性液体とはされていないが、有機物の除
去のためには40℃以上の温度にして液状で用いる必要あり、このような条件下では引火
性を有する。
特開2003−203856号公報 特開2003−282518号公報 特開2003−330206号公報
本発明は、上記現状に鑑み、基板表面に付着した有機物、とりわけレジストを高効率に除
去することができる有機物の除去方法及び有機物除去装置を提供することを目的とする。
本発明は、オゾン溶液を基板に供給し、基板表面に付着した有機物を除去する方法であっ
て、前記オゾン溶液は、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセタート及びジア
セチンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤にオゾンを溶解したものであ
る有機物の除去方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の有機物の除去方法では、オゾン溶液を基板に供給し、基板表面に付着した有機物
を除去する。
上記オゾン溶液は、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセタート及びジアセチ
ンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤にオゾンを溶解したものである。
これらの有機溶剤は、有機物、とりわけレジストの溶解性に優れることに加え、オゾンと
の反応性が極めて低く、オゾンを溶解させても分解したり変性してしまったりすることが
ないことから、安定した処理を行うことができる。また、常温常圧において液体状である
ことから、処理液として極めて取扱いが容易である。また、レジストの構成材料であるフ
ェノールやR−COOHと反応して消費されることがないことから、容易に循環して再利
用することができる。また、水への溶解性に優れることから、乾燥工程等を経ることなく
水洗工程等を併用することができる。更に、消防法上も第3石油類に分類されていること
から、危険性が少なく装置に防爆処理等を施すことも不要である。なかでも、レジストの
溶解性に優れることからγ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセタートがより好
適であり、γ−ブチロラクトンが更に好適である。
これらの有機溶剤と、従来から有機物の除去処理に用いられていた各種の有機溶剤との比
較を表1に示した。
Figure 2006032432
上記オゾンは、上記有機溶剤と併用することにより極めて高い有機物、とりわけレジスト
の除去能力を発現するものである。また、いったん基板上から剥離した上記オゾン溶液中
に分散した有機物を完全に分解することから、オゾン溶液を循環して繰り返し用いること
を可能にする。
上記オゾン溶液中におけるオゾン濃度は1ppm以上であることが好ましい。1ppm未
満であると、充分な有機物の除去性能が発現せず、また、オゾン溶液中に分散した有機物
を充分に分解できずにオゾン溶液を循環して繰り返し用いることができないことがある。
より好ましくは30ppm以上である。オゾン濃度の上限については特に限定はないが、
実質的には60ppm程度が上限である。
なお、オゾン溶液中のオゾン濃度は、有機物の分解により逐次消費されることから正確に
測定することは困難である。また、オゾン溶解モジュール等と組み合わせて循環させるこ
とにより逐次オゾンを溶解させるようにすれば、特に上述のオゾン濃度には限定されない
上記オゾン溶液は、本発明の目的を阻害せず、また、オゾンと反応性が低いものであれば
、必要に応じてシュウ酸ジメチル等の非危険物と併用して用いてもよい。
上記オゾン溶液を調製する方法としては特に限定されないが、例えば、非多孔性膜からな
るガス透過膜を収容したオゾン溶解モジュール等のオゾン溶解装置を用いることが好まし
い。本明細書において、上記非多孔性膜とは、気体を透過させるが液体は透過させない膜
を意味する。このようなオゾン溶解モジュールを用いれば、オゾン分子はガス透過膜を構
成する樹脂の分子鎖間を透過し、有機酸水溶液中に拡散するが、ガス透過膜が目詰まりし
たり、レジスト除去効率を低下させる泡が混入したりすることはない。更に、いったんレ
ジスト除去に用いたオゾン溶液を循環して用いることもでき、容易に効率よく高オゾン濃
度のオゾン溶液を得ることができる。
本発明の有機物の除去方法において上記オゾン溶液を基板に供給し、基板表面に付着した
有機物を除去する具体的な方法については特に限定されず、有機物の種類や厚さによって
適宜選択できる。具体的には、例えば、基板の処理面にオゾン溶液を噴射する手段を有す
る有機物除去装置を用いる方法等が挙げられる。
上記処理面にオゾン溶液を噴射する手段としては特に限定されず、従来公知のノズル等を
用いることができるが、なかでも、棒流状ノズルを用いることが好ましい。これにより、
更に高い効率で有機物を除去することができる。
本明細書において、上記棒流状ノズルとは、ノズルより噴射されたオゾン溶液をノズルの
内径を大きく超えて広がることなく、ノズル内径と略同径の棒流として基板の処理面に到
達させることのできるノズルを意味する。
上記棒流状ノズルの噴射角、即ちノズルより噴射されたオゾン溶液の広がり角度の好まし
い上限は10°、より好ましい上限は5°である。更に好ましくは、ノズルより噴射され
た直後と基板の処理面に到達した時の噴射方向に対して垂直方向のオゾン溶液の断面形状
がほぼ相似であり、基板の処理面の到達点での噴射方向に対して垂直方向のオゾン溶液の
断面積がノズルの開口面積の120%以内である。このような棒流状ノズルは、管状の部
材にドリルやレーザー等を用いて穴あけ加工を行ったり、中空糸をノズルとして用いたり
することにより得ることができる。
上記ノズルは、処理に供する基板の略全表面に対してオゾン溶液を噴射できるように配置
されていることが好ましい。このようにオゾン溶液を噴射することにより、基板の全表面
のレジストを均一に効率よく除去することができる。
本発明の有機物の除去方法では、オゾン溶液を循環して再利用することができる。これよ
り、例えば、図1に示したような有機物除去装置を用いれば、極めて高い効率で基板上の
有機物(とりわけレジスト)の除去を行うことができる。
図1に示した有機物除去装置1は、オゾン溶解モジュール2と処理槽3とこれらをつなぐ
オゾン溶液の循環路8とを備える。
処理槽3は、基板5が載置されるとともにこの基板5を回転させる支持台31と、基板5
の表面にオゾン溶液を噴射するノズル4と、支持台31及びノズル4を収容するとともに
噴射され溢れたオゾン溶液を受ける容器32とからなる。なお、容器32は、密閉容器で
あっても開放容器であってもよい。また、容器32は、板状基板(例えば、ガスス基板)
のウエット処理装置のような比較的浅い容器であっても、搬送ローラが組み込まれた容器
であってもよい。
オゾン溶解モジュール2は、モジュール本体20とオゾン溶液(又は有機溶剤)流入口2
1、オゾン溶液流出口22、及び、オゾンガス供給口23、オゾンガス排出口24とから
なる。オゾンガス供給口23には、オゾンガス供給装置9が接続されモジュール本体内に
おいてオゾン溶液にオゾンを供給し、利用されなかったオゾンはオゾンガス排出口24か
ら排出される。
循環路8は、オゾン溶解モジュール2から処理槽3へと向かう第1路と、処理槽3からオ
ゾン溶解モジュール2へと向かう第2路とから構成される。第1路81の一端は、処理槽
3の容器32の下部に接続され、他端はオゾン溶解モジール2のオゾン溶液供給口21に
接続されている。第2路82の一端は、オゾン溶解モジール2のオゾン溶液流出口22に
接続され、他端は処理槽3のノズル4に接続されている。また、第1路81には、三方弁
7とオゾン溶液を循環させるためのポンプ6とが設けられている。この三方弁7の一つの
弁には、有機溶剤を供給するための配管が接続されている。
有機物除去装置1の起動時には、三方弁7より有機溶剤を供給しオゾン溶解モジュール2
でオゾン溶液を生成し、処理槽3のノズル4へ供給する。処理槽3の容器32内に所定量
のオゾン溶液が溜まったとき、三方弁7を切り替え、オゾン溶液が循環するようにする。
オゾン溶解モジュール2では、消費されたオゾンを補うようにオゾンがオゾン溶液に溶解
される。
図1に示したような有機物除去装置では、オゾン溶液により基板の表面の有機物(レジス
ト)を除去することができる。オゾン溶液中においては、循環中にオゾンの作用により有
機物(レジスト)が分解されていく。更に、上述のようにオゾン溶液を構成する有機溶剤
はオゾンや有機物(レジスト)、基板とは反応しないことから、ほとんど消費されること
もない。
γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセタート及びジアセチンからなる群より選
択される少なくとも1種の有機溶剤にオゾンを溶解したオゾン溶液を基板の表面に供給す
る手段を有する処理槽、オゾン溶解装置、並びに、前記オゾン溶液を前記処理槽とオゾン
溶解装置の間を循環させる手段を有する有機物除去装置もまた、本発明の1つである。
本発明の有機物の除去方法によれば、基板の表面に付着した有機物、とりわけレジストを
高効率に除去することができる。なかでも、ノボラック型レジストの除去に特に有効であ
る。
なお、ノボラック型レジストとは、ノボラック樹脂を主成分とし、更にオルトジアゾキノ
ン等の感光剤等を含有するものであり、光照射によりアルカリ溶液への溶解性を変化させ
ることができる。ノボラック型レジストは、現在、ガラス基板、化合物基板、シリコン基
板等のほとんどの基板に多用されているものである。
本発明によれば、基板表面に付着した有機物、とりわけレジストを高効率に除去すること
ができる有機物の除去方法及び有機物除去装置を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1)
処理サンプルとして4インチ径のシリコンウエハにスピンコーターを用いてレジスト液(
富士フィルムアーチ社製、HPR−204LT)を約1μmの厚さとなるように塗布した
内径15cm×長さ20cmの円柱形を有する外套内に、パーフルオロアルコキシ樹脂か
らなる内径0.5mm×厚さ0.04mm×長さ350cmの中空管状のオゾンガス透過
膜400本収容されたオゾン溶解モジュールを含むシステムを用いてγ−ブチロラクトン
(和光純薬製、和光特級)にオゾンを溶解した。得られたオゾン溶液中のオゾン濃度は4
0ppmであった。
得られたオゾン溶液を400mL/分の流量で15秒間処理サンプルの表面に供給し、表
面のレジスト除去を行った後、純水を用いて処理サンプルの表面を充分に洗浄し、窒素ガ
スで乾燥した。
処理サンプルの表面のレジスト除去状態を目視により確認したところ、レジストは完全に
除去されており、溶剤の残留も全く認められなかった。
(実施例2)
有機溶剤としてエチレングリコールジアセタート(東京化成工業、化学用)を用いた以外
は実施例1と同様の方法によりオゾン溶液を調製した。得られたオゾン溶液中のオゾン濃
度は42ppmであった。
得られたオゾン溶液を400mL/分の流量で15秒間処理サンプルの表面に供給し、表
面のレジスト除去を行った後、純水を用いて処理サンプルの表面を充分に洗浄し、窒素ガ
スで乾燥した。
処理サンプルの表面のレジスト除去状態を目視により確認したところ、レジストは完全に
除去されており、溶剤の残留も全く認められなかった。
(実施例3)
有機溶剤としてジアセチン(東京化成工業、化学用)を用いた以外は実施例1と同様の方
法によりオゾン溶液を調製した。得られたオゾン溶液中のオゾン濃度は38ppmであっ
た。
得られたオゾン溶液を400mL/分の流量で15秒間処理サンプルの表面に供給し、表
面のレジスト除去を行った後、純水を用いて処理サンプルの表面を充分に洗浄し、窒素ガ
スで乾燥した。
処理サンプルの表面のレジスト除去状態を目視により確認したところ、レジストは完全に
除去されており、溶剤の残留も全く認められなかった。
(比較例1)
γ−ブチロラクトン(和光純薬製、和光特級)を400mL/分の流量で90秒間処理サ
ンプルの表面に供給し、表面のレジスト除去を行った後、純水を用いて処理サンプルの表
面を充分に洗浄し、窒素ガスで乾燥した。
処理サンプルの表面のレジスト除去状態を目視により確認したところ、若干のレジストの
残存が認められた。
(比較例2)
有機溶剤として炭酸エチレン(和光純薬製、和光特級)を用いた以外は実施例1と同様の
方法によりオゾン溶液を調製した。ただし、炭酸エチレンが固化しないように系全体を4
0℃に保った。得られたオゾン溶液中のオゾン濃度は35ppmであった。
得られたオゾン溶液を40℃に保温し、400mL/分の流量で15秒間処理サンプルの
表面に供給し、表面のレジスト除去を行った後、純水を用いて処理サンプルの表面を充分
に洗浄し、窒素ガスで乾燥した。
処理サンプルの表面のレジスト除去状態を目視により確認したところ、レジストは完全に
除去されていたものの、炭酸エチレンと思われる残留物が認められ、これを除くためには
更にエタノールで洗浄する必要があった。
(実施例4)
図2に示したオゾン溶液循環装置100を作製した。図2に示したオゾン循環装置100
は、オゾン溶解モジュール2とタンク110とからなり、ポンプ6によりオゾン溶解モジ
ュール2とタンク110との間にオゾン溶液を循させ、オゾン溶液にオゾンを供給できる
ようになっている。また、オゾン溶液の循環路中には三方弁120が設けられており、循
環しているオゾン溶液の一部を採取できるようになっている。なお、オゾン溶解モジュー
ル2としては、内径15cm×長さ20cmの円柱形を有する外套内に、パーフルオロア
ルコキシ樹脂からなる内径0.5mm×厚さ0.04mm×長さ350cmの中空管状の
オゾンガス透過膜が400本収容されたものを用いた。
γ−ブチロラクトン(和光純薬製、和光特級)1000mLにポジ型レジスト液(富士フ
ィルムアーチ社製、HPR−204LT)0.05gを加えて溶解して試験液を調製し、
オゾン溶液循環装置1に入れ、ポンプ流量400mL/分の速度で循環させながらオゾン
を溶解した。
循環開始より2、10、20、40及び60分後に試験液の一部を採取し、試験液中に含
まれるレジストの重量平均分子量の変化を測定した。
重量平均分子量の変化は、ゲル浸透クロマトグラフを用い、波長300nm及び500n
mで測定することにより求めた。即ち、レジストの主成分であるフェノールノボラックは
その構造内にフェノール基を持っていることから、芳香族物質の吸収帯で波長300nm
による測定によりレジストの分子量を測定することができる。また、波長500nmはノ
ボラック樹脂が持つ赤色の吸収帯である。
処理時間とレジストの分子量の変化を示すグラフを図3に示した。
図3の300nm波長による重量平均分子量の変化より、処理開始10分後には重量平均
分子量の低下は安定化することがわかった。すなわち、レジストを溶解したオゾン溶液中
では、時間とともにオゾンによるレジストの分解が進行するものと思われる。なお、50
0nmの赤い色自体は10分後にはオゾンに漂白されてなくなったため、10分以降の測
定値は得られなかった。
(試験例1)
25℃に調整したγ−ブチロラクトン(和光純薬製、和光特級)、エチレングリコールジ
アセタート(東京化成工業、化学用)、ジアセチン(東京化成工業、化学用)、及び、炭
酸エチレン(和光純薬製、和光特級)100mLにノボラック樹脂(旭有機材工業製、E
P6080G)30gを加え、液温を保持しながらマグネチックスターラーで5分間攪拌
した後、溶け残ったノボラック樹脂を乾燥してその重量を測定することにより、各有機溶
媒に溶解したノボラック樹脂の溶解量を求めた。50℃及び75℃においても同様の試験
を行った。
結果を表2に示した。
Figure 2006032432
表2より、いずれの有機溶剤もノボラック樹脂を溶解できることがわかった。更に、γ−
ブチロラクトンとエチレングリコールジアセタート、とりわけγ−ブチロラクトンは、炭
酸エチレンと比較して極めて高いノボラック樹脂を溶解する能力があることが判った。
本発明によれば、基板表面に付着した有機物、とりわけレジストを高効率に除去すること
ができる有機物の除去方法及び有機物除去装置を提供することができる。
有機物除去装置の一例を示す模式図である。 実施例4で用いたオゾン溶液循環装置を示す模式図である。 実施例4における処理時間とレジストの分子量の変化を示すグラフである。
符号の説明
1 有機物除去装置
2 オゾン溶解モジュール
20 モジール本体
21 オゾン溶液(又は有機溶剤)流入口
22 オゾン溶液排出口
23 オゾンガス供給口
24 オゾンガス排出口
3 処理槽
31 支持台
32 容器
4 ノズル
5 基板
6 ポンプ
7 三方弁
8 循環路
81 第1路
82 第2路
9 オゾンガス供給装置
100 オゾン溶液循環装置
110 タンク
120 三方弁

Claims (2)

  1. オゾン溶液を基板に供給し、基板表面に付着した有機物を除去する方法であって、前記オ
    ゾン溶液は、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセタート及びジアセチンから
    なる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤にオゾンを溶解したものであることを特
    徴とする有機物の除去方法。
  2. γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセタート及びジアセチンからなる群より選
    択される少なくとも1種の有機溶剤にオゾンを溶解したオゾン溶液を基板の表面に供給す
    る手段を有する処理槽、オゾン溶解装置、並びに、前記オゾン溶液を前記処理槽とオゾン
    溶解装置との間を循環させる手段を有することを特徴とする有機物除去装置。
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