JP2006031246A - 基準電流発生回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度依存性を有していない高精度の定電流を得る。
【解決手段】 バンドギャップに基づく電位差を発生させる第1の素子部Q0と、前記第1の素子部及び前記第1の素子部に接続された第1の抵抗によって構成される第1の電流路I1と、バンドギャップに基づく電位差として前記第1の素子が発生させる電位差よりも小さい電位差を発生させる第2の素子部Q1〜Qnと、前記第2の素子部、前記第2の素子部に接続された正の温度係数を有する第2の抵抗及び前記第2の抵抗に接続された第3の抵抗によって構成される第2の電流路I2と、前記第1及び第3の抵抗に接続されて前記第1及び第2の電流路に相互に同一の電流を供給する第3の電流路I3を含み、前記第1の素子部と前記第1の抵抗との接続点の電圧と、前記第2及び第3の抵抗同士の接続点の電圧とを一致させるための電流を前記第3の電流路に流す帰還手段OPと、前記第3の電流路に流れる電流と同一の電流を出力する電流出力手段T2,T3とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 バンドギャップに基づく電位差を発生させる第1の素子部Q0と、前記第1の素子部及び前記第1の素子部に接続された第1の抵抗によって構成される第1の電流路I1と、バンドギャップに基づく電位差として前記第1の素子が発生させる電位差よりも小さい電位差を発生させる第2の素子部Q1〜Qnと、前記第2の素子部、前記第2の素子部に接続された正の温度係数を有する第2の抵抗及び前記第2の抵抗に接続された第3の抵抗によって構成される第2の電流路I2と、前記第1及び第3の抵抗に接続されて前記第1及び第2の電流路に相互に同一の電流を供給する第3の電流路I3を含み、前記第1の素子部と前記第1の抵抗との接続点の電圧と、前記第2及び第3の抵抗同士の接続点の電圧とを一致させるための電流を前記第3の電流路に流す帰還手段OPと、前記第3の電流路に流れる電流と同一の電流を出力する電流出力手段T2,T3とを含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、精密な基準電流を発生する基準電流発生回路に関する。
従来より、バンドギャップ回路が各種半導体回路の一部として広く利用されている。バンドギャップ回路は、大きさの異なる2つのダイオード接続に発生する電圧−電流特性の差を利用して、温度依存性の極めて小さな電圧を発生するものである。バンドギャップ回路については、非特許文献1等に記載されている。
このようなバンドギャップ回路は、例えば、高画質と低消費電力とを共に兼ね備えた閾値電圧変調方式のMOS型固体撮像装置等のバイアス電圧発生回路として採用されている。バンドギャップ回路の出力電圧の温度依存性は、わずかに数十ppm/℃程度であり、極めて高精度の基準電圧を発生することができる。
ところで、このような高精度の基準電圧を利用することで、高精度の基準電流を発生する定電流回路を構成することが考えられる。即ち、バンドギャップ回路の出力端に抵抗を接続して、この抵抗を流れる電流を基準電流として利用するのである。バンドギャップ回路によって発生する基準電圧は温度依存性が極めて小さく、この基準電圧を用いることで、高精度の基準電流を発生させることができるものと考えられる。
エム・ワルタリ、ケイ・ハロネン著(M.Waltari, K.Halonen), CMOS A/D変換器用基準電圧ドライバ(Reference Voltage Driver for Low-Voltage CMOS A/D Converters), Proceedings of ICECS 2000, Vol.1, pp.28-31, 2000
エム・ワルタリ、ケイ・ハロネン著(M.Waltari, K.Halonen), CMOS A/D変換器用基準電圧ドライバ(Reference Voltage Driver for Low-Voltage CMOS A/D Converters), Proceedings of ICECS 2000, Vol.1, pp.28-31, 2000
しかしながら、一般的には、抵抗は温度特性を有する。抵抗に印加される電圧が一定である場合でも、抵抗毎の固有の温度係数に応じて、抵抗を流れる電流は変化する。例えば、−40℃〜80℃の温度範囲においては、一般的な抵抗では、約1500ppm/℃の温度特性を有する。従って、バンドギャップ回路の高精度の出力基準電圧を利用して定電流を得たとしても、得られる定電流は温度依存性を有し、十分な精度を有するものとはならない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、温度依存性を有しない高精度の定電流を発生することができる基準電流発生回路を提供することを目的とする。
本発明に係る基準電流発生回路は、
バンドギャップに基づく電位差を発生させる第1の素子部と、
前記第1の素子部及び前記第1の素子部に接続された第1の抵抗によって構成される第1の電流路と、
バンドギャップに基づく電位差として前記第1の素子が発生させる電位差よりも小さい電位差を発生させる第2の素子部と、
前記第2の素子部、前記第2の素子部に接続された正の温度係数を有する第2の抵抗及び前記第2の抵抗に接続された第3の抵抗によって構成される第2の電流路と、
前記第1及び第3の抵抗に接続されて前記第1及び第2の電流路に相互に同一の電流を供給する第3の電流路を含み、前記第1の素子部と前記第1の抵抗との接続点の電圧と、前記第2及び第3の抵抗同士の接続点の電圧とを一致させるための電流を前記第3の電流路に流す帰還手段と、
前記第3の電流路に流れる電流と同一の電流を出力する電流出力手段とを含む。
バンドギャップに基づく電位差を発生させる第1の素子部と、
前記第1の素子部及び前記第1の素子部に接続された第1の抵抗によって構成される第1の電流路と、
バンドギャップに基づく電位差として前記第1の素子が発生させる電位差よりも小さい電位差を発生させる第2の素子部と、
前記第2の素子部、前記第2の素子部に接続された正の温度係数を有する第2の抵抗及び前記第2の抵抗に接続された第3の抵抗によって構成される第2の電流路と、
前記第1及び第3の抵抗に接続されて前記第1及び第2の電流路に相互に同一の電流を供給する第3の電流路を含み、前記第1の素子部と前記第1の抵抗との接続点の電圧と、前記第2及び第3の抵抗同士の接続点の電圧とを一致させるための電流を前記第3の電流路に流す帰還手段と、
前記第3の電流路に流れる電流と同一の電流を出力する電流出力手段とを含む。
本発明の実施の形態によれば、帰還手段は、第1の素子部によって発生される電位差と第2の素子部によって発生される電位差との差に相当した電流を、第1及び第2の電流路に流して、第2の抵抗に、この差に応じた電圧降下を生じさせる。これにより、第1及び第3の抵抗同士の接続点には、第1及び第2の素子部によって発生される電圧及び第1乃至第3の抵抗の抵抗値に基づく電圧が得られる。第1素子部によって発生される電位差と第2の素子部によって発生される電位差との差は正の温度係数を有するので、第3の電流路に流れる電流も正の温度係数を有する。従って、第1及び第2の素子部によって発生される電位差が負の温度係数を持つ場合でも、温度に依存した電流量の変動が抑制され、第3の電流路には、温度依存性を有していない電流が流れる。電流出力手段は、第3の電流路に流れる電流と同一の電流を出力する。こうして、温度依存性を有していない高精度の電流出力を得ることができる。
また、前記第2の抵抗は、前記第1及び第2の素子部によって発生されるバンドギャップに基づく電位差の温度特性の逆特性の温度係数を有する。
本発明の実施の形態によれば、第3の電流路の温度係数は、第1及び第2の素子部によって発生されるバンドギャップに基づく電位差の温度特性と第2の抵抗の温度特性とに基づくものとなる。これらの温度係数が相互に逆特性であるので、第3の電流路には、温度依存性を有していない電流が流れる。こうして、温度依存性を有していない高精度の電流出力を得ることができる。
また、前記第1及び第2の素子部は、バイポーラトランジスタによって構成される。
本発明の実施の形態によれば、バイポーラトランジスタは、ベース・エミッタ間電圧が負の温度係数を有している。従って、正の温度係数を有する第2の抵抗によって、第3の電流路の温度依存性が相殺されて、温度依存性のない電流出力が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る基準電流発生回路を示す回路図である。
図1において、基準電流発生回路1は、バイポーラトランジスタ、ツェナーダイオード及び電界効果トランジスタ(FET)等のバンドギャップを利用して、定電圧を発生するバンドギャップ回路を利用したものである。図1の例はバイポーラトランジスタのベースエミッタ間電圧VBEを基準として定電圧を発生するものに適用している。
図1において、第1の素子部を構成するPNPバイポーラ型のトランジスタQ0は、エミッタが抵抗R1の一端に接続され、コレクタ及びベースが基準電位点に接続される。これらの抵抗R1及びトランジスタQ0のエミッタ・コレクタ路によって第1の電流路I1が構成される。また、第2の素子部を構成するPNPバイポーラ型のトランジスタQ1〜Qnは、エミッタが共通接続されて抵抗R2の一端に接続され、各コレクタ及びベースはいずれも基準電位点に接続される。抵抗R2の他端は抵抗R3の一端に接続される。これらの抵抗R3,R2及びトランジスタQ1〜Qnのエミッタ・コレクタ路によって第2の電流路I2が構成される。
抵抗R1,R3の他端同士は共通接続されて、第3の電流路I3を構成するN型電界効果トランジスタT1のドレインに接続される。トランジスタT1のソースはP型電界効果トランジスタT2のドレインに接続され、トランジスタT2のソースは電源端子に接続されて電源電圧VDDが印加される。抵抗R1,R3の他端同士の接続点が定電圧を供給する出力端子12に接続されるようになっている。
トランジスタT1のゲートには演算増幅器OPの出力が供給されており、第3の電流路I3は演算増幅器OPによって電流量が制御される。演算増幅器OPは、正相入力端が抵抗R1の一端に接続され、逆相入力端が抵抗R2,R3の接続点に接続される。演算増幅器OPは、正相入力端と逆相入力端との入力レベルを一致させるように動作する。
例えば、抵抗R1,R3の抵抗値は相互に同一に設定される。トランジスタQ0〜Qnのエミッタ面積は例えば相互に同一である。これにより、1個のトランジスタQ0のみのエミッタ面積に比べて、トランジスタQ1〜Qnのn個のトランジスタの総エミッタ面積の方が大きくなる。なお、複数個のトランジスタQ1〜Qnを設けることなく、エミッタ面積がトランジスタQ0よりも広い1個のトランジスタを用いてもよい。
バイポーラトランジスタQ0〜Qnは、ベース・エミッタ間電圧が負の温度係数を有する。
本実施の形態においては、抵抗R2が、バイポーラトランジスタQ0〜Qnのベース・エミッタ間電圧の温度特性の逆特性である正の温度係数を有するように構成するようになっている。理想的には、抵抗R2の温度係数を、絶対値がトランジスタQ0〜Qnのベース・エミッタ間電圧の温度特性の絶対値に等しく、符号が逆となるように設定する。
また、本実施の形態においては、P型電界効果トランジスタT3が設けられている。トランジスタT3はゲートがトランジスタT2のドレイン及びゲートに接続され、ソースが電源端子に接続されて電源電圧VDDが供給されるようになっている。トランジスタT3のドレインは、定電流を供給する出力端子11に接続される。トランジスタT2,T3によって、カレントミラー回路が構成され、トランジスタT3のドレインからは、第3の電流路I3に流れる電流と同一値の電流が出力端子11に供給されるようになっている。
次に、このように構成された実施の形態の動作について説明する。
演算増幅器OPは図示しない電源電圧が供給されて動作し、トランジスタT1を駆動する。これにより、電源端子からトランジスタT2のソース・ドレイン路及びトランジスタT1のソース・ドレイン路を介して第3の電流路I3に電流が流れる。第3の電流路I3に流れる電流I3は、第1及び第2の電流路I1,I2に分岐して流れる。この場合には、第1の電流路I1と第2の電流路I2には同一の電流が流れるように設定されている。
トランジスタQ0のエミッタ面積よりもトランジスタQ1〜Qnの総エミッタ面積の方が大きいので、トランジスタQ1〜Qnのベース・エミッタ間電圧VBEnの方がトランジスタQ0のベース・エミッタ間電圧VBE0よりも低い。
トランジスタQ0のエミッタに現れる電圧は演算増幅器OPの正相入力端に印加され、抵抗R2,R3の接続点に現れる電圧は演算増幅器OPの逆相入力端に印加される。演算増幅器OPは正相入力端と逆相入力端との入力レベルを一致させるように出力を増減する。例えば、正相入力端のレベルの方が逆相入力端のレベルよりも高い場合には、演算増幅器OPの出力は大きくなり、第3の電流路I3に流れる帰還電流が増大し、電流I1,I2の電流量が増加する。そうすると、抵抗R2の電圧降下が大きくなり、抵抗R2,R3の接続点の電圧が上昇する。このような帰還によって、抵抗R2,R3の接続点の電圧は、ベース・エミッタ間電圧VBE0に一致する。
従って、抵抗R1〜R3の抵抗値を適宜設定することによって、電流路I1〜I3に流れる電流が規定され、抵抗R1〜R3に基づく増幅率の出力電圧が抵抗R1,R3の他端同士の接続点に現れる。この電圧が定電圧として出力端子12に供給される。
ところで、上述したように、抵抗R2はトランジスタQ0〜Qnのベース・エミッタ間電圧の温度特性の逆特性、即ち、正の温度係数を有する。従って、抵抗R2の電圧降下量ΔVは、下記(1)式で表される。但し、Kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
ΔV=KT ln(n/1) …(1)
第2の電流路I2に流れる電流I2は、抵抗R2の抵抗値をR2として、下記(2)式で示される。
第2の電流路I2に流れる電流I2は、抵抗R2の抵抗値をR2として、下記(2)式で示される。
I2=ΔV/R2=(KT/R2) ln(n/1) …(2)
上記(2)式から明らかなように、電流I2は、抵抗R2の正の温度係数に比例した、所謂、PTAT(Proportional To Absolute Temperature)電流である。電流路I1,I2に流れる電流量は相互に等しいので、電流路I3に流れる帰還電流も、絶対温度に比例したPTAT電流となる。
上記(2)式から明らかなように、電流I2は、抵抗R2の正の温度係数に比例した、所謂、PTAT(Proportional To Absolute Temperature)電流である。電流路I1,I2に流れる電流量は相互に等しいので、電流路I3に流れる帰還電流も、絶対温度に比例したPTAT電流となる。
一方、上述したように、トランジスタQ0〜Qnのベース・エミッタ間電圧VBEは負の温度係数を有する。従って、温度が上昇すると、電流路I3に流れる電流I3は、トランジスタQ0〜Qnのベース・エミッタ間電圧の温度特性によって低下しようとするが、抵抗R2の温度特性によって電流値の下降が抑制される。逆に、温度が下降すると、電流路I3に流れる電流I3は、トランジスタQ0〜Qnのベース・エミッタ間電圧の温度特性によって増大しようとするが、抵抗R2の温度特性によって電流値の増大が抑制される。
即ち、電流路I3に流れる電流I3は、トランジスタQ0〜Qnのベース・エミッタ間電圧の温度特性と抵抗R2の温度特性とが逆特性であることから、相互の温度特性が打ち消しあって、温度に依存しない安定した電流となる。
カレントミラー回路を構成するトランジスタT2,T3によって、トランジスタT3のコレクタには、電流I3と同一値の電流が流れる。この電流が定電流として出力端子11に供給される。
このように、本実施の形態においては、トランジスタのベース・エミッタ間電圧の温度特性とは逆特性の正の温度係数を有する抵抗を採用することで、帰還電流から温度依存性を相殺し、カレントミラー回路を用いて帰還電流を出力電流として取り出している。これにより、温度依存性を有していない高精度の定電流を得ることができる。
なお、図1においては1段のカレントミラー回路を用いて、第3の電流路に流れる電流と同一の1系統の電流出力を得る例を示したが、複数段のカレントミラー回路を用いることによって、温度依存性を有していない安定した複数系統の電流出力を出力することができることは明らかである。
Q0〜Qn…バイポーラトランジスタ、R1〜R2…抵抗、OP…演算増幅器、T1〜T3…電界効果トランジスタ。
Claims (3)
- バンドギャップに基づく電位差を発生させる第1の素子部と、
前記第1の素子部及び前記第1の素子部に接続された第1の抵抗によって構成される第1の電流路と、
バンドギャップに基づく電位差として前記第1の素子が発生させる電位差よりも小さい電位差を発生させる第2の素子部と、
前記第2の素子部、前記第2の素子部に接続された正の温度係数を有する第2の抵抗及び前記第2の抵抗に接続された第3の抵抗によって構成される第2の電流路と、
前記第1及び第3の抵抗に接続されて前記第1及び第2の電流路に相互に同一の電流を供給する第3の電流路を含み、前記第1の素子部と前記第1の抵抗との接続点の電圧と、前記第2及び第3の抵抗同士の接続点の電圧とを一致させるための電流を前記第3の電流路に流す帰還手段と、
前記第3の電流路に流れる電流と同一の電流を出力する電流出力手段とを含む基準電流発生回路。 - 前記第2の抵抗は、前記第1及び第2の素子部によって発生されるバンドギャップに基づく電位差の温度特性の逆特性の温度係数を有する基準電流発生回路。
- 前記第1及び第2の素子部は、バイポーラトランジスタによって構成される基準電流発生回路。
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2004
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