JP2006031754A - 記録再生制御方法、記録再生制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
連続アクセスした場合にアクセス時間がかかる場所(転送レート低下が発生する単位領域:セクタ)についての情報を参照して、記録再生時に連続してアクセスしていく各アクセス単位の記録媒体上での領域を設定する。即ち、転送レート低下が発生する単位領域のアドレスをテーブルデータとして登録する処理を行い、そのテーブルデータを参照して、転送レート低下が発生する単位領域の全部又は一部が1アクセス単位としての領域の途中に含まれないように、各アクセス単位の上記記録媒体上での領域を設定する。例えば交替処理セクタ、リトライセクタ、ヘッドチェンジやシーク後のセクタ、トラックジャンプシーク後のセクタなど、転送レート低下が発生する単位領域(セクタ)が、極力、各アクセス単位BLの途中に位置することがないように領域設定する。
【選択図】 図3
Description
HDDのドライブユニット内には記録媒体である数枚の磁気メディアが収容され、モータによって高速に回転する。磁気メディアには、酸化鉄やコバルト・クロムなどの磁性体が、メッキや薄膜生成によって塗布されている。
そして、磁気ヘッドを回転するメディア表面上で半径方向にスキャンさせることによって、メディア上にデータに相当する磁化を生じさせて書込みを行い、あるいはデータを読み出すことができる。
そして最近では、HDDの大容量化が進んでおり、これに伴って、従来のコンピュータ用補助記憶装置としてだけでなく、放送受信されたAVコンテンツを蓄積するハードディスクレコーダなど、適用分野が拡大し、さまざまなコンテンツを記録するために利用され始めている。
ハードディスク上には、データを記録するための区画として、同心円状に多数の「トラック」を形成する。そして、ディスクの最外周から内周に向かって0,1,…とトラック番号が割り振られる。ディスク表面上にトラック数が多いほどメディアの記憶容量は増す。
ゾーンビットレコーディング方式を採用した場合、各トラック上の記録密度をほぼ均一にすることができる一方で、トラック毎のデータ転送速度が不均一となるという短所がある。データ転送速度は、ディスクの内周方向に進むにつれて低くなっていく。
一方、CHS方式においては、HDDに対するホストとして動作するコンピュータ本体側では、指定できるCHSパラメータに限界があり、ハードディスクの大容量化に対応できなくなってくる。このため、LBA(Logical Block Address:論理ブロックアドレス)方式が採用されている。これは、シリンダ番号、ヘッド番号、セクタ番号(CHS)を0から始まるLBAという論理的な通し番号で表現するものである。
この場合、HDD側では、指定された先頭セクタからのアクセスを行うとともに、その後アクセスされるセクタを予測して先読みを行うシーケンスを作成しながらアクセスを行うことができる。
この先読みという動作は、一連のデータに対して連続するアドレスを持つセクタが割り振られていることを前提としている。通常、連続するアドレスを持つセクタは、連続するヘッド番号あるいはトラック番号に存在する。
サイズの大きなデータがメディア上に連続して書き込まれている場合には、読出し時の先読み動作が有効に働く。
上述したように、HDDのディスク面上では各トラック内にLBAの連続するセクタが配置される。そして隣接するトラックにおいてもLBAが連続する配置になっている。
図12は、HDDのディスク上のトラックを模式的に示すものであるが、図示するようにトラックTK1,TK2,TK3,TK4・・・が同心円状に形成される。
図中の数字は各セクタに与えられたLBAであるとし、仮に、トラックTK1の先頭セクタのLBAを「0」とする。1トラックに600セクタが配置されるとすると、図示するようにトラックTK1にはLBA「0」〜「599」のセクタが配置される。また、隣接する次のトラックTK2には、LBA「600」〜「1199」のセクタが、さらに次のトラックTK3には、LBA「1200」〜「1799」のセクタが・・・というようにLBAの連続するセクタが配置されることになる。
多くのHDDは複数ディスク面にデータ領域とデータ読み書きのためのヘッドをそれぞれ設けており、またディスク半径方向に分割するように、記録密度が異なるゾーン設定がなされる。
図13は、ディスクを半径方向にみた模式図であり、ディスクの表裏が記録面100,101とされている。記録面100に対してはヘッド102により記録再生が行われ、記録面101に対してはヘッド103により記録再生が行われる。
また、半径方向にゾーン(Zone0〜Zone(n))が設定されている様子を示している。
この場合、LBAの値は図13に示す、「0」・・・「x」「x+1」・・・「y」「y+1」・・・「Z」「Z+1」・・・「W」「W+1」・・・「V」・・・というように進行するように設定されることがある。
このため、LBAに従ってセクタを連続して記録又は再生アクセスしていく場合、次のような動作が行われる。
まずゾーン0においてヘッド102により、記録面100のLBA「0」から、ディスク内周側に向かってLBA「x」までのアクセスAC1が行われる。
続いてヘッドチェンジHC1として、記録又は再生を行うヘッドがヘッド103に切り換えられる。そしてヘッド103により、記録面101のLBA「x+1」から、ディスク外周側に向かってLBA「y」までのアクセスAC2が行われる。
続いて、シークSK1として、ヘッド103のLBA「y+1」へのシークが行われ、シーク完了後、記録面101のゾーン1におけるLBA「y+1」から、ディスク内周側に向かってLBA「z」までのアクセスAC3が行われる。
続いては、ヘッドチェンジHC2として、記録又は再生を行うヘッドがヘッド102に切り換えられ、ヘッド102により、記録面100のゾーン1のLBA「z+1」から、ディスク外周側に向かってLBA「w」までのアクセスAC4が行われる。
続いて、シークSK2として、ヘッド102のLBA「w+1」へのシークが行われ、シーク完了後、記録面100のゾーン2におけるLBA「w+1」から、ディスク内周側に向かってLBA「v」までのアクセスAC5が行われる。
即ち、まず記録面100,101を含んで、ゾーン内でLBAを連続させることが好適なことにより、例えばLBA「0」〜「x」と、それに続くLBA「x+1」〜「y」は、ゾーン0に配するようにする。
また、LBA「0」〜「x」が外周→内周の方向に進行していることに対して、LBA「x+1」〜「y」が内周→外周の方向に進行しているのは、ヘッドチェンジHC1の際にヘッド移送を行う必要をなくし、動作を効率化するためである。
他のゾーンについても同様であり、その結果、上記のような動作が行われるものとなる。
まず、例えば図13のアクセスAC1を例にして考えると、このアクセスAC1としての記録再生中は、図12のように隣接するトラックを順次シークしながらLBAが連続するセクタをアクセスしていくものとなる。
例えばトラックTK1でLBA「0」〜「599」をアクセスしたら、続いてトラックジャンプシークTJ1を行ってトラックTK2のLBA「600」に進み、その後トラックTK2上をLBA「1199」までアクセスする。また、続いてトラックジャンプシークTJ2を行ってトラックTK3のLBA「1200」に進む、というような動作となる。
なお、各トラックの先頭セクタが周方向にずれているのは、トラックジャンプシークに要する時間とディスク回転を考慮して、なるべく回転待ち時間が少なくなるようにするためである。
このようなアクセス動作過程においては、トラックジャンプシークを必要とするセクタ、つまりこの例におけるLBA「600」「1200」「1800」のような各トラックの先頭セクタは、他のセクタよりも記録又は再生に要する時間が長くなる。従って、これらのトラック先頭セクタは、転送レートが低下するセクタであるといえる。
連続するLBAのセクタを順に記録又は再生していく場合の動作として、或るセクタにおいてエラーが生じた場合、リトライが行われる。リトライは、データの記録又は読出が良好にできなかったために、それをやり直す動作であり、当然ディスク1回転以上の時間を要することになる。リトライは記録領域の物理的な位置や特性に関わることが多く、従ってリトライの発生しやすいセクタが存在する。リトライが発生しやすいセクタは、転送レートが低下するセクタであるといえる。
いうまでもなく、交替処理されたセクタは、通常のセクタよりも記録再生に時間がかかり、従って転送レートが低下するセクタであるといえる。
図14でAVストリームデータを記録再生する場合の転送レートの事情を説明する。
一般に、FATなどに代表される従来のファイルフォーマットではハードディスクへのアクセス単位はクラスタと呼ばれるLBAの連続する8セクタ、16セクタなど2の乗数のセクタをひとかたまりとし、LBAの増加する方向に順に配置されている。但しデータサイズが大きく、且つ時間的連続性のあるAVストリームデータの記録再生においては、1000セクタ、2000セクタ、10000セクタ等、通常のデータファイル記録用途に比べて遙かに大きなサイズでアクセス単位が設定される。
例えば図14は、このようなAVストリームデータの記録再生におけるアクセス単位として、アクセス単位BL0、BL1・・・を模式的に示している。
図14(a)では、破線箇所として交替処理セクタ又はリトライ発生セクタを示している。固定セクタ数をアクセス単位BLとし連続的に配置したフォーマットにおいて、ストリームデータのような連続データの記録再生アクセスすることを考えると、リトライ処理や交替処理のようなエラー処理の必要なセクタについては、エラー処理の必要でないセクタと比べてアクセスに要する時間が長くなり、従ってそのようなエラーセクタを含むアクセス単位(BL2、BL6,BL7,BL14)での転送レートは低下する。
また図14(b)には上記図13に示したヘッドチェンジHC(及びシークSK)が発生する箇所を点線で示しているが、例えばアクセス単位BL3,BL10、BL13のように、アクセス単位内で連続するセクタ間においてヘッドチェンジHCやシークSKが行われる場合、それらが必要でないアクセス単位と比べて転送レートは低下する。
実際のディスク上のデータ領域においては図14(c)に示すように、リトライなどのエラー処理が必要な箇所(破線)とヘッドチェンジ等が必要な箇所(点線)は混在するため、転送レートが低下する箇所はデータ領域において広範囲に分布することが多い。即ち☆を付したアクセス単位(BL2,BL3等)では、☆を付ししていない他のアクセス単位よりも転送レートが低下することになる。
即ち、AVストリームデータの記録再生においては、転送レート低下、もしくは転送レートの不安定化は極力防止することが求められる。
なお上記特許文献1には、記録再生可能領域に設定されたゾーン毎に欠陥セクタなどエラーの多く発生したセクタのスウをカウントし、そのようなセクタが多いゾーンをアクセス禁止とする技術が開示されているが、ストリームデータの記録再生に適したアクセス単位を設定するということについては記載されていない。
また上記判別ステップでは、転送レート低下が発生する単位領域のアドレスをテーブルデータとして登録する処理を行い、上記設定ステップでは、上記テーブルデータを参照して、転送レート低下が発生する単位領域の全部又は一部が1アクセス単位としての領域の途中に含まれないように、各アクセス単位としての上記記録媒体上での領域(例えば先頭位置とサイズ)を設定する。
また上記判別手段は、転送レート低下が発生する単位領域のアドレスをテーブルデータとして登録する処理を行い、上記設定手段は、上記テーブルデータを参照して、転送レート低下が発生する単位領域の全部又は一部が1アクセス単位としての領域の途中に含まれないように、各アクセス単位としての上記記録媒体上での領域(例えば先頭位置とサイズ)を設定する。
また、記録再生ヘッドがトラック移動を行って記録再生を行うトラックの先頭の単位領域を転送レート低下が発生する単位領域として判別する。
また、記録再生時にリトライが発生する単位領域を転送レート低下が発生する単位領域として判別する。
また、欠陥領域として交替処理された単位領域を転送レート低下が発生する単位領域として判別する。
そしてこれら転送レート低下が発生する単位領域のアドレスをテーブルデータとして登録する。
例えば、HDDを記録媒体としてAVストリームデータを書き込む場合、データ領域において複数セクタ(セクタとは上記単位領域)ごとのまとまりをアクセス単位とすることが多いが、本発明では連続アクセスした場合にアクセス時間がかかる場所(例えば、交替処理やヘッドチェンジなどが必要なセクタ)についての情報を参照し、そのようなアクセス時間のかかるセクタをまたがないよう、アクセス単位ごとの領域(例えば先頭位置とサイズ)を決定する。
従ってアクセス単位毎の転送レートのバラツキが解消又は低減され、或いは転送レートが低下するアクセス単位を解消できる。
つまりアクセス時間を見積もったデータ領域にストリームデータを記録し、又再生することができるため、ストリームデータにおける転送レートの低下やバラツキを防ぐことができ、安定した記録再生が可能となる。
1.ハードディスク装置の構成
2.アクセス単位のフォーマットの概要
3.アクセス単位設定処理例
4.変形例
図1には、本発明の一実施形態に係るHDD(ハードディスク装置)10の全体構成を模式的に示している。
本例のHDD10は、例えばカメラ部50をホスト機器とするストレージ機器とされる。そしてカメラ部50から供給されたAVストリームデータの記録を行い、また再生したAVストリームデータをカメラ部50に供給する。カメラ部50は例えば撮像機能や再生映像表示機能を備えるものとされる。
実際には、本例のHDD10は、カメラ装置に内蔵されるHDDとされたり、カメラ装置に接続されてビデオデータの記録再生を行う機器とされることが考えられる。
なお、カメラ部50と接続するシステムとするのは一例であり、例えば本例のHDD10はテレビジョン放送用の受信/録画機器に内蔵或いは接続されたり、パーソナルコンピュータに内蔵或いは接続されるものでも良い。特に、AVストリームデータの記録再生のためのストレージ部として本例のHDD10は好適なものとなる。
つまり磁気ディスク21に対して、その表裏の記録面を挟むようにダウンヘッド22a、アップヘッド22bが設けられ、ダウンヘッド22aは下降することで磁気ディスク21の表側の記録面をトレースする。またアップヘッド22bは上昇することで磁気ディスク21の裏側の記録面をトレースする。
なお、ドライブユニット内に数枚の磁気ディスク(プラッタ)を配する場合は、それら複数の磁気ディスクが同心円状に重なるように構成することができ、そのとき各磁気ディスクの同じトラック番号は円筒状に配置され(シリンダ)、トラック番号と同じシリンダ番号で指定される。
また後述するアクセス単位設定処理も行い、それに基づいて記録再生動作を制御する。
ディスクコントローラ13は、インターフェース17を介して接続されるホスト機器からコマンドを受け取る。この例では上記のようにカメラ部50をホスト機器としている。例えばカメラ部50からのコマンドはCPU11に受け渡され、CPU11はそのコマンド処理を行い、ディスクコントローラ13はコマンド処理結果に従って、データ読み書き制御部15やサーボ制御部16に対するハードウェア操作を指示する。
インターフェース17経由でカメラ部50から受け取った書込みデータや、磁気ディスク21から読み取ってカメラ部50に渡されるデータは、バッファRAM14に一時的に格納される。
セクタ内のデータ量は例えば512バイトで固定である。
実際に記録されているセクタには、データに加えて、ヘッダ情報やエラー訂正用コードなどが付加されている。
1周当たりのセクタ数については、周長が長くなる外側のトラックに向かうほどセクタ数を多く設けるZBR(Zone Bit Recording)方式を採用する。すなわち、磁気ディスク21の全周に渡るトラック毎のセクタ数は均一ではなく、磁気ディスク21を半径方向に複数のゾーンに区切り、各ゾーン内においては同じセクタ数となるように設定する。
ゾーンの切り替えに当たり、具体的なセクタ数については、スピンドルモータ24の回転数は一定とし、記録再生クロックを可変にするなどによって、線記録密度を所定の範囲におさめ、ディスク当たりの記憶容量を増加させるように決定される。
ホストコントローラ32は、インターフェース17を介して接続されるホスト(カメラ部50)との通信を行う。
バッファコントローラ33は、バッファRAM14と、ディスクコントローラ13内の各部間でのデータのやりとりを制御する。
サーボコントローラ34は、VCM(ボイスコイルモータ)23及びSPM(スピンドルモータ)24の動作を制御することによって、磁気ディスク21上のサーボパターンからサーボ情報を読み取り、この情報をサーボ制御部15へ渡す。
ディスクフォーマッタ35は、バッファRAM14上のデータを磁気ディスク21に書き込んだり、あるいは磁気ディスク21からデータを読出したりするための制御を行う。
ECCコントローラ36は、バッファRAM14に格納されているデータより、書込み時にはECC符号を生成して付加したり、あるいは読出し時にはエラー訂正を行ったりする。
このような図2に示すディスクコントローラ13は、CPU11より、フォーマッタ制御情報およびECC制御情報を受け取る。
LBAによるアクセスを行う場合においては、上記フォーマッタ制御情報は、シークされたトラック上でアクセス可能となった後、LBAで指定されたセクタのアクセスを行うためのフォーマット情報である。この情報は、CPUインターフェース31を介してディスクフォーマッタ35へ送られ、ここでデータフォーマッタが生成される。
また、AVストリームデータの記録再生のための1アクセス単位としては、例えば1000セクタ、2000セクタ、10000セクタなど、比較的な大きなデータ領域が設定されるが、各アクセス単位のディスク上の物理的な位置及びサイズは、後述するフォーマット処理(アクセス単位設定処理)によりCPU11が設定し、ディスクフォーマッタ35は、その設定に基づいて、記録再生を行なうようにする。
また、ECC制御情報は、第1のエラー訂正符号C1によるECCブロック構成、もしくは第1のエラー訂正符号C1と第2のエラー訂正符号C2を持つECCブロック構成の設定を行うための情報であり、また例えばゾーン毎に、セクタ数などに応じてECCブロック構成を可変する場合に、その構成を指示する情報となる。この情報は、CPUインターフェース31を介してECCコントローラ36へ送られ、ここでECCブロック構成が設定され、バッファRAM14をアクセスして所定のECC処理が行われる。
HDD10においてディスク21にAVストリームデータを書き込む場合、データはセクタ単位に分割され、データの連続性を保つために複数セクタのまとまりをアクセス単位とする。
本例のHDD10では、連続アクセスした場合にアクセス時間がかかる場所、即ち転送レート低下が発生するセクタについての情報を事前に入手し、そのようなアクセス時間のかかるセクタを途中に含まないアクセス単位ごとのデータ領域マップ(以下、アクセス単位領域マップ)を作成する。
図14(c)で説明したように、例えば単にアクセス単位を2000セクタとし、アクセス単位BL0,BL1・・・をLBAの順に割り当てていくと、転送レートが低下するアクセス単位が発生する。
転送レートの低下は、上述したように例えばリトライや交替処理に起因する。ここで本例では、例えばリトライや交替処理が発生するセクタを禁止LBAテーブルに登録する。
図3(a)は、図14(a)と同様に交替処理セクタ又はリトライ発生セクタを破線で示しているが、これら破線のセクタのLBAが禁止LBAテーブルに登録されるようにする。
そこで、ヘッドチェンジHCとシークSK(以下、ヘッドチェンジHCとシークSKのいずれかという意味で「ヘッドチェンジ/シーク」と表記する)を介してアクセスされるセクタや、トラックジャンプシークTJによってアクセスされるトラック先頭セクタを先頭LBAテーブルに登録する。
このヘッドチェンジ/シーク後のセクタや、トラックジャンプシークTJ直後のセクタ(つまりトラックの先頭セクタ)は、アクセス単位の先頭として用いることができるがアクセス単位の途中には含ませないセクタとする。
そして先頭LBAテーブルに登録されたセクタがアクセス単位の途中に含まれないようにすると、図3(b)のようにアクセス単位BL0、BL1・・・を設定したアクセス単位領域マップが生成できる。例えばアクセス単位BL3,BL6,BL9は、ヘッドチェンジ/シークが発生するセクタを考慮して、ヘッドチェンジ/シーク前の最終セクタまでのデータ区間をスキップし、ヘッドチェンジ/シーク後の先頭セクタからアクセス単位が開始されるようにしている。このようにすることで、どのアクセス単位においても途中でヘッドチェンジ/シークが行われないこととでき、アクセス単位ごとの転送時間からヘッドチェンジ/シーク時間が取り除かれたアクセス単位領域マップが設定されるものとなる。
なお、AVストリームデータの記録再生のためにアクセス単位が2000セクタ程度、10000セクタ程度など、比較的大きく設定される場合(具体的には1トラックのセクタ数より大きく設定される場合)は、トラックジャンプシークTJによってアクセスされるセクタは、アクセス単位内に含まざるを得ないことになる。従って、そのような場合は先頭LBAテーブルに登録されているトラックジャンプシークTJ直後のセクタについては考慮せず、ヘッドチェンジ/シーク直後のセクタがアクセス単位の途中に含まれないようにすればよい。
但し、基本的には先頭LBAテーブルに登録された、ヘッドチェンジ/シーク直後のセクタやトラックジャンプシークTJ直後のセクタが、アクセス単位BLの先頭セクタとされ、またそれらの発生間隔に応じてアクセス単位のサイズが設定されることで、各アクセス単位の転送レートのバラツキを解消できる。
即ち禁止LBAテーブルと先頭LBAテーブルの登録セクタを考慮し、禁止LBAテーブルに登録されたセクタについてはアクセス単位に含まれないように、かつ先頭LBAテーブルに登録されたセクタについては、アクセス単位の先頭セクタとしてはよいが途中に含まれないようにする、という条件でアクセス単位領域マップを生成する。すると、図3(c)のようにアクセス単位BL0、BL1・・・が設定されたアクセス単位領域マップが形成されることになる。
このようにアクセス単位領域マップを生成し、この設定されたアクセス単位毎に連続して記録、再生が行われていくことで、各アクセス単位の記録再生中に、交替処理セクタやリトライセクタが含まれず、それによる転送レート低下は無くなる。また各アクセス単位の途中(先頭セクタ以外)でヘッドチェンジ/シークが発生し、転送レートが低下するということがなくなる。
なお、アクセス単位の設定においては、各アクセス単位の開始位置だけでなく、アクセス単位のサイズも設定する。即ち、禁止LBAテーブルや先頭LBAテーブルに登録されたセクタが、なるべくアクセス単位の途中に含まれないように、適切なサイズも設定するものである。
リトライ箇所やスリップ処理位置などついても同様にLBAの隣接するセクタごとの転送時間差から論理位置を推定することができる(スリップとは、欠陥等により予め使用しないものとして除外された1セクタ又は複数セクタの領域)。
実際の方法ではデータ領域全体に対してセクタごとのアクセス時間を測定し、LBAの隣接するセクタと比べてリトライ処理やスリップ処理などによるアクセスに余計な時間がかかる遅延箇所を遅延セクタとして登録し、この遅延セクタと交替処理セクタをまとめて禁止LBAテーブルを生成し、アクセス単位のフォーマット時に参照する方法が考えられる。
3.アクセス単位設定処理例
CPU11が実行するアクセス単位設定処理の例を図4〜図8で説明する。
図4はアクセス単位設定処理のフローチャートであり、CPU11は、ディスク21の記録領域のうちで、少なくともAVストリームデータの記録再生に用いる領域について図4のアクセス単位設定処理を行う。
この処理例では、上述したアクセス単位領域マップの生成のために先頭LBAテーブル、禁止LBAテーブルを用いるが、さらにその先頭LBAテーブル、禁止LBAテーブルを生成する前段階の処理として、トラック先頭LBAテーブル、遅延LBAテーブル、交替セクタLBAテーブル、ヘッドチェンジ先頭セクタLBAテーブルを生成するものとしている。
このステップF101としてのトラック先頭LBAテーブル及び遅延LBAテーブルの作成は、例えば図5の処理で実行できる。
図5の処理は、磁気ディスク21においてAVストリームデータの記録再生に用いる領域の全セクタについてアクセスに要する時間を計測し、トラックジャンプシークTJやリトライが発生するセクタを検出する処理となる。
CPU11はディスクコントローラ13に指示して、検査範囲とするAVストリームデータの記録再生領域のデータ再生アクセスを実行させ、各セクタ毎にアクセス所要時間を計測しながら図5の処理を進める。
そしてステップF206で変数iが検査範囲の終了セクタのLBAとなっていることが検出されるまで、ステップF207で変数iをインクリメントしながら、セクタi毎にステップF202〜F205の処理を行っていく。つまり、1セクタ毎に順次、ステップF202〜F205の処理を行う。
セクタiの読出時間が、トラックスキュー基準値以内であれば、それはトラックジャンプシークTJが行われないセクタであったと判断し、ステップF202からF206に進む。
セクタiの読出時間が、トラックスキュー基準値より大きければ、そのセクタiはトラックジャンプシークTJが行われた直後のセクタ、即ちトラックの先頭セクタの可能性があるとしてステップF202からF203に進む。
ディスク回転時間基準値とは、例えばディスク21の1回転に要する時間とする。図12で説明したように各トラックの先頭セクタは周方向にずらされて設定され、またそのズレ量はトラックジャンプシークTJに要する時間(トラックスキュー)を考慮して設定されている。このため通常のトラックジャンプシークTJの場合は、ディスク1回転以上の回転待ちを行うことなく、トラックの先頭セクタに到達できる。
一方、セクタの読出エラーによりリトライが行われた場合は、再度、そのセクタのアクセスを行うことになるため、少なくともディスク1回転の回転待ちが必要となる。
従ってセクタiの読出に要した時間が、ディスク回転時間基準値以内であれば、そのセクタiはトラックジャンプシークTJ直後の先頭セクタと推定でき、一方、セクタiの読出に要した時間が、ディスク回転時間基準値を越えていれば、そのセクタiは読出時にリトライが発生したセクタと推定できる。
そこで、ステップF203で、セクタiの読出に要した時間がディスク回転時間基準値以内である場合は、そのセクタiはトラックジャンプシークTJ直後の先頭セクタとし、ステップF204に進んで、該セクタiのLBA(iの値)をトラック先頭LBAテーブルに登録する。
また、ステップF203で、セクタiの読出に要した時間がディスク回転時間基準値を越えている場合は、そのセクタiはリトライが発生したセクタとし、ステップF205に進んで、該セクタiのLBA(iの値)を遅延LBAテーブルに登録する。
図6(a)(b)に、このようにして生成される先頭LBAテーブル、遅延LBAテーブルを示す。
図6(a)は、LBA「0」からの各セクタについてデータ読出に要した時間を示している。
ここで、ステップF202で用いるトラックスキュー基準値を1.1〜1.3msec、ステップF203で用いるディスク回転時間を10.0〜12.0msecと定義する。
すると、図6(a)のような計測結果の場合、破線で囲ったセクタ、即ちLBA「632」「1265」「1898」・・・はステップF204に進んでトラック先頭LBAテーブルに登録されるセクタとなる。
また実線で囲ったセクタ、即ちLBA「2235」「4801」・・・は、ステップF205に進んで遅延LBAテーブルに登録されるセクタとなる。
そして図6(b)に示すように、これらのセクタのLBAが登録されたトラック先頭LBAテーブル、遅延LBAテーブルが生成される。
図8(a)は、仮にLBA「0」のセクタを含むトラックをTK1とし、トラック単位でTK1,TK2,TK3・・・を区切った図としている。
この場合、トラックTK1にはLBA「0」〜「631」のセクタ、トラックTK2にはLBA「632」〜「1264」のセクタ、トラックTK3にはLBA「1265」〜「1897」のセクタ・・・というように各トラックのセクタが形成されている。
そして、遅延LBAテーブルに登録されたLBA「2235」はトラックTK4内のセクタであり、LBA「4801」はトラックTK8内のセクタとなっている。
交替セクタLBAテーブルは、交替処理が行われるLBAを登録するテーブルである。
交替セクタ(交替する欠陥セクタと、それに代替するセクタ)のLBAの情報は、交替処理により登録されており、HDD10の内部に保持されている。例えば交替セクタ情報は磁気ディスク21内の特定領域に保存されたり、あるいはROM/RAM12において不揮発性メモリ領域に保存される。
従って、その交替セクタ情報を参照することで、CPU11は交替セクタLBAテーブルを作成することができる。
ヘッドチェンジ/シークは、例えばゾーン設定及びLBAの設定に応じて行われるもので、即ちヘッドチェンジ先頭LBAテーブルに登録すべきLBAは、ディスク22上でゾーン設定及びLBA設定を行った段階でわかるものである。このため、上記交替セクタ情報と同様に、磁気ディスク21内の特定領域或いはROM/RAM12の不揮発性メモリ領域などに、ヘッドチェンジ/シークを行うセクタの情報が記憶されていることで、CPU11は、それを参照してヘッドチェンジ先頭LBAテーブルを作成することができる。
なお、交替セクタLBAテーブルやヘッドチェンジ先頭LBAテーブルについても、セクタ毎の読出時間計測に基づいた推定により作成しても良い。即ち、データ読出時間の判定基準値として、上記トラックスキュー基準値、ディスク回転時間基準値に加え、ヘッドチェンジ/シークの判定基準値、交替処理判定基準値を設定し、各セクタについて計測された読出時間に基づいて、交替セクタLBAテーブル、ヘッドチェンジ先頭LBAテーブルに登録すべきものであるか否かを判定していくこともできる。
この処理を図6(b)(c)(d)(e)に示す。
まず、トラック先頭LBAテーブルとヘッドチェンジ先頭LBAテーブルに登録されたLBAの情報をひとまとめにして、図6(d)の先頭LBAテーブルを生成する。
この処理により、先頭LBAテーブルは、ヘッドチェンジ/シーク直後のセクタのLBAとトラックジャンプシーク直後のセクタのLBAが登録されたものとして生成される。
また遅延LBAテーブルと交替セクタLBAテーブルに登録されたLBAの情報をひとまとめにして、図6(e)の禁止LBAテーブルを生成する。
この処理により、禁止LBAテーブルは、リトライの発生するセクタのLBAと交替処理セクタのLBAが登録されたものとして生成される。
これは、上記図3(c)で説明したように、禁止LBAテーブルに登録されたセクタについてはアクセス単位に含まれないように、かつ先頭LBAテーブルに登録されたセクタについては、アクセス単位の先頭セクタとしてはよいが途中に含まれないようにする、という条件でアクセス単位のサイズ及び各アクセス単位の先頭位置(先頭LBA)を設定する処理となる。
図7(a)(b)に具体例を示す。図7(a)は、図6(d)(e)に示した先頭LBAテーブルと禁止LBAテーブルを示している。
この図7(a)の先頭LBAテーブル、禁止LBAテーブルを参照して、各アクセス単位BL0、BL1・・・としての先頭LBAとサイズ(=セクタ数)を設定し、図7(b)のアクセス単位領域マップを作成する。
すると、この場合、アクセス単位のセクタ数を、上記許容範囲内で適切なサイズとして1899セクタに設定する。
そして、先頭のLBA「0」から1899セクタ毎に、順にアクセス単位BL0、BL1・・・を設定していく。このとき、禁止LBAテーブルに登録されたセクタを含むトラックは含まないようにし、また先頭LBAテーブルに登録されたLBAはアクセス単位の先頭となるようにする。
即ち、禁止LBAテーブルに登録されたLBA「2235」「4801」がアクセス単位に含まれないようにするため、アクセス単位BL1は、アクセス単位BL0に連続させずにトラックTK4に含まれるセクタをスキップさせ、トラックTK5の先頭セクタから開始されるものとし、またアクセス単位BL2も、アクセス単位BL1に連続させずにトラックTK8に含まれるセクタをスキップさせ、トラックTK9の先頭セクタから開始されるようにする。
このようにトラック単位で、先頭LBAをずらしたアクセス単位は、図7(b)に☆を付したアクセス単位BL1,BL2,BL5となる。
そしてこのように設定された各アクセス単位BL0、BL1・・・は、上記図6(a)の計測結果に基づく場合、読出に必要な時間は全て36.8msecとなり、転送レートは211.5Mbpsとなる。つまり転送レートにバラツキがなくなる。
なお、アクセス単位の先頭をトラック単位でずらすこと(次のトラックの先頭から開始させること)により、トラックジャンプシークが行われるセクタはなるべくアクセス単位の先頭とされることになる。また、ヘッドチェンジ/シークが行われるセクタをアクセス単位の先頭セクタとするには、1又は複数トラックにわたってアクセス単位の開始位置をずらせばよい。
例えば1つのアクセス単位のサイズを2000セクタとし、LBA「0」から単純に順番にアクセス単位BL0、BL1・・・を設定していくと、図7(c)、図8(c)に示すようになる。
すると、図8(c)に示すようにアクセス単位BL1,BL2は、途中にリトライセクタであるLBA「2235」「4801」が存在することになる。また図7(c)のアクセス単位BL7は例えば交替処理セクタが存在する。
これにより、図7(c)に破線で囲って示すように、転送レートが低下したりばらつくアクセス単位が生ずることになる。
この図7(c)の場合と比較することで、本例の図7(b)に示したアクセス単位領域マップによれば、各アクセス単位での転送レートの安定化が実現されることが理解される。
なお、保存するのはアクセス単位領域マップのみでもよい。
以後、CPU11は、カメラ部50の要求に基づくAVストリームデータの記録再生の際には、アクセス単位領域マップに基づいて、各アクセス単位毎に順番に記録又は再生が行われていくようにディスクコントローラ13を制御することになる。
例えば、カメラ部50から記録要求が発せられた場合は、カメラ部50から転送されてくるAVストリームデータをバッファRAM14に蓄積させながら、設定したアクセス単位サイズ毎にバッファRAM14から読み出させ、アクセス単位領域マップで指定されたLBAを書込位置として磁気ディスク21に記録させる制御を行う。
またカメラ部50からAVストリームデータの再生指示を受けた場合は、設定したアクセス単位領域マップを参照して、アクセス単位毎に、磁気ディスク21から読み出しを実行させる。
これによって、実際のAVストリームデータの記録再生は、例えば図7(c)のように設定されたアクセス単位毎に行われていき、記録再生時の転送レートが安定化される。
即ち本例のHDD10によれば、AVストリームデータの書き込み、読み込みのいずれに対しても、アクセス時間を見積もったアクセス単位ごとのデータ領域へのアクセスを行うことができ、交替処理やリトライ、ヘッドチェンジ等による転送レートの低下、バラツキを防ぐことができる。
これによりAVストリームデータの安定した記録再生が実現でき、例えばコマ落ち等の減少が発生することも回避できる。
また転送レートが安定化することは、記録可能な上限の転送レートも確実に判断できることにつながる。すると、ホスト機器からの書込要求に的確に対応できる。例えば或るホスト機器から、上限転送レート以上のデータ書込要求があった場合に、それを記録不能として、予めユーザに警告し、不適切な記録を未然に防ぐことなども可能となる。
以下では、各種変形例や応用例を説明する。
図9は、テーブル作成処理の別例としての処理を示している。
上述したように、アクセス単位領域マップの作成のためには、禁止LBAテーブルと先頭LBAテーブルを作成するが、上記例では、この2つのテーブルの作成の前段階の処理として4つのテーブル(トラック先頭LBAテーブル、遅延LBAテーブル、交替セクタLBAテーブル、ヘッドチェンジ先頭LBAテーブル)を作成するものとした。
これ以外の例として、例えば先頭LBAテーブルは既にHDD内で把握しているヘッドチェンジ/シーク箇所としてのLBAを登録するものとし、またセクタ読出時間計測により、禁止LBAテーブルを直接作成するとともに交替処理(交替セクタの登録処理)も実行する例が考えられる。つまり、上記4つの前段処理のテーブルを作成せずに、禁止LBAテーブルと先頭LBAテーブルを直接的に作成する例である。
その場合、まず先頭LBAテーブルは、上述したヘッドチェンジ先頭LBAテーブルと同様の処理で作成する。つまりHDD10内に保持されたヘッドチェンジ/シーク箇所の情報を参照して先頭LBAテーブルを作成する。
その後、図9の処理により禁止LBAテーブルを作成するとともに、交替処理を行う。
そしてステップF307で変数iが検査範囲の終了セクタのLBAとなっていることが検出されるまで、ステップF308で変数iをインクリメントしながら、セクタi毎にステップF302〜F306の処理を行っていく。つまり、1セクタ毎に順次、ステップF302〜F306の処理を行う。
読出に要した時間がディスク回転時間基準値より長い場合は、リトライが行われたか、或いは欠陥セクタとして読出不能であるか、或いはヘッドチェンジ/シークを要するセクタである可能性が高い。
そこで読出に要した時間がディスク回転時間基準値より長い場合は、まずステップF303で、ヘッドチェンジ/シークを要するセクタであるか否かを判別する。これは、例えば、この図9の処理に先立って作成した先頭LBAテーブルを参照し、該当LBAの有無を確認すれば良い。
セクタiが、ヘッドチェンジ/シークを要するセクタではない場合は、リトライセクタ又は交替処理が必要なセクタであると判断し、ステップF304に進んで、そのLBAを禁止LBAテーブルに登録する。
次にステップF305で、読出の際にリトライが何回行われたかを判断し、リトライ回数基準値と比較する。リトライ回数基準値とは、例えばリトライ回数の上限値或いは上限値よりは小さい所定値とする。即ち、読出のためにリトライが、リトライ回数上限に達していた場合(結果として読出エラーとなった場合)、もしくは読出は最終的に完了できたとしても所定の回数以上のリトライが行われた場合などであったか否かを判断する。そしてリトライ回数基準値以上のリトライが行われた場合は、交替処理が必要なセクタであると判断し、ステップF306に進んで交替処理を行う。即ち、代替させるセクタを設定し、交替管理情報として登録する。
また、その後は、図4のステップF104,F105の処理が行われることで、アクセス単位領域マップを生成することができる。
上記図3(c)のようにアクセス単位のサイズを一律に設定し(或いはサイズに制限を設けて)アクセス単位領域マップを生成した場合、図3(c)におけるスキップ区間は、AVストリームデータの格納に用いられないためそのまま無駄領域となる可能性が高い。 このような無駄領域を削減するために、アクセス単位が制限のない可変長とすることが考えられる。図10は、アクセス単位のサイズを可変長とした例であり、例えばアクセス単位BL1は、図3(c)のそれと比較してわかるように、スキップ区間を含むように拡大されたものとなっている。
このようにすることで、データ領域の有効利用を図ることができる。
同一ゾーンにおけるトラックあたりのセクタ数が同じであるならば、アクセス単位ごとのトラック数が異なっていてもストリームデータのアクセス単位が複数のトラックでれば転送データ量と転送時間の比が同じであるため転送レートが等しくなる。
図11のシステムの場合、例えばホスト機器とされるカメラ部50と、HDD10Aの間に、HDD制御装置60が接続される構成を採る。この場合HDD10Aは、従前の通常のHDDとされ、上述したアクセス単位設
定機能を備えないものとする。
外部インターフェース64はカメラ部50との間で、コマンドやAVストリームデータの記録再生の受け渡しを行う。ATAインターフェース63は、HDD10Aとの間でコマンドやAVストリームデータの受け渡しを行う。
HDD10Aでの記録のためにカメラ部50から外部インターフェース64に転送されてくるAVストリームデータは、メモリコントローラ66の制御によりバッファRAM67に一旦蓄積され、所定タイミングで読み出されてATAインターフェース63からHDD10Aに供給される。
またHDD10Aで再生されATAインターフェース63に転送されてくるAVストリームデータは、メモリコントローラ66の制御によりバッファRAM67に一旦蓄積され、所定タイミングで読み出されて外部インターフェース64からカメラ部50に供給される。
即ち、CPU61はHDD10Aに対してコマンドを発し、AVストリームデータ記録領域とする範囲の各セクタの読出を実行させながら、例えば図4,図5と同様の処理でアクセス単位領域マップを作成する。
その後、カメラ部50から記録要求が発せられた場合は、カメラ部50から転送されてくるAVストリームデータをバッファRAM67に蓄積させながら、設定したアクセス単位サイズ毎にバッファRAM67から読み出し、HDD10Aに転送させていく。各アクセス単位サイズのAVストリームデータをHDD10Aに転送する際には、アクセス単位領域マップで設定した各アクセス単位の先頭のLBAを指定して、HDD10Aに記録指示を出す。
またカメラ部50からAVストリームデータの再生指示を受けた場合は、設定したアクセス単位領域マップを参照して、アクセス単位毎に、HDD10Aに読出を開始するLBAを指示し、再生を実行させる。
このような処理を行うHDD制御装置60によっても、上記実施の形態で説明したものと同様の効果を得ることができる。
また、このようにHDDとは別体のHDD制御装置60を設けることによっては、従前のHDDにおいて転送レートの安定化を図ることができるものとなり、従前のHDDをAVストリームデータの記録再生に適したものとすることができる。
図1のHDD10における磁気ディスク21の枚数は、1枚の場合を示したが、2枚以上のHDD10の場合も本発明を適用できる。また、1枚のディスク21において表面のみが記録面とされる場合も適用できる。但しその場合はヘッドチェンジ/シーク箇所についてはアクセス単位領域マップに反映させる必要はなくなる。
また、一般にHDDではディスク21は装置内に固定的に内蔵されるが、ディスク21を着脱可能とするHDDも考えられる。そのような装置でも本発明は適用可能である。
更に、HDD以外のディスクシステム(光ディスク記録再生装置、光磁気ディスク記録再生装置)においても本発明は適用できる。
Claims (12)
- 記録媒体におけるデータ記録領域内で、転送レート低下が発生する単位領域を判別する判別ステップと、
上記判別ステップで把握された、転送レート低下が発生する単位領域の情報を参照して、記録再生時に連続してアクセスしていく各アクセス単位としての上記記録媒体上での領域を設定する設定ステップと、
上記記録媒体に対するデータの記録再生を、上記設定ステップで設定されたアクセス単位毎に順に実行するように制御する記録再生制御ステップと、
を備えたことを特徴とする記録再生制御方法。 - 上記判別ステップでは、転送レート低下が発生する単位領域のアドレスをテーブルデータとして登録する処理を行い、
上記設定ステップでは、上記テーブルデータを参照して、転送レート低下が発生する単位領域の全部又は一部が1アクセス単位としての領域の途中に含まれないように、各アクセス単位としての上記記録媒体上での領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の記録再生制御方法。 - 上記記録媒体に対しては、複数の記録再生ヘッドが、上記記録媒体における領域に応じて切り換えられて記録再生が行われる構造とされ、
上記判別ステップでは、上記記録再生ヘッドが切り換えもしくは移送されて記録再生が行われることになる先頭の単位領域を、転送レート低下が発生する単位領域として判別し、その単位領域のアドレスを上記テーブルデータとして登録することを特徴とする請求項2に記載の記録再生制御方法。 - 上記記録媒体は、同心円状のトラックが形成されているとともに、上記各トラックは複数の上記単位領域に分割されるディスク記録媒体であり、
上記判別ステップでは、記録再生ヘッドがトラック移動を行って記録再生を行うトラックの先頭の単位領域を転送レート低下が発生する単位領域として判別し、その単位領域のアドレスを上記テーブルデータとして登録することを特徴とする請求項2に記載の記録再生制御方法。 - 上記判別ステップでは、記録再生時にリトライが発生する単位領域を転送レート低下が発生する単位領域として判別し、その単位領域のアドレスを上記テーブルデータとして登録することを特徴とする請求項2に記載の記録再生制御方法。
- 上記判別ステップでは、欠陥領域として交替処理された単位領域を転送レート低下が発生する単位領域として判別し、その単位領域のアドレスを上記テーブルデータとして登録することを特徴とする請求項2に記載の記録再生制御方法。
- 記録媒体におけるデータ記録領域内で、転送レート低下が発生する単位領域を判別する判別手段と、
上記判別手段で把握された、転送レート低下が発生する単位領域の情報を参照して、記録再生時に連続してアクセスしていく各アクセス単位としての上記記録媒体上での領域を設定する設定手段と、
上記記録媒体に対するデータの記録再生を、上記設定手段で設定されたアクセス単位毎に順に実行するように制御する記録再生制御手段と、
を備えたことを特徴とする記録再生制御装置。 - 上記判別手段は、転送レート低下が発生する単位領域のアドレスをテーブルデータとして登録する処理を行い、
上記設定手段は、上記テーブルデータを参照して、転送レート低下が発生する単位領域の全部又は一部が1アクセス単位としての領域の途中に含まれないように、各アクセス単位としての上記記録媒体上での領域を設定することを特徴とする請求項7に記載の記録再生制御装置。 - 上記判別手段は、上記記録媒体に対して設けられた複数の記録再生ヘッドが切り換えもしくは移送されて記録再生が行われることになる先頭の単位領域を、転送レート低下が発生する単位領域として判別し、その単位領域のアドレスを上記テーブルデータとして登録することを特徴とする請求項8に記載の記録再生制御装置。
- 上記記録媒体は、同心円状のトラックが形成されているとともに、上記各トラックは複数の上記単位領域に分割されるディスク記録媒体であり、
上記判別手段は、記録再生ヘッドがトラック移動を行って記録再生を行うトラックの先頭の単位領域を転送レート低下が発生する単位領域として判別し、その単位領域のアドレスを上記テーブルデータとして登録することを特徴とする請求項8に記載の記録再生制御装置。 - 上記判別手段は、記録再生時にリトライが発生する単位領域を転送レート低下が発生する単位領域として判別し、その単位領域のアドレスを上記テーブルデータとして登録することを特徴とする請求項8に記載の記録再生制御装置。
- 上記判別手段は、欠陥領域として交替処理された単位領域を転送レート低下が発生する単位領域として判別し、その単位領域のアドレスを上記テーブルデータとして登録することを特徴とする請求項8に記載の記録再生制御装置。
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